PINKのおいらロビー自治スレ3

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244ほのぼのえっちさん
 鬼子達は、鈴木ちゃん(お爺さん)が寝泊りしている部屋にいる。
壁には・・・詠麻呂と奏麻呂のポスターばかり・・。
目の前にいる鈴木ちゃん(お爺さん)とこの部屋を見る限り、弱々しいミーハーなお爺さんにしか見えない。
先ほどの姿は、やはり闇世の力の民の本来の姿なのだろう。
鬼子達は、そのお爺さんの底知れぬ力を感じてからは、身震いばかりしていた。
ヒワイドリは、元の姿に戻り皆と同じ場所にいるが、まだ青い顔をしてうな垂れている。
締め付けられてた後遺症がまだ残っているのだ。
部屋の中には詠麻呂と奏麻呂の曲が流れていて、鈴木ちゃん(お爺さん)はノリノリでみんなに出すお茶を入れていた。
鈴木ちゃん(お爺さん)は上機嫌だ。大ファンの詠麻呂と奏麻呂が目の前にいるからだ。それと・・・。
「鬼の民の鬼子ちゃんだったね!?そんな隅に座らずにこっちに来て囲炉裏にあたりな!」
「あ、は、はい。有難う御座います。でも私はここで・・・」
「・・・気にしとるのかぃ?闇世の事を。光の世にいる時はそんなこたぁ〜気にせんでえぇよ」
鈴木ちゃん(お爺さん)は優しい顔を作りそう言った。
疑問に思った音麻呂が鬼子の方を見た。
「え?気にするって何を?」
「そ・・それはぁ・・・」
鈴木ちゃん(お爺さん)は皆にお茶を出した後、鬼子の手を引っ張って囲炉裏のそばに座らせた。
「ワシらの鷲の民と鬼の民は、昔っからいざこざが絶えんでな。血の気の多い奴等が
 お互いの民に手を出したりして、色々あるんじゃ。鬼子ちゃんはそれを気にかけとるみたいだが、
 そんなこたぁ〜今ココじゃぁ関係ありゃせんよ。そうじゃろ般若面」
音麻呂(男)、歌麻呂(男)、詠麻呂(女)、奏麻呂(女)はキョトンとしている。
話しの内容は解ったのだが、最後の般若面と呼びかけたのは誰に対してなのか・・・。
すると、鬼子の辺りからガサツな声が聞こえてきた。
「そうじゃ、鬼子よ。光の世ではそんな事関係ないわぃ」
4人は少したじろぐ。鬼子からガサツな声が聞こえてくるからだ。
「お・・鬼子ちゃん。い、今の声は・・鬼子ちゃんなの?」
詠麻呂が驚いた顔でそう鬼子に聞いた。
「ち、違います。これです」
と、鬼子は自分の袂から般若面を出してきた。
すると、ヒワイドリが飛び上がり般若面に指を指しながら言った。
「そこの4人さん。こ、こいつには気をつけろよ。とんでもない悪党だからな」
「誰が悪党じゃぃ。馬鹿たれが!」
4人は鬼子から少し離れてその様子をジッと見ている。
鬼子の頭には汗が流れる。
「ホホホ。お前さんもだ〜いぶ気が長くなったな」
鈴木ちゃん(お爺さん)が般若面にそう言った。
「以前のお前さんなら悪口を言った奴は直ぐ食べてたんだがな」
ヒワイドリの額から汗が流れる。
「え・・・食べる・・?」
「冗談はそれくらいでえぇ。鷲の民の元長老よ」
般若面はそう言って、白い縦長の膨れ上がったお餅のような姿に変わった。
また、4人はその般若の姿に驚きと・・感動と。
「おぃおぃ。闇世の民って何か・・・楽しそうだな」
鈴木ちゃん(お爺さん)は、般若のその姿に驚き優しい顔の眉間に深いシワが出来る。
「お・・お前さん・・・。その姿になれるっ中事は、狐火様に解いてもらったのか。
 そ・・そうか。今回の悪しき輩は・・そんなにヤバイ輩なのか・・・」
「いや、まだそうと決まっておらん。やられた仲間は、力が弱いからな。
 ここに座ってる鬼子もそうじゃ。まだまだ鬼としては未熟なほうじゃよ」
そう言いながら、般若はヒワイドリに出されたお茶を自分の前に持ってきて飲んだ。
ヒワイドリは・・・何も言えない。