〜〜詩で遊ぼう!投稿梁山泊 3rd edition〜〜

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750昔の葉 今の葉
こんなことを考えるのはひさしぶりのことだが
がらになくいまはセンチメンタルな気分でいるんだ
昔ちぎった葉は今頃もう土にかえっているだろうかとか
それとも川に落ち流れてどこかの水底の沈殿物となったかとか
(考えだしたらとまらなくなってくる)
もしくは突風に大気圏まで吹き上げられて
人工衛星のような理屈で永永と落ちつづけているのだろうか
いや、どこぞの割烹料理屋の店主に気にいられて
肥え太ったどこぞの鮎に押しつぶされてしまったかもしれない・・・
751昔の葉 今の葉:02/10/19 01:32 ID:jH0FOii4
子供の頃の運動靴が片方だけだがいまさらになって出てきた
俺が鍵などをひまっつぶしに放り投げたりして
未来永劫不動を守れたかもしれないいわゆる大きなのっぽの邪魔ってなだけで
ろくすっぽ靴もしまわれていない下駄箱と黄ばんだ白壁との隙間に落とさなければ
そんな謎の運動靴なぞ今日の白昼の食卓の上になぞ置かれるはずもなかったはずだ
落ち葉なのか、それともただしおれて焦げ茶色に辿り着いただけなのかはしらないが
その片方だけの明らかに俺の名前が名前ペンで描かれたズックの中に
枯れた葉が一枚あった
これがかならず俺が昔にちぎった葉っぱなのかどうかなんてことは
いま横の椅子でうす目あけて呆れたようにこっちを見ている
じつにまあ19年も生きながらえている他称確実な化け猫であるところの
自称多少ぼけたふりをしているだけである愛玩ネコでさも解らないことは明らかなのだが
所詮葉っぱをちぎったいろんな場面があふれてきて止まらなくなっているんだ
ズック靴は時代の生みだした新しい理屈の電気製品からはみ出す
極微量さながらの放射能がてらのマイナスイオンにまるで守られ通したかのように
少しばかりの変色をまといいま俺の前にある
それを経て
理科の時間に昔見せられたフタバの発育の速すぎるビデオテープのような
急成長していく俺のセンチメンタルが落下
外の風が強くなっていることに気づいてふと一昨日の天気予報を思い出した
台風が進路を変えたのか気になってテレビをつけてみると
童顔の観たことがない男のニュースキャスターが
ぶんぶんと飛び立ちそうな勢いではち切れそうな樹木をバックに
透明を破られそうなレインコートの姿で映った