シンジ×カヲル★pink part6

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928さんらん 8

「あのさぁ…せっかくおまいを少しは『いい奴だ』と思っとったのに、
なにがかなしゅうて、きさんとあがな事しゃべらなあかんの?」
「へえ。それでいいんだ。人って生きてるだけで、いい事あるのかな?」
「当たり前じゃボケ。素直やない、渚」

貞シンジが今は無き貞トウジの口真似をすると、
貞カヲルも張り合うかのようにくくっと、北斗の外道のアミバのような笑顔をしている。
顔の筋肉だけで笑っているわざとらしい表情。ほとんどヤンキーの顔だ。
一方、男の子は安らかにシンジの腕の中で、
ワタアメの様な顔ですぅすぅと寝息を立てている。滑稽な光景だった。

「……渚って何?誰それ?」
「はい?」
「『渚』なんてやつはもういないよ。消えちまった。よかったね。シンジ君」

………一瞬だけだが気まずい沈黙が押し包む。
カヲルが急激に弱気な表情になって、下を向く。
何故かいつもより二周り、小さく見える。

「『渚カヲル』、か。あほくさ。そんなニンゲンはもうこの世界にはいない。
ガキだったなぁ。何も分かってなかったんだ。」

「何があったの…? 何のことだか、よく分からないんだけど。」
「XY0017。番号が今の名前。僕…俺の、親父が死んだから。」

カヲルの肩からわずかだが、布越しに、血がにじみ出ていた。



と、ここまで受信
流石にチビカヲと絡ませるのは犯罪か