PINKのおいらロビー自治スレ3

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277ほのぼのえっちさん
そのヒワイドリの叫びを聞いた音麻呂達4人が、般若の方を見た。
しかし・・・・・・・・・その場にはいなかった。
般若が立っていたと思われる部分だけ・・・草が揺れていた。
 【ズザーーーン!!】
鬼子とヒワイドリの前で、何故か粉々に切り刻まれているカマキリの様な輩。
その場には・・・赤く光る目を持つ般若の姿があった。可愛い姿には似合わない程の大きな妖気。
その般若が持つ強大な気が一瞬だけ、異形の形をかたどる。
●挿絵6 http://pinktower.com/dl8.getuploader.com/g/oniko3/56/12-6.jpg
 「鬼子を連れて下がれ、ヒワイドリ」
 「は・・・般若・・・」
 「秀吉が横たわっている所まで、今すぐ下がるんだ」
そう言われたヒワイドリは、気絶している鬼子を抱きかかえ、
横たわっている秀吉の所まで駆け飛んで行った。
秀吉の横に、鬼子をそっと寝かすヒワイドリ。
彼が秀吉の方を見ると、鬼子から舞い落ちたであろう淡く光るもみじが、
秀吉の傷口へと消えていっている。ヒワイドリはそれに感づく。
 「あ・・もしかして、このもみじ・・・こにぽんと同じ癒し効果があるんじゃぁ・・・」
彼は、秀吉には届いていない淡く光るもみじをとっさに拾い上げ、
鬼子の傷口に当てた。

 鬼の形相で狼の様な悪しき輩を睨む般若。その輩は、ユックリと般若の周りをグルグル回っている。
般若が言葉を発する。
 「貴様か・・・犬避けの石を置いたのは・・・」
 【グルルルルー】
●挿絵7 http://pinktower.com/dl8.getuploader.com/g/oniko3/57/12-7.jpg
輩は、口からヨダレを流しながらそう唸るだけだった。
 「・・こいつじゃ無いな。ただの輩だ」
すると、狼の様な輩の後方から何かがユックリと出てきた。
般若の目は、その何かを睨みつける。
輩の後方から出てきたのは、見た目人間の民の様に見えた。
しかし、両腕が異様に長く、指先には尖った爪を持っている。
背丈は3メートルほどか。そして青黒く艶やかな皮膚をしていた。
顔は・・・縦に長く、横長に切れた大きな目を持っている。
その人間の様な輩が、狼の様な輩の横で立ち止まった。
そして、般若をジロジロと観察しているようだ。
 「・・・非力な鬼娘に着く守護者か・・・」
●挿絵8 http://pinktower.com/dl8.getuploader.com/g/oniko3/58/12-8.jpg
人間の様な姿の輩がそう喋った。
般若は目を見開いて驚いている。
 「・・や、やはりそうか。知恵を持ち得た輩が存在しとるとは思っとったが・・・。
  貴様・・・光の世に何しに来た?」
すると、その人型の輩が【ニタッ】っと笑い出した。
そして、長い両腕を左右に広げた。
 「何しに来た?お笑いだな。そんな事は決まっているだろう。
  この世を支配しに来たんだよ。人間の民を食い潰し、我が力にしてな。
  人間の民は美味しいぞ。食えば食うほど新しい知恵が付く。
  そして・・・闇世の大白狐をも食いつぶす」
 「ほほぅ・・・。大白狐様までも・・・か。それは大層な計画じゃな。
  その為に・・・その知恵で、光の世の力石を解読すると言うんじゃな」
輩の目つきが鋭くなる。
 「・・・頭の良い守護者だな・・。それに感ずいているとは。
  なら、お前の力では俺を止める事が出来んと言う事にも感ずいているだろう。
  力の差が大きすぎる。お前のその力では俺に触れる事すら出来んからな」
そう言われても、般若の顔つきは全く変わらない。
 「貴様は・・元々闇世の猿の民だな・・。その猿の民が人間の民を喰らい続け、
  今の姿になってるんだろう。貴様・・・何処を通ってこの光の世へ来た・・」
その輩は・・一度目を閉じ、そして見開いた。
そぉーっと右手を前へ出していく。非力な般若の事を少し警戒している様だ。