933 :
名前はいらない:2009/01/06(火) 09:10:34 ID:1n2y/OZH
夢の嘘の城
それは悲しひ色だった
それは儚げな色だった
暗闇に浮かぶ串刺しにされた心臓
金貨の媒体はもう流れない
心から島へ
渡り鳥すら訪れない孤独の領地だ
唯一の所有物は知らぬ間に流れた錆びたナイフ
役目を終えた旅人の日課は
それで砂浜に
押し寄せる過去を傷つけ
押し返す未来を暴くことだ
旅人は
血を流すことをやめてしまった
血を流す意味をやめてしまった
血を流す痛みをやめてしまった
そして旅人は
この孤島から見える景色以外覚えていない
934 :
名前はいらない:2009/01/06(火) 09:17:21 ID:1n2y/OZH
残酷という言葉に嫌悪する少年は
自分だけの夢を見る
正しい夢
悲しい夢
甘い夢
夢の遥か彼方の夢
どこから夢なのか分からぬぐらい深い無限の夢に
目が覚めると少年は
醜いものには棘があることを演じる
935 :
名前はいらない:2009/01/06(火) 09:21:09 ID:1n2y/OZH
多くの言葉を知りながら
一つの真実も語れなかった私は
寡黙というペテンを覚える
私が詩を造るのではない
私の虚空が君達の言霊を反芻するだけなのだ
音と声の間に潜む陰影を映し出す水たまりなのだ
私は私の言葉を持たない
やがて濁らせる泥さえペルソナと知るのだ
936 :
名前はいらない:2009/01/29(木) 10:52:30 ID:wtnnwAjw
空がいつまでも青いと信じてた頃
四季がいつも規則正しく世界に流れてくれると感じてた頃
戦争はいけないものだと疑いもなく祈ってたころ
林檎は林檎のままで永遠は手に入ると悠々と語ってたころ
なんでもない
なんてことのない僕以外を殺す焼夷弾が
夕日とシンクロしたとき
童話は矛盾だらけで
僕の瞳の蒼いレンズはあっけなく破裂した
937 :
名前はいらない:2009/01/31(土) 12:06:19 ID:a2LZXMjY
正解を求めて
意義を求めて
真理を探して
答えを知るために
様々な銀河をわたり感傷の海を作ってきたが
押し返す光素さえ退屈で
ため息を吐きながら野花をむしゃむしゃ咀嚼した
ほのかに涙を味がした
霧消に光彩が最後の煌きを示すと
明日には忘れてしまう脳髄をもって
次の星へと旅するのだ
光の道すら見えずに
暖かいという概念のない四季層を身に染み込ませて
938 :
名前はいらない:2009/02/08(日) 09:57:23 ID:w8bDCt8H
小さな宇宙の中で
自傷の刃をたてる少女
落ちる雫の中に恍惚たる香りがたつ
赤ワインをテイスティングするのが得意だったし
誇りでもあったが用意されたものは
ありふれた捨てられるほどのある感慨を
閉じ込められた永遠を
少女は孕んだ
少女が世俗を食らい
計算式を身体に組み込み
現実主義の息を吐くようになる1000年後には
獣と化した人を拒絶する少女が
また小さな宇宙で
自傷の刃をたてる
どうしていきねばならないの
喜びなどかりそめなのに
さむい夜にとうさんが死んだ
木の根をたべた
雪をたべると未来をかりいれたような
血の味がした
おとなになれなかったほうはこどものままで
からすが突いてころがる
くるまっているなみだのつぶが
あっというまにかわいて
ひりひりするのどにひっかかった
どこまでもどこまでもそらがうごいて
ちいさな瞬きのこっちにも
だれかいると
ぼく はちいさな遠吠えをした
940 :
名前はいらない:2009/02/12(木) 13:17:36 ID:ijoU1D7r
目を瞑ると
言葉の木がみえる
それは枯れ葉もなくて
それは色もなくて
淋しく毛細血管に青い刃を流すそうだ
美しい痛みに
私は思わず詩を詠んだ
941 :
名前はいらない:2009/02/12(木) 14:24:40 ID:ZgdbsSmB
今きいてる音楽: theピーズ「なっとーばかりくっててもいいのか」
942 :
名前はいらない:2009/02/13(金) 10:58:04 ID:kFR6qyj9
私は愛のため死ぬが
愛は私のため死んでくれますか?
943 :
名前はいらない:2009/02/16(月) 22:47:29 ID:wT4Ayswg
雨を失った楽園は
妖艶な花の姿は楽園には無い
光素がギリギリの日差しが当たる頃
無為にオジギソウの花言葉が浮かぶ
私の世界は私の宇宙へ
私だけの正解へ孤独の最終へ
ここでは血が流れない
しかし涙も流れない悲しみがないから苦しみがないから
私は私のそらへ浮かぶ雲に
一つ一つ名前をつける
忘却と再生を繰り返して
誰も許さず
誰も救わず
白の楽園を着色料でぶちまけるのだ
私はまだ赤ん坊
絵の具は108の煩悩で足りてしまう
楽園で死のう
楽園で自殺しよう
私の世界は私の宇宙へ
私だけの正解へ孤独の最終へ
944 :
名前はいらない:2009/02/16(月) 23:02:21 ID:wT4Ayswg
男はいった
死んだ後も歴史に名を残して生き続ける
少女はいった
死んだ後も魂は不滅で無垢なる世界で生き続ける
天使はいった
死んだ後も1000年後また運命が繰り返される
母親はいった
死んだ後もアタシの子供が私を生かしていくから生き続ける
詩人はいった
死んだ後、言葉の心象が世界の人に繋がり人類が滅びるまで生き続ける
皆笑ってる
形の無い永遠を信じてる
それはまったく美しいことで
神はいった
死んだ後、存在は次元になり時を越えて私と同化する
今のところ命は約137億年続いてるようだ
945 :
名前はいらない:2009/02/17(火) 04:12:26 ID:nbhyN2q+
こいつらが一生苦しみ続けますように
946 :
名前はいらない:2009/02/18(水) 10:47:15 ID:zGDO4Z+L
雨は青空を辱めて
雪は心の忘却
夕日は歩んだ間違いを影に残し
星は虚しい
光をさらって自己主張するのだから
宇宙は正しさだけが証明だったから
友達は誰一人いない
少女が空へ飛びたいと思ったその世界は
ひび割れた傷が斜陽となって流れる
一度も吐血したことない月は
もう人を見捨てたように
月食の時だけ陰口を話すそうだ
生まれてしまったことへの憎悪を
落としてしまった硝子の脳と
貶めてしまった美しさのアルペジオ
誰か私をさらってほしい
ここではないどこかへ
酷く不ぞろいな銀の枯れ葉を食べながら
空のご機嫌はいかが?と笑ってみた
947 :
名前はいらない:2009/02/18(水) 11:04:04 ID:zGDO4Z+L
君の涙は気持ち悪く
豚のヨダレにも劣る液体で
それゆえいとおしく
それゆえみっともない愛に焦がれた私は
君への虐待が途切れぬよう
君への愛情が壊れぬよう
丁寧にカミソリで手首を切ってあげて
溢れる血で夢溢れる絵画を描いた
誰一人入れない次元に愛しい君を閉じ込めて
他の女を抱こう
僕らはクソッタレだ
それゆえアンチを手に入れた
僕らだけの
僕らだけの
僕らだけの
―真実をただ、命と引き換えに
948 :
名前はいらない:2009/02/18(水) 18:19:50 ID:29EgA/3Q
半分の月
明け方の淡き夢
想いより静かな
空白がやけに優しい
僕が半分を見せる時
君は半分を闇に隠す
相殺された生と死が
静寂の中でバランスを失わない
朝にかすむのは
昨日だろうか
僕らだろうか
歓びを苦しみ
苦しみを悦びながら
朝の中に闇を残そうか
夜の中で光を失わない為にね
949 :
名前はいらない:2009/02/19(木) 11:29:10 ID:y4grc6WW
光にあたることを嫌う花は
地下に咲き
そこで見出した寂寥で
青い塊の噴火をする
人々はそれをみてみすぼらいと醜い顔したが
私はこれほど生き物らしい色彩はないと思った
それは
「花は再生する」
その真実の色が美しいと喜んでしまうのだ
私も生き物のひとつであるゆえに
950 :
名前はいらない:2009/02/19(木) 22:14:16 ID:Fr5Alkdb
裸にならない詩人ほど 汚いものはない
裸になったところで 生きてはいられないのだが
951 :
名前はいらない:2009/02/25(水) 16:12:08 ID:MSxdeqYi
天井の銀河は感傷の燐光
星を破壊するため息は
最も憎まれた愛
偽善者は決まってそれを欲しがるのだ
旅人は暖かいところへいきたいと言った。
足はひたすら北へ向かい
その凍える夜空の下に
生き延びた野花を探す
繰り返し繰り返し
その姿の同義語を長旅の中で培った知識で
見つけようとするが
嘘ばかりで真実が無いことを思い出した翌日
また旅に出るのだ
別れ際に
簡単な花のスケッチをした
そのスケッチブックならば
「17冊」はある
これは誇りでもなければ財産でもない
一つの言葉もみつけられないままここまで来てしまったことを
その人は恥じた
ただその言葉を知るため
遺産を生み落とし続ける
星星を渡る旅人の足跡には微光がさすらしい
人々はそれを見て「夢」は儚いと知る
952 :
名前はいらない:2009/02/26(木) 07:29:32 ID:w2cL6tgb
論理は秋の枯れ葉
矛盾は春の煌き
仮説は夏の焦がれ
詩集は冬の奥のほうに存在する神話
凍えて
私の体温を奪って
孤独を感じさせて
一つの極寒が心象をくねらせる
春が訪れる頃
私は詩人ではなくなり
ノートには私の心が言葉の絵で描かれてる
953 :
名前はいらない:2009/02/26(木) 11:51:18 ID:w2cL6tgb
一般人は神に救いを求め
少年は反抗に救いがあると期待し
盲目の詩人は言葉に救いがあると信じてる
どれもこれも
報われない
救われない
祈りはただ捨てられるだけ
ただ
想ってるその瞬間は永遠に銀河を流れる
954 :
名前はいらない:2009/02/27(金) 11:54:55 ID:DHNLwbvu
花言葉をマシンガンで嘔吐した生活と
地下に虹が咲く排泄物の雨
誰か命落としても一輪の花さえ飾らず
証明と意義を両立した緑色の鎖が鳴る
私はこんな世界で深呼吸をした
世界は完成されたのだ
傲慢を捨てきれなかった私は
偽者だったのだ
聖書があるかぎり私は塵にしかなれぬのだ
塵なのだ―
涙すら流すことを知らない無機物でしかなく
だから私は神を呪う詩を書く
目指すところへ
あの領地へ
私の中の私の私のため
願い続け
カミは最初に言葉を造ったことを肯定するため
カミは愛の独裁者と信ずる者どもを否定するため
言葉は言葉のため以外無垢であると信仰するため
それを詩だと証明するため
955 :
名前はいらない:2009/02/27(金) 12:45:02 ID:HW38nlEw
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956 :
名前はいらない:2009/02/28(土) 06:29:02 ID:p5NjUqa0
4000年前から偽者のダイヤは
猜疑の結晶で
人は平気でそれを受け入れた
それが愛だとメシアは語る
ならば感傷も価値はありや?
壊れたシンボルはどこへいくや?
孤独は嫌われ、愛だけありがたられる
天国は地獄で
地獄は現世で
現世は楽園で
楽園は聖地で
聖地は子宮で
子宮はイブで
イブは肋骨で
肋骨の庭園に花はありや?
花は枯れたら終りか
雪は溶けたら想いは残さず消えるか
虹は消えたら空に色を帯びず去るのか
詩は甘い感情の寄生虫として切り捨てられるのか
空は一色ではなく
かわりつづけカタチさえも定かではなく
これを「約束」と呼ぶことにした
957 :
名前はいらない:2009/03/03(火) 18:01:37 ID:j8qVfsfr
白い月は銀河の白光を浴び
赤い薔薇は真紅の血に塗れ
黒い瞳は心の夜に包まれて
ただひたすら自己証明を拒んでた
染み出た苦悩の色が世間の新聞紙に露わになる
盲目の人だけがその芸術に達したスケッチを
仲間の墓場に報告した
老人は嬉しそうに少年のことを語るのだ
せっかくの土産の花はすっかり乾ききっている
愛したものは満たされるのか愛せば満たされないことはないのか
毒と愛を飲み込む少年と
痩せた老人と
きっと人は受け継がれていくのだろう その慈悲を否定した自己破壊の微笑を
何時も 何代も
958 :
名前はいらない:2009/03/04(水) 11:16:53 ID:GVC6Vln3
神よ
貴方は硝子の欠片を飲むことができますか
それができずに人に罪を与えるのですか
答えることができないのですか
沈黙が正解だとしたら
なぜ最初に言葉を造ったのですか
おどけたレプリカですか
もう信じる価値はないのですか
愛することは真理ですか
それとも憎しみの裏切りですか
私が死のうと何も変わらないのなら
生きていてもなにも変わらないで
それでも貴方は微笑むのですか
答えることができずにそっと笑うのですか
959 :
名前はいらない:2009/03/05(木) 16:26:05 ID:rmm76ywZ
光が届けば
闇は殺される
理性の銀河が
定義の無い宇宙の感情を否定していく
全く安全で
全く正義で
全く銀彩で
闇を追いやり
孤独の人の場所はもう無い
不完全ではいけない
中途半端ではいけない
死ぬなら堆肥となって死ななければ
弱きもののために弱きものは死ねと
強きものが叫ぶ
誰もいない戦場に鎮魂歌は流れない
ただ血に染まった旗が誇らしげに
孤独を味わっている
この世が完全に弱肉強食なら
喜んで彼女は弱きものとなろう
慰み者になろう
光が届けば
そこに映し出されたのは真っ黒の渦であって
闇のままの方が幸せだったのだ
森羅万象はそうゆう存在で
泣く時はせめて明かりを消した方がそのためなのだ
そのための夜なのだ
960 :
名前はいらない:2009/03/08(日) 19:52:23 ID:bXCM3b40
なにが悲しいかって酒を呑むしかないからだ
酒を飲んで涙を排出する
酒飲んだって悲しみは消えないんだ
だから呑むんだ
だから泣くんだ
大人が声をあげてね
おいおーいおいお母ちゃんってね
でも捨ててめ捨てても溢れてくるんだ悲しみがよぉ
ああ 大根のつまうめ
ああ 大根のつまうめぇ
花見は惨めなタンポポ一輪
こいつだって好きで生きてるわけじゃねえや
こいつだってまさか落ちつぶれたオッサンの慰みものになるため産まれたわけじゃねえや
でもなっちまったんだからしょうがねえ
俺と心中してくれない?
今に俺は摂理の海に溺れて窒息してみせる 死んでみせらぁ そのとき誰も見向きもしねぇ
なんの同情もされねぇ
上等だよ だけどそんときお前さん一輪咲いていてくんねえかな
お願いだよ 一生に一度の頼みってんだ
駄目?
じゃ俺は死ねもしない醜い餓鬼じゃねえか
おーいお母ちゃん
っていいよ
酒ー
酒持って来い
死んでもいいんだから
死んでも
死んでもー
やっぱお前さんそばにいてくんない?
961 :
名前はいらない:2009/03/11(水) 10:22:09 ID:zcZZfEJ0
誰も未来にいくことはできない
誰も過去を変えることはできない
ただ今だけは自分で決めるを出来る
だから沢山の言葉を謳うんだ
だから詩を遠く離れた星空へ飛ばすんた
それは命と変わり過去へ移るころ生きた証になり
未来は温かい生命のプールの中で四季のように優しく色づいていく
私は想う
世界に向けて私の歌を
死ぬまで生きる詩をあの過去にあの未来に
幼い私がいるように
962 :
名前はいらない:2009/03/12(木) 10:14:03 ID:Dd6oAeak
欺瞞香りたつ夕日の中で
同じ色の血を流した少年の心は偽りか
銀彩放つ銀河の下で
同じ色の涙を流した老人の歴史は一瞬か
光を知らない盲人にみえる後光は
密室に閉じ込めた心にあらわれるのは狂気か救済か
いつかは消える眼
いつかは消える日
いつかは消えるこの世の果てに
嘆きの洞窟は人を誘っては誰も帰さず
吹き抜ける風は笑っているのか泣いているのか狂ってるのか
ああ
人はみな、肉食獣ならぬ心食獣だ
この情景の心象を食らって生きている
しかし生み出すものはあの世の憧憬ばかりで
作り出すものは一元的な罪の肉片だ
肯定もせず否定もせず
宇宙はただあるばかりで
私とみんなと生き物はただ怯えながら眠れる場所を探しているのだ
いつかはなくなる世界と知って
963 :
名前はいらない:2009/03/13(金) 10:57:03 ID:nEaV98/S
黒薔薇を支配する君の瞳は誰も見てなくて
いつも何も無い空ばかり見ていた
この無言の空間で
「飛ぶ鳥は誰の玩具にもならず、されど孤独の象徴ね」
摂理を鬱陶しく思う君は呟くと
一本の指を立て
「幸せ」となぞった
その瞬間
声に出せば形骸化してしまうことを知ってか
夕日の光を浴びながら皮肉のように微笑んだ
僕は君に見せたかった
こんな太陽が統べる空じゃなくて
一千万人の命を簡単に殺す殺戮の新兵器でも描くことのできない
夜の月が女神となって星星が共鳴するあの劇場を
光は一つではなく白、赤、青、黄とあっていいんだということを
きっと忘れることができないから
一度だけでいい
盲人の彼女に見せたかったんだ
964 :
名前はいらない:2009/03/14(土) 17:49:02 ID:7vnoVxr3
狂ったことに飽きた道化師は
倫理の蟻どもを舌舐めづり
首を吊る夢を見ては
聖書に記されたソドムとゴモラに恋してた
いつか自分にも神罰が下りますように
許される最後の日がきますように
道化師はひたすら林檎を貪った
鏡に写る私は私じゃない
私じゃない私が2次元の向こうで微笑むから
私は硝子を粉砕し
その欠片を飲み干すと
鉄の味がした
これが私の味なのね―
幾度自分を殺せば天使は降りてくる?
幾度手首を切れば死神は降りてくる?
春が来る
この美しい世界に金色に輝く風が吹く
白いブラウスを真っ赤に染めて私は・・・?
黒と赤の春=罪の楽園?
とりあえず今は自虐だけを信じてみることにした
桜が咲いては散っていくように
死ぬために生まれるように
何度も何度も刺殺して壊れた私に
壊れた天使が降りてくるように
965 :
名前はいらない:2009/03/15(日) 15:46:21 ID:JJNYnPzF
零下二千度の世界は幻想的だが美しい仮死の劇場だ
偏光さえ固体化する摂理の中でどうやって風景が澱むような涙を流せるのか
ここは旅人の最後の地球
感傷の澱はダイヤモンドより貴重だという光差す暖かな地で一瞬の叙情を懐かしく
明日には消える孤独を選ぶか
氷をかじりながら絶対零度の永久の詩を求め凍死の花を夜空に飛ばすか
虹彩は奇跡ではなく悲しみに満ちた人には必ず見えるものだ
私は裸で極寒に挑む試みを笑うことは出来ない
銀に輝く星の世界はなんでも感情のガスがないらしい
それでもなお銀河は存在して真空に光を一億年かけて示してじているから
966 :
名前はいらない:2009/03/18(水) 08:32:15 ID:p0PCDtHy
この夜明けの赤の中ではどんな言の葉も
黙ってしまうといった詩人がいた
そいつははるか遠い遠い情景を
目に写らせていた気がする
温もりを捨てて
選んだこの修羅の道
だけどいとしい我が道
夜明けがまだ今に存在しないうちは多くの詩を語ろう
私の過去が
詩の歴史が
花咲いたときには
その時の情景は夜明けの赤の中でよろしく頼む
枯れた言の葉に
目覚める朝が迎えに来るのなら
私ははるか遠い遠いこの情景を目に写そう
967 :
名前はいらない:2009/03/20(金) 07:44:27 ID:fcuyrEAA
無機質な四季に
錆びた新風
鵜呑みにした宮沢賢治の本
真っ黒な朝
どこからきてどこへいくや?
どこへきてどこかにいくかや?
私は私である以上
世界と私は隔離されてる
目を瞑れば
浮かぶは枯れたポプラの木一つ
そこになまあたたかい風がふいて
そこに古傷えぐる嘲笑の朝がきて
私が終わるとき世界は終わるが
世界が終わるときは
私は生まれ変わる
968 :
名前はいらない:2009/03/26(木) 11:05:01 ID:ImhrjNYB
内部の温もりと
外部の温度が同化した時
君と春は訪れる
昆虫にも感情がある、といった君のやさしさを
誰が知ろう
誰が笑えよう
春には君の言葉が風にのって
遠い国の果てまで暖かさを届ける
花が咲くように
虹が咲くように
確かに君から春は訪れるのだ
969 :
名前はいらない:2009/04/02(木) 16:37:28 ID:dXM02rhQ
幼児が語っている
この世の因果率を
それをただ大人達は
可愛いねぇと
笑っている
誰よりも孤独なものから
誰とも分からない程意志のないものへ
零下の意識の中に
仮死するまで泣いている赤ん坊
感情なき笑顔に変わるまで宇宙の果てまで叫んでくれ
970 :
名前はいらない:2009/04/02(木) 18:19:17 ID:dXM02rhQ
みんな過去を捨てて生きていた
詩人は過去を抱いて眠ってる
それにひきかえ未来は傲慢だ
可能性を歌っては無垢を装ういたずらな妖精だ
蒼鉛の言葉の為に私たちは精神世界を自殺する 未来のために幼い過去を死なすのだ
人々は謳う
「未来に幸あれ」!
熱が欲しい
ジェネラリストの女なら
申し分ないから早くぬくめて欲しい
痛みを知って強くなる
だなんてありゃあ
嘘だ
半身がもがれ
頭を半分もってかれ
作り直す時間もなく
30余年の人生が
決まりゆく
考えてはいけない
認めてはいけない
だから
熱が欲しい
昇華できるなんて適当ぬかして
私の思考を司る部位がよみがえる
それなりの人生に変化を求められ
退屈より性欲をとる雌にはうんざりして
吐き気のするのが世の常で
たのしいことがありゃそりゃあ幸せ者だねと
ふりかえりそれを噛み締めて
耳を揺らすリズムが胸板を触り
重ねるのはかつての半身
あえていおうか
愛し合っているのだと囁き合う女の喘ぐ様子を
身体に薄く創造してはじめて破壊衝動に駆られる私は
死んだようなものだ
キャッキャッウフフ
973 :
名前はいらない:2009/04/04(土) 19:27:40 ID:CKYkafB8
<<762
こんな素晴らしい詩が見られるとは・・・
974 :
名前はいらない:2009/04/04(土) 19:28:55 ID:CKYkafB8
975 :
名前はいらない:2009/04/05(日) 07:49:36 ID:Cjn+HQG9
静かに世界を終わらせる
そんな童話があったっていい
音一つしない
胎児の夢
言葉は数字に代わり
感情は感情症候群と言われるようになり
ついには
太陽すら敵対視する近代科学
四季が来ても無駄
月が浮かんでも無駄
花が咲いても無駄
心のピアノを聴くには
もう大気は存在しなかった
そんな吟遊詩人は白痴と呼ばれ
牢獄の中で橙色の蝋燭を見つめながら歌を歌ってる
ただ本当に願うのは
肉声になりえない永遠の詩を求めて
耳をそぎ落とした世間を無視して
静かに世界を終わらせることである
976 :
名前はいらない:2009/04/05(日) 09:38:47 ID:Cjn+HQG9
琥珀の夕焼けの中
私から伸びる影には
過去の過ちが
懺悔の絶叫が凝縮してなお
とおくとおく―
重なることの無い影がくっきりと描かれていて
私はそれを小さくしようと
しゃがみこんだ
977 :
名前はいらない:2009/04/05(日) 11:32:45 ID:mCwuDrc5
君という詩集の
最後を汚す
優しい棘でありたい
遠くで白い雲
浮かんで
指差して
おどろいたあと
それに向かって走り出した
歩きにくい黒服姿
取り乱した顔
動悸する心
春だもの
体の中央に
置き場なく
お姉さん風に
あら
これは
詩ね
救われたいから
人は救われたいから
死ねと言う
死ね
消えない
消えない
消えない
消えないです
消えないんだけど。
981 :
名前はいらない:2009/04/10(金) 15:50:59 ID:Q6HklWYv
月の貝を集めていた重なる春はないものかと
海の音を拾っていた人々が捨てていった余情を束ね 悲しくない歌ができないものかと
世界の言霊を吸い込んでいた
私の体内で一本の樹がたっていた
それは淋しい姿であったが紛れもなく
心にスケッチされた詩だった
誰かの前で誰かの涙を集めていた
これをあの樹に注ぐのだ
きっと樹は蒼鉛色の葉を広げるだろう
その時こそ私と宇宙が繋がり
都会のアスファルトに埋もれながら
微量の人間らしさを表現していた
982 :
名前はいらない:
手のしわを数えてみる
一つ、二つ、三つ、四つ、五つ・・・
正義、敗北、感傷、贖罪、黒色・・・
後悔、後悔、後悔、後悔、後悔・・・
答えの無い答えを求め
あの終りへ
終りの無い終りへ向かって
あの輪廻へ
「そうだ、にげることじゃなったんだ
自然に還ること
それが自殺
生きる意味もなく
自らを殺めない花はなく
自らを裏切らない人はいない」
だから
世界は美しく今日も私は艶やかに自虐を開始する