PINKのおいらロビー自治スレ3

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317ほのぼのえっちさん
    車で揺さぶられること5時間半。徒歩3時間。
    空にはすっかり日が昇り、薄気味悪い森の中は太陽の光のおかげか、幻想的な姿になっていた。
鳴木 「なげぇ……何時になったら着くんだ」
日輪 「暑いよぉ……ムラムラするぅ」
夜烏 「それを言うなら蒸し蒸しするッス」
日輪 「そうとも言う」
鳴木 「なぁ、何時になったら着くんだ狛」
狛   「え?……あと10分位」
鳴木 「それ2時間前に聞いた」
狛  「大丈夫だって……と、話してる内に着いたな」
鳴木 「?」
    狛が道の途中で立ち止まる。目線の先にはケモノ道……
    いやいや、比較的整備されているコッチの道のほうが楽な気が……
鳴木 「え?ここ?コッチの整備されてる道じゃないの?」
狛  「おいおい。なんで数百年も人に知られずに過ごしてきたと思ってるんだ?」
鳴木 「まぁ、そうだけどさ」
柴  「やっぱアホだな。見た目通りだ」
鳴木 「うるせぇ。日輪をけしかけるぞ」
柴  「へへーん。そうも同じ手にヤラれるほど狗神は甘く……」
日輪 「隙を見つけドッ―ン!」
柴  「う、うわぁあああ」
日輪 「ふふふ、そんなにお姉さんとお話がしたいのかぁ。仕方ないなー」
柴  「や、やめろ馬鹿!抱き着くな!鳴木、止めさせろよ!」
鳴木 「……楽しそうだからいいじゃない。頑張れよ少年……さて、あっちは放っておいて、
    狛。コッチのケモノ道の先にはなにかあると思えないんだけど仕掛けか何かでもあるのか?」
柴  「やーめーろーよー」
日輪 「ははは、可愛いやつめ」
鳴木 「ちょっとうるさい。で、どうなの狛?」
狛  「まぁ、見てなって」
    狩衣の懐から札を取り出す。なんていうかスゲェ汚い。所々が赤黒く染みになってたり。
    血文字か?いやいや、血だなんてそんな事あるわけないよな。はははは……
狛  「血を捧げし者。この地に眠りし扉を開け。契約の札を提示する」
    札をケモノ道の空間に貼り付けるよう動作をする。すると、札は空中に止まり札を中心に周辺の景色が歪む。
    しばらく、札に吸い込まれるように周辺の景色が歪むのを見ていると一瞬で景色は変化した。
    いや、変化したというより取り込まれたと言ったほうがいいだろうか。先ほどとはまるで空気が違う。
    いくら山だとしても多少なりとも文明というか空気が淀んでいるものだが、此処は違う。何も感じない。
    透き通っている。息を吸い空気を肺に取り込むと、体の悪気を全て吸いだされるような感覚に陥る。
    簡単に言葉では表せないが……とても心地が良い。