海の向うで戦争が始まる

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458名前はいらない
自分だ 自分だ 自分なのだ
殺しているのも
殺されているのも
奪って富むのも
失って呪うのも
止めようもなく
それはみんな自分がしていることなのだと
海が答えた
459名前はいらない:2005/06/01(水) 01:13:01 ID:BVl9H/Mi
海が襲い来る!
守るべきものはたくさんあるのに
守ってくれるものはないのだ
長く髪を伸ばせ 青い衣を着て
怒れ 訴えろ
どうして黙っていられよう
460名前はいらない:2005/06/30(木) 03:31:19 ID:cc1XDBCI
漫ろ笑み

いまは病院でながい居眠り
激動の時代を笑い飛ばした
あのひとが安らかにながい夢路
テレビが映す 燃える日章旗

   「なんでいまさら言うのかねェ
   「なぜあのとき咎めなかったのかね」
事情も知らずに私は嘆く
翁 昏昏と沈黙に耽る

   「お互い不憫で遊んでいるの
   「親父は捕虜さ 妹は餓死さ
波に呑まれてフィリピン・パブへ
そぞろつないだ 画描きの生命

   「逃げた 逃げた ひたすら逃げた
   殺さなかった 殺されなかった
でも襲われた だから笑った
そして許した 酒に溺れた

   「ボケて ボケて ボケまくった後
   ボケ切ってもうた ボケの最果て

ユーモアと怒りに満ちた微笑は
頬の丸みを日に照らされ
浜辺の病棟最上階
秋蝉の声はカラカラ響く

   「ユルセ 笑エヤ 笑オウヤ
              ……。」