〜〜詩で遊ぼう!投稿梁山泊 3rd edition〜〜

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669枯葉の下で
世界が真空管に閉じ込められて
そうして木々は葉を落とし始める
世界を侵食していた醜悪な緑は
あっとゆうまに枯れ落ちて
老女の肌に似た色の葉で中を舞う

ひらひらと連鎖する枯葉色の爆発は
陽だまりの大地に襲いかかる

凍りついた季節はアナログの歯車を軋ませ
秒針は止まる
ヒトはうずくまる
そして凍傷に覆われたココロが腐食し
枯葉が全てを埋葬する

世界は
その下で腐食を繰り返す

緑の若葉を茂らせた世界樹が一本
枯葉に沈んだ地球を食らい
星座の間を根でつなぐ頃
たった一人蛹となって
冬を越した老人が呟く

春はまだかい?