右塔フ菓子15

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1名無しさん@ピンキー
このスレ内で語られる内容は完全なフィクションです。
実在の個人及び団体とは一切関係ありません。
2名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 03:21:57 O
(*`皿´)ただいま
3名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 07:48:07 O
>>2
おかえり!
今年は働いてね
4名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 09:20:23 O
(*`皿´)<どうしようかなあ
5名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 16:50:33 O
左も立ててよフトツ
6名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 18:23:02 O
(;`皿´)<た、立てれなかった…
7名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:40:05 O
フトツを虐めたい
8名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:45:33 O
>>6
プッ‖*´,_ゝ‖<若い俺が天井突き破る勢いでたててきますわ
9名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:52:10 O
 。・。    。・。
。゚  ‖゚´Д`‖  ゚。
   ( ∪∪
   と_)_)
10名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:20:00 O
>>9
おwwwwwwwまwwwwwwwwww
11名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 23:41:11 0
>>9
ちょwwwおまwwwwwwwww
12名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 01:17:43 0
>>9
誰かが立ててくれてよかったねwww
13名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 05:14:41 O
                ヨシヨシ
お前って割と面倒くさいな>(*`皿´)ノ"‖゚´_ゝ‖
14名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 11:00:06 O
>>13
これは短気アベの予感…?
wktk
15名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 19:29:44 O
∬・A・)<ひとつ、人の精気を啜り
┃━┏┃<ふたつ、不埒なヒモ体質
川`∀´)<みっつ、淫らなギタリスト
16名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 19:44:08 0
さすがですね
17名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:51:55 O

         ア、アベ君ハイ
         今月の分ね
 ありがとチバ
 好きだよ    う、うん…
(*`皿´)ノ[¥]ヽ§`<_´*§


     き、今日さぁ、
     中田氏していい?
 後6万くらいあるなら
(*`皿´)§`<_´*;§
     (に、2万とゴムしかないorz)


 …仕方ねぇな
 巧かったら考えるよ
      ア、アベ君…!
(*`皿´)§`<_´*§
(ちょろいなw)
18名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 21:56:51 O
>>17
(#`;ω;)<この、この売女! アベくんのバカ!!

[=.・з・]y-~~oO(巧かったらタダ乗りなのにね)

‖*´_ゝ‖oO(6万か…)
19名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 00:09:55 O
やれやれ  疲れてんね
      どうしたの
(;`皿´) [・ε・.=]


それがチバのやつ
(ピーーーーーーーーry)
      (バキューン)は災難だな
      痛い?
少し ハァ
(;`皿´) [・ε・.=;]      (テクねぇなチバ)


        で、今月のは?
あ、ハイこれね
        サンキュ
(`皿´)ノ[¥]ヽ[・ε・.=]
      ↑


あ、今日中出してよ
     まぁ別にいいけど
((*`皿´)[・ε・.=]
    ギュ (金あるならな)
20名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 02:44:55 O
チバかわいそうにチバ
21名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 07:03:24 O
∬´ー`∬つ[10万]
22名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 08:05:28 O
>>15
>>19場合、(`皿´)は春を売る人で
そのヒモが[=.・з・]か
23名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 08:18:50 O
┃з・]y-~~  (*`皿´)ノ[10万]∬´ー`∬ (;ω;´)


それにしても[¥]には生活費程度は入ってそうで怖いです><
24名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 09:05:13 O
(*`皿´)うん、優しいから
25名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 10:48:44 O
チバからの[¥]はそのままエラへ?
カワイソス
26名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 12:04:30 O
∬`ー´∬<10まんえん分、楽しませてもらいますからね ニヤニヤ…
27名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 13:24:38 O
>>15の元ネタが思い出せないorz時代劇だっけ?
28名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 13:44:05 0
>>27
高橋英樹が主役の「桃太郎侍」だお
ひとつ、人の世の生き血を啜り
ふたつ、不埒な悪行三昧
みっつ、醜い浮き世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎!
29名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 16:55:46 O
>>26
(*`皿´)なんか怖いなあ
30名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:23:59 0
背中の下でベッドのスプリングがぎしぎしと軋む。
見慣れた天井をぼんやり眺めていると、咎めるように性器を握りこまれて膝が震えた。
体の上を忙しく動き回る汗ばんだ掌が煩わしくて目を閉じる。
それが感じてるときの仕草に見えたのか、瞼の裏側の暗闇の向こうで男が嬉しそうに笑う
気配がした。今日は知り合いのヘルプでギターを弾いたから、俺はもう眠たくて仕方ない。
そういうときに限って、この男は俺の体に手を伸ばしてくる。
ローションを絡めた指が後ろの穴にもぐりこんできて、息苦しさに喉が詰まった。
慣れた様子で内側を弄る指の動きに、散漫になりがちな意識を向ける。
快感を、拾い上げるにはコツがいる。セックスをするための器官ではないその部分が
うまくやれば女との行為では得られない快感を生み出せると学んだのはいつだったか。
別に俺は男とやるのが好きってわけじゃない。だけどどうせやるなら気持ちいいほうがいいし、
俺がイかなければこいつはいつまでもねちっこいやり方で体をいじくりまわす。
早く眠るためにはさっさと快感に溺れて男の望むような痴態を晒して、
相手の欲望を満足させてやるしかない。
男と知り合ったのはもう数ヶ月も前のことだ。その頃俺は前のバンドがダメになった上に
バイト先の店が潰れるという最悪の状況で、家賃が払えなくなった部屋を引き払い、
知り合いを頼りながらふらふらしてた。それは今もあまり変わんねえんだけど。
31名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:24:31 0
ハタチをとうに過ぎたバンドマンを雇ってくれるようなバイト先はなかなか見つからず、
音を合わせてみようと声をかけられることはそれなりにあったのだけど
しっくりくるバンドとは出逢えなかった。知り合いの部屋に転がり込んだところで
10日も過ぎれば当然どんな奴だってそろそろ出て行って欲しいという空気を匂わせ始めるし、
その程度の関係で長々と部屋に居座るような図々しさも俺にはなかった。
いい加減行く場所に困りだした頃、前に音を合わせたことがあるバンドのヘルプに
呼ばれたその打ち上げで、こいつが声をかけてきた。
顔は知っていた。もしかしたらライブを見たこともあったかもしれない。
売れないインディーズバンドのギタリスト。それだけを見れば俺と同じような
境遇なんだけど、実家が金持ちだとかで金に困った様子はなかった。
暇があればいろんなバンドのライブに顔を出して、打ち上げに参加し、馬鹿騒ぎを楽しむ。
ギターを弾くことよりも打ち上げに参加することに意義を見出してるような男だった。
アルコールの行き渡った席で、俺の隣に腰を下ろした男には、既に欲望が
あったのかもしれない。俺が宿無しでふらふらしてることは結構知れ渡ってたし、
そういう奴なら部屋と引き換えに簡単に体を差し出すと思ったのか。
やけに馴れ馴れしく話しかけてくる男に辟易しながらも、実際俺は宿泊の誘いを
断らなかったし、その夜布団の中にもぐりこんできた男をあっさりと受け入れた。
服を引き剥がされながら考えたことといえば、男同士ってどうやってやんのかな、
ってことくらいで、行為に対する嫌悪も弱みにつけこまれたって感覚もあまりなかった。
32名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:25:04 0
どちらかと言えば、眠る場所と引き換えに体を要求する男よりも、ヤった後に、ああこれで
しばらくはここにいれるかな、って思った俺の方が打算的なんだと思う。
初めてのセックスは快感とは程遠いものだったけど、部屋を借りる家賃と考えれば
そう高いものではない。むしろ1時間程度体を相手の好きにさせてやるだけで
あとは温かな布団で眠れるのだから、男が俺を気に入ったってことは
俺にとって幸運でさえあった。生活に追われずバイトをする必要もなく、
その分ギターを弾くことができる。しかもこいつはバンド関係に顔が広かったから、
ことあるごとにヘルプの話を持ってきてくれた。ステージに立ってギターを弾くことが
何より好きな俺には、眠る場所を確保できたこと以上に男の人脈がありがたかった。

ずるりと指が抜かれる感触に、条件反射のように力を抜く。
脚を抱え上げようとする手を、膝を使って押し退けた。脚を上げられると
奥まで突っ込まれて快感よりも苦痛が大きくなる。男はそう体格のいい方では
なかったけど、性器だけは無駄に立派で、その大きさに慢心しきったような
粗雑な動き方をするから、好きなようにやらせると体にダメージを残さないように
するだけで精一杯になるのだ。足の裏をベッドにつけたまま膝を立てて腰を浮かすと、
すかさず男のものが体に入りこんでくる。内臓をむりやり押し上げられる感覚。
この瞬間の苦痛は、いつまで経っても慣れない。
シーツを握り締め、深く息を吐いて衝撃を逃がす。
「前、触ってよ」
目を閉じて快感を探りながら囁けば、男がまたくすくすと笑う声が聴こえた。
33名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:25:43 0
後ろの感覚だけではイけないから言ってるんだけど、そういうおねだりが快感に溺れてる
みたいで嬉しいんだろう。緩く勃ち上がった性器に絡み付いた男の指が、わかりやすい
快感を引き出してくれる。こういうとき、なんとなくああ俺はやっぱり男なんだな、って
思って可笑しくなる。好きでもない男に体をいいように扱われて、その代わりに生活を
保証されて、それでも俺は男だった。音楽を諦めて真っ当な道を目指せば、他の
人生があったんだろう。だけど、俺にとってギターは内臓や骨みたく体の一部のような
感覚だから、どんだけ苦しくたって捨てることは考えられない。
むちゃくちゃに突かれる穴と擦り上げられる性器からもたらされる快感が
ゆっくり脳味噌を白く埋めていく。男の動きが激しくなって、低い呻き声が聴こえた
のと同時に俺も射精した。名残を惜しむように何度か動いた後、ようやく
陰茎が体から抜かれる。ぼんやり目を開けると、俺の脚の間に腰を下ろした
男が自分の性器からコンドームを引き剥がすのが見えた。こいつは絶対に
ナマで俺を抱こうとはしない。病気が怖いんだろう。そう思って笑いそうになる。
こいつは俺が他の男にも抱かれてるとか、思ってんだろうか。必要がなけりゃ、
好きこのんで男となんか寝やしないってのに。まあ、中に出されたときの後始末とか
考えただけで面倒だから、そういう用心深さはありがたいけど。
だるい腕を伸ばしてベッドサイドのティッシュを引き抜き、腹の上に飛び散った
精液を拭った。それから痛みのないことを確認して体を起こし、ベッドを下りて
自分の布団にもぐりこむ。こうして一人で横たわると安心した。俺はもともと
人に触られるのが好きな方じゃないから。肌に他人の体温を感じてると、気になって
眠るどころではなくなる。息をするだけでぎしぎしと軋む体を誤魔化しながら
目を閉じた俺に、思い出したように男が言った。
「そういえば、お前が前にいたバンドのボーカルな、
あいつがお前と連絡取りたいって探してたぞ」
「何、ヘルプ?」
「いや、知り合いのバンドがギターを探してるとか」
へえ、と気のない返事をしながらも、俺の意識はもうそのバンドに興味を抱き始めていた。
長年一緒にやってきた元メンバーが紹介するというのだから、多分俺の嗜好に合った
バンドなんだろう。今の生活は楽だったけど、ヘルプばかりでは腰を据えてギターを弾けない
のが歯痒くて、自分でもずっとバンドを探してはいた。明日にでも電話してみようか。
連絡を取る段取りを考えながら、俺はゆっくりと心地良い眠りに沈み込んだ。
34名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:26:16 0
数日後、俺はギターケースを片手に白楽の街に立っていた。指定された時間より
少し早い。梅雨の季節、ほのかに湿った空気が気持ちよかった。
行き交う人の邪魔にならないよう道の端に体を寄せて、否応なく膨れ上がる
期待を静かに宥めながら相手を待つ。あんまり、期待しすぎると、外れたときの
ダメージがでかいから。煙草が吸いたいな、とか思いながら喫煙スペースを
探して巡らした視界に、ゆっくりと近づいてくるそいつの姿が映りこむ。
別に、目印を決めたりはしてなかった。俺の外観はそれだけで十分目立つから、
間違える方が難しい。つまり俺には相手の外見の情報がまるでなかったんだけど、
目に入った瞬間、ああこいつか、ってぴんと来た。音楽だろうとなんだろうと、
本気でなにかをやってる奴ってのは独特の雰囲気がある。短く切られた髪の下、
深い眼窩に埋め込まれた思いつめたような二つの目が真っ直ぐ俺を見詰めていて、
どうしようもなくわくわくした。ラバーソールを履いた足が、俺の前で歩みを止める。
身長の差に物怖じする様子もなく、そいつは僅かに首を傾げて俺を見上げた。
「アベ・・・さん?」
ちょっと掠れ気味のいい声をしていた。頷いた俺に、ひねた表情でにっと笑い、
そのままさっさと踵を返す。俺がちゃんとついてくるか、そういう不安をまるで感じてない
様子だった。いいな、と思う。傲慢でひねくれてるけど、とにかくやる気はありそうだ。
俺は自分で人を引っ張っていけるタイプじゃないから、相手がちょっと強引な方がやりやすい。
迷いのない足取りで人の間をすり抜けるそいつの背中を追って、しばらく歩いた。
辿り着いたのはチェーンのバーガーストア。スタジオの予約までちょっと時間あるからおごるよ、
と言うそいつの言葉に、腹を空かせてた俺はあっさり甘えることにする。
35名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:26:58 0
コーヒーを啜りながら、一時間ほど話をした。チバと名乗ったボーカリストと
俺の音楽遍歴は、驚いたことに気持ち悪いくらい重なっていた。初対面だってことを
忘れるくらい俺たちは好きなバンドの話題で盛り上がって、気が付けばもう
スタジオの予約時間。会話が得意でない俺にとってこういうのは結構珍しい。
チバも決して話が上手いわけではなかったけど、心底嬉しそうに音楽の話をする様子は
同じ嗜好を持つ人間として単純に好ましかった。音楽以外の話をしないのもよかった。
無駄な詮索や意味のない世間話に脱線することがない。脱線することができないんだろう。
音楽以外のことに興味がないから。俺とチバは明らかに同種の人間だった。
「じゃあ、そろそろスタジオ行こうか」
店を出る頃には、チバのぎこちない敬語は既に崩されていて、そういうラフさも
心地良い。案内された古いスタジオはいつも練習で使ってるということで、
カウンターに座った親父がチバを見て慣れた仕草で奥を指す。
「ウエノ君もう来てるよ」
今日はベースの奴しか来れないというのは先に聞いていた。ドラムは実家に帰っている、
らしい。それを聞いて不安に思わないでもなかったが、チバが妙に確信を持った口調で
ギターが入れば戻ってくるよ、と断言するから、それ以上追及はしなかった。
会って一時間程度だったけど、チバがその場しのぎの嘘でバンドを転がそうとする
人間とは思えない。こいつが言うんだから心配はないんだろう、ってそう思った。
チバは不思議な人間だった。頼りがいがあるような感じではないし、どこか崩れた
雰囲気を持ってたりもするんだけど、言葉に有無を言わさない説得力がある。
チバがブースの分厚いドアを押し開ける。大きく開かれた扉の向こう、チバの頭ごしに、
ベースを抱えた男が振り返るのが見えた。目が合った瞬間、ちょっと驚いて足が止まる。
目線の高さに、ほとんど差がない。そいつも一瞬呆気にとられた表情で俺を見詰め、
それからなんか嬉しそうに笑った。思わず俺も笑い返した。ある程度以上背が高くなると、
普通に生きていても、顎を引いてうつむかずに他人と目を合わせることが難しくなる。
そういう中でたまに、互いに無理なく視線を合わせられる体格の奴に会うと、妙に嬉しいんだ。
36名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:27:28 0
「ベースの、ウエノコウジ」
チバが男を紹介する。ウエノです、と笑いながら会釈したそいつは、チバよりも幾らか
柔らかく人懐こい表情をしてる。人付き合いの得意な奴が持ってる擦れた口調。
身長のわりに、威圧感を感じさせない。癖のある髪の下から奥二重の愛嬌のある目が
俺をじっと見つめていた。そういう、値踏みするような視線には慣れている。
慎重さを少し含んだ空気はチバとは対照的で、バランスが良い。
幾つもバンドを渡り歩いてると、メンバーに会うだけで大体の雰囲気はわかるようになる。
こいつらは技術ばっかり追っかけてるな、とか、趣味程度の意識だな、とか。
挨拶もそこそこに、ギターにシールドをぶちこんで、それから先は早かった。
軽く音を鳴らした瞬間に、チバとウエノの目付きが変わる。その時点で、俺が「合格」
らしいってことがわかった。音楽をやっていて、誰かの出す音が好きか嫌いかってのを
判断するのに、たらたらと長いフレーズは要らない。チバが好きだと言っていた
UKバンドの曲をさらりと流す。パイプ椅子に腰掛けていたウエノが立ち上がり、
ベースを手に取った。一つ二つタイミングを測るように音を鳴らして、それから
がつんと重いラインを奏でる。背骨のあたりがぞくぞくした。体の内側が熱くなる。
久しぶりの感覚だった。先行する楽器を追いかけるように、がなるような歌い方で
メロディを辿るチバの声。ボトムを支えつつリズミカルに跳ね回るウエノのベース。楽しかった。
ギターを弾く、それ以外のことは何も考えず、音を出すことだけに集中できる、自由な感じ。
技術的には今まで合わせてみたバンドに、もっと上手いのがいた。けど、弾いてて
こんだけ楽しいのは、このバンドが初めてだった。カバーを一曲弾き終えたときにはもう、
このバンドでやってきたい、って気持ちが体を引き裂いてあふれ出しそうになってた。
そのままカバーを何曲かやって、コードとリフをざっくり伝えられたオリジナルをやる。
自然にフレーズが出てきた。チバの声に、ウエノのベースに、どんな音が合うか、
考えなくてもわかっていた。それは、俺が出したい音そのままだったから。
37名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:28:00 0
あっと言う間にスタジオのレンタル時間が過ぎて、後片付けを始める頃には
お互い長く付き合ったメンバーみたいな気持ちになっていて、加入を決める言葉もなく
俺の参加は決まってた。しっくりくる、という言葉じゃ足りないくらい、俺たちの相性は良かった。
欠けてたパズルのピースが見つかった感じ。にこにこと頬を緩めたままのチバを見て、
スタジオの親父がお祝いだと代金を負けてくれた。

その後は、セッションの勢いのまま居酒屋になだれ込んで、浴びるように酒を飲んだ。
チバとウエノは人間的にもいいコンビだった。酔っ払って上機嫌にはしゃぐチバを、
面倒見のいいウエノが上手くあしらう。付き合いの長さが窺える無邪気なやりとりが
微笑ましい。そうしてると内輪なノリになりがちで、新参者は居心地が悪くなりそうなもんだけど、
ウエノは口数の少ない俺への気遣いも忘れなかった。如才なく話を振って、俺から
言葉を引き出しては話題を転がす。正直、人付き合いが上手い奴、っていうのが煩わしくて
俺はあまり得意ではなかったんだけど、自分の人懐こさを相手に押し付けないウエノの
やり方は居心地が良かった。無口な俺の態度を気にせず、マイペースに酒を楽しむ
チバの気ままな傲慢さも。
気付いたときには、言葉が口から零れ出していた。
「俺ね、今、住むとこねえんだよ」
びっくりした顔で二人が目を見開く。今の時代、住むとこがない奴、ってのはそう多くないから
そういう反応は予想してた。
「え、じゃあアベ君どうやって生活してんの?」
「知り合いんとことか、いろいろ、だけどそろそろ行くとこなくてさ」
チバが酔っ払った目でうんうんと頷く。
「しばらく、チバんとこに置いてくんない?」
頷きが、止まる。あれ、失敗したかな、って酔った頭で思う。チバが俺を気に入ったって
ことはしっかり自覚してたし、頼めば断られないと思ったんだけど。自分でもやらしいなぁ
って思う。だけど、今日はあの部屋に帰りたくなかった。酒の匂いをさせて帰ってきた俺を、
あいつは多分抱くだろう。久しぶりの楽しい気持ちを、生活と引き換えのセックスで
終わらせたくなかった。不自然な沈黙にちょっと硬い空気になりかけて、
思わずお願いを取り下げようと口を開いた瞬間、チバの横でウエノが軽くふきだした。
38名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:28:38 0
「ダメだよ、アベ君、こいつん家、布団以外の場所レコードで埋まってるから」
ウエノの言葉に、照れたようにチバが目を伏せる。
「物理的に泊まるの無理だよな、あの部屋」
「ごめんね、アベ君、俺ん家ほんと汚えんだ」
無理なことを頼んでる俺の方が恐縮すべきだってのに、チバがあんまり申し訳なさそうに
するもんだから、つい笑いそうになる。いい奴らだな、と改めて思う。少し警戒しろよ、って
思ってしまうくらい、素直で屈託がない。突然のお願いに不信感や疑念をまるで抱かない、
そのくらい、俺を、俺のギターを、気に入ってくれてる。そう思うと、嬉しさと照れくささで
胸がくすぐったくなった。
「チバんとこは無理だから、俺の部屋に泊まる?」
だけど、なんでもないことのように提案したウエノの言葉に、笑いの気配はすっと息をひそめた。
利用しても、いいんだろうか。俺はチバとウエノを好きになり始めていた。一緒にいて気持ちが
良かったし、二人とも言葉や行動に全く裏が感じられない。今だって、行くあてのない俺を
純粋に気遣って、何の見返りも期待せず寝る場所を提供してくれようとしてる。
その優しさに乗っかって、甘えてしまっていいんだろうか。体を使って今まで散々
人を利用してきた俺が、今更躊躇うのはおかしいかもしれないけど。
その頃の俺は、人の好意というものがよくわからなくなっていた。好意の先に何があるのか、
或いは何もないのか。どこまで、頼っていいのか。どのくらい、甘えていいのか。
「気にしないでいいよ、俺の部屋、昔結構友達のたまり場みたくなっててさ、
布団は余ってるし、チバんとこよりは綺麗だよ」
俺の躊躇いを敏感に察して、ウエノが笑う。無理をしている気配はなかった。
横からチバが口を挟む。
「そうしなよ、コウジ君料理上手いよ」
おい俺は嫁さんか、と言いながらけらけらと笑って、ウエノがチバの頭を軽く叩く。
柔らかな雰囲気にいつの間にか強張ってた顔が緩むのを感じた。あの部屋に、帰らなくていい。
とりあえず、今日は。そう思うだけで、随分気が楽になった。
39名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:29:13 0
チバがうとうとし始めたのを機に、酒を切り上げ、居酒屋を出た。
店の前でチバと別れ、夜もふけはじめた街をウエノと歩く。会話はあまりなかったけど、
嫌な感じの沈黙じゃなかった。ウエノが俺のペースに合わせてくれてるんだろう。
甘えてばっかりだな、とアルコールの回った頭でぼんやり自嘲する。
案内されたウエノの部屋は繁華街からちょっと離れたところにある、まだ新しい感じの
マンションだった。鉄製のドアを開けるとほんのり漂う煙草の匂い。
「布団、用意するからちょっと待ってって」
すたすたと部屋に入っていくウエノの背中を追って、扉を潜った。
台所と続きになった広めのリビングには趣味のいいソファとテーブルが並んでいて、
隅の方に空になった酒瓶やビールの缶が纏められている。開け放たれた引き戸の
向こうは寝室。部屋の隅にギターケースを置き、クロゼットから布団を引っ張り出している
ウエノの姿を眺めながら、滑らかなソファの背を手持ち無沙汰に指で撫でた。
いざこうして二人きりになってしまうと、何を喋っていいものか、わからなくなる。
昨日一緒の部屋で眠った男とは、セックス以外の関係がなかったから。
リビングに立ったままの俺を見て、布団を敷き終えたウエノがちょっと笑った。
「座ってればいいのに」
「うん、いや、何か・・・」
「ああ、もう眠いか」
愛想のいい口調で喋りながら、ウエノが手を差し出す。持ってるのは、セロファンの袋に
入ったままの新しい下着とTシャツ。
「シャワー入ってきなよ、汗かいたでしょ」
これだけ人に気を遣って、疲れないのかと心配になる。促されるまま下着とシャツを受け取って
浴室に向かった。掃除の行き届いた風呂場でシャワーを浴びていると、体にこびりついた
嫌なもんが全部流れてく感じがして気持ちが良かった。
40名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:29:57 0
洗面所に積まれたタオルを借りて適当に体を拭き、服を身に付けてリビングに戻ると、
ソファに腰掛けて煙草をふかしてたウエノが振り返った。真っ直ぐ向けられた視線に、
不意に体の動かし方がわからなくなる。じっと俺を見つめるウエノの目。何を考えてるんだろう。
ウエノは、俺は、何を、考えてるんだろう。喉が、やけに渇いていた。体に染み付いていた
アルコールの気配は、もうない。ウエノの唇がゆっくり開く。
「服、サイズ合ってるね」
何を言われるのかと身構えてた俺は、軽いウエノの言葉に肩透かしを食わされた気分で
ぽかんと口を開ける。
「俺より背高い奴、久しぶりに見た」
俺の反応を気にしたふうもなく呟きながら、ウエノが着替えを手に立ち上がる。
浴室に向かうウエノに、体を斜めにして道を譲りながら、俺は自分の緊張をこっそり笑った。
どうやら俺は、自分を性の対象として見る変態と長いこと暮らしてたから、男同士で普通に
過ごすやり方をすっかり忘れてしまったらしい。
「好きなもん飲んでてよ、先に寝てもいいし」
浴室のドアを開けながらウエノが言う。
「うん」
頷いて、それから咄嗟に、扉を閉めかけたウエノを呼び止めた。
「ウエノ」
何、と短く問い返してドアの隙間からウエノが顔を覗かせる。相変わらず裏のない表情を
していた。茶色がかった二つの目が真っ直ぐに俺を見ている。柔らかそうな唇は笑みのかたちを
崩さない。
「ウエノ、ありがとうな」
呟いた言葉にふっと笑って、ウエノが言った。
「気にすんなよ、仲間じゃん」
浴室のドアがばたんと音を立てて閉まる。スプリングのきいたソファにゆっくりと腰掛けた。
間を置かず、浴室から水音が響き始める。テーブルの上に置かれた飲みかけのミネラルウォーターを
手に取り、キャップを捻って一口飲んだ。冷たい塊が喉を下って胃に落ちる。眠りたいな、と思う。
何も考えずに眠りたい。ずるずるとソファに凭れて天井を見上げた。白っぽい蛍光灯の光が眩しかった。
41名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:30:28 0
「アベ君」
遠くで名前を呼ぶ声がする。手探りで布団を引き寄せ顔を埋めた。
「アベ君」
煩いな、俺は気持ちよく寝てんだよ。
「アーベーくーん」
あれ、こいつ誰だ?
ぱちりと目が覚めた。鼻がぶつかりそうなくらい近くに人の顔があって、思わず俺は凍りつく。
「やあっと起きた」
状況を把握しきれず硬直する俺を気にしたふうもなく、そいつはひどく面白そうな顔で笑った。
ああそうか、新しいバンドが見つかって、そこのベースの部屋に泊まったんだったっけ。思い出す頃には、
さっさと立ち上がったウエノに腕を掴まれ体を引き起こされていた。
「飯作ったから食ってよ。俺もうすぐバイトだからさ」
いい匂いがしていた。反射的に空きっ腹がぐうと鳴る。腕を引かれリビングに入ると、テーブルの上に
白飯と卵焼き、ほうれん草のおひたしというなんとなく懐かしい感じのするメニューが乗っかっていた。
「なに、これお前作ったの?」
「作ったよ?」
「すごいな」
純粋に賞賛の言葉が出た。バイトが飲食だから慣れてんだよ、って笑いながらウエノが言う。
手作りの朝飯なんて久しぶりだ。男所帯ではついつい自炊から遠ざかってしまう。
それにしても、ウエノがこんだけのものを作ってるあいだ、俺はぐーぐー寝てたわけか。
眠りの浅い俺にしては珍しいこともあったもんだ。普段は人が寝返りをうつ気配だけで目を覚まして
しまったりするくらいなのに。自覚はなかったけど、随分と酔っ払っていたんだろう、と思う。
ソファをずらして床に座り、向かい合わせでテーブルについて、そこでようやく俺は、昨夜の記憶が
中途半端に途絶えてることに気が付いた。綺麗な塗り箸を手に取りながら、必死で記憶を掻き集める。
シャワーを浴びて、その後、俺どうしたっけ?
42名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:31:09 0
「アベ君さ、昨日ソファで寝ちゃったんだよ」
俺の思考を読んだわけでもないだろうが、卵焼きをつつきながらウエノがのんびりと口を開いた。
「マジで?悪い」
「いや、別にいいんだけどさ、アベ君軽すぎだよ、ちゃんと飯食ってんの?」
続けられた言葉に、箸の先に卵焼きを挟んだまま驚いてウエノの顔を見返した。ウエノはといえば、
なんでもない顔で飯を頬張っている。つまり、あれか、俺はソファで寝込んだ挙句、ウエノに担がれて
布団まで運ばれたわけか?
酔っていたとは言え、ありえないことだった。呆然としたまま卵焼きを口に運んで、出汁の効いた味に
一瞬咳き込みそうになる。
「・・・旨い」
「ん?ああ、ありがと」
ウエノの、緊張感のない穏やかな空気が伝染したんだろうか。卵焼きは中が半熟でとろとろと
柔らかく口の中でとろけた。ほうれん草は微かに芯の残る硬さに茹でられていて、なんか料亭の味がする
と呟けば、ウエノが嬉しそうに笑う。誰かと向かい合って食事をするのも久しぶりなら、こんなに旨い飯を
食うのも久しぶりだった。でかい男二人がつがつと飯を頬張れば、あっという間にテーブルの上は綺麗になる。
空になった皿を手早く片付けるウエノをぼんやりと眺めながら煙草に火をつけた。ふわりと漂う青い煙。
濁った色はすぐに掻き消えて空気は透明を取り戻す。夢みたいな一日だったと思う。
新しいバンドが見つかって、セックスをすることなく眠って、目が覚めたら旨い飯がある。
こんなに穏やかな気持ちになれたのはいつぶりだろう。
「うわ、やべえ、バイト行かねーと」
皿を洗い、一服つけてから、時計を見上げてウエノが悲鳴を上げる。よくわからない寂しさを感じながら、
ふかしていた煙草を灰皿で揉み消した。帰らなきゃいけない。当たり前のことだ。帰る場所、も実際のところ
俺にはないのだけど。部屋の隅でギターケースが昨夜と変わらない様子で俺を待っている。
昨夜脱ぎ捨てた服を目で探していると、ウエノが躊躇いがちに口を開いた。
43名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:31:43 0
「あのさぁ」
顔を上げると、色の薄いウエノの目と視線がぶつかる。
「アベ君、行くとこないならしばらくうちにおいでよ」
反射的に断ろうとして、できなかった。理性はこれ以上ウエノの親切に甘えることを拒んでいる。
寝場所を提供するどころか食事まで作ってもらって何も感じないほど、俺は厚顔無恥ではない。
だけど、ウエノの部屋はあまりに居心地が良すぎた。理性よりも深い部分が、ここにいたいと叫んでいる。
昨日までの生活に戻りたくない、とみっともなく愚図っている。返事をしない俺に、ちょっと慌てた口調で
ウエノが言った。
「いや、迷惑だったらごめん。だけど、折角見つけたギターにね、いなくなられたら困るし」
ウエノの申し出が迷惑なはずない。むしろ俺の存在が迷惑そのものだ。こんなでかい男に居つかれたら
こいつだって困るだろうに。俺にはウエノに返せるものがなにひとつないのだから。
黙り込んだまま俯いた俺の視界に、すっと伸びたウエノの手が映りこんだ。節の高い綺麗な指に
摘まれた、銀色の鍵。
「とにかくさ、服、洗濯しちゃったし、俺バイトに行かなきゃいけないから」
それがこの部屋の合鍵だと気付くのにしばらくかかった。はっとして見上げたウエノの顔は
相変わらず柔らかな微笑みを崩さないままで、胸の奥が妙に暖かくなる。どうしようもなく
甘えてしまいたくなる。結局、俺はウエノの親切すぎる申し出を拒むことができなかった。
「そうそう、言うの忘れてたけど、バンドの練習、木曜日と土曜日ね」
昨日とおんなじスタジオで。
玄関口でブーツを履きながらウエノが言った。上がりかまちに立ったまま、部屋を出るウエノを見送る。
俺なんかに見送られても気持ちが悪いだけだろうと思いつつも、流石に部屋でだらけたままいるわけにも
いかない。ブーツを履き終えたウエノが壁に凭れて立つ俺を見上げて楽しそうに笑った。
「何?」
「うん、や、なんか新婚みてえって思って」
含みのない軽口につい俺も笑ってしまう。
「こんなでっかい嫁嫌だろ」
「そうだねぇ、売れないバンドマンの旦那もどうかと思うし」
44名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:32:18 0
がちゃりとドアノブが音を立てる。ドアを半分開けたところで、ウエノが肩越しに振り返った。
「さっきの話、俺は全然いてもらって構わないから、アベ君も考えといてよ」
俺の手にはさっきウエノに渡された銀色の鍵が握られたままだ。体温を吸い取って温くなった金属を
指先で辿りながら、目をそらして頷く。
「お前さ、そのうち悪い奴に騙されるぜ」
帰ってきたら家財道具一式なくなってるとかさ。
俯いたまま冗談半分本気半分で呟けば、視界の外でウエノが笑う気配がした。
「アベ君なら心配いらないだろ?」
「どうだかね」
「あんたのギターが手に入るなら、家財道具一式引き換えにしてもいいけどね」
顔を上げる前に、ドアが閉まる音がした。かちり、外から鍵が閉められる。手の中の鍵を指先で
摘んで、玄関の明かりに透かした。合鍵っつーのは女に渡すもんだろうが。呟いた声は、勿論
ウエノには届かなかった。
45名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 14:49:43 0
名 作 の 予 感

ありがとうインフルエンザ
リアル投下に立ち会えたよ
46名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 17:12:27 0
ネ申!!
47名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 17:52:36 O









あげるお⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつあげるお⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつ⊂ニニ( ^ω^)ニつあげるお⊂ニニ( ^ω^)ニつ






48名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 18:12:53 O
>>44
すごい読み応え!ありがとうございます
いいなあ二塔
チバもらしくていい
アベの現状と心情を察してる気がするエラ萌え(´ω`)
49名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 19:56:32 O
すごくイイ!!!!!!
続きをマターリ待ちます(*´Д`)
50名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 21:29:42 O
神キテター!
出会ったばっかりの初々しいニ塔にドキドキするお!
51名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:19:50 0
本スレに貼ってくれたおかげでたどり着けた。感謝w
フトツ初々しいよフトツ(*´д`*)
52名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:50:23 0
本スレってどこかわからなかったわ
図らずも布教してるんだよな
数年前に怒涛のサイト晒しでこの道に踏み込んだんだよな…よくも…
53名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:54:42 O
この神モノは続くのでしょうか
ここで完成なのでしょうか(*ΦДΦ)ハァハァ
54名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 00:59:04 O
あそこを本スレって




(;´_ゝ`)
55名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 03:35:06 0
あそこは本スレじゃないだろw
56名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 06:48:50 O
あぁぁ何かツボにドストライクな良作がキテタ!!
神GJ!!続き待ってます(;´Д`)
57名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 08:34:22 O
やたらとハァハァするなこれ
イイヨイイヨー
58名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 08:40:06 O
>>45
[=.・з・]つ旦~<お大事に
59名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:16:41 0
そうして俺とウエノの同居生活は始まった。
それまで一緒に暮らしていた男の部屋から持ち出したのは数着の衣服とレコードだけ。
文字通りボストンバッグひとつで転がり込んできた俺を、ウエノはおおらかに受け入れた。
唯一の感想といえば「荷物少ないね」くらいのもので、それまでどうやって暮らしてきたのか尋ねることも
しなかったし、1週間以上過ぎても出て行けという空気を漂わせ始めたりもしなかった。
勿論、俺もただのんびりとウエノの部屋で過ごしてたわけじゃない。タイミングよくパン屋のバイトが
見つかって、なんとか食費程度は自分でまかなえるようになった。家事は全てウエノがしていたけど、
それは単に俺がやるよりウエノがやった方がはるかに効率がいいからで、一度俺がパスタを作ったときは
辛くて食えねえとウエノが涙目になった。パン屋の仕事から帰ってくるとウエノが飯を作って待っていて、
二人で飯を食った後バイトに出るウエノを見送って俺は布団に潜り込む。バンドの練習は週に2日。
初めてセッションした次の日にはもうチバがライブハウスにブッキングを捻じ込んだということで、
とりあえずオリジナルの練習をしながら、チバやウエノと息を合わせることだけを考えた。
週末上京してきたドラマーも、予想に違わず気のいい男だった。なかなかバンドに専念するという
言葉を口にしないそいつに、チバは焦れた顔でドロップキックをかましたが、そりゃ公務員という
安定した立場を簡単に手放せるはずがねえだろうと俺とウエノは呆れて笑った。
とはいえ、音を合わせた時点で、俺たちはこの4人でいくことになるんだろうって、多分全員が
感じたと思う。声とギターとベースとドラム。4つの音がびしっと合わさった瞬間は、そう
思わずにはいられない唯一無二の感覚があった。
忘れもしない7月9日。初ライブも成功に終わり、俺たちの確信は深まった。このままいける。
ようやく見つけた。口に出さなくても、互いにそう思ってることは肌で感じられた。
バンドという芯ができた生活は今までにないくらい充実していた。働いてギターを弾いて食って寝る。
そういう当然のことを、今までどれだけ疎かにしていたか思い知らされるような日々だった。
60名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:17:11 0
バイト先の仕事も一通り覚え、汗だくで帰ってきたある日のこと。
ドアを開けるとカーテンを閉め切った部屋が暗い。珍しくウエノがまだ起きていないのだと
気が付いて寝室を覗く。
「ウエノ、どうした?」
声をかけると、もそもそとベッドの上が蠢いて、布団の向こうからウエノが顔を覗かせた。
「あーごめん、寝てたわ」
かすれた声の後に嫌な咳が続く。
「何、風邪?」
「んー、みたい」
ベッドの脇に歩み寄り見下ろせば、辛そうに眉を寄せてウエノがゆっくり体を起こした。手を伸ばして
額に触れる。体温の低い俺の手が気持ちいいのか、ウエノはちょっと目を細めて笑った。
「熱あるな、寝とけよ」
「飯どうすんの?」
「飯くらい作るって」
起き出そうとするウエノを、肩をベッドに押さえつけるようにして強引に寝かせる。バイトを掛け持ちしつつ
バンドもこなしているウエノは休みの日なんてないくらい常に動いている。これだけ忙しく
働いていれば、そりゃたまに体調を崩すことだってあるだろう。
「バイト先に休むって連絡入れとけ」
コードを引っ張ってベッドサイドに電話を引き寄せると、困ったようにウエノは眉を寄せる。
基本的に真面目な男だから、熱があろうと具合が悪かろうとバイトに出るつもりだったのかもしれない。
「休めって。ライブも近いんだぞ」
だけど、数週間も一緒に暮らしてれば、いい加減互いの扱い方はわかってくる。バンドを理由にすれば
ウエノは嫌と言うことができない。小さく頷いて電話に手を伸ばすのを確かめてから寝室を出た。
台所に立つのは前にパスタを作ったとき以来だ。冷蔵庫を開けると、料理好きのウエノらしく、
ある程度の食材は揃っている。まあ、それをウエノ並に料理する腕は残念ながらないのだけど。
61名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:17:42 0
土鍋に米と水を入れ、煮立つ間に冷蔵庫に入っていた鶏の手羽先に塩とチューブのすりおろし
生姜を揉みこむ。包丁が使えればいいのだけど、慣れないことをしたところで怪我をするだけだ。
ぐつぐつ音をさせ始めた鍋に手羽先を入れて蓋をする。味付けをどうしようかと調味料棚を漁ると、
使いかけの鶏がらスープの素があったから、鍋の蓋を取り灰汁を掬ってから適当に放り込んだ。
ウエノならちゃんと出汁をとるんだろうけど、やり方も知らないし、とりあえず食べられればいいだろう。
粥なんて米を煮込めばできるもんだ。普段料理をしないから、多分このまま放置しても大丈夫と
思いながらも、台所から離れることができない。ウエノはちゃんと寝てるだろうか。寝室の様子を
気にしつつ、手持ち無沙汰に鍋をかき回したりして、米が煮えるのを待った。何度かうっかり
吹き零しながらも、米が砕けたのを確かめて玉子を割りいれ、ごま油を少し垂らす。
見た目は悪いが、食べられないことはないはずだ。火を止めて粥を茶碗に掬いスプーンを突っ込んで
寝室の扉を開けると、気配を感じたのかウエノが頭を擡げて俺を見た。
「何、飯、作ってくれたの?」
「不味いかもしれないけど」
そういや味見しなかったな、と思いながら茶碗を差し出すと、嬉しそうに笑いながらウエノが
上体を起こした。
「風邪引いたときに飯作ってもらうとか久しぶりかも」
とろとろになった粥を確かめるように何度か掬ってウエノが言う。そんなに喜ばれても、たいして旨くは
ないだろうから逆に申し訳なくなる。ウエノくらい上手く作れれば、振舞われた奴はそりゃ喜びも
するんだろうけど。
「うん、旨いよ」
ウエノがふうふうと息を吹きかけて熱を冷ましながら粥を啜る。ベッドに凭れて座りながら、そんなウエノの
様子をぼんやりと眺めていた。さっきよりは幾らか気分が良さそうだ。病院に連れて行くほどでもない
だろうけど、こじらせたらまずい。さっきは脅しとして口にしたが、実際次のライブが近いのだ。こいつのことだから
風邪を引いてようといつも通りライブをこなすんだろうし、俺だってペースを落としたりだとか加減は出来ない。
だからこそ、ライブには万全の体調で挑みたかった。
62名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:18:13 0
「アベ君は食わないの?」
「後で食うよ」
スプーンの先で手羽先を解しながらウエノが困ったように眉を寄せた。
「悪いな、飯まで作らせちゃって」
「いっつも俺がお前に作らせてんじゃん」
「俺は好きでやってるからいいんだよ」
「俺だって好きでやってんだよ」
ベッドに頭をもたせ掛けて笑えば、ようやくウエノの顔にも笑みが浮かぶ。遠くで電車が線路を走る音が
響いている。電灯を点けていない部屋は遮光カーテンのせいで昼でも薄暗い。茶碗一杯の粥を平らげて
横になったウエノから茶碗を受け取り、キッチンに戻った。冷え始めた粥をもういちど温めて、立ったまま
空腹を満たす。思っていたよりも悪くない味だったけど、やっぱりウエノの作った飯のほうが旨い。
あいつの作る飯はたいして手の込んでないものでもやたらと旨いのだ。自分は基本的にとりあえず
食べられれば味なんてあまり気にしない性質だと思っていたけど、ウエノの料理を食うようになってから
安い食堂とかの不味い飯では全然満足できない舌になっていた。贅沢な体になったもんだ。
ウエノがまた嬉しそうに飯を作るもんだから、俺のような人間はどんどん甘やかされてしまう。
空になった鍋と茶碗をシンクに置き寝室に向かう。バイト明けで俺も疲れてる。
部屋の薄暗さも相俟ってひどく眠たかった。それに俺が隣の部屋でばたばた動いてたら、ウエノも寝るに
寝れないだろう。静かに寝室の扉を開けてそっと布団に潜り込む。ウエノが寝てるかどうかは確かめなかった。
俺は図体がでかいから下手に動くと邪魔でしょうがないという自覚はある。冷房を切った部屋はむしむしと
暑い。薄いタオルケットを抱え込むようにして丸くなった俺の上に、掠れたウエノの声が落ちる。
63名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:19:46 0
「アベ君、寝るの?」
「寝るよ」
「おんなじ部屋にいると伝染るかも」
「そう簡単に伝染んねえって」
顔が見えない状態で交わす会話はなんとなく新鮮でくすぐったい。暗い部屋に声が二つ。
互いにバイトが忙しくて入れ違いの生活だったから、同じ部屋で暮らしてるといってもこうして一緒に
過ごす時間はそんなになかった。考えてみると、まともに顔を合わせるのは飯を食うときとスタジオに
入るときくらいだ。ウエノも同じことを思ったのか、ベッドの上でくすくすと笑う気配がする。
「暑くねえ?」
「ん、平気」
「エアコンつけてもいいよ?」
「大丈夫」
眠った方がいいとわかってるし、体も疲れてるのに、なんとなく会話を続けてしまう。子供の頃初めて
友達の家に泊まったときみたく。ウエノが小さく咳をした。伝染ればいい、と思う。風邪は人に伝染せば
治るもんらしい。ウエノが寝込むより、俺が風邪を引いたほうが、旨い飯を食えるから、いい。
ゆっくりと目を閉じた。ぽつぽつと交わす会話がだんだんと間遠になり、ウエノの声が寝息に変わる。
穏やかな呼吸音を聞きながら、柔らかい布団に包まって俺も意識を手放した。

「今日打ち上げすげえいい店取ったから」
楽屋に備え付けられた古いステレオにCDをセットしながらチバが言った。
「何で?」
「キュウがこっち出てくるって」
チバの言葉に振り向けば、ドラムスティックでテーブルを軽く叩いていたキュウがにやっと笑う。
ようやく俺と息の合い始めたドラマーは電車の乗り換えに失敗したとかで、さっきここに到着したばかりだ。
「お、マジか!お前とうとう観念したな」
ウエノが大きな手でキュウの頭を掻き回す。やめろと笑いながらも、キュウもやけに嬉しそうだ。
多分、本人が一番、中途半端な状況に歯痒い想いをしていたんだろう。足元を固めつつあった
バンドの唯一の懸念、キュウの去就がこれではっきりしたわけで、もう怖いものはなにもない、
あとはひたすら曲を作って演奏してくだけだ。
64名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:20:16 0
バンドの、本格的なスタート。
だけど、充実した生活の崩壊は同じ日にやってきた。
4人でライブの準備をしながらステレオから流れるクラッシュを聴いてるときには、全く予想して
いなかった、再会。
それは俺にとって終わりの始まりだった。

乱暴に壁に押さえつけられた背中がごりごりと痛んだ。
「・・・離せよ」
「黙れ、この淫乱」
ひどく白けた言葉だったけど、見返した男の顔に冗談を言っている気配はない。
いつもより一回りデカいハコをブッキングした試金石的なライブは成功に終わった。
チケットも売り切れて、客のノリも悪くなかった。いい気分のまま、馴染みのスタッフやバンド仲間を
連れてなだれ込んだ居酒屋の座敷。そいつの顔を見つけた瞬間、すっかり忘れていた記憶が
脳味噌の奥からごぼりと溢れ出すのを感じた。忘れようと、していたのかもしれない。
ていのいい話だと自分でも思う。散々利用しておいて、必要なくなればさっさと
記憶から消し去ろうとする。きっと、そういう生き方をしてきた、ツケが回ってきたんだ。
いい感じに酒が回った頃、座敷に顔を見せたそいつは、チバやウエノと出会うまで俺が一緒に暮らしていた
男だった。どうして予想しなかったんだろう。同じ業界にいるもの同士、しかも相手は無駄に顔の広い男。
どういう形でかは兎も角、ずっと会わないで済ませられるほうがおかしい。
部屋を出たときは、男がいない時間を見計らって衣服やレコードを持ち出したから、顔を合わせる
ことはなかった。堂々と出て行くと言っていれば、また違ったのかもしれない。顔も見たくなかったって
いうのは言い訳にもならない。だけど、出て行くと言ってあっさり了承してくれればいいものの、
それまでの生活の見返りを求められる可能性に、どうしても正面きって別れを切り出す気になれなかった。
そうやって面倒なことを後回しにするから、泥沼に嵌って抜け出せなくなるんだってのに。
65名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:20:47 0
人が溢れかえった居酒屋の座敷。視線が合った瞬間に、男が眉を顰めて顎をしゃくった。
手足の先がすっと冷たくなる。今までにないくらい苛立っているのは、その目付きだけでわかった。
体液の半分をアルコールに変えちまったようなチバが腕を引くのをあしらって、さり気なく席を立つ。
宴もたけなわ、この盛り上がりなら俺ひとり抜けたところで誰も気が付かないだろう。
せいぜい用を足しに行ったと思うくらいだ。沈没したスタッフを数人跨いで店の外に出ると、先に出ていた
男が路地の入り口に立っているのが見えた。足が止まりかける。行きたくない、のか、行ったらやばい、のか。
踵を返した男が路地の奥に消える。鉛のように重い足を引き摺って男の背中を追った。
過去は、清算しなくちゃいけない。こうしてまた出会ってしまったのだから。
暗闇に数歩、足を踏み入れたところで、襟元を掴まれ背中を壁に叩きつけられる。
肺から押し出された空気が喉を掠めてひゅうと音を立てた。身長では勝ってるとはいえ、荒っぽい
喧嘩からは遠ざかって久しいし、抵抗する気も、俺にはなかった。何をされても仕方がない、
俺はそれだけのことをした。
「どこに行ったかと思えば、随分楽しそうじゃねぇか、ええ?」
低められた男の声が耳障りで鳥肌が立った。こんな純粋な悪意をぶつけられるのはいつぶりだろう。
捩じ上げられたシャツの襟が首筋を締め付けて、息苦しさに堪らず喘ぐ。誘い込まれた路地裏は
鳥目の俺では視界がほとんど確保できないくらい暗い。俺の体をビルの壁に押さえつける男の輪郭が
うっすらとわかる程度だ。湧き上がる不安に必死で目を凝らしていると、強引に上体を引き寄せられ、
もう一度背中を壁に叩きつけられる。反射的に腕を突っ張り逃れようともがいた途端、頬を張られて、
口の中に鉄臭い味が広がった。
「お前、今、バンドのベースと住んでるんだって?」
白みかけた意識を、男の言葉が引き戻す。肯定も否定もせず黙り込んだままの俺に、加虐的な
笑い声が擦り付けられる。
「もう寝たのかよ」
「寝てない」
自分でもびっくりするくらい鋭い声が出た。鼻白んだ空気を漂わせて、男の笑い声が止まる。
66名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:21:55 0
俺のことはどれだけ詰っても構わない。殴るなり蹴るなり好きにしたらいいと思う。だけど、ウエノのことを
引き合いにだされるのは耐えられなかった。ウエノはこいつとは違う。一緒に暮らすようになって
もう一月くらい経つが、勿論体を求めてきたことなんてないし、そんなことはこれからもありえないだろう。
あいつは、部屋と引き換えに、男にセックスを要求するような奴じゃない。
「嘘つけよ、ヤったんだろ?」
「ヤってねえよ」
てめえが変態だと、周りまで全部変態に思えてくるもんなんだろうか。こんなごつい男を抱いて喜ぶのは
こいつくらいのものだろうに。しつこい勘違いに俺がいっそ呆れ始めたのに気がついたのか、低く唸った男が
俺の体を強引に引き摺り倒す。シャツの袖から出たむき出しの腕が質の悪いアスファルトに擦れて
鋭い痛みが走った。咄嗟に起き上がろうとした背中に嫌な重みが圧し掛かる。
「何すんだよ」
「おとなしくしてろ」
「離せ」
「ヤったかどうか確かめてやるよ」
右腕を掴まれぎりぎりと捩じ上げられる。身をよじり頬をアスファルトにこすりつけるようにして痛みに耐える
俺の耳に、ベルトのバックルが外される音がやけにはっきりと聴こえた。こういう状況なのに、頭はひどく
冷静だった。ああヤられんのか、ってそれだけ思った。その瞬間、自分が何を怖れてたのか理解して
笑いそうになる。俺は、何をされてもよかった。散々こいつと寝てきたんだから、今更犯されるくらい
たいした問題じゃない。だけど、ウエノに絡まれるのだけは、避けたかったんだ。
俺がこうして体をつかって生活してたことを、ウエノには知られたくなかった。ウエノに軽蔑されるのが
何よりも怖かった。俺と男の関係を知ったら、あいつは多分俺を気持ち悪いと思うだろう。
それが普通の反応だ。薄汚い生き方だと蔑むかもしれない。失望されて嫌悪されて、一緒に
暮らせなくなる。最悪の場合、バンドも、終わる。それが一番怖かった。ようやく見つけた自分の居場所を
自分の過去のせいで失うのは、自業自得というものだけど。
67名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:22:26 0
不自然な方向に捻られた肘の関節がぎしぎしと軋む。腕を折られるんじゃないかと思ってぞっとした。
今のこいつなら、それくらいやりかねない。何をされても構わないといっても、ギターを弾けなくなるのは困る。
バンドがノッってきてる今は特に。折るならせめて脚とかにして欲しい。
「戻って来い」
前を寛げたジーンズの中に手を突っ込みながら男が囁いた。
「冗談・・・」
「戻ってきたら、お前のバンドのメンバーには黙っててやる」
男は、俺の怯えをしっかりと嗅ぎ取っていた。躊躇いは一瞬だった。体の力を抜いた俺に、男が忌々しげに
舌打ちをした。捩じ上げられていた腕が放される。萎えたままの性器を扱き上げられて、だけど
どうしても快感はやってこない。嫌悪ばかりが膨らんで、全身の肌に鳥肌が立つ。ウエノとの穏やかな生活を
経て、俺はそれまでの、この男との生活がどれほど異常なものだったかしっかりと理解していた。
男が男に抱かれて生活を保障されるというのが、どれほど情けないことか、身にしみてわかっていた。
だけど、他に選択肢はない。
流されるまま踏み込んだ楽な道は泥沼に繋がっていて、道を逸れた今も粘つく過去はこうして俺の体に
絡み付いてくる。その泥をウエノやチバにまで擦り付けるくらいなら、俺はこいつの部屋に戻ることを選ぶ。
バンドがあれば、それでいい。ギターを弾ける場所さえあれば。あいつらと今までみたく音を合わせることが
できれば。
冷め切った脳味噌に微かにアスファルトを踏みしめる音が届いた。下着の中に潜り込んだ男の手が止まる。
「アベ君、何してんの」
凍りついた空気を割り開いた低い声。殊更のんびりした口調は、逆に冷たい緊張感を感じさせる。
一拍間を置いて、男の手がするりと俺の体から離れていく。背中から消えた重みに、だけど俺は
動くことができなかった。今一番会いたくない奴の声。それなのに、どうしようもなく安心する。
指一本動かすことができなくなるくらいに。
68名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:23:02 0
「何もねえよ、な?」
男が薄い笑いの混ざった口調で言った。じゃり、とブーツの靴底がアスファルトを擦る音。
「何もないのに、なんでアベ君倒れてんのさ」
蹲ったままの俺に近づいてくる馴染んだ気配。
「ウエノ」
声にした名前はそれだけで胸の底を暖める。
「ウエノ、いいから」
俺の言葉に、男が耐え切れなくなったように声を上げて笑った。
「じゃあ、待ってるからな」
最後に放り出された言葉は、穏やかな生活に終わりを告げる一言。遠ざかっていく男の足音を
聴きながら、体を起こし壁にもたれるようにして膝を抱え込む。手の届く距離にウエノがいた。
だけど、俺とウエノの間に、埋めようのない距離があることは確かだった。気付かれてはいないと思う。
路地の奥は暗くて視界があまり利かないし、何をやってるかなんて見えなかったはずだ。
男二人が揉み合ってたら殴り合いの喧嘩でもしてるのかと思うのが普通だし。
生温い空気が揺らいで、肩にウエノの手が触れる。
「大丈夫?」
気遣わしげな声に、罪悪感が募る。優しくしないで欲しい。あの穏やかな部屋を離れる決意が
鈍ってしまうから。乱れた服を隠すように膝を抱え込んだまま、少しだけ顔を上げて笑って見せた。
暗闇の中でウエノの顔は見えない。ウエノにも、俺の顔は見えてないのかもしれない。
取り繕った表情はウエノを安心させるためのものではなく、油断するとまたウエノに甘えてしまいそうになる
自分を押しとどめるためのものだった。自分が、人からどう見られているのか、わかってる。
バンドの中でどういう位置に立つことを望まれてるかもわかってる。だから、笑わなきゃいけない。
何もなかったかのように。
69名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:23:57 0
「悪いけど、みんなに先帰るって言って来てくんね?」
吐き出した言葉はなんとか上手く音になった。かさついたウエノの指先が一瞬頬に触れる。
荒れたアスファルトに押さえつけられ擦り剥けた皮膚が鋭く痛んだ。
「チバとか、顔、見せたら心配すると思うから、お前行ってよ」
「わかった、ギターも取ってくるからちょっと待ってて」
ウエノが立ち上がる。遠ざかる体温に伸ばしかけた手をきつく握り締めた。うっすらと街灯の明かりが
射しこむ路地の入り口を、ひょろ長いウエノのシルエットが横切る。十分に距離が開いたのを確かめて
立ち上がり、肌蹴られた衣服を丁寧に整えた。それからジーンズのポケットに入っていた煙草を引っ張り出し、
潰れたパッケージから一本抜いて咥える。指先は、ほんの少し震えていた。煙草を吸い終える頃には
治まっていたけど。
フィルター近くまで燃えた煙草をブーツの底で揉み消して路地を出た。ひどいことになってるだろう顔を
隠すように俯いて、ウエノを待つ。あてどなくアスファルトの上を彷徨う視界に見慣れたブーツの爪先。
「お待たせ」
チバがなかなか放してくれなくて遅くなった、と、いつもの調子を崩さずウエノが言う。使い古されたギター
ケースを受け取ると、ささくれ立っていた気持ちがすっと落ち着くのがわかった。俺にはまだこいつがある。
一緒に音を出す仲間もいる。
俯いたままの俺を気にした様子もなく、ウエノの手が右腕の肘辺りを掴んだ。
「帰ろう」
「何、お前も帰んの?」
「アベ君怪我してるし、ほっとけるわけないじゃん」
腕を引かれるまま足を踏み出した。いつかと同じように二人肩を並べて歩く。会話はない。
蒸し暑い夏の空気が重たく体に纏わりつく。前にこうして歩いたのは梅雨の季節だった。初めて音を合わせて
一緒にやってくことが決まって、あの日から何もかも上手く回り出した。ウエノとの生活は暖かくて心地良かった。
音楽以外のものに執着したことのない俺が、この生活を手放したくないと思ったくらいに。
70名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:24:27 0
掴まれたままの右腕が熱い。いつの間にか馴染んでいたマンションの入り口を潜り、小さなエレベータに乗り込む。
自分のブーツの爪先を眺めながら、ウエノになんて言えばいいんだろうって考える。急に部屋を出ると言い出したら
心配するだろうから。俺は上手く嘘が吐けるだろうか。
鉄製のドアを開けて、部屋に上がる。入ってすぐ右手にある洗面所でとりあえず顔を洗った。
鏡を覗き込むと、右の頬に殴られた痣とアスファルトに擦れてできた傷があって、想像以上の薄汚さに
溜息が漏れる。バイトが釜担当で良かったと思う。客商売なら休まなきゃいけない顔だ。
引き倒されたときにできた腕の擦り傷もついでに軽く水で洗って、リビングに向かった。
「そこ、座って」
ドアを開けた途端、ソファを指してウエノが俺に言った。視線は手元に落としたまま。
そういえば、帰る途中一度も目を合わせなかったな、と今更ながらに気が付く。いつもそうだ。
俺が俯いたり目を伏せたりしてるとき、ウエノは無理に視線を合わせてきたりしない。
敏感に空気を読んで居心地のいい距離感を保ってくれる。
言われるままソファに座るとウエノは手早く傷の手当を始めた。消毒液をしみこませた脱脂綿で傷を拭い、
薄く軟膏を塗ってガーゼを当てる。
「しみる?」
「や、平気」
茶色い目は真っ直ぐ傷を見つめていて、これだけ近い距離にいるというのに相変わらず視線は合わない。
実際目が合ったらきっと俺の方が先に視線を逸らしてしまう。空気を取り繕うのは苦手だから、気まずい
雰囲気になるかもしれない。だけど、頑なに目を合わせようとしないウエノに、俺が感じたのは真っ黒い
不安だった。傷の処置を終えて立ち上がり、冷蔵庫からビールの缶を2本取り出して戻って来たウエノに、
堪らず俺は口を開く。
「何で?」
「ん?」
「何でなんも聞かねえの」
ぷしゅ、と音を立てて、ウエノの長い指がプルタブを引き上げる。
「聞いて欲しいなら、聞くよ」
勢いよくビールを煽って、ウエノが言った。ざらざらした沈黙が下りる。返す言葉を見つけられず、
テーブルの上に置かれたもう一本のビールに手を伸ばした。プルタブを引き上げた瞬間、静寂を
切り裂いた破壊音に息を呑む。
71名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:24:58 0
「あー俺ってほんと卑怯だわ」
顔を上げ、視線をめぐらせる。音の正体はすぐにわかった。部屋の隅に積み上げられていた空の酒瓶や
ビール缶が見事に崩壊している。床に零れた白い泡。ウエノが飲んでいたビールの缶を投げつけたのか。
「だけど、アベ君も卑怯だ」
茶色い目が真っ直ぐ俺を見ていた。
「ほんとはね、無理にだって聞きだしてえよ、あの男が誰なのかとか、アベ君とどういう関係なのかとか」
だけどさ、不貞腐れたように呟いてウエノが先に目を逸らす。
「聞いても言わねえだろ、アベ君」
ウエノは敏い。いつも俺の思考を先回りして、俺のいいように空気を整えてくれる。他人に合わせて
自分の感情を後回しにする。その気遣いをかなぐり捨てて、ウエノが始めて俺に純粋な感情を見せていた。
「俺がなんも聞かないのはね、アベ君に拒絶されんのが怖いからだよ。
お前なんかに言いたくないって言われたくないからだよ」
「ウエノ」
「アベ君は俺になんも言ってくんないから」
人付き合いを器用にこなしているように見えて、実際ウエノほど不器用な男もそういないのかもしれない。
「・・・ごめんな」
その不器用さに胡坐をかいて居心地のよさに甘えてた俺は、本当に卑怯な奴だと思う。
「なんで謝んだよ」
ゆっくり伸びてきた色の白いウエノの指がガーゼの上から頬の傷を撫でた。ウエノが触れた部分から
ちくちくした痛みが消えていくような気がした。
「謝んなくていいからさ、一つだけ俺の頼み聞いて」
顔を上げると、真剣な色をしたウエノの目と視線がぶつかる。
「あいつんとこ、行かないで」
アベ君が怪我すんのは、嫌だよ。
72名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:26:05 0
反射的に、ウエノの手を払いのけていた。そうしないと、何もかも洗いざらいぶちまけてしまいそうだった。
「行くなよ」
払いのけた手を、反対に掴まれる。骨張ったウエノの指の感触。
「ウエノ、」
「行くな」
ぎり、と音を立てそうなくらいきつく握られた手が鈍く痛む。掴まれてるのは指だけなのに、なぜだか
上手く息が出来なくなって、苦しさに口を開けて小さく喘いだ。
73名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:57:29 O











( ´,_ゝ`)プッ




74名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:59:59 O
やばいぞこれ!!!傑作すぎる!!!神!ひとつひとつの表現がうますぎる!続きが気になるーw
75名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 23:06:29 O
良 す ぎ る!
続き楽しみ!
76名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 23:08:03 O
良 す ぎ る!
77名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 00:10:10 0
きてたよきてたよ(;゚∀゚)=3ハァハァ
78名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 00:44:23 O
神降臨!!!
79名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 00:53:47 O
読みごたえと萌えがヤバいです
お粥旨そうです
80名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 02:23:13 O
なんとなく誰だかわかたよ言わないけど
続き楽しみにしてます
81名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 03:47:15 O
>>80
いらんこと書くなよ
82名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 06:03:01 O
>>80
消えろ
83名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 06:48:05 O
そこまで言わなくても
84名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 06:59:02 O
暗黙のルールを知らない馬鹿はROMってろ
85名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 07:13:05 O
(´・ω・`)ノノ゙<まぁまぁ

§`_ゝ´§b<ネエチャンたち茶でもシバこうぜ☆


(`皿´)y-~~<早く飲まないと冷めちゃうよ?
ノ(へω)へ 旦~旦~旦~旦~旦~
86名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 09:48:06 O
┃з・#]つ<`皿´)y-~~
┃ノ   ノ(へω)へ

┃彡
┃彡


┃]つ(`皿´)y-~~<かえってやらしくね?
┃ ノ(へ▼へ
87名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 10:45:12 0
前スレの真アベハルアベの人でしょ?
88名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 12:08:39 O







age厨だよー(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)(^ω^)
89名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 12:21:52 0
続きキテタ!!
職人さんイイヨイイヨー、文字から絵が見えるよ
続きwktkで待ってます

>>58
エララありがとうエララ
つ旦
90名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 15:54:27 0
ほんと文字から絵が見える!
ワクワクして何回も読んだよ。
続き楽しみに待ってます。
91名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 17:21:01 0
刺身さん?
92名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 17:59:14 0
お…、お前ら…
職人の当てっこをすぐにやめるんだ…
93名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 18:10:48 0
いい加減にしなよ。
職人にも楽しみに待ってる人にも迷惑。
94名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 18:26:20 O
自演煽り厨はスルーで

以降何もなかったように通常営業
95名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 18:36:44 O
この空気に負けない強い職人さんでありますように。

┃;`_ゝ‖
とノ
96名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 20:46:23 O
ちょwwヨダwwwwいい奴w
97名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 21:03:52 O
かわいいなおまえはwww
98名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 01:56:12 O
すげーな、この神!
漏れの中で二塔神の歴代一位二位を争う存在!
99名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 02:53:10 O
(`皿´)<寒くて眠れない
100名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 09:16:32 O
100
[=.・з・(´皿`)zz..
 / ~二二つ⊂と)
101名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 18:45:31 O
グッスリw
102名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 19:35:20 O
アベを最初にヤってた男が、モデルいるのか架空なのかが気になる…
103名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 02:38:38 O
続きまだなのかな
104名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 14:28:08 O
朝立ちフトツに悪戯しかける鰓のAAかとおもた
105名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 19:24:22 O
>>104
[=.・з・(´皿`)zz..
 / ~二二つ∩と)
106名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 23:41:26 O
コラw
107名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 16:02:48 0
初老なのに元気だね
108名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 16:42:40 O
(*`皿´)ゞ<褒められちゃった
109名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 17:01:55 O
ポジティブwww
110名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 00:14:01 0
バカ可愛いw
111名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 19:21:40 O
あべくんかわいいよあべくん
112名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 04:24:46 O
(*`皿´*)ポッ
113名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 01:57:41 O
そうやってみんなでフトシを甘やかすから…ゴニョゴニョ
114名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 02:06:25 O
ミ;`_ゝ´彡<>>113ご、ごめん…
115名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 02:27:04 O
もう甘やかさないからね[=.・з・]ノ"(`皿´*)ウン

[=.・з・](`皿´*)腹減ったな

簡単なのでいい?[・ε・=*])) (`皿´*)ウン
116名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 06:44:33 O
ばかwwwww
117名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 09:47:13 O
ある意味究極の勝ち組だな
118名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 10:07:10 O
なんというヒモ体質
119名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 10:17:12 0
そんなヒモ体質なアベ君が大好きです。
近いうちにストックまとめて落とします。
もうちょい時間ください。
120名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 10:52:31 O
wktk
121名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 11:32:07 0
神キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
うんざりして消えちゃったかと心配してたよ
まったり待ってます!
122名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 12:16:50 O
ヾ(`皿´)ノ"
123名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 13:44:11 O
ゆっくりまとめてください神
待ってます(*´∀`*)
124お言葉に甘えて連投いきます:2008/01/25(金) 14:03:07 0
水底から浮き上がるように、目を覚ました。
カーテンを引き忘れた窓から明るい陽射しが射しこんでいる。
鼻先を擽るさらさらとした黒髪。俺の胸にぴったりと押し付けられた痩せた背中が
ゆっくりとした呼吸のリズムに合わせ、穏やかに上下する。そっと視線を巡らし、
壁にかかった時計を見上げた。時刻は朝の7時前。確か眠ったときは既に5時を回って
いたから、一時間ちょっとしか経っていないことになる。睡眠時間のわりに、頭はすっきり
していた。昨夜散々ヤりまくったせいかもしれない。長いツアーが明けて、久しぶりのオフ。
ライブのスケジュールが詰まってるときはお互いヤる気にならないから、こうして抱き合うのも
随分と久しぶりだった。自覚はなかったけど、やっぱり溜まってたんだろう。飯を食った後
ビールを一本だけ飲み干してすぐ、俺たちはベッドに潜り込んだ。軽いキス一つだけで
頭の螺子が飛んだ。俺も、アベ君も。甘い言葉も探り合うような駆け引きもない、
ただ互いの体を喰らい尽くすようなセックス。欲望は底なし。何度も何度も体を繋げて
体液まみれで絡み合った。気が狂ったように、文字通り一晩中。最後には気を失って
しまったアベ君の体を軽く拭いてやって、そのまま俺も沈没した。いい年こいて、何やってんだか。
体は疲れてるんだけど、一度去ってしまった睡魔はなかなか戻ってこない。
水でも飲もうかと思って体を起こしかけた瞬間、アベ君が微かに身じろいで、甘えるように
背中を擦り付けてきた。眠ってるくせに、離れるのがいやだっていうみたく。
愛しさに胸の奥がきゅってなる。ほんと、不意打ちで可愛いんだよね、この人。
目の前の黒髪を鼻の先でかきわけて、白いうなじに唇を押し付けた。アベ君の肌は
いつもひんやりと冷たい。細い腰を抱え込んだ掌をそろりと滑らせる。肉のない腹から
肋骨の浮いた胸へ。触れ合った肌に感じる呼吸のリズムは変わらない。
125名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:03:39 0
無防備なアベ君の様子に、悪戯心が目を覚ます。尖らせた舌で首筋を突きながら
柔らかな乳首を指先で探った。ん、と鼻にかかった声を漏らして、アベ君が身を捩る。
手足を縮こめて丸まろうとする骨張った体を、起こさないようにそっと仰向けに転がした。
ベッドに手をついて、ぐっすり眠っているアベ君の顔を上から見下ろす。
ゆったりと閉ざされた目。乱れた前髪の間から覗く滑らかな額。薄く開いた唇は平和な
寝息を立てている。目を覚ます気配がないのをいいことに、俺は悪戯を再開する。
腕を曲げて上体を屈め、柔らかい耳朶をピアスごと舐め上げる。どこが弱いのか
アベ君の体のことなら俺は全部わかってる。反射的に首を逸らして逃げるのを追いかけて、
すっきりした顎のラインに唇を這わせた。
「んん・・・」
寝息に混ざる不明瞭な呻き声。掌を押し当てたアベ君の胸がぴくっと跳ねる。
指の先で捏ね回す乳首がじわじわと硬く尖っていく。だらりと投げ出されていた大きな手が
ぎゅっとシーツを握り締めるのが見えた。膝を立てた細い脚が俺の脚に絡みついて震える。
やばいな。熱のこもりはじめた頭で思う。ちょっとした悪戯のつもりだった。
あんまり気持ち良さそうに寝てるから、なんとなくちょっかいを出したくなっただけだった。
だけど、アベ君の体の素直な反応に、手の動きを止められなくなる。昨夜散々ヤったばかり
なのに、鎮まったはずの欲望がまた、体の中で膨らみ始める。
「う、ぁっ」
勃ちあがった突起をぎりぎり痛くない強さで摘み、指の腹ですり潰すようにすると、
アベ君の口からはっきりと、甘い色を帯びた声が零れる。アベ君は普段、ほとんど声を出さない。
イく瞬間だってシーツや自分の腕を噛み締めて声を殺す。初めてヤった夜からずっと、
これだけ長い付き合いになってもそれは変わらなかった。アベ君は頑固で意地っ張りだ。
我慢すればするほど辛くなるのは自分だってわかってるだろうに。
126名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:04:12 0
だけど、流石のアベ君も寝てるときは意地を張れないらしい。耳元に落とされる高く掠れた声。
馴染みの薄いその響きに煽られるまま、胸から腹へ掌を滑らせて、細い脚の付け根
まだ柔らかいままの性器に指を絡めた。
「・・・うっ」
切なげに眉を顰め、アベ君がゆらゆらと頭を振る。長い指で掴んだシーツを引き寄せて、
むずがる子供みたいな仕草で顎を反らす。掌に握りこんだ幹を擦り上げるたび、
穏やかだった呼吸のリズムがだんだんと速くなる。さらけ出された胸元から華奢な首筋へ、
舌の表面を押し付けるようにして舐め上げれば、硬くなり始めた陰茎がひくひくと震えた。
シーツにこめかみをすり寄せて、アベ君が啼く。いつもは聴かせてくれない甘えた声で。
ぷくりと体液を溢れさせた先端に指を這わせると、眉間の皺が深くなって、きつく閉じられた
瞼が痙攣した。あ、起きるかな、って思ったけど、もう手は止められない。
「ああ、あッ、ウエノ・・・!」
「何?」
ぱちりと、目が開いた。墨を落としたような真っ黒い虹彩が、ぼんやりと俺の顔を見上げる。
アベ君はひどい低血圧で、寝起きの悪さには定評がある。そんなアベ君が状況を把握する前に、
手の動きを速めた。
「んっ、ウエノ、何っ」
混乱した表情で、アベ君が身を捩る。圧し掛かる体を押し退けようと突っ張った細い腕は、
濡れた先端を指先で抉るように刺激した途端、反対に俺の肩に縋りついた。背中を丸め
俺の鎖骨に額を擦り付けるようにしてアベ君が喘ぐ。うわごとのように嫌だ嫌だと繰り返して、
だけど快感に貪欲な腰は刺激をねだるように小さく揺れている。反り返った幹を弄びながら、
もう片方の手でアベ君の体を引き剥がし、ベッドの上に押さえつけた。
「嫌じゃないでしょ」
「ぁ、ウエ、ノ・・・」
「こんなになってんのに」
ぐっと陰茎を握り締める。下唇を噛み締めて、アベ君が必死に声を押し殺す。肉の削げた
頬にさっと血の色が差して、潤んだ目が悔しそうに俺を睨み上げた。
127名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:04:49 0
「アベ君の、感じてる顔好きだな」
言った途端、腰を捻って上体をベッドに伏せようとするから、肩を掴んで引き戻した。
「ちゃんと見せてよ」
体を屈めて顔を寄せ、赤らんだ耳元に囁く。手の中の陰茎がどくりと脈打ち、
震える細い指先が俺の手首を握り締めた。引き結ばれていた唇が一瞬開いて、熱を孕んだ
吐息を漏らす。睫に引っ掛かっていた涙の粒が、眦からこめかみに伝い落ちる。
先端から垂れ落ちた体液を擦り付けるように、硬くなった性器を扱き上げた。裏筋に指を這わせ、
幹を這い下りた手で柔らかく袋を揉みこむ。骨の形がはっきりわかるくらい痩せたアベ君の腰が
刺激に合わせて小さく揺れる。括れた部分をぐるりと指先で辿れば、荒くなった呼吸で乾いてしまった
唇が苦しげに限界を訴えた。
「ウエノ、もう、イくっ」
欲情に掠れた声。びくびくと腰を痙攣させながら、アベ君が細い脚を俺の脚に絡めてくる。
「イっていいよ」
囁いた途端、薄い胸を反らしてアベ君が大きく喘いだ。俺の手首を掴んだ指先が、しがみつく
ように爪を立てる。手の中でべとべとになった性器が震えながら精を吐く。一度、二度。
アベ君の体からぐったり力が抜けるのを確かめて、押さえつけてた肩を離した。
見下ろす俺の視線を拒むようにごろりと体を横にしたアベ君が、背中を丸め、長い手足を
折りたたんで荒い息を吐く。窓から射しこむ光の中で、首筋から頬までうっすら血の色を
上らせたその姿は喰らいつきたいくらい可愛かった。こんなでっかい男なのにね、ってそんなことを
思う自分が可笑しくなる。
「朝から、何サカってんだよ、お前は」
尖った肩にキスを落とすと、ちょっと怒った声でアベ君が言った。
「サカってんのはアベ君じゃん」
まだ微かに潤んだ黒い目が、ぎりっと音をさせそうな勢いで俺を睨む。どうやら虐めすぎたらしい。
だけど、吊りあがった目尻やまだ呼吸の整わない口元に触れるだけのキスを数度繰り返せば、
漂い始めた不機嫌の気配はおとなしく息をひそめた。
128名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:05:19 0
「つーか、全然寝てねえじゃん」
時計を見上げたアベ君が呆れたように溜息を吐く。
「うん、何か目覚めちゃってさ」
「だからってやるなよ」
「ごめん、でもすっげー可愛い顔で寝てるんだもん、アベ君」
もう一つ溜息を追加してから眠たげに目を擦るアベ君を見て、起こして悪かったかな、って
今更思う。ただでさえツアーが終わったばかりで体はぼろぼろなのに、一晩中ヤりまくった後だ。
「何か飲む?」
「ん、いいや。シャワー浴びてくる」
大きな欠伸をしてから、ゆっくりアベ君が体を起こした。いってらっしゃい、と返して、シーツの上に
寝転がる。俺も後でシャワーを浴びて、一眠りしたら久しぶりにプリンでも作ってやろうか。
ぼんやりそんなことを考えてた俺は、アベ君が膝を付いて床にしゃがみこむのを見て、慌てて
ベッドから飛び起きた。

------------------------------------------------------

床に足を下ろした途端体を襲った嫌な感覚に、気が付けば俺は膝を折って蹲っていた。
こめかみに冷たい汗が滲む。
「アベ君!?」
慌てた声でウエノが俺の名前を呼び、ベッドから降りてくる気配がした。顔から血の気がさっと
引いていく。動けずにいる俺の傍らに膝を付いて、ウエノが俺の顔を覗き込んだ。
「どうしたの、大丈夫?」
返事が、できない。大丈夫とは言い難いのだけど、大丈夫じゃないと言ったらこの体の状況を
ウエノに説明しなくてはいけないことになる。それだけはどうしても避けたかった。
「なんでもない」
「どっか具合悪い?」
「平気だから、お前先にシャワー浴びてこいよ」
129名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:05:50 0
とりあえず、一緒にいるのはやばい。勘のいいウエノのことだから、このままだと俺が動けずにいる
理由を察しないとも限らない。体を強張らせたまま、昨夜のことを思い出す。久しぶりの
セックスに、俺たちは加減を忘れて抱き合った。何度も穴に突っ込まれ、気を失うまでイかされた。
自分の体液でべたべたになってた体はどうやらウエノが寝る前に綺麗に拭いてくれたようだが、
『後始末』はそれだけじゃ済まない。穴の中に、嫌というほど注ぎ込まれた、ウエノの体液。
それがまだ、しっかり俺の体に残っていた。歩くことなんて、できない。今だって少しでも意識を
逸らせば、嬲られ続けてまだ柔らかさを残した穴から、粘つく体液が漏れ出してしまいそうだった。
ウエノに、そんなとこを見せるわけにはいかない。セックスをするからといって、どんな醜態も晒せるかと
いえば、そういうもんじゃないだろう?
「アベ君・・・」
「早く行けって!」
焦りと苛立ちで声が尖る。ウエノの視線を避けるように俯いて、乾いた唇を噛み締めた。
こういう言い方をしたら余計ウエノが心配する。わかっていても上手く誤魔化すような余裕はない。
案の定気遣うようにそっと伸びてきた手が丸めた背中を優しく撫でた。条件反射のように
体から力が抜けかけて、慌てて息を詰める。細心なウエノの手は、いつも俺を安心させる。
それが今は恨めしかった。
「とにかく、横になったほうがいいよ。立てる?」
強張ったままの俺の背中を宥めるように撫でていた手が、脇腹に回されて、そっと上体を抱え
起こそうとする。咄嗟に、寄り添うウエノの胸を肘で押し退けた。こうして蹲っててもぎりぎりなんだから、
無事に立てるとは思えない。とにかく一人にしてもらわないことには、この場所から一歩たりとも
動くわけにはいかなかった。ああくそ、ヤりすぎだっての。一度や二度のセックスではこんな状態には
ならない。だけど、昨夜は違った。勿論回数なんて覚えちゃいないが、射精が苦痛になるくらい
イかされて、しかもウエノは自分のモノをほとんど俺の体から抜こうとしなかった。その長すぎる
セックスから、まだ2時間も経っていないのだ。
130名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:06:21 0
「ほんと、なんでもないから」
困惑を滲ませたウエノの顔を見上げて言った。それが失敗だった。上体を擡げたせいで
角度が変わり、内側から溢れそうになったものを押しとどめるために、腰を捩る。その俺の仕草を
見たウエノが、表情を変えた。気付かれた、とすぐにわかった。かっと頬が熱くなる。
「そっか、昨日ヤりっぱなしで寝ちゃったもんね」
さっきの心配そうな口調が嘘のように、気の抜けた軽い口調でウエノが言う。恥ずかしさにたまらず
目を逸らし深く俯いた。わかったんなら早く風呂に行ってくれよ。苛々と思った瞬間、伸びてきた手が
俺の肩に触れる。
「綺麗にしてあげるよ」
言葉の意図を理解する前に、力任せに体を捻られて、ベッドに胸を押し付けられた。
「ウエノ・・・!?」
そのまま床に膝をつくように腰を抱え上げられれば、次に何をされるか、鈍い俺でも察しがつく。
抵抗が、できる状態じゃない。それがわかってるんだろう、肩を押さえていたウエノの手が
背中を撫で下ろし、殊更ゆっくり尻の狭間に滑りこむ。
「やめろ、ウエノ!」
制止の言葉はあっさりと無視された。
「まだ柔らかいね」
窄まった穴の表面を指先で辿りながら、ウエノが囁く。低められた声に腰が震えた。
頭より先に、体が反応する。慣れた刺激から快感を拾い上げる。必死にシーツを握り締めた。
もう、言葉を発するのも難しかった。気を逸らせばそこはウエノの愛撫にひくついて、
飲み込まされた体液を零し始めるだろう。だけど、意識を集中すればするほど、敏感になった
皮膚は与えられる刺激を貪欲に汲み取っていく。ほっそりとした指先が、くっと入り口に
押し当てられた。眩暈がするような羞恥に唇を噛む。内側にもぐりこんでくる指を拒む術は、なかった。
131名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:06:52 0
「中、ぐずぐずだ」
体の状態をいちいち指摘するウエノの言葉が、更に俺を追い詰める。くちゅ、と淫猥な
水音を立てて、内側の粘膜を辿る指先。力が入ってるせいで、その動きをまざまざと感じてしまう。
そんな締め付けんなって、とウエノが笑う。ゆっくり抜き挿しを繰り返す指が、楽になっちまえと唆す。
喉の奥からくぐもった呻き声が漏れた。同時に、内股を伝い落ちる生温い体液の感触。
「抜け、よっ!」
体が、熱い。頭がおかしくなりそうだった。俺の体の中に残された自分の体液を掻き出すように、
緩く曲げられた指が内壁をなぞる。時折穴の口を広げるように捻っては奥の方まで突き上げて、
多分わざと、感じるところを掠めていく。早くなった呼吸に声が混ざりそうになって、慌ててシーツを
噛み締めた。だけど、体の反応は、隠すことができない。腰骨の内側に集まっていく熱。
信じらんねえ、と鈍くなった頭の中で呟いた。ウエノとのセックスは、好きだ。酔った勢いで
じゃれ合いの延長みたく始まった関係だったけど、いつだって他の誰と寝るよりも気持ちが
良かった。だけど、これは幾らなんでも悪趣味がすぎる。何より、この状況で感じてる自分の
体が信じられなかった。
「声、出してよ」
2本に増やされた指が前立腺に押し付けられて、背骨を駆け抜ける快感に体が反り返った。
「さっきは聴かせてくれたじゃん」
忌々しいくらい優しい口調で、ウエノは俺を追い詰めていく。指が中で蠢くたび、頭の芯が
痺れたようになって、思考が白く抜け落ちてくのがわかる。湿った音が聴覚を犯す。
穴から溢れ内股に垂れ落ちる昨夜の残滓は外気に冷やされてひんやりと肌の上を滑っていく。
その様子をウエノに見られていると思うと、恥ずかしさで気が狂いそうになるのに、俺の体は
もっと快感をくれって浅ましくざわめいてる。腰骨を滑った掌が、脚の間に忍び込む。
兆し始めた性器を緩く握られて、堪らず俺は噛み締めてたシーツを吐き出した。
「ウエノ、駄目だ・・・!」
ウエノの手は、俺の狂わせ方を知っている。悲鳴混じりの制止に構わず、幹を握った
指が知り尽くした動きで強烈な快感を引き摺りだしていく。息苦しさに喘ぐ唇の端から
唾液が垂れ落ちて、だけどもうそれをみっともないと思う余裕すらなかった。
132名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:07:23 0
「勃ってるよ」
穴を弄りながら上体を屈めたウエノが肩甲骨にキスを落としながら囁く。そんな小さな刺激にも、
腰が震えるくらい感じてしまう。
「さっき出したばっかりなのに、やらしい体だね」
誰のせいだよ、って言い返そうとした言葉は、先走りで濡れた先端をぐいと握られて嬌声に
変わった。
「ぁあ、ウエノっ、ああッ・・・!」
「そう、その声。すげえイイ」
ウエノの指が、穴の口、ぎりぎり抜ける寸前のところをぐるりと辿り、背中側の粘膜を
擦りながら奥まで入り込んだと思えば、反転して前立腺を揉みこむ。自分でも、そこが
物欲しげにひくついてるのがわかった。指じゃ、足りない。茹った脳味噌で思う。
もっとウエノとぴったり体を合わせたい。もっと強烈なのが欲しい。
「ん、ウエノ・・・」
はぁはぁと音がするくらい荒くなった呼吸の合間に名前を呼べば、欲望を察したウエノが微かに
笑う気配がする。
「何?」
「い、挿れて」
「昨日あんなにしたのに、まだ欲しいの」
「ふ、あぁっ、欲、しい」
羞恥心だとか屈辱感だとかはもう遠いところに吹っ飛んでいた。陰茎を嬲ってた手が止まる。
深く息を吐き限界近くまで膨れ上がった熱を逃がそうと喘ぐ俺を見下ろして、ウエノが言った。
「俺も、アベ君が欲しいよ」
なんだよ、って思う。なんだよ、お前も限界なんじゃん、余裕なふりしてるくせに、
声なんかもうこんなに掠れちまって。
133名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:07:55 0
ずるりと指が引き抜かれ、代わりに熱く昂ぶったウエノのモノが入り口に押し当てられる。
入り込んでくる質量に感じたのは、いつもの圧迫感や異物感ではなく、ぞっとするような安堵感
だった。足りないものが満たされる感覚。喉を反らして声を出した。普段は男同士であんあん喘ぐ
っていうのがみっともない気がして声を殺すのが癖になってたんだけど、そんなことはどうでもいいと
思った。男とか、女とか、関係ない。気持ちいいもんはキモチイイ。首筋に、背中に、優しいキスが
落とされる。ぬめった音を立てて内側を犯すウエノの陰茎が、容赦なく感じるところをすり上げていく。
体中の神経が快感だけを受け取ってぞわぞわと痙攣する。
「ウエノ、もう・・・もう」
嬌声を飲み込んで懇願すれば、前を弄ってたウエノの指先が動きを早めた。絶頂はあっという間に
やってきた。全身を震わせて射精した俺の中に、低い呻き声を上げながらウエノも精を放った。

---------------------------------

「いい加減機嫌なおせよ」
俺に背中を向けて丸くなったアベ君に、ちょっと笑いながら俺は言った。眠ってないのはわかってる。
だけど、返事を返してくれる様子もなかった。
あの後、膝が立たなくなったアベ君をバスルームに運んで、今度はちゃんと『後始末』をして
やったんだけど、半ば無理矢理の行為はアベ君のプライドをいたく傷つけてしまったらしい。
仕方ないじゃん、自分でできる状態には見えなかったし、風呂で倒れられたら大変だ。
ベッドに戻ってから一言も口をきかず、尖った空気を纏ったままアベ君は全身で俺に抗議してる。
その半分以上が怒りではなく、照れくささからくる意地だってのは、俺にはばればれなんだけど。
付き合いだけは長いからね、それくらいはわかってる。斜めになったご機嫌のなおし方も。
まずは細いうなじにキス。薄い肩がぴくっと跳ねる。それから背骨にそって唇を滑らせて、
ぐっと皮膚を突き上げた肩甲骨のてっぺんにキス。
「ねえ、今日は何食いたい?」
シーツに顔を埋めたアベ君の耳元で囁く。ついでに筋の浮いた首筋にもキス。
そうすればほら、尖ってた肩がちょっとだけ丸くなる。
134名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:08:26 0
「パスタがいい?それとも寒いから鍋にしようか」
首筋に唇を押し付けたまま、素直な黒髪を指で梳く。小さな頭が僅かに動いて、シーツから
片目を覗かせたアベ君がまだ不機嫌を装った声で言う。
「パスタ。辛くして」
「了解」
「プリンも作れ」
「いいよ」
「カスタードの、生クリーム載ってるやつな」
「わかった」
そこでようやく、俺の唇はアベ君の唇にたどりつく。触れるだけのキスを数回。ごろりと
体ごと俺に向き直ったアベ君が俺の体にしがみついてくる。鎖骨に擦りつけられる滑らかな額。
さらさらとした髪の毛が首筋を擽る。時刻は朝の10時を回っている。ぴったり体を寄せ合ったまま
アベ君が俺の胸元に欠伸を零して、つられたように俺も欠伸をした。このまま眠って、
起きたらアベ君が目を覚ます前に食事の準備をしてやろう。腕の中の体を抱き寄せると、
細い腕が俺の背中に回される。柔らかな髪の毛に鼻先を埋めて、夢見心地で囁いた。
「おやすみ」
135名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:08:57 0


次いきます
完璧別軸

136名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:09:27 0
綺麗に磨き上げられた木製のテーブルの上で、携帯電話がメールの着信を告げる。
昼下がりの喫茶店。窓際の席には暖かな光が射しこんでいる。
数度短く震えた携帯を手に取り、片手で画面を開く。液晶に表示された、
ここに来るはずの待ち合わせ相手の名前。嫌な予感がしてメールを開けば、
案の定、あいつにしては申し訳なさそうな表現で急用が入って今日は会えない、って
書いてあった。古い馴染みの友人は、多分故意ではないんだろうけど、こうやってよく
俺を振り回す。3ピースバンドでギターボーカルをやりたいからお前はベースに変われ、とか。
氷の溶けかけたカフェオレを飲み干して、席を立った。振り回されるのには慣れっこで
もう腹も立たない。昔はいろいろ喧嘩したり泣かされたりもしたけど、今はもう
バンドも違うし。
店を出た俺の脚は少しだけ躊躇った後、事務所がある方角に向かって歩き始める。
とりあえず今日の予定は白紙になって、だけどやりたいことも特にない。
事務所に行けば知り合いがいるかもしれないし、誰もいなくてもたっぷりと溜め込まれた
古い音楽雑誌やレコードなんかを眺めてれば楽しく時間を潰せるから。
天気がいいから、歩きたい気分だった。30分もしないうちに俺は目的地に辿り着く。
ビルに入ってすぐ右手に、メンバーやスタッフが軽い打ち合わせだとか雑談に使う
小部屋がある。半ば倉庫扱いされてる雑然としたその部屋が、俺は好きだった。
古い雑誌と煙草と埃の匂いが、なんとなく落ち着く。
一応軽くノックをして、スチール製のドアを開けた。錆びた蝶番が控え目に軋む。
ふわり、うす青い煙草の煙が鼻先を掠めた。ドアノブを握ったまま、思わず俺は立ち竦む。
人がいる確率は半々かな、って思ってたけど、革張りのソファに腰掛けたその人は
予想もしない人物で、一瞬思考が止まった。
137名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:09:57 0
無造作に投げ出された細くて長い脚。煙草の茶色いフィルターを挟む骨張った指。
俯いた顔は伸びた前髪の影になってよく見えない。
前に会ったときは、ステージと客席っていう距離があった。
そのときと変わらず、その人のまわりだけ夜になったような黒尽くめの服装で、
アベさんは今、俺の目の前に存在してた。
ドアを開けてしまった以上、ここで引き返すのは失礼だよな。
そう考えるだけの余裕はあった。そっと部屋に脚を踏み入れて、静かにドアを閉める。
アベさんは俺の方を振り向きさえしない。おんなじ部屋にいるのに、まるで違う空間に
存在してるみたいな、不思議な感覚があった。
何か、声を、かけるべきだろうか。
戸惑いながら足音をなるべく殺して近づけば、ようやく長い前髪に隠された顔が見える。
一瞬、眠っているのかと、思う。伏せられた顔、閉ざされた瞼。薄く開かれた唇は
呼吸さえしていないような感じで、よくできた置物みたいだった。
「・・・アベさん?」
大きな声を出すのが躊躇われて、囁くくらいの声量で名前を呼んでみる。
反応は、ない。やっぱり寝てるのか。思って視線をずらせば、かたちのいい指の間、
火のついたままの煙草が今にも皮膚を焦がしそうなところまで燃えてしまってるのが
見えた。起こすのは怖いけど、このまま放っておくわけにもいかない。
「あの、煙草、危ないですよ」
恐るおそる手を伸ばして、ソファの肘掛から飛び出して宙に浮いている
アベさんの手に触れた、瞬間、煙草がぽとりと床に、落ちる。滑らかな肌の冷たさに
気をとられて動きを止めた俺の手を、肉の薄い指が痛いくらいきつく、掴んだ。
火を消さなきゃ。うまく回らない頭にそれだけが浮かんで、だけど俺が吸殻を拾い上げる
前に、黒いブーツの靴先がほとんどフィルターだけになった煙草を踏み潰した。
138名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:10:29 0
おずおずと目を上げると、特徴的に吊りあがったアベさんの目と真っ直ぐに視線がぶつかる。
蛇に睨まれた蛙ってのは、まさにこういう気分なんだろうな。中途半端な姿勢のまま
凍りついたように動けなくなった俺は思う。古い金属のように鈍く光を反射する
アベさんの目は白目と黒目の境界がやけにくっきりとしていて、それだけで妙に
底冷えた迫力があった。あれ、この人の顔、なんかに似てる。不意にそう思って記憶を探った。
頭に浮かんだのはテレビの画面。今のバンドに加入する前、自分の方向性に迷って腐ってた頃。
部屋で独りベースを弄りながらふと見上げたブラウン管は、白い世界を映していた。
ボリュームは絞ってたから、音は聴こえなかった。ぼんやり眺めてた画面はゆっくり一点に
ズームする。白の中にぽつんと落ちた灰色の点。それが次第に大きくなって、
一匹の獣の姿になる。吹きすさぶ雪の中を歩く、痩せこけた狼。首はうなだれ、
足取りはおぼつかない。群れから、はぐれてしまったんだろうか。過酷すぎる環境で、
狼が迎える未来は俺の目にも明らかだった。一際強い風が吹いて、雪原を踏みしめていた
足が止まる。横殴りに吹き付ける風が地吹雪を撒き散らす。可哀想にな。思った瞬間だった。
狼がぐっと首を擡げ、カメラの方を見た。雪にまみれた顔の中で、らんらんと光る
金色の目。諦めも悲壮さもなく、ただ生きることだけを考えている。
吊りあがったその目に射すくめられたようになって、だけど次の瞬間映像はカリブーの群れに
変わってしまった。狼の末路を見届ける間もなく。
アベさんの顔は、あのときの狼に、よく似ている。
「あ、すいません、起こしちゃって」
しばらくの沈黙の後、渇いた喉から飛び出したのはちょっと的外れな謝罪だった。
「や、ぼーっとしてた、ありがと」
俺のたじろぎっぷりが面白かったのか、ふっと笑ってアベさんが言う。硬くて抑揚の薄い声。
長い指は俺の手を掴んだまんまだ。振り払うわけにもいかず視線を彷徨わせていると、
ほんの僅か、指の力が緩むのを感じた。
「お前の手、チバに似てるね」
139名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:10:59 0
アベさんの声が空気を揺らす。
「・・・え?」
「あれ、お前、チバんとこのベースだよな?」
どう反応していいかわからず眉を寄せる俺にかまわず、アベさんの指が俺の手の輪郭を
丁寧に辿る。長年ギターの弦を押さえてたせいでざらざらと硬くなった指先の皮膚。
確かめるように俺の指を撫で上げるその感触に、背中の下のほうがぞくぞくした。
確かに、チバさんとは体型がほとんど同じだから、手の感じも似てるのかもしれない、
比較したことはないけど。でも、なんていうか、こういう初対面に近い状況で、手を
繋ぎながら、指摘されるべきポイントでは、ないよな?
変わった人だってのは噂で知ってたけど、この人のペースに合わせるのってもしかすると
滅茶苦茶大変なんじゃないだろうか。さすが変人同士、チバさんと仲がいいはずだ。
「今日は」
居心地の悪さに耐え切れず、なんとか俺は口を開く。
「ん?」
「今日は、どうしたんですか?」
今まで、事務所でアベさんを見かけたことはなかった。打ち上げや宴会の席にも
顔を見せない。そのアベさんがどうして今日に限って事務所にいるのか。俺の疑問を察して、
アベさんの目がテーブルの上を指す。そこには無造作に置かれたレコード屋の紙袋。
「チバがね、俺が欲しがってたレコード、見つけたから取りに来いって」
今日はメンバーの活動は全てオフなはずだ。ということは、チバさんも事務所に来てるのか。
ソファの傍らに置かれたスタンド型の灰皿を見ると、アベさんのマルボロに混じってまだ新しい
ラッキーストライクの吸殻が数本、積み上がっていた。
「結構会ってるんですね」
「会ってはないよ」
間髪を入れず返された言葉に思わずアベさんの顔を見返した。アベさんは相変わらず
俺の手に視線を落としたまま、感情の読めない恬淡とした口調で続ける。
「ここに置いとくから持ってけってだけ」
140名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:11:31 0
不意に、さっき俺の手を掴んだアベさんの指の強さを、思い出す。まるで必死に
縋りつくみたいな、加減を忘れた力。そして、俺の指を撫でながら、アベさんが言った言葉。
俺の指は、チバさんの指に似てる。
待ってたんじゃないですか、と言いかけて、やめた。そんな下世話なこと、口にできる
はずがない。離れてしまった元メンバーに対する想い、っていうのは、他人がどうこう口出し
できるものじゃないって、俺はよく知っているから。
「アベさん、今から暇ですか?」
唐突に問いかけた俺の顔をちらっと見上げて、アベさんが首を傾げる。
「何で?」
「暇だったら、どっか行きませんか、飯とか・・・」
自分でも妙なことを言っていると思う。俺とアベさんは今日が初対面で、同じ事務所に
所属してる、ってくらいの繋がりしかない。もともと人懐こい方ではないから、たいして
親しくもない相手を遊びに誘うのはありえないことだった。だけど、俺はどうしても
アベさんを一人にしたくなかった。会えないまま立ち去ってしまったチバさんをこの部屋で
じっと待っていたんだろうこの人を、このまま放っておきたくなかった。ちょうど俺自身
約束していた相手にドタキャンをくらったばかりだからかもしれない。
俺を見上げたアベさんの目がすっと細まる。機嫌を損ねてしまったんだろうか。
不躾な誘いを喜ぶタイプには見えなかったから、少し心配になる。
謝ろうと口を開いた途端、アベさんが唇の端を吊り上げるようにして笑った。
「時間、あるの?」
「あ、はい、ちょっと予定が空いちゃって」
そう、と短く呟いて、僅かに伏せられた目が思案気に数度瞬きを繰り返す。
するりと俺の指を掴んでいた手が離されて、遠ざかる冷えた体温になぜか一瞬
訳のわからない寂しさを覚えた。かさかさしたアベさんの指は、決して触り心地のいいもの
ではなかったのに。狭い部屋に沈黙が落ちる。俺は決して口数が多いほうじゃない。
黙ってろと言われればいつまでだって口を開かずにいられるタイプだ。アベさんも、多分俺と
同じタイプなんだろう。沈黙はごく自然で嫌な感じのものではなかった。だけど、一回り以上も
年上の、しかも尊敬するギタリストと同じ部屋でこうして黙ったまま向き合ってるのは、精神的に
あまりよろしくない。
141名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:12:02 0
「迷惑だったら、すみません」
俯いたまま上目遣いに反応を窺う俺の顔を見て、アベさんが、ふっと笑う。
「何ですか」
「何かお前、怒ってるみたいな顔してるね」
すうっと伸びてきた長い指が唇の端に触れる。むくれた表情をしてると言われることは多い。
唇がへの字になって、しかも前髪で目がほとんど隠れてしまってるから。
「怒ってないですよ、全然」
「うん、わかってる」
ぐい、と唇の端を指先で吊り上げられた。他の奴にやられたらちょっと腹が立つような不躾な
行為だったけど、アベさんの手つきがあんまりにも自然で悪気のある感じじゃなかったから、
怒る気にもなれない。俺の顔を無理矢理笑わせた手が頬を這い上がって、重く垂らした
前髪をかきあげる。開けた視界に思わず目を細めた。真っ直ぐ目を見られるのは、得意じゃない。
なんだか素っ裸で相手と向き合ってるような気分になるから。
そういえばチバさんも随分と前髪を伸ばしてたことがあったな、って不意に思い出した。
どことなく不思議そうな表情で俺の顔を眺め回すアベさんは、チバさんにもこうしてじゃれついたり
してたんだろうか。
「じゃあ、すこしつきあってよ」
するりと俺の前髪から手を離し、流れるような動きで立ち上がったアベさんは想像以上に背が高くて、
一瞬ぽかんと口を開けて見上げてしまう。そんな俺の反応が面白いのか、アベさんがまた笑った。
意外とよく笑う人なんだな、って思った。ステージ上での攻撃的な表情や雑誌とかの
詰まらなそうな無表情しか俺は知らなかったから。

促されるまま事務所を出て、人気のない路地を選んで歩く。
確かにこの身長では繁華街では目立って仕方ないだろう。
どこに連れて行かれても文句は言わないつもりだったけど、酒が飲めなくても時間は
潰せるしって思ってたけど、アベさんが足を止めたのは思いもよらない場所だった。
ごてごてした下品な外装と、駐車場の入り口に下がった目隠しのためのビニールのカーテン。
それはどう見ても、ラブホテル、だった。
142名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:12:33 0
「・・・アベさん?」
「何」
戸惑う俺を尻目に、アベさんは慣れた足取りでホテルのドアを潜る。
「アベさん、ちょっと待ってください、アベさん!」
慌てて、腕を引こうとして、失敗した。なんか縋るみたいな格好になるのが躊躇われて、
こういう場所で男同士で痴話喧嘩とか、マジで笑えない。仕方なしにドアを潜って
適当に部屋を選んだアベさんの後を追って部屋に入った。装飾の少ない部屋は
あんまりラブホテルっぽくなくてちょっとだけ安心した。
「・・・何する気ですか」
部屋の扉を閉めて、ようやく俺は口を開く。振り返ったアベさんがにやりと口元を歪めた。
「お前、ラブホでゲームとかカラオケするタイプなの?」
つまりは、そういうことなんだろう。どういう反応をするべきか迷っているうちに、アベさんがさっさと
黒いシャツを脱ぎ捨てた。シャツの下には何も着ていなくて、浮き上がった肋骨と肩甲骨が
白い肌にうっすらと影を落としている。
「寝っ転がってるだけでいいよ、俺が全部やるから」
そういう問題じゃないだろうと、思う。だって、俺もアベさんも男だよ?そういう性癖に
偏見があるタイプじゃないし、ホモだろうとなんだろうとアベさんがかっこいいギタリストだって
ことに変わりはないんだけど、自分がそこに踏み込めるかといえば答えはノーだ。
「待ってくださいよ、俺、そういうのはちょっと・・・」
「男とはできない?やったことあるの?」
入り口に立ち尽くしたままの俺に、ゆったりとした足取りで歩み寄りながら、アベさんが言う。
「いや、ないですけど」
「なら、やってみないとわかんねえじゃん」
指の長い大きな手が、俺の腕を掴んだ。細く吊りあがった目がじっと俺を見下ろしている。
口調こそ強引だったけど、その目つきは鋭さとは裏腹に妙に頼りなくて、どこか怯えてるようにも
見えた。うっかり拒絶の言葉を飲み込んでしまうくらいに。腕を這い上がったアベさんの手が
肩の輪郭を辿り、首筋を掠めてシャツの襟元に降りる。ボタンを一つずつ外していく細い指先。
143名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:13:04 0
このままだと、俺はアベさんとする、ことになってしまう。わかってたけど、アベさんの手をはねつける
ことができない。肩からシャツが落とされる。中に着ていたTシャツをたくし上げ、さらけ出された
胸に、屈み込んだアベさんが唇を落とした。冷たく乾いた唇が、肌に触れる。不思議と、気持ち
悪さは感じなかった。生々しさに欠けた淡白なアベさんの雰囲気のせいかもしれない。
こうして触れ合ってても、なんとなく実感が希薄で性行為特有の生臭さがない。胸の突起を
生温かい舌が舐める。小さな音を立てて吸い上げられて唇の隙間から息が漏れた。
ちらりと俺の顔を見上げて、アベさんが体を起こし俺の腕を引く。
「・・・俺で、いいんですか?」
口から出たのは自分でも予想してなかった問いかけだった。虚をつかれたようにアベさんが
微かに息を呑む。そのときには、もうわかってた。アベさんは、これが始めてってわけじゃない。
男同士でのセックスに、慣れてる。相手が誰か、想像するのは難しくなかった。淫靡なアベさんの
行為に生々しさがないのは、多分相手が俺だからだ。正直、腹が立った。俺の気持ちは勿論、
自分の気持ちさえ棚に上げて、遊びみたいなセックスをしかけるアベさんはひどい人だと思った。
俺のことなんてなんとも思ってないくせに。だけど、アベさんが俺に誰の姿を重ねてるか、それを考えると
アベさんの手を拒絶して部屋を出る気にはなれなかった。俺が部屋を出た後で、独り残された
この人がどんな顔をするか、想像ができたから。
「お前が、いいよ」
目を逸らしたアベさんが、乾いた声で言った。薄っぺらな言葉に怒りは感じなかった。

ベッドの上に押し倒され、Tシャツを引き上げられる。見上げたアベさんの顔に表情はない。
小さな頭がゆっくりと下りてきて、湿った舌先がさっきと同じように胸をねぶる。長い前髪が肌を
掠めてくすぐったかったから、手を伸ばして柔らかな髪を梳き上げた。ひんやりとした髪は素直に
指の間を滑る。全部自分がやる、という言葉は本気だったらしい。腹を滑り降りたアベさんの手が
ベルトのバックルに指をかけた。微かな金属音に、困惑の裏側で興奮が膨らむ。不安がないと言ったら
嘘になる。男とするなんて今まで想像したこともなかったし。だいたい、勃つかどうかもわからない。
やってみないとわからない、ってアベさんの言う通りだ。セックスってのは理屈じゃないから。
144名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:13:35 0
ひんやりした指先が下着の中にもぐりこんでくる。ジーンズを押し下げるようにして握りこまれ、
思わず体が竦んだ。
アベさんは上手かった。男同士だってのもあるんだろう、感じるポイントを外さず、しなやかな指が
陰茎に絡む。懸念はあっさり杞憂に終わり、アベさんの愛撫に俺の体は素直に反応した。
普段ぼーっとしてるせいか若いわりに肝が据わってるってよく言われるんだけど、そういう鈍感さが
良かったのかもしれない。勃ち上がった性器を何度か擦り上げて、アベさんが体を起こし、
俺の下半身からブーツごと衣服を抜き取った。そのまま自分も服を脱ぎ捨てて、もう一度
俺の上に屈みこむ。言葉はなかった。静かな部屋に微かな息遣いだけが響く。
慣れた手つきのせいか、違和感はあんまりなかった。されてることは、女の子とするときと変わらない。
だけど、ぬめった舌先が胸から腹へ滑り降りるのを感じて、慌てて俺は身を起こした。
「アベさん、ちょっと待っ・・・」
言い切る前に、温かい唇が先端を包み込む。垂れた前髪の隙間から、目を閉じたアベさんの
顔が見えた。俺の性器を口に含んだ、アベさんの顔が。閉ざされた薄い瞼と、細い鼻筋。
濡れた唇がやけに赤い。こみ上げてきた欲望を咄嗟に噛み殺した。口の中の粘膜で
幹を締め付けたかと思えば、唇で挟み込むように擦り上げて口を離し、突き出した舌先で裏筋を
舐め上げる。微かに早くなったアベさんの呼吸が濡れた陰茎を掠めて、頭の中がくらくらした。
性別だとか、感情だとか、そういうのがどうでもよくなる。目の前の快感に溺れてしまう。
細いアベさんの指が伝い落ちた唾液を掬い取り、膝をついた自分の脚の間に滑り込ませるのが
わかった。何をしてるのか、思い当たって体がじわりと熱くなる。
「・・・んっ」
俺の性器を咥え込んだまま、アベさんが呻く。口の動きが鈍くなって、だけど逆に俺の情欲は膨らむ
一方だった。男同士で、しかも俺はあの人の代わりでしかないのに。アベさんと俺の間には何の
感情もありはしないのに。舌を遣うのが苦しくなったのか、陰茎から口を離したアベさんが大きく喘いだ。
うっすらと頬に血の色を浮かべて、こんなときでも鋭さを失わない目が俺を見下ろす。
目が合った瞬間胸が詰まって呼吸を忘れた。狼に似たその目が悲しそうに見えたのは、俺の気のせい
だったかもしれないけど。
145名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:14:07 0
陰茎をひとしきり口で嬲り、ゆっくりと体を起こしたアベさんが、俺の腰に跨るように脚を開く。
引き返すなら今が最後のチャンスだ。だけど、俺の喉は言葉を発しない。体が自分のものじゃないような
感じがした。先端に、アベさんの体温が触れる。きゅっと眉を寄せたアベさんが固く目を閉じて唇を噛む。
続いてやってきた圧迫感にベッドについた手が震えた。体の下でぎしり重くベッドが軋む。
じわじわと包み込まれる感覚にどうしようもなく頭が熱くなる。何度か細く息を吐きながら腰を落としていく
アベさんの、汗ばんだ頬に貼りついた黒髪を、手を伸ばしてかきあげた。
「あ、アベさん・・・」
情欲で掠れた声で名前を呼べば、うっすら開いた目がぶれかけた焦点を引き止めるようにして俺を見る。
どこか思いつめた色を滲ませたその目が綺麗で、暴れ出しそうになる熱を必死で押さえつける。
ステージの上ではあんなにかっこいい人が、欲に溺れた顔をするっていうのはそれだけで堪らなく淫靡だった。
もっと乱れて欲しくなる。らんらんと光る目を快感で潤ませて、限界まで追い立ててやりたくなる。
たとえ、その目で見ているものが、俺じゃないとしても。
全てを飲み込んで、細い身体が強張りを解すように緩く腰を捻った。絞り上げるように収縮する
内側の粘膜が、勃ち上がりきった俺の性器に絡み付いて腰の奥に快感が溜まる。長い指が焦れた
仕草で俺のTシャツの裾を引く。促されるままシャツを脱ぎ捨てた途端、アベさんがぴたりと動きを止めた。
感情の見えない真っ黒い目が、じっと俺の胸元を見つめている。視線を追って、気がついた。
首から下げた、ペンダント。あの人とお揃いの。
一瞬、アベさんの顔がぎゅっと歪んだ。泣き出すんじゃないかと思うくらい、苦しげに。
すぐにその表情は凍えたような無表情にかき消されてしまったけど。
何かを振り切るように頭を振って、アベさんがまた、腰を遣い始める。快感が膨らんでいくのに比例して、
胸の中に空しさが生まれた。この人は、どうしようもなく、あの人のことが好きなんだ。俺にあの人を重ねて
体を繋げようとするくらい。暗い熱を伴ったそれは、嫉妬に近かったかもしれない。アベさんにそこまで
想われてるあの人に対して、あるいは、あの人にそこまで惚れこめるアベさんに対して。アベさんの行為は、
誰かを想う方法としては間違っている。だけど、そうせずにはいられないくらい、この人は辛いんだろう。
寂しくて、仕方ないんだろう。アベさんが快感を貪りながら背中を曲げて、俺の胸元に顔を寄せた。
浮き彫りにされた銀色のマリアにそっと唇を押し当てる。
祈るように。
146名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:14:37 0
手を伸ばして薄い肩を抱え込み、痩せた体を捻じ伏せるようにして強引に体を入れ替えた。
驚いたように見開かれた目が、内側を突き上げる衝撃に切なげに歪んだ。骨の浮いた腰を掴み
欲望の命じるまま深く粘膜を穿つ。ひくひくと痙攣しながら絡み付いてくる内壁を引き剥がすように
腰を引いては打ち付ける。
「う、ぁああ、あッ・・・!」
昂ぶった声でアベさんが悲鳴を上げた。長い腕が俺の体を引き寄せるように縋りついてくる。
両膝の裏に手をかけて大きく開かれた脚の間に体を沈め、快感に溺れることで俺は悔しさを振り払った。
こんなことしたって、アベさんやあの人には近づけないんだっていう現実から目を逸らした。
「ん、んん、ぁっ」
甘く濡れたアベさんの声。反らされた細い喉に歯を立てて噛み付いた。皮膚を押し上げる華奢な筋を
噛み潰すように。あの人とアベさんの繋がりを、食い千切るみたく。ねだるように腰を擦り付けてアベさんが喘ぐ。
背中に回った大きな手が俺の背中に爪を立てる。肉のない腹を撫で下ろし、細い脚の間で
勃ち上がり震える屹立を握り締めた。胸を波打たせたアベさんの高い声が温い空気をかき混ぜる。
幹を扱きながら腰を動かせば、穴の中がぐっと狭まって、目の眩むような快感に喉が鳴った。
心はこんなに離れてるのに、繋がり合った体に意識を丸ごと持ってかれる。
閉じられたアベさんの瞼が震えて、瞬間俺の性器を食い千切らんばかりに収縮した穴の中へ
吸い込まれるように欲望を吐き出した。ほぼ同時にアベさんの陰茎が手の中で震えて
濁った体液が白い腹に飛び散るのが見えた。

シャワーを浴びて身づくろいを追え、浴室を出る。ベッドに寝転がったまま煙草をふかしていたアベさんが
ちらりと横目に俺を見た。セックスのときの色っぽさは欠片も残ってない、相変わらず鋭いままのその視線。
「・・・何ですか?」
何も言わずにじっと俺を見つめるアベさんの目に、居心地の悪さを感じて口を開けば、ベッドサイドの
灰皿で煙草を揉み消した指が犬でも呼ぶように俺を手招いた。素直にベッドの傍に歩み寄れば、
ぎょっとするほど細い指先にするりと手を掴まれる。
147名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:15:07 0
「怒ってんの?」
上目遣いに俺を見上げるアベさんは、本当にひどい人だ。
「怒ってないですよ」
事務所で会ったときと同じように、アベさんの指が俺の手の感触を確かめるように這い回る。
この人の目に、俺はどう映ってんだろう。どうやったってあの人にはなれない俺を、どう思ってるんだろう。
「俺、帰りますけど、アベさんどうするんですか?」
「あー、ちょっと寝てくわ」
ヤったらもう用はないって態度を取ってくれたら、俺だってなんでもない顔で部屋を出ることができたのに。
細い指を握り返して、体を屈めた。掠めるように触れた唇は、想像してたよりもずっと柔らかかった。

「なあ」
ドアノブを捻った俺を、アベさんの声が呼び止める。振り返れば眠たげに目を細めたアベさんが
微かに口元を歪める。続けて吐き出された言葉に怒るより何より呆れて笑いそうになった。
「お前、名前なんてーの?」
ああ、なんていうか、この人らしいや。
「ヒライです。ヒライハルキ」
ヒライハルキ、と呟くように繰り返した薄い唇で、ありがとな、って短く言葉を放ち、アベさんはごろりと
体を反転させて俺に背を向けた。俺がアベさんの気持ちをわかってたように、アベさんも、
わかってたんだろう。同情と嫉妬を擦り付けあうような傲慢なセックス。寂しくてたまらなかったアベさんと、
暇を持て余してた俺。出会ったのは偶然で、もう二度と触れ合うことはないと思ってた俺の予想は、
その数日後、携帯を震わせた着信に裏切られることになる。
148名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:15:41 0


もういっちょ
長くて本気で申し訳ない

149名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:16:13 0
愛嬌のない大きな猫でも拾ったつもりだった。
住むところがない、とどこか他人事みたいな口調で言ったアベ君を簡単に部屋に上げたのは、
酔った勢いもあったかもしれない。痩せすぎの体とちょっと浮世離れした雰囲気は、目を離すと
どこかにふらりと消えてしまいそうで、不安だったってのもある。ようやく見つけたバンドにぴったりの
ギタリスト。うっかり見失ってしまったらまたチバが鬱るし。
初めて会った日、居酒屋からの帰り道、アベ君はほとんど口を開かなかった。喋るのがあまり得意じゃ
ないんだろう。黒尽くめの体は夜の闇によく馴染んでいた。俺よりも少しだけ背が高い。眦の切れ上がった
目とすっきり通った鼻筋は癖は強いけど十分男前と言っていいつくりで、女の子にもてそうだなと思う。
チバには自分から泊めてくれと言ったくせに、うちに来ればいいと提案した俺に、アベ君は幾らか
戸惑ってるみたいだった。他人の感情に無頓着なようでいて、意外と用心深い性格なんだろうか。
人付き合いが苦手そうだから、選り好みは激しいものの気に入った奴相手だと無条件に無防備に
なるチバと比べて、誰にでもそれなりに愛想よくできる性質の俺は、タイプが違いすぎて付き合い
辛いのもしれない。今日会ったばっかだしな。街灯の下を過ぎるたび長く伸びる二つ並んだ影を
眺めながら思う。無理に会話しようとは思わなかった。バンドが続けば、お互い嫌でも慣れていく。
チバやキュウも人懐こい性格じゃないから打ち解けるまで結構時間がかかったけど、今ではもう
半分家族みたいなもんだ。そういう気のおけない関係に、アベ君ともなれるだろうと、そのときの
俺は呑気に考えていた。
150名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:16:43 0
マンションに着いて部屋に上がってからも、アベ君は硬い表情を崩さなかった。赤らんだ目元に
酔いの気配は残っているものの、それ以上に緊張の色が濃い。布団を用意してる間も、
警戒心を多分に孕んだ目付きで散らかった部屋を眺めている。相変わらず、口数は少ない。
背の高さと黒で統一された服装はそれだけでやたらと迫力があるのに、その上このぴりぴりし
た表情では、完全に堅気の人間に見えない。もうちょっと寛いでくれてもいいのにな、と思う。
警戒ってのはするほうもされるほうも疲れるもんだ。それから、こういう人馴れない人が今まで
どうやって暮らしてきたのか不思議になった。知り合いの部屋を転々としてきたって言ってたけど、
こういう性格じゃ他人が同じ部屋にいると十分休めないんじゃないか。
こっそり懸念を抱きながら布団を敷き終えて、クロゼットから新しい下着とTシャツを探し出し、
ソファの傍らに立ったままのアベ君に渡す。
「シャワー浴びてきなよ、汗かいたでしょ」
妙に緊張した空気を無視してわざと軽い口調で言えば、虚を突かれたような顔でアベ君が
薄い唇を噛み締めた。自分が世話焼きだって自覚はある。鬱陶しがられるかな、って一瞬思ったけど、
アベ君は黙ったまま着替えを受け取ってバスルームに向かった。黒いシャツの背中がドアの向こうに
消えるのを見送って、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り一気に半分ほど空ける。
こう警戒されると、こっちまでつられて緊張してしまう。どんな奴とでも結構すぐに打ち解けられるのが
自慢だったけど、なんだかアベ君にはペースを崩されてばかりだ。
ドアを隔てたバスルームから微かにシャワーの水音が響いてくる。
「あー、どうすっかな」
呟いて、軽く頭をかき回しながら天井を見上げた。今日は部屋に泊めるとして、アベ君は明日から
どうするつもりなんだろう。住むとこがない、ってことは、帰る場所がない、ってことだ。そこまで
俺が気にしてやる必要があるのかとも思うけど、ギターさえ弾いてくれればあとは知らないよ、
っていうのは同じバンドのメンバーとしていくらなんでも薄情すぎるだろ?
151名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:17:14 0
とうに成人した、しかも年上の男なんだけど、生活感のないアベ君の空気はやけに俺を
不安にさせる。生活が苦しくてバンドを諦めた奴を今まで何人も見てきたからかもしれない。
ようやくバンドの懸念が去ったと思えば、今度はそのギタリストのお陰で悩むことになるとはね。
内心自嘲して、ボトルをテーブルに置き、ソファに深く腰掛けた。ポケットから煙草の箱を引っ張り出し、
一本咥えて火をつける。とりあえず、バイトが見つかるまでうちに泊めてやるか。でも、バイト見つかっても
部屋借りれる金が貯まるまで結構かかるよな。第一、バンド仲間っつっても今日が初対面で、
そんな奴のうちで長く過ごすのはアベ君もしんどいんじゃないか?
結論が出る前に、シャワーの音が止まり、しばらくしてリビングのドアが押し開かれる。
振り返ると、濡れた髪から雫を滴らせたアベ君がじっと俺を見つめていた。真っ黒い目からは、
何を考えてるのか伺い知ることはできない。だけど、毛を逆立てた猫のような刺々した緊張感は
容易く肌で感じられた。うん、こりゃ無理だな、と俺は脳内で弄んでた選択肢を引っ込める。
こんなんじゃ一緒に暮らしてくとか、絶対無理だ。つーか、まずアベ君が俺との同居を望まないだろう。
俺の何がそんなに警戒を煽るのかさっぱり見当がつかないけど。
アベ君の緊張には気付かないふりで、他愛もない会話を口にして、自分もシャワーを浴びるために
ソファから立ち上がった。
「好きなもん飲んでてよ、先に寝てもいいし」
バスルームのドアを開けながら冷蔵庫を指して言うと、少しだけ緊張を緩めた様子のアベ君が
微かに笑って頷く。スタジオや居酒屋で見せてた、ちょっと斜に構えた笑顔とは違う。
薄い唇の端がきゅっと上がって、はにかんだようにちょっと俯いた顔は意外なくらい子供っぽい。
初めて見たその表情に言葉を見失って、沈黙を誤魔化すようにドアを閉めかけた俺を、
アベ君が呼び止めた。
「ウエノ」
「何?」
「ウエノ、ありがとうな」
びっくりするくらい柔らかい声だった。黒い目は伏せられたままで俺の顔を見てはいなかったけど、
その声の調子だけで十分、アベ君の気持ちは伝わって来る。ああ、この人は他人との距離感を
掴むのが本当に下手糞なんだな。そして、どうしようもなく、追い詰められてる。
他人と過ごすのが苦手なくせに、初対面の相手に泊めてくれと頼まずにはいられないくらい。
152名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:17:46 0
「気にすんなよ、仲間じゃん」
口から出た言葉は、気休めでもなんでもなく、俺の本心だった。もっと気抜いて楽にしろよ、
同じバンドのメンバーなんだから。これから一緒にやってこうってんだから。ほんの僅か近づいた距離を
もう一度遠ざけられる前にドアを閉めた。
わざと時間をかけてシャワーを浴びた。俺が傍にいると落ち着かないだろうアベ君を少しでも長く
独りにしてあげるために。なんで年上の男相手にこんな気を遣わねえといけないんだって
思わないでもなかったけど、不思議と面倒には感じなかった。
いつもより熱めのお湯で洗剤を洗い落としバスルームを出る。視線を巡らしてアベ君の細長い姿を
探した俺は、ソファの背凭れから飛び出した頭が頼りなく傾いてるのを見て、開きかけた口を
閉じた。足音を殺して静かに正面に回りこむ。長い脚を持て余すように投げ出して、アベ君は
眠っていた。閉ざされた瞼の意外と密な睫が肉のない頬に薄青い影を落としている。
布団敷いてあるのに、なんでソファで寝ちゃうかな。呆れて揺り起こそうと伸ばした手は、睫の影の下
うっすら滲んだ隈に気が付いて止まった。起きてるときにはあまり感じなかったけど、アベ君はこうして
見るとひどく疲れた顔をしていた。肉を削ぎ落としたような痩せ方はちょっと痛々しいくらいだし、
顔色もあまり良くない。起こしたら、可哀想か。少し迷ってから骨の浮いた背中に腕を回し、
起こさないようにそっと細い体を抱え上げた。一瞬、形のいい眉を寄せ、アベ君が微かに身じろぐ。
この状態で目覚ましたらビビるよな。どういう顔するか、見てみたい気もするけど。
悪戯心を押さえつけて動きを止めると、まだ湿ってる髪を俺の肩に擦り付けるようにして、
アベ君がまた穏やかな寝息を立て始める。腕の中の体はぎょっとするほど軽くて薄い。
ちゃんと飯食ってんのかね、この人。うっかり母親のようなことを思ってしまって苦笑した。
抱き上げた体をなるべく揺らさないように気をつけながらリビングを横切り寝室に向かう。
Tシャツの襟元、むき出しの首筋をゆっくりとしたアベくんの呼吸が規則正しく掠めていく。
頭に浮かんだのはついさっき引っ込めたはずの選択肢。朝になったら、訊いてみようか。
断られるなら別にそれでもいい。だけど、疲れきった顔で眠り込むこの人を見てると、一晩だけ泊めて
はいさようなら、と言うのは躊躇われた。
153名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:18:17 0
悪い奴じゃないってのはスタジオで音を合わせた瞬間からわかってる。居酒屋でアルコールが
入ると少しは饒舌になったものの、基本的に無口でおとなしそうだったから、煩く騒ぐこともないだろう。
部屋に他人がいるって状況には慣れている。学生の頃はしょっちゅう酔いつぶれた友達なんかを部屋に
泊めてやっていた。この歳になって同年代の男と同居を考える羽目になるとは思ってなかったけど、
バンドをやりながらの生活がどんだけ不安定なもんか、俺もよく知ってる。
布団に辿り着くまでのほんの数歩で、俺の意志は固まっていた。タオルケットを足先でめくり上げ、
アベ君の体をそっと横たえる。長い脚がちょっとはみ出してしまったけど、季節は梅雨、風邪を引く
ことはないだろう。音を立てないように立ち上がり傍らのベッドにもぐりこめば、酔っ払った頭に
睡魔はすぐやってくる。誰かの寝息を聴きながら寝るのはいつぶりだろう、と思いながら、
俺は穏やかな眠りに落ちていった。

次の日、いつも通りの時間に目を覚ました俺は、昨夜脱ぎ捨てたままになっていた自分とアベ君の
服を洗濯機に放り込み、簡単な飯を作ってから丸くなって寝ていたアベ君を揺り起こして、
一緒に食事を摂った。月末ということで懐が寂しく、冷蔵庫の中身も比例して乏しかったから
たいしたものは作ってやれなかったんだけど、テーブルに並んだ料理を、アベ君はこっちが驚くくらい
喜んで美味しそうに食べた。普段どういう食生活をしてるのか知らないが、手料理を喜んで
貰えるのは純粋に嬉しい。気のせいかもしれないけど、ぐっすり眠ったおかげか、雰囲気も
昨夜より幾らか柔らかくなってる気がした。
だけど、提案を口にするには、食事の後片付けを終えて一服するだけの時間が必要だった。
「アベ君、行くとこないならしばらくうちにおいでよ」
俺の言葉に戸惑いを隠せないアベ君の目が数度瞬く。薄く開いた唇は発しかけた声を閉じ込める
ようにきつく引き結ばれた。そりゃそうだよな、昨日会ったばかりの奴に一緒に住まないかって言われて
すぐにお世話になりますと返せる人間はそういない。普通は何か裏があるんじゃないかと疑うし、
遠慮だってするだろう。それなのに俺の提案を即座に断らないことが、いっそうアベ君の置かれた
窮状を示していた。痛みを堪えるような表情でアベ君が目を伏せる。そういう顔をされると、余計
ほっておけなくなるじゃん。無理矢理のようなかたちでスペアキーを押し付けたときは、半ば意地に
なっていた。頼ってこないなら、頼らせてやる。そういう気持ちで、アベ君の大きな手に予備の鍵を
握らせた。
154名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:18:48 0
誰かに見送られて部屋を出るのは久しぶりで、照れ臭さにつまらない軽口をたたいた俺に
ようやくアベ君は少し笑ってくれた。昨夜と同じ子供っぽい笑顔。空気がふっと柔らかくなる。
もっとそうやって笑えばいいのに、と思う。ただでさえ近づき難い外見してんだからさ。
結局最後まで確かな返事を聞けないまま部屋を出たせいか、バイト中も俺はどこか上の空だった。
まあ慣れた仕事だからミスをすることはなかったけど、長い付き合いのおかあちゃんにはばればれ
だったようで、体調が悪いのかと心配された。店を閉めて厨房の片づけを終え、深夜営業の
スーパーで食材を買って部屋に戻る。自分のうちだってのに、ドアを開けるとき妙に緊張した。
扱い辛いアベ君という人にこれからどうやって接しってったらいいんだろう、ていうか部屋にちゃんと
いるんだろうか、ふらっと消えたりしてないよな。鍵を手にしたまま一分ほど躊躇って、そんな自分に
呆れながらドアを開けた。
微かに、アンプを通してないギターの音が聴こえる。
あ、いるな、って安心する。後ろ手に鍵を閉めてリビングに向かった。途切れ途切れのフレーズは
昨日合わせたオリジナル。自分たちの曲を奏でるギターの音が嬉しくて自然と笑みが浮かんでいた。
リビングのドアを開けた途端、ソファに座っていたアベ君が首を捻って振り返る。
「おかえり」
なんか、悪くないな、って思う。まあ一緒に住むんなら可愛い女の子のが勿論いいんだけど、
疲れて帰ってきた部屋に誰かがいて、おかえりって言ってくれるってそれだけでなんか優しい
気持ちになれる。
「ただいま」
玄関のドアを開けるときに抱え込んでた不安はいつの間にかなくなっていた。
「腹減ってるでしょ、飯作るからちょっと待っててよ」
スーパーの袋を掲げて言えば、アベ君がまた、にこっと笑う。
「手伝おうか」
「いいよ、ギター弾いてなって」
「俺、料理できるよ?」
「嘘吐け」
「嘘じゃねえって」
155名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 14:19:18 0
ほら、難しいことはなんもない。扱い辛いって言ったらチバだって相当だ。いや、酔って暴れないだけ
アベ君のがまだマシかもしれない。とにかく、俺たちはこれ以上ないギタリストを見つけた。
その音が手に入るなら、人ひとり養うくらい安いもんだ。

一緒に暮らしてみると、アベ君は基本的に手の掛からない人だった。作ったものは何でも
美味しそうに食べるし、薄っぺらい安布団にも文句一つ言わない。おまけに数日の間にちゃんとバイトを
見つけてきて、前借した給料を食費だと言って俺に渡してきた。音楽以外のことには全く興味がないらしく
暇なときはギターを弾いてるかソファに寝転がってレコードを聴いているから、図体の割りに省スペースで
思ったほど邪魔にもならない。独りで暮らしていたときと変わったのは、食事を二人分作ることくらいで、
アベ君との同居は予想してたよりはるかに快適だった。
基本的に人と過ごすのが好きなこともあって、同居を選んでよかったな、ってしみじみと思う。
驚くほどの速さで俺はアベ君のいる生活に慣れ、バイトから帰ってくるアベ君を待ちながら飯を作るのが
何よりの楽しみになった。もともと料理は好きだったんだけど、自分だけのために作るのではやっぱり
張り合いがない。しかも、アベ君が本当に嬉しそうに飯を食うもんだから、こっちも無駄に張り切ってしまう。
一度冷蔵庫に常備している玉子と牛乳の賞味期限が近かったからとプリンを作ってやったときは
大きなココット型を抱え込むようにしてにこにこと食べていた。口数が少ない分、感情を素直に態度で
あらわすアベ君の反応が楽しくて、それ以来俺は週に一度プリンを作るようになった。
そうして半月が過ぎる頃にはアベ君も随分リラックスした穏やかな表情を見せるようになって安心したんだけど、
でも、何故だか時折、自分とアベ君の間にどうしようもない距離を感じることが、あった。
バイトを終えて帰ってきたある日のこと。いつものようにドアを開けると、慣れた煙草の匂いの代わりに
オリーブオイルとにんにくの香りが鼻先をくすぐった。驚いてキッチンを覗き込むと、菜箸で
フライパンをかき回しながらアベ君がおかえりと笑う。
「何?飯作ってんの?」
「うん」
「何で」
「お前さ、前に俺が料理できるっつったら嘘吐き呼ばわりしたじゃん」
156名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:20:44 0
そういえばそんなこともあったな。アベ君がキッチンに立って料理してる姿はなかなかシュールだったけど、
コンロの火を調節する手つきだとかは意外に手馴れている。俺がスーパーで買い込んで来た食材を
冷蔵庫に詰め終わるのとほぼ同時に、アベ君が火を止めてフライパンの中身を皿にあけた。
「パスタ?」
「うん、俺包丁使えないからね」
指怪我したらギター弾けんやろ、と微かに訛りの滲む口調でアベ君が言う。俺と同じ広島出身だという
のは、この半月で俺が知った数少ないアベ君のプロフィールの一つだった。
テーブルの上に載せられたパスタはシンプルなペペロンチーノ。オリーブオイルの絡まったパスタの
隙間からカリカリに焼かれたカットベーコンとマッシュルーム、にんにく、鷹の爪が覗いている。
いただきます、と手を合わせてからフォークを手に取ると、アベ君が唇の片端を上げるようにして笑った。
互いの存在に慣れていくにつれて、初めて会った日の警戒が嘘のようにアベ君はよく笑うようになった。
気難しそうな外見とは裏腹に、結構性格は柔らかい。音楽に関しては頑固で絶対に譲らない
タイプだけど、それはお互い様だ。だけどギターを弾いてないときは年上だってことをたまに忘れてしまう
くらい素直で子供っぽい顔を見せる。
いつもと逆のシチュエーションに気を取られてた俺は、パスタの異常さに気付くことができなかった。
フォークでパスタを巻き取り口に入れると、塩コショウとにんにくの香ばしい味がいっぱいに広がる。
あ、旨い、と思った次の瞬間、舌が痺れるような猛烈な辛さに堪らず俺は咳き込んだ。
フォークを口に咥えたまま、驚いたように目を丸くしてアベ君が俺を見る。
「どうした?」
「どうした、ってアベ君、これ滅茶苦茶辛いんだけど」
なんとか一口飲み込んで咳き込みながら俺が言うと、アベ君はそうかな、って顔で手元の皿を
見下ろした。よく見れば、パスタの量と比較して赤く散らばる鷹の爪の数が明らかにおかしい。
うっかりその一つを噛み砕いてしまったらしい俺はもう半分涙目だ。
パスタ自体はよくできてると思う。やや硬めの茹で加減なんかは絶妙だし、具材の臭みは
しっかり白ワインで消してある。だけど、とにかく辛い。なんでアベ君は平気な顔で食ってんだよ。
157名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:21:16 0
「鷹の爪、何本入れたのさ」
もぐもぐと口を動かしながら、アベ君がフォークを置いて両手を上げる。指を一本立てた右手と、
全部の指を開いた左手。
「6本?」
首を横に振って、口の中のものを飲み下したアベ君が無邪気な顔でにこっと笑う。
「15本」
思わず、ありえねえ、と呟いた。
「アベ君、辛くねえの?」
「俺こんくらい辛いのが好き」
悪気は全くないんだろう。実際アベ君は散らばった鷹の爪を避ける様子もなく、美味しそうに
パスタを頬張っている。味覚、ってのは不思議だね。俺の許容範囲をはるかに超えた辛さだったけど、
せっかく作ってくれたものを残すのは気が引ける。一度フォークを置いて立ち上がり、冷蔵庫から
ビールの缶を引き抜いてリビングに戻った。
「もしかして辛すぎた?」
今頃気付いたらしいアベ君が困ったように眉を寄せて俺を見上げる。
「うん、ちょっとね」
「食えないなら俺食うからいいよ?」
「や、食うよ」
ビールを飲み下し、覚悟を決めてもう一度パスタに手をつける。鷹の爪さえ避ければ
なんとか食えないことはないだろう。見つけた鷹の爪は片っ端からアベ君の皿に移してやった。
密度のおかしい赤色を気にした様子もなくパスタを口に運ぶアベ君は、信じられないくらい
幅広い味覚を持ってるらしい。
皿が空になる頃には俺の舌はほとんど痺れてビールの味はわからなくなっていた。
「すっげー汗かいてる」
俺の顔を見て笑いながら、アベ君が長い腕を伸ばす。汗の垂れた頬に触れた細い指は
ひんやりと冷たくて気持ちがいい。
158名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:21:46 0
「無理して食わなくてもいいのに」
「次作るときは鷹の爪2本にして」
「少なくねえ?」
「普通だって。今まで辛すぎるって言われなかった?」
言った途端、アベ君が一瞬表情を失って、さっと手を引っ込めた。
「あー、人に作ってやること、なかったから」
打ち解けた空気が、いつの間にかひんやりと強張ったものに変わっていた。アベ君は、自分のことを
話したがらない。それは、なんとなく勘付いていた。寡黙だけど話しかければちゃんと返事は
するし、気分が乗ればくだらない軽口だってたたくのに、話題が自分のことに近づくと、途端にアベ君の
口は重くなる。
「甘いもの好きなのに、辛いのもいけるって変な人だねえ」
うっかり地雷原に向かいかけた会話を、さり気なく軌道修正する。気にならなかったわけじゃない。
一週間も一緒に暮らしてるのに、俺がアベ君について知ってることは驚くほど少ない。
知りたかった。今までどうやって生活してきたんだろう、どんな奴と暮らしてきたんだろう。
一緒に過ごした時間が長くなるにつれて、俺はアベ君のことが好きになっていた。
飄々とした人馴れない雰囲気を持ってるくせに、不意打ちのように無邪気な表情を見せる
この人のことが気になって仕方なかった。でも、聞いたところできっと話してはくれないんだろうと
思う。初めて会った日の夜みたく、ひりひりした緊張感を纏って唇を引き結ぶ顔が容易く
想像できたから、聞けなかった。
アベ君は本当に猫みたいな人だった。近づいたかな、と思った途端、またするりと遠ざかっていく。
まあ、いい歳した男二人、和気藹々と同居するってのもなかなか寒いシチュエーションだから、
このくらいの距離感が一番ちょうどいいのかもしれない。
そういう靴底に挟まった石のような微妙な引っ掛かりを抱えながらも、俺とアベ君の生活は極めて
平和に過ぎていった。
そうして一ヶ月が過ぎた頃、俺は思いがけない形で、アベ君の過去を知ることになる。

ライブを終えた打ち上げの席。次々と運ばれてくるグラスを空にしながら、俺は顔馴染みの
スタッフとのんびり雑談を交わしていた。
159名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:22:18 0
「それがね、アベ君のパスタすっげ辛いのよ。鷹の爪何本入ってると思う?」
「5本とか?」
「15本だよ」
「うわー、マジすか?」
俺が今アベ君と暮らしてるってのは結構周りに知れ渡っていた。反応はさまざまだ。
バンドやってると生活大変だもんね、って同情されたり、女連れ込むときどうすんの、って
突っ込まれたり。チバなんかは、コウジ君ばっかり楽しそうでずるい、と唇を尖らせて、たまに
アベ君俺にも貸してよ、なんてふざけたことを口にした。あいつはアベ君のギターにベタ惚れだから
いつでも好きなときに弾いてもらえる俺が羨ましいらしい。それを聞いたアベ君は、チバの飯は
不味そうだから嫌だと言って笑っていた。俺だってもう、アベ君のいない生活は想像ができない。
気が付けば、アベ君のことを考えている。スーパーに行けばアベ君何食いたいかな、って思うし、
レコード屋に行くと、自分が欲しいものよりアベ君が好きなやつを探してしまう。
恋する女の子じゃあるまいし、何をそんなに夢中になってんのかと思わないでもなかったが、
そういう生活がすごく楽しかったんだ。バイト先のおかあちゃんには、最近随分機嫌がいいけど
彼女でもできたのかい、ってからかわれた。そのくらい、その頃の俺は浮かれて見えたらしい。
バンドも上手くいっていた。動員は着実に増え、アベ君が弾くリフから次々新曲ができていく。
アベ君との出会いを機に、バンドが、ひいては自分の人生が転がり始めたのを、俺は確かに
感じていた。前のギタリストが抜けてキュウが実家に帰ってしまったときには、もう駄目かと思った
ものだけど。
アベ君には感謝しなきゃな。そう思いながら新しいグラスに手を伸ばしたときだった。
視界の隅、テーブルを挟んだ斜め向いに座っていたアベ君の表情が、変わる。多分、長く一緒に
過ごしてきた俺くらいしか気付けないような、ほんの些細な変化だった。話しかけてくるスタッフの声に
上の空で答えながら、グラスに注がれた酒を飲み干す。その間に、アベ君は隣に座ってたチバを
あしらってさり気なく立ち上がり、座敷の戸口に向かった。最初は、チバになんか言われたのかな、
って思った。だけど、アベ君はチバに途方もなく甘いから、何を言われたって機嫌を損ねて
席を立つことはないだろうと可能性を打ち消す。障子の向こうに消えた細い背中に、
わけもなく胸のあたりがざわざわした。あー、くそ、俺はどこまで世話焼きなんだ。
160名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:22:48 0
「ウエノさん、どこ行くんすか?」
立ち上がった俺に、スタッフが怪訝な顔で首を傾げる。
「ちょっと便所」
強張ってるだろう表情を誤魔化すようにひらひらと手を振って、アベ君のあとを追った。
店の外は夜だというのにうんざりするほど暑い。冷房に慣れた肌がじっとり湿った夏の空気に
じわり汗を滲ませる。視線をめぐらせると、ちょうど細長いアベ君の背中が街灯のない細い
路地に消えるところだった。
別に、立ち聞きするつもりはなかった。暗い路地を覗き込んでアベ君の名前を呼ぼうとした
瞬間にその会話が耳に入って、声をかけるタイミングを逃しちまっただけなんだ。
始めは何の話をしてんのか、さっぱりわからなかった。わかりたくなかったのかもしれない。
押し殺された二つの声の険悪さに、助けてやらなきゃと思いながらも、俺の脚は凍りついた
ように動かなかった。下卑た男の言葉が、アベ君の過去を浮き彫りにする。
俺の頭に一つのストーリーができあがるまで、そんなに時間はかからなかった。
そうか、アベ君が触れられたくなかったのは、これだったんだな、と思った。嫌悪感はなかった。
ただ無性に悲しかった。始めて会った日の夜、痛々しいくらい疲れた顔で眠り込んだ
アベ君の顔を思い出す。アベ君は、ギターを弾くことしかできない人だ。音楽に関すること
以外には執着できない人だ。ギターを諦めることと自分の体を天秤にかけてどちらを選ぶか、
アベ君はきっと迷わなかっただろう。俺はそのとき初めて、アベ君のギターに対する愛情を恨んだ。
自分を大切にしろとか、そういう言葉は多分意味がない。アベ君にとって、自分ってのはつまり
『ギターを弾いている自分』なんだから。
「アベ君、何してんの」
わざとブーツの底を鳴らして、声をかけた。喉は震える寸前だった。暗闇に慣れ始めた視界に
倒れこんだアベ君のシルエットがぼんやりと映る。もっと早く男を止めるべきだったのに、俺は
何をしてんだろうと混乱した頭で思う。何を話したかはあんまり覚えてない。
161名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:23:19 0
俺の傍らをすり抜けて男が路地を後にする。その背中に掴みかかりそうになった自分を、必死で
押しとどめた。細く息を吐いて動揺を抑え、壁にもたれるように蹲り膝を抱えたアベ君に
歩み寄る。腕を伸ばして掴んだ肩はひんやりと冷たい。大丈夫かと問う俺の顔を
見上げ、アベ君が笑う気配がした。笑うなよ、って言いそうになって唇を噛んだ。
笑える状況じゃねえんだろ、なんでそうやって隠すんだよ、なんでなんも話してくんないんだよ。
暗闇の中、確かめるように触れた頬を伝うぬるりとした体液の感触に、寒気に似た怒りが
湧き上がる。アベ君が鳥目でよかった。俺はきっと今情けないくらいみっともない顔をしてる
だろうから。
二人肩を並べて帰り道を辿る間、俺たちは一言も喋らなかった。アベ君は傷ついた顔を
伏せたままだったし、俺は細い腕を掴んだ手が震えないように気をつけるので精一杯だった。
落ち着け、と何度も自分に言い聞かせる。俺の動揺を、アベ君に悟らせてはいけない。
知ってしまったことは、隠さなくちゃいけない。それはアベ君が必死で隠そうとしてたことだ。
俺がさっきの話を聞いてしまったと知ったら、アベ君はもう俺の前で無防備に笑ってはくれないだろう。
何より、唐突に突きつけられた事実はあまりに重すぎて容易く受け止められるものではなかった。
俺は、アベ君が好きだ。アベ君の過去を知った今も自信をもって言い切れる。それが余計俺を
混乱させた。アベ君にとって、俺がどうするのが一番いいのか、わからなくて苦しくなる。
手を離した途端、アベ君がどっかに行っちまうんじゃないかって気がして、
部屋に着くまで俺は掴んだ腕を離せなかった。

玄関のドアを開けてすぐに洗面所に向かったアベ君を見送り、俺は久しく使っていなかった
救急箱を引っ張り出す。幸い、頬と腕の擦り傷はそんなに深くなくて、手当てはすぐに
終わった。血のついた脱脂綿をゴミ箱に放り込んで立ち上がり、冷蔵庫からビールを
2本取ってリビングに戻った。ソファに座ったアベ君はどこかぼんやりした表情で自分の爪先を
じっと見つめている。ビールの片方をテーブルに置いた瞬間、アベ君が口を開いた。
「何で?」
意図の読めない問いかけに、手の中の缶を取り落としそうになる。
「ん?」
「何でなんも聞かねえの」
162名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:23:52 0
言葉を探しながら、ビールを開けた。プルタブを起こす音が静かな部屋に白々しく響く。
問い質せばいい、って思う。この状況なら、それが当然の反応だ。何も知らない顔で
あいつが誰なのか、聞けばいい。
「聞いて欲しいなら、聞くよ」
だけど、口をついて出たのは、自分でも笑ってしまいそうになるくらい、当たり障りのない言葉だった。
くっと唇を引き結んで、アベ君が俯いたままテーブルの上のビールに手を伸ばす。
堪えきれない苛立ちに、気付けば俺は手の中の缶を部屋の隅に投げつけていた。
積みあがっていたゴミの山が崩れる音が響く。
アベ君は不器用な人だ。この人にとって今までの人生はあまり生き易いものではなかった
ろうって思ってた。自分のことを話そうとしないのも、楽しいことばっかりの生活じゃなかった
からだろうって、気付いてた。だからこそ、拒絶されても聞いておくべきだったんじゃないか?
一ヶ月も一緒にいたくせに、俺はアベ君の抱え込んでるものを知ろうとしなかった。
物分りのいいふりをして、仲間じゃん、とかおためごかしの言葉を口にしながら、
俺はその仲間の苦悩をあっさりと放置した。アベ君に気を遣ってるつもりで、実際居心地の
いい距離感にしがみついてたのは俺の方だ。昔、近所の野良猫に餌をやってたチバに、
飼うつもりがないなら中途半端に甘やかすなと言ったことがある。だけど俺が
アベ君に対してとっていた態度はそれとほとんど変わらない。旨そうに飯を食うのが
嬉しくて、だんだん懐いてくるのが楽しくて、俺はアベ君を甘やかした。
アベ君を甘やかせる自分に酔っていた。
衝動に流されるように、ガーゼに覆われた頬に触れた。あの男のところに、行かないでくれと
懇願した。あいつが立ち去る前に言い捨てた一言が、頭の中でぐるぐると回る。待ってる、と
男は言った。その言葉を、アベ君は拒まなかった。俺たちに自分の過去を知られるくらいなら、
アベ君はあいつのところに戻ることを選ぶだろう。冷えた指先が俺の手をはねつける。
絡まった視線を引き剥がすように目を逸らす。構わず、細い指を捕まえて、手の中に握り締める。
近付きすぎた距離からいつものように遠ざかろうとするアベ君を、強引に引き止める。
163名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 16:24:23 0
「行くな」
決壊を始めた堤防から、零れ出していく言葉。アベ君が薄く口を開いて、小さく喘ぐ。
行かない、って言えよ。願うような気持ちで、赤い唇を見つめた。ずっとここにいてくれよ。
なあ、俺、あんたのことが好きなんだよ。頼むよ、俺を、独りにしないでくれ。
だけど、アベ君は、俺の望んだ言葉を口にしてはくれなかった。握り締めた手は
俺の手を振り払うことはなかったけど、握り返してもくれなかった。
「そんなに、俺は信用できない?」
悔しかった。アベ君が、男の下に戻ることを、望んでいるとは思えない。あの夜の疲れきった顔や
路地での会話から、それは明らかだった。一人で抱え込もうとするなよ、もっと頼ってくれよ。
頑なに秘密を守ろうとするアベ君の態度がもどかしくて、言ってやりたいことはたくさんあるのに
言葉が上手くでてこない。
「アベ君がね、どんな人でも、俺はいいんだよ」
伏せられたままのアベ君の顔が、くしゃりと歪む。胸が潰れるような苦しさに、
掴んだ手を引き寄せ、ソファに座ったアベ君の上に屈みこむようにして、痩せた体を
抱き締めていた。知ってるんだよ、って言ってしまえばいいのかもしれない。もう隠さなくていいのだと。
そうすれば、アベ君が男の部屋に戻る理由はなくなる。だけど、俺は言えなかった。
俺から言ったのでは意味がないと思った。秘密は暴くのではなく、打ち明けられるものでありたい。
それが、信頼ってものだろ?
強張ったアベ君の肩に顔を埋める。微かに汗の匂いがした。アベ君は、動かない。
腕の中の体は細くて、少し力を込めただけでばらばらになってしまいそうだった。
あの男は、この体を何度抱いたんだろう。思った瞬間、その想像の残酷さに気が付いて、
反射的に腕を解いていた。きつく目を閉じたアベ君が、離れる体温に安堵したように
息を吐いたのが、どうしようもなく寂しかった。
俺は時間を無駄にした。一ヶ月という期間を一緒に過ごしながら、アベ君と真っ直ぐ向き合う
ことをしなかった。気軽で楽しいだけの関係に満足して、その結果がこれだ。
アベ君の唇は硬く閉ざされたまま、抱え込んだ秘密を口にする気配はない。
気まずい沈黙から逃げるみたく、重い口を開く。
「ごめん、俺、もう寝るわ」
一ヶ月何もしてこなかった俺が、今になって必死になったところで、白々しいだけなんだろう。
寝室に向かう俺を、アベ君が呼び止めることはなかった。ぽかりと穴の開いたような体を
丸め、胸の奥に鈍い痛みを感じながら、俺は一人眠りについた。
164打ち止め。途中バボってびびった:2008/01/25(金) 16:24:56 0
翌朝。
酒を飲みすぎた日特有の不愉快な頭痛で俺は目を覚ました。
ベッドの上に体を起こし、ゆっくり視線を巡らせる。床に敷きっぱなしだった布団は、
昨夜見たときのまま、使われた形跡がない。やけに静かな気持ちでベッドを下り、
寝室のドアを開けた。薄暗いリビングにも、見慣れた細長いシルエットはなかった。
部屋の隅に目を移し、そこに使い古されたギターケースのないことを確かめたその瞬間だけ、
ちょっと膝が震えた。
いつも通り作った飯を、独りで食べる。味はよくわからなかった。使った食器を片付けて
シャワーを浴び、バイトに向かう。
いつも通りの、日常。
違うのは、アベ君がいないことだけだった。
165名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 17:30:21 O
あああああああ!!!!
なんだこの夢のような怒涛の投下!!
和んだり萌えたり泣いたり切なくなったり忙しいよ
はるあべ泣いたよ神

GJすぎて何と言えばいいのかわからない、素敵な連投ありがとう神様
続き正座して待ってます!

アベ、鰓さんとこに帰ってこいよアベ…(´Д`)
166名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 17:45:09 0
良 す ぎ る
167名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 17:48:58 O
アベ………!!!!
絶対帰ってきてよ
168名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 17:50:22 0
vipじゃないのにバーボン行きになる連投神萌え
ハルアベも長編になる予感
前スレの続きだよね?
169名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 18:01:14 O
あ な た が 神 か
170名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 18:23:40 O
ウエノに惚れ惚れする…
プリンは手作りか(*´∇`*)
171名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 20:16:47 O
神…!なんかもう全部が神すぎてなんて言えばいいか…。とりあえず鰓がかっこよすぎる…!はるあべが切なすぎる!不器用なアベが可愛すぎる!よってあなたは神確定!!
172名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 20:49:04 O
涙腺ツボが無数に散りばめられてて困った
神よ〜
173名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:01:16 O
ちょっとアベさん探してきます
ε≡≡≡≡≡≡≡≡≡┏‖;`_ゝ‖┛
シュンッ
174名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:05:51 O
怒濤のような投下キテタ!!!!!!
神すごいよ神。・゚・(ノД`)・゚・。
鰓アベもハルアベも、続きが楽しみすぐるー!
175名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:07:11 O
ああもう何度読み返したことかwwww
176名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:12:35 O
切なすぎて残業が手につきません。
どうしてくれるんだ神よ!(*´Д`)ハァハァ
177名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:19:02 O
エラアベ読んでニヤニヤが抑えられないし
ハルアベ読んで苦しくて泣けてくるし
15って指で表すアベに萌えてのたうち回るし
話は切なくてもんどり打つし
ひとりパニックです
178名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:21:16 O

┃T_ゝ‖ほんま強い職人さんで良かったわ
とノ

179名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:25:25 O
アベーーー帰ってきてーーー
。・゚・(ノД`)・゚・。
180名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:32:21 O
┃ハァハァハァハァ
┃Д`;‖もしやアベさん、あの男の性奴隷化?ムゴイ…ハァハァ
とノハァハァハァハァ
181名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:39:18 O
ROMが顔出すネ申作品キター
アベが切なすぐる

ウエノが待ってるよ
はやく帰ってこい
182名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:44:49 0
新着レス数に吹いたw
連投お疲れ様です!

ときに、バーボンって何?
183名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:47:09 O
連投しすぎてお仕置きで飛ばされる場所
184名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:52:47 O
これはいい連投
185名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:00:51 O
気迫の連投に萌え死にますた(*´Д`)
ありがとう神!
186名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:09:48 O
神すぎてリアルに涎出た…
アベ早くしあわせになってくれ(;*´д`)はぁはぁ
ハルアベもすごかった…!!
チバとの絡みも期待していいですか…!?
187名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:11:26 O
新着レス数見て、一瞬荒らされてんのかと思ってビビったw
バボ逝き連投神さま乙です!
過去作品は未完の大作がいっぱいあってカナシスだけど、
これは絶対に完結させて欲しい!!!!!!
良い子にして待ってますので、宜しくお願い致します。
188名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:16:40 O
ヽ(*`皿´)ノ うちにおきゃくがたくさんだ

  )))) 家主が何もしないので
(´・ω・)っ旦~旦~旦~旦~旦~旦~
189名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 22:20:00 O
キュウありがとうキュウ
190名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 23:31:13 O
バボ神GJ!!
続き待ってる
191名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:04:53 O










( ´,_ゝ`)プッ






192名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 02:30:12 O
萌えすぎて溶けそう(*´д`)
神GJ!!!!!
193名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 03:28:59 O
鰓さんに鳴かされるフトツがかわいいハァハァ
194名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 16:54:55 O
(#*`皿´)つ<・ε・=*]
195名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 23:58:13 O
最後のエラアベが切な過ぎる…
196名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 21:23:31 O
(*`皿´)<誰もいない…

(*`皿´)<放置ぷれいってやつ?

197名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 22:33:38 0
エロ話でもして待ってようよアベ君
198名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 00:47:00 O
(*`皿´)<エロ話…

(*`皿´)ゞ<話だけ?
199名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 02:15:53 O
この淫乱www
200名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 23:34:07 O
[=.・з・]<申し訳ない
201名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 09:34:15 O
(*`皿´)<放置されてたから腹減った。ごはん作ってウエノ♪
202名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 09:53:35 O
ごはん>(*`皿´) [・ε・=]<…

ヽ(*`皿[=   ]彡<その前に食わせろ!
203名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 19:37:23 O
AAウザス
204名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 21:18:57 O
いいじゃんAAくらいw
205名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 21:43:06 O
AAウザスの人がこっちにも
206名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 22:47:11 O
9割合方がAAに占められてる左お菓子には言いにいかないんだねぇwwwww
207名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 22:56:56 O
>>206
ちょwww
そんなこと言って飛び火したらどうしてくれるwwwww
細々やってるのにwwwwww
208名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 23:05:42 O
AAのフトツもかわいいよフトツ
AAはAAで見慣れてるし愛着あるけどな
209名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 23:21:35 0
携帯のみ
ttp://bestposition.org
210名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 06:31:50 O
_д_
_д_
211名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 10:11:03 O
┃つ_Д_
┃ _Д_


┃彡
┃ _Д_
212名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 14:30:04 O
(;`皿´)<冷蔵庫に入れといたプリンがなくなってる…!

(゚´皿`)
213名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 16:56:35 O
‖;´_ゝつ[=.・з・]<ごめんねアベくん、食べたの俺
214名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 21:22:16 0
投下待ちの間に過去ログ読んでた
ぬこふとの初セクースログは何回読んでも泣ける
萌えすぎて禿げたよ
215名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 21:46:34 O
>>214
それ何スレ目だったっけ?
216名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:12:31 0
すぐには全部入らない。少し入れては動かして馴らす。
また押し込む。そしてまた馴らす。繰り返していって最後にぴったりと根元まで押し込んで
腰をねじるようにしてやると、アベくんが俺の腕の中で喉をそらして喘ぐ。

額に、こめかみに、汗ではりついた髪を手で愛撫しながらどけてやると、
俺の身体にしがみついたまま、アベくんが目を開けて俺を見た。
荒い呼吸を繰り返しながら、唇が物を言いたげに何度か開いたり、閉じたりする。
俺はアベくんの顔を見つめた。
普段、喉から音が全く出せないアベくんは、こんな口の動かし方を決してしない。
何かを話したそうな、こんな唇の動きを見せることなど決してなかった。

その一瞬、狂うかと思うほどの愛情の衝動に駆られて、俺は逆に身体が動かなかった。
自分の手が、ゆっくりと繰り返しアベくんの髪を撫でるのを、他人の手のように眺めていた。

あんたがもし喋れたら、どんな声をしてるんだろう。
俺に、今、何を言いたいの?
なんと伝えたくて、そうやって唇を動かそうとしてるんだろう。

わからない。
あんたが何を言いたいかわからない。

何か言ってやりたい。
でも俺も、何て言ってやりたいのか、わかんねえんだよ、アベくん。

ただ、あんたのことが好きだ。
正体がなんなのか、よく分からない生き物のあんただけど。
狂いそうだ。あんたのことが、俺、好きだよ。
217名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 02:03:15 0
なんぞこれ(;´Д`)ハァハァ
218名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 03:09:22 O
ぬこふと初夜の抜粋だね
219名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 03:25:17 O
キャー      :∴
`λ,,,,λ .・∵A_A
ミ*`_ゝ´彡.・(*`皿´)キャー
(つ□`ノつ・:・ /つ つ
(`ヽノ  〜 〓〓〓
し(_)    し(_)
220名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 06:35:09 O
ぬこふとナツカシスと思ってたらそこの二人wwwwなにやってんだwwwwww
221名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 15:23:19 O
>>216
氏ね
222名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 19:57:50 O
作者に無許可でコピペかよ?
そんな無礼なことするやつがこのスレにいたとは…orz
223名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 20:35:01 O
過去ログ見つけて浮かれてるんでしょ
二度と来なくていいから^^
224名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 20:35:26 O
ぷぎゃに許可もらえばよかったね
これからは気をつけようね
225名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 20:38:57 O
どうせならまるっとどこかにパス付きで過去の全SSうpしてくれたらなあ
まあ、まず許可はもらえないだろうけど
226名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 20:52:54 O
クレクレウザ
いいかげん空気読め
227名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 20:54:06 O
>>224
氏ねよ
228名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 20:58:49 O
>>227
そんなこと言われてる筋合いない
ギスギスしてスレの雰囲気悪くし続けるのが嫌だったんだよ
なんなんだよ軽々しく死ねだの
荒らされたくない・バカを止めさせたいなら
>>227のようにきつい言葉でスレを汚すのは効果的ではない
229名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:09:35 0


まぁまぁおまいら



みんな仲良くしたら( ´,_ゝ`)プッ
230名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:11:59 0
>ぷぎゃに許可もらえばよかったね
こういう書き方もどうかと…
231名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:17:27 0
許可どころかレスもらうのも難しそうだからNGだよーってことでしょ
氏ねは>>224じゃなくて>>216あてならどうい
232名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:22:54 O
>>228
死ねなんて書かないで下さい
233名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:25:21 0
>>232
もうわかったから
234名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:26:08 O
作者に無許可でコピペとは無礼な、アホが、うんこが!
という流れから「許可もらえばよかったね」か?

今北が過去ログ読みたければ●購入したらいいのかね。
それでサルベージできるか知らないけど。
235名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:30:30 0
>>216がここからいなくなる
>>224が許可云々の問題ではない事に早く気付く&スルーをおぼえる

これで問題解決
236名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:34:48 O







みんなまとめてm9(^Д^)プギャーーー!






237名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:36:11 0
最近、何故か同じように真ん中でもあったなー
懐かしんだりクレクレしたり(さすがにコピペは無い)
しかし現行(`皿´)スレだけでもかなりのごちそうなんだぜ
238名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:37:20 0
>>222
>>224
許可云々の問題じゃないんだってよ
239名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:39:21 0
>>237
懐かしんだりしてるのは見てても楽しいんだけどね
240名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:41:47 O
ごちそう読み直してくる
241名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:46:57 0
>>239
うんw以前から入り浸ってる身としては楽しい
右で言えばAVの人のも他の作品も大好きだし
でも新規参入してくれた人の抑えたクレクレ心を煽ってないかと悩む
242名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:53:23 O
>>240
[=.・з・]<じゃ、おーれも
243名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 22:14:11 O
ぬこふととか左の人魚鰓とか、確かに超神作品だし、ご新規さんにも読んで欲しいのは山々だが…
それでもやはりコピペすんのはNGということで、
頑張って自分で掘ってくれとしか言えない…
244名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 22:22:23 O
(*`皿´)<おなかすいた。もめてる暇あったらごはんくれ。
245名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 22:36:05 O
[=.・з・]つ【炒り豆】(節分の残り物)
246名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 23:01:56 O
(゚´皿`)oO(今日のアベフトシスレでもベンジーから節分の残り物もらったのに…)
247名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 23:03:29 O
アベくんは41粒だね
はい数えて〜>[=.・з・]つ□(`皿´;)マンドクセー
248名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 00:40:14 O
豆しか食わせてもらえないのかフトツwwwww
249名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 02:40:52 O
∬#・A・)向こうのスレで恵方巻き(余り物)もあげたがや
250名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 02:56:16 O
他板の話はそのくらいで
住み分けましょう
251名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 04:07:27 O
ベンアベの夢見たことある
エロいのでおすすめです
252名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 17:58:05 O
>>251
∬*・A・)kwsk
253名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 18:35:53 O
なんで半年ROMってろといいたくなる人が急に湧いてんの?
254名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 19:01:50 O
>>253
短気だなあ…
別にこんくらいで目くじら立てんでもw
255名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 19:11:34 O
いや 今回は特にだけどそれ以外でもさ…
ここ数ヵ月の菓子スレ見てると 自分も253と同じように思ってた
256名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 19:13:02 O
×見てると→○見てて

自分も日本語変だったね スマソ
257名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 21:36:38 O
>>253>>255
ナカーマ!!
258名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:19:02 0
>>253
数字のほうで誘導があったらしいよ
真ん中かまたーりにそういうレスあった
259名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:44:57 O
>>255
自分はバスデ始まってから何かが変わった気がする
260名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:58:55 0
ちょwww
261名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 06:31:12 0
誘導の恩恵を受けてるのは真ん中だけよね
投下頻度がスゴス
262名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 20:10:31 0
バーボン神ちょっとでいいから落としてくれないかなぁ…
263名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 21:42:51 0
ちょっとってどんくらい?
あんまりストックないんだけど細切れにでも落とした方がいいのかな?
264名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 22:12:28 O
>>263
あああ落としてくださるならなにも文句はありません…!
265名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 22:47:35 O
神が落としたいときに落としてくれたらいいと思うよ!
.    ハ_ ハ_
    ∩゚∀゚)ノ
266名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:06:14 0
んじゃちょっとだけ連投いきます
うざかったらスクロールで
267名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:06:47 0
顔が近い、と思った瞬間、唇が触れていた。鼻先を掠めたアルコールと煙草の匂い。
ぽかんとした俺を見て、キスを仕掛けたアベ君はにやにやと笑っている。
くそ、やられた。酔っ払いの悪戯に反応してしまったのが悔しくて、細い腕を捉まえ
やり返そうと背中を伸ばす。
「なんだよ、やめろって」
「うるせえ、黙れ」
さらさらした髪を掴み、仰け反って逃げる頭を引き寄せた。ソファに膝を乗り上げて、
まだ文句を言おうとする唇を唇で塞ぐ。濃密な酒の匂いに頭がくらくらする。圧し掛かる俺の
体を押し退けようと腕を突っ張りながら、アベ君がずるずるソファからずり落ちる。長い脚が
テーブルを蹴り飛ばしたのか、がしゃんとグラスの割れる音がした。
「なぁにいちゃついてんの、あんたたち」
シャツの後ろ首を引っつかまれて、ようやく俺の唇はアベ君のそれから離れる。振り返れば
呆れ顔のキュウが撒き散らされた酒を見て盛大に溜息を吐いた。床に座り込んだアベ君は
ご機嫌に笑ってる。知り合いのクラブを貸し切ってのこじんまりしたDJイベント。内輪だけの集まりと
なれば酒は進むし羽目も外れる。
「アベ君が先にしてきたんだって」
「はいはい、わかったからどいてね、ガラス危ないから」
唇を尖らせる俺を適当にあしらいながら、キュウがアベ君を引き起こす。手際の良さに、慣れてんなぁ
と感心する。うん、慣れさせたのは俺たちなんだけどさ。ボックス席を追い出された俺の肩に、
足元の覚束ないアベ君がふらふらともたれかかった。ブースではのーやんがDJを務めている。
フロアにいるのも顔見知りだらけ。べろべろに酔っ払った俺たちには誰も絡んできやしない。
268名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:07:19 0
「んーなんか気持ちわりい」
アルコールに焼かれて掠れたアベ君の声が耳元に落ちる。
「ちょっと外出る?」
「ん」
途中で何人かにぶつかりながらも、なんとかクラブの入り口に辿り着いてドアを開けた。
澄んだ空気に少し頭がはっきりする。ひょろ長い体を不安定に揺らしながら、アベ君がドアの脇の
壁に背中を預け、むずがる子供みたく目を擦った。あー俺酔ってるわ、って今更なことを呟いて
けらけらと笑う。分厚いドア越しに、フロアの音楽が遠く聴こえる。ふわふわした頭を振って、
アベ君の隣にもたれかかった。煙草を挟んだ長い指が視界を横切る。かちん、とジッポの開かれる音。
柔らかく漂う紫の煙。
「アベ君さぁ、何で俺にキスすんの」
ゆったりとした空気に、つい疑問が口をついて出る。アベ君が酔っ払って俺にキスしてきたのは
今日が初めてってわけじゃなかった。そのたびにびっくりして呆然とする俺は学習能力がない。
だけど、普通酔っ払ったからって男が男にキスするか?
「お前だって、野良猫とかにキスすんじゃん」
あれはびびった、急に道端の猫捕まえてキスすんだもん、って火のついた煙草を指の先で弄びながら
アベ君が言う。
「俺は猫かよ」
「猫じゃねえけど、でも酔っ払うと、あるじゃん、とにかくキスしたくなるっつーかさ」
気持ちは、わからないでもない。でも、とにかくしたい、ってだけでキスされる俺の立場はなんだんだ。
「ならそこらへんの女にすりゃいいじゃん、どうして俺なんだよ」
キスをされるたび心臓がやけに跳ねるから、冗談ならやめてほしいと思う。たかがキス、それでも
同性同士、健全な接触じゃねえんだし。だけど俺は口に出してやめろと言うことができないでいた。
嫌だったら拒絶できる、問題は俺がアベ君のキスを喜んでしまってるってことだ。俺はアベ君に
ベタ惚れだ。初めてスタジオに入ったその日、一発目の音を聴いた瞬間から。こいつのギターが
欲しい、という気持ちが、こいつが欲しい、っていうより貪欲なものに変わるのに、そう時間は
かからなかった。恋だとか愛だとかいうより、もっとなんていうか、どろどろした独占欲。多分俺は
アベ君の、一番大切なモノ、になりたいんだ。アベ君の気持ちを、全部まるごと、自分に向けたい。
ライブのときも、そして、それ以外でも。
269名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:07:50 0
「だってさ、お前の反応、面白いし」
俺の想いにはまるで気付かないまま、アベ君は感情の薄い真っ平らな声で呟く。
「そこらの女より、俺はチバがいいよ」
温まった壁から背中を引き剥がして、アベ君に向き直る。短くなった煙草を足元に落とし、
ブーツの底で踏み消して、吊り上がった目が無邪気ににこにこと笑う。アベ君は考えない人だ。
いつだって思考よりも感覚を優先する。素直で率直で正直で、むかつくくらい真っ直ぐだ。
「じゃあ、キス、させてよ」
強張った喉から言葉を押し出して、伸ばした指で丸い額にかかる前髪をかきわける。緩い弧を
描く形のいい眉の下、刻んだような眼窩に埋め込まれた白と黒の目がきょとんと俺を見返す。
「さっきしたでしょ」
「もっかい」
爪先立ちながら、小さな頭を両手で引き寄せた。
「何、口寂しいの」
「違う」
「キスしたい?」
「うん」
「俺と?」
「うん」
「変な奴」
酒の匂いのする息が混じり合う。まず鼻先が触れて、それから唇がぶつかった。自分より背が高い相手
とのキスは馴染みがなくてやりにくい。苛立って細い肩に腕を回し体ごと抱き寄せれば、歯と歯が当たる
感触がして、アベ君が微かに笑う。下唇を啄ばんで舌先で歯列を舐め、誘うように開いた口の中へ。
唾液を擦り合せるように舌の表面を辿れば、唇の隙間から息が漏れる。噛み付くみたいに更に深く
唇を重ねた。上顎から喉の入り口、奥歯の裏側まで、舐めてないとこがなくなるくらい何度も舌を這わせる。
アベ君の細い舌がじゃれるように俺の舌に触れては、絡み合わせようとした瞬間逃げ回り、腹が立ったから
尖った肩を拳で軽く殴った。
270名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:08:23 0
「ん、チバ、やばいって」
喉を反らして唇を引き剥がし、アベ君が言う。顎にまで垂れた唾液を手の甲で拭い、俺の体を押し退ける。
「何が?」
「人、来るじゃん」
「先にしたのは、アベ君だろ」
「そうだけど」
困った顔で眉を寄せるのに構わず、もう一度アベ君を抱き寄せた。
「待てって」
「うるせえ、やらせろ」
「わかった、悪かったって、もうしないから」
アベ君は、俺がまださっきの仕返しを続けてるんだと、思ってるらしい。キスしたいか、って聞いたくせに。
もどかしくてむかつく。左右に視線を巡らし、通路の突き当たりに見つけたトイレに、腕を掴み引き摺るようにして
アベ君を連れ込む。後ろ手に鍵を閉め、痩せた体を洗面台に押し付けた。
「なにすんの」
「続き」
「マジで?」
笑うべきかどうか迷ってるような中途半端な表情で、アベ君が俺を見下ろす。こういう顔は結構珍しい。
アベ君は考えない人だから迷うこともない。つまらないことを思い悩んでは沈み込む俺の横で、いつだって
涼しげな顔のまますいすいと生きている。それを指摘するとアベ君は、俺は馬鹿だからね、って言って
笑うんだけど、そういうとこがかっこよくて好きだなと思う。俺の目の前で、今、そのアベ君が、悩んでる。
俺のせいで。
「俺とキスすんの嫌なの」
「嫌じゃねえって」
嫌じゃねえけど、ってアベ君が口篭る。これも相当珍しい。口篭るくらいなら最初から口を開かないのが
アベ君だ。ジーンズのポケットから煙草を取り出そうとする手を叩いて、アベ君の顔を睨み上げた。
叩かれた手を中空に浮かべたまま、黒目がちの目が上目遣いに俺を見る。
「俺、猫じゃねえよ?」
さっきの俺の科白をなぞるように、アベ君が呟く。こんなでかい猫がいてたまるか。
271名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:08:54 0
「俺は、アベ君とキスしてえんだって」
答えを待たず唇を噛み合わせた。今度は強引に歯列を抉じ開けて、逃げる舌を追いかける。アベ君の
指が俺のシャツの背中を掴む。しつこく上顎を舌先で嬲っていると、縮こまってた舌がだらしなく
俺に差し出される。肉の薄いそれを甘噛みしながら、両手でアベ君の頭をひっかきまわした。
アベ君とのキスはいつも煙草と酒の苦い味がして、相手が女だったら最悪な気分になるようなものだ。
だけど、これがアベ君の味だと思えば、もっと欲しくてたまらなくなる。逃げるように首を振り、
自由になった唇でアベ君が喘ぐ。二つの唇を繋いだ唾液の糸は、重力に引かれてぷつりと切れた。
薄い体を抱き寄せてた手を肩から胸へ滑らせる。掌の下、肋骨の向こう側、どくどくと早くなった
心臓の拍動。はあはあと荒くなった呼吸の音。小さな個室に二人きりでいて、その先を我慢できる
はずがなかった。
「・・・チバ?」
僅か震えたアベ君の声が俺の名前を呼ぶ。シャツのボタンを一つ外した。アベ君の表面、
白の面積がちょっとだけ大きくなる。普段外に出ないから日に焼けていない皮膚は滑らかで、噛み付きたくなる
衝動を必死に抑えこんだ。ボタンを外していく俺の手をぼんやり見下ろしてたアベ君が、はっと
したように顔を上げて、長い指で俺の手を掴む。
「お前、しゃれになんねえぞ」
「だって俺、本気だもん」
何か問題ある?って口調で言い返せば、アベ君は声を詰まらせて目を見開いた。その隙に、抗う
手を振り払いボタンを全部外してしまう。無防備にさらされた平らな腹に掌を当てる。皮膚の向こう側に
硬い筋肉があって、女とはやっぱり違うなって思った。そろりと手を滑らせる。アベ君の視線が俺の手を
追っかけるのがわかる。柔らかなシャツの布地を払いのけ、膨らみのない胸に触れた。ぴくりとアベ君の
肩が跳ねる。小さな突起を爪の先で擦るようにすると、伸びてきた手が俺の手首を握り締めた。
俺を見るアベ君の目には、うっすらと欲情の色が覗いている。
「チバ、マジでやべえから」
「感じる?」
272名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:09:25 0
ぷくりと尖った突起の先端、触れるか触れないかのところを指で擽れば、すっと息を吸い込んで
アベ君が唇を噛む。そのままぐりぐりと押し潰し、親指と人差し指で摘み上げては捏ね回す。
充血した乳首は、白い胸の中でそこだけ赤く色づいてる。体を伸ばして、噛み締められた唇にキスをした。
舌先で促せばあっさり顎は開かれて、今日何度目かのキスに慣れたやり方で粘膜を探る。
「ふ、ぁ」
唇を合わせる角度が変わる瞬間に、アベ君が喘ぐような吐息を漏らす。俺の手首を離した指が
するりと首に回される。肌蹴たシャツを肩から落とし、片手で突起を弄りながら、もう片方の手で
肉のない脇腹を撫で上げた。腰を捩るようにしてアベ君が逃げる。そのまま背中に回した手で
背骨の凹凸を辿り、ジーンズの縁をぐるりと回って臍のくぼみを指の腹でぐりぐりと押した。
口の中でどちらのともつかない呻き声が震える。一度唇を離し、唾液の滲んだ口の端に
キスしてから、片手で形のいい頭を引き寄せ、震える瞼に唇を押し当てる。それから、こめかみ、
頬、顎、首筋。浮き出た筋をなぞるように舌で舐め上げ、喉仏を甘噛みして、鎖骨の間の
くぼみに。アベ君の手がぎゅっとシャツを握り締める。わざと息を吹きかけながら左の鎖骨を
辿って、肋骨の浮いた胸へ。舌先が突起に触れた途端、背中を弓なりに反らしてアベ君が
喉を鳴らした。
「気持ちいい?」
べろりと乳首をねぶって、聞いた。ちらりと俺を見下ろしたアベ君は、照れたようにすぐに目を逸らし、
小さく頷きながら息を吐く。アベ君が俺で感じてるってことがどうしようもなく嬉しい。舌の表面を
押し付けて強く舐め上げ、つんと勃ったところをやわやわと甘く噛む。臍を弄ってた手で下腹を
撫で下ろし、ジーンズ越しにそこを掌で包んだ。キスと胸への刺激だけで、アベ君の性器はもう緩く
勃ち上がっていた。ぷくりと尖った乳首を舌先で転がしながら、手の中の質量を確かめるように
柔らかく擦る。肩から首を這い上がったアベ君の手が、俺の髪を掴む。引き剥がそうとする指に
抗って、突起を強く吸い上げた。
「んんっ、チバ、離せって」
273名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:09:56 0
ひくひくと背筋を震わせながら、アベ君が呻く。輪郭を辿る俺の指に反応して、熱を持った性器が
ジーンズの前を押し上げている。ぎゅっと掌を押し付けると、細い膝ががくりと一瞬崩れかけた。
「チバ、頼むから、ちょい待って・・・」
しつこく髪を引く指と弱い声に、渋々手を離して体を起こした。洗面台に寄りかかり、アベ君が
大きく息を吐く。頬にうっすら上った血の色は、多分酒のせいじゃない。弄り回されて赤くなった
乳首と白い肌のコントラストが卑猥で腰の奥が疼く。薄い胸を喘がせながら、のろのろと顔を
上げて、アベ君が俺に視線を合わせる。鋭さを失ってとろりとしたその目に、背骨が溶けるんじゃないかって
くらいの熱が走る。
「やめろとか、言わねえよな」
語尾を下げた問いかけに、小さな頭がこくりと頷く。それからアベ君はゆっくり背中を曲げて、俺の肩口に
顔を埋めた。指の長い手が胸に触れる。そろそろと体を這い下りた指が、俺のベルトのバックルを
不器用に外した。
「されるばっかりって、なんか気持ちわりいよ」
緩めたジーンズの前に潜り込んできた手が、俺の性器をそっと握る。体中の血液がそこを目指して
どっと流れ出す。ああもうずるいよ、アベ君。俺がどんなに頑張ってアベ君に快感を与えても、
アベ君の指はあっさりとそれを凌駕する快感をくれる。焦る体を宥めながら、アベ君のベルトを外し、
下着ごと押し下げるようにして勃起した陰茎をさらけ出す。アベ君が俺の肩に額を擦り付ける。
張り詰めて血管の浮いた幹を握りこみ、根元からカリ首まで扱き上げた。仕返しのように、アベ君の
指が裏筋を撫で下ろす。上がった呼吸を誤魔化して、目の前の白い肩に唇を這わせた。
アベ君がくっと息を詰めるのがわかる。陰茎を弄ってるのと逆の手が、俺の髪をぐしゃぐしゃにかき回す。
どこをどうしたら、アベ君はイイんだろう。自分のとさして形の変わらない陰茎を、文字通り手探りで
刺激する。硬い幹から滑らかな括れ、張り出したカリを順に辿り、亀裂を割り開くようにして触れた
先端は、滲み出た体液で濡れていた。
「ぁ、アベ君、ちゃんと立って」
細い肩を掴んで、力の抜けた体を起こさせる。薄く開いた唇に触れるだけのキスをして、空いた手を
剥き出しの胸に滑らせた。
「う、あ、チバっ・・・!」
274名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:10:26 0
突起を捻り上げながら、陰茎の先端、じわじわと体液を溢れさせる小さな穴をなぞれば、アベ君が
高く掠れた声で啼いた。大きな手が俺の性器をぎゅっと握り締める。ほっそりした腰がひくついて、
ねだるように小さく揺れた。刺激をこらえるように俯いたアベ君の、前髪越しに見える密な睫と
細い鼻筋が俺の欲望を煽る。
「こっち向いてよ、アベ君」
要求に従ってふらりと重たげに頭を擡げ、アベ君が目を開く。すっと切れ上がった目元が赤い。
「舌、出して」
開きっぱなしになってた唇の隙間から、細い舌が突き出される。背中を伸ばして顔を寄せ、
濡れた表面に舌を重ねた。生温い粘膜と粘膜を擦り合わせ、先端を絡め取って唇で食む。
焦らすようなやり方に、アベ君の指が咎めるみたく俺の陰茎を締め付けた。頭を傾けて、自分から
唇を深く合わせてくる。舌の絡む湿った音が直接頭の中に響く。互いの喘ぎを飲み込みながら、
口の中をねぶりあう。めちゃくちゃな快感が体の中で暴れまわっていた。陰茎を扱く手は
垂れ落ちた体液でべとべとだ。俺のも、アベ君のも。ぬめりを空気と混ぜるようにしてわざと
卑猥な音を立てる。アベ君が鼻から甘えた吐息を漏らす。ああやばいイきそうだ。思った瞬間、
空気を震わせた異音に俺たちはそろってぴたりと動きを止めた。
音の発生源は、すぐ傍らにあるトイレのドア。横目で様子を窺う俺たちを脅しつけるように、
もう一度ノックの音が響く。手の中では限界近くまでたかぶったアベ君の陰茎がひくひくと震えてる。
目だけで鍵が閉まってることを確認する。流石に、この状況を見られるのは、個人的にもバンド的にも
よろしくない、多分。キス程度なら冗談で済ませられるけど、男同士剥き出しの陰茎を握り合ってる
となればそりゃもうずばり変態だ。だいたい、こんなエロいアベ君の姿を、他の奴に見せてたまるか。
苛立ったようにノックがまた繰り返される。薄いドアが微かに軋む勢いで。アベ君がびくりと肩を
竦ませて、俺の陰茎から手を引く。急速に冷め始める温度を感じて、じわり手の動きを再開させた。
せっかくアベ君が俺の手を受け入れてくれてるのに、やっぱりやめたじゃ収まらない。慌てたように
拳を握った手が俺の背中を乱暴に殴る。同時にアベ君の膝が崩れて、唾液塗まみれになった唇が
離れた。背後の洗面台に手をついてなんとか体を支えたアベ君の、切羽詰った目がドアと俺の間を
往復する。こんなときなのに、つい笑いが漏れた。アベ君が焦ってるとこなんて滅多に見られないから。
ぬるぬるとぬめる幹を擦り上げ、もう片方の手で胸の突起を摘み上げる。痙攣するように体を震わせて、
アベ君の手が俺の肩をつっぱねる。だけど、快感に溺れた腕の力は容易に無視できるくらい弱い。
275名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:11:00 0
がんがんと扉を拳で殴りつける音が神経を逆撫でる。早く諦めろよ、と思いながら滑らかな
亀頭をぐっと指で締め付けた途端、アベ君が腰をひくつかせながら背中を反らした。
「あッ・・・!」
漏れた声は一音だけ。大きな手で自分の口を押さえ声を殺し、アベ君は俺の手の中に精を吐いた。
熱い体液が掌に飛び散ってぼたぼたと床に滴る。男がイく姿に、どうして俺はこんなに興奮してんだろう。
アベ君の手を引き剥がしてキスをしようとした瞬間、またドアを叩く音がして、苛々と俺は声を張り上げる。
「うるせえな!ゲロ吐いてんだよ、別の階行け!」
相手が誰だかはわからないが、中にいるのが俺だってことは伝わったらしい。ぴたりとノックの音がやんで、
クソしに来ただけなのに俺に怒鳴りつけられた可哀想なそいつが急いで立ち去る気配がする。
ふっとアベ君が息を吐いた。強張ってた体からぐったりと力が抜ける。
「お前、やりすぎ」
「何が」
「気付かれたらどうすんだよ」
「別にさ、声くらい聴こえても誰と誰がやってるとかわかんねえし」
むっとした顔で、アベ君が俺を睨む。だけどその目はまだ快感の余韻に潤んでいて、いつもの迫力は
微塵もなかった。試しにキスをしかければ、おとなしく目を閉じて唇を受ける。
「チバって、結構エロいのな」
軽く舌を絡めあってから体を離すと、唾液に濡れた唇を拭いながらアベ君が言った。
「どういう意味だよ」
「や、だって、普段下ネタとか言ったら怒るでしょ」
「そういうのとセックスは別じゃんか」
言い返す俺に、アベ君は、ふうん、とわかったようなわかってないような顔で首を傾げる。確かに
エロい話をして盛り上がるのは得意じゃねえけど、人並みに経験はある、勿論相手は女だけど。
それに体の造りがおんなじ分、男の方がわかりやすいっちゃわかりやすい。無邪気に下ネタを口にする
目の前の誰かさんがいつだか雑誌のインタビューで言ってたけど、結局男なんて、擦れば出る。
出すときは当然キモチイイ。色気のない言い方をすれば、そういうこと。そして逆に、出さないで
欲望を満たすのは難しい、そういう生き物だ。
276名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:11:32 0
壁に設置されたペーパーに長い腕を伸ばして後始末をしようとするアベ君を引き戻し、もう一度
洗面台に押さえつける。
「待てよ、アベ君、忘れんなよ」
「うん?」
「俺まだイってないんだけど」
俺は相手だけイかせてそれで満足できるような聖人じゃない。
「あぁ、悪い」
いきりたったままの俺の股間に視線を落とし、アベ君が苦笑する。さっさと余裕を取り戻しかけてる
態度にちょっとだけ腹が立った。このエゴイストめ。
「イくときは一緒じゃなかったの」
「何だっけ、それ。つーか、お前がやめねえからだろ」
「アベ君が勝手にやめたんじゃん」
欲望を吐き出して柔らかくなった性器をぎゅっと握ってやる。小さく呻いたアベ君の目が切なげに歪む。
「あんま触んなよ、俺はもういいから」
言って、片手で俺の肩に縋りながら、もう片方の手を勃起した陰茎に伸ばしてくる。乾ききらない体液で
濡れたその手を中空で捕まえ、華奢な指を握り締めた。なに?って顔でアベ君が俺を見返す。
ここまでやっといて、自分の欲望をひた隠しにする方がおかしい。もうとっくに、常識の範疇は飛び越えてんだ。
「俺、アベ君としたい」
俺の言葉に、薄い唇がきゅっと笑いの形をつくる。あ、わかってねえな。
「してるだろ」
呆れたような口調の返事に被せるように要求を続ける。
「手じゃなくて」
戸惑いがちに数度瞬きを繰り返した目が、俺の欲望を理解してはっきりと見開かれた。目を逸らしたくなる
のを我慢して、アベ君の目を真っ直ぐに見返す。笑いを消した唇が開いて閉じる。
「アベ君が嫌なら、無理にはしない」
そのくらいの理性は俺にもある。別に、レイプがしたいわけじゃない。睨み合うこと数秒、沈黙を破ったのは
アベ君だった。
277名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:12:02 0
「いいよ、いいんだけど」
「うん」
「・・・どっちが挿れんの?」
当然の疑問に、俺は返答に困って眉を寄せた。アベ君としたい、って気持ちはあったんだけど、
じゃあ挿れたいのか挿れられたいのかと聞かれるとよくわからない。仕方ないじゃん、男同士なんざ
初めてだし、そういう世界で役割がどう振り分けられんのかっつー知識もない。わかってることといえば、
ケツの穴を使うってことくらいだ。悩み始めた俺を急かすことなく、アベ君はじっと俺の返事を待っている。
これが年上の余裕なんだろうか。肩から首筋を這い上がった指先が、手持ち無沙汰に俺の長く伸びた
前髪をかき上げる。もう片方の手はさっきから握りっぱなしだ。アベ君の手、ほんと綺麗だよな。
長い指を一本ずつ根元から舐めてやりたくなる。だけど今はそれどころじゃない。正直、挿れんのも
挿れられんのも、アベ君とするならどっちだって大歓迎だ。だから、困る。
「アベ君は、どっちがいい?」
答えの出ない思考を持て余し、俺は選択肢をアベ君に委ねる。俺の前髪を弄びながら、考えない人は
あっさり希望を口にする。
「そうね、俺は挿れられる方がいいかな」
予想してたのと反対の答えに、何で、って俺は問い返す。選べなかった俺が言うのはおかしいかもしれないけど、
男なら突っ込む立場のが想像しやすい。穴に挿れる、って行動自体は女とやるときと変わらないから。
俺とすることになるなんて予想してなかったろうアベ君が、わざわざ未知数の役割を選ぶ理由は、俺には
思いつかなかった。するりと髪を梳き下ろした指先が頬に触れ、唇の端を強引に引き上げる。
「だって、挿れられんのって痛そうじゃん」
他人事のような口調だった。
「チバよりはさぁ、痛いの我慢できると思うんだよね、俺」
俺は多分、一生アベ君には勝てないだろう。首に腕を回し、尖った鼻先にキスをした。
「痛かったら、やめる」
「うん」
「我慢とか、しなくていいし」
「そう?」
首を傾げてアベ君が笑う。痛い、ってことを確信してるようなその表情に俺はむっと口を噤む。
278名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:12:32 0
そんな俺の唇をまた指先で引っ張り上げて、そうやってむくれんなよ、とフラットな声が言葉を刻む。
「俺、チバの笑ってる顔好きなんだから」
たまらず、向かい合う体を両腕で抱き締めた。骨が軋むくらい強く。鼻先に触れた首筋に唇を落とし、
痕が残るくらいきつく吸い上げる。どっと押し寄せた情欲に、神経が焼き切れそうだった。
細い体を抱え込んだ腕を片方解いて、アベ君のジーンズを下着ごと引き下ろす。それから掌に残った精液の
残滓を擦り付けるように肉の薄い尻の狭間を割った。一瞬体を強張らせて、アベ君が俺の背中に腕を回す。
這い下ろした指が、窄まった小さな穴を探り当てる。くっきり浮き出た鎖骨を柔らかく噛みながら、穴の表面の
皮膚を指先で何度も辿った。ぬるぬると体液を塗りこみ、時折力を入れて緊張した入り口を揉み解す。
粘つく音が鼓膜を犯す。こめかみが熱い。上がった呼吸を誤魔化す余裕もなく、色づいた乳首に舌を
這わせた。肌を掠める俺の息がくすぐったいのか僅かに身を捩って逃げるのを追いかけず、そのまま
愛撫を下に移動させていく。床に膝をつき、跪くようにして痩せた腹を舐め下ろし、臍を舌先でつついてから
更に下へ。
「っ、チバ!?」
アベ君の指が俺の髪を掴んだのとほぼ同時に、俺の口はアベ君のそれを咥えこんでいた。絡みついた精液の
青臭い味が口の中に広がる。萎えていた幹が舌の上で僅かに芯を持つのを感じ、後ろの穴をなぞりながら
そっと先端を吸い上げてみた。ほっそりとした腰が小さく跳ねる。穴を弄られてるせいで腰を引いて逃げることもできず、
細い体は俺が舌を動かすたび微かな身じろぎを繰り返した。口の中で、アベ君の熱が育っていく。
「チバ、そんなん、しなくていい、って・・・」
早くなり始めた呼吸の合間に、掠れた声が落とされる。充血した先端をぐるりと舌で辿ってから口を離した。
「何で?気持ちいいんだろ?」
「いい、けど、なんか悪いじゃん」
「悪かねえよ、俺がしたいからやってんの」
きっぱりと言い切って、俺はまた唾液塗れの陰茎を口腔内に導き入れる。精液を擦り付けられて粘ついた
穴がひくひくと蠢き始めていた。アベ君が感じる部分を唇と舌で精一杯刺激しながら、入り口に添えた指を
ほんの僅か押し込んでみる。
279名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:13:11 0
「ぁ、んっ」
嬌声の色を帯び始めた声が、狭い個室の空気を淫猥に湿らせた。アベ君の指が、多分無意識に、俺の髪を
かき乱す。目だけを動かして見上げれば、俯いて目を閉じ快感に没頭してる顔が見えて、心臓を見えない手で
握り締められたような気がした。この顔を見れるのが、俺だけだったらいいのに。アベ君にこういう顔をさせられるのが、
俺だけだったらいいのに。膨れ上がって弾けた独占欲が血液と一緒に体の中を巡る。指を捻りながら
ゆっくりと内側に沈めた。ぞわぞわと蠕動する粘膜が緩んでは締り、生き物のように異物を飲み込んでく。
どこが感じるのかなんて全くわからないから、入り口から奥の方まで、とりあえず刺激してみるしかない。
初めは熱を孕んだ内壁を馴染ませるように浅く、それから徐々に抜き挿しする幅を大きくしていった。
時折くちゅりとぬめった水音が響いて、そのたびにアベ君の指が俺の髪を掴んで震える。口の中の陰茎が
零し始めた先走りの体液を舌先に感じて、俺はいっそう丁寧なやり方で穴の中を探る。痛かったらやめる、と
言った以上、痛みを与えるわけにはいかない。前を嬲る舌が痺れ始めた頃、根元近くまで埋め込み、
馴染み出した内側を広げるように曲げた指の先がほんの僅かなしこりを引っかいて、瞬間、アベ君の腰が
大きく震えた。張り詰めた陰茎の先端にキスをしてから顔を上げ、もう一度同じところを押し込んでみる。
「う、ぁッ・・・!」
はっきりと、アベ君が感じてる顔で啼いた。
「すげえ中ひくひくしてるよ」
俺の言葉にうっすら開いた目が咎めるような色を帯びる。そういう顔すると、俺みたいな奴は余計興奮するんだよ。
一旦指を引き抜いて体を起こし、アベ君と向かい合って立つ。体がどこも触れてないのはちょっと久しぶりな気がする。
中途半端に放り出されたアベ君が、怪訝そうに眉を寄せる。
「下、脱げる?」
返事は小さな頷き一つ。ふらふらと揺れる体が背中を丸め、絡まったジーンズから脚を引き抜く。
紐をぴったり締め上げたブーツはそう簡単に脱げないから履いたままで。ポケットから煙草が落ちて、だけど俺も
アベ君も拾おうとはしなかった。考えてみればひどいシチュエーションだ。初めてのセックスが便所の中で、
靴すら脱ぐ余裕がない。まあそれでも今更やめるつもりはないんだけど。
「後ろ向いて」
280名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:13:42 0
要求に従いおとなしく体を反転させたアベ君が、ぎくりと体を強張らせる。振り返った洗面台の奥の壁は
一面の鏡張りで、俺たちの姿がくっきりと映っていた。黒いシャツを肌蹴た胸は勿論、脚が長いせいで
唾液と体液でべたべたになった陰茎まで。咄嗟に俺の方へ向き直ろうとする体を後ろから抱き締めて押さえ込む。
「チバ、なに・・・」
「アベ君背高いからさ、後ろからのがやりやすいじゃん」
「だからって、趣味悪っ・・・あっ!」
片手で動きを封じながら、もう片方の手を十分に濡らした穴へ滑らせる。さっきと同じように指を一本
沈め、探し当てたポイントをおさえていく。鏡のお陰で、アベ君の反応がはっきりと見えた。
ぎゅっと閉じた目も、快感に喘ぐ唇も、血の色が上った胸も、張り詰めて震える性器も。
「目、開けてよ」
ひくつく入り口にもう一本指を押し当てる。ほぐれた穴は従順に侵入を許す。2本の指をばらばらに動かし、
俺は我が物顔でアベ君の内側を弄り回した。熱くて柔らかい内壁が指に絡み付いては痙攣し、刺激を貪欲に
汲み取っていく。洗面台に手をついて体を支えながら、胸に顎がつきそうなくらい俯いて、アベ君が忙しない喘ぎを
漏らす。乱れた黒髪の隙間から覗く耳を舐め上げてから、低めた声で促した。
「アベ君、ちゃんと見て」
俺の指で感じてる自分を、見ろよ。俺に抱かれてるんだって、その目で確かめろよ。ゆるゆると頭を振り、
躊躇いを振り切るように一度喉を反らして、アベ君が鏡に顔を向けた。唇を噛み締め喘ぎ声を殺しながら、
おずおずと目を開く。自分の姿を目にとめた途端、赤らんでた目元がさっと血の色を濃くした。
蠢いていた中の粘膜がきつく指を締め上げる。ぞっとするような凶暴な欲望がこみ上げて、次の瞬間、
俺は挿し入れてた指を引き抜き、濡れた穴に先端を押し当てていた。
「挿れるから」
アベ君が頷いたようにも見えたけど、それは俺の錯覚だったかもしれない。両手で掴んだ細い腰を
引き寄せるようにして熱を沈めた。アベ君が、がくりと洗面台に肘をつく。黒いシャツ越しに丸くなった背中に
キスをして、軋んで引き攣れる穴にゆっくり、でも確実に、欲望を埋め込んでいく。
「うっ、チバ・・・」
喘ぎすぎて罅割れた声が俺を呼ぶ。苦しげに細まったアベ君の目は、鏡に映った俺の顔を見つめていた。
「痛い?」
281名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:14:13 0
黒い髪がさらさらと揺れる。嘘吐けよ、って思った。痛くてたまらねえって顔してるくせに、我慢してんじゃねえよ。
馬鹿がつくくらい正直者のアベ君が下手糞な嘘を吐く理由は、はっきりわかってた。俺が、痛かったらやめる、
って言ったからだ。俺の欲望を満たすために、アベ君は嘘を吐いてる。俺がどれだけいっぱいいっぱいになってても、
アベ君はいつもちょっと高いとこから遠くまでを見渡して、先回りする。俺が満足するように。それが、嬉しいけど
悔しい。なんか、アベ君ばっかりかっこよくて、ずるい。
「チバ、ぁあ、んッ」
腰を捩りながら緩く突き上げると、背中を波打たせてアベ君が悶えた。涙の滲んだ目が鏡越しに俺を見て、
瞼を震わせながら閉じられる。アベ君には低すぎる洗面台に縋るように上体を預けてるせいで、俺に向かって
突き出されるかたちになった腰を、そっと掌で撫で上げる。ぶるり、と細すぎる脚が痙攣する。
手を腰の前に回し、放置されてたアベ君の熱に指を絡めた。いろんな体液に塗れて濡れたそれを
扱き上げながら腰を遣う。俺の陰茎を締め付ける内壁がぞわぞわと蠢いては収縮し、
イイところを突き上げるたび、異物を引き込もうとするみたく貪欲に絡みついた。
「ふ、ぁう、うう」
両腕に顔を埋めくぐもった声を漏らすアベ君に、ああ俺もうこのまま死んじまうんじゃねえか、って馬鹿な
ことを思う。こいつは、今、俺のものだ。俺だけのものだ。
危険な想いを抱いたまま、骨の浮いた腰を抱え込み、内側を穿つように腰を打ち付ける。手の中で
育ちきった熱がどくどくと脈打つ。誰にも渡さねえ。全部、俺のだ。
中途半端に腕に引っ掛かったままの黒いシャツを引き下ろし、さらけ出された肩甲骨の尖りに
力いっぱい噛み付いた。瞬間アベ君の陰茎が一際大きく脈打って、垂れ落ちた精液が俺の手を
しとどに濡らす。抜けるぎりぎりまで引いた腰を一気に奥まで突き入れて、俺も、溜め込んだ
熱をアベ君の中にぶちまけた。

ペーパーで適当に後始末をして衣服を整え、だけどすぐに動く気にはなれなかったから、俺たちは
二人並んで洗面台の足元に座っていた。ジーンズを脱ぐときにポケットから落ちた煙草の箱を拾い上げ、
アベ君が一本咥えて火をつける。
282名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:14:48 0
「一本ちょうだい」
「自分のがあんだろ」
「あー、フロアに、置いてきた」
嘘だった。ジーンズの尻に、俺は煙草の箱の輪郭を感じてる。箱ごと差し出されたマルボロを
一本引き抜き咥えれば、横からジッポの火が差し出された。肺の奥まで煙を吸い込んで、吐き出す。
いがらっぽい煙草の煙は、アベ君の味だ。フロアから流れ出す音楽が遠く響いている。
「今度さぁ」
「ん?」
「今度するときは、ベッドでやろうな」
立ち上る煙を見送りながら言って、隣を振り返れば、咥え煙草で呆れたように笑うアベ君と目が合う。
「なんだよ」
「ん、いいよ」
「笑ってんじゃねえ」
薄い唇に挟まれた煙草を指で引っこ抜き、噛み付くようなキスをした。アベ君の唇は、涙が出そうなくらい
苦かった。
283名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:15:19 0


つぎいきます


284名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:15:50 0
吐く息が白い。
前を歩くチバは寒そうにコートを着た肩を竦め、目的のない足取りで夜の街を泳いでいく。
「チバ、どこ行くんだよ」
いい加減寒さにうんざりしかけて声をかければ、酔っ払った目が俺を振り返った。
「どこも行かねえよ、散歩っつったじゃん」
確かに、チバの言う通りだ。真夜中過ぎ、インタフォンを連打する迷惑な客にうっかりドアを
開けてしまったことを後悔する。どこかでしこたま飲んできたらしいチバは、玄関口に顔を出した
俺の腕を引っ張って、散歩行こうぜ、散歩、と妙にはしゃいだ声で言った。断らない俺も俺だ。
何でいい歳した男二人、高校生のカップルのように夜の街を徘徊してんだか。しかもこのくそ
寒い時期に。コートの襟を掻き合わせて空を見上げる。きんと凍えた闇の中にぽかりと
丸い月が浮かんでいた。さっきまで暖房の効いた部屋でぬくぬくと寛いでたのに、体はもう冷え切ってる。
かじかんだ指を擦り合わせて、手袋をしてくればよかったと思った。チバが急かすもんだから
コートを引っ掛けてくるのが精一杯で、寒がりの俺はもう帰りたくて仕方ない。だいたい、
どうして散歩なんだよ。チバと出会って随分経つが、突拍子もない行動に驚かされることが
未だにある。アルコールが入って暴君と化したときは特に。俺はというと、酔っ払ってるときはそういう
チバの行動に進んで悪ノリすることも多かったりするんだけど、残念ながら今は素面だ。
ちょっとぼんやりしてた俺は、視界から猫背の背中が消えてることに気付くまで少し時間がかかった。
数歩行き過ぎて振り返れば、ガードレールに腰掛けたチバがちょうど煙草に火をつけるところで、
相変わらずのマイペースさに笑いが漏れる。薄暗い街灯の下、ジッポの炎が暖かく揺れて、
慣れた煙の匂いが鼻先を掠めた。
「散歩、飽きたの?」
「ん、ちょっと休憩」
285名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:16:25 0
傍らに歩み寄った俺を見上げて、チバが笑う。人気のない夜の街はひどく静かで、世界の
終わりってのは多分こういう感じなんだろうとか思った。すっと伸びてきたチバの手が俺の手を掴む。
冷てえ、と呟いて、温めるように両の掌で包み込む。チバが呼吸するたび、咥えられた煙草の火が
鮮やかな赤色を放つ。
「何かあった?」
もともとセンチメンタルな性質の男だけど、今日はいっそう感傷的な気分らしい。俺の手を握ってるのも
温めるためなんかじゃなくて、単に人肌が恋しいだけなんだろう。尋ねる俺に、照れたように笑って、
チバが指先に力をこめる。
「月がさ、出てるじゃん?」
「うん」
「だからアベ君に会いたくなって」
チバの言葉は、たまに俺には難しすぎる。片方の手が俺の手を離れ、空の月を指差した。
「アベ君って月に似てるから」
彫ったようにくっきりした二つの目がきゅっと細まって俺を見つめる。そうかな、って首を傾げれば、
そうだよ、っていやに確信を帯びた口調で言い返された。犬だとか猫だとか、生きてる動物ならともかく、
月に似てるってのはどういう意味なんだろう。俺は頭が悪いから、微妙な比喩とかはよくわからない。
相当怪訝な顔をしてたのか、長く伸びた煙草の灰を落としながら、チバがぽつぽつと言葉を続ける。
「高いとこにあってさ、冷たくて、全然手が届かない」
説明しようという意思は感じるのだけど、曖昧な形容は俺を困惑させるだけだった。
「届かないってなんだよ、触ってんじゃん」
「触るのと届くのは違うんだよ」
わかんねえかなぁ、ってチバが苦笑する。わかんねえよ、って俺は溜息を吐く。温かな手の中から
指先を引き抜いて、チバの隣に腰掛けた。コートのポケットから煙草を引っ張り出して口に咥える。
横から伸びてきたチバの手が、銀色のジッポで火をつけてくれる。肺の奥まで煙を吸い込んで、
首を反らしながら月を見上げた。凍えた息と薄い煙で滲んだそれは、やっぱり俺にはただの月でしか
なかった。チバが、俺の肩にことりと頭をもたせかける。寝るなよ、って笑った俺の言葉に、勿体無くて
寝れるかよ、とチバが返す。
286名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:16:56 0
「俺今すっげ気分いいんだよ、アベ君がいるし、月が出てるし」
ああそうかい、と理解を諦めた俺は黙って煙草の煙を吹き上げる。まあチバがご機嫌ならそれはそれで
いいことだ。触れ合った体から伝わってくる温もりに、少し寒さが遠ざかる。月が出るたび散歩に
連れ出されるのはごめんだが、たまにならこうして付き合ってやるのも構わないかと思う。かじかんだ
指を伸ばして、チバの手を握り締めた。俺より幾らか体温の高い指が、俺の手を握り返す。
チバのように難しく考える頭は、俺にはない。だからこうして隣にいれるだけで十分だった。
チバの望みなら、何でもかなえてやりたいと思った。俺にできることなら何だってするつもりだった。
二人で見上げる月は白くて、世界の終わりはまだ遠い。
ねえチバ、俺は俺なりに、お前を愛していたよ。
287名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:17:30 0


つぎいきます


288名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:18:19 0
オレンジ色のソファに座りぼんやりテレビを眺めてた。
ヴォリュームをしぼった耳障りな音声に、電気の通っていないギターの音が混ざる。
たいして面白くもないテレビの画面から視線を引き剥がし、左斜め下を見た。
ソファにもたれるように床に座り長い脚を贅沢に投げ出して、ギターを抱え込んだ黒尽くめの男。
何の目的もなく爪弾かれる硬い弦の音は本来なら雑音でしかないはずなのに、
こいつが弾くとなぜか心地良く感じられるから不思議だ。
白いテーブルの上には二人で飲み干したビールの缶がピラミッドのかたちに積み上げられている。
冷蔵庫の中はもう空っぽで、だけど買出しに行くのも面倒臭い。
真夜中過ぎいい感じに酔っ払ってだらだらと過ごす時間は、もうどうしようもなく
気分がいいもんだから。
ざらり、空気が震える音。長い指が6本の弦をゆっくり撫で下ろす仕草が脳裏に浮かんで
ぞくぞくした。ソファに深く腰掛けた俺からは、つやつやした黒い髪と尖った肩しか
見えねんだけど。こうして見下ろす角度、ってのはなかなか珍しい。十数センチの
身長差ってのは偉大で、俺はいつもこいつに見下ろされてばっかりだ。
なんとなく、手を伸ばして真っ直ぐな黒髪に触れてみた。細い肩がびくりと跳ねて、
ギターの音が大きく乱れる。効果音つきの反応に思わず笑う。
「そんな驚かなくてもいいじゃん」
俺の言葉に仰向きがちに俺を振り返って、アベ君が唇を尖らせる。
「急に触んなよ、ビビんだろ」
そのまま首を捩り俺の手を振り解こうとするのを、髪を掴んで乱暴に引き戻した。
ひんやりとした髪の毛が指の間を滑る。窮屈に顎を反らされたアベ君が
苛立たしげに眉を寄せた。そういえば、アベ君の髪に触るってあんまりないな。
キュウの頭なら何回もかき回してんだけど。気軽に触るには頭の位置が高過ぎんだよ。
289名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:18:50 0
「何、チバ、離せって」
「いいじゃん、触らしてよ」
子犬を撫で回すみたく掌全体を押し付けながら言った。怒られる気はしなかった。
アベ君の気の短さは有名だけど、なぜだか俺に関しては結構我侭が許されてる。
俺がやたらとアベ君に懐いてるもんだから、お前はアベ君にだけいい顔見せてるとか
言われることもあんだけど、逆なんじゃねえかって思う。アベ君が俺にいい顔ばっか見せるから、
俺が付け上がるんだ。
仰向いたアベ君の目が俺を見てる。真っ黒い虹彩に逆様になった俺のシルエットが
映ってる。ずっと俺だけを見ててくんねえかな、って思う。俺だけを見て、ギター弾いてて
くれないかな、って。
背中を屈めて、細く通った鼻筋に唇を押し当てた。
「チバ」
いつもと変わらない平坦な声が俺の名前を呼ぶ。
「待って、チバ、ギター置いてくるから」
たまに、アベ君の中の優先順位がむかつくときがある。ギターをおざなりに扱うアベ君なんて
見たくもないけど、なんかかっこよすぎるじゃん。ずるいよ。俺ばっかり夢中になってるみてえだ。
頑固なギタリストのご機嫌を損ねる前に指を放した。するりと立ち上がったアベ君が部屋の
片隅に置かれたスタンドにギターを立てかける。笑ってしまうくらい慎重に。微妙に角度を調整して、
そんなもんアベ君以外誰も気にねえよって几帳面さで、ちょっとぐらいさぁ、傾いてても
いいんじゃねえの?
電灯を反射して、磨き上げられたピックガードがぬらりと光る。
深い赤がアベ君の血の色みたいだと思った。
「俺、アベ君のギターになりたいな」
ぽつりと呟けば、振り返ったアベ君が猫みたいな顔で笑う。
「何言ってんの」
290名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:19:21 0
ようやくギターが思い通りのポジションに落ち着いたのか、細長い体を逸らして気持ち良さそうに
伸びをする。そのままソファに戻ってきて俺の隣に腰を下ろそうとするのを許さず、顎で床を
指した。なんだよ、って苦笑しながら、でもアベ君は俺に逆らわない。ソファを背に、フローリングに
ぺたりと座り込み、両腕で華奢な膝を抱え込む。
「だってさ、ギターになったらアベ君に可愛がってもらえんじゃん」
さっきと同じように黒い髪を指先で摘んで、細い首を仰け反らせた。俺の手を好きなように
遊ばせながら、アベ君がけらけらと笑う。
「俺、チバのこと可愛がってるつもりだけどな」
「もっと可愛がれよ」
前髪が流れて露になった白い額にキスをした。下から伸びてきた手が俺の髪の毛をくしゃくしゃに
かき回す。そういう意味じゃねえんだけどな、って思いながらも、単純で馬鹿な俺は頭に触れる
長い指の心地良さにうっとりする。唇を鼻筋から下へ滑らせた。呼吸が触れたと思った瞬間に
唇と唇が重なる。アベ君の唇はいつも乾いて柔らかい。
「可愛がってやるからさ、髪放せよ」
唇を合わせたまま、アベ君が言う。声の振動が直接体に入ってくる。
「何、珍しいな、しゃぶってくれんの?」
「チバがギターになったら困るし」
力を抜いた指の間から滑らかに髪の毛が逃げた。床に膝をつき、くるりと俺に向き直ったアベ君が
背中を伸ばして俺の顔を覗き込む。微かな媚びを含んだ目付きは、多分わざとだ。
「俺は、チバの横で、ギターを弾きたいんだよ」
アベ君は、俺を殺すフレーズを心得てる。ギターとはセックスもできねえしな、って囁いた唇を
赤い舌がぺろりと舐める。口の中に戻りかけた舌を追いかけるように唇を合わせた。初めから
舌を絡め合うキス。アベ君が子犬みたく鼻を鳴らす。俺の膝を掴んだ長い指にぎゅっと力がこもる。
「しゃぶんなくていいからさぁ」
唇が離れた隙に痩せた体を抱き寄せて俺は言う。ソファに片膝を乗り上げて、アベ君が僅かにとろりと
した目を俺に向けた。
「今すぐあんたに突っ込ませてよ」
前戯なんていらないよ。あんたを独り占めできるなら。
291名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:19:51 0
濡れた唇がきゅっと柔らかな弧を描く。ギター掻き鳴らす雄弁な長い指が俺の首を引き寄せる。
ごつごつと骨の突き出た柔らかみの欠片もない体をぴったり合わせるのがこんなに気持ちいいことなんだって、
俺に教えたのはアベ君だ。シャツの襟元から覗いた首筋に齧りつくように歯を立てた。こいつを失ったら
俺はきっと気が狂う。他の誰にも触らせたくねえ。体を捩って痩せた体をソファの上に押し倒した。
男二人にソファは小さすぎて、もつれるようにして俺たちは床に落ちる。その間も、合わさった胸は離れない。
互いの体に絡みついた腕も。額に額を擦りつけ、鼻先をくっつけて見つめ合う。俺は真剣だってのに、
アベ君はまだにやにや笑ってる。そういう余裕ぶった表情が好きだと思う俺は、とうに気が狂ってるのかも
しれない。背中に回されたアベ君の指が俺のいじけた背骨を辿る。ギターの弦を押さえるのと同じ指が
体に触れてるって思うだけでたまらなくなる。こいつは俺のもんなんだって世界中に喚き散らしたい。
まるごと全部、俺のもんなんだって。
テレビの音は砂嵐のノイズに変わっている。朝はまだ遠いけれど、急いてしまう手を止められない。
アベ君の体を床に押さえつけるようにしてくっついた胸を引き剥がし、黒いシャツを乱暴にたくし上げた。
外気に触れた肌が薄く鳥肌を立てる。肉のない腹に、痕が残るくらいきつく噛み付いた。縄張りに
マーキングする犬みたく、俺はアベ君の体に痕をつける。痛みをこらえるように低く呻いて、だけどアベ君は
俺のやり方に文句を言ったりしない。どんな抱き方をしても、仕方ねえな、って顔で俺を許す。
どこまで許されるのか、俺は確かめたいのかもしれない。白い肌にくっきり刻まれた自分の歯型を舐め上げ、
舌先を胸に滑らせながらベルトのバックルに指を掛ける。軽く腰を上げて、アベ君が俺の手を助ける。
細いジーンズを下着ごと膝まで引き下ろし、前には触れないまま、指先を奥の方へ潜り込ませた。
女と違って濡れない穴を中指で強引に抉じ開ける。中途半端に絡みついた衣服のせいで脚を開けないのが
苦しいのか、唇で触れたアベ君の胸が大きく喘ぐ。構わず、指を根元まで一息に埋め込んだ。
「っ、あッ!」
アベ君が悲鳴を上げて俺の髪を掴んだ。背骨の辺りがぞくぞくした。舌先で嬲られてつんと尖った乳首に
歯を立てて齧りつく。反射的に背中を捩って逃げようとする体を引き戻し、ぐっと顎に力をこめた。
ぷつりと皮膚の破れる感触がして、口の中に鉄臭い味が広がる。俺の髪を掴んだ細い指がひくひくと
痙攣した。頭を振って縋る指を払いのけ、体を起こしてアベ君の顔を見下ろす。薄く開いた目が真っ直ぐ
俺を見つめ返す。
292名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:20:23 0
「痛い?」
穴に突きたてた指を捻りながら囁いた。くっと息を詰まらせて、アベ君が唇を噛む。鋭い目が微かに潤んでる。
だけど、視線は逸らさない。俺の目を見つめたまま、はっきり首を横に振る。
泣けばいいのに、と思う。痛い、やめろ、と泣き喚いてくれたらいい。そしたら俺だって、こんなひどいことを
しないですむ。ごめんね、って優しくキスとかしてやれる。勝手なことを言ってるって、わかってるよ。
アベ君の想いの深さを、こういうやり方でしか測れない俺が、全部悪い。俺は不安でどうしようもないんだ。
いつかアベ君が俺を捨ててどっかに行っちまうんじゃないかって、想像するだけで泣きそうになる。
アベ君はどんな抱き方をしても文句を言わない代わりに、自分から欲しがることもしない。あれをして、
これをして、って俺にねだることがない。それが余計俺を不安にさせる。アベ君はいつも淡白でフラットだ。
たまには余裕をなくして欲しいのに。自分の欲望をさらけだして欲しいのに。冗談みたく笑うんじゃねえよ。
必死になってる俺をアベ君の手が優しく甘やかすたび、胸の中に疑念が満ちる。
俺はアベ君を満足させてやれてるんだろうか?
俺が想ってるのと同じくらい、アベ君は俺のことを想ってくれてるんだろうか?
ギターに、なりたいな、と本気で思う。そしたらこんなことは考えず、アベ君の手で思う存分音を出せる。
入り口付近まで引き抜いた指を、2本に増やしてもう一度深く埋めた。うっすらと口を開いて、アベ君が
浅い呼吸を繰り返す。血の滲んだ胸にそっと唇を落とした。ぎゅうぎゅうと締め付ける内壁を押し開くように
指を動かしながら、胸の突起を舌先でねぶる。錆びた鉄の味がしなくなるまで。充血した先端を
押し潰すようにすれば、アベ君は喉を鳴らして背中を反らす。伸びてきた指が俺のシャツを握り締める。
耳障りなノイズに混ざる忙しない息遣い。
「挿れたい」
肋骨の凹凸に鼻先を擦り付けて、呻くように言った。
「挿れていい?」
ローションも使わずに強引に捻じ込んだ指では、狭い穴を十分に解すことなんてできない。このまま
突っ込んだって痛いばっかりだ。いつからだろう、アベ君とのセックスが、快感を追うものじゃなくなったのは。
「ん、いいよ」
つむじのあたりに掠れたアベ君の声が落とされる。駄目だよ、アベ君、そうやって何でも許すから、俺は
俺を止められなくなる。
293名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:21:04 0
乾いた内壁を辿ってた指を引き抜いて、薄い肩を掴み、捻るようにしてアベ君の体をひっくり返した。
ジーンズが纏わりついたままの脚を折り曲げて、腰を高く上げさせる。まくれ上がったシャツから覗く
白い背中の、くっきりした背骨のくぼみが綺麗だと思った。手早くベルトを引き抜き、ジーンズの前を開ける。
気持ちのいいことは何一つしていないのに、俺の性器は痛いくらい張り詰めてる。一秒でも早くアベ君の
中に入り込みたくて、頭がおかしくなりそうだった。まだ硬いままの穴に先端をあてがう。床にこめかみを
押し付けて目を閉じたアベ君が、ゆっくり息を吐いて力を抜く。挿れるよ、って確かめるように呟いて、
返事を待たず腰を進めた。
「う、ぁあ、ああっ」
食い縛られてた薄い唇が開き、震えた悲鳴を吐き出した。細い指が床に爪を立てて間接を白くする。
苦しげな横顔を見下ろしながら、俺はアベ君の体に欲望を埋め込む。張り出した部分を捻じ込んだ
瞬間、引き攣れた皮膚が破れる感触がした。ぬるりとした体液が陰茎に絡む。
「痛い?」
もう一度、聞いた。苦痛で歪んだ目が俺を見る。汗ばんだ頬に黒い髪が幾筋か張り付いていた。
開かれた唇は何も言わずに引き結ばれ、緩く振られた頭だけが、俺の問いかけに対する答えだった。
ぎちぎちと絡みつく粘膜を抉じ開けて、痩せた体を奥まで犯す。唇を噛み締め、悲鳴を押し殺し
ながら、アベ君が俺を許す。息苦しくて、眩暈がした。腰を動かすたび、アベ君はくぐもった声を漏らす。
切れた皮膚から溢れた血液が、皮肉にも抽迭を容易にする。
「アベ君」
上がった呼吸の隙間に名前を呼ぶ。這い蹲った体の前に腕を回して、まだ萎えたままのアベ君の性器に
指を絡めた。痛いばっかでごめんな。気持ちよくさせてやれなくてごめん。でもね、ほんとは俺だってこんなセックス
したくないんだよ。二人で気持ちよくなりたいんだよ。
294名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:21:34 0
「アベ君、好きだよ」
俺を咥えこんだ部分がひくひくと痙攣する。好きだ、とうわごとみたく繰り返して、シャツの襟から覗く肩口に
噛み付いた。言ってることとやってることが、正反対だ。柔らかな皮膚に歯を立てたまま、打ち付けるように
腰を遣う。俺の下で、細い体ががくがくと揺れる。むちゃくちゃに擦り立てたアベ君の性器が手の中で
じわり熱を孕んで膨らんでいく。心臓が破裂するんじゃないかって思った。根元まで突っ込んでも、
まだ足りない。アベ君の中にもっと深く潜り込みたい。二度と離れられなくなるくらい。
「ん、チバ・・・チバっ!」
俺を呼ぶ声を聴いた瞬間頭の中が白くなって、傷ついた穴の中に濁った欲望を吐き出した。

ぱちん、ぱちん。静けさを取り戻した部屋に弾けるような音が落ちる。床の上に座り、アベ君の体を
後ろから抱え込んで、掴み上げた手の爪を丁寧に切っていく。ぱちん、ぱちん。たいして伸びてないそれを、
切りすぎないように気をつけながら。ネックを余裕で握る長さと弦を押さえるのに最適な細さ。
アベ君の指はギターを弾くために作られてる。俺の胸に背中を預けて、アベ君は眠そうに欠伸を
噛み殺す。シャワーを浴びた髪からはいい匂いがした。顎を引いて視線を下ろせば、華奢な首の
付け根に、蚯蚓腫れになって残る俺の噛み痕が見える。ぱちん。左手の小指の爪を切り終わって、
爪切りを置いた。それから、骨張った手を両手で握り締める。
「アベ君」
「・・・ん?」
「もう、終わりにしよっか」
呟いて、傷の浮いた肩口に顔を埋めた。腫れ上がった皮膚に唇を押し当てる。
「何、お前急に」
体を捩って振り返ろうとするのを、両腕で抱き締めて阻んだ。セックスなんてしなければ良かった。
そしたら、アベ君の隣で歌ってるだけで、満足できたのに。男同士でもぴったり体を繋げられるって
知ったせいで、俺は自分の執着を抑えられなくなった。フローリングの床に、血痕が残ってる。
このままいけば、俺は多分もっとひどいことを、アベ君にしてしまう。だから。
「終わりにしよ」
295名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:22:06 0
腕の中の体が強張って、でもアベ君はもう振り返ろうとはしなかった。これ以上俺はアベ君を
傷つけたくねえんだよ。何したって、アベ君は怒らない。だけど、俺が、耐えられない。アベ君を傷つけずには
いられない自分を、許せない。
俺の我侭をいつだって、いいよ、って受け止めてくれるアベ君が、このときは口を開かなかった。
ただ黙って、俺に抱き締められたまま体を硬くしてる。少しだけ、期待した。自分から別れを切り出したくせに、
終わりにしたくねえって、言ってくれんじゃないかって。未練がましい期待は沈黙に裏切られる。
最後まで、俺とアベ君の関係は変わらない。アベ君は俺の要求を拒絶しない。
腕を解いて立ち上がった。カラフルな部屋の中でぽつんと黒いアベ君の姿がやけに小さく見えた。
「チバ、ごめんな」
掠れて消えそうなアベ君の声に、それは俺の科白だろって笑おうとして失敗する。俺が欲しいのは、
そんな言葉じゃない。わかってんだろ?わかってるから謝んだろ?だったらさ、嘘でもいいから言ってくれよ。
俺が欲しい、って泣いてくれよ。
噛み締めた奥歯がぎり、と音を立てる。ソファに放り出されてたかばんを手にとって、玄関に向かう。
追いかけてくるものは何一つなかった。
ドアを開けてエレベータに乗り込み、マンションのエントランスを横切って外に出る。
空が白み始めていた。月は、見えない。ぽたり、足元に雫が落ちて、雨かと思ったらそれは俺の涙だった。
明日俺はいつもどおり遅刻してスタジオに行くだろう。そんな俺を、アベ君はいつものように涼しげな顔で
迎えるんだろう。深く息を吸って拳で顔を拭った。嗚咽を押し込められた肺がぶるぶると震えた。
ねえ、アベ君、俺はアベ君のことを、ずっと愛してるよ。
296名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:22:37 0


つぎでさいご


297名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:23:08 0
「アベさんって何でチバさんと別れたんですか?」
唐突な問いかけに、半分眠りかけてた俺は目を開いて質問の主を見た。
ソファに転がった俺の斜め下、床に敷かれたラグに座り、来る途中で買ってきたらしい
音楽雑誌をおとなしく読んでいたハルキは、全く悪意のない顔で俺を見上げている。
偶然知り合った年下のベーシストは、肝が太いんだか鈍感なんだか、とにかくたまに
ぎょっとするような言葉を口にして、俺を驚かせる。普段年上に囲まれてるせいか、俺と
いても全く気負ったところを感じさせなくて、その落ち着いた雰囲気が気に入ってはいた。
妙に気を遣われると、こっちだって居心地が悪い。だけど、いったい何なんだ、その質問は。
「何だよ、いきなり」
「だってアベさん、チバさんのことまだ好きでしょ?」
「好きだよ」
あっさりと答えた俺に苦笑して、ハルキが膝を抱えた足元に雑誌を置く。
「じゃあ何で別れたんですか?」
むっとして睨みつけても、こいつにはあまり効果がない。重く被さった前髪の下、整った
鼻筋と唇は怯えの色もなく、不機嫌な俺と真っ直ぐに向かい合う。こうもずけずけと聞かれると
質問の無遠慮さに苛立つのすら馬鹿らしくなる。
「俺がふられたんだよ」
言って、これで満足か?ってふうに笑ってやると、ハルキは怪訝そうにちょっと首を傾げた。
「アベさん、浮気したんですか?」
一瞬呆気に取られて、それから思わず吹き出した。
「するか、馬鹿。人を尻軽みてえに言うんじゃねえ」
頭を乗せていたクッションを引っ張り出して投げつける。器用にクッションをキャッチして、
だって俺とは会ったその日に寝たじゃないですか、って不思議そうな口調で言う。
まあそれはそうだけど。だからって誰とでも寝るわけじゃない。事務所でこいつと出会ったとき、
チバに似てると思った。体つきとか全体的な雰囲気が。こうして一緒に過ごしてみると
性格とかはあいつと全然違うんだけど。あのときはただチバに似てる、って思って、たまらなくなった。
298名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:23:39 0
こいつが今、チバの隣にいるんだと思って、やりきれなくなった。だから寝た。ちょうどその日
随分と久しぶりにあいつから連絡があって、電話越しのやけに事務的な口調がむかついたから、
あてつけの意味もあったかもしれない。今更俺が誰と寝ようと、あいつには関係がないんだろうけど。
セックスを続けているのは、単に居心地が良かったからだ。ハルキは必要以上に俺を構ったり
生活に口を出したりしてこなかった。納得ずくの遊びの関係。誰が相手でも、俺は深いとこまで
嵌りこむのはもうごめんだったから。
膝を倒して腰を曲げ、クッションを抱え込んだままこっちに向き直ったハルキが、ソファに寝そべる
俺の腹に頭をもたせかける。
「何でチバさんはアベさんをふったんですか?」
どうしたんだ、こいつ。今日はやけにしつこいな。普段あまり俺の内側に踏み込んでこない奴なのに、
誤魔化すのを躊躇うような真剣な口調で問いかけてくる。
「そんなの、チバに聞けよ。チバが別れるっつったんだし」
「アベさんは、でも別れることに同意したんでしょ?」
じゃあ理由があるはずじゃないですか、ってハルキが続ける。手を伸ばして長く伸びた前髪を
かき上げた。どことなく眠そうな目が俺を見つめている。
「ん、そうね、チバが辛そうだったからかな」
男同士の関係なんて、なんの保証もない。結婚なんてできないし、勿論子供もつくれない。
だから俺はチバを安心させてやりたかった。あいつが望むことなら何でも受け入れたし、自分の
要求を押し付けることもしなかった。そもそも、俺がしたいことは、あいつがしたいことだった。あいつが
俺の隣で楽しそうに笑っててくれれば、それでよかった。でも、俺の力じゃチバを満たしてやることが
できなかった。俺は必死だった。二人きりで過ごすたび、次第に辛そうな顔を見せるようになったあいつを
どうしたら安心させてやれるのか、そればかりを考えた。チバが俺に満足して幸せに笑ってくれるなら、
俺は魂くらい簡単に売っ払っただろう。
299名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 02:25:17 0
「あいつ、噛むんだよ」
「え?」
「セックスんとき。すっげえ痛くてさ」
思い出してちょっと笑いそうになって、だけど笑い声は中途半端に萎えて切れた。
「噛むのはいいんだけど、その後あいつのが泣きそうな顔すんだよ」
俺の腹に頭を預けたまま、ハルキは黙って俺の言葉に耳を傾ける。俺は何を話してるんだ、年下の、
しかも遊びでセックスする相手に。思いながらも、垂れ流し始めた言葉は止まらない。
「泣きてえのは俺の方だっつーの」
冗談めかした口調に、だけどハルキは笑わなかった。俺が前髪をかき乱したせいで露わになった目が
何か考え込んでるような色を浮かべている。
「寂しかったんじゃないですかね」
「誰が」
「チバさんが」
ぽつりと落とされた言葉に、口を噤んでハルキの顔を見返した。冗談を言っているふうではなかった。
「アベさんって、チバさんにはかっこつけてそうだから」
「どういう意味だよ」
「だって、今もチバさんのこと好きなのに、自分から連絡したりしないでしょ?」
別に、格好つけてるつもりは、なかった。俺から連絡を取ることがどうしてできる?チバが、俺に会いたがるとは
思えない。それくらいひどい顔をしてた。ハルキは、あのときのあいつを見ていないから、簡単に言えるんだ。
頭に浮かんだ苦しげな表情を振り払うように顔を伏せた。視界に節の高い指が伸びてきて、俺の前髪を
掬い上げる。本当は、チバに会いたかった。別れたくなんてなかった。だけど俺の存在がチバを苦しめるなら、
俺は俺の存在を消すしかない。
「チバさん、多分まだアベさんのこと好きですよ」
妙な確信をもった言葉に、俺はきょとんと前髪に覆われた顔を見返す。細っこい腕が床に置かれてた
雑誌を取り上げて俺の顔の前に差し出す。
「ほら、アベさんほど正直なやついない、だそうです」
300ゴバックバボンハウス!:2008/02/08(金) 02:25:42 0
チバ、という文字にまず心臓が小さく跳ねて、それからハルキの指した箇所を読んで、仄かに胸の
辺りが暖かくなった。これすっごい殺し文句ですよね、って笑い混じりの声が言う。
「どこがだよ」
誤魔化すように言って小さく笑えば、雑誌が引っ込んで、代わりにむく犬のような頭がひょいと
俺の目の前にくる。
「だってアベさんは俺には嘘吐きじゃないですか」
ちゅ、と音を立てて唇と唇が触れる。
「今度、ライブ見に来てくださいよ」
俺を見に、ね。ハルキがにやりと口元を歪めて言った。
くしゃくしゃと頭を撫でられて、不躾な手に不思議と怒りは感じない。見に、行こうかな、と思う。
あいつは今どういう顔でステージに立ってるんだろう。見てみたい気がした。相変わらず、かっこいいんだろうな。
「アベさん、チバさんのこと考えてる」
「うん」
「今は、俺のこと考えてください」
なんだよそれ、って笑うと、シャツの前を開けられて胸にキスを落とされる。
「セックスのときだけは、俺のこと考えててください」
「考えてるよ」
「嘘吐き」
チバと同じような体格の体が圧し掛かってくる。電灯を背に逆光になったシルエットを見上げた。
筋張った首にぶら下げられたペンダントが目の前で揺れる。ハルキの体を抱き寄せながら、
目を閉じた。俺は、チバにも嘘吐きだったんだよ、ハルキ。あのとき、ほんとは泣いて縋りたかったのに、
部屋を出る背中を黙って見送ることしかできなかった。俺はどうすればよかったんだろう。
今更、考えたところで遅いんだけど。
ハルキの指がするすると体の上を滑っていく。ああ、俺は最低の嘘吐きだ。生温い吐息を漏らしながら
噛み締めた自覚はひどく苦い味がした。
301名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 03:50:14 O
すべての話は繋がっていたのか!
すごいっすよ神!
チバとアベがお互いに片思いというか、重ならない両想いというか
みんなそれぞれが苦しい想いを抱えてて切なくて萌えた
直球∬´ー`∬いいな〜

夢中で読んでる最中、しばらく鯖落ちて悲しくなったw
302名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 04:36:58 O
ヒィヒィバボ神乙です!
神大作だ…!(*´Д`)
アベの想いもチバの想いもセツナスなぁ……読みながら泣きました
続きもいい子にして待っておりますノシ
303名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 07:05:41 O
 
304名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 14:51:31 0
涙出たー!感動しました。
305名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 16:19:36 O
うわぁぁぁ………
ほんと切ない…なんて不器用なんだよ二人とも…
ハルアベから続いていたとは!
これは完結?
どっちにしろ神マジGJです!!!!
306名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 05:23:16 0
チバ×アベ=俺内で永遠の大王道。

ネ申よ ありがとう!!!!!!!!!!
307名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 03:47:56 O
  [   =]*`皿)))ハァハァウエノ空気嫁
  /  つ つ 大丈夫 今誰もいないから
(( (_(_ ノ ノ 
  し∪ ∪


Σ[=.・з・]`皿´)!
  /  つ つ
  (_(_ ノ ノ
  し∪ ∪


……[=.・з・]´皿)アアン
  /  つ つ
(( (_(_ ノ ノ
  し∪ ∪
308名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 08:10:13 O
  (・∀・)←住人
つ[どうぞ続けて]⊂
309ちょっとだけ:2008/02/14(木) 11:17:39 0
がたん。ごとん。
走る電車の振動に合わせて体が揺れる。硬い椅子に腰掛け窓の外を流れる景色を
眺めながら、ぼんやりと手を握り締めた。感覚の鈍い指先に、まだ、ウエノの体温が
残っているような気がした。俺の体を抱き寄せた、細くてしなやかな腕の感触。どういうつもりで、
ウエノは俺に触れたんだろう。重たい頭を俯けて、ゆっくり開いた掌を見た。寂しかった。
ついさっき後にしたばかりの穏やかな部屋に、戻りたかった。空っぽの掌に顔を埋める。
一晩中考えて、それでも答えはでなかった。ただ、あの部屋に居続けるわけにはいかなかった。
もし、あの男が脅しを実行に移したら。ウエノがあの男の口から、俺の浅ましい過去を知ったら。
俺はどんな顔をしてウエノに会えばいい?俺のやってきたことを知っても、ウエノはまだ俺に、
行くな、って言ってくれるだろうか。昨夜から一睡もしていない頭が鈍く痛んだ。
一ヶ月という時間を過ごして、俺とウエノの間には確かなつながりが、生まれていた。
言葉には上手く表せないけれど、そこには何らかの感情があった。しかも、縋りついて放したく
なくなるようなとびきり心地いいやつが。それを、誰かにぶった切られるのは、我慢できなかった。
だからといってウエノに切らせるのも、嫌だった。いつだってそうだ、捨てられるより捨てるほうが
きつい。だから俺から終わらせなきゃいけない。自分の意志で、あの暖かな部屋を出なくちゃ
いけない、ウエノが俺の過去を知って苦しむ前に。あいつは、どうしようもなく優しい奴だから。
電車の揺れが間遠になって、アナウンスが耳慣れた駅名を告げる。
足元に置いたギターケースを手に取り立ち上がった。吊革を潜り、開いたドアから一歩
踏み出す。たった一ヶ月ぶりだってのに、随分懐かしい感じがした。ホームに立って
ぐるりと周囲を眺め回す。どこもかしこも色褪せてくすんで見えた。いつもなら気にならない
ギターの重さが腕に辛い。のろのろと改札を潜り慣れた道を辿る。俯いた首が痛い。
歩を進めるたび脚の関節が軋む。もう息をするのも面倒だ。だけど、それは全て自分の
行為が招いた結果だった。こんなんじゃ、泣くことすらできやしねえ。自嘲した瞬間、逆に
涙が零れそうになって唇を噛んだ。こんなとこでめそめそしてたって誰も慰めちゃくれない。
だいたい、俺は誰かに慰めてもらえるような人間じゃない。
310名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:18:11 0
体は鉛のように重かったけど、一度歩くことをやめたら、もう二度と俺は足を踏み出すことが
できないだろうって、わかってた。逃げることはできなかった。ようやく見つけた最高のバンドを、
諦めるのは嫌だった。俺があいつのとこに戻れば、何もかも上手く行く、って何度も自分に
言い聞かせる。そうすればバンドは続けられる。あいつらの横でギターを弾ける。
なめくじみたいなスピードで歩いたのに、目的地に辿り着くのはあっという間だった。
気を抜けば地面に根を張って動かなくなりそうな足を引き摺って、マンションのエントランスを
横切りエレベータのボタンを押す。ずっとエレベータが来なけりゃいいのにって馬鹿なことを
思った。行きたくない会いたくないウエノのところに帰りたい温かい飯を食って眠りたい。
その全ての欲求を裏切って、俺は狭い箱に乗り込む。ボタンを押して扉が閉まった途端、
言いようのない絶望感にしゃがみこみそうになる。帰り道は、もうない。呆然として、
一つずつ右に移動してく階数表示を見上げた。いや、違う。最初から俺はここに帰ることに
なってたんだ。男に抱かれたあの日から。ウエノの傍に、俺の居場所はない。
エレベータが止まって、静かに扉が開く。まだ、歩くことはできた。とんでもなく惨めで
苦しかったけど、脚は動いた。終わらせなきゃいけない。胸の奥で呟きながら、黒く塗られたドアの
前に立つ。インタフォンに指を掛けて、もう一度呟いた。終わらすんだ。
ドアの向こうで遠く呼び出し音が鳴る。ただ、元に戻るだけだ。バンドがある分、前よりずっと
マシじゃねえか。俯いた視線の先で銀色のドアノブがぐるりと回る。残った力を振り絞る
ようにして頭を上げた。惨めったらしく項垂れてる姿を、男に見られたくなかったから。
開いたドアの隙間から、寝惚けた表情の男がゆっくり顔を覗かせた。立ち尽くす俺を
爪先から頭のてっぺんまで確かめるようにねめつけて、ドアを大きく押し開く。
途端にこみ上げてきた違和感に、俺はついに一歩も動けなくなった。ここまで来たってのに、
どうしても最後の一歩を踏み出せない。この一ヶ月、俺はいつもウエノの、おかえり、と
いう声に迎えられてきた。ドアを開くと、いつだって暖かな匂いがした。ここには、それがない。
違う、と頭の中で声が響く。溜め込んでいた息を吐いて、俺は半歩後ろに退いた。
311名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:18:41 0
「どうした?」
怪訝そうに目を細めて男が口を開く。強張った喉はまだ上手く言葉を音にできそうになかったから、
黙って首を振った。そう、違うんだ。終わらせなきゃいけないのは、ウエノとの生活じゃない。
腐りきった自分の過去だ。昨日の夜、ウエノは言った。追い詰められたような必死な顔で、
俺が信じられないのか、って。俺は何も言わなかった。言えなかった。そうして今ここにいる。
ウエノの信頼を裏切って。俯きそうになる自分に必死で抵抗する。元に、戻ったら駄目だ。
目を逸らして肩を竦め流されるまま生きるんじゃ、先がない。俺はあいつらと一緒に行きたい。
先に広がるものが、見たい。過去を、引き摺ってたら追いつけない。そういうスピードで
あいつらは転がってる。
「戻ってきたんじゃねえのか」
低められた男の声に、もう一度頭を振った。
「戻んねえよ」
押し出すようにして言葉を口にした瞬間、ふわり体が軽くなるのがわかった。呆れたように男が
溜息を吐く。
「意地張るなよ、メンバーには話してないんだろ」
脅しに、恐怖はもう感じない。
「お前が男のヒモやってたって、知ったらどう思うんだろうな?」
「あんたには、感謝してる」
神経にこびりついたウエノの温もりが、優しく俺を落ち着かせる。僅かに見開かれた男の目を
見つめて、手に提げていたギターケースを差し出した。
「・・・なんだよ、これ」
「俺にはこれしかないから」
そのまま立ち去ることもできた。覚悟は、できていたから。だけど、それはフェアじゃねえ。
俺が男を頼ってたことは確かだった。こいつがいなければ東京での生活を続けていくことは
できなかった。広島に帰っていたら、今のバンドと出会うこともなかった。頭の悪い俺でも
それくらいはわかる。関係を終わらすためには、けじめが必要だった。ギターケースを見下ろしていた
男がゆっくりと顔を上げる。苛立った視線を受け止めて、息を詰める。
312名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:19:12 0
「口止め料のつもりか?」
「違うよ」
「じゃあ、手切れ金か」
少しだけ考えて、うん、そうかな、って返した。手切れ金、っていう言葉の持つ生々しさに
気圧されたりはしない。文字通り、俺は今過去を清算しようとしてるんだから。
男に差し出せるものを、俺は他に何一つ持っていなかった。ギターと、それを弾く2本の腕だけが
俺の財産だった。俺はバンドマンだから。今も、そして多分、これからも。ギターを売って上京した頃のことを
思い出す。ボストンバッグ一つだけを持って先なんか全く見えなくて、だけど俺は自由だった。ギターを買うために
飯も食わずにバイトして、いつも腹を空かせてたけど楽しかった。それは、バンドがあったからだ。
使い込んで手に馴染んだギターは体の一部のようなもので、容易く手放せるもんじゃない。
片方の腕をぶった切られるくらい辛い。それでも、俺は前に進まなくちゃいけない。
故郷の駅を出たあの日のように。
罅割れたガラスみたいな沈黙の後、静かな廊下に微かな舌打ちの音が響く。
「いらねえよ」
俯いて先に視線を逸らしたのは、男の方だった。
「んな安ギターいるかよ」
がしがしと片手で寝癖のついた頭を掻き毟りながら、男が忌々しげに吐き捨てる。
「そいつはお前が持ってるから意味があるんじゃねえか」
言葉に横っ面を殴り飛ばされた気持ちになった。
男の手が、ドアから離れる。狭まっていくドアの隙間から、棘の抜けた声が俺を追い払う。
「もう二度と顔見せんな」
男と会ったのは、それが最後だった。

ベンチに腰掛けた俺の目の前を電車が通り過ぎていく。開いたドアがぽつぽつと人を吐き出し、
新たな乗客を吸い込んで閉まる。自販機で買った缶コーヒーは手の中で温まって、べたべたした
砂糖の甘さが気持ち悪かった。男のマンションから駅まで、どこをどう歩いてきたのか記憶がない。
膝の上に載せたギターケースを抱き締めた。緊張の糸が切れてぼんやりした頭に、ゆっくり思考が
戻ってくる。帰ろう。中身の残ったコーヒーをゴミ箱に放り込んだ。帰ろう。帰る場所があるのかは
知らない。帰るべき場所がどこなのかもわからない。だけど、帰りたい場所は、あった。
313名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:19:44 0
やってきた電車に乗り込み、ドアの脇にもたれて目を閉じる。規則正しい振動に身を任せ、
ウエノのことを想った。手を握り締めた細い指や、体を抱き寄せた温かな腕の感触。
色の薄い目が優しく歪む笑顔が好きだった。笑いかけられるとついこっちまで微笑んでしまうような。
ウエノには、笑っていて欲しい。俺のことなんかで苦しんで欲しくない。だけど、ウエノは俺に、
行くな、と言った。俺がどんな人間でも構わないと、言ってくれた。その言葉を、俺は信じる。
電車を下りた脚に迷いはなかった。見上げた空は夕暮れの赤に染まっている。
繁華街をしばらく行って右に曲がりちょっと細い路地に入れば、目的地はすぐそこだ。
白い壁のそう古くもないマンション。鍵は、持ってる。部屋を出るとき郵便受けに放り込もうとして、
できなかったから。俺の手に小さな鍵を握らせて笑ったウエノの顔が脳裏にちらついて、
戻らないつもりだったのに鍵だけはポケットに入れたままだった。バンドの練習で顔を合わせたときにでも
返せばいいか、って自分に言い訳をして。ちっぽけな鍵ひとつでも、ウエノと俺を繋ぐものが
なくなっていくのは、怖かったから。
かちり、と鍵穴が回る。開いたドアの向こうに人の気配はない。バイト、行ってんだな。
仄かに漂う煙草の匂い。いつも通りの空気に、昨夜からの出来事が全部夢だったんじゃないかと
思う。ブーツを脱いで部屋に上がる。短い廊下を通り過ぎ、リビングへ。崩れたまま放置された
酒瓶や空き缶の山。俺がいなくなっても、ウエノにはいつも通りの日常があったんだろうか。
ギターケースを、部屋の隅、ベースの横に並べて置いた。それから、崩れた酒瓶や空き缶を
もう一度積み上げる。昨日まで、あったように。ウエノは自分の部屋を指して、ほんとゴミしか
ねえよな、ってよく自嘲してたけど、俺にとっては違った。ここには俺の欲しいものが何もかも
揃ってた。暖かな寝床と旨い飯と綺麗に洗濯された服。そして何より、ウエノがいた。
最後の缶を積み上げ終わって、ごろりと床に体を伸ばす。
ウエノに、会いてえな。
フローリングの床が体温を吸い取って温まっていくのを感じながら目を閉じた。
静かな部屋に俺の呼吸音だけが響いていた。

314名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:20:14 0
意識の隅を微かな金属音が掠める。目を開けた途端、墨で塗りつぶしたような暗闇に
自分がどこにいるのかわからなくてほんの僅か混乱する。床の上に転がったまま、どうやら
うとうとしていたらしい。こんなとこで寝たらまたウエノに叱られるな、って思った次の瞬間、
がしゃんとドアの閉まる音が夜に不似合いなボリュームで響いた。続いて騒々しい足音と共に
リビングの扉が押し開かれ、天井の電灯が点灯する。網膜を貫く光に目を細めた。
白く飛んだ視界にゆっくり色が戻ってくる。ぼんやりとしたシルエットが、見慣れたウエノの姿に変わる。
自然と笑みが浮かんでいた。驚いた顔で目を見開いたウエノに、いつもの言葉を口にする。
「おかえり」
ウエノが、深く息を吐くのがわかった。顔を伏せて目を閉じ、それからもう一度確かめるように
俺を見つめて、馴染みの薄い不器用な笑顔を浮かべる。
「ただいま」
久しぶりに、ウエノの声を聴いたような気がした。そのまま、床に寝そべった俺の傍まで歩み寄り、
長い脚を折りたたんでしゃがみこむ。ブーツは、履いたままだった。手を伸ばして、綺麗に結ばれた
靴紐を引っ張った。ぱらりと解けた結び目に、ウエノが照れたように目を伏せる。
「床で寝たら体痛めるよ」
「うん」
膝を引き寄せて上体を起こし、ぺたりと床に座り込んでウエノの顔を見上げた。節の高い指が伸びてきて
乱れた前髪を丁寧に梳き下ろす。何度も、何度も。
「・・・なんだよ」
「帰ってこないかと思った」
優しすぎる手つきにきまりが悪くなって笑おうとした俺は、ウエノの言葉に口を閉じた。
ああそうか、ってやっと気付く。俺にとってウエノの存在が日常になってたように、ウエノにとっても
俺の存在は日常だったんだな。肌に馴染んだお互いの存在。それはどんなにもがいたって一方的に
断ち切れるもんじゃなかった。
「ごめん」
「ん、いいよ」
315名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:20:45 0
前髪から手を離し、ウエノが立ち上がった。床掃除しなきゃな、って言いながら玄関に行ってようやく
ブーツを脱ぎ、戻る途中で冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを抜き取る。口を開け一気に半分近く
煽ったそれを無言で俺に差し出した。俄かに喉の渇きを意識して、受け取ったボトルに口をつける。
しおれて死にかけてた細胞が甦ってくような気がした。ウエノは俺以上に俺の感情を、欲望を、
正確に察知してくれる。それが嬉しくて、切ない。飲み干したボトルを積み上げた缶の上にそっとのせた。
しんとした静寂が落ちる。待たれてる、ってのは感じてた。俺が口を開くのを、こいつは待ってる。
ソファの肘置きに腰を掛けて穏やかに俺を見つめるウエノは、今までだってずっと俺を待っててくれた。
「ウエノ」
はっきり音を刻むように、名前を呼ぶ。色の薄い目がゆっくりと瞬く。蒸し暑い夜の空気を吸い込んで、
吐き出す息を声に変える。
「話が、あるんだ」
もたついては途切れ時折不親切に前後する俺の話に、ウエノは一言も口を挟まず黙って耳を傾けた。
中途半端な相槌なんかよりも、じっと俺を見つめ続ける二つの目が俺の口を滑らかにする。
話し終わるまで随分と時間がかかったけど、ウエノは決して視線を逸らさなかった。俺の言葉を受け止めて、
だけどその目はやっぱり、いつもの優しさを湛えたまんまだった。
「黙ってて、ごめんな」
これだけ俺のことを信頼してくれてる相手を裏切って逃げようとした自分を、心底恥ずかしく思う。
ウエノが小さく頷いて、それからふっと柔らかな笑みを浮かべた。
「話してくれて、ありがと」
もしかすると、こいつは俺の事情に薄々気が付いていたのかもしれない。だけどもうそれはどうでもいい
ことだった。全てを吐き出して、だけど俺たちの関係は壊れなかった。それだけが、俺にとっての真実だ。
床に膝をついて屈み込んだウエノが、俺の顔を覗き込んで口を開く。
「俺もね、アベ君に話したいことがあんだよ」
深刻なその口調に、首を傾げた。こいつの言うことなら、なんだって受け入れる自信がある。
こいつが俺を受け入れてくれたように。無言のまま、近い距離にある茶色い目を見返すと、ウエノは
照れたように苦笑して顔を俯けた。
「なに?」
「ん、なんかそういう顔で見られると、話し辛い」
らしくないな、って可笑しくなる。話せよ、って笑いながら、手を伸ばして滑らかな頬を指先で引っ張った。
316名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:21:16 0
「言いかけてやめるっての、なしだろ」
「心の準備、させてよ」
上体を反らして、ウエノが俺の指から逃げる。タイミングを合わせて綺麗に張った肩を突き、向かい合う体を
床に押し倒す。腹の上に跨って見下ろした顔はぽかんと間抜けに口を開けている。
「俺の勝ち。正直に言え」
プロレスごっこはウエノとキュウの専売特許じゃない。やりやがったな、って悔しそうにウエノが口元を歪める。
もがく腕を払いのけようと肩を掴んでた手を離した途端、ぐるりと視界が回転して、背中に硬い床の生温い
温度を感じた。やりかえそうと突っ張った腕を掴まれて、手際よく押さえつけられる。全力で身を捩っても、
両手首を握りこんだウエノの手はびくともしない。似たような体格なのに、腕力の差は歴然だった。勝ち誇ったように
見下ろされれば、男としてはちょっとむかつく。上目遣いに睨みつける俺の視線を受け止めて、ウエノが
すっと表情を変えた。顔の距離が近づいて、あれ?って思った次の瞬間、肩口に遠慮がちな重みを感じる。
頬を擽る柔らかな髪の感触。胸を温める微かな息遣い。
「・・・ウエノ?」
「俺、アベ君が、好きだ」
反射的に、俺も、と言いかけて、喉が詰まった。ウエノの言う、「好き」の意味に、気が付いたから。
抵抗も忘れて、俺はぼんやり天井を見上げる。嬉しくないといえば、嘘になる。俺はウエノが好きだったし、
真摯な言葉は直接体の奥に響いた。だけど、俺の「好き」は、こいつの「好き」と同じなんだろうか?
そろそろと上体を擡げて、ウエノが俺の顔を見下ろす。泣き出しそうな目をしてる、と思った。
反射的に口を開いて、でも言葉は出てこない。自分が甘えて流されてるんじゃないって
保証が欲しかった。俺は頭が悪いから、感覚ばっかり追いかけていつも思考が追いつかない。
そんなだから大抵のことはまあいいか、で流してしまうんだけど、このままだと、状況的にはあの男と暮らしてた
ときと同じになってしまう。気持ちに確証が持てるまで、こいつと同じ立場に立てるまで、俺は言葉を口にしちゃ
いけない。まあいいか、でウエノの気持ちに応えたくない。
「困るよな、ごめんね」
両手を離して、ウエノが俺の上から退く。咄嗟に指の長い手を掴んでいた。
「謝るなよ」
苛立った声が出て、俺は焦る。俺だって、ウエノが好きなんだよ。だけど今は、返事をしたくないんだ。
ウエノに生活を頼ってる状態では、自分の気持ちに自信が持てない。こいつのことが好きだから、
安易に言葉を返したくない。
317名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:21:47 0
もどかしさに唇を噛み締めた俺の葛藤を、ウエノは多分正確に感じ取っていた。俺の手の中からするりと
指を引き抜いて、宥めるように髪を撫でる。優しい手つきについ溢れ出しそうになる、好きだ、って言葉を
押さえ込んで、懇願した。
「待って欲しい」
俺が自信を持って、お前を好きだと言えるまで。
「うん」
額に額が触れる。呼吸の混ざる距離で互いの目を覗き込む。唇を合わせることは簡単だった。
だけど、俺もウエノもそれ以上に近づこうとはしなかった。そっと体を離したウエノが床に手をついて腰を上げる。
「飯、作るね」
口調はもう普段の気軽さを取り戻していた。また、甘えちまったな、って思う。やっぱりウエノは優しすぎる。
台所に向かう背中を見送って、膝を抱えた。暖かな部屋の空気が妙に悲しかった。

それからしばらく、なにごともなかったかのように日々が過ぎた。バイトと練習とライブの繰り返し。ウエノは
俺に対する態度を全く変えず、そんなだからあの告白が夢だったんじゃないかって思うときもあった。
夏が終わり、短い秋がやってきて、冬の気配が漂い始めた頃、俺はウエノの部屋を出た。
バイトで貯めた金で安いアパートを借り、ちょうど下宿を引き払って地元に帰ることになった知り合いから
家財道具一式をただ同然で貰いうけ、最低限の生活ができる環境を整えた。部屋を出ると伝えた俺に、
ウエノは寂しくなるな、と言って笑った。引き止める言葉はなかった。チバはずっと一緒に暮らすのかと思ってた
とか驚いた顔で言ってたけど、自分だけで生活するってことが俺には必要だった。世話になりっぱなしじゃ、
いつまでも「答え」を出すことができない。
一人での生活が始まって数日。バイトから帰ってくると、アパートのドアの前でウエノが煙草をふかしていた。
片手にスーパーの袋を提げて、おかえり、と笑う。
「仕事は?」
「今日は休み」
練習で顔を合わせてるのに、なんだかすごく久しぶりに会った気がした。鍵を開けて二人で部屋に上がる。
狭いアパートは敷きっぱなしの布団と小さなテーブルを置いただけで足の踏み場がなくなってしまう。
続きになった小さな台所に立って、狭いねぇ、とウエノが感嘆の声を上げた。
「部屋なんて寝る場所があればいいんだよ」
「まあ、アベ君はそうだよね」
318名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:22:18 0
懐かしい気配に、意識する間もなく体が馴染んでいく。使い慣れない台所に戸惑った様子もなく、
手にした袋から食材を取り出してウエノは手早く食事の準備を始める。
「お前の飯食うの久しぶりだな」
「どうせパスタばっかり食ってるんだろうと思って」
手を出しても邪魔になるだけだってのはわかってたから、布団の上に転がって俺はぼんやりウエノの姿を眺めてた。
料理をしてるときのウエノは無口だ。心地良い静寂に、じわじわと睡魔が忍び寄ってくる。ウエノの傍はいつだって
気持ちがいい。のんびりまどろんでいた俺は、優しく肩を揺さぶられて目を開けた。
「飯できたけど、眠い?」
「ん、腹減った」
しゃがみこんだウエノと視線がぶつかる。幸せな匂いがしていた。立ち上がって台所に戻ろうとするのを、ジーンズの
裾を掴んで引き止める。理由なんて単純だ。離れたくない、って思ったから。危ないだろ、って苦笑したウエノが
俺を見下ろして表情を変えた。
「アベ君、あんまり甘えないで」
声が、ちょっと掠れてた。体を起こして、そっと息を吸う。ジーンズの裾は掴んだまま。
「そういうことされると、やばいから」
ウエノが長い脚を折って俺と視線の高さを合わせる。指に力をこめた。それでもまだ、言葉は音にならない。
腕を伸ばし、向かい合う体を引き寄せる。ぶつかるようにして唇が触れた。自分から触っておきながら、反射的に
体を引きかけて、だけど俺の頭を掻き抱いたウエノの手がそれを許さなかった。ぬめる舌先が唇を割って中に
入り込んでくる。唾液の絡む湿った音が口の中で響く。髪を撫で下ろした指が耳の縁をするりと辿って、
ぞくぞくと背筋を震わせる甘い感覚に鼻から息が漏れた。誘い出された舌を甘噛みされ、俺の手は自然
ウエノに縋りつく。呼吸を奪い合うようなやり方に、瞼の裏側で、白い光がちかちかと明滅する。上手く息ができなくて
死ぬんじゃないかと思ったけど、ウエノになら殺されてもいいと思った。下唇を舐め上げた舌がようやく俺を解放する。
キスだけで背骨を引っこ抜かれたような感じだった。喘ぐ息を抑えながら必死でウエノの顔を見上げる。
長い指が俺の前髪を掻き分けて、額にキスが落とされる。
319名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:22:50 0
「好きだよ」
囁かれた言葉が脳味噌を溶かす。混ざり合った唾液を飲み下した喉で声を放つ。
「俺も」
色の薄い目がぐっと細められるのが見えた。
「俺も、好きだ」
両腕で体を抱き締められて骨が軋んだ。待たせて悪かったな、って思う。謝る代わりにしなやかな背中に腕を回した。
首筋を這い上がったウエノの舌が耳朶を舐めて、吐息ごと声が体に流し込まれる。
「抱いていい?」
低められた響きに喉が鳴った。
「アベ君に、挿れたい」
頷いた瞬間、体を押し倒されていた。圧し掛かってくる重みに、嫌悪は感じない。閉じた瞼の上からこめかみを滑り、
頬を辿った唇が唇に触れる。口を開けてねだるように舌を差し出した。欲望は当然のように叶えられる。粘膜同士を
擦り合わせる感触にじわじわと体温が上がった。ウエノの指がシャツの上から胸を撫で、女と違う体に戸惑った
様子もなく、迷いのない手つきでゆっくりボタンを外していく。俺の方が慣れてるはずなのに、冷静なウエノの態度に
根こそぎ余裕を奪われる気がする。前を全部開けられた、って鈍くなった頭が気付いたときには、温かな掌が
直接俺の腹に触れていた。
「ぁ・・・ちょっと、待って」
首を反らして唇を離し、情けなく上擦った声で喘ぐ。思考が体の反応に追いつかない。触れられたところから
欲望が次から次へと溢れ出す。馴染みのない感覚に、足元の地面がなくなってくような不安が俺を襲った。
初めて男と寝たときだって、こんな気持ちにはならなかったのに。
「待たないよ」
耳元で囁きながら、ウエノが俺の耳朶をピアスごと口に含む。腹の表面を這い上がった指が乳首を掠める。
「ウエノ、こういうのは、嫌だ・・・」
「何が嫌なの」
むかつくくらい穏やかな声で問い返され、黙って首を横に振った。
「ここは、気持ちよくない?」
刺激に勃ち上がった突起を指の腹で押し潰し、ウエノが質問を重ねる。誤魔化しようもなく体が震えた。
耳から顎のラインを辿り、首筋に降りた唇が皮膚に甘く吸い付いて、それだけのことで声が漏れそうになる。
320名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:23:20 0
不安でたまらないってのに体は過剰に快感を受け取って、それが余計俺を不安にさせる。近すぎる体に
腕を回してしがみついた。ウエノの背中に爪を立てるようにして押し寄せる不安を遠ざける。背骨の下の方から
湧き上がる熱が腰の奥に溜まっていくのがわかる。相手が違うだけで、セックスっていう単純なはずの行為が
こんなに変わるもんなのか。細い指が乳首を摘み上げて捏ねるように弄りまわす。声を我慢できたのは
そこまでだった。胸を舐め下ろした舌先がもう片方の突起を探り当て、痛みに近い快感に、体を捩って
俺は喘いだ。
「敏感だね」
ウエノの吐息が肌を擽る。からかいの色を帯びた言葉にさえ感じる自分が信じられない。
ぬめった音を立てながら、舌を絡めるようにして柔らかな唇が突起を吸い上げた。
「ん、ウエノ、早く・・・っ!」
「早く、何?」
「焦らす、なって」
腰を浮かせ浅ましくせがむ。頭がおかしくなりそうだった。ウエノの手によって呼び覚まされる快感は
俺の想像をはるかに超えていた。今まで経験したどんなセックスとも違う。途切れがちになる意識を
繋ぎとめるために、俺はわざと乱暴な言葉でウエノを急かした。
「触れよ、わかってんだろ!」
「あんまり大きい声出すと、隣に聴こえちゃうよ」
のんびり舌先で乳首を突きながら、ウエノが言う。咄嗟に声を飲み込んで、その瞬間、体を這い下りた
大きな手がジーンズ越しに膨れ上がった熱を包み込んだ。
「ん、んっ!」
「キツそうだね」
他人事のような口調を咎める余裕はもうない。
「服、脱がせてあげようか」
荒く息を吐きながら頷けば、上体を抱え上げられて肩からシャツを落とされる。剥き出しの腕をウエノの
首に回せば、欲望を察した唇が子供をあやすようなキスをくれた。ベルトのバックルを外す音に、悪寒に
似た震えが背筋を駆け上がる。何度もキスをねだる俺に、ウエノは緩慢にしか応えてくれない。
321名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:23:51 0
「ちゃんと、しろ、よ・・・!」
「無理だよ」
「何で」
「あんまりすると、俺が我慢できなくなる」
勝手なことを言うな、って思う。苛立ちにまかせて濡れた唇に噛み付いてやった。我慢できないのはお互い様だ。
自分だけ冷静でいようなんてずるすぎるだろ。ウエノがちょっと笑う気配がして、温かい舌先がようやく口の中に
もぐりこんでくる。同時に前を寛げられたジーンズが下着ごとするりと引き下ろされた。蹴やるようにして両足を
抜けば、さらけ出された内腿を長い指が撫で上げて、くっついた唇の間で呻き声が潰れた。飲み込みきれない
唾液が口の端から垂れ落ちて首筋を伝う。自分もシャツを脱ぎ捨てたウエノがもう一度俺の体を押し倒した。
胸に触れた手がねぶられてねとついた突起をかすめ、そろそろと体の表面を滑っていく。脇腹から腰を下り、
腿を過ぎて膝の皿を掌に包む。キスで気を逸らすのももう限界だった。体を捩ってウエノの手を掴み、
張り詰めた箇所に引き寄せた。焦れてたのもあるけど、それ以上に俺は不安だった。こいつは男としたことなんて
ないはずだ。俺のことが好きだって言葉に嘘はないとわかっていても、男っていうのは本来男の体には欲情しない
もんだから。やっぱりできないって言われても仕方ないと思ってた。だけど、幹に触れたウエノの指は躊躇いなく
俺の欲望に絡みつく。濡れた感触が広がって小さく呻けば、ゆっくり体を起こしたウエノがほんの僅か呼吸のリズムを
早くした。
「アベ君」
「ん」
「そういう可愛いことしないでよ」
ぞろりと裏筋を擦り上げた指が体液を溢れさせた先端に爪先を押し付ける。両腕で顔を覆い、背中を反らして
俺は喘いだ。油断したらすぐにイってしまいそうだった。ああくそ、どっちが初めてだかわかりゃしねえ。
ウエノが俺の腕を掴み、浮かび上がった血管に唇を落とす。そのまま手首から指の先までを辿って、
全部の爪にキスをする。
「頼むからさ、優しくさせて」
ちょっと語尾が掠れたその言葉に、こいつも俺と同じなんだな、って朦朧とした頭に安堵が滲んだ。手綱を
緩めた途端暴れだしそうになる欲望を必死で押しとどめてる。緩やかすぎる愛撫は、その裏返しなんだ。
322名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:24:22 0
「優しく、すんなよ」
握りこまれてた手を奪い返し、筋張った首筋に腕を回して体を引き寄せる。
「俺、もう限界、だから」
待たせてたのは俺だけど、我慢し続けてた時間は俺もウエノも違わない。
「お前と、イきたい」
鋭く息を吸う音が耳元で響いた。陰茎を弄っていた手が幹を滑り、その下の奥まった部分に指を這わせるのを
感じた。久しぶりの感覚に体が強張って、一瞬ウエノの動きが止まる。
「こっちは、嫌?」
囁かれた言葉に無言で首を振り、両腕に力をこめた。ふわふわとした髪の毛を鼻先で掻き分けて、探し当てた
耳の縁に唇を押し当てる。直接触れ合う汗ばんだ肌が心地良くて、もっと近づきたいと思った。隙間なくぴったり
繋がったら、どれだけ気持ちがいいんだろう。
「ん、挿れて」
自分から脚を開き、吐息に近い声でせがんだ。穴の口を確かめるように何度か往復した指が、じわりと
内側に沈められる。目を閉じて、意識をそこに集中させる。浅く抜き挿しを繰り返しながら少しずつ奥の方に
潜り込んでくる指の動きから、快感を受け取ろうと息を詰める。
「アベ君、気持ちいいとこ、教えて」
「わ、かんねぇ」
「わかんないこと、ないだろ」
小さく笑って、ウエノが俺の背中に腕を回し、上体を引き起こした。一旦指を抜いて、俺の背中を壁に凭せかけ、
開いた脚の間に膝をつく。明るい電灯の下で体を眺め回す視線に、居心地が悪くなって伸ばした手は、中空で
捕まえられ、ウエノの体には届かなかった。俺の手の甲に掌を重ねるようにしながら、もう片方の手が更に大きく
脚を開かせる。
「・・・ウエノ!?」
掴まれた手を脚の間に導かれ、驚いて腕を引こうとしても、力では到底敵わない。指を穴に押し付けられ、
逃げようと捩った腰は容易く引き戻された。
「アベ君がいいようにやるから」
「いいように、って・・・」
「感じるとこ、教えてよ」
323名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:24:55 0
勘弁してくれ、と見返した茶色い目に、許してくれる気配はない。
「自分で、探せよっ!」
「いいの?限界なんでしょ」
確かに、これ以上焦らされたら確実に頭がおかしくなる。感じる部分を見つけようと穴の中を弄繰り回されれば、
ウエノの意図とは無関係に、俺は生殺しの状況で狂うだろう。もう一度、ぐい、と指を押し当てられる。
覚悟を決めて、穴の口を抉じ開けた。俺の指を追うようにして、ウエノの指が中に入ってくる。
初めて触れた自分の内側の感触に戸惑って動けなくなった指を、上から押さえつけるようにされて喉が痞えた。
「ほら、どこがイイの?」
囁かれた声に反応して、内壁がぞわりと蠢く。全ての反応を、ウエノの指が同じように感じ取ってるんだと思うと、
恥ずかしさに頭の中が白くなる。指を抜こうにも、重ねられた手がしっかり俺の手を押さえてるから逃げることができない。
「教えて」
重ねて問う言葉に、操られるようにして指を捻った。どこが感じるんだっけ?どこを触られてたっけ?体の感覚を
思い出しながら、自分の中を刺激する。まずは、口の裏側の柔らかいとこ。すかさずウエノの指が同じところを軽く
引っかくようにする。
「う、ぁっ」
「ここ?」
「んっ」
体液を絡めたウエノの指が動くたび、ぐちぐちとぬめった音が響く。場所を覚えこむように何度も弄られて、
そのたびに痙攣する粘膜が2本の指を締め付ける。
「ここ、気持ちいいんだ?すごいひくひくしてるね」
俺の指ごと内側をかきまわしてウエノが囁く。
「それから?他にもあるでしょ」
朦朧とした頭に、唆すような優しい声だけが響く。後は、もう少し奥にいって、ああここだ。
ひっきりなしにこみ上げる快感が理性を根こそぎ奪い取っていく。俺が教えたところを、ウエノは忘れない。
敏感になった粘膜をより巧みに刺激して、次々欲望を呼び覚ます。男が俺に教えた感覚を、一つずつ
ウエノの指が塗り替えていく。深いところまで沈めた指が、内壁の奥の腺を捉えた途端、
たまらず俺は悲鳴のような声を上げた。
「ぁ、ああ、あッ!」
口の端から垂れた唾液を、ウエノの舌が舐め取る。全身が心臓になって脈打ってるような気がした。
324名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:25:26 0
体を支えられず、背中を壁に擦るようにして、俺は布団の上に倒れこむ。ずるりと内側から指が抜けて、
でもウエノはもう案内を必要としない。知り尽くした動きで内側を這い回る指に、全てを暴かれる。
入り口付近まで引き抜かれた指が、今度は2本に増やされて、ばらばらに粘膜を擦り上げる。
前を擦りながら、腺を押し上げるように強く捏ね回され、こめかみに熱い汗が滲んだ。
「ウ、エノ、もう・・・」
乾いて罅割れた声で懇願した。
「イきそう?」
嬌声混じりの息を堪えながら頷いて、残った力を振り絞り、ウエノの体を押し退ける。ずるりと指が抜けて、
解された穴が物欲しげにひくつくのがわかった。行為を中断させられたウエノが、困惑した表情で俺を
見下ろしている。
「どうしたの?」
「指、じゃ、嫌だ」
このまま続けられると、俺だけイってしまう。それは嫌だった。ちゃんと、ウエノを気持ちよくさせてやりたい。
重たい体をのろのろと起こし、まだ服を履いたままのウエノの下肢に手を伸ばす。ジーンズの生地越しにも、
硬く勃ち上がった性器のかたちがわかって、胸の奥に温もりがともる。こいつが俺で欲情してることが、嬉しかった。
ベルトを外し、前を開けて下着をずり下げ、昂ぶった陰茎を抜き出す。息を整えながら唇で先端に触れると、
しなやかな体がびくりと跳ねた。長い指に髪を掴まれ、頭を引き剥がされる。
「アベ君、駄目だよ」
「何で」
「出ちまうから」
ウエノの手が、この日初めて優しさのない乱暴なやり方で俺の体を突き倒した。そのまま唇を合わせて
舌を絡めてくる。残った衣服を脱ぎ捨てる気配に、やけるような期待が膨らんで喉が渇く。
ひとしきりキスを貪ってから、ウエノが布団に手をついて上体を擡げた。早い呼吸の音が響いてる。
「挿れて、いい?」
頷いて、両腕を顔にのせた。瞼の裏側で、網膜にこびりついた電灯の光が分裂して弾ける。両膝の裏側に
長い指が滑り込んで、ぐっと腰を持ち上げられた。膝が胸につくくらい体を曲げられても、抗う気にはならなかった。
苦しくてもいいと、思う。ウエノがそれで気持ちよくなれるなら。
325名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:25:56 0
穴の表面に、熱が触れる。息を吐いて力を抜く。挿れるよ、って一言ことわって、ウエノが腰を進めた。
「う、ぁあ、あっ!」
ぎしぎしと肺が軋む。何度やったって挿れられる瞬間は上手く息ができなくなる。硬いものが粘膜を押し開いて
体の中に入り込んでくる恐怖に体が竦む。だけど、今はその苦痛や恐怖さえ嬉しかった。ウエノが俺を抱いてる、
確かな実感。突き入れられた陰茎が内壁を容赦なく擦りながら奥の方に沈んでいく。内臓が押し上げられる
違和感に背中が反り返る。あんなに深く挿れられるのが嫌だったはずなのに、俺の脚はウエノの腰に絡み付いて
もっと欲しいとねだってる。
「顔、隠さないで」
全てをおさめたウエノが、俺の手首を掴んで布団の上に押さえつけた。薄く目を開けると、影になった顔が
ゆっくりと下りてきて鼻先にキスをされる。ウエノのものを咥え込んだ部分が熱くて、目の縁から涙が零れた。
「ウエノ」
はあはあと音を立てる息の合間に囁く。乾いた喉がひりひりと痛む。
「うん」
続きを促す静かな声。体中を食い荒らす愛しさに、嗚咽を噛み殺して言葉を吐き出す。
「好きだ」
「俺も好きだよ」
硬く尖った熱が俺の内側を突き上げ、全身の肌が粟立つような快感に声が止まらなくなる。ウエノの肩に
しがみついて、もっと、もっと、と震えながらせがむ。欲しがれば欲しがるほど、予想以上の快感がもたらされ、
イく寸前まで膨らんだ欲望がびくびくと体を痙攣させる。だけど、後ろだけでイく方法を、俺は知らない。
ぎりぎりのところで引き止められる感覚に耐え切れず、放り出されたまんまの陰茎に絡めようとした指は
素気無く振り払われた。
「ね、触って」
「まだ駄目」
「イきたい」
「我慢して」
宥めるような口調とは裏腹に、ウエノのものは感じるところばかりを狙いすましたように突き上げてくる。
326名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:26:27 0
腰を捩って背中を震わせ、しゃっくりあげながら嬌声を漏らす。頬にはりついた髪を払いのける指先にまで感じて、
ウエノの肩に爪を立てた。これ以上されたら体がばらばらになって弾け飛ぶんじゃないかと思う。喉を反らせて
喘ぐ俺の首筋を、柔らかな舌先が舐める。ぐるりと円を描くように腰を動かされ、ひゅっと息を吸い込んだ
瞬間、ウエノの指が胸の突起を摘み上げた。
「あ、嫌だ、ウエノっ!」
「アベ君、もっと気持ちよくなってよ」
「も、無理」
「無理じゃないでしょ」
背中を抱き寄せられ、挿れたまま上体を持ち上げられた。ウエノの腰に跨るような姿勢になって、
自重で更に深く飲み込まされた穴がひくついて陰茎を締め付ける。慣れない体勢に竦む背中を撫でながら
優しい声が俺を唆した。
「好きなように動いてごらん」
「でき、ない」
「できるよ」
両手で腰を掴まれて、抗う余裕もなく緩く体を揺さぶられる。窄まった部分を行き来する硬い感触に
眩暈がした。腹の間で擦られた熱が脈打って震える。手を離されても、動き始めた腰は止まらない。
時折下から突き上げられて、そのたびにぼろぼろと涙が零れた。濡れた目の縁を唇で辿りながら
ウエノが囁く。
「気持ちいい?」
「ん、いい・・・」
「俺も、すっげ気持ちいい」
縋りつくように、ウエノの肩に腕を回した。もう一度腰を掴んだ手が、今度は容赦のない力で体を揺り動かす。
濡れた陰茎が腹の間で湿った音を立てる。がくがくと体を震わせながら、綺麗に張った肩に歯を立てた。
「アベ君、イって」
掠れた声にぞっとするほどの快感が走って、熱くなった腰が引き攣れた。
「ウエノも」
乾ききって息をするだけで痛む喉に、必死で声を放つ。
「ウエノも、一緒に・・・」
「わかってるよ」
327名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:27:05 0
安堵感で胸が温かくなる。軽く体を引いたウエノが俺の頬にキスを落とす。その唇に、飢えた獣みたく齧りついた。
角度を変えて深く重ね、潜り込んできた舌先を唾液ごと絡め取る。呼吸を奪われ、逃げ場をなくした快感がどくりと
腰の奥で溶ける。腹の表面に飛び散る熱を感じた瞬間、深く埋め込まれたウエノのものが大きく脈打ち、
吐き出された体液の感触にもう一度小さな絶頂を迎えて、俺は意識を手放した。

長い指が、何度も髪を撫でていく。もうとっくに目は覚めてたんだけど、目を開けてしまうのが勿体無い気がする。
もうちょっとだけ、って思ってどのくらい経つんだろう。本気で眠り込みそうになるくらい長い間、ウエノは飽きもせず
俺の髪を弄んでいた。なんか照れくさいよな、って思う。いい歳した男同士がさ、やり終わった後もこうして
寄り添ってるなんて。だけど、どうせ誰が見ているわけでもない。それに、キモチイイからこれでいいんだ。
万一誰かに笑われたとしても、俺はこの幸せを選ぶね。
するりと指が離れて、ウエノが起き上がる気配にようやく俺は目を開ける。
「あ、ごめん、起こした?」
「ん、起きてた」
あっさり言った俺に、色の薄い目が苦笑いを浮かべる。
「普通そういうのって黙ってるんじゃないの」
「知らね」
布団の上で伸びをして、眠気を振り払った。ジーンズを履いたウエノが俺の方を振り返り、飯どうする?って首を傾げる。
その言葉で空腹を思い出した腹がぐうと鳴った。体ってのはほんと欲望に正直だ。
「食うのね。温めなおすからちょっと待って」
「ウエノ」
笑いながら台所に向かうのを呼び止めて、俺は傍のテーブルに手を伸ばす。探り当てた小さくて冷たい金属を、
真っ直ぐウエノに差し出した。それをじっと見つめてから、ゆっくりウエノが俺の顔に視線を戻す。
「ここの鍵」
「貰っていいの」
「いつでも来いよ」
アパートを借りて一番最初に俺がしたことが、この合鍵を作ることだった。初めて会った日の次の朝、ウエノのくれた合鍵が、
俺を救ってくれたから。あの暖かな部屋が、幸せを教えてくれたから。ウエノにとって、俺の部屋がそういう場所になるかは
わからない。こいつはしっかりしてるから、俺に頼らなきゃいけない羽目に陥ることもないだろう。
だけど俺はいつだってウエノを待ってるよ。
328名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:27:47 0
指の綺麗なウエノの手がそっと鍵を受け取る。
「ありがとう」
柔らかい言葉に、それは俺の科白だよって思いながら笑う。まだ出会ったばかりだけど、これからずっとこいつと一緒に
いれたらいい。同じ道を歩んでいけたらいい。

94年の梅雨の日、俺の人生はもう一度始まった。
今も、俺のキーケースには幸せな部屋の鍵が眠っている。


---------------------

おわり
長らくお付き合いどうもでした
329名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 12:21:08 O
330名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 12:25:08 O
がたん。ごとん。
走る電車の振動に合わせて体が揺れる。硬い椅子に腰掛け窓の外を流れる景色を
眺めながら、ぼんやりと手を握り締めた。感覚の鈍い指先に、まだ、ウエノの体温が
残っているような気がした。俺の体を抱き寄せた、細くてしなやかな腕の感触。どういうつもりで、
ウエノは俺に触れたんだろう。重たい頭を俯けて、ゆっくり開いた掌を見た。寂しかった。
ついさっき後にしたばかりの穏やかな部屋に、戻りたかった。空っぽの掌に顔を埋める。
一晩中考えて、それでも答えはでなかった。ただ、あの部屋に居続けるわけにはいかなかった。
もし、あの男が脅しを実行に移したら。ウエノがあの男の口から、俺の浅ましい過去を知ったら。
俺はどんな顔をしてウエノに会えばいい?俺のやってきたことを知っても、ウエノはまだ俺に、
行くな、って言ってくれるだろうか。昨夜から一睡もしていない頭が鈍く痛んだ。
一ヶ月という時間を過ごして、俺とウエノの間には確かなつながりが、生まれていた。
言葉には上手く表せないけれど、そこには何らかの感情があった。しかも、縋りついて放したく
なくなるようなとびきり心地いいやつが。それを、誰かにぶった切られるのは、我慢できなかった。
だからといってウエノに切らせるのも、嫌だった。いつだってそうだ、捨てられるより捨てるほうが
きつい。だから俺から終わらせなきゃいけない。自分の意志で、あの暖かな部屋を出なくちゃ
いけない、ウエノが俺の過去を知って苦しむ前に。あいつは、どうしようもなく優しい奴だから。
電車の揺れが間遠になって、アナウンスが耳慣れた駅名を告げる。
足元に置いたギターケースを手に取り立ち上がった。吊革を潜り、開いたドアから一歩
踏み出す。たった一ヶ月ぶりだってのに、随分懐かしい感じがした。ホームに立って
ぐるりと周囲を眺め回す。どこもかしこも色褪せてくすんで見えた。いつもなら気にならない
ギターの重さが腕に辛い。のろのろと改札を潜り慣れた道を辿る。俯いた首が痛い。
歩を進めるたび脚の関節が軋む。もう息をするのも面倒だ。だけど、それは全て自分の
行為が招いた結果だった。こんなんじゃ、泣くことすらできやしねえ。自嘲した瞬間、逆に
涙が零れそうになって唇を噛んだ。こんなとこでめそめそしてたって誰も慰めちゃくれない。
だいたい、俺は誰かに慰めてもらえるような人間じゃない。
331名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 13:11:24 0
ネ申乙!

age厨の手法が変わった…?
332名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 13:32:11 O
全私が泣いた
ありがとうバボ神ありがとう

萌えたというより溶けた
333名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 13:47:28 O
禿 萌 え た

合鍵神様完結させてくれてありがとう
334名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 15:12:31 O
フトツやらしすぎ
鰓さんドSすぎ
335名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:08:44 O
このエラ好きだ。
フトツ良かったねフトツ
336名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 18:00:14 O
ぷちゅう(^ε^)
337名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 19:02:36 O
職人様gjすぐる…………!
ああんよかったねフトツ(´;ω;`)ウッウッ
なんかもうやばかった。
エロいし泣けるし。
バレンタインに幸せになれた(*´∀`)
338名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 19:41:38 O
339名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 22:13:07 0
凄く楽しみに待ってったから読めて
よかった。
感動したよ、ネ申ありがとう。
340名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 23:21:25 O
バボ神ありがとう
ふたりと住人に幸せをありがとう
341名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:26:54 0
ごろんと床に転がって、キッチンから聴こえてくる物音に耳を澄ましていた。
最近はお互いバイトが忙しかったんだけど、今日は珍しく偶然休みがかち合った。
それなら、と自分から遊びに誘ったくせに、ウエノは俺を迎え入れてからずっとキッチンに
こもったままだ。旨いものを食わせて貰えるのは嬉しい。それでも俺はいい加減暇を持て余し
始めていた。部屋の隅、スタンドに立てかけられたベースに手を伸ばす。ウエノの相棒は
でかくて重いから、ギターと同じ感じで膝に抱え込むとちょっと持て余してしまう。
そっとネックに指を這わせた。左手で太くて硬い弦を押さえながら、右の爪先で弾いてみる。
この弦をピックが割れる勢いで弾き続け涼しい顔をしていられるあいつは、俺とは指の力が
段違いなんだろう。
ベースの音に気が付いたのか、キッチンから顔を覗かせたウエノが俺を見て笑った。
「アベ君、ベース似合わないねぇ」
「うるせえよ」
ちょっと恥ずかしくなってベースをスタンドに戻した。弾いててもいいのに、って言われたけど、
ずっとギターばっかり触ってきた俺は、ベースの扱い方がよくわからない。
「何作ってんの」
「プリン。昨日バレンタインだったけど、会えなかったろ」
そうだっけ、って日付を思い返す。普段日にちを意識する生活をしていないせいか、
イベントごとにはあまり興味がない。
「なんでプリン?」
「一日遅れでチョコってのもかっこわるいじゃん」
なんかクリスマスの次の日のケーキみたいで、ってウエノが言う。
「それにアベ君はチョコよりプリンのが好きでしょ」
ウエノの作るもんならなんでも旨いと思うんだけど、特にプリンは絶品だ。とろとろに
柔らかくて、ちょっと懐かしいような甘さがたまらない。一緒に暮らしてた頃は週に一度の
ペースで作って貰ってたんだけど、生活が別になってしまうとそうもいかないから、手作りの
プリンを食べるのは結構久しぶりだった。自然口元がほころんで、そんな俺を見てウエノも笑う。
342名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:27:28 0
「もう少し冷やしたら完成だから、もうちょっと待っててよ」
「わかった」
もう一度床に寝そべって、俺はおとなしく出来上がりを待つ。ウエノの部屋に来ると、俺は
いつもだらだらしてる。ウエノがなんでもしてくれるから。食事の用意も酒の補充も。
つい床で寝てしまっても、いつの間にか布団に運ばれてる。甘やかしすぎじゃねえか、と自分でも
呆れて言ったときは、俺はアベ君を甘やかしたいんだよ、ってなんでもない顔で返された。
俺があんまり床に寝転がるから、ウエノはリビングに毛足の長いラグを敷いた。そのラグを
掌で撫でながらぼんやりしていると、できたよ、って声がしてようやく俺は起き上がる。
白い型を手に持って、ウエノがキッチンから姿を現す。目の前に差し出されたそれはいつもの
プリンとちょっと様子が違った。
「何これ?」
「プリンだよ」
「じゃなくて、赤いの」
「ああ、ワインソース」
アベ君ワイン好きだから、カラメルの代わりにワインソースを掛けてみたんだよ。言われてウエノの
手元に鼻先を近づけると、確かにバニラの香りと混ざってワインのいい匂いがした。胃袋がきゅっと
収縮する。カップとスプーンを受け取って、早速ひと掬い。ふわふわの生地が崩れてソースに絡まり、
綺麗なマーブル模様を描く。口に入れた途端たまらない甘さが優しく広がって、ワインの香りが
鼻から抜けた。
「すげー、これうまいよ」
「そう?ありがと」
テーブルに肘をついて、ちびちびとプリンをスプーンで掬う俺を見ながらウエノが嬉しそうに頬を緩める。
ほんと一気に食べてしまうのは勿体無いくらい旨い。柔らかくとろける食感をゆっくり味わってると、
傍らからウエノの手が伸びてきて、ぐいっと腰を引き寄せられた。俺があんまりにも食うのに集中してるから
ちょっかいを出したくなったのか。だけど俺はもうプリンに夢中だ。腹から胸に這い上がった手がシャツの
ボタンを外してくる。
343名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:27:59 0
「待てよ、ウエノ、食ってから」
「食ってていいよ」
両手がプリンとスプーンで埋まってるから、悪戯なウエノの手を振り払うことができない。ボタンを全部
外した指がするりと肌の表面を滑る。小さな震えが背中を這い上がり、体を捻って逃げようとした途端、
肩を掴んで体をごろりと倒された。予想してなかった動きに、傾いた手の中のカップからワインソースが
とろりと零れ落ちる、俺の腹の上に。
「何すんだよ、馬鹿」
「アベ君、俺もかまってよ」
「お前はプリンに嫉妬するのか。あー勿体ねえ」
「まだあるから大丈夫だって」
俺からプリンとスプーンを奪い取りテーブルに載せたウエノが、腹に手を伸ばしてくる。拭いてくれるのかと
思った次の瞬間、ぬめりを塗り広げるように指を滑らされ、ぎょっとして顔を上げた。臍のくぼみに溜まった
赤いソースを絡めた細い指が、腹筋に沿って体の表面を這い上がり、剥き出しの胸に触れる。
体温に温められたソースの甘い香りがふわりと鼻腔を擽った。
「ウエノ、何・・・」
「いい匂いするね」
べたつく指が、胸の突起をぐるりと撫で回す。そこでやっと状況を把握した俺は、慌ててウエノの手を掴み
体から引き剥がそうともがいた。やるのは全然構わないんだけど、プリンが温くなっちまう。だけど俺の手は
簡単に振り解かれて、両腕を一まとめに頭上に押さえつけられた。圧し掛かった体が下りてきて、唇に
唇が触れる。乳首を弄りながら口腔内をまさぐられて、たまらず呻き声が漏れた。
「も、後にしろ、よ!」
「アベ君があんまり旨そうに食ってるからさ」
俺も食いたくなっちゃって、とふざけたことを言いながら、ウエノが尖り始めた突起を摘み上げる。
瞼に、こめかみに、柔らかなキスが落とされ、愛撫に慣れた体は、意思とは無関係に反応して
甘い刺激に喜び始める。
「ん、あッ」
ソースを塗りたくられた胸を、濡れた舌が這い下りた。腰に跨られ、両腕を押さえつけられた体勢では
ろくな抵抗ができない。湿った感触が突起を包み込み、軽く吸い付かれて背中が跳ねた。
344名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:28:33 0
「離せって!」
「そんなにプリン食べたいの?」
ほんの僅か加虐的な色を帯びた声にぞくぞくする。欲望を堪えながら必死で顔を睨み上げると、
ウエノは俺の腕を押さえてるのとは逆の手をテーブルに伸ばした。長い指でそっとプリンを掬い、
俺の口元に運ぶ。
「舐めて」
鼻の先に甘いバニラの匂いを突きつけられ、躊躇いがちに口を開けた。だけど、ウエノは俺の口に
プリンを入れてくれるつもりはないらしい。動かない指に焦れて舌を伸ばす。指に絡んだソースとふわふわの
生地の欠片を舌先で舐め取る。甘味を残さず堪能しようとねとつく指にしゃぶりつけば、
アベ君やらしい、と言ってウエノが笑った。
「やらしいのはお前だろ、変態」
「うん、やらしいよ。アベ君を見るとね、食いたくて仕方なくなる」
俺の唾液で濡れた指が口元を這い下り、首筋を伝ってまた胸を撫で始める。押さえつけられてた
腕が解放されても、萎えた力ではウエノの肩に縋りつくので精一杯だ。はっきりと勃ち上がった
乳首を舐めた温かい舌が、ソースのべたつきを舐め取りながら下の方におりていく。臍をぐりぐりと
舌の先で抉られ、直接内臓に響く刺激に俺は喘ぐ。器用な指がベルトのバックルを外し、前を
開けるのがわかった。すかさず潜り込んできた手に兆し始めた幹を握りこまれ、呼吸の音に嬌声が
混ざる。慣れた手つきで下を全部脱がされて、だけど暖房の効いた空気に寒さは感じない。
「手と口、どっちがいい?」
笑いを滲ませた声が問う。答えられず、息を乱しながら首を振った途端、先端を生温かい粘膜に
包まれて、背中がぐっと反り返った。
「あ、あぁっ」
ねっとり舌を絡められて、耳を塞ぎたくなるくらい甘ったるい声が漏れる。深くは咥え込まず
括れを唇に挟むようにして、舌先が先端の薄い粘膜ばかりを執拗に舐めた。胸の突起を
弄っていた手が肌を擽りながら脇腹から腰を滑り下りて、脚の間にもぐりこんでくる。
345名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:29:07 0
あ、クる、って思った瞬間、ずるりと体の内側に突き入れられた指に悲鳴を上げて腰を捩った。
あっという間に体温が上がって、頭の芯がぼやける。ウエノの指は迷いなく俺の中を弄り、震えるような
快感を引き出していく。甘い匂いのする空気を湿った音がかき回す。太腿を擽る柔らかな髪を
両手で掴みながら、うわごとのように言葉を吐き出した。
「ウエノ、もっと・・・」
「もっと欲しいの?」
先端を嬲っていた唇が離れて、ウエノが笑う気配がする。はぁはぁと熱い息を吐きながら、
髪を掴んで引き寄せた体にしっかりとしがみつく。
「欲しがってんのは、お前だろ」
噛み付くようなキスをして、掠れた声で囁いた。
「残さず食えよ」
346名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 00:00:33 O
アベさん…ウエノさん…
ハァハァ‖*Φ_ゝΦ‖ハァハァ
あかん これはあかんでぇハァハァ
347名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 00:04:22 O
>>346
ちょwwwwwいいところにwwwww
348名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 12:47:32 O
あ、クる、って思った瞬間、ずるりと体の内側に突き入れられた指に悲鳴を上げて腰を捩った。
あっという間に体温が上がって、頭の芯がぼやける。ウエノの指は迷いなく俺の中を弄り、震えるような
快感を引き出していく。甘い匂いのする空気を湿った音がかき回す。太腿を擽る柔らかな髪を
両手で掴みながら、うわごとのように言葉を吐き出した。
「ウエノ、もっと・・・」
「もっと欲しいの?」
先端を嬲っていた唇が離れて、ウエノが笑う気配がする。はぁはぁと熱い息を吐きながら、
髪を掴んで引き寄せた体にしっかりとしがみつく。
「欲しがってんのは、お前だろ」
噛み付くようなキスをして、掠れた声で囁いた。
「残さず食えよ」
349名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 14:20:44 O
お気に入りのシーンか
350名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:21:29 O
鰓は初めての男相手にこのエロさか…ハァハァ…
351名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:22:46 O
鰓は初めての男相手にこのエロさか(*´∀`)
352名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 23:11:25 O
>>350-351
興奮しすぎwww
まぁ気持ちはわかる(*´Д`)ハァハァ
353名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:15:20 0
神きてた!
アベくんエロいよアベくん(*゚∀゚)=3
354名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:08:33 O
アベはどうしてこんなに色っぽいのかな…(´∀`)
355名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23:19:59 O
(^ω^;)
356名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:56:56 O
>>354
[=.・з・]<やたらナンパされるし困るよね
357名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 23:31:22 O
( ´,皿`)プッ
358名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:34:26 0
嫌味なくらい長い脚がテーブルの上に投げ出されて、弾みで倒れかけたグラスを
俺は慌てて避難させた。イベントの打ち上げ。クラブのボックス席にオオトラ2人と、
向かい合う俺、素面。黒いブーツの底を恨めしげに睨みつける視線に気付いたふうもなく、
アベ君行儀悪いよ、ってウエノさんが笑う。叱る方も叱られる方も本気やない。
ひょろりと細長い黒尽くめのギタリスト様が楽屋に顔を見せたときから嫌な予感はしとった。
ウエノさんはアベさんが大好きや。未だに結構な頻度で会うてるらしいんやけど、
会うた次の日はご機嫌でアベ君が、アベ君が、って言わはるからすぐにわかる。
そんなウエノさんがアベさんをただで帰す訳もなく、案の定打ち上げにまで引っ張り込んで
店に入ってからずっと傍に置いたまま。ウエノさんの隣に座るアベさんに、心の中で文句を
つける。そこ、俺の指定席なんですけど。打ち上げはな、俺と!ウエノさんの!距離を
縮める絶好の機会なんやで?
綺麗に飲み干した赤ワインのグラスをテーブルに置いて、アベさんがにこにこと笑う。
かっこよさだけを凝縮したみたいな雰囲気を持ってるくせに、酔っとるせいか妙に無邪気な
顔をしはる。普通に話したら、ええ人なんかもしれん。やけど、ほんまやったら今頃、酔っ払った
ウエノさんの隣で下らない話に花を咲かせつつうっかり肩なんか抱いてしまったりしてたかも
しれない俺は心中穏やかではない。
「アベさん、グラス空ですよ」
虎視眈々とウエノさんの隣を狙う俺はチャンスを見逃さない。アベさんがおかわりを
取りに行った隙に、さり気なく席をチェンジしようという作戦や。だらしなくウエノさんの肩に
寄りかかっとったアベさんは、急に話しかけた俺に驚いた顔で鋭い目を瞬かせる。
あーこの人、俺の存在忘れとったな。まあ客観的に見て邪魔者は俺で間違いないん
やろうけど、ここで引き下がっては男がすたる。意地でも視線を逸らすまいと目に力をこめた
俺を見て、アベさんがほんの僅か首を傾げる。それから背中をウエノさんに擦り付けて
くいっと顎を反らし、あろうことか、ウエノさんの首筋に鼻先をくっつけよった。テーブルを
ひっくり返そうとする手を必死で押さえ込む。あかんあかん、酔っ払いにマジぎれすな俺。
359名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:35:00 0
「ウエノ、俺、ワイン飲みたい」
作戦を打ち砕くアベさんの一言に、俺はひっそり肩を落とす。つーかこのおっさん甘えすぎやろ。
酒くらい自分で取りに行かんかい。飲みすぎじゃないの?って笑いながら立ち上がる
ウエノさんも大概や。手の中でオレンジジュースのグラスが震える。
「シンヤは?何か飲む?」
優しく俺を気遣うウエノさんの言葉も、暗澹とした俺の気分を晴らしてはくれない。
「いや、大丈夫です。つーか俺取って来ますよ」
「いいよ。座ってなって」
立ち上がりかけた俺を片手で制し、酒量の割りにしっかりとした足取りでウエノさんが
カウンターに向かう。その背中を見送った視界の隅、テーブルの上を我が物顔で占領
しとった長い脚がすっと引っ込むのが見えた。動きを追うように何気なく巡らせた視線は、
アベさんの真っ黒い目とぶつかってぴたりと凍りつく。細い膝の上に肘をつき、指を組んだ
両手に顎を載せた格好で、アベさんは上目遣いに俺を見つめていた。不意に沈黙を意識して、
フロアの音楽がやけに大きく聴こえる。長くて細い指が解かれて中空に浮き、犬でも呼ぶように
俺を手招く。なんやねん、って身を乗り出した瞬間、後頭部に手を回されて一気に顔を
近づけられた。
「なっ、何ですか!?」
咄嗟のことに声が裏返って、アベさんが目だけで笑う。
「お前、可愛いね」
「可愛いって、何・・・」
「ウエノのこと、見つめすぎ」
ぎくりと体が強張るのを感じた。ウエノさんへの気持ちが普通やないってことはわかっとる。
やけど、それを他の奴に勘付かれるのは流石にやばい。それをネタにからかわれでもしたら、
純情な俺の恋心は二度と立ち直れん。単なる憧れと解釈してくれへんやろうか、と祈るような
想いでアベさんの顔を見返した。幸い、とろんと酔っ払った目に、嘲りの色はない。
360名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:35:30 0
猫のような仕草で俺の鼻に尖った鼻先をくっつけて、アベさんが口を開く。
「男が好きなの?」
真っ直ぐ切り込んでくる質問に、すぐには答えられない。今まで同性を好きになったことはなかったし、
今後もウエノさん以外の奴に惚れることはないと言い切れる。やけど、ウエノさんは勿論男や。
口篭る俺にアベさんの目がきゅっと柔らかく細められた。
「ウエノが、好きなの?」
質問が、変わる。頷くのに迷いはなかった。どうせアベさんは酔っとるんや。酒の席での笑えない
冗談と、思ってくれるやろう。
「ウエノ以外には興味がない?」
もう一度、頷く。当たり前や、俺はホモと違う。いや、ホモはホモやけど、ウエノさん限定のホモや。
文句あるかい。俺の頭を引き寄せてたアベさんの指が髪の隙間を滑っていく。冷たい体温が
一瞬首筋を掠めて、ちょっと背中が震えた。
「残念だな。遊んでくれるかと思ったのに」
・・・え?
甘く囁くように落とされた言葉を理解する間もなく、唇に柔らかいものが触れた。すぐ目の前に、
ゆったりと閉ざされたアベさんの薄い瞼が見える。なんや、これ。唇の表面を生温かく湿った感触が
過ぎる。あれ、俺、キス、されとる?理解が追いつきかけた次の瞬間、咽返るような酒の匂いが
遠ざかって、呆れたウエノさんの声が頭の上に降って来た。
「アベ君、なーにしてんの」
シャツの後ろ首を掴まれて俺から引き剥がされたアベさんは、相変わらず無邪気な顔で笑っとる。
けど、本当に無邪気なわけやないってのはもうわかっとった。
「こうちゃん、ワインは?」
「ワインは?じゃないでしょ、シンヤがびっくりしてんだろ」
「だってこいつ可愛いんだもん」
ウエノさんへの気持ちをばらされるかと思って体が硬くなったけど、アベさんは言葉を続けることなく
手を伸ばしてワインをせがむ。その長い指にグラスを預けながら、ウエノさんがソファに座る。
361名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:36:00 0
「酔っ払うと誰にでもキスすんだよ、アベ君」
「そ、そうなんです、か」
「ごめんね、後でちゃんと叱っとくから」
俺、男とのファーストキスは、ウエノさんとって決めてたんやけど・・・。今更ながらに動揺して、自分の
唇に指を這わせる。アベさんの唇は冷たくて乾いてるくせに、舌は温かく湿っとった。柔らかくて
酒の甘い香りがした。呆然とする俺の前で、アベさんは両手で持ったグラスを一気に半分くらい
空けて幸せそうに頬を緩める。ふらふらと頼りなく揺れるその肩を抱き寄せながら、ウエノさんが溜息
混じりの言葉を吐いた。
「もう、キスなら俺にしなさいね」
「駄目だよ」
「何で」
「お前とすると、ヤりたくなるもん」
ウエノさんの目が、ちらりと俺の顔を見上げる。聴こえなかったふりでオレンジジュースを飲み干した。
あれやな、人間驚きすぎると逆に冷静になるもんなんやな。俺がウエノさんのことを好きになるんやから、
アベさんがウエノさんを好きでもなんら不思議はない。そしてウエノさんも、アベさんが好きなんや、多分。
仲が良いとは思っとったけど、まさかできとったんか、この人ら。それを前提に見ると、一つひとつの
スキンシップや会話までやらしいものに感じられて、俺の中で嫉妬と欲望が混ざり合う。
2人きりになったら、ウエノさんはどんな顔でアベさんに話しかけるんやろう。アベさんはどんなふうに
ウエノさんに甘えるんやろう。夜は、どっちがどっちを抱くんやろうか。ウエノさんがアベさんを?アベさんが
ウエノさんを?ヤってるとき、ウエノさんはどういう顔をするんかな。どんな声を出すんかな。
「シンヤ、アベ君もう駄目っぽいから、俺、家に送ってくわ」
ウエノさんの言葉に、浅ましい想像を膨らませてた俺ははっと我にかえる。あかん、俺、何考えとんのや。
失恋のショックは、案外なかった。そもそも男同士の関係がどういうもんか想像でしかわからない俺には、
唐突に突きつけられたアベさんとウエノさんの関係もまだ曖昧で非現実的なものだったから。
362名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:36:39 0
「帰らはるんですか?」
「うん。ちょっと挨拶してくるから、この人見といて」
見といてって言われても、ちょっとウエノさん、頼むからこの人と2人きりにせんといてください!
なんてことを口に出して言うわけにもいかず、俺はまたアベさんと席に2人取り残される。ウエノさんが
いなくなった途端、さっきのキスの感触がまざまざとよみがえって、頬が熱くなった。俯いた額のあたりに
アベさんの視線を感じるのは、恐らく気のせいやない。確かめる度胸はないけれど。飲み物を取りに
行くふりで席を立ってしまおうか。やけど、見といてって言われたしなぁ。頭を掻き毟りたい気持ちで
思い悩んでた俺は、アベさんが立ち上がる気配に顔を上げた。
「どこ行くんですか!?」
ふらふらと覚束ない足取りで歩いていくのを慌てて追いかける。ウエノさんに頼まれた手前、放っておく
わけにもいかん。どっかでぶっ倒れられたら申し訳がたたんやろ?フロアを出て狭い廊下へ。ついてくる
俺を気にした様子もなく、アベさんは時折長い脚をふらつかせながら突き当たりのドアに辿り着く。
「アベさん、そこ便所ちゃいますよ」
鉄製のドアの向こうはひっそりとした階段室。細い体を引き戻そうと伸ばした腕を反対に掴まれ、
俺は背中でドアの閉まる音を聴いた。
「ね、遊んで」
耳元を掠めた吐息のような声は、甘すぎる艶を含んでいた。
363名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 12:27:28 0
‖*´Д`‖ウォォォォォイ!!!
364名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 12:57:14 O
シンヤどうなっちゃうのシンヤ(*´Д`)
シンヤの行く末が気になって仕事が手につきませんハァハァ
365名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:46:38 O
エラ大好きなのにアベに翻弄されてしまうシンヤが大好物なのでこれはたまらんハァハァ
若い分、情欲に弱いシンヤハァハァ
エロ2塔vs.シンヤハァハァ
いかがわしい大人アベvs.シンヤハァハァハァハァ
366名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:56:50 O
これはwwwシンヤキテるww
アベ可愛いハァハァ
367名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 14:00:39 O
[=.・з・]「ごめんね、後でちゃんと叱っとくから」

エッロオオォォォォォ(*´Д`)ハァハァ
368名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 14:21:32 O
「帰らはるんですか?」
「うん。ちょっと挨拶してくるから、この人見といて」
見といてって言われても、ちょっとさん、頼むからこの人と2人きりにせんといてください!
なんてことを口に出して言うわけにもいかず、俺はまた(`皿´)と席に2人取り残される。
[=.・з・]がいなくなった途端、さっきのキスの感触がまざまざとよみがえって、頬が熱くなった。俯いた額のあたりに(`皿´)の視線を感じるのは、恐らく気のせいやない。
確かめる度胸はないけれど。飲み物を取りに行くふりで席を立ってしまおうか。やけど、見といてって言われたしなぁ。頭を掻き毟りたい気持ちで思い悩んでた俺は、(`皿´)が立ち上がる気配に顔を上げた。
「どこ行くんですか!?」
ふらふらと覚束ない足取りで歩いていくのを慌てて追いかける。[=.・з・]に頼まれた手前、放っておくわけにもいかん。どっかでぶっ倒れられたら申し訳がたたんやろ?フロアを出て狭い廊下へ。
ついてくる俺を気にした様子もなく、(`皿´)は時折長い脚をふらつかせながら突き当たりのドアに辿り着く。
「(`皿´)さん、そこ便所ちゃいますよ」
鉄製のドアの向こうはひっそりとした階段室。細い体を引き戻そうと伸ばした腕を反対に掴まれ、俺は背中でドアの閉まる音を聴いた。
「ね、遊んで」
耳元を掠めた吐息のような声は、甘すぎる艶を含んでいた。








( ´,_ゝ`)プッ
369名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 16:21:18 O
続きを待たずにはいられませんわ
370名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 17:00:35 O
シンヤが鰓大好きなら大好きなほど萌えるシチュエーションだお(*´д`)
371名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 20:32:17 O
シンヤ遊ばれちゃうのかシンヤ
372名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 20:47:24 O
鰓さんに近づく人間を体で陥落していくのか
373名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 21:20:32 0
(*゚ ё ゚)。oO(てことはオイラもそのうち…)
374名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 21:36:52 O
(`皿´)<パッチ?誰だっけ
375名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 21:49:02 O
(*`皿´)ヾ(゜ё゜*)<名前覚えてらっしゃるくせに〜
376名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 02:03:27 O
シンヤ鰓さんに見つかったら大変だよシンヤ
ハァハァハァハァ
377名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:30:28 0
アベさんの薄い舌が俺の耳を舐め上げる。くすぐったいような感覚に、体から力が抜けた。
切れかけた蛍光灯がちかちかと明滅する。アベさんに染みこんだ馴染み深い煙草の匂い。耳朶を柔らかく
噛み締められた瞬間、ようやく抵抗を思い出した俺は、向かい合う細い体を両腕で突き放した。
「か、からかわんといてください」
息が微かに上がっている。突き放された勢いでよろめき、階段室の壁に背中を預けたアベさんが、
ぼんやりした目で俺を見とった。誘うように開かれたままの濡れた唇や、どこか寂しげな鼻筋に
なんともいえない色気があって、男同士の間の欲望というものを初めて俺は意識する。
好意、やなくて、性欲。どうしようもなく、現実的な。
俺は、ウエノさんのことが好きや。かっこよくて優しくて色っぽいベースを弾く、そんなウエノさんに近づきたくて
たまらんかった。やけど、そういう俺の気持ちは肉体的な感覚を伴ったものではなかった。体が触れ合う
ことがあっても、それが直接欲望に結び付くことはなかった。アベさんは、違う。アベさんの指や舌は
まるで女のそれのように、俺の欲望を呼び覚ます。この人は、男を欲情させる方法を、知っとるんや。
どうすれば相手が反応するかわかっていて、俺に触れている。
「ウエノさん、待ってますよ。早よ行きましょう」
アベさんの顔から視線を引き剥がし、体を翻してドアノブを掴んだ。そのままドアを押し開けようとした
俺は、僅かに低められた囁きに動きを止める。
「いいの?」
「・・・何がですか」
肩越しに振り返れば、自分の爪先を眺めるように俯いたアベさんが、長く伸びた前髪を邪魔臭そうに
かきあげながら言葉を続けた。
「帰ったら、俺、ウエノとヤるよ。お前それでもいいの?」
卑怯な人や、と思った。俺が誘いに乗ったとしても、ふたりがセックスをする間柄だという事実は変わらない。
今日やって、俺と遊んだ後、アベさんはウエノさんと寝るかもしれない。でも今ここでドアを開けたら、
俺は自分から認めてしまうことになる。ウエノさんはアベさんのものなんやって。
体温を吸って温くなりかけたドアノブから手を離した。
378名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:31:02 0
「あんた、何がしたいんですか」
俯いたままのアベさんに歩み寄り、苛立ちにまかせて黒いシャツの襟元を捩じ上げる。薄笑いを浮かべた
目が、俺を見ないままゆっくりと閉ざされた。
「遊びたいだけだよ、お前と」
「ウエノさんのこと、好きなんちゃうんですか?」
肉の削げた頬に皺を刻んで、アベさんが笑う。長い腕が俺の背中に回されて、細い指先が首の下を
するりと撫でる。小さな震えが背骨を這い上がる。シャツの首を掴んでた手を離して、痩せた肩を
壁に押さえつけた。意思とは無関係に欲望が膨らんで、胸のあたりが苦しくなる。
「好きな奴以外とヤって、何が悪いの」
俺の目の前で、赤い舌先が唇を舐めた。
「俺は別にウエノと結婚してるわけじゃないし、お前とヤったって問題ないじゃん」
言い返す言葉が見つからへん。好きな人がおったら他の奴とヤろうなんて思わないはずやないですか、
とか、そういう常識が、この人には通用しない気がした。ひくりとアベさんの睫が震えて、瞼の下から覗いた
黒い目と視線が合う。体に絡みついた腕がぐっと力を増し、息が触れる距離まで顔が近づく。
ウエノさんと同じ匂いをさせながら、そんなことを言わんで欲しい。怒りが違う熱にすり替わってしまう。
「お前がウエノのことをどんだけ好きでもね」
アベさんの力はたいして強いわけやない。腕を振り解くのなんて簡単なはずや。それやのに、俺の体は
易々と引き寄せられて、
「セックスなんて誰とやっても変わんないんだよ」
唇が、触れた。首筋を這い上がった指が髪を絡めて弄ぶ。口の中にもぐり込んできた舌が上顎を辿り、
俺の舌をつついて誘いかける。慣れたそのやり方は、この人がいつも、ウエノさんにしとることなんやろう。
奔放な舌にそっと歯を立てれば、んんっ、と甘えたように鼻を鳴らして、アベさんが背中を捩った。
手触りのいい髪を掴み、更に深く唇をかみ合わせる。もっと、アベさんのキスを知りたかった。それは同時に
ウエノさんのキスを知ることでもあるから。くちゅり、と口の中で唾液の絡む音がする。肩を押さえてた手を
滑らせて平らな胸に触れた。皮膚を押し上げる肋骨の凹凸を掌で撫で回せば、薄いシャツの下で
小さな突起がぷくりと尖るのがわかる。この敏感な反応も、ウエノさんが仕込んだものなんやろうか。
379名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:31:36 0
体を引き寄せるようにしてたアベさんの腕が解かれて、唾液まみれになった唇が離れる。
薄暗い電灯が耳障りな音を立てて明滅する。微かな媚びを含んで続きを促す視線に煽られるまま、
硬くなった乳首をシャツの布地ごと指先で摘み上げた。
「ぁ、んっ」
とろりと潤んだ細い目がきつく閉ざされ、濡れた唇でアベさんが喘ぐ。緩く頭を振る動きに合わせて、
素直な黒髪がさらさらと揺れた。不健康に白かった肌がほんのり血の色を上らせている。
「ウエノさんとは、」
俺の声に、細い身体がびくりと跳ねた。突起を指の腹で押し潰しながら、上がりきった息をこらえ、
欲望に掠れた喉で俺は言う。
「ウエノさんとはどんなふうにやっとるんですか」
赤味を増したアベさんの唇が、笑みのかたちに歪んだ。高いところから鋭い目に見下ろされてぞくりと
湧き上がった熱が、嫉妬なんか怒りなんか欲望なんか、俺にはもうわからない。
「教えないよ」
体は欲情しとるくせに、アベさんの声は背中がひやりとするくらい冷たかった。咄嗟に引きかけた手を
驚くほど繊細なつくりの指が柔らかく掴み止める。
「知りたいなら好きに試してみればいい」
剥き出しの首筋に俺の掌を押し当て、アベさんが細い喉を震わせた。
「俺が感じたら、それが、ウエノのやり方だから」
むかつく唇に歯を立てて噛み付く。絡んだ指を引き剥がすように手を滑らせ、シャツの合わせ目を
乱暴に開けた。下にある骨のかたちがはっきりとわかるほど薄い皮膚は、すべすべと滑らかで冷たく乾いとる。
その平らな胸にぽつりと尖った乳首を爪の先で擦り上げるようにすると、アベさんの呼吸がくっと詰まった。
大きな手が俺の肩口を撫で首筋を掠めて縋るように体をかき抱く。突起を転がすたび、シャツごと
背中を掴んだ指がぴくぴくと跳ねた。
「ふ、あっ」
貪るようなキスの合間、息を継ぐために離れたアベさんの唇が甘えた声を零す。その声ごと喰らい尽くす
みたく、もう一度強引に唇を合わせた。乳首を弄る指の動きに反応して痩せすぎの体が痙攣し、
俺の腰に腰を擦り付けてくる。アベさんの革パンと俺のジーンズの生地を挟んで硬くなり始めた熱同士が
触れ合うと、脳味噌が下から溶けてくような気がした。そのときの俺は男の体を触って欲情することに、
何の疑問も抱かんかった。淫靡なアベさんの仕草は、あらゆる理性や常識をすっとばして俺の欲望を
掻き毟った。首に回された腕は、ちょっと扱い方を間違えれば壊れてしまいそうなくらいに細い。
380名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:31:58 0
壊してやろうか、って思う。泣き喚いて許しを請うまで、むちゃくちゃに汚してしまいたい。
そんな暴力的な衝動に駆られ、早くなった呼吸で上下する胸を掌で撫でながら、もう片方の手を
アベさんのベルトにかけたときやった。
がちゃり。湿った空気を切り裂いた金属的な音。咄嗟に唇を離した俺の視線の先で、銀色の
ドアノブが回る。くっついた体を離す暇はなかった。微かな音を立てて、アベさんが息を吸う。押し開かれた
扉の向こうには、俺が今一番会いたくなかった人が立っていた。
「ウエノ、さん」
自分の声が、やけに遠く聴こえる。喉が渇いていた。俺を一瞥したウエノさんの茶色い目は何の感情も
窺わせず、そのままアベさんに向けられる。長い腕が解かれると同時に、反射的に一歩下がって
触れ合っとった体を離した。今さら離れたところで誤魔化しようのない状況なんやけど、抱き合ったままでいる
わけには、勿論いかない。熱の冷めた頭に自責と後悔が押し寄せる。何で、何で俺は、この人の誘いに
乗ってしもうたんやろう。俺は、ウエノさんが好きやのに。よりによってウエノさんと付き合うてるアベさんと、
どうしてこんなセックスまがいの行為をしてしもうたんやろう。
「アベ君、何してるの」
わかりきったことを聞くウエノさんの声は穏やかやった。そして、ぞっとするくらい静かやった。
「こっち向いてよ、アベ君」
目だけを動かして、そっとアベさんを見た。俯いたその顔は、長い前髪の影になってよく見えない。
ゆっくり、ウエノさんが歩み寄ってくる。一歩、二歩。いつもは何より俺を幸せにさせるその気配が
今は怖くて、動くことも口を開くこともできない。すっと伸ばされた綺麗なウエノさんの指が、アベさんの
腕を掴んだ。瞬間、電流でも走ったかのように、アベさんはウエノさんの手を振り払う。
「いいとこだったのに、邪魔すんなよ」
無造作に吐き捨てられた信じられないような言葉に、ぎょっとしてウエノさんを振り返る。表情を消した
その顔が、はっきり強張るのがわかった。浮気の現場に踏み込まれた人間の言うことやない。
ほんまに、アベさんはウエノさんを好きなんか?
「アベさん・・・!」
咎めようと開きかけた唇は鋭い視線に言葉を続けられない。それはそうや。どの口がアベさんを
非難できる。浮気、しとったんは、俺もおんなしやんか。
381名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:32:38 0
「遊ぶのはね、構わないよ」
振り払われた手を下ろしながら、相変わらず静かな声でウエノさんが言った。アベさんの細い体が
ぴくりと動いて、真っ直ぐな黒髪が揺れる。
「俺じゃない奴と寝ても、別にいい」
額の真ん中で分けられた前髪の間から、吊り上がった目が初めてウエノさんを見る。さっきの
言葉が嘘だったかのような、不安そうな目つきで。やけど、それはほんの一瞬のことやった。
「だけど、シンヤは駄目だ」
ウエノさんがそう言葉を続けた途端、アベさんの目がきんと音を立てそうな鋭さを孕んだ。
「なんでだよ」
無理矢理喉から押し出したような、苦しげな声やった。
「俺が誰と寝ようとお前には関係ないし」
言ってることとは裏腹に、その口調がアベさんの本気を俺に教える。あきませんよ、アベさん。
意地んなってそんなこと言うたらあきませんって。謝ったらええやないですか。一緒に謝りましょうよ。
ウエノさんが好きなんでしょう?
「遊びっつったら、俺とお前も同じだろ」
アベさんの言葉がぎらぎらと輝く鋭くて巨大な刃になり、ウエノさんの体に突き刺さるのが見えた
気がした。電灯が力なく数度瞬く。何を言うこともできない。ぴりぴりとした空気が肌に痛い。
この人たちがどのくらいの年月体を重ねてきたのか俺は知らない。だけど、その関係が今ここで
終わろうとしてることだけは、はっきりとわかった。しかも、俺が原因で。もう何も話すことはない
といわんばかりの顔で、アベさんが目を伏せる。ぎちぎちと耳には聴こえない音を立てて、ふたりの
間にあった繋がりみたいなもんが千切れていく。アベさんの横顔をじっと見つめていたウエノさんが、
肺から搾り出すような深い息を吐いた。
「わかった」
静かな調子を変えない声が三すくみの状況に終止符を打つ。
「俺はもう、アベ君と遊ばないよ」
穏やかすぎる口調に、嫌な寒気が背中を這い上がる。
「そのかわり、アベ君もシンヤで遊ぶのはやめて」
アベさんは、口を開かない。
「こいつを傷つけたら、俺が許さない」
382名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:33:07 0
その言葉を、喜ぶことはできなかった。大好きな人にそこまで大切に想われてるっていうのは、
本来やったら飛び上がりたいくらい嬉しいことであるはずやのに。クラブでアベさんを優しく甘やかしてた
ウエノさんの幸せそうな顔が脳内を過ぎる。
「シンヤ、行くよ」
ドアを開けたウエノさんが俺を促した。俯いたままのアベさんを振り返りかけて、やけど、シンヤ、って
もう一度名前を呼んだ声が有無を言わさず俺の体を動かした。ウエノさんの背中を追ってドアを
潜り、廊下に出る。背後でドアががしゃんと音を立てて閉まる。ああ、ウエノさんに謝らんと。
エレベータホールに辿り着いたとき、ようやく俺は声の出し方を思い出して口を開いた。
「ウエノさん、すいません」
無言のままエレベータを待っていたウエノさんが俺に視線を向ける。
「すいません、ほんま、俺・・・」
「シンヤは、悪くないよ」
怒ってる様子はなかった。ただ普段は表情豊かにきらきら輝いとるその色の薄い目が、寂しそうに
暗く沈んでいた。情けなくて泣きたい気持ちになる。ウエノさんは、ほんまにアベさんのことが
好きなんや。それやのに、俺はなんてことをしてしまったんやろう。この人を悲しませたくなんか
なかったのに。
「アベ君が誘ったんだろ?ほんと、あの人節操ないからさ」
小さなベルの音がエレベータの到着を告げる。開いたドアを手で押さえながら、ウエノさんが
唇だけで笑った。
「変なとこ見せちゃってごめんな」
口を開いたら涙が零れてしまいそうで、俺は黙って首を振る。ふっと沈黙が下りて、湧き上がりかけた
気まずさを振り払うように、じゃあまた明日、って痛みを感じるくらい明るい声が響く。平気なふり、
せんといてくださいよ。俺が言えた義理やないけど、ほんまは辛くて仕方ないんでしょう?
閉じた扉の前で、しばらく俺は動くことができずにいた。ほんの1時間でいいから、時間を巻き戻して
欲しいと神様に願った。そんな利己的な願いが聞き届けられるはずもなく、取り返しのつかない
後悔を抱えながら重い足を引き摺って一人狭い廊下を歩く。行き止まりのドアを開けて、やけど、とうとう
電灯が切れて暗闇に沈んだ階段室に、アベさんの細いシルエットはもうなかった。

383名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:33:34 0
次の日、スタジオに姿を見せたウエノさんは、パッチと軽い冗談を交わしながらいつものようにかっこよく
ベースを弾いた。休憩のときも楽しげにおどけてみせて、沈んだところなんか全く見せんかった。
ほんの僅かな変化に気が付いたのは俺だけやったと思う。どれだけ陽気にはしゃいどっても、ウエノさんの
目の奥には拭いきれない寂しさが滲んでいた。そんな姿を見るたび、ウエノさんにとってアベさんが
掛け替えのない存在やったんやって思い知らされて、悔しくなる。ねえ、ウエノさん、俺は何をしたら
ええですか。どうしたらまた俺の前で心底幸せに笑ってくれますか。
答えは一つしか思いつかんかった。
スタジオの帰り、軽い食事を摂るために立ち寄った居酒屋。ウエノさんが手洗いに立った隙をついて、
俺はテーブルの上に置かれた携帯に手を伸ばした。
384名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 23:28:44 0
「なんという誘い受け…アベ悪い子だよアベ(;´Д`)」とハァハァしながら読んでたのに


なんて切ない後半戦…
385名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:17:32 O
続きキテター(゜∀゜*)ー!!ハァハァ
大作の予感イイヨイイヨー!
386名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:25:57 O
  うわーん
。゚‖゚´Д`゚‖゚。
387名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:55:55 O
えぇぇもう職人さん神すぐる………
なんか3人が3人ともセツナスウワァァ━━━゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!!!!
388名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 06:50:22 O
リーダーかっこよすぎる優しすぎるシンヤおいしすぎる!
389名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 08:51:42 O
シンヤおいしいよね
それ以上に苦しいだろうけど
しかしアベクンニ誘惑されてウエノさんに大事にされて…やっぱりおいしいな
390名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 11:15:20 O
フトツはエラがシンヤを違う意味だけど大事にしてるのが不安なのか?
3人とも切ないお…
391名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 12:05:52 O
>>390
私もそうオモタ
フトツは自分のことを束縛してほしいんだと思う。
誰と寝てもいいとか言うなよ………みたいな
392名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 13:38:24 O
>>389`アベクンニ'に反応してしまったのは自分だけでいい
393名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 13:51:31 O
>>392
ごめん自分も
言わないようにしてたのにw
394名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 14:14:01 O
>>392
ノシ
395名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 14:42:07 O
本気の度合いを測り始めたら不安になるばっかりだよ、愛されたがりのアベくん。

自分が想う以上に想われたい、
でも想うことが苦しくて自身のその感情から自由でいたい
…みたいな勝手なアベくんを想像しました。
あー思い切り甘やかしたい。
396名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 14:43:39 O
アベさんは結婚したいんだなエララと
397名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 15:33:20 O
[=.・з・]<結婚しよっかアベくん
398名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 17:46:23 O
ばっかじゃねえ>(*`皿´)σ[・ε・=*]<なんだよ〜
399名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 23:26:48 O
エラが稼ぎ、家事をこなし、挿入する
なんか大変だな
400名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 03:03:45 0
トイレの世話がいらないペットですね
401名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 15:07:19 O
>>399
確かによく考えたら鰓の負担が大きいwww
402名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 16:45:38 O
気が向いたらギターを弾き
気が向いたら夜遊びをし
帰宅したら暖かい部屋でおいしいご飯と充実の性生活
403名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 18:42:20 O
古い携帯に入ってた
ttp://ip.tosp.co.jp/GM/TosGM100.asp?I=1215ab


wwww
404名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 18:59:11 O
うわー懐かしいw
405名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 19:35:50 O
[=.・з・]<ハッピーエンドだった
406名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 20:52:48 O
‖´_ゝ‖…でしょうね ←すぐ挿れようとした
407名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:57:32 O
∬;`―´∬。o(優しくし過ぎた… ←咥えて逝かせて寝かせた。
408名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 22:01:01 O
シンヤ…www
409名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 22:48:40 O
(`皿´#)=3 ヽ‖<_`;‖←リベンジならず
410名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:45:38 0
目を覚ましたとき、寄り添う体温を探すのが癖だった。あまり眠りの質が良くない俺は、
いつの頃からか、眠るときに縋りつく体を必要とするようになった。誰かとぴったり体をくっつけていると
不思議とよく眠れたから。浅い眠りから覚めてしまったときも、抱き合った相手の温度に鼻先を埋めると
もう一度夢の中に落ちることができた。だけど、今日は誰も、いない。ベッドに一人寝転んで、天井を
見上げる。遊ぶ相手は幾らでもいたけど、わざわざ連絡をとって呼びつけるのも面倒だった。眠りたいな、
って思ったときに、決まって部屋に押しかけてくるやつが一人いたんだけど、そいつは多分もうこの部屋に
来ない。ごろりと寝返りをうつと、冷えたシーツが頬を撫でる。目を閉じても睡魔はやってきてくれない。
眠るのを断念して酒でも飲もうかと体を起こした瞬間、傍らに放り出してあった携帯電話が着信を告げた。
小さな液晶には見たことのない番号が表示されている。出るつもりはなかった。しばらく振動を続けた
電話がぴたりと動きを止めて、ほっと息を漏らす間もなく、再度手の中で筐体が震える。それを数度
繰り返してから、ようやく俺は無視するのを諦める。しつこい奴だ、って苛立ちながら、通話ボタンを
押し込むと、うっすら聞き覚えのある声がスピーカーから流れ出した。
『アベさん、ですか?』
電話を耳に押し当てて、ぼんやりとした記憶を探る。睡眠の足りない頭では簡単な思考もなかなか
うまくいかない。
「アベだけど、誰」
『あ、ええと、シンヤです』
ぽかりと頭の中に歳若い男の姿が浮かぶ。顔を合わせたのはほんの数日前なのに、随分
昔のことのような気がした。
「なんでお前俺の番号知ってんの」
『ウエノさんの携帯見ました』
機械を通して聴こえてきたその名前に、ひくりと肩が震えた。
あの日も、こいつは自分とウエノの近い距離を見せ付けるように、親しげな声で何度もウエノの名前を呼んだ。
ライブ前の楽屋に顔を出したとき、すぐに気が付いた。ああこいつはウエノのことが好きなんだな、って。
ウエノに向けられるシンヤの視線には、純粋な好意だけがあった。犬が飼い主を見つめるときのような。
411名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:46:09 0
俺がウエノと言葉を交わすと、その目は素直に嫉妬の色を帯びて俺を突き刺した。可愛いな、って
思った。初めて女に惚れた男の子のように、ウエノの一挙手一投足に気を揉む素直さが微笑ましかった。
他人にあれこれ敏感に気を遣うくせに、こいつは自分のことになると絶望的に鈍感だから、
もっとはっきりアピールしないと気が付いて貰えないぜ、って言ってやりそうになった。どれだけ
こいつがウエノを好きでも、ウエノが俺を捨ててこいつを選ぶはずはないっていう根拠のない自信が
そのときはあった。不安を抱く隙間もないくらい、ウエノはいつも俺を甘やかしてたから。
だけどそんな余裕は、ライトに照らし出されたステージを目の当たりにして霧のように消えた。
体を軋ませる音の中で、俺はこてんぱんに打ちのめされる。俺の手の届かないところで、ウエノと同じ音を
鳴らす男。ステージの上でウエノの隣にいるのは、俺じゃなくてシンヤだった。胸の中にぽつりと落ちた
黒い不安は、心臓に深く根を張り物凄いスピードで育っていった。シンヤは、ウエノだけを見てる。
俺とは違って。今まで俺はウエノと付き合っている間も、いろんな奴と遊んできた。もともと一人の相手に固執
するタイプじゃない。気持ちよければ誰とでも寝た。女も男も、数え切れない人数と肌を合わせた。
バンド関係の知り合いやスタッフは勿論、音楽の趣味が合うからと言って、飲み屋で会った
名前も知らない男と寝たこともあった。俺の体に残った他の人間の痕跡を見つけるたび、ウエノは
呆れた顔で苦く笑った。仕方ない人だね、アベ君は。いつだってそう言って俺の遊びを許してくれた。
シンヤなら、きっとそんなことはしない。一つの恋に一生懸命になって、脇目もふらずただ一人だけを
愛するんだろう。愛せる、んだろう。自分は他の奴と寝てるくせに、ウエノが他の誰かと寝るかもしれない
っていう想像は一瞬にして足元の地面が消え去ってしまったような衝撃を、俺に与えた。何よりも、
俺なんかと付き合ってるより、シンヤみたいな奴と付き合ったほうがウエノは幸せなんじゃないかって
ことに気が付いて愕然とした。今までセックスをしたどの相手よりも、ウエノと過ごした時間は長い。
体を重ねた回数も、多分、一番多い。俺は別にウエノに惚れてるわけじゃない、のに、そういう相手が
いざ自分の傍を去ってしまうかもしれないって考えるとわけのわからない焦燥で頭の中がいっぱいになった。
だから、シンヤを誘った。真面目すぎるこいつは、俺と寝たら罪悪感でウエノとすることなんか
考えられなくなるって思ったから。こいつが真っ直ぐウエノを見つめられなくなればいいと思った。
ウエノよりもはるかに乱暴な手の動きを感じながら、薄汚い自分のやり方に吐きそうになった。
吐きそうなのに俺の体は愛撫に反応して悦んだ。他の男と寝たときと同じように。
412名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:46:40 0
「で?何の用だよ」
シンヤは、ウエノともう寝たんだろうか。頭の奥ががんがんと痛む。ウエノと切れた俺には、もう
関係のないことなのに。いや、付き合ってたって、関係ない。俺たちの間には何の約束もなかった。
所詮男同士、互いを縛る書類や法律はない。
『明日、会えませんか』
迷いのないその声に、戸惑って口を噤んだ。今更俺と会って、シンヤはどうする気なんだ?
ウエノに近づくなとか言うつもりなら、はなから俺はあいつと会うつもりなんかない。それは、つい数日前に
目の前で決定的な別れを見せ付けられたシンヤもわかってるはずなのに。まさか、セックスをする
つもりじゃないだろう。ウエノがあれだけ強い口調で関係を拒絶した以上、こいつが俺に手を出してくる
とは思えなかった。別にね、俺はしてもいいんだけどさ。手つきは荒っぽかったけど、下手糞ではなさそうだったし。
「何、遊んでくれんの?」
真意を測ろうと軽い口調で誘いかければ、冗談じゃないです、って生真面目に返される。
「じゃあ行かないよ、言いたいことあるなら今聞くし」
『直接、話したいんです』
突き放すように言っても引き下がる様子はなかった。
『ウエノさんと俺のこと、はっきり伝えときたいんで』
何だよ、勝利宣言でもするつもりか、ってちょっと呆れた。まあそれも、悪くないかな、って思う。
今までは俺が一方的に他の奴と寝てた。他の奴とヤってるって事実をウエノに突きつけてきた。
最後くらい逆のことをされるのもいい。シンヤが告げた店の名前は、俺のマンションからも歩いて行ける
距離のバーだった。ウエノとも何度か訪れたことがある。それを知って指定してきたとは思えなかったけど、
少しだけ胸が苦しくなった。明日の21時にそこで、ってぶっきらぼうに言って電話が切れる。沈黙した
携帯を放り出してベッドに倒れこんだ。疲れてるのに、やっぱり眠りはやってこなかった。
結局俺は一睡もできずに約束の時間を迎えた。頭がぼんやりしてひどく気分が悪い。行くのをやめようかとも
思ったけど、どうせ部屋にいても眠れはしないのだ。のろのろと服を着替えながら、初めてウエノと寝たときの
ことを思い出した。ワインを手土産に押しかけてきたあいつを部屋に上げて、散々飲み明かした朝。
413名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:47:58 0
アルコール漬けの体を持て余してごろごろしてた俺に、酔っ払った顔でウエノは言った。
眠れないの?
横たわったまま視線だけを向けて頷けば、伸びてきた細い指が床に投げ出した俺の手を撫でた。
眠らせてあげようか。
色めいた響きを帯びた声は、その意図をはっきりと俺に伝えた。前に、一人では眠れないのだと、
笑い混じりに話したことがあった。ウエノはそれを覚えていたんだと思う。黙って指に指を絡め返せば、
体を仰向けに転がされ、天井を見上げた視界にウエノの頭が入り込んできた。
セックスしないと眠れないんでしょ?可哀想に。
ゆっくり体が近づいて、目の縁に柔らかな唇が触れた。子供をあやすようなやり方に、笑いながら
背中に腕を回した。自分のと同じ煙草の匂いが心地良くて首筋に鼻先を埋めた。俺にとっては
その日セックスをする相手が偶然同じバンドのベースだったっていう、ただそれだけのことで、男同士の行為に
抵抗を覚える倫理観はもとよりない。掌を滑らせてシャツの裾をかい潜り、広い背中に指を這わすと、
悪い人だね、ってウエノが笑った。
悪い人だね、そうやって男を誘うんだ。
優しくなじるようなその言葉に、腰の奥が熱く痺れた。ウエノはセックスが上手かった。後で聞いたら
男は俺が初めてだったとか言ってたけど、そんなこと全く感じさせない手つきで俺を狂わせた。体の相性が、抜群に
良かったのかもしれない。求められるままウエノの性器を口の中に導き入れれば、囁かれる言葉に欲望を煽られた。
そんなやらしいこと、誰に教わったの?
奥まで咥え込みながら上目遣いに見上げると、ずるりと幹を引き抜かれて床の上にうつぶせに押し倒された。
体の表面を這い回る唇と舌と指。丁寧な愛撫に焦らされて、俺は恥かしい声を上げながら発情した
猫のように腰を揺らした。
ウエノ、早く、ウエノ、ウエノ。
早く、何?
早く、挿れて。
もう我慢できないの?
できない。
仕方ないねえ。
後ろから穴に突き刺された硬い熱の塊に、床を掴んで喉を反らした。今でもはっきり覚えてる。快感をせがんで
痙攣する内側をかき回しながら、ウエノは初めてその言葉を口にした。好きだよ、アベ君。欲望でおかしくなった
頭が、冷水を浴びせかけられたように静かになり、こいつはなんでそんなことを言うんだろうって思った。
414名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:48:44 0
互いの欲望だけをなすり合うようなセックスに、愛の言葉はあまりに不釣合いだったから。疑問はほんの一瞬で、
ぐずぐずと溶け崩れる快感の底に消えてしまったけど。基本的に俺はものを考えない。相手の気持ちを測るとか、
そういう面倒臭いことはしたくない。
気紛れに体を重ねる関係になった後も、ことあるごとに、ウエノは俺に言葉をくれた。
好きだよ、アベ君、愛してる。髪を撫でてキスをして、甘い声で囁いた。俺はアベ君だけだよ。暖かすぎる響きは
ちくちくして気に食わなかったけど、セックスを繰り返すごとに俺はウエノの言葉を気にしなくなった。
肌を合わせるときの口癖みたいなもんだろうと思って。気分とか雰囲気に作用するような。それなのに、これから先
あの柔らかな言葉が自分以外の奴に向けられるのかと思うと、心臓のあたりがざわざわした。後悔、してるんだろうか。
シンヤの体を抱き寄せたとき、ウエノが捜しにくるかもな、ってちらりと思った。それでも俺はやめなかった。
どうせ見つかったところでいつものように、駄目な人だね、って笑うだけだろうと高をくくってた。ちょっと呆れたふうに
俺を叱りつけるウエノの声は気に入っていた。俺は勘違いしてた。ウエノの甘さや優しさは自分だけに
向けられるものなんだって。あいつがどれだけ身内を大切にするか、知ってたはずなのに。
遊ぶ相手が一人減ったってだけのことが、どうして俺をこんなに動揺させるのか自分でもよくわからない。
ぽっかり体に穴が空いたような落ち着かない気分のまま指定された店に辿り着き、分厚い木のドアを開けた。
薄暗い店内をぐるりと見回した目は、ありえない奴の姿を見つけて凍りつく。人待ち顔のそいつは長い指で
グラスを弄びながら、俺の視線を感じ取ったかのようにこちらを振り向いた。近づいてきたフロアマネージャを
手で制し、カウンターの一番奥、俺を見つめるそいつに歩み寄る。くそ、約束が違うだろ。
近づいてくる俺から視線を逸らさない茶色い目に、息の仕方を忘れそうになる。無視して店を出るって
選択肢もあったけど、逃げ出すような格好になるのが嫌だった。
「シンヤ?」
「うん」
隣のスツールに腰掛けると、いつもと変わらない声で、ウエノがこの状況を設定しただろう奴の名前を呼ぶ。
頷いた俺に苦笑して見せた唇が、グラスのビールを飲み干した。こいつも、俺と同じでシンヤに
呼び出されたってことか。注文した酒が運ばれてくるまで、短い沈黙が落ちる。こうしてだまし討ちのように
引き合わされたところで、話すことなんかねえってのに。カウンターに置かれたグラスの中で小さな気泡が
生まれては消えていく。いい迷惑だ、と思う。あいつにこんな手の込んだ嫌がらせをする頭はないだろうから、
多分悪意はないんだろうけど、その分性質が悪い。手持ち無沙汰に煙草を咥えて火をつけた。
415名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:49:15 0
「ごめんな、あいつなりに気い遣ったんだと思うんだけど」
シンヤを庇うようなその言葉に、グラスに伸ばしかけた指が震える。
「仲直りでもさせようって?」
「うん」
「別に喧嘩してるわけじゃねえのにな」
「そうね」
ほとんど吸ってない煙草を灰皿で揉み消す。穏やかなウエノの口調がいちいち気に障った。そんなことに
苛々する自分が気持ち悪くて、シンヤの無邪気さが心底羨ましくなった。
「ほんと、可愛いね」
「何が」
「シンヤ」
馬鹿みたいだな、って自嘲する。こんなんまるで昔の男に嫉妬する女じゃねえか。たまらず俯いた視界に
見慣れた綺麗な指が映りこんで、俺の前髪を掬い上げた。
「アベ君も可愛いよ」
言われた瞬間、グラスの酒をウエノの胸に向かってぶちまけていた。急に酒をかけられたウエノよりも、多分
俺の方が驚いてた。こちらを横目で窺うバーテンダーになんでもないというふうに笑いかけて、ウエノが俺の手から
空になったグラスを奪う。たいして中身は残っていなかったから、被害はシャツに濃い色の染みができた
くらいのものだった。グラスをテーブルに戻しながら、静かな声でウエノが言う。
「酔っ払うの、早いんじゃない?」
呼び出しに応じた以上、シンヤになら何を言われても平気なつもりだった。だけど、まるで予想していなかった
ウエノの言葉は俺の気持ちを容赦なく引っ掻き回す。
「あんまり寝てないんでしょ」
誰のせいだよ、って言いそうになって唇を噛んだ。眠れないのは別にウエノが悪いんじゃない。
セックスをする相手は幾らでもいる。適当な奴を呼び出して抱き合えばそれで眠れるはずなんだ。
重たい頭でそこまで考えたとき、俺は遊び好きの自分がどうしてあの日以来誰とも寝なかったか、その理由に
気が付いて息を詰めた。はっきりと意識はしていなかったけど、もしかしたら誰とヤっても眠れないんじゃないかって
恐怖が、俺に他の人間と肌を合わせるのを躊躇わせていた。ウエノとセックスができたときは、他の相手で
眠れなくても、いつでもウエノに眠らせてもらえるという安心感があった。
こいつは俺を眠らせるのが本当に上手かったから。
416名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:49:46 0
「うるせえな、ちゃんと寝てるって」
「嘘吐き。目赤いよ」
じわじわと首を絞められるような息苦しさに、口を開いて小さく喘いだ。
もう俺とは遊ばないっつったくせに、どうしてそんなこと言うんだよ。ジーンズのポケットから財布を引っ張り出し、
適当に札を抜いてテーブルに置く。俺の名前を呼ぶ声を無視してスツールを降り、逃げるように店を出た。
人気のない夜道をしばらく歩いたところで、追いついてきた声がもう一度俺の名前を呼んだ。
「アベ君、待って」
さっきの店で飲んだ後、俺の部屋で抱き合ったことが今までに何回かあった。そのときと同じ道を歩いてるのに、
俺たちはもう同じ場所には辿り着けない。
「待ってってば」
生臭い感傷を、切り捨てるようにして歩調を速めた。瞬間、肘を掴まれて強引に振り返らされる。
「何だよ」
「お釣り、忘れてる」
「いらねえ」
「俺も、いらないの?」
振り解こうとした腕が止まった。頑なに俯いた視線の先には、俺の腕を握り締めたウエノの白い指がある。
「俺のことも、もういらない?」
「・・・いらねえ」
「そっか」
夜の街は恐ろしいほど静かで、低められた声もはっきりと耳に届く。
「それでもね、俺は、アベくんを愛してるよ」
掴まれたままの腕が熱い。必死に呼吸を整えて、ぎりぎりまで冷やした言葉をウエノに叩きつけた。
「もう遊ばねえんじゃなかったのかよ」
「遊ばないよ」
「ヤりたいならシンヤんとこいけば。あいつきっとヤらしてくれるよ」
腕を掴んでない方の手に髪の毛を引っ張っられ、無理矢理頭を上げさせられた。真っ直ぐ俺を
見るウエノの目に、怯みそうになる。こういう目は苦手だ。どんな顔をしていいかわからなくなる。
417名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:50:16 0
「俺はね、アベ君と遊んだことなんて一回もない」
言葉の意図を理解できず押し黙る俺を見て、ウエノが僅かに苛立った声で続けた。
「全部、本気だったよ」
何を言ってるんだ、こいつは。そっと頭を引き寄せられて、目を閉じることもできないまま唇が触れ合った。
瞬きよりも短いキスは、みしみしと俺の心臓を軋ませた。もっとずっと激しいキスを交わしたことが何度も
あるのに、体が火照って息が上手くできなくなる。セックスをして眠りたい、と思った。他の誰とでもなく、ウエノと。
慣れた体温に縋りついて滑らかな肌に鼻先を押し付けて、溶けるように眠りたい。
「ウエノ」
「うん」
「眠れねえんだ」
乱れた前髪をかき分ける指に、膝が震える。
「眠らせてあげようか?」
初めて寝たときに囁かれたのと同じ科白が鼓膜を優しく撫でる。
「アベ君が、本気になってくれるなら眠らせてあげる」
無理だよ、ウエノ。俺は一人の奴に夢中になることなんてできないんだよ。
「ね、約束しよう」
髪の毛から首筋を這い降りたウエノの手が小指を伸ばして拳を握る。
「俺はアベ君しか愛さない。だからアベ君も俺だけを見て」
できない、って言おうとしたのに、強張った喉ではどんな言葉も声に変えられない。差し出された小指を
見つめて無言で首を振った。あいつなら、きっとウエノの求めに大喜びで応じることができるんだろう。
でも俺は駄目だ。ウエノの本気を裏切って、どれだけ遊んできたか考えてみろよ。こんな約束、きっとすぐに
破ってしまう。棒切れのように突っ立ったままの俺に、ウエノが微かに笑う気配がした。
「ほんと、仕方ないねえ、アベ君は」
そっと手を掴み上げられ、だらりと力の抜けた俺の小指に、ウエノの小指がしっかりと絡みつく。
「そういうとこも、全部好きだよ」
418名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:50:47 0
強引に結ばされた約束が、そのままウエノの優しさを表していた。俺には逃げ道を残しながら、
自分だけ束縛されようとする。繋いだ小指を振り解いた手でウエノの腕を掴んだ。部屋に着くまで、
一言も口をきかなかった。一秒でも早く、ウエノと抱き合いたかったから。急いてもたつく俺の指から
鍵を取り上げて、ウエノが落ち着きを失わない冷静な手つきでマンションの扉を開ける。俺たちを
迎え入れたドアが閉まりきるよりも早く、玄関の壁に背中を押さえつけられていた。
「ウエノ、俺を叱ってよ」
向かい合う体をきつく抱き締めてせがむ。俺はきっと約束を破ってしまうから。そしたらちゃんと俺を叱って。
浮気をなじられるたび、約束を思い出して俺はお前の本気を知ることができる。
「いいよ」
こめかみに落とされるキス一つで体に火がともる。
「やめてって泣くまで、叱ってあげる」
囁かれる言葉にまで感じて喘いだ俺の唇を、ウエノの唇が優しく塞いだ。
その日、夜が明けるまで俺たちは眠らなかった。

フロアを心地良い音楽が流れていく。思いおもいに踊ったり酒を飲んだりしてる人々から、DJブースに視線を
移す。ブースの中のウエノさんはうっかり針飛ばしをするくらい今日はご機嫌だ。奥まった壁に背中を預けて
ソフトドリンクのグラスを傾ける。何しとってもかっこええなあ、ウエノさんは。そんなことを思いながらうっとり
ブースを眺めてた俺のすぐ傍らの壁に、すっと丈高いシルエットがもたれかかった。
「久しぶり」
ちょっと不安定な響きの声がざらりと神経を逆撫でる。
「何しに来はったんですか」
「お前に会いに」
「気持ち悪いこと言わんといてください」
横目に顔を見上げれば、アベさんは小さく肩を震わせて笑っていた。はいはい、上手いこといっとるわけですね、
おふたりさんは。俺の企みは、どうやら成功したらしい。別れようとしてたこの人たちをもう一度引き合わせたのは
俺自身だ。馬鹿なことしたな、って思わないでもないけど、好きな人には笑ってて欲しいもんやし。
419名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:51:07 0
ウエノさんの幸せには、この人の存在が不可欠なんやから。とは言っても、ふたりの幸せを無条件に
喜べるほど、できた人間ではない。さっさと後腐れなく円満離婚してください、って心の中で呟きながら、
むすっと視線をブースに戻せば、ひんやりした指に手を握り締められて文字通り俺は飛び上がる。
「なに・・・」
「ありがとな」
初めて、アベさんの真剣な言葉を聞いた気がする。真っ直ぐな声の響きに、なんや、可愛いとこあるやん
って思ったのは一瞬だった。
「お礼に今度遊んでやるよ」
ああもう、ほんまに仕方のない人やなあ。
「ふざけたこと言うと泣くまで犯しますよ」
「へえ、そう。期待してる」
猫のようなしなやかな動きで壁から背中を離したアベさんがフロアに向かって足を踏み出す。その細い肩ごしに、
いつのまにかDJを終えてブースから降りてきたウエノさんの顔が見えた。ぐるりとフロアを見渡した色の薄い目が、
アベさんの姿を認めて幸せそうに微笑む。きゅっと胸の奥が苦しくなって、誤魔化すようにグラスの中身を飲み干した。
人波を泳ぐようにして、真っ直ぐウエノさんへと歩み寄るアベさんの背中に俺は誓う。すぐに追いつきますからね。
あんたよりもずっとええ男になって、絶対ウエノさんを振り向かせますから。それまでウエノさんを幸せにしとってください。
俺の気持ちが伝わったわけでもないやろうけど、一瞬俺を振り返ったアベさんがとびきり色っぽい顔で笑った。
420名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:29:39 O
キテタ━━━━━(*´Д`)━━━━━━!!!!!ハァハァ
421名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:33:35 O
か、神があああああ!!!!!
鰓とアベのバカップルは不滅だ!!!
真也いい男になれ!!応援してるがんばれ!!!
422名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:50:18 O
神様、アベをこんなに色気大魔神に描いてくれてありがとう
そんなアベを結局落としてしまう、キャパでかすぎの
イイ男にエラを描いてくれてありがとう
思い残すことはないくらい、
最高に周りに迷惑なエロ気たっぷりの極上エラアベです
マジありがとう

シンヤマジありがとう
シンヤに何らかの形で幸あれ
423名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 07:01:34 O
( ´,_ゝ`)プッ
424最安42円から見放題!:2008/02/25(月) 07:33:06 0
425一億円でも見れません:2008/02/25(月) 10:04:39 O
426名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 11:56:21 O
神キテタ――――!!!!!
427名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 14:59:56 0
>>419
バボ神、記憶喪失アベとか書く気ない?w
428名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:17:47 O
フトツそれは好きっていうんだよ…
鰓さんかっこいいよ…
429名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:28:08 0
>>427
真ん中のネタだし、ぬこあべとの差別化が難しそうだなぁ
そのあたりどうなんだろう?
430名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:46:03 O
バボ神アベはぬこあべみたいに純真無垢じゃないから
何とかいけそうな気はするw
と言うよりむしろバボ神のならもう何でもいいです
本当になんなんだこの色気垂れ流しのアベは(*´Д`*)
431名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:48:40 O
>>428
全部わかってるエララに感動さえ覚えるね
432名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:30:46 O
神を越えたな!なんだこれ…萌え所がありすぎてやばい。三人ともハッピーエンドなんて今まであんまりないよな…。まじ凄いです!神様乙です!
シンヤGJ!
433名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:33:38 O
シンヤはハッピーエンドつかポジティブエンド
434名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 15:57:46 O
ああああ。
バボ神がお書きになる奴等は、自分が勝手に想像してる人格と合致してるんで本気ありがたい。
妙な女々しさだとかがないから脳内で実写化しても違和感ない。
なんか、おしゃれだ。

ネタ出来たら是非ともまた投下お願いします!
435名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:04:06 0
>>434

男臭さもありつつのリアルな感じが好き。
436名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:07:41 0
萌えポイントおさえてるし、文章力があるから読みやすいよね
アベくんの色気がたまらんハァハァ

欲を言えばもうちょっと改行してほしいけどw
437名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:22:18 0
もうなんでもいいくらいツボです
書きたかったことがハイクオリティで投下されてる感じ
幸せをありがとう
438名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:15:05 O

    うんこさわるとうんこつくよ!
                 ハ_ハ
               ('(゚∀゚∩ つくよ!
                ヽ  〈
                 ヽヽ_)
439名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:14:09 O
目を閉じて腰揺らしてリズムとるアベのエロさはとんでもなく異常
440名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 18:58:15 O
どんだけぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
441名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 03:04:26 O
(`皿´)
442名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 03:10:58 O
スッ
≡[=.・з・](`皿´)
443名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:19:07 O
AAウ
444名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:45:35 0
激しい雨音が響いている。
本のページを繰る手を止めて、カーテンを閉め切った窓を見た。
黄昏時に降り始めた雨は、夜が深まるにつれて勢いを増し、真夜中を過ぎた
今も止む気配を見せない。旨いワインに釣られて部屋にやってきたアベ君は、さっきから
ソファに腰掛けた俺の足元に寝転がり、音量を絞ったテレビを眺めてる。深夜放送の古い洋画は
いまいち趣味じゃないらしい。だらしなく投げ出された足の先が、雨音に合わせてぱたぱたと
軽いリズムを刻んでいる。同じ部屋にいても、アベ君と一緒に何かするってことはほとんどない。
せいぜい食事とセックスくらいのものだ。他の時間はお互いに好き勝手過ごしている。
酒を飲んだり、楽器のメンテナンスをしたり、レコードを聴いたり、本を読んだり、テレビを見たり。
知らない人が見たら、こいつら仲悪いんじゃないかって勘違いするかもしれない。
どっちかがその気になればセックスもするけど、明け方までそれぞれぼんやりと過ごして、
それじゃまた、ってときもあるし、何もせずにただ抱き合って眠るだけのときもある。
結局のところ、何をするかはたいした問題じゃないんだ。こうして同じ空間にいるってことが
どうしようもなく幸せだから。アベ君が傍にいると、時間が穏やかにゆっくりと流れる。
その心地良い感覚は、他の奴相手では決して味わえないものだ。
「雨、すごいな」
独り言のように呟けば、アベ君は振り返りもせずに、うん、って返事をする。途端に
耳を劈くような雷鳴が轟いて、細い肩がびくっと震えた。それから、寝そべったまま首を反らして
俺の顔を見上げる。
「窓、開けてみよっか」
「駄目だよ」
目を輝かせながら言うのを、苦笑して却下した。でかい音がとにかく好きなこの人は、雷の音にも
わくわくしてしまうらしい。不満げに唇を尖らして、アベ君がごろりと仰向けに寝返りをうつ。
しこたま飲んだワインのせいで、切れ上がった目元がほんのりと赤い。歳のせいか、近頃アベ君は
酔っ払ってもあんまり暴れなくなった。基本的にご機嫌になるのは変わらないんだけど、迷惑な
絡み方はせずに、気持ち良さそうな顔でうっとりしてる。さっきより近い雷鳴に耳を傾けながら
膝の上に開いてた本を傍らに退かし、無言のまま伸ばされた指先を掴んで、アベ君の体を引き起こした。
445名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:46:08 0
「もう寝る?」
「うん」
「映画、いいの?」
「うん」
問いかけに等閑な返事をして、アベ君が俺の膝にことりと頭をもたせ掛ける。艶のある髪に指を
絡めた瞬間一際大きな雷鳴が轟き、視界が真っ黒に塗り潰された。
「停電・・・?」
「だね」
閉めきられた部屋に、ざあざあと降りしきる雨の音だけがやけに大きく響く。目を開いてるのかどうか
不安になるくらい深い暗闇は、今の時代なかなか経験できないものだ。アベ君の指が髪を撫でていた俺の手を
掴んだ。低い体温がゆっくり肌に馴染んでいく。誘うように指先を握り返せば、ふわりと空気が揺らめいて、
膝の上に馴染んだ重みがよじ登ってくる。こんな暗い中でアベ君といるのは初めてだな、とか思ってちょっと笑った。
眠るときもセックスのときも、完全に照明を落としたことはない。アベ君は鳥目だし、俺は暗いのが苦手だから。
明かりがないと落ち着いて眠れない。膝の上に跨って俺の胸や首筋を確かめるようにぺたぺたと触りながら、
アベ君がからかいの滲む声で言った。
「大丈夫?」
「何が?」
「お前、暗いの駄目じゃん」
「アベ君がいれば、平気だよ」
カーテンの向こう、窓の外を稲妻が走って、部屋の中をほんの一瞬明るく照らす。向かい合うアベ君の
顔が思ったより近いところにあった。手探りで細い腰を抱き寄せると、まずは尖った鼻先が額に触れ、
次に柔らかな唇が押し当てられる。これだけ暗いとキスをするのも一苦労だ。目隠しをしたまま触れ合ってるような
もんだから。鼻と唇で互いの顔を探り、そっと首を傾けて角度を合わせる。ようやく唇が重なった頃には、
ふたりしてくすくすと笑い始めていた。
446名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:46:37 0
「変な感じ」
触れるだけのキスを何度か繰り返して、アベ君が言う。息遣いだけで、欲情してるのがわかる。俺も、
アベ君も。シャツの裾をたくし上げ、滑らかな背中に掌を滑らせた。直に触れた体温が皮膚の内側まで
潜り込んでくるような気がする。視界を塞がれてるせいか、なんでもない衣擦れの音までやけにはっきり
聴こえるから不思議だ。雨の音の方がずっとうるさいはずなのに。指先で背骨の凹凸を一つひとつ辿れば、
アベ君が小さく息を呑んで深く唇を合わせてくる。慣れた仕草で開かれた唇の隙間に舌の先を忍び込ませた。
ふわりと広がる煙草と酒の匂い。痩せた背中に突き出た肩甲骨を辿り、脇腹を撫でて肉のない胸に
指先を這わせた。腕の中の体が、小さな刺激にびくついて震える。何をされるのか、どこを触られるのか、
息を詰めて待ち構えている。舌を絡め合いながら、胸の突起をそっと探った。全く触れていなかったのに、
感覚器以外の機能を持たないそれは既に硬く尖っていた。
「ここ、触って欲しかったの?」
唇をくっつけたまま、低めた声で囁く。肌で感じるアベ君の呼吸が少し速くなる。先端を掠めるように
指先を動かすと、首に回された腕がきつく体にしがみついてきた。切なげに喘ぐ呼吸の音だけで、
今すぐ突っ込んでやろうか、ってくらいに欲望が膨らむ。薄い舌先が焦れたように俺の唇を舐めた。
片腕で抱え込んだ腰がゆらゆらと揺れる。言葉よりも雄弁な、もっと欲しい、のサイン。
敏感な突起を指の腹で捏ねるように弄べば、俺の左頬に頭を擦りつけて、アベ君が肩口に顔を埋めてくる。
稲妻に照らし出された真っ白い首筋に、柔らかく歯を立てながらキスをする。地鳴りのような雷の音。
それよりも近いアベ君の喘ぎ声。腰を抱いた手をずらし、わざとゆっくりベルトのバックルを外す。
金属がぶつかる音が響くたび、俺の肩の上で小さな頭が頼りなく揺れて、素直な髪の毛が頬を擽る。
どんな顔を、してるんだろう。暗闇に目を凝らしても、今は体の輪郭さえはっきりと見て取ることはできない。
温度も匂いも声も呼吸もこんなに近いのに。互いの反応が目に見えないってのは、じれったくて
もどかしいもんなんだな。闇に溶けた体を手探りで確かめ合って息遣いに耳を澄まして、それが逆に、
行為のやらしさを際立たせるんだけど。
「・・・ウエノ」
「ん?」
「何か、言えよ」
447名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:47:04 0
ぎゅっと体を擦り寄せながら俺に言葉をせがむアベ君も、多分同じことを思ってる。緩んだジーンズの
ウエストに手を差し入れながら、忙しなく上下する胸を指先で辿った。細い腰をひくつかせてアベ君が呻く。
ぞくぞくするほど色っぽい声で。この状況で何か言えって言われても、俺、やらしいことしか思い浮かばねえよ。
そんなこと、自分だってわかってるくせに。くっきりと皮膚を押し上げる腰骨の尖りを掌に包み込み、
お望みどおりに口を開いた。
「どっちがいい?」
「どっち、って」
「前と後ろ」
アベ君の指が俺の肩に爪を立てる。
「好きな方、触ってあげるよ」
微かな音を立ててアベ君が息を吸い込む。胸を弄る手で尖った乳首を押し潰せば、しがみつく指の力が
強くなった。咎めるように俺の首筋に噛みついた唇は、言葉を探して小さく震えてる。
「電気、なかなか点かないね」
ときおりひくひくと痙攣する華奢な腰を撫でながら、のんびりとした口調で続けた。
「冷蔵庫ん中、大丈夫かなぁ」
「ウエノ・・・!」
はっきり上擦ったアベ君の声が俺の名前を呼んだ。肌を掠める吐息が熱い。
「触れ、よ」
「どっちを?」
「両方ッ」
我侭な人だね、本当に。我侭で可愛い人だ。請われるまま、窮屈なジーンズの中、指先を奥にそっともぐりこませる。
それから胸を嬲っていた手を下の方へ。息をきらしたアベ君が俺の耳に唇を押し付けてくる。
耳朶を甘く噛み締められて喉が鳴った。ひくつく穴の口を探り当てて指の腹でなぞり上げれば、
ジーンズ越しに触れた陰茎がじわりと硬くなる。たまにアベ君を抱いてるとき、この生き物は何なんだろう、なんて
ことを考えることがある。誤解のないように言っておくが、俺は別に積極的にその手の趣味があるわけじゃない。
とりあえず穴が開いてりゃいいってほど飢えてもいない。じゃあなんでこんな骨ばっかりで抱き心地の悪いおまけに
自分より背の高い男とセックスしてんのかって話になるけど、それが俺にもわからない。本来ならマイナスに
受け取るべきその全ての要素を、アベ君に限ってはそれがいいんだって思ってしまう。不思議だよね。
448名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:47:22 0
同じ背格好の人間を連れてこられてやってみろって言われてもそれは無理だ。見るのも触るのも男より女のが楽しい、
のに、俺はアベ君とセックスをする。それどころかアベ君とするようになってから他の人間に欲情するってことが
ほとんどなくなった。過去に付き合った女には散々遊び人だ女好きだと謗られたもんだけど。
一方のアベ君はそのときどきで女がいたりたまに男と遊んでみたり、でも誰とも長続きしない、俺を除いて。
そうやって散々遊んでおきながら、お前とのセックスが一番気持ちいいよ、とか言って笑う。嫌な奴だ。どうしてこんな
奴と抱き合ってんだろう。何やら真実はワインの中にあるらしいから、とりあえずワインで酔っ払ってる俺は
アベ君に好きだよ、って囁いてみたりする。はい、真実。以上、自問自答、終わり。そろそろちゃんと触ってやらないと
焦れたアベ君が俺の耳を噛み千切りかねない。まあつまり俺はアベ君という生き物に死ぬほど惚れてるってわけだ。
いつも通りの結論に落ち着いて、膝の上に跨った体をソファに押し倒そうと背中を起こしかけたとき、
ぶつりと耳障りな音を立てて電灯が光を取り戻した。スイッチの入ったテレビから映画の異国語が流れ出す。
ようやく電気ってやつが復活したらしい。白く光る蛍光灯から視線を下ろせば、同じように天井を見上げていた
アベ君と目が合う。うっすらと濡れた切れ長の目が戸惑いを滲ませて数度瞬いた。なんだかやけに
久しぶりに見たような気がするその顔を、じっくりと眺めながら囁く。
「電気、消そうか?」
「何で?」
「暗い方が感じるかと思って」
「そんなことねえよ」
ぶっきらぼうに吐き出された言葉を咎めるように、手の中の性器を握りこんだ。唇を噛み締めたアベ君が目を細めて
息を詰める。さっきまで素直に喘いでたくせに、ちょっと手を止めたらすぐこれだ。ジーンズの中に突っ込んでいた手を
抜き出し、ふらふらと頼りなく揺れる体を支えながら腰を上げる。促されるまま立ち上がったアベ君の背中を
抱き寄せるようにして、雨音の激しい窓際まで引き摺っていった。何すんの、って問う声に答えず、
窓を大きく引き開ける。途端に吹き込んできた冷たい雨に驚いて逃げようとするのを許さず、細い体を
ベランダに押し出す。そのまま自分も薄く水を張ったコンクリートに足を下ろし、後ろ手に窓を閉めた。
「ウエノ、何・・・!?」
「窓開けようって、アベ君が言ったんじゃん」
449名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:47:43 0
部屋から漏れる電灯の明かりで、降りしきる雨がきらきらと光っている。もがく体をベランダの鉄柵に押さえつけ、
強引に唇を合わせた。ずぶ濡れになった頭を振ってキスを拒み、冷てえ、とアベ君が呻く。俺の胸を突っぱねる
腕を掴んで抵抗を封じ、白い首筋に舌を這わせた。雨音に混じって微かな呼吸音が湿った空気を震わせる。
「やめろって」
「どうして」
「人来たらどうすんだよ」
「大丈夫だよ」
下の道路からは何をしてるかなんて見えやしないし、こんな雨の夜にベランダに出る馬鹿は俺たちくらいのもんだろう。
濡れて肌に張り付いたシャツの上から喘ぐ胸にキスを落とせば、暴れていた腕の力がぐっと弱くなる。
一度あったまったもんは次の過熱がしやすいんだっけ。慣れたやり方でアベ君の快感を呼び覚ましながら
頭の片隅でそんなことを思う。逃げ出そうと無駄な抵抗を繰り返してた腕が俺の肩に縋りついてくるまで
さほど時間はかからなかった。アベ君という生き物の扱いに関してはそれなりに自信がある。
多分俺はアベ君自身よりもアベ君の体をよく知ってる。知りすぎると大抵その相手とすることはつまらなく
色を褪せてきそうなもんだけど、どういうわけかこの人とは感覚が鈍ることがない。知れば知るほど
逆に鋭敏になってく気さえする。寒さと快感に震える腰を抱き寄せながら、水を吸って重くなったジーンズを
膝の辺りまで引き下ろし、片脚を抱え上げるようにして抜いた。そうしてるうちに、自分で体を支えられなくなった
アベ君が、背中を鉄柵に擦り付けながらずるずるとしゃがみこむ。薄明かりを反射して鋭い目が怖いくらい光ってる。
よじ合わされた膝を割って細い脚の間に体を割り込ませると、次に来るものを知ってるその目が切なげに歪んだ。
前髪をかき分けて滑らかな額に触れた唇を、ひっきりなしに伝い落ちる水滴が掠めていく。
奥まった箇所にそっと指を押し当てて、前から垂れた体液と雨に濡れたそこを丁寧に揉み解す。
俺の肩に指先を食い込ませてアベ君が喘ぐ。雨に洗われたコンクリートの上で、骨張った足が
長い指を握っては開く。頬に張り付いた髪の毛を払いのけてやりながら、中指の先を内側に沈めた。
「ぁ、あッ!」
押し殺された声が雨に溶ける。体の表面を這い落ちる水滴が体温を吸い取って温もっていく。
寒さはもう感じなかった。否応なしに上がっていく熱が、雨の冷たさを忘れさせる。
450名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:48:19 0
冷たい、やめろ、と押し殺した声で抗ってたアベ君の唇は、既に言葉を失っていた。甘く熱を帯びた
嬌声だけが雨音に混じって聴覚を犯す。絡みつく襞を押し開くようにして狭い中を解していくと、
俺の髪を掴んだ指がキスをせがんだ。粘膜の奥の腺を捏ね回しながら、親指で会陰を優しく
揉みこみ、思う存分声を上げさせてから唇を重ねる。縋るように差し出された舌をおざなりにあしらって、軽い
キスを繰り返す。気を、逸らしてやるつもりはない。半端なキスに、肩を掴んでた手が拳を握り、
苛立ちを滲ませて俺の背中を叩いた。
「ん、ウエノ、キス」
「駄目、今はこっち」
二本に増やした指でひくつく内壁をかき回せば、体を捩ってアベ君が啼く。
「ぁ、も、嫌だ」
前で張り詰めたものが物欲しげに震えている。早く、早く、ともどかしげに喘ぐのを無視して、もう一本
指を突き刺した。押し広げられた内側がもっと深く飲み込もうとするようにぞわぞわと蠢く。我慢がきかないのか、
焦らされ続けた体が後ろの刺激だけで上り詰めようとしてるのがわかる。強すぎる快感に背中を反らせたアベ君の
陰茎に指を絡め、きつく根元を締め付けた。
「もうちょい待ってよ」
「や、ぁ、うあッ」
「まだ指しか挿れてないでしょ」
雨に混ざって垂れ落ちた体液がぬるりと手を伝う。水から上がった獣のように頭を振るアベ君の髪から、
飛び散った水滴が光を反射してきらきらと跳ねる。ずるりと指を引き抜き、前を開けて引き出した熱を
穴の口に押し当てた。背後の鉄柵にしがみついて、アベ君が熱い息を吐く。ゆっくり腰を進めると、
根元を押さえられてるせいでイききれない陰茎がびくびくと脈打った。うっすら開かれた目が濡れて光る。
喘ぐ唇にキスを落としながら全てをおさめれば、細い脚が俺の腰に絡みついてくる。
「ん、動いて・・・」
せがむ声は喘ぎすぎて嗄れている。片手で幹を締め付けたまま、もう片方の手を膝の裏に回し、
大きく脚を割り開く。奥を犯したまま腰を捩るようにすると、アベ君がすすり泣くように喉を震わせる。
アベ君とのセックスは、自然の摂理に反してるのに女とのそれよりもはるかに本能的だ。挿れてる場所は生殖器じゃない。
注ぎ込む体液は意味を成さない。それなのに、元からこうあるべきなんだと言わんばかりに、温かな内壁が
俺の陰茎に絡み付いてくる。欲望が純粋すぎる。滑らかな水に沈み込む気分。人体構造を裏切ったやり方が
どうしてこんなに気持ちいいんだろうね。じわじわと抽迭を早めながら、仰向いたアベ君の細い首に唇を這わした。
451名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 04:49:00 0
荒い呼吸で蠢く喉に柔らかく歯を立てる。まずいよなって思う。これを続けていったら、俺はそのうちこの人以外
誰も抱けなくなっちまう。悪戯にかわすキスだけで根こそぎ理性を奪われる。
指先を触れた途端に、血液の一滴まで欲望に染まる。
「ああッ、イかせて、ウエノっ」
反り返って震える性器から手を離し、尖った肩を鉄柵に押さえつけるようにして腰を遣った。
アベ君の両手が俺の背中に回され、濡れたシャツをぎゅっと握り締める。雨音に混ざる声が
高くなって、体温がまた上がった。水滴の伝う頬を擦り合わせ、髪の隙間から覗く柔らかな耳朶に唇を落とす。
ああ、駄目だよ、アベ君。俺、もうアベ君しか抱けねえよ。気持ちよすぎて死んじまう。
溶けるような快感に押し流されるまま、深いところに精を放つ。同時に、絡めた脚で俺の腰を
引き寄せながら、アベ君が一際切なげに声を上げた。

気付かないうちに雷鳴は止み、だけど相も変わらず降り頻る雨が俺たちの体を優しく冷やしていく。
きつく互いを抱き締めて、呼吸が落ち着くのを待った。
「変態」
掠れた声が俺をなじる。
「感じてたくせに」
笑いながら言い返せば、背中を反らしたアベ君が俺の肩を突き放す。そのまま細い指が首筋を這い上がって
頬に触れた。眦の切れ上がった目が真っ直ぐ俺を見つめている。
「でも、俺、明るいとこでする方が好き」
ぽつり呟いたアベ君の指が、顔の造作を確かめるようにびしょ濡れの肌を辿っていく。頬からこめかみにいって、
それから、目尻、瞼、眉間、鼻筋。最後に唇に触れてきた指先にキスをして、そっと口を開いた。
「何で?」
「お前の顔、ちゃんと見たいし」
もういいや、って思う。アベ君がいれば、それでいい。いったい他の誰を抱こうっていうんだ。誰としたって、
これ以上の快感は得られないってのに。薄い唇の端をきゅっと吊り上げてアベ君が言葉を続ける。
「なあ、風邪ひく前に風呂入ろうぜ」
痩せた体をもう一度抱き寄せ、繋がった腰を突き上げるようにして囁いた。
「一回抜いて?それともこのまんま?」
小さく呻いたアベ君が、俺の首に腕を回す。どちらからともなく重ねた唇の熱に、おさまりきらない欲望を知る。
ねえアベ君、死にそうに気持ちのいいセックスでずっと俺を狂わせといてよ。
452名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 05:25:40 O
きてたー!って雨の中なにやってんだ!!
まったくもってけしからん(*´Д`)ハァハァ
453名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 06:10:54 0
来てた来てた!!
素っ気無い(?)のに甘いしエロいし
ごちそうさまでした!!!
454名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 07:15:23 O
甘い鰓アベが朝から読めるなんてハァハァ
455名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 16:55:12 0
あまいアベたまらん…
456名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:43:19 O
ベランダでやるとは流石エラ!www

職人様ありがとう盛大に萌えました。停電とかたまんない
457名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 20:29:02 O














( ´,_ゝ`)プッ
458名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 20:33:40 O
いかがわしくて甘い生き物ハァハァ
459名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:02:34 0
ネ申乙…!
エラならやってくれると思ってたw
アベくん可愛いよアベくん
460名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:37:20 O
‖*Φ_ゝΦ‖<7回くらいしか読み返してへんし
461名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:48:16 O
多いよwww

ねぇシンヤは鰓アベ読んでどうやってハァハァしてんの?
やっぱりアベを自分に置き換えてハァハァするの?

教えてw
462名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:29:51 O
‖*Φ_ゝΦ‖<まざる
463名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:05:27 O
ほんとにお前という奴はwww
頑張れよwww
464名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:10:28 0
なんだこのエロかわいい生き物は!
真剣にアベくんという生き物がほしいです
465名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:49:05 O
あべ萌え発狂中
466名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:01:46 0
遠慮なくその萌えを吐き出すんだ
467名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:16:24 O
あんまり画像貼るのとか駄目かな?


ウエノの腰をクイクイ引っ張るアベ
http://p.pita.st/?m=d6gv1o86

そしてウエノに耳打ちするアベ
http://p.pita.st/?m=uehhd2qw

468名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:17:57 O
>>467
逆でした、すみません
469名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:27:05 0
昔はよくあったしいいと思うけど<画像うp
スペシャのやつだっけ?好きな映画とか聞かれたやつ
アベもウエノもサニーデイ相手だからか、ボケまくりで可愛かったなぁw
バボ神の書く二人みたいな熟年カップル風でハァハァした
470名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:23:17 O
>>467
懐かしい萌え(*´Д`)ハァハァ
ふたりだけ分かってる風なやりとりに萌えたなー
471名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:39:17 O
皿´)→クタル
з・]→ヤヌに置換えてハァハァした


スマソorz
472名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:50:15 O
そんなレスつけること事態にびっくりするくらい完全にスレチだろ
関連でもない完全スレチの置き換えハァハァは心の中で処理しなよ
473名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 06:26:35 O
クタルヤヌってなに???
>>471
ノシ
>>471>>474
恥ずかしいから該当スレかチラ裏で頼む
>>472
のーやんが一番押してるバンドの人々
クタルヤヌってそれか!
801っぽい伏せかた?がツボったw
>>471,474たん、あやまるくらいなら最初から書くなよww
ぶはwwww理解したがここではないwwwww
数字臭が。。。
(`皿´)ここではおれとあそべ
┃`_ゝ‖
ヾミ*`_ゝ´彡ノシ あ、遊びに来た
┃`_ゝ‖チッ ミ*`_ゝ´彡(`皿´*)何して遊ぶ?

┃彡 プ、プレステミ*`_ゝ´彡(`皿´)エー
ぷ、プレステ楽しいね>ミ*`_ゝ´彡(`皿´)oO(ウエノ遊びに来ないかなー)
さ、サルゲッチュ楽しいね>ミ*`_ゝ´彡(`皿´)oO(ウエノにゲッチュされたい…
ウエノさんがどうこうっていうより
このオッサンはヤりたいんやな!どないやねん!ハァハァ
>>485
(`皿´)<お前とでもいいよ?
チバのばかばかばかばかスットコめ!
根性見せろ!
アベくんをヤっちゃいなYO!
もうさ、チバとウエノでやっちゃえば?
( ゚д゚ )
>>488
ミ*`_ゝ´彡<じゃ、じゃあ左へ行こうか
>>490
新しいWWW
左の次は真ん中にも寄ってみてください。
確か左の投下一発目はチバエラだったよ
ちょwチバとウエノで(アベを)やっちゃえば
っていう意味だったんだけど…!
‖*´_ゝ‖ さ、3Pっすか…!ハァハァ
>>493
左方向へ転がっちゃってるねw

ぷ厨の3P思い出したので読んでから寝よう
>>494
(*`皿´)<お前も入れたら4Pになっちゃうなあ 困るなあ
┃з・]…。
┃・з・] Σハッ(*`皿´)ウエノの匂い!

┃彡     (`皿´*)彡
フトシ、どーゆー意味のパパなんだよ
http://p.pita.st/?2wscdis7
パパ(性的な意味で)
パパ(経済的な意味で)
パパ(実父)
ウエノが怒ってくれない
パパ(ウエノ)
ハルチバアベの続きマダー?チンチン(AA略
うざ
>>503
[=.・з・]<俺もパパの一人なのかなー

zzz(0。´皿`[=*.・з・]y-~~<…ってことはないなw
リアルで親だろw
>>499の生き物、すごいかわいい…犯したいハァハァ
触られちゃったところ
http://p.pita.st/?pdf2hsfu
喜んじゃったところ
http://p.pita.st/?tja3hmop

続けて
http://p.pita.st/?u2dxdmlj
触んなよ>(((*`皿´)
[・ε・*=])))<ふふふ







ハァハァハァ(*´Д`)熟年夫婦…!
>>512
実に自然だよね…
この場面、後方から撮った映像なかったっけ?
見た覚えがあるんだけどなー…アベ君のお尻がエラに鷲掴まれてる場面。
515名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 04:19:36 O
>>514
!!!!!!!!
鷲掴みなの!?予想外だわ
516名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 10:45:23 O
そうそう鷲掴みだったよねw
517名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 15:43:58 0
>>514
ありましたお。自分がエラアベ属性になったきっかけの映像じゃないか・・
ケツ鷲掴みにしておいてニヤッと口だけで笑ってさらっと通り過ぎるエラ
突然笑顔がはにかむアベ
どう見てもエラアベです本当にry
518名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 18:10:27 O
鷲掴みあったよね
アベのなけなしの尻肉がグニッとなってたね(*´Д`)ハァハァ
でもどこで見たのか忘れた・・・
絶対に持ってるはずなのに見つからない
キャプりたいのに(*´ρ`)ハァハァハァハァ
519名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 18:21:56 O
そのケツムギュ、某番組での腰抱き寄せ耳打ち、
ラジオでのアレコレ、ギヤ販促用の二塔イチャイチャ映像…
単なる仲良しと言うには雰囲気がやらしすぎんねんオッサンらは
520名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 19:01:26 O
ひよこフトツは誘い受けオーラ出しすぎ
521名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 20:01:15 O
>>512最後の見れない…気になるー!
やっぱ二党いいなあハァハァ
522名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 20:08:15 O
>>521訂正、二搭ね
523名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 20:13:28 O
>>521
ぐるっぽ経由汁
524名無しさん@ビンキー:2008/03/12(水) 22:21:37 O
>>523見れた!ありがとう。可愛いなー!
525名無しさん@ビンキー:2008/03/13(木) 01:01:40 O
ニ塔のいかがわしさは異常
526名無しさん@ビンキー:2008/03/13(木) 23:21:24 O
しゃぶしゃぶでフォアグラ食べたあと無言で見つめ合うとこがいい
きゅうりを見つけてわざわざエラに報告するアベもかわいい
527名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 02:49:47 O
あげるお(^ω^;)
528名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 04:08:33 0
アベチバ、ウエキュウ前提のウエチバアベは
こちらでよろしいでしょうか?
529名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 06:08:59 O
よいですよいです!
530名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:31:05 O
なんだか壮絶そうですね(;*`皿´)ドキドキ
531名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:54:08 0
ではお言葉に甘えて。
注意:アベチバ、ウエキュウ前提ウエチバアベ

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いったい何が起こってんだ?
呆然と立ち尽くす俺の前にはコウジ君、と、その腕でうつぶせに組み敷かれたアベ君。
「ふざけんな、ウエノ!これ解け!」
自分のシャツで後ろ手に縛り上げられたアベ君が、ベッドから頭だけを擡げて苛立った
声を上げる。それを耳のないような顔で聞き流したコウジ君が、ほっそいアベ君の胴体に
腕を回して上体を引き起こし、後ろから抱え込むかたちで俺の方を向いた。
「ほら、チバ、好きなようにしてやれよ」
え?
ぽかんと口を開けて動けずにいる俺に笑いながら、コウジ君が言葉を続ける。
「お前、怒ってんだろ?」
そう、そうだ、俺は怒ってた。長いツアーも半ばを過ぎた今日。移動の関係で、ホテルに
着いた昼過ぎから丸々一日自由な時間を与えられ、よしレコードでも探しに行こうって
部屋を出たところで俺はアベ君に捕まった。あの、見るからに悪そうなにやにや笑いを見た
瞬間から、嫌な予感はしてたんだ。だけど、俺はいつだってアベ君の誘いを断れない。
どんな掘り出し物のレコードよりも、アベ君と過ごす時間は大切で何にも換え難いもの
だから。部屋に招き入れられて、ドアが閉まった途端キスをされて、キスしたままベッドに
誘われて、そこまではよくあるパターンだった。何が違ったかって、ああくそ思い出すだけで
はらわたが煮えくり返る。アベ君のベッドには、先客がいた。明らかに性を売り物にしてる類の女が。
幸い服は着たままだったけど、ベッドに腰掛けたその女は、アベ君に抱き締められたまま
硬直した俺を見て、こう言った。
あら、その人も女なの。
ありえねえ。何がありえねえって、女連れ込んどきながら俺を誘ったアベ君がありえねえ。
別にさぁ、俺以外と寝るな、とは言わねえよ?そりゃあ男だから女とヤりたいときもあるだろうし。
誰とやろうが、アベ君がおれのだってことに変わりはないし。だけどさ、これはないだろ。悪趣味が過ぎる。
何が言いたいかっつーと、ヤるならどっちかにしろってことだ。俺、変なこと言ってないよな?
アベ君の倫理観にははなから期待しちゃいねえけど、流石に切れた俺はアベ君の体を
突き飛ばして一目散に部屋から逃げ出した。逃げ出して、コウジ君の部屋のドアを叩いた。
532名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:54:38 0
とにかく、誰かにこの怒りを吐き出さないことには、頭がおかしくなっちまいそうだったから。
俺とアベ君の関係を知ってるのは、コウジ君とキュウだけだ。キュウはホテルに着いた途端
パチンコに出かけてしまったから、話せる相手はコウジ君しかいなかった。寝惚け眼で
ドアを開けたコウジ君は、しごく迷惑そうな顔で俺を部屋に迎え入れて、怒りのあまり通常の
2割増しでどもりまくる俺の喋りをうんうんと辛抱強く聞いてくれた。コウジ君はいつだって優しい。
こういうときはキュウが羨ましくなる。コウジ君はアベ君みたいにやらしい意地悪もしないんだろうな。
何で俺はアベ君なんか好きになっちまったんだろう。だいたい、先に好きだっつってきたのは
アベ君じゃんか。それなのにヤるときは絶対泣くまで焦らすしこないだなんて自分でやってみろとか
むちゃくちゃ言いやがってちくしょうムカつく許せねえ。積もり積もった不満をぶちまけ終えたところで
コウジ君がわかった、って言って膝を叩いた。それから、一気に喋りすぎて酸欠になりかけた
俺の腕を引いて立ち上がり、アベ君の部屋の前まで引っ張ってって、ドアを思いっきし蹴り上げた。
乱暴すぎるノックを数回繰り返したところで、ドアが内側から開かれる。俺とコウジ君の姿を
見て、事の経緯を察したらしいアベ君が僅かにばつの悪そうな顔をした。アベ君はコウジ君に弱い。
のーやんの説教はどこ吹く風で聞き流すくせに、コウジ君に怒られると子供みたくしゅんとなる。
ちなみにコウジ君はキュウに弱くて、キュウは俺に甘い。そして俺はアベ君に逆らえない。
そう考えると、上手くバランス取れてるんだよな。
女は?
帰らせた。
それなら良かった。
ドア口で短いやりとりを交わした後、コウジ君がアベ君の体を押し退けるようにして部屋の中に
足を踏み入れる。腕を引かれるまま俺も部屋の中に入って、背後でドアが閉まった。瞬間、
コウジ君が俺の腕から手を離し、今度はアベ君の腕を掴んでベッドまで真っ直ぐに引き摺っていった。
長い脚をもつれさせながら後退したアベ君は、見たことがないくらい呆気にとられた顔をしてた。
だけど俺の方がもっと驚いた顔をしてたと思う。それは予想してた展開のどれとも違ったから。
状況を把握できない俺たち二人をよそに、コウジ君だけが無駄なく動いていた。
全く抵抗らしい抵抗もしないうちに手際よくベッドに押さえつけられ、引き剥がされたシャツで両腕を
括り上げられたところでようやく、アベ君が、何すんだよって当然の問いを口にする。
533名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:55:09 0
「あんたたちがね、どんなアブノーマルプレイをしようと俺には関係がないんだけど」
普段と変わらない口調で、コウジ君が言う。
「寝てるとこを叩き起こされて、そのプレイの内容を聞かされる俺の気持ちにもなってほしいのよ」
縛られた腕を何度か捻るように動かしてから、アベ君がただでさえ鋭い目を剣呑に尖らせた。
その目で睨まれるだけで俺なんかは指一本動かせなくなるんだけど、コウジ君はちっとも
びびったりしなかった。そして冒頭のやりとりに続くってわけ。
「俺が押さえといてやるから、普段されてること、やり返してやんな」
もがくアベ君の体を腕の中に抱きこんで、その肩の上に顎を載せたコウジ君が俺を促す。
その言葉に操られるようにぎくしゃくとした足取りでベッドの傍まで歩み寄れば、珍しく焦った表情を
浮かべてアベ君が俺を見上げた。長い脚は自由なままなんだけど、蹴られる危険性はゼロだ。
アベ君は意地悪だけど、俺に物理的な苦痛を与えることはない。いつも、なんていうか、壊れ物を
扱うような触れ方をする。そんなだから、何をされても俺はアベ君から離れられない。泣かされるばっかでも
その繊細な指にギターを扱うときそのままの優しさで触れられると、なんかいい夢でも見てるような
気持ちになる。だから今、アベ君が腕を縛られて俺に触れないことは、幸いだった。容易く許してしまうには、
アベ君の罪は重い。そう思わねえ?
「チバ、こいつ何とかしろ」
自力で逃げ出すことができないって悟ったらしいアベ君が俺に命じる。
声ははっきりと怒ってたけど、怖いとは思わなかった。つーか、怒ってんの、俺だし。
偉そうに命令すんじゃねえよ。
「ど、どうすればいい?」
「俺に聞くなよ」
必死に体を捩るアベ君の抵抗をあっさり無視して、コウジ君が苦笑する。
「されてムカついたこと、全部やってやればいいよ。アベ君、口で言ってもわかんないんだから」
「んなこと言われても、わかんねえよ」
「仕方ないねぇ」
呆れたように溜息を吐いたコウジ君の手が、肉の薄いアベ君の腹をするりと撫で上げた。何をするのかと
見つめる俺の目の前で、長い指が剥き出しの胸の上を滑り小さな突起に触れる。
534名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:55:39 0
「ウエノ、離せ、馬鹿っ」
妙な気分だった。いつも俺を押さえつけて散々喘がせるアベ君が、コウジ君の腕の中で、ろくな抵抗も
できずに体を弄られてる。ぐるぐると乳首の周りを擽るように這い回ってた指が、刺激に尖り始めたそれを
摘み上げた。アベ君が背中を反り返らせるようにしてもがく。だけど、痩せた腹を抱えこんだコウジ君の
腕はびくともしない。
「ほら、お前も触ってみ」
「やめろ、チバ!」
アベ君の拒絶の言葉が、皮肉にも俺の体を動かした。アベ君の言うことなんて、聞いてやんねえ。
そういう気持ちで長細いアベ君の脚に跨るような姿勢で膝を乗り上げ、コウジ君が弄ってるのと逆側の胸に
掌を当てた。アベ君の体は温度が低い。いつものちょっとひんやりした感触を予想してた俺は、触れた肌の温かさに
びっくりして動きを止める。あれ、なんで今日は冷たくねえの?もしかして、いつも冷たいって思ってたのは、
俺が先に熱くなってただけなのか?混乱を引き摺ったまま、コウジ君がしてるのを真似て乳首を指先で撫でてみた。
体を強張らせたアベ君が唇を噛み締めて顔を背ける。
「お、アベ君、感じてきた?」
「んなわけあるか」
からかいの色を帯びたコウジ君の言葉に、そう吐き捨てた声が心なしか上擦ってる気がした。
俺の指の下で、申し訳程度の突起がぷくりと尖っていく。普段されてること、やり返してやんな。
さっきのコウジ君の言葉が頭の中に響く。俺を追い上げるアベ君のやり方を思い出しながら、
乳首を擦っては摘み、指の先で捏ね回した。ひゅ、って微かな音がした。発生源はアベ君の喉。
視線を上げると、白い首筋に唇を押し当てたコウジ君と目が合う。
その指先はもう一つの突起をねちっこい仕草で弄ってる。
「ウエノ、マジで、やめ・・・」
「やめろってさぁ、チバが言っても、アベ君やめてやんないんだろ」
首の後ろを舌を押し付けるように舐め上げて、コウジ君が囁く。アベ君が唇を噛み締めて顔を伏せた。
535名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:56:09 0
切れ上がった眦がほんのりと赤い。もしかして、感じてんのかな。俺とコウジ君に胸弄られて、気持ちよく
なってんのかな。確かめるみたく、硬く尖った乳首を指の腹でぎゅっと押し込めば、アベ君の薄い唇が
喘ぐように開いて空気の塊を吐き出すのがわかった。いつもと逆だ。いつもは体中の性感帯を長い指先で
苛まれてどんどん追い詰められてく俺を、アベ君は涼しい顔で見下ろしてる。息が辛くなってやめてくれって
せがんでも、まるで聞いちゃくれない。だけど今は、俺がアベ君を煽り立ててる。刺激に反応しまいと体を強張らせて
息を詰めるアベ君を。
「どんな気分?」
天気の話でもするときのような軽い声でコウジ君が言う。
「アベ君、こういうことされんの初めてでしょ」
アベ君は答えない。ただ悔しげな顔できつく目を閉じ、いやいやをするように首を振った。コウジ君と俺の
指がばらばらの動きで二つの突起を弄ぶ。真っ平らな胸が、不規則な呼吸でぎこちなく上下する。アベ君が
頭を振るたびに、真っ直ぐな黒髪がさらさらと揺れた。俯いた顔の、すっと通った鼻筋が綺麗だと思った。
もっと見たい、って衝動に押されて、俺は指先で嬲ってた乳首に唇を寄せる。もっと追い上げられて喘げばいい。
我を忘れてく顔が見たい。
「やめっ・・・チバ!」
抗う声はもう完璧に上擦ってた。構わず突起に吸い付いて、柔らかく歯を立てる。身を捩るアベ君の腹を
しっかりと抱え込みなおして、コウジ君が低く笑う。
「アベ君、えげつないやり方してんだね」
俺のやってることは、普段アベ君が俺にやってることそのまんまだ。唾液を含ませた舌先で先端を突いてから
そっと唇で挟み、わざと音を立ててしゃぶりつく。腕を縛られて後ろから抱き締められてるアベ君は、逃げようにも
せいぜい不器用に体をくねらすことしかできない。苦しげに数度早い呼吸を繰り返してから、喉を痞えさせて
背中を引き攣らせる。夢中で乳首を弄んでた俺は、コウジ君に手を掴まれて我に返った。
「チバ、こっちも触ってやんな」
「ウエノ、まっ・・・」
指先を導かれるままジーンズの股間に触れた途端、アベ君が声を飲み込んで胸を波打たせた。ごわつく生地越し
にも、そこが硬く張り詰めてることがわかる。コウジ君が俺の掌をそれを押し付けて、緩く手を上下させた。
536名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:57:39 0
細い脚をばたつかせてアベ君が足掻く。
「さ、わんなっ」
「勃たせといて何言ってんの」
コウジ君の手が俺の手を離して、銀色に光るベルトのバックルに指をかけるのが見えた。
「信じらんね、お前ら、やめろって!」
「したかったんでしょ?」
「なにがっ!」
「3P。さしてあげんだから感謝しなよ」
すげえなぁ、って場違いに感動してしまう。あのアベ君が、完璧にやりこめられてる。そうしてるうちにも、器用な
指はジーンズの前をくつろげ、黒い下着をずり下げてアベ君の陰茎を剥き出しにした。
勃起したアベ君のそれをじっくりと眺めるのは、もしかしたら初めてかもしれない。そんなとこ見てる余裕なんて
ヤってるときの俺にはないから。萎えてんのはさ、ライブ後のシャワーんときとかでも普通に見てんだけど。
普段俺の中に押し入って好き勝手に突きまわすそいつに、恐るおそる指先を這わせる。白いアベ君の下腹が
ひくりと動いた。コウジ君の指が、反り返った陰茎の先端に溢れ出して雫になった体液を、充血した亀頭に
ぬるぬると塗り広げる。俺の尻の下、跨って押さえ込んだ細い脚がびくびくと跳ねた。頭の中が熱い。
もう一度胸の突起に舌を這わせながら、硬く膨らんだ幹に指を絡めて軽く扱き上げてみた。手の中で
更に硬度を増したそれがどくりと小さく脈打つ。
「・・・可愛い」
思わず乳首から口を離し、ぽつりと呟いた俺にコウジ君がふきだした。
「アベ君が?」
「うん」
「おいおい、アベ君、チバがアベ君可愛い、ってよ」
わざわざ言い直したコウジ君に、アベ君はもう口を開かない。ぎゅっと目を閉じて、噛み締められた唇は
血の色を失い白くなっている。時折口を開いて吐き出す呼吸は微かに音を立てるくらい荒くなっていて、
その体の中で暴れまわる官能の波を俺に教える。弄り回され赤くなった乳首に歯を立てて噛み付けば、
アベ君が体を震わせて低く呻いた。陰茎を弄ぶ手をぬるりとしたものが伝い落ちる。たまんねえな、って思う。
537名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:58:10 0
いつも追い詰められるばっかりで気付かなかったけど、感じてるアベ君はすごくやらしい反応をする。
快感を堪えるように息を殺して喉を痞えさせ、背中を捩っては腰をひくつかせる。体液を絡めて擦り立てる
幹が痙攣して、そろそろイくかな、って思ったときだった。
「チバ、チバ」
名前を呼ぶコウジ君の声に、俺は手を止めて顔を上げる。アベ君の首筋を舌先で突くようにして、
コウジ君が目だけで笑った。ぐったりとコウジ君の肩に頭を預けて仰向いたアベ君は、焦点の合わない目を
中空に彷徨わせている。ああ、そっか、普通にイかせたら、仕返しになんねえのか。当初の目的を忘れかけてた
俺は、だけど、じゃあどうすればいいかってのがわからない。まごつく俺にもう一度笑いかけて、コウジ君が
抱き締めたアベ君の体をベッドの上に横向きに倒す。それから投げ出された長い脚を抱え寄せると、
下着ごとジーンズを膝まで引き下ろした。行為とは裏腹に優しげな手つきで。ぼんやりとした
顔でされるがままのアベ君は、体勢が変わったことにももしかしたら気付いてないのかもしれない。
イく寸前で止められると、何も考えられなくなんだよな。アベ君がいつも俺にすることだけど。
ざまみろ、って思う。俺の気持ちがわかったか、こんちくしょう。
勝手に得意になってる俺を、コウジ君が片手で手招く。浮ついた気分のままベッドに上がって、
横たわるアベ君を見下ろした。三人分の体重を受け止めたベッドがぎしぎしと苦しげに軋む。
「チバ、手出して」
「手?」
言われるまま右手をコウジ君に差し出せば、人差し指と中指を伸ばした格好で拳を握らされる。
そうして指を誘われた場所は、アベ君の口。躊躇う暇もなく、薄く開いて荒い息を吐く唇の隙間に
二本の指を突っ込まされ、驚いた俺は上目遣いにコウジ君の顔を見上げた。無理矢理指を口に
捻じ込まれたアベ君が、喉を鳴らして首を反らす。
「ちゃんと濡らさないと、アベ君が辛いんだよ?」
コウジ君の口調は相変わらず穏やかで柔らかい。そこでようやく何をしようとしてんのか気付いた俺が、
戸惑ったのは一瞬だった。狭い口腔の中で行き場を失ったアベ君の舌が、多分無意識に、ぞろりと指に
絡み付いてくる。指を咥えた唇の端からは、飲み込みきれない唾液がとろりと溢れ出していた。
538名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:58:57 0
俺も、男なんだよ。抱かれるのは嫌じゃねえ。やらしく焦らされるのはムカつくけど、アベ君に抱かれるのは
幸せで嬉しいことだ。だけど、目の前で好きな奴がこうやって乱れてるのを見せ付けられれば、やっぱり
挿れたい、って気持ちにもなる。欲望のかたちはひとつじゃない。
「んっ」
指の間にぬめる舌を挟みこむようにすると、ぎゅっと眉を寄せたアベ君が小さく呻いた。きつく閉ざされた瞼の
睫が震える。呼吸が早くなってるせいで粘度を増した唾液が俺の指を濡らす。俺の手を離したコウジ君の指は
すっかり充血したアベ君の乳首をそろそろと擦り上げていた。薄い胸と腹が苦しい息に喘いでいる。
口の中を思う存分弄ってから、十分に濡れた指をずるりと引き出した。透明な唾液が糸を引いてシーツに
落ちる。膝立ちの姿勢でベッドの上を移動し、脚を折りたたんで丸くなったアベ君の尖った尻の横に
腰を下ろした。剥き出しの腰から太腿は無駄な肉が全くついてなくて、下にある骨の形が浮き出している。
色っぽさとは無縁なはずのその直線的な輪郭に、じわりと欲望が膨らんだ。唾液の絡んだ指先で、
そっと尻の狭間に触れる。途端にびくりと体を竦ませたアベ君は、コウジ君に腰を押さえつけられて
抵抗の術を奪われた。ねとつく指で探り当てた穴の口は、硬く強張って窄んでいた。
「ど、どうしよう」
「何?」
「入んねえよ、これ」
俺の言葉に、コウジ君は呆れたようにちょっと笑って、アベ君の腰を片手で押さえつけたまま、もう片方の手を
サイドテーブルに伸ばし、その上に放り出されてた煙草の箱から一本抜いた。いつもと変わらない手つきで
咥えた煙草にアベ君のジッポで火をつけ、目を細めて青白い煙を吐き出す。
「入んねえって、お前いっつも挿れられてんだろ」
「そ、うだけ、ど」
「まあアベ君処女だから少し硬いかもしんないけど、解せばちゃんと入るって」
長い腕を伸ばして、コウジ君が煙草の灰を灰皿に落とした。
「くそ、てめえら、いい加減に、」
「うるさいよ、アベ君」
僅かに平静を取り戻したらしいアベ君の尖った言葉を、コウジ君は取り付く島もないきっぱりとした声で
切り捨てる。
「今までチバを泣かせてきたんだから、あんたもたまには泣きなさい」
そう、だよな。俺、いっつも泣かされてんじゃん。ちょっと痛いくらいでおあいこだよな。自分に言い聞かせて
あてがった指にぐっと力をこめた俺は、だけど、刺激を拒むように窄まった硬いそこの感触に、やっぱり
侵入を躊躇ってしまう。
539名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 07:59:40 0
「コウジ君・・・」
「はいはい」
「助けて」
「しょうがないなあ」
根元近くまで燃えた煙草を灰皿で揉み消して、コウジ君がこっちに向き直る。気配を感じたアベ君が
びくりと肩を跳ねさせて体を捩った。背中で括られた両の手が、長い指を握って開く。そんなアベ君の動きを
気にもとめず、俺の横に膝をついたコウジ君が俺の手に手を添えた。伸ばした人差し指の先を穴の口に
押し当て、唾液を馴染ませるように小刻みに上下させる。逃げようともがく腰を押さえつけたコウジ君の腕は
それほど力がこめられてるようには見えないのに、アベ君の抵抗は全て空しく殺されてしまう。
「中だけじゃなくてね、こういうとこも感じんだよ、男って」
多分、俺もアベ君にこうやって触られてるんだろうな、って思う。記憶はほとんどないんだけど。見下ろした
アベ君は首筋から頬までうっすら血の色をのぼらせて、真っ直ぐに唇を引き結んでる。感じてんのか、な?
相変わらずかちがちに強張ったままの体に、不安ばっかりが膨らむ。体を丸めたアベ君のそこに手を
伸ばしたのは、とにかくわかりやすい反応をして欲しかったからだ。中途半端に放り出されて少し
柔らかくなってしまった陰茎に指を絡めて幹を扱く。
「や、めっ・・・!」
制止の言葉を最後まで言い切れず、アベ君が背中を捩る。その瞬間、穴の口を辿っていた指が熱いものに
包み込まれて、思わず、あ、って声が出た。コウジ君が俺の指を、アベ君の中に押し込んだのだと気付くまで
一瞬のタイムラグがあった。初めて触れたアベ君の内側は、侵入してきた異物に驚いてきつい収縮を繰り返す。
「アベ君、どうよ?」
僅かに笑いの滲んだ声でコウジ君が言う。
「穴ん中に、チバの指入ってんの、わかるよね?」
ベッドに顔を埋めたアベ君が見たことのない弱々しさで首を振った。
「そっか、わかんねえか」
じゃあわからしてやんないとね。囁きが落とされるのと同時に、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる粘膜に驚いて
動きを忘れてた俺の指を、硬くて細長いものが這い上がった。コウジ君の、指。入ってる。恐るおそる視線を
うつせば、アベ君のそこが俺とコウジ君の指を一本ずつ飲み込んでるのが、見えた。
540名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:00:09 0
「ウエノ、や、痛ぇっ・・・!」
「チバ、手、止めない」
上擦ったアベ君の声とは正反対に、ちょっと低くなったコウジ君の声が状況に追いつけない俺の意識を
引き戻す。はっとして手の中の陰茎に指を這わせれば、二本の指を咥え込んだ粘膜がひくひく痙攣した。
後ろと前一緒に弄られるとさ、痛えのか気持ちいいのかわかんなくなるんだよな。アベ君も、そうなのかな。
あの気の狂いそうな感覚を、感じてんのかな。そうであればいい、と思った。アベ君にも、俺と同じものを
感じて欲しい。俺がいつもどんな気持ちでアベ君に抱かれてるか、わかれよ。
しばらく何か目的を持った動きで俺の指ごとアベ君の中をかき回してたコウジ君の指が、ある一点を試すように
押し込んだときだった。
「あッ、ああ、んっ」
あ?何、誰の声?
呆気にとられた俺の視界に、きょとんと無防備に驚いたアベ君の顔がうつる。細い目をいっぱいに見開いて、
唇を薄く開けて。あれ?だから誰の、
「見つけた」
にやりと笑って囁いたコウジ君の指がまた、内側を捏ねるように押す。今度はちゃんと、見えた。アベ君の反応が。
「う、ぁ、やッ・・・!」
甘く鼻にかかった声で、啼いてるのは間違いなくアベ君だった。あのアベ君が、声出して喘いでる。アベ君、が。
アベ君と寝た回数はもう数え切れないけど、そういう声を聴いたのは初めてだった。大抵イくときも息を詰めて
低く呻いたりするだけで、そのくせ俺には声を出せってねだるんだ。中、を刺激されると、妙な声が出る、ってのは
身をもって知ってた。女とするときの快感とは違って、突っ込まれてる分喉から声が押し出される感じ。だけどアベ君も
そうだってのは、いや、体の構造はさして違わねえからありえねえことじゃないって頭ではわかってるけど、でもだって
アベ君だぜ。
「チバ、ここ、覚えて」
「え?」
「ここがアベ君の感じるとこ」
541名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:00:40 0
覚えて、って言われて、ただそれだけが頭の中に入ってきて、覚えなきゃって思いながらコウジ君が触ってるとこまで
指を沈めた。第二間接を過ぎたあたりまで突っ込んで、腹側。
「ふ、あっ、止せ、チバ・・・!」
辿り着いた箇所を指の腹でそっと押さえれば、柔らかな粘膜の下に微かなしこりがあって、それに触れた途端
アベ君の中が絡みつくように蠢いた。もっと深く飲み込もうとするみたく。そういえば、と思い出す。アベ君が
俺の中に指を突っ込んだときしつこく触る場所があった。そこを刺激されるたびに腰骨の奥の方からじれったい
ような快感が湧き上がってきて、わけがわからなくなる。残酷なくらい敏感な性感帯。握りこんだ陰茎が
また、反り返るくらいに硬くなっていた。さっきからほとんど手を動かしてないのに。
「き、気持ちいいの、アベ君」
乾いた喉で囁けば、ぎり、と音をさせそうな勢いでアベ君の目が俺を睨む。そんなさぁ、潤んだ目で睨まれても
俺全然怖くねえよ。酒をしこたま飲んだときのように目元が赤い。うっすらと汗ばんだ頬に、湿って艶を増した
黒髪が幾筋かはりついている。さっきから開きっぱなしの薄い唇には、シーツに垂れ落ちた唾液の残滓。
「気持ちいいんでしょ、アベ君」
感じるとこ、を俺に任せたコウジ君の指が最初は浅く、それから徐々に深く、抜き挿しを繰り返し始める。
背中を仰け反らせてアベ君が喘ぐ。呼吸にまで高く掠れた声が混じって、探り当てた場所を押し込むたび
細い腰が物欲しげにひくついた。そのやらしさったら、ねえよ。いつもは俺のこと押さえつけてさ、余裕たっぷりの
顔で性欲なんてものは完璧にコントロールできます、って感じのくせに、立場が逆だとこうも変わるもんか。
俺を泣くまで焦らすアベ君の気持ちがちょっとわかった気がする。垂れ落ちた体液でぬめる幹を擦ると、
くっと息を詰めたアベ君が体を丸めてシーツを噛み締めるのが見えた。背中から腰にかけて浮かび上がった
背骨の凹凸と尾てい骨の尖りが別の生き物みたいに動く。
「コウジ君、コウジ君」
「はいよ」
「い、挿れてえんだけど」
ほんの僅か驚いた顔で、コウジ君が俺を見る。
「あー、そうね、そろそろいけるかな」
ずるりと引き抜かれたコウジ君の指を追うように、俺も指を抜いた。咥えこんでたものを突然奪われて、
そこが不器用に痙攣する。ベッドに膝をついて、横向きのアベ君の脚を胸につくくらい折り曲げると、
痩せた尻が突き出されるかたちになる。急いて逆にもたつく指でジーンズの前をくつろげ、とっくに勃ち上がって
いた陰茎を引っ張りだした。
542名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:01:11 0
「チバ、やだ・・・」
「アベ君が、いっつもしてることじゃんか」
まあ俺も、やだやだって言うけどさ。
力なくもがく肩をコウジ君の手が押さえつける。横たわったアベ君の上になった方の脚を抱え込むようにして、
穴の口に昂ぶった熱をあてがった。うっすら涙を滲ませた目が懇願の色を帯びて俺を見上げる。
俺がそうやって嫌がっても、まるで聞いちゃくれないくせに。ゆっくりやる余裕が俺にはなかったから、
躊躇いを振り切るように真っ直ぐ奥を貫いた。
「いっ、ああ、あッ!」
食い縛られていたアベ君の口が開いて、悲鳴だか嬌声だかわからない響きの声が零れ落ちる。赤らんだ頬に
はりついた黒髪を指先で払いのけ、細い肩を掴んで腰を捩るようにアベ君を仰向かせたコウジ君が、
やらしい顔するね、って言って笑った。
「あ、全部、入った・・・」
あんだけきつく窄まってたとこが、ちゃんと俺を飲み込んでるのが信じられなくて、だけど俺は今確かに、
アベ君の中に入ってる。呆然とした俺の顔をコウジ君が体を屈めて覗き込んだ。
「どうですか大将、アベ君のお味は」
「す、っげ、キツい」
指二本よりもはるかに大きな質量を押し込まれた衝撃に、引き攣った粘膜が不規則な収縮を繰り返す。
すぐには動けない。根元から食い千切られそうな気さえする。当のアベ君は何が起こったのかわからない、
というように頼りなく視線をふらつかせ、濡れた唇が荒い呼吸に震えている。指の長いコウジ君の手が、
アベ君の肩から胸を撫で下ろし、胸の突起に触れた。その途端、中が俺のものに絡み付いて口から
喘ぎ声が漏れる。やべえ、これ、すげえイイ。意識をまるごともってかれる。必死で快感に抗いながら、
僅かに腰を引いて、もう一度穿つ。
「やッ・・・チバ、動く、なっ」
仰向かされた顔を隠すように、シーツに頬をすり寄せながらアベ君が呻く。
「動かないと終わんないよ、アベ君」
囁いたコウジ君が指先で乳首を捻り上げる。じわじわと蠢く内壁を引き剥がすように腰を遣った。
指先で覚えこんだ場所を突き上げるようにすると、粘膜がきちがいみたいに俺のものを締め付けて、
あ、だめだ。
543名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:01:42 0
「アベ君、アベ君」
はぁはぁと喘ぎながら名前を呼べば、こんなときでもアベ君は俺に視線を向けようとする。ぶれかけた焦点を
合わせようと瞬く黒い目を見つめながら思う様腰を突き入れた。コウジ君の指が尖った突起を捏ね回して
押し潰す。その動きに呼応するように中が締まる。俺のを深く飲み込もうとするみたく。
途切れとぎれの思考が白く飛ぶ。
「アベ君、中っ、中に出すね」
焦りを滲ませて開いたアベ君の唇は、多分拒絶の言葉を吐こうとしたんだと思うんだけど、俺が深く奥を
突いたせいで甘い喘ぎを零すだけで終わった。快感に引き攣る腰を擦り付けるように根元まで押し込み、
ひくつく中に欲望をぶちまける。一度、二度。俺の陰茎が精を吐くたびに、アベ君の体が小さく痙攣して
きつく閉ざされた瞼が震える。全てを吐き出してから残る力を振り絞って陰茎を抜き、俺はアベ君の上に
倒れこんだ。静かになった部屋に早い呼吸音が響く。頭がぼんやりしてた。ああ俺、アベ君を抱いちまった
んだな、って鈍くなった脳味噌でしみじみと思った瞬間、コウジ君が俺の肩を叩いた。
「チバ」
「ん、なに」
「お願いがあるんですけど」
重い体をのろのろと起こして、コウジ君と目を合わせた。
「お願い?」
「あのね、目の前でさ、見せ付けられて俺も結構限界なの」
言われて視線をずらせば、なるほど、寝巻きがわりのスウェットの股間が窮屈そうに張り詰めている。ちょっと
悪かったな、って反省する。まあ始めたのはコウジ君なんだけど、そもそも俺がコウジ君に泣きつかなければこうは
ならなかったわけだし。こういう仕返しの方法があるなんて俺は想像もしてなかった。やられたら、やり返す。
単純なことじゃんか。どうして今まで気付かなかったんだろう。いつも好き放題やらせてるから、アベ君が調子
乗んだな。初めての体験に妙な感慨を覚えて、一人自省する俺の思考を断ち切ったのは、
「だから、ちょっとアベ君貸してくれない?」
っていうコウジ君の一言だった。
「・・・え?」
「だってさ、一人ですのは空しいし、チバとヤったら俺アベ君に殺されるよ」
544名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:02:12 0
ベッドの端にへたりこんだまま首を傾げる俺に笑いかけて、コウジ君はアベ君の細い膝の辺りに引っ掛かってた
下着とジーンズを手早く脱がしてしまう。ヤられた衝撃から未だに抜け出せていないのか、アベ君は
ぐったりと目を閉じて抵抗もしない。
「ほら、アベ君もまだイってないし、今回だけヤらして」
その言葉が煩悶に決断を下した。俺もキュウと触り合ったりしたことあるし。一回くらいなら、許してやるか。
「わ、わかった。コウジ君なら、いいよ」
頷いた俺に、にっと笑ってコウジ君がアベ君の体を片手で抱き寄せる。コウジ君がでかいから、できるんだよな。
俺がやると、どう頑張ってもしがみついてるようにしかならない。まあその分抱き締めてもらえるから、
別にいいんだけど。俺の視線を気にしたふうもなく、コウジ君は慣れた手つきでアベ君を仰向けにすると、
ゆっくりその上に屈み込んだ。何をしようとしてるのか察した俺は慌てて口を開く。
「キス、キスは駄目!」
突然の大声に、肩を竦ませたコウジ君が驚いた顔で振り返る。
「え、何で?」
「キスしていいのは、俺だけ」
滅茶苦茶なことを言ってると自分でも思う。だけど何か、キスまで許してしまったら、アベ君がコウジ君の
ものになっちまうような気がする。そんなことないって頭ではわかってる、アベ君はいつだって俺のもんだ。
でも、こればっかしは理屈じゃない。下唇を突き出して睨みつける俺に、わかったわかった、って苦笑いして、
コウジ君が体を起こす。
「ウ、エノ・・・?」
俺の大声に反応したのはコウジ君だけじゃなかった。さっきまでされるがままになってたアベ君が目を開いてる。
「ウエノですよ」
「お前、何・・・」
「アベ君さ、前からと後ろから、どっちがいい?」
コウジ君の言葉に、アベ君が顔を強張らせて背中を捩った。体が浮き上がる勢いで長い脚を跳ね上げ、
腰の上に跨ったコウジ君の背中を蹴る。どん、って聞いてるだけで痛そうな音がして、コウジ君が低く呻いた。
「前から、は、無理そうね」
「ふざけんな!ウエノ、退け!」
545名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:02:42 0
僅かに腰を浮かせたコウジ君がアベ君の体を軽々とひっくり返す。相変わらず馬鹿力だ。アベ君が軽過ぎるって
のもあるんだろうけど。うつぶせにされたアベ君が脚をばたつかせてもがくのを膝で器用に押さえ込み、コウジ君の
大きな手が骨張った腰を簡単に引き上げる。シーツに胸をべったりつけて尻だけを高く上げた格好は、
まるで行為をせがんでるみたいだ。片方の手でしっかりアベ君の腰を掴んだまま、もう片方の手が肌の上を辿り、
尻の狭間に指を這わせた。ベッドに押さえつけられて抵抗の術を奪われた体が、びくついて強張るのがわかる。
「嫌だ、痛い、やめろ」
「痛くないでしょ」
囁くコウジ君の声は背中がぞくぞくするくらい低くて淫靡だった。
「さっきまで、チバの咥え込んでたんだよ?」
きつく唇を噛み締めたアベ君がベッドに顔を埋める。
「ほら、指くらい簡単に入るじゃん」
ぐち、と粘着質な音が響いた。コウジ君が多分わざと、さっき俺がアベ君の中に吐き出したものを掻き回してる。
そっと背中を伸ばせば、二つの体の隙間から、コウジ君の指を飲み込んだその部分が見えた。
ちらりと横目に俺を見たコウジ君が片頬で笑う。穴の口を広げるように何度か捻られた指がずるりと
抜かれ、軽く曲げられたそれに俺の精液が絡んで溢れる。
「指じゃ足りないの?すげえひくついてるよ」
コウジ君の言葉に、アベ君がぶるりと肩を震わせる。
「淫乱だね、アベ君は」
「黙れ、この変態」
掠れた声で吐き出された罵倒を無視して、コウジ君がスウェットの前を擦り下げた。剥き出されたものは
反り返って先端が少し濡れていた。俺に見せ付けるようにゆっくりと、穴の口にそれが押し当てられる。
「挿れるよ」
言葉と同時に、じわり、と先端が内側に埋め込まれた。背中を仰け反らせてアベ君が喘ぐ。
押さえ込まれた脚の先が跳ね上がってベッドを叩いた。
「締まるな」
浅く抜き挿しを繰り返しながら根元まで捻じ込んだコウジ君が、深く息を吐いて呟く。
「ちく、しょう・・・覚えとけよ、てめえ、ら・・・!」
「忘れないって」
食い縛った歯の間から声を押し出すように呻いたアベ君の言葉は、悪びれない肯定にさらりと流される。
546名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:03:13 0
ゆっくりと腰を動かしながら、しなやかなコウジ君の体が小さく震える背中に寄り添うように屈みこんで、
次の瞬間、アベ君の体ごと上体を起こした。
「や、あっ、あ!」
腰に跨らせ後ろから貫いた、いわゆる背面座位の体勢。自重で深く飲み込まされたアベ君が
悲鳴を上げて苦しげに悶える。食い殺される獣みたいな顔をしてた。いつもは平然と俺を喰らい尽くす
アベ君が。コウジ君の指が肉のない腹から胸を撫で上げて、小さな突起を探り当てる。腰を揺さぶられる
たびに、アベ君の唇からだらしなく母音が溢れ、体の反応を恥じるようによじ合わされてた膝が、
じわじわと開いていく。細すぎる脚の間で、触られないまま育ちきった熱。その下の奥まった部分は
コウジ君のものを咥え込んで、粘ついた水音を零している。さっきから座り込んだままでちょっと痺れた
ようになった膝を崩し、ベッドに手をついて俺は言った。
「コウジ君」
「ん?」
「俺も触る」
どうぞ、って笑って、コウジ君が尖らせた舌の先で、白い首筋を抉るように舐め上げる。すっかり力をなくした
長い脚を両手で割り開き、その骨張った膝の間に腰を下ろした。ほんのちょっと触れただけで、薄い皮膚の
下を走る小さな痙攣が指先に感じられる。閉ざされてた瞼がうっすらと開き、ほとんど正気を失ってる
真っ黒い目が俺を見た。濡れた睫が束になって震えている。こんな顔、すんだな。完全に自制を失った
男の顔が、こんなに愛しもんだなんて、知らなかったよ。体を伸ばして、苦しい息を吐く
アベ君の唇に唇を重ねる。身を捩って振り解こうとするのを許さず、無理矢理舌を押し込んで湿った口腔を
犯した。くっついた唇の間でアベ君の喘ぎ声がひしゃげて潰れる。時折緩慢にくねっては逃げようとする
舌先を絡め取り、唾液を混ぜるように粘膜を擦り合わせた。角度を変えるたび口の端から零れるアベ君の息が
熱い。好きなだけ舌を絡めてから、飲み込みきれずに零れた唾液を追うように、唇を顎から細い首筋に滑らせる。
くっきり皮膚を押し上げる男らしい筋を辿り、鎖骨のくぼみを吸い上げてから膨らみのない胸へ。
「ぁ、やめ、・・・チバっ!」
コウジ君の綺麗な指が尖った乳首を弄ぶのを横目に見ながら、もう片方の突起に俺は音を立ててしゃぶりついた。
547名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:03:43 0
「うぁ、あっ、嫌、だ・・・」
真っ平らな胸にぽつりと勃ち上がったそれを唇でこそぎ落とすようにして、空いた手で骨張った内腿を
撫で上げれば、体を捩じらせてアベ君が喘ぐ。そうやって身じろぐことで、埋め込まれたコウジ君のものが
内側を刺激するんだろう。拒絶の言葉とは裏腹に、零れ落ちる声が感じてるときの甘いそれに変わってる。
「いい声」
「う、るせ・・・ん、ぁあッ」
「もっと啼いて」
低い声でせがみながら、コウジ君が腰を揺すり上げる動きを早める。繋がった場所から溢れる水音に混じって、
ああ、ああ、ってもう嬌声にしか聴こえないアベ君の声が響く。内腿を撫で上げた手で
触れた熱は、先端から零れた体液でべとべとになっていた。血管の浮いた幹に指を絡めおずおずと
扱き上げれば、がくりと背中を丸めてアベ君が啼く。前のめりに倒れかけたその体をしっかりと抱えなおし、
コウジ君がぐっと深く腰を入れる。
「嫌、だっ・・・さ、わんな、出、るッ」
「出せばいいじゃん」
「やっ、ああ、あっ!」
コウジ君に後ろからしっかり抱き込まれた体がしなるように反り返って、アベ君が絶頂をやりすごしたのがわかった。
意地に、なってるんだろう。そうやって意地張られるとさぁ、どんな手を使ってでもイかせたくなんのが男の性じゃん。
尖った乳首を吸い上げてから皮膚の上を唇で辿り、ゆっくり体を屈みこませていく。
握り込まれたそれに俺の息がかかった途端、アベ君がぎくりと体を強張らせた。
「ちょ、チバ・・・ひ、ぁッ」
咥え込んだ瞬間の声は、啜り泣きに近かった。骨張った腰が引き攣れて震える。口の中に広がるアベ君の味。
今まで何度か強引にしゃぶらされたことがあったけど、自分からするのは初めてだ。垂れ落ちた体液を舐め取る
ように舌を這わせ、先端の亀裂を押し広げるようにすると、投げ出されたアベ君の脚が弱々しく宙を蹴った。
体液の滲み出る小さな穴を舌先で抉るようにしながら、陰嚢を掌に包んで柔らかく揉み込む。
「アベ君、腰動いてるよ」
コウジ君が笑い混じりの声で意地悪く囁く。俺、惚れたのがアベ君でよかったかも。こんな声で責められたら、
恥ずかしさで頭がおかしくなっちまう。
548名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:04:14 0
「そんなに、気持ちいい?」
「ちがっ・・・!」
「気持ちいいって言えよ」
ぐちゅり、と粘つく音を立てて、コウジ君のものがアベ君の中を突き上げる。口の中で、硬く反り返った陰茎が
ひくりと脈打った。先端から溢れたものが舌に絡む。アベ君が足の指先から首筋までをがくがく痙攣させながら、
ひっ、と息を飲んだ瞬間、胸から腹を這い下りてきたコウジ君の指が、唾液と体液でぐっしょり濡れた根元を
きつく握り締めた。
「や、ウエノ、やだっ・・・」
「気持ちいい、って言ってみな」
俺の目の前で、白い下腹がひく、ひく、と断続的に震える。コウジ君の意図を察して、咥え込んだ
屹立を締め付けるように吸い上げた。掠れた悲鳴を上げて、アベ君が滅茶苦茶に体を捩る。長い脚が
シーツをかき回し、イききれない陰茎が俺の口の中でどくどくと空しく脈打つ。引き攣れた裏筋に舌を這わせ、
先端の薄い皮膚を舐めまわし、唇で擦りながら奥まで飲み込む。その間も、コウジ君は後ろを責める
動きを止めない。深いところを突き上げてはぐるりと円を描くように腰を回し、半ばまで引き抜いてから
もう一度穿つ。
「ぁ、ああ、も、イか、せて・・・う、ああッ」
「気持ちいいの?」
「い、いッ・・・」
「ちゃんと言って」
びくっと跳ね上がったアベ君の脚が、縋るように俺の体に絡みついた。
「ん、ぁッ、いい、き、もち、・・・い、」
「よくできました」
根元を押さえつけてた指がするりと解ける。間をおかず喉の奥にアベ君の欲望が叩きつけられ、
飲み下し損ねたそれが唇の端から溢れた。
「チバ、ちょっと退いて」
熱をもって掠れたその言葉に従い、口を離して体を横にずらす。空いた場所にアベ君をうつぶせに突き倒し、
コウジ君が最後の勢いで腰を遣った。薄く開いたアベ君の唇からはもう声が出ない。口の周りを
汚した体液を拭いながら見つめる俺の前で、深く腰を突き上げたコウジ君が小さく呻く。
549名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 08:04:43 0
一拍置いて中から抜き出されたものが、肉のない尻に濁った体液をぶちまけた。荒い呼吸の音がみっつ。
コウジ君が手を離すと、支えを失ったアベ君の体はずるずるとベッドに沈みこんだ。
「ご馳走さん」
早くなった呼吸を整えて、コウジ君が俺に笑いかける。蹲ったアベ君は、気を失ってるのか
ぴくりともしない。閉じられた目の端に、うっすら涙のあとがあった。
「後始末、どうする?」
「俺がやる」
「了解」
さっさと身支度を終えたコウジ君が、剥き出しのアベ君の体に優しい手つきでシーツをかける。
起きたら怒られるんだろうな。まあでも、怖くなんかないよ。悪いのはアベ君だし。なんかされたら
丸ごと全部やり返してやる。そんなことを思いながら、眉間にざっくり皺を寄せて眠るアベ君のこけた頬にキスを
落とせば、コウジ君が小さく笑った。

ちなみに、酔っ払ったコウジ君が、何を思ったのか「ギター弾かせて!」とアベ君の部屋に突撃し、
この日の仕返しをされたのはその数ヵ月後のことだった。
550名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 09:07:40 O
こ、これは……!
たまらないです職人様…!(*´Д`)ハァハァハァハァ
アベチバ好きもエラアベ好きもチバアベ好きも楽しめるなんて職人様神すぎますGJですハァハァハァハァ
551名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 09:24:18 O
ドロドロかと思って恐る恐る読みはじめましたが、
予想外にカラッとしてて、アベさんには申し訳ないけど楽しく読めました(*´Д`)
これ以降、エラさんとアベさんはお互いの味をしめちゃって
誰にも内緒のせふれになればいいよ!

後日の仕返しはやっぱり左だよね
チバは胸中複雑だろな〜w
552名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 09:46:58 O
す、素晴らしい萌え……!!!!!
職人さんありがとう…潤った…!!!
最高すぎるシチュエーションに涎が止まらなかった。
後日の仕返しに期待大。
553名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 10:28:34 O
キスは許さないストコに禿萌えした
554名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 10:29:08 O
す、素晴らしい…!!
キュウにばれなきゃいいけどw
それぞれ左と真ん中でアベに仕返しされたらいいと思うよ。
職人様GJ!
555名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 12:28:47 O
( ´,_ゝ`)プッ
556名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 12:52:48 O
技術指導されるチバ可愛いお!
左での仕返しに期待(*´д`)
557名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 14:01:26 O
>お願いがあるんですけど
ハゲハロタ

>ウエノですよ
とか
先ずキスしようとする[=.・з・]最高
558名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 16:00:24 O
寝ようとしてるところを急に起こされてのこの対応
さすがウエノ
559名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 16:24:02 O
>>558
そ う い え ば www
560名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 21:18:29 0
ウエロさすが
561名無しさん@ビンキー:2008/03/15(土) 23:34:08 O
後日三人ともキュウに叱られてたら更に萌wwチバ可愛い!職人さん乙でした!
562名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 01:37:49 O
チバ相手には大した抵抗もしないアベが
ウエロには普通に蹴り入れるところに妙に萌え(*´Д`)ハァハァ
563名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 01:44:43 O
>俺もキュウと触り合ったりしたことあるし。
(;*`・ω・)な、何を、さらっと何を言ってんだ
564名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 04:00:20 0
思う存分ハァハァできました。
職人さんありがとう。
565名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 08:38:56 0
1966年12月16日生:室宿
男女ともにアクの強い宿。
性的な魅力に溢れ、独特なフェロモンを振りまきながら相手を悩殺させる。
エロスの要求が強まると闘争心が剥き出しになり、
他人のモノまで奪い取る行動に出ることも。
猛烈な野心が邪魔をして本当の愛を見失い、
無邪気に快楽ばかりを追い求める危険性を秘めている。  

1968年3月27日生:婁宿
男女ともにムードやプロセスを楽しむタイプ。
エロスに対する探求心が強く、常に相手をリードする傾向がある。
情熱的で激しい愛を追い求め、魅力を感じない相手には見向きもしない。
たとえ障害があってもひるむことなく、愛情表現はとてもストレート。
全身全霊で相手を愛する姿勢は、時に凶器となり相手を震撼させる。  

1968年7月10日生:女宿
男女ともに素朴な感じとは裏腹にセックスはかなり激しい。
心の奥底で至福の喜びを感じたいと思っている。
相手に対して身心ともに尽くす振る舞いをするが、
愛にも打算が働いてしまう傾向が強い。
その結果ハイレベルな相手ばかりを選ぶようになり、求める条件もかなり厳しい。    

1969年4月3日生:底宿
男女ともに異性を虜にする魅力がある。
しかし、プライドが高いので自分から積極的に異性を口説いたりしない。
セックスは快楽思考で大胆で奔放的。性の炎が死ぬまで燃えたぎっている。
自分の要求が爆走すると、次から次へとエロスの快楽を追及し、
性にのめり込んでしまう危険性を秘めている。  
 
566名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 12:03:16 O
>>565
12月16日の人wwwwwwwww
567名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 13:06:06 O
二塔がハマり杉www
568名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 15:00:43 O
当てはまり過ぎてワロタww

参考にURL教えて欲しいかも
569名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 15:20:43 O
本当の愛を見失い、無邪気に快楽ばかりを追い求めちゃったりするアベを
ひるむことなく、ストレートに全身全霊で愛するウエロか
570名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 16:44:01 0
1975年9月9日生:房宿
男女ともにセクシャルな魅力の持ち主。
安っぽい愛情には手を染めず、欲情に飢えていても焦らず自分の品位を崩さない。
相手との一体感を求める傾向が強く思い込みも激しい。
強引に責められることをどこかで快感と思っていて、
深い絆を得る事で愛の喜びを感じ取る。  
男性の場合、危ない関係と理性では分かっていても愛欲から抜け出せないケースが多い。  

>>568
ttp://kosei-do.com/
571名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 18:01:37 O
>>570
これはしんどんか!
エラに純愛をいだきながら
アベに翻弄されて嵌ってしまう右より設定にぴったりでハァハァ
572名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 18:10:37 0
セクース分析って>>570のサイトのどこにある?
見つけられないんだがorz
573名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 18:14:33 0
自己解決しますた
574名無しさん@ビンキー:2008/03/16(日) 18:24:00 O
思い込みも激しい←ワロタww
575名無しさん@ビンキー:2008/03/19(水) 03:53:35 0
[=.・з・]oO(無邪気に快楽ばかりを追い求める…)

[*=.・з・]
576名無しさん@ビンキー:2008/03/19(水) 18:57:08 O
鰓さん、何か思い当たる節でも?ハアハア
577名無しさん@ビンキー:2008/03/19(水) 20:20:33 O
淫乱あべを愛でる鰓さんハァハァ
578名無しさん@ビンキー:2008/03/19(水) 22:18:14 O
p‖<_´;‖oO(今日で最後にする!)

【 。】ヾ‖<_´;‖<アベさん、俺です
↑ドア

【 。】;‖ )))
579名無しさん@ビンキー:2008/03/20(木) 04:25:21 O
[ 。] ((‖0。`_ゝ‖絶対次で最後にする
580名無しさん@ビンキー:2008/03/20(木) 23:01:42 O
>>575
まるで ぬこふと やなw
581名無しさん@ビンキー:2008/03/20(木) 23:08:49 0
対バンライブ後、打ち上げ出ずに
アベとウエロが2人で消えたのは06/5/14の福岡で合ってますか?
詳細を記憶してる人がいたら教えてください
最近萌を補給できるようなネタに飢えてる・・・
582名無しさん@ビンキー:2008/03/21(金) 04:40:40 O
>>581
合ってます
終演後には既にハコにはいなかった(`皿´)、そしていそいそとハコを後にする[=.・з・]と
ファンの子らとの会話で
「ウエノさんひとりで先行っちゃったw」
「呼び止めたったら良かったのにww」
と話す(*゜ё゜)と‖*´_ゝ‖を見たよ
583名無しさん@ビンキー:2008/03/21(金) 08:35:04 0
サンクス!
ぱちしんの会話吹いたw

でもそれって結局2人で一緒に飲んだかは分からないってことですか?
質問ばっかでスマソ
584名無しさん@ビンキー:2008/03/21(金) 13:54:44 O
二人飲みの現場を押さえた目撃談は無かった気がするけど、
“打上げ場所の店で不在だったウエノとアベの所在をスタッフに尋ねたら
ウエノが「アベくんと飲むから」って打上げに顔出しただけていなくなった”
とかいう、関係者と思われる人の話はあったよ

あとウエノがゲストで呼ばれたイベントに
たまたま別件(大江さんサポ)で来福してたアベが遊びに来たりとか
元(?)嫁同伴だったけどw

2塔的に福岡はいい土地だなと思った
585名無しさん@ビンキー:2008/03/21(金) 17:38:17 O
なるほど!
先に行っちゃうアベと顔だけだしてくウエロさんとどっちもらしいね

二人きりで飲んだと考えると相当萌えますw
どんな話するんだろ
586名無しさん@ビンキー:2008/03/21(金) 22:31:42 0
真ん中のネタ話で
右住まいの者としては
鰓を夫に持つキュウを無理矢理やっちゃうアベの動機は
「嫉妬」…と妄想しますよね
チバのことは本気で大事に思ってるのに鰓も欲しい勝手なアベ
587名無しさん@ビンキー:2008/03/21(金) 22:32:45 0
>>585
どっちもらしいね が どっちもいやらしいね に見えた
588名無しさん@ビンキー:2008/03/22(土) 02:26:12 O
>>587
それでもオケw
589名無しさん@ビンキー:2008/03/22(土) 17:10:07 O
>>584
過去のビオグ読み返してたら、「やっぱり福岡は最高です」ってゆうウエロの書き込みと
何故か福岡は嫌いなしんどんってゆうパチの書き込みがあって笑った
590名無しさん@ビンキー:2008/03/22(土) 17:39:21 O
>>589
wwwしんどん面白い!

        \ 福岡サイコー /
┃;`_ゝ‖  イチャ[=*.・з・]`皿´*)イチャ
と)くそぉ…   /  二つ⊂二 \
591名無しさん@ビンキー:2008/03/23(日) 12:45:32 O
いじけるしんどん

http://p.pita.st/?m=bdfgrbqs
592名無しさん@ビンキー:2008/03/23(日) 13:59:36 O
ちょwww吹いたwwww

シンヤ逞しくイ`www
593名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 00:11:56 O
その写真いつ見ても吹くwwwww
594名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 07:30:28 O
アベくんがベランダの端にしゃがみ込んでいた。室内に背を向けて細い体を丸めて何か一点を
食い入るように見つめている。俺は煙草を口にくわえたままで彼の隣まで歩み寄った。
「なに見てるの」
俺が視線を下げるとそこには胴から白い羽を生やした小さな蝶がいた。
それは宿主のいない蜘蛛の糸に捕らえられてジタバタともがいていた。その薄く繊細な羽が細
い粘着質な巣に絡まって身動きがとれなくなってしまっている。アベくんはその様子を黙って
みていたのだった。
助けないの、と俺が言うとアベくんは首を横に振った。彼は、こいつはここで死ぬために生ま
れたんだから仕方がない、とそのような主旨の言葉を述べた。彼は哀れむような慈しむような
目線を蝶にくれている。その横顔は今にも何処かへ消えてしまいそうな、確実な破滅を孕んでいて俺は途端に不安になる。
しかしアベくんはそんな俺など気にすることもなく観察を続けた。
間もなくこの振動を感じて、この蝶を喰らうべく蜘蛛が戻ってくるのだろう。そう考えてしま
うと俺はどうにも蝶を見ていられなくなって、視線を空に移す。
空は白く淀んだ雲が渦を巻く嫌な天気だった。
そのうちに飽和した水蒸気が地面を濡らすことになるだろう。
あぁ、この蝶は、今から自分の体が八つに引き裂かれたくさんの目玉に見つめられながら咀嚼
される事を理解していないのだろうか。
「ウエノ」
不意にアベくんが言葉を発したので俺は、一拍置いてから何、と返事をする。
彼はゆらりとその長身を持て余すように立ち上がり俺の肩に額をくっつけて、もたれかかるよ
うに身を寄せてきた。俺は片腕をその薄い背中に乗せてもう一度、何?と尋ねる。
「もし俺が蝶で、お前が蜘蛛でも、構わず喰って」
595名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 08:05:02 O
あべるお
596名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 10:28:00 O
アベが病んでる(*´Д`)ハァハァ
どっちも蜘蛛って感じなので食い合ってください(*´Д`)ハァハァ
597名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 12:35:09 O
>>594
どっかで見たことがあるよーな…
ご本人様やったらすみません
598名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 12:54:16 O
( ´,_ゝ`)プッ
599名無しさん@ビンキー:2008/03/25(火) 14:30:57 0
( ´,_ゝ`)プッ
600名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 12:58:29 O
(*`皿´)
601名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 15:18:45 O
. /\   /\
 (◆゚。ヽノ。゚◆)
. \゚(`皿´)/<夜行性の蝶です
. /。(つと)。\
. \/.∪∪\/

(´・ω・)っ蛾
602名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 15:24:26 O
ちょwwGJ!wwwww
603名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 16:29:15 O
>>601
もっと細長くして!
604名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 17:16:39 O
なんかヅカっぽくなるんだよな

. /\   /\
./ ゚ ヽノ。゚ \
( ◆゚(`皿´)◆ )
.\゚⊂二| |二⊃/
./。◆゚| |゚◆。\
.\_/ |‖|\_/
    |‖|
    ∪∪
605名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 17:28:30 O
. /\   /\
 (◆゚。ヽノ。゚◆)
. \゚(`皿´)/<俺の背中に羽が
. /。.<( )>。\  羽が生えたんだ〜
. \/゜))゚\/
606名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 19:58:56 0
DVD引っ張り出してアベの笑顔を見てたら現状が更に寂しくなった
助けてどこかのバンドマン
607名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 20:14:02 O
アベの姿が見れないのはつらいけどバンド組まれても切ない。
あの四人が最高だったから…
見たいけど見たくないというジレンマ。
608名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 20:29:49 0
新しいバンドでギラギラしてたほうがいいと思うんだよ
エラやチバがまたアベギターを欲しいと思うくらいにw
あんなに最高な4人の最高なアベがこのまま埋もれていくのは勿体無い
早くただならぬ色気とともに復活してほしいわ
609名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 20:46:23 O
ギラギラでエロエロか…
610名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 21:52:23 O
脂ぎったアベなんて
611名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 23:45:19 O
アブラじゃないだろw
ヘビーなグリッターみたいなギラギラした凶暴なエロ男いでよ!
612名無しさん@ビンキー:2008/03/26(水) 23:53:34 O
(0゚`皿´)[・ε・=゚0]

‖`_ゝ‖昨晩2人きりで飲み明かしたらしい彼らは
    妙に色つやが良くて不思議です
613名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 00:08:36 O
飲んだのは酒じゃなくて精(ry
614名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 00:08:51 O
(゜ё゜)しんどん、現実を見つめて
615名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 00:13:45 O
パッチ、そんなリアルなこと言ったらシンヤには聞こえなくなるよ
616名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 02:52:03 O
>>604>>605
ワロタwwww
617名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 03:54:11 O
(;゜ё゜)<あの2人はねえ、 ‖∩`Д´∩アーアー
618名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 04:02:32 0
>>130
そっかw

スカパラとふみおさんの曲かっこいいわー
619名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 04:14:31 O
[=.・з・]逆の誤爆には気をつけろ
620名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 04:23:18 0
ここに誤爆してたのか…orz
621名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 05:11:59 O
>>604
タカラジェンヌwwww
622名無しさん@ビンキー:2008/03/27(木) 12:39:32 O
再就職してたらどーしよう
623名無しさん@ビンキー:2008/03/28(金) 00:00:22 O
ウエノんちに
就職したい
(*`皿´) [・ε・*=]夜勤多いよ?
( ∪∪   ∪∪ )
と_)_)  (_(_⊃
624名無しさん@ビンキー:2008/03/28(金) 02:04:22 O
ミ*`_ゝ´彡お、おれんちにしなよアベ君
625名無しさん@ビンキー:2008/03/29(土) 21:22:23 0
ミ;`_ゝ´彡 (`皿´;)<美味しいご飯が食べたいので…
626名無しさん@ビンキー:2008/03/30(日) 00:22:22 0
今更>>570で(`皿´)の恋愛の項目見てみたら
「同性愛や禁断の恋に身を投じることも。 」と書かれていて土器っとした。
627名無しさん@ビンキー:2008/03/30(日) 03:55:22 O
>>625
カ、カレーなら作れるよ?ミ*`_ゝ´彡 (`皿´*)思いっきり辛いのにして
628名無しさん@ビンキー:2008/03/30(日) 22:05:29 O
カレー、パスタ、カレー、パスタの繰り返しになりそうw
629名無しさん@ビンキー:2008/03/30(日) 23:12:12 O
|]<俺の料理の方がうまいよ・・・
630名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 00:20:31 0
わかってるってw
631名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 02:01:30 O
(`皿´)<いっそのこと日替わりで
632名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 02:13:49 0
月(*゜ё゜)
火‖*`_ゝ‖
水[=*.・з・]
木川´_J`川
金∬`ー´∬
土ミ*`_ゝ´彡
   ))))
日(*´・ω・)
633名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 02:16:53 O
ちょw月曜日www
634名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 02:21:11 O
木曜日も新しくないか?w
想像できんwwww
635名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 02:51:35 0
日曜日も違った意味で新しいw
636名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 03:17:27 0
日曜日はおにぎりパーティーですか?
637名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 03:19:24 O
おwwwにwwwぎwwwりwwwww
そうかも。
638名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 08:23:46 O
  ))))
(*`・ω・)鬼斬り!
639名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 11:36:36 O
昔そういう技が出てくる漫画があった気がする
640名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 12:06:37 O
ひとつなぎの財宝wwwww
641名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 12:40:58 O
( ´,_ゝ`)プッ
642名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 12:55:01 i
>638
キュウ、挑発的だなww
いやらしく組み敷かれて撃沈ですよww
643名無しさん@ビンキー:2008/03/31(月) 15:18:08 0
>>642
やっぱキュウが右塔スレでは無理かなwwwwノブオへ続くwwww
644名無しさん@ビンキー:2008/04/01(火) 12:19:09 O
想像してみたらアベと言う細木にしがみつくカブトムシ状のキュウしか浮かばなかったよ

ごめんよキュウ
645名無しさん@ビンキー:2008/04/01(火) 12:25:18 O
  ))))
(´・ω・`)あーまーい〜♪かーおーり〜♪誘われたアタシはカーブトームシ〜♪
646名無しさん@ビンキー:2008/04/02(水) 18:25:23 O
アベ不足過ぎてヤラシイ夢ばかり見る
647名無しさん@ビンキー:2008/04/02(水) 18:29:04 O
>>646
よし、じゃあ箇条書きでもいいから詳細をここに記そうか
648名無しさん@ビンキー:2008/04/02(水) 18:33:08 O
(*`皿´*)
649名無しさん@ビンキー:2008/04/02(水) 18:48:26 O
wktkしてんじゃねぇよwwwww
650646:2008/04/02(水) 21:03:48 O
目隠しのまま縛られてたり
飼われてたり
無理矢理脱がされてたりする


鰓に。
651名無しさん@ビンキー:2008/04/03(木) 00:44:51 O
なにその素敵な夢ハァハァ
就寝中の646の脳内にお邪魔したい
652名無しさん@ビンキー:2008/04/06(日) 19:48:36 O
ε≡ヽ‖#`_ゝ‖ノ アベさんウエノさん!!

アベさん!‖<_´#≡*`_ゝ‖ウエノさん

アベさーん‖<_`;≡;´_ゝ‖ウエノさ〜ん

居らんウワァァァン
。゚‖゚`Д´゚‖゚。  (`皿´。0;[・ε・=。0;]
653名無しさん@ビンキー:2008/04/07(月) 08:39:29 O
     じゃあ3人で
‖゚´_ゝ‖人(`皿´*)人[・ε・=;]
654名無しさん@ビンキー:2008/04/09(水) 14:08:37 O
‖゚´_ゝ‖人(`皿´*)人[・ε・=;]
655名無しさん@ビンキー:2008/04/10(木) 22:20:03 O
‖;´_ゝ‖ノ (( [^ε^=#]`皿´*)
656名無しさん@ビンキー:2008/04/12(土) 13:56:54 O
(*`皿´)<後でウエノに怒られちゃうな〜
657名無しさん@ビンキー:2008/04/12(土) 14:22:00 O
>>656
シンヤ喰いおつかれちゃーん
658名無しさん@ビンキー:2008/04/13(日) 01:17:07 O
|[#   ]つ<`皿´;*)))

|彡
659名無しさん@ビンキー:2008/04/13(日) 14:20:05 O
あいかわらず渋谷ウザイ
660名無しさん@ビンキー:2008/04/13(日) 18:11:05 0
渋谷?
661名無しさん@ビンキー:2008/04/14(月) 11:29:33 O
たぶん、渋谷の雑踏か渋谷陽一
662名無しさん@ビンキー:2008/04/14(月) 19:38:29 0
まあ普通そのどっちかだよねw
雑踏のほうならデモに参加した人の誤爆・・・?
663名無しさん@ビンキー:2008/04/15(火) 10:01:35 O
ただのアゲ厨
664名無しさん@ビンキー:2008/04/15(火) 20:41:54 O
665名無しさん@ビンキー:2008/04/16(水) 16:03:48 O

|皿´)
666名無しさん@ビンキー:2008/04/16(水) 17:50:43 O
フトツお仕置き終わったの?
667名無しさん@ビンキー:2008/04/16(水) 18:52:30 O
ウンコ
668名無しさん@ビンキー:2008/04/18(金) 16:48:47 O
千葉にここのURL教えたら「前からあったし、別にもういいよ」って返事がきた。
ご本人黙認済み、さあ、さっさと投下しろ。
669名無しさん@ビンキー:2008/04/19(土) 06:42:04 O
チバってケータイ使えるの?
670名無しさん@ビンキー:2008/04/19(土) 06:55:59 O
使えるのFAXくらいでは
671名無しさん@ビンキー:2008/04/19(土) 09:07:31 O
>>670
無理に決まってる
672名無しさん@ビンキー:2008/04/24(木) 11:00:57 O
(`皿´)保
673名無しさん@ビンキー:2008/04/25(金) 02:33:36 O
>>672
[=*.・з・]<保守ご苦労さま
674名無しさん@ビンキー:2008/04/25(金) 03:08:47 O
(*`皿´*)
675名無しさん@ビンキー:2008/04/26(土) 03:53:54 O
[=.・з・]σ)`皿´*)
676名無しさん@ビンキー:2008/04/26(土) 09:52:04 O
[=.・з・] (`皿´*)<なんかご褒美ちょうだい
677名無しさん@ビンキー:2008/04/26(土) 13:26:00 O
 ))))
(*´・ω・)σ)`皿´;(⊂ミ`<_´彡
678名無しさん@ビンキー:2008/04/26(土) 14:37:02 O
ω
679名無しさん@ビンキー:2008/04/26(土) 14:49:02 O
あべくんみんなに愛されてるね
680名無しさん@ビンキー:2008/04/27(日) 02:12:51 O
はい、うんこです
うわわわわあああぁああぁぁ
681名無しさん@ビンキー:2008/04/28(月) 23:37:08 O
[=.・з・]いない…まだ広島か
682名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 14:39:27 O
鰓さん待ってんだね
683名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 15:12:39 O
鰓が迎えに行けばいいんじゃね?
684名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 19:48:55 O
鰓さんが俺とやろうぜって迎えに来るまで広島待機?
685名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 19:58:05 O
じゃぁフトツが待ってんのか
686名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 21:01:30 O
お互い待ってる
687名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 21:03:54 O
>>686
胸がしめつけられた…
688名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 21:47:32 O
うん。切ないね。
689名無しさん@ビンキー:2008/04/29(火) 22:03:08 O
ヽ(*`皿´*)ノ<お前ら元気出せ
 ∧( ω )∧
690名無しさん@ビンキー:2008/04/30(水) 00:10:16 O
>>689
こらこらこらw

でもありがとう
ちょっと元気出たよ
691名無しさん@ビンキー:2008/04/30(水) 00:13:05 O
ageてしまった…ごめん!
692名無しさん@ビンキー:2008/04/30(水) 03:38:40 O
>>689

可愛い_д_
693名無しさん@ビンキー:2008/04/30(水) 22:26:17 O
(*`H´)〃モグモグ
/(∧ω)∧
694名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 05:02:04 O
>>693
疑いもせずパクついてるがもし媚薬入りプリンだったらどうするんだ!
695名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 07:31:50 O
さては>>692は鰓か…
696名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 12:40:48 O
あへふとす
697名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 20:54:43 O
>>694
全裸ふとしが媚薬で乱れだしたら困るよね(*´∀`*)
698名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 21:50:00 O
いやらしいギタリストがいますねハァハア
699名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 23:25:32 O
>>697 いや、大歓迎だ。
700名無しさん@ビンキー:2008/05/01(木) 23:30:22 0
>>699
そもそも>>697が困ってるように見えないw
701名無しさん@ビンキー:2008/05/02(金) 17:15:32 O
mixiのあべコミュに最近(?)の写真が…
702名無しさん@ビンキー:2008/05/02(金) 18:43:06 O
どんなの?
703名無しさん@ビンキー:2008/05/03(土) 02:52:54 0
ちょい前にどっかに載ってた写真でないか?
704名無しさん@ビンキー:2008/05/03(土) 02:59:09 O
かつて右でも流刑地ブームあったよね
なつかしいわ
燃えたなあアレは やたらとw
705名無しさん@ビンキー:2008/05/03(土) 04:42:03 O
>>703 なんか飲んでるやつは見たことあるけど…あれは初めてみたよ?自分が知らないだけかな、
706名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 02:41:56 O
>>697
フトツは自らおもしろがって媚薬的なものを使いそうだw
「なにこれそんなに効くの?ちょっと試してみね?」みたいな
それでものすごいことになるんだよ
707名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 03:45:13 O
>>706
好奇心旺盛なフトシくんに鰓さんもタジタジ!

という言葉が浮かんだ
708名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 10:52:21 0
全てを媚薬のせいにして、
普段出来ないようないろんなことをエラに仕掛けそうだなあ
普段出来ないことなんてあんまりなさそうだけど
709名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 14:49:52 O
>>708
すごい声出しちゃうとか
710名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 15:40:53 O
>>708
上にのっかって腰ふりふりとか
711名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 19:03:43 O
>>708
「ぶってぶって」とせがむとか
712名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 20:29:08 O
>>708
鰓のムスコをお口でご奉仕とか
713名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 21:41:25 O
[=#.・з・]おいコレどうしてくれるんだ
(二つ∩と)
714名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 21:51:33 O
口では鰓のマグナム(笑)を咥え、後ろはバイブ挿れられてるとか
715名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 21:56:22 O
そうしながら自分の前は自分でシコシコとか
716名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 22:12:55 0
>>714-715
(*`皿´)<媚薬なしでも出来ないことはないよ(自慢げ)
717名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 22:29:13 O
∬*´ー`∬<では実戦の方をお願い致します。
718名無しさん@ビンキー:2008/05/05(月) 22:34:11 O
(*`皿´)<>>709だけナシでいいなら
719名無しさん@ビンキー:2008/05/06(火) 00:16:54 O
(*`皿´)どれも素でやってる
720名無しさん@ビンキー:2008/05/06(火) 17:04:10 0
>>718
すごい声はエラの前限定と思っていいですか
721名無しさん@ビンキー:2008/05/06(火) 17:12:07 O
>>720
鰓もめったに聞けません
722名無しさん@ビンキー:2008/05/06(火) 17:32:29 O
>>721
じゃあ誰なら聞けるんですかハアハア
教えてフトツ
723名無しさん@ビンキー:2008/05/06(火) 18:53:54 O
ニヤニヤ
(*`皿´)教えないよ
724名無しさん@ビンキー:2008/05/06(火) 19:20:18 O
>>723
このヤロウwww
725名無しさん@ビンキー:2008/05/08(木) 20:26:49 O
(´皿`)zzZ
 (∩∩)
726sage:2008/05/08(木) 22:10:16 0
しょうがないなぁ>[=*.・з・]つ【毛布】
727名無しさん@ビンキー:2008/05/08(木) 22:11:09 0
sage間違いスマソ
728名無しさん@ビンキー:2008/05/09(金) 17:48:34 O
しょうがないなあ>(*`皿´)ノシ(∵)>>727
729名無しさん@ビンキー:2008/05/13(火) 13:34:59 O
みんなどこへ?

(*`皿´*)俺をかまえよ
730名無しさん@ビンキー:2008/05/13(火) 18:56:35 0
しょうがないなぁ>[=*.・з・]つ【エネマグラ】
731名無しさん@ビンキー:2008/05/13(火) 19:21:43 O
>>730
ちょwww

それで一人で遊んでなさいって?
732名無しさん@ビンキー:2008/05/13(火) 19:32:29 O
これも必要だよねミ*`_ゝ´彡つ【ローション】
733名無しさん@ビンキー:2008/05/13(火) 21:39:05 0
エネマ使うと声止まらないくらいヨくなっちゃったりするらしいよアベくん
734名無しさん@ビンキー:2008/05/13(火) 22:25:42 0
(*`皿´*)
735名無しさん@ビンキー:2008/05/14(水) 01:30:26 O
気持ち良くて蕩け顔のフトツが観たい
736名無しさん@ビンキー:2008/05/14(水) 08:16:31 0
>>735
ギター弾いてトランス気味になってるときの顔に近いかもなー なんて思った…
737名無しさん@ビンキー:2008/05/15(木) 20:41:21 O
ギター弾いてるアベが見たい
738名無しさん@ビンキー:2008/05/16(金) 16:47:08 O
セツナス…
739名無しさん@ビンキー:2008/05/17(土) 20:26:54 O
セツナス…、が
セックル…に見えた
ごめんorz
740名無しさん@ビンキー:2008/05/17(土) 20:31:30 O
>>739
まあそれでもいいんじゃないかな
741名無しさん@ビンキー:2008/05/17(土) 21:08:48 O
>>739
むしろそれでもいいんじゃないかな
742名無しさん@ビンキー:2008/05/17(土) 23:49:35 0
このさいギターとセックルするアベでもいい
743名無しさん@ビンキー:2008/05/18(日) 00:06:04 O
>>742
強者現る
744名無しさん@ビンキー:2008/05/18(日) 02:39:17 O
>>742を想像したら兆した。
745名無しさん@ビンキー:2008/05/18(日) 03:36:22 O
ギターに攻められイキそうなアベハァハァ
746名無しさん@ビンキー:2008/05/18(日) 17:58:07 O
>>743-744の流れにインテリジェンスを感じた
747名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 15:26:54 0
右って今までどんな職人さんいたっけ?
プ厨と342さんくらいしか覚えてないや
748名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 20:49:49 O
AVの人とかルス番214さんとかいたじゃあないか
749名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 20:51:04 O
レス番だった
本当に失礼しました
750名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 22:46:52 0
るすばんフトシってなんかエロいんじゃないか
751名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 22:52:50 O
ロリ系エロゲのようですね
752名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 23:04:37 O
これまでの流れをまとめてみると、

お留守番しているフトシくんが我慢できなくなって
エネマで一人遊びを始めたところ気持ちよすぎてあら大変
さんざんイキまくって疲れて気を失うように眠ったら
ギターに犯される夢を見た

こんな感じですかね
753名無しさん@ビンキー:2008/05/19(月) 23:06:23 O
(`皿´)…



ガチャ
[=.・з・]ただいまアベ君。留守番ありがとー


(`皿´#)遅いよ!飯がさめちゃったよ!



こうですk(ry
754名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 01:47:55 O
>>752
ギターが相手っていくら夢でも想像できないww
755名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 04:44:41 O
ギター弾いてる時の表情みると、そん時フトツはギターに犯されてんだと思いたい
756名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 10:02:28 O
あのギターを擬人化を想像したら
凶悪に格好良いアベになった
アベ×アベ
757名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 14:37:14 O
>>756
[=*.・з・]鰓×アベ×アベ=ダブル尺八
758名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 17:59:51 O
 \プリン食わせろ/
ヽ(`皿´)人(*`皿´*)ノ

二人もアベがいたら鰓さんが大変だと思う
759名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 18:37:37 O
性的な意味でも大変だと思う
760名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 18:50:41 O
二人いたらチバに一人、鰓に一人で丸くおさまる
761名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 18:56:13 O
┃ ))))
┃´・ω・)………
762名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 19:00:08 O
>>761
森へお帰り

自分のとこでおとなしく鰓にお注射されてなさいw
763名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 21:45:42 0
知らないことにしてほしい、っていうのは
多分自分がアベを囲ってるからだ
そうに違いない


orz
764名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 21:57:07 O
>>763
????
765名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:02:30 O
自己解決しました
微妙な言い回しだね
766名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:08:49 0
>>763
自己解決できないので詳しく頼みたい
767名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:14:48 O
蝦夷スレかりんご板のアベスレに最近のウエノの発言として
768名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:28:54 0
そうかフトツは鰓に囲われてんのか!
拉致監禁されてるから表に出てこれないんだねハァハァ



orz
769名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:32:30 O
ここへきて病んだ鰓ですか
それもまた萌えますね
770名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:39:55 O
フトツは鰓の言うことしか聞かないんでしょ
ひっぱり出して来てくれないかな?フトツが嫌がってたら無理強いはしないか
771名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:49:15 0
病みエラ落としてくれ、職人様…
さもないと悲しくて泣いちまう
ぷ厨か214氏かバーボン氏あたりお願いします
772名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 22:49:51 0
>>767
本当ありがとう
なんだこの変に勘繰らせる言い回しは
餌か
アベの単なる行方・居所なんてものじゃなくて
近況の何もかもを知ってる感じがする
773名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 23:15:42 O
214氏って何書いた人だっけ?
774名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 23:25:28 O
アベ⇔鰓真の切なすぎる話
切ないのにエロかった
775名無しさん@ビンキー:2008/05/20(火) 23:36:56 O
ありがとう。
バカ犬とは違うやつだよね?
776名無しさん@ビンキー:2008/05/21(水) 15:42:24 O
知らない事にしてくれって明らかに知っt(ry

>>770
>フトツが嫌がってたら無理矢理はしないか に見えたorz
777名無しさん@ビンキー:2008/05/21(水) 16:33:49 0
>>775
うん 違うやつ
鰓がアベとの営みのせいで噛み癖ついてて
アベと別れた後に付き合ってるシンヤにも噛み跡つけちゃって
それをアベが見つけてしまうみたいな場面があった

馬鹿犬書いた人って呼称ついてましたっけ
あんなにワクワクしながら読ませてもらった長編神なのに
呼称を思い出せない
778名無しさん@ビンキー:2008/05/22(木) 00:08:47 O
>>777
噛み癖・・・!!!
切ない・・・
779名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 02:48:51 0
ノブオと真ん中で、ナースやら医者やらの話が出ていたので便乗。

フトツは手術後に、尿道に管入ってたって言ってたよね?
か、カテーテルプレイなんてどうですか!?
しかもそのとき浣腸が辛かったとかも言ってて…。
患者フトツも萌えるよ!
780名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 06:40:51 O
たしかカテーテルも前立腺に当たるんだよね
医者鰓にいいようにされる患者アベ…(*´д`)
781名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 06:53:01 O
>>779その話kwsk!!!!
782名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 16:01:29 0
>>781
1999年のジャパソ(夏フェスの特集?)のアベのインタビューにて。

●じゃあ手術前日はかなりビビった?
アベ「いや、ビビりはしないんだけど、何がイヤだったかっつったら、全身麻酔の前の浣腸が一番イヤだったよ。
すっげえキツいんだもん!」
●あははは、タイトル発言(笑)
「いや、ほんと。全部出さなきゃいけないみたいで、まず何か注射打って、
『じゃあ浣腸打ちますか』
ってトイレ行って、凄い量の浣腸をガーっと入れられんのね。
で、『このまま3分間から5分間待ってください』
って言われて、もうこっれはね、すっげえ辛かったよ?
●ははははは。
「あれが一番辛かったなあ。
あとはもう目が覚めたら体じゅうから管が通ってて。チンポからも」



鰓医師なら、浣腸打ったあと、出すときもアベと一緒にいるんでしょうねハァハァ!
恥ずかしがって出すに出せないアベ…(*´д`)
783名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 16:15:24 O
みんな雑誌とか持っててうらやましい。
自分リアルタイムで曲聴いててファンだったけど
雑誌買ったり写真集買ったりそういうことしてなかったから。
雑誌の表紙飾ってても買ってなかった。
過去の自分を殴りたい。
なんであのとき、せっかくリアルタイムであの四人を見ていたのに
CD以外の形に残るものを買っておかなかったのかと後悔してる。

だから音のファン歴は長いのに彼らのエピソードを全く知らなくて
解散後しばらくしてからネットでいろんな情報漁ったりしたけど
今更手に入れられる情報なんて限られてるしほんとに有名な話しか知らないから
たまに右に限らず他のスレで過去のエピソードの話題になると
分からない話はつらいけど、こうやって新しく知ることができたりするとうれしい。
784名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 17:36:54 O
>>783
オクで買えばいいんじゃない?
ジャパソぐらいなら普通に集めきれるよ
凄く昔の記事も切り抜きにして出品してる人いるし
785名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 18:05:08 O
データベースまだ生きてるかな?
あそこ読破したら当時のインタビュー記事6〜7割はカバーできると思う
画像はないけど
786名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 18:06:12 O
古い音楽雑誌(ジャパソとか)はブックオフに百円ぐらいから売ってたりするよ
787名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 19:40:01 O
>>782わざわざありがとう!浣腸されてるアベ見てえw
788名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 20:02:55 O
[=;.‐з‐]…さすがにス○トロはちょっと。。
789名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 20:40:42 0
>785
伝説板のミッセルスレから行けるよ
更新はのろいけどサイトは生きてる
790名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 22:06:33 O
783です。
みんないろいろ教えてくれてありがとう!
オクか…考えつかなかった。
やったことないけど切り抜きなんかも売ったりするんだ…
791名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 22:13:00 O
ごめん途中送信しちゃった…
田舎だからブックオフとかないんだよね。
都会にいきたいわ〜

写真集とかバイブルとかさ、絶版にしなくてもいいじゃんね。
細々と売れると思うんだけどなぁ。
792名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 23:12:16 O
鏡の前で座布団の上で横になって、カメラ目線のセクシーフトツってゴッジャズ写真集?
793名無しさん@ビンキー:2008/05/24(土) 23:18:05 0
洗面台映ってるあれならゴッジャズ
794名無しさん@ビンキー:2008/05/25(日) 02:12:46 O
>>793 ありがとっ
あれはセクシーすぎて笑った
写真集として手にしたかった
795名無しさん@ビンキー:2008/05/25(日) 08:57:35 0
>>791
写真集とろきのんのバイブル、つい最近購入したよ
タイトル入れて検索したらあまぞんで中古で入手可能だったので
そんなわけで昨日は一人バイブル祭り
ごっじゃずは流石に見つからず、神保町逝ったけどね
ひでー金額だた…orz

リアルタイムの時はそんなはまってなかたから、ライヌは見れてない
タイムマシンが欲しいです
796名無しさん@ビンキー:2008/05/27(火) 22:30:31 0
過疎ってきましたな
職人さんたちどこにいっちゃったんだろう・・・

うちにある本棚1個分の雑誌や切抜き、録画映像を見せるので
だれかアベの可愛さについて一晩語り合わないか
797名無しさん@ビンキー:2008/05/27(火) 22:34:46 O
語りたいぞー!
798名無しさん@ビンキー:2008/05/27(火) 23:01:51 0
>>796
今からお宅訪問してもいいですか?
799名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 00:40:24 0
>>798
カモン!DVDセットして待ってるぜ!
800名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 01:12:32 O
酔っ払いアベは可愛い
801名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 01:37:16 O
すべてが可愛い
802名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 01:55:44 0
ふらつきながらパイプ椅子を遠投するアベは可愛い
803名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 02:24:48 0
鰓の脚に絡みついて「コウちゃん、ビールちょうだい」と甘えてた
ってのを聞いた時は萌えすぎて死ぬかと思った
804名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 07:21:11 O
>>802
一瞬バイブ椅子と読んでしまった目はオワテますかそうですか
805名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 11:15:01 O
>>804
‖;´Д`‖ハァハァ
806名無しさん@ビンキー:2008/05/28(水) 20:44:26 O
>>803
絡 み つ い て とは何事だ
807名無しさん@ビンキー:2008/05/29(木) 10:30:43 O
(((ヽミ*`_ゝ´彡ノ 君に会いにいこ〜♪
808名無しさん@ビンキー:2008/05/29(木) 19:23:00 O
ゲットアップフトシ!
809名無しさん@ビンキー:2008/05/29(木) 19:32:32 O
(*`皿´*)<>>508、これでいい?
∧( ∩ )∧
810名無しさん@ビンキー:2008/05/29(木) 19:33:48 O
ごめん808だ
レス番間違えたorz
811名無しさん@ビンキー:2008/05/29(木) 21:17:48 O
(*`皿´*)
∧( ● )∧
  |[・ε・=]
  ⊂二  \
812名無しさん@ビンキー:2008/05/29(木) 22:22:01 O
し…下!(視力検査←なんか違う
813名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 02:01:59 O
>>809
あの長い足の膝を立てて
そこをそんな風に晒すなんて
ものすごく卑猥だよ…
814名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 08:58:00 O
>>812のおかげで

(*`皿´*)
∧( ∩ )∧

(*`皿´*)
∧( ⊂ )∧

(*`皿´*)
∧(   )∧
  ∪

(*`皿´*)
∧( ⊃ )∧


[;=.・з・]グルグルするアベくんを想像しちゃったじゃん
815名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 08:59:37 O
>>812
それは シモ と読むんですか
816名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 09:13:04 O
>>814
wwwwwwwwww
817名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 13:52:12 O
>>815∬´ー`∬正解です。
818名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 18:30:54 O
フトツのM字開脚
819名無しさん@ビンキー:2008/05/30(金) 20:35:02 O
ライブでかなり大股開きプレイとかしてるし
フトツも股関節の可動範囲はけっこう広いと思うんだ
820名無しさん@ビンキー:2008/05/31(土) 00:05:21 O
フトツ・オブ・ジョイトイ
821名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 11:40:56 O
インリン様にシバかれて喜ぶフトツ
822名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 11:48:07 0
[=.・з・]<こんにちは淫リンことウエノです
823名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 13:13:10 O
金髪アベ好きだったんだけど一般的には不評だったよね?
アベ本人が自分の金髪について何か発言したことってあった?
ライターにきかれたりとかしてた?
824名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 14:38:22 0
>>823
なんとなく切ってみた、とか、なんとなく染めてみた。
みたいなこと言ってた気がする…。
うろ覚えでごめん。
825名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 15:10:50 O
青いスーツに短髪で金髪だったらかっこいいかなって思って
とか言ってたよね
826名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 17:32:38 O
ひよこフトツ(*´д`)ハァハァ
827名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 17:51:23 O
やんちゃな感じしてカッコいいと思ったな、金髪。
828名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 20:03:55 O
そんでアメリカツアー行くってなって
ツアー中プリンになるのとか向こうで染め直すのとかめんどいってことで戻しちゃったんだよね
パツキンは似合ってたけど、プリンは似合わないだろうな
829名無しさん@ビンキー:2008/06/01(日) 22:30:08 O
金か黒のフトシさん萌え
茶髪とかプリンとかは無しなんだよね
0か100(;´Д`)ハァハァ
あと、「自分がもし女だったらヤリマン」発言(;´Д`)ハァハァ
830名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 00:12:36 O
そんなこと言ってたのか
ぜんぜん記憶にないw
みんな教えてくれてありがとう
アベはたいした考えがあったわけではなく
なんとなくかっこいいかも、と思って染めてみたのか?w
アベは単純バカなところが萌えだな

ヤリマンとかwww
831名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 09:16:04 O
うろ覚えのインタビュー記事ですが
朝起きて女になってたらどうする?みたいな質問に
キュウとかは「鏡で観察」「女湯に」とか答えてるのに
アベはセックスと答えてたと思う。
(`皿´)<だって男より気持ちいいらしいじゃん?
とか言ってたはず。
アベさん正直すぎるwと思った記憶がある
832名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 11:19:17 O
そして男でも女性のように気持ちよくなれることをのちに知るんですね
833名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 13:59:34 O
(*`皿´*)ポッ
834名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 22:02:46 O
フトツ可愛いよフトツ
フトツの処女は誰に奪われたの?
835名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 22:10:59 O
(*`皿´*)ないしょ
836名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 22:11:40 0
[=*.・з・]<俺! ミ*`_ゝ´彡<おれ!

…>[;=.・з・] ミ`<_´;彡<…
837名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 22:21:39 O

|ω・`)
838名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 22:36:57 0
さては全員に
(*`皿´)<初めてだよ?
って言ってんだなこの小悪魔め!
839名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 22:41:00 O
二十歳そこらでスポーツバッグひとつで上京

28でミッシェルに入るまでバイト暮らし

風呂なしアパートに住んでたと言うわりには2回の海外旅行。
この時期には達也あたりと既につるんで、悪い事もしてたらしいし
この頃に妖しい経験もしてしまった可能性大だよねw
840名無しさん@ビンキー:2008/06/02(月) 23:04:54 O
ヒャハ 川*`∀´)ノシ
841名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 01:32:16 0
>>839 わ、悪い事ってどんな事だろう・・・
842名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 01:32:35 O
二十歳頃のフトツの受け受けしさは異常
843名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 01:39:23 0
解散間際のフトツの受け受けしさも異常

お互い割り切った遊びで気持ちいいだけのセックスをする
達アベが見たい
844名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 01:58:46 O
スポーツみたいなやつですね
845名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 02:16:06 O
>>837
まさかのキュウwww
846名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 03:10:51 0
アベ「どうしたの」
達也「ひまんもんだでさ」
アベ「遊びでも行く?」
達也「そうだなも、まあやろまい」
アベ「あ?やるってなに、え、ちょっ」
達也「なぶるだけだがや」
アベ「ん、マジですんの?」
達也「女遊びする金ないもんだで、おみゃーもたまっとるだろ」
アベ「あー、そうね」
達也「ほら、ちゃっと脚開け」
アベ(まあいっか…)
847名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 07:19:07 O
[=.´;з;]その広大なキャパが長所で短所なんです
848名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 08:20:47 O
鰓さんも大変なんですね
849名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 10:20:21 O
∬;A;)タツヤ…










∬#・A・)グレッチで殴られんのとチ○毛燃やされんの、どっちがええ?
850名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 11:26:21 O
>>849
どっちもやっていいよw
851名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 13:34:16 O
尻軽フトツも鰓さんにお仕置きされればいい
852名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 13:52:33 O
大好きなアベ君に思いが通じて初めての夜
なれてるアベ君に内心驚きその過去に嫉妬する鰓っていうのもいいね

鰓ならそれでもぐっとこらえて丁寧に時間かけそうだけど
チバはショックのあまり
「なんだ、そういうこといっぱいしてたんだ…」
とか言いながら悔しくてわけわかんなくなって多少強引に進めそう
一方のアベはミッシェルに加入してからは男はご無沙汰してて
「なれてるからって何でもイイわけじゃねえよ。お前俺を気持ちよくできんの?」
と強がりながらも切れたらどうしようとかイテーのは勘弁とか思ってる

と妄想した。
853名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 15:22:08 O
手慣れたアベが自分に脈ありげなエラを誘惑して楽しもうと思ったらエラがネ申テク。
気を失うほどの快感には不慣れだったアベが逆に翻弄されたり
翻弄されてるアベにエラも翻弄されたり。
軽く遊んでみるつもりが本気になってしまう体からスタートの恋wとか。
もういろいろ楽しいです。
854名無しさん@ビンキー:2008/06/03(火) 22:59:10 O
(`皿´)
./(_∧∧
855名無しさん@ビンキー:2008/06/04(水) 08:13:22 O
皆さん、アベ君がお待ちですよ
856名無しさん@ビンキー:2008/06/04(水) 14:10:39 O
ヾミ`<_´*彡<あっアベくん遊ぼっ
857名無しさん@ビンキー:2008/06/04(水) 14:17:27 O
(*`皿´)いいよ なにして遊ぶ?
858名無しさん@ビンキー:2008/06/04(水) 14:47:49 O
ミ`<_´*彡<…し、しりとりしよーぜ!
859名無しさん@ビンキー:2008/06/04(水) 15:16:48 O
(*`皿´)<それよりもっといいことしようぜ
860名無しさん@ビンキー:2008/06/04(水) 15:30:18 O
[・ε・.=]<チバは放っておいて俺といい事だけしよーよ
861名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 08:48:59 O
[・ε・*=]人(*`皿´) )))
862名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 10:27:36 O
(O゚*`皿´)[O゚=.・з・]y-~~
863名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 10:29:47 O
ミ*`_ゝ´彡も、もういい? じゃ次おれね
864名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 11:40:06 O
(`皿´*)<今日お前幾ら持ってきたの
865名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 11:48:09 O
まさかの有料www
866名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 11:49:01 O
ひどいよアベくん!
867名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 11:59:24 O
(`皿´*)冗談だよチバ
868名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 14:41:32 O
真ん中で阿○定ネタがチラッとあったけど鰓アベでもイケそうと思ってしまった(アベ違いでフトツはお定さん)。
869名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 15:18:31 O
鰓の方から切ってくれっつっても、フトツは「それ無えとお前とセックスできねえじゃん」っていいそう。むしろフトツが去勢がいい。
鰓だけしか知らん去勢姿。
870名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 15:21:43 O
鰓だってアベのくわえたりしたいだろ

てことで二人ともなきゃ困るよw
871名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 15:28:24 O
869だけど。真ん中みたら同じような事書いてあった…んで、よくよく考えたらやっぱ鰓じゃ猟奇系無理かもしれん orz
872名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 15:35:25 O
でも結構前に投下された鰓アベ監禁DVは珍しく鰓さんが病んでるけど泣けた…
873名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 16:14:42 O
フトツ監禁似合うよね
殴る蹴るまではいいけど切断はな…
874名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 16:43:02 O
鰓さんがフトツを監禁して寵愛してる夢ならよく見る
875名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 16:52:23 0
その夢、分けて
876名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 17:47:30 O
工場の食堂で作業着着て飯を食べてるフトツの夢しか見たことないのに。
877名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 18:15:30 O
>>876
ちょwwww
878名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 19:28:39 O
>>876
作業着フトツ見てえええええええええ!!!
作業着好きの自分にはたまらんシチュだ…!!
879名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 19:45:40 O
薄緑の作業着でカレー食べてた。
髪の毛はコオロギん時くらいだったよ。
880名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 19:55:59 O
うだつのあがらない工員なイメージw
881名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:04:51 O
白ツナギ姿と黒ツナギ姿は大好物です
ギルティウェイのPV発売して欲しかった・・・
882名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:13:59 O
蟋蟀DVDって一本しか出てないよね?

あれが映像になってるアベで一番最新なんだよね…
883名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:14:44 O
http://imepita.jp/20080605/762590

この画像むちゃくちゃ気に入ってる
こういう整備士いたら事故りまくるぜ
884名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:21:08 O
>>883
GJ!

ツナギのファスナー全開で鰓さんにフェラされるフトツを想像してみました。
885名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:25:16 O
>>884 あー…鰓が羨ましい
886名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:30:01 O
>>883
それもいいけど、ギターのネック掴んだまま座って俯いてるツナギフトツもエロかわいくて良かった
887名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:34:21 O
>>886
独り占めしないで今すぐ貼るんだ!
フトシはみんなのものです
888名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:48:17 O
>>886 そのフトツを見せつけてくれ!
889名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 21:52:40 O
ごめん、今は画像持ってないorz
890名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 22:06:51 O
これはもう焦らしプレイだな。
891名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 22:39:55 O
>>881
アルバムにPVのDVD付いてたよ
892名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 23:35:29 O
>>891
少し出遅れて買ったからステッカー付の方しか持ってないんだよね・・・
マジ悔やんでる
まあ、つべで落としたから観れなくはないけど
893名無しさん@ビンキー:2008/06/05(木) 23:56:21 O
>>892
アルバムに必ず付いてると思いこんでた
ごめん
894名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 00:09:30 O
>>892
自分もステッカー組だ
でもつべにあがってたことあるんだな
うらやましいぜ
ミセルは定期的?にあがってるけど
蟋蟀は見たことないわ

その悔しさをつなぎプレイ妄想にぶつけるよ…
895名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 00:23:07 O
>>894 つなぎプレイ→うなぎプレイに見えた
896名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 02:54:14 O
>>894

ギルティのPV、今もつべにあるよ
897名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 07:16:30 O
DVD付いてたアルバムて、マティダ?ぶわり波?
898名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 08:05:10 O
>>897
マティだよ
しかし二枚ともめちゃくちゃカッコいいアルバムだよね
秋オの曲もプレイヤーもみんな最高だった
活動止まったの非常に残念極まりない

>>893
892だけど、別におまいが謝る必要ないよww
DVD付きの出荷エライ少なかったみたいだし
しばらく気付かなかったもん 

そんなことより、朝っぱらから
フトツのツナギのジッパーをゆっくり下ろし、脇腹から腰へ手を差し込むウエロ

という妄想が止まらんのだけどどうしよう
今日高速走るのに事故るかも

899名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 08:32:03 O
かなり前のフ菓子でエラ×ツナギアベのエロ投下あったよね
ファイル飛んで悲しい
プリントしなかった自分を呪うわ
900名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 08:33:25 O
↑補足  

「今日のステージ痺れたよ、コレ(股間)どうしてくれんの」

とか笑顔で言いながらでよろしく
901900:2008/06/06(金) 08:35:25 O
ごめ、989のね
902名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 08:38:36 O
898やった・・・

無駄なスレ消費申し訳ない・・・
903名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 12:17:25 O
ツナギはいいよねぇ
脱がしやすいし
904名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 14:30:19 0
>>903
鰓さん乙
905名無しさん@ビンキー:2008/06/06(金) 14:56:42 O
>>896
ありがとう!
おかげで見れた!
前に探したときは見あたらなかったんだよなー
906名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 02:41:37 O
(`皿´)……
907名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 02:56:37 O
   チュ
(*´・ω( `皿´)!

(*´・ω・)(`皿´*)
908名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:03:57 O
まさかのキュウw
909名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:05:07 O
新しい萌えがおそってきた…
どうしようw
910名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:06:23 O
ノブオで鬼さんが可愛がったからきちゃったのかキュウw
911名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:07:34 O
個人的にはかなりアリだよw
912名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:12:30 O
同じく全然アリですな
913名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:16:57 O
慣れた鬼がキュウをリードしながらすんのとか想像したらやばい。
914名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 03:43:03 O
鬼さんとキュウ…萌えます
915名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 07:35:24 O
(*`・ω・)<俺だってアベ君を満足させられる! (`皿´*)<頼もしいな
916名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 08:10:58 0
(*´・ω・)「アベ、くん、やばいよ…変になりそう…っ」
(*`皿´)「……ぁ…オレ、も…(ニヤリ)」

そんな騎乗位
917名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 08:28:10 O
(ニヤリ)に萌えた。
フトツいやらしいよフトツ
918名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 17:51:12 O
[・ε・=#]つ<`皿´*)))

(((*´・ω・>⊂ミ#`_ゝ´彡
919名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 18:32:59 O
[=.`・з・]<何してんの (`皿´ )
920名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 21:08:08 O
ミ#`_ゝ´彡<なにしてんの (・ω・`)
921名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 21:42:35 0
www
922名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:14:29 0
遅ればせながら>>886の写真、ロキノンだよね?
見つけたんだけれど、うpするべき?
923名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:17:22 O
お願いします!
924名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:38:48 O
お願いいたします!
925名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:48:44 0
ドゾ
http://imepita.jp/20080607/853730
(切れて見えますが、左と下は余白まで全部入れてこれ)
926名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:54:07 O
>>925 うわぁあああっ!
すっげええろかわいい
ありがとうございます!!
927名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:54:37 O
ありがとうございます!
号数まで載せてくれてありがたいです!

手と指綺麗だなー
928名無しさん@ビンキー:2008/06/07(土) 23:55:10 O
>>925
GJGJ!!
すばらしい!
929名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 00:11:16 0
>>925
見れない!
しばらく消さずにおいてください
930名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 00:19:29 0
アベの指って細いのに関節がごつごつしてなくて
ほんと綺麗なんだよね・・・
色っぽい(*´д`*)ハァハァ
931名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 00:22:45 0
時間おいたら見れるようになりました
ちょうど行方不明になったロキノンのやつだー!
肌の白さと指のエロ綺麗さが際立つ良い画像
>>925ありがとう
932名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 00:29:44 0
明日ドクターから帰ってくるまではあげておく予定です
933名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 02:39:17 O
あべエロ過ぎるよあべ(*´Д`*)
934名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 02:40:04 O
アベの手指キレイで思い出したけど
その昔、ラジオでアベはエラの手をベタ褒めしてたよね

[=*.・з・]ノ⊂(`皿´*)<ほんとキレイだよな〜
935名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 02:42:39 O
その綺麗な鰓の手でイカされる事に興奮するんですね。分かります。
936名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 02:48:53 O
鰓のキレイな手を自分の出したものが汚すという…
937名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 03:11:27 O
そんな綺麗な鰓の手
http://imepita.jp/20080608/113310
938名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 07:15:18 O
‖*´Д`‖<ぬぁあぁぁたまらん!>>937姐さんたまりわせんわコレ!ハァハァ
939名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 10:39:52 O
>>937
この手が羽交い締めにしたアベのシャツのボタンを一つ一つ外して
脱がせた現場を目撃した人がとても羨ましいです
力無くジタバタして「やめろバカ」と
抗議したアベを目撃した人がとても羨ましいです
打ち上げでそんなことすなよ
けしからん(;´Д`)ハァハァ
940名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 11:02:38 O
>>938 お前wなにでてきてんだww

>>939 見てえー!!!!
941名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 12:20:50 O
>>939
そんときの鰓のセリフはなんだっけ?
「お客さ〜ん(患者さん?)、ちょっと痩せすぎなんじゃじゃないですか〜?」だっけ?
ニ塔がラジオで揃うとすぐ下ネタになるって聞いたけど、やんちゃ悪友的な雰囲気もいいよね
942名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 13:06:56 O
年下にイジられる年上ハァハァ
943名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 13:27:37 O
>>941
私の二塔メモによると

「お客さん、痩せすぎですね」[=*.・з・(;#`皿´)「うるせえな!」

のようです
944名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 14:01:43 O
そのニ塔メモ自体がめっちゃ気になります… |ゝ`*‖ハァハァ
945名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 14:05:02 O
>>943
そのメモを公開してごらん
さあさあ!
946943:2008/06/08(日) 22:12:52 O
(;*゜ё゜)恥ずかしくて見せられないじぇ…
947名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 22:14:58 O
いいではないかいいではないか
948名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 22:35:19 O
(;*゚ё゚) (`皿´)何でお前が?
949名無しさん@ビンキー:2008/06/08(日) 23:40:52 0
【検索用】
アベ フトシ
(1966年12月16日 - )は、広島県出身のミュージシャン。かつてthee michelle gun elephantのギタリストとして活動していた。
身長186cm。血液型A型。広島工業大学高等学校卒業。
950名無しさん@ビンキー:2008/06/09(月) 19:00:48 O
( `皿´)…誰もいない?
951名無しさん@ビンキー:2008/06/09(月) 19:07:43 O
ミ`_ゝ´彡<いいかげんやらせろよ
952名無しさん@ビンキー:2008/06/09(月) 19:51:17 O
( `皿´) え?いいけど?
953名無しさん@ビンキー:2008/06/09(月) 19:51:30 O
>>951
いつになく強気だなw
954名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 03:22:34 O
(`皿´)あいつは口だけだな

(`皿´)口だけ…

ポッ(*`皿´*)
955名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 03:30:54 O
ミ*`_ゝ´彡おれがしたらあべくんも口でしてくれる?
956名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 04:05:33 O
(`皿´) <お前下手じゃん
957名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 06:07:24 O
アベがチバにお手本としてしてあげたらいいじゃない
958名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 10:56:34 O
!(`皿´) あ、なるほど。

(*`皿´) チバ?oO(誰のでもいいけど)
959名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 11:04:23 O
ミ*`_ゝ´彡よろしくお願いします
960名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 11:22:11 O
( `皿´) お前舌長いのにもったいないな
961名無しさん@ビンキー:2008/06/10(火) 14:29:57 O
>>959
ワロスww
962名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 18:58:41 O
下手くそでもチバを受け入れるのはチバが好きでしょうがないからですよね?
そうですよね?アベさん
下手でも痛くてもつらくてもチバを許容するアベってのが好きだ
まんま逆にして真ん中としてもそれで萌えられるけどw

鰓相手だと互いのテクを出しまくる濃厚なエロしか思いつかないw
963名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 19:56:20 O
(`皿´)頑張るチバがさ、可愛いんだよな
964名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 20:29:21 O
[=.・з・]<思いっきり頑張る俺は?可愛くない?

お前が思いっきり頑張ったらオレ気失うからわかりません>(`皿´*)
965名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 20:54:03 O
ヾミ#`_ゝ´彡ノシ<おっ俺だってアベくんの気ぐらい…!!!
966名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 21:00:15 O
がんばれスットコ!
期待してるw
967名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 21:10:28 O
ミ*`_ゝ´彡ノ <お、おうッ、頑張る
968名無しさん@ビンキー:2008/06/11(水) 23:35:29 O
(*´皿`)やさしい鬼です。背中へどうぞ。
969名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 00:07:39 O
フイタwww
wwwやめれwwwww
970名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 00:12:26 O
>>968さん、珍百景観ただろwwwwwww
971名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 01:54:58 0
頑張る が
頬張る に見えた
972名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 02:07:28 O
>>971
間違いではないよwww
973名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 02:07:56 0
ミ*`_ゝ´彡 <アベくんの頬張る





(*´皿`) < あぁっ・・・
974名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 02:09:18 O
(`H´*)
975名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 02:51:10 O
ミ*ノ`H´彡ノ (`皿´*)

こうじゃないか?W
976名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 03:25:17 0
なんだか… 口のなかに
ためたままw の状態にみえる
977名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 06:46:43 O
アベさんチバさんのお口はどうでしたか
次はアベさんの下のお口を使う番ですね
978名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 10:38:48 O
サダが食べちゃったのかと…
979名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 13:03:44 O
そろそろエロ鰓の出番
980名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 14:47:43 0
[=.・з・]<俺のも頬張ってよ

981名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 20:14:14 0
┃_ゝ‖<ウエノさんのなら俺がなんぼでも頬張ってあげますのに…
982名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 20:36:23 0
ここに来てまで……w
983名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 20:45:50 O
鰓ねらいなら出てけwwwww
984名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 20:50:06 0
┃‖<ウエノさん待ってます・・・
985名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 21:00:21 O
素直wwwww
986名無しさん@ビンキー:2008/06/12(木) 23:59:23 0
┃    (`皿´*)<もうちょい待ったら頬張ってやったのに…
987名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 00:13:55 0
┃_ゝ‖<・・・
988名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 02:49:52 O
そこで戻ってくるのかwww

そんなんだから鰓に振り向いてもらえないんだよwwwww
989名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 03:38:23 O
‖´_ゝ‖<性的快楽に弱いお年頃ですし…
990名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 06:07:00 O
おれのアベ君に手を出すな!
ミ#`_ゝ´彡[=.`・з・](#`・ω・)
991名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 06:35:51 O
ミセルから総攻撃wwwww
992名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 07:52:24 O
ウエノに見つかったw
シンヤ終わったなwwwww
993名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 10:10:41 O
左|ё ゜)つ<´<_`;‖
994名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 19:28:45 0
川*´_J`川<俺のアベくんでもあるんだよ…。
995名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 20:17:32 O
∬`ー´#∬つ<;´_J`川
996名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 20:25:33 O
みんなちゃんと連れ戻しにきてくれる人がいるんだなw
997名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 21:00:12 0
川`∀´)ノシ<俺のアベくんなんだな
998名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 21:51:40 O
∬#・Α・)<お前なめとるだろう
999名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 22:07:03 0
>>998
キター
wwwww
1000名無しさん@ビンキー:2008/06/13(金) 22:18:38 0
1000なら今夜アベくんは俺と寝る
10011001
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