PINKのおいらロビー自治スレ3

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254ほのぼのえっちさん
ふわっと風がヘリの内部に流れ込んできたと思ったら彼女の姿は既になかった。
飛び降りたのだろうか?
次の瞬間、ガラスが割れるような音と共に青白い光が視界を覆う。恐らく、結界が割れたのだろう。
「くそっ!墜落する!飛び降りるぞ記者さん!」
男が焦りながら私の服を思いっきり掴み外へ飛び出す。
一瞬の出来事で訳が分からなかったが私はヘリから飛び降りたのだ。
頭を打ったのか酷い頭痛がする。しばらくして、少しぼやける目を開けると先ほど乗っていたヘリが頭上を通り過ぎ、
新宿駅へ墜落するのが見えた。言葉では表せないほどの衝撃音と熱風が私を襲う。
冷たいアスファルトとの温度差が何とも言えない。
「大丈夫か記者さん。あんたがボッーとしてるから目標は退治されちまったぞ。決め台詞を言ったところだけでも撮って置けよ」
「あ、あぁ……」
自ら彼らのヘリに乗りたいと志願したというのになんという失態だろう。
彼女が鬼を退治する瞬間はどうやらカメラに収めることは出来なかったようだ。
落胆しながらも彼女達の監視員である彼の言うとおり最後の場面でも写真に収めておこう。
「萌え散れ……」
彼女がそう呟くと、鬼は一瞬のうちに大量の紅葉の葉へと変わってしまった。
あまりの美しさに私はカメラのシャッターを押したまま時が止まれば良いと思ってしまう程だ。
「あのさ、毎回毎回ね。紅葉を散らすのはやめてくれない?」
「えー。だってカッコいいじゃないですか。こう、ブワッ―っと紅葉が舞う中を私が歩くっていうのが」
「知らねぇよ!経費がスゴイの!今回もヘリは潰すわ、駅は潰すわ、紅葉は散るわで本部に帰りたくないわ!」
「ヘリと駅は知りませんよ勝手に落ちたんですから」
「無茶な要求をするからだろうが!また給料が……」
「それは私には関係が……あれ?記者さんどうしたんですか?」
彼女が私に気づいたようで話しかけてきてくれた。
「あ、いや。今回は取材にご協力いただきどうもありがとうございました」
「いえいえ」
「何照れてるんだ。照れる要素は一つもなかったぞ」
「え?そう?」
「はぁ……記者さんはもう帰るんだな。警察が来たら厄介だぞ」
「そうですね。本日はありがとうございました」
「二回目―」
「次に取材するときは安全な日だと良いな。ま、あり得ないだろうけどな」
私は彼らに礼をすると、直ぐにその場を後にした。
特殊作戦部隊、思ったより危険な人たちでは無さそうだ。今後も彼らの取材を続けていきたい。
                   週刊鬼報!

「――だってさ監視員さん」
「あぁ、あの記者さんね。ヘタレかと思ったら何気に受身とってたからびっくりだよ」
「え?受身取れたの?」
「いや、受身って言うかただ転がってたというか――」
「私語は慎め!どういう状況か分かってるのか?ヘリを墜落させ、挙句の果てには駅まで潰すという
訳の分からない大惨事を引き起こしてどうするつもりだ!」
「……すいませんでした。以後はこのような事が無いように監視員の私がしっかり見張ります」
「見張られます」
「毎回毎回同じことを言ってるじゃないか!この前の事件では、ヒワイドリが大怪我を負うような――」
『また同じこと言ってるぞチチメン』
『仕方ないよ。ま、アレは私じゃなくヒワイドリが悪いんだけどね』
「それに付け加え、鬼子の方はどうだ?毎回毎回……」
『『早く説教終わらないかな』』