「もちろん、私にとっては先輩の秋でもあります」
「おいよせやめろ」
不吉な予感しかしない。
こっちは早く気の置けない友人や素敵な彼氏を見つけて俺離れして欲しいと思っているのに。夏休みのあれや
これやでいっしょにいすぎたか。……卒業までこのままだったらどうしよう。
「先輩の秋とは」
「いや説明は求めていないっ!」
久し振りにツッコミで大声を出した気がする。
あの心底しょうもない妄想の俺バージョンだと……? 絶対に聞きたくない。次元が歪みそうだ。
「……そうですよね、先輩は春夏秋冬いつでもカッコイイですものね。秋だけなんてケチくさい」
「俺の言葉の意図を都合よく捻じ曲げさせたら、お前の右に出る者はいないな」