952 :
捨て猫:2008/08/06(水) 01:34:39 0
「チバ…」
ぐったりと動かない身体を抱き寄せる。胸を貫いた鉛の弾は次々と血液を体外へ送り出し、チバの頬を白く白く漂白してゆく。体温を下げてゆく。
薄く開いた口が何事か呟いていた。重たげに瞼が持ち上がり、見慣れた瞳が現れる。寂しげに暗く沈んだ色と、夜空のように澄んだ色が混じっていた。
『捨て猫』と『チバ』の色が、ゆっくりと渦を巻いて溶け合っていく。
全てがまるで、夢のよう。
黒い服を着た自分に抱かれた白いシャツのチバ。
肌は色を無くして、胸には大輪の赤いバラ。
美しい光景に目眩がする。視界が端から崩れてゆく。
耳鳴りのように、猫が頭の中で鳴き続ける。
貧血だろうか。目の前のチバも、彼を支える自分の手も、立ち尽くしている茶髪も動揺している金髪も奥のDJブースもテーブルもイスモユカモテンジョウモ。
全てがばらばらに崩れてゆく。濡れて咲く胸の薔薇が散ってゆく。
目の前が赤で埋め尽くされる。どこかで猫が鳴いている。
その中に横たわる、バラを抱いた白い身体。
こいつは俺のもの。もう絶対に手放さない。
俺、の、血まみれの、聖母。
※
953 :
捨て猫:2008/08/06(水) 01:37:22 0
照明が消えたように店内がどんどん暗くなってゆく。
視界に黒い霧が立ちこめたような、そんな感じ。
胸の辺りが熱い。そのくせ手足の先っちょはとても冷たくて、指の1本も動かせない。頭の奥のほうでどくどくと音がする。
背中に当たるのは何だろうか。床のような硬さは無い。
冷たい、けれど人肌の温度が俺を包んでいる。
マルボロの匂い。
嗅ぎ慣れた(嗅ぎ慣れた?)シャンプーの香り。
いつも(いつも?)こんなふうに抱かれていた気がする。
ああ、俺、あべくんの(……神様の)腕の中に居るんだ。
俺は、あべくんに(神様に)抱きしめられて、いるんだね。
優しい感触がする。真っ黒なあべくんは(神様は)、とても優しいから。
あんたが俺を嫌いでも、俺はあんたが好きだよ。
だって、あべくんは(神様は)こんなに優しい。嫌いなはずの俺を、柔らかい夜空でくるんでくれる。
びっくりしたんだ。もう来るはずないって思ってた店にあんたが居て、びっくりしただけ。
嫌いなのに、とか、好きなのに、とか、色々浮かんできて混乱しちまったけど、今度は落ち着いて話そうと思うよ。そうしたら、あんたも少しくらい俺のこと好きになってくれるかもしれない。
これは俺の自惚れかな。それでもいいや。また前みたいにあんたと酒が飲みたいんだよ、俺。
コウジくんが何か言ってる。
目の端でちらちら光るのはキュウの髪かな。
あべくんの(神様の)腕は何だかとてもあたたかい。
抱きしめられて、とても気持ちが良い。
あべくんの(神様の)腕の中で、眠ってもいい?
ねえ、あべくん(神様)。お願いがあるんだ。
一生にいちどだけ。叶えてくれるのなら、他に何も要らないから。
おれをそのままだいていて。
※
支援(;;)
955 :
捨て猫:2008/08/06(水) 02:00:32 0
目が覚めた。
長い夢を見ていた。
そこは石畳の階段で、月の光が男の影をくっきりと縫いつけていた。
頬がひんやりしたので触れてみると、涙の跡が幾筋もあった。
黒服の男はぼんやりと遠くを眺める。
ふと気付けば、いつの間にか足元に黒い猫が蹲っていた。ぴくりとも動かないそれは、既に冷たくなっていた。
何気無しにそっと抱き上げると、ゆわえられた首輪から下がるマリアのメダイが小さく揺れた。首輪もメダイもぼろぼろで、酷く汚れていた。
男は、哀れな猫に羽根のようなキスをした。
彼はその痩せた黒猫を優しく抱きかかえると、まだ明けぬ夜の街へ溶けるように姿を消した。
それから彼の姿を見た者は居ない。
誰も見てない、誰も知らない。
誰の記憶にも残っていない。
ただ月だけが、黙って全てを傍観していた。
※※※
以上です。長々と失礼しました。
続きを楽しみにくて下さった方も、そうでない方も、ここまでお付き合い下さり有り難うございました。
乙でした
アベが寂しいわ(´;ω;`)
パラレルで死にオチ且つ夢オチ且つファンタジーって盛り盛りやな〜
乙でした。
いろいろあったけど、毎夜楽しませてもらいました!
乙です!
お、おれ切ない…グスグスミう_ゝ´彡ヾ(´;ω;`)ヨシヨシ…
毎晩楽しみにしてました!せ、せつな…うう
ここまで落としきってくれて本当に有難うです&ご苦労様でした
乙でした 毎晩わくわくして待って、すごい楽しかった
自分はきっと夢オチじゃないんだろーなーと解釈してズッシリきました
捨て猫ちゃんがすごい好きだった…
アベもコウジ君もチバもみんな悲しいね キュウもだね
捨て猫ちゃんがラスヘブの儚げでエロスなチバと重なって、そんなイメージで読んでた
スルー組の皆さんもありがとね…
いろいろあったけど真ん中がすきだお
健気なキュウに萌えた〜〜
チバまたもや§`_ゝ´§?
パーマ&カラー…?だよね?
どんどんハルキと似てきてないか?
プードルみたいw
グスグス…ミう_ゝ´彡ヾ§`<_´;§も、もう泣くのおよし
後ろ姿だとハルキと判別つかなそうw
967 :
名無しさん@ビンキー:2008/08/06(水) 23:12:45 O
∬;´ー`∬§*`_ゝ´§兄弟みたいでしょ?
sageるの忘れました
すみません…
今見て来た・・・ほんとだクリソツになってる…
後ろ頭、区別つかないねあのふたりw
ハルキと思わせてスパゲッティヘア狙いだったりして
ハルキと髪やらなんやらがくんずほぐれつねハァハァ
今の今まで今夜も捨て猫さんがクルワァと思ってた…
捨て猫様、乙です(;ω;)
パラレルでここまでのめり込んだの初めてだ
最初は色々あったけど、また気が向いたら次回作期待してます
あべくんへ
かみがたあたらしくしたよ
うん
あたらしくした
うん
良かったね、ちば。
なにそれそんだけかよ
なんかもとかんそうとかねえの
むかちく
むかついたか、ごめん
感想ほしいなら写真送ってよ
あ、しゃめわすれてたごむんなさい
添付:§*`_ゝ´§
似合ってるよ!
そうかなありがとう
なにこれ萌えたどうしてくれる
むかちくwww
触りてえな
じゃあこちきてよ
はやく
うん、そうだね
あいたい
うん
てかあべくんはいまどんななの
ひげとかはえてんの
しゃめしゃめ
俺はいいよ
しゃめ
はいはい
添付:(`皿´)
ふーんかっこいいじゃん
あいかわらずこわいかおしてんね
喧嘩うってんのか
あいたい
そうね
俺も会いたいよ
ひらがなさえ危ういスットコwww
髪型変えて、連絡したいなぁ…電話しようかな…メールしようかな…と悶々としつつ酒が進み、酔った勢いでようやく携帯を手にする
手元も視界も既に危うく誤字だらけ
メールした後、会えなくてもせめて声が聞きたいと電話すると
涙腺まで弱くなっててちょっと泣いちゃう…
まで妄想しました
時間が経って色々と環境が変わって、自分も多少なりとも変わってしまって、
ちょっと不安定になってるとこに電話してみた向こうの声は何一つ変わってなくて…
→涙がこぼれそう
まで便乗して妄想しました
むかちくに激しく萌えた件
アベのそうねにも激しく萌えた件
喧嘩うってんのか
あいたい
の流れに笑いつつも萌えた件
あまえたさんな
しゃめ
に禿げ萌え
これって、普通のメールじゃなく
ショートメッセージみたいなの使って
やりとりするレベルの文字数だなw
同じプロバイダーなら可能だw
つ【ポケベル】
wwwwwwwwwww
住人のお陰で表情コロコロ変えて落ち着き無く携帯開いたり閉じたり繰り返した挙句、鬼からの褒め言葉にはにかみながらニコッと笑ったスットコの映像を脳内受信した
…あれ?これなんて乙女?
ジャパンフェス行ったらカリプソベイビーが良く流れてて、懐かしくて聞き直してみたら歌詞萌えした。
裏切りの果てに燃え上がる愛のカタチはどんなんだろう?
ってギア〜カサスネの蜜月を経たロデタン後の殺伐としたあの時期に歌ってたと思うと切ない。
初期ロソは離れていきそうな彼氏の反応をうかがう為に敢えて浮気してみているような
苦渋と悲哀に満ちた愚かさを感じて萌えたものです
歌詞も結局アベを歌ってるようにしか…
次スレたててきます
次スレ立ちました。
重複で立てないよう気をつけてください。
スットコと鬼さんのツーショットってあまりないけど
一枚一枚の破壊力がでかいよねw
写真集欲しいわあ
ピンポーン
「はーい…あれ、チバじゃん」
「あ、あべくん、久々」
「久々だねー…どしたの、遊びに来たの?」
「うん、仕事で近くまで来たから、ついでに」
「ふうん」
「あ、これからなんかすんの?だったらか、帰るけど」
「いや…なんもないよ、暇。ほら、上がれよ」
「…おじゃましまーす……」
「悪い、今ちょっと酒切らしてんだ」
「あ、いいよ別に…てかなんか、前来たときよりも部屋広くなった?」
「あー、そうね、家具が減ったからじゃない?」
「?」
「いや俺今度引っ越すのよ」
「…へ?」
「ていうか、戻るの、広島に」
「…ひ、ひろしま…」
「ん」
「…え、もうずっと?」
「どうだろ…」
「どうだろって…」
「俺もわかんないわ、それは」
「………」
「…チバ?おい、泣くなよ?」
「な、泣かねーよ!なんで泣くんだよ!てか唐突だよ!話が!」
「ごめんごめん、機会がなくてさ。」
「機械ならあるじゃん!家の電話とかファックスとか!」
「?…あ、いやそっちの機械じゃなくて、チャンスよチャンス、直接言いたかったからさ」
「……いつ行くの?」
「来月かな」
「………」
「お前のバンド、広島来る?」
「わ、わかんない…たぶん行く…」
「そっか」
「行ったら、来てくれる?」
「うん、出来る限り行くよ」
「あ、ああ、ありがとね」
「うん」
「……」
「チバ」
「ん?」
「ありがとう」
「へ?」
「いや、なんつーか、来てくれて」
「…べ、別に…」
「お礼になんか奢ってやるよ、何食いたい?」
「え、いいよー」
「うるせえ、いいから行くぞ」
「えー」
その夜、アベくんと俺は久々に飲み明かした。
昔はもっとたくさん飲めたんだけどなー、って言うアベくんの笑顔が、なんだか少し切なく見えた。
***
終わり
(`皿´)がスーパーで段ボールもらってたって目撃談を聞いて引っ越し妄想しました。
乱文ごめんなさい。
泣けるのに段ボールで笑えて笑えて仕方ない
でもチャリの前籠に大根ぶっ刺して走る図がちょっと頭に浮かんだ
包丁持たない男が大根一本買っていったい何作るんだw
大根おろしとか…?
車の免許持ってないだけあって、チャリ目撃談多いなw
広島でもチャリンコライダーなんだろうかww
1000ならスットコはいつまでもスットコのまま!
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。