PINKのおいらロビー自治スレ3

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252ほのぼのえっちさん
田中『本当に鬼を退治できるんだ!その…角を見せてもらって良い?』
ハンニャー『田中さん、興味深深ね。でもまずは中に入っても大丈夫かしら?』
小日本『ハンニャーはもう中に入ってるじゃん!変なの〜』
田中『ねぇ、小日本ちゃん、なんで若般さんがハンニャーって名前なの?』
小日本『ハンニャーはね、いつもネネさまの般若のお面を気にしてるし、ニャーとも鳴くからハンニャーなの!』
鬼子『…あの、本当に上がらせて貰っても大丈夫でしょうか?それに…もし鬼の角があったなら…それは怖く無いのですか?』
田中『大丈夫よ、汚い所だけど上がってって。小日本ちゃんも一緒にね』

中に入ると部屋の壁には沢山の絵やポスターが貼られている。机の上には描きかけの絵が置いたままだ。
お茶の準備と終えた田中さんは、帽子を取った鬼子の頭をマジマジと見ている。そ〜、っと手を伸ばされると、鬼子はビクッと身構えた。
田中『ごめん、怖かった?ちょっと触ってみたくなっちゃって。それ…本物なんだよね?』
鬼子『はい、本物です。それより、怖くは無いのですか?本当に鬼だとしたら…』
田中『あたしは何か作っている時に、そればっかり集中しちゃって、他は普段も含めて全然無頓着になっちゃうのさ。
全然怖く無いし、むしろ作品のネタにもっと見せて欲しい位だよ。触っても良い?』
ハンニャー『いい加減にしなさい。それより、田中さんの中に潜んでいるモノを見せて上げて欲しいの』
田中『…解ったわ。けど、目に見えるほどなんてそう無理だと思うんだけど…』
机に向かい、田中さんが創作に集中しだすと、鬼子の目には白い靄が形を成していくのが見えた。
ハンニャー『この子が抱えている心の鬼は、鬼と言うより守り神に近いのかしらね…自分の『拘り』を紙の上へ表現する力よ』
鬼子『でも…害は無いんですか?前に大事になったって…』
ハンニャー『まぁ、こいつのせいで、見ただけで何かムラムラする絵になっちゃうみたいなんだけどね。基本は本人の実力でしょ』
鬼子達が話している間にも、一枚書き終えたのかフッと気配が消えていく。本人に対して害を与える事も無いようだ。

田中『で…何か解ったんですか?私はただいつも通り絵を描いていただけですけど。』
ハンニャー『あなたは普通にその状態を切り替えられるけど、この子にそれは難しいのよ。そのコツを教えて上げて頂戴』
鬼子『ど、どうか宜しくお願いします!私はもっと上手く力をコントロール出来ないと駄目なんです!』
深々と頭を下げる鬼子を見て田中さんはため息を吐いた。
田中『そんなに肩肘張ってちゃ気持ちの切り替えなんて出来ないでしょ?…!そうだ若般さん、この子一日借りて良い?』
ハンニャー『良いけど、どうするつもりなの?』
田中『鬼子ちゃん、あんまり街で遊んだこと無いでしょ?明日一日遊びましょ!何抱えてるのか知らないけどさ、一度全部忘れようよ!』
鬼子『遊び…ですか?本当にそんなので大丈夫なんですか?』
田中『ほら!またそうやってまた硬い事を言う。全部気にしないためだから忘れなさい!明日この駅で十時ね』
鬼子が戸惑うまま、駅名が書かれた紙を、田中さんが手渡してその日は分かれた。