チチドリ『壷のフチって上の部分チチよね?…提灯をもっと上に持ち上げて欲しいチチ!』
チチドリが天井限界まで飛ぶと、天井と壁との間にまた別の隙間があった。
その隙間をヤイカガシに肩車されたチチメンチョウの提灯が照らす。
チチドリ『あったチチ!今落とすチチ!』
見つけた鍵を蹴り落とすと、ヒワイドリがキャッチし、扉を開ける。
だが、鍵を開けたヒワイドリが一瞬で黒い影に突き飛ばされる。
戌『タトエアルジガクルエドモ、アダナスヲホロボスガチュウギノイヌナリ。
ホウモツヲヌスマントスルモノハ、イキテハトオサン!』
チチメン『こやつは…骸付きか!厄介なのが残っておったもんじゃわい』
ヒワイ『チチドリ!そこから降りてくるなよ…こいつは危険そうだ』
戌から距離をとって応戦の体勢へ入るヒワイドリ。だが体格差もあり苦戦は免れそうに無い。
皆が緊張する中、一匹ヤイカガシのみがニヤリと笑う。
ヤイカ『戌、でゲスか。クックック…これほど好都合な相手もいないでゲス!そりゃあ!!』
気合を入れると、ヤイカガシの体から妙な色をしたモヤが立ち上る…とんでもない悪臭のモヤが。
煙を吸い込んだ全員がのた打ち回るが、味方への甚大な被害は目に入ってないらしい。
ヤイカ『さぁヒワイドリさん!今のうちに行くでゲス!』
扉の先へと駆け込むヒワイドリは、一目散で奥へと走っていく。半分は臭いから逃れるため、
半分は宝を手に入れるためだ。その先の小さな台座に、未だ輝く銅鏡が鎮座していた。
ヒワイ『こいつか…』
チチメン『おい!ヒワイ、そっちへ行ったぞ!気をつけろ!』
鼻を潰された戌は、闇雲に走り壁へもぶつかりながら突進してくる。
ひらりと避けたヒワイドリは仲間の下へと戻ると扉の鍵を硬く閉ざした。
ヤイカ『その鏡でゲスね!…?これにも何か文字が彫ってあるでゲス』
『タカラニメガクラミ、ヒノモトヲツラヌキサルトウソブキテウメシトキニカガミヲミル。
ワレラノタイジセシイカナオニヨリ、マガマガシキハウチナルオニナリ。
クヤメドモシセシヒノモトモウモドラヌ、ニゲシトリモモウモドラヌ。
シンンジツウツシシカガミコソマコトノタカラナリ。オロカナアヤマチクリカエシテハナラヌ』
ヒワイ『…行くぞ。早めにあいつらに届けてやろう。こいつで大丈夫なはずだ』
四匹は洞穴を出て、鬼ヶ島へと向かった。
…桃太郎の後日談をあまり見ないので、半分仲間割れ扱いでネタ利用しました。
ヒノモト=その時代の鬼子というイメージです。やはり暗い話ばかり思いついてしまう…。