〜〜詩で遊ぼう!投稿梁山泊 3rd edition〜〜

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醒めきった空から
 発熱する地平は
 ほんの三千メートル
と、わかったときには
夏が終わった、と
 ほんのすこし気が付いた

  ひとりっきりの部屋で
ねむけとあこがれのなかで
  頭のなかをつめたくしていた
そんな時に見えたものを
   もういい加減捨て去るだろうぼくらは
むかしの写真をみつけても
 いまの景色をかき消すことはなく
306続き:02/09/04 01:58 ID:TJtUwVc6
それでもあのときの前駆症状は
われてこわれゆく
 ことばを
  震えないように
きこえないようにぼくらに
 ぶつけてやろうとした
 
泣き叫びながら
 インド象の突撃が
 威圧しながら泥だらけで
ぼくらの家を崩してやろうとして
 やってきたはずのそれはしかし
網戸ごしに切り裂かれ

  圧縮されたはずのグロテスクな
 残塊にぶつかった時には
   鋭さと痛みに耐えかねて


いい風だ、と


ぼくらはつぶやいた