Lに萌えるスレ【コラ・SS・感想・うp・マターリ雑談】
ここは漫画キャラ板/アニメキャラ板「デスノートのLに萌えるスレ」の難民スレです。
Lに萌えるスレで書けないようなチラ裏話題はこちらでどうぞ。
◎映画L(松L)は該当スレがありますのでそちらへ
―――
【基本ルール】
・sage進行。苦手な話題や荒し、見物人は徹底的にスルーしてください。
・チラ裏、自分語り、私(♀)×L・L×私(♀)の夢ネタ話が基本です。
・次スレは 流れの速い時は
>>950、マターリの時は
>>970が立てること
・エロ、変態が高いスレにつき、苦手な方はお帰りください。
・マターリエローリマターリ進行
・AL関係はぴんく難民のスレへお願いします。
・雑談はマターリと。
【厳禁事項】
・グロネタ・801ネタ・なりきり
・個人サイト晒し
・他スレ及び他サイトでのこのスレや作品の話題・紹介。
・原作アニメ比較
【投下師さんへお願い】
・投下前に 死ネタ有・原作無視等の警告を入れ、連投時にはタイトルとアンカを付けて下さい。
・コラ師さん、素材に死亡シーンを用いたときは 警告お願いします。
・作品内にLが出てくることが絶対条件です。純愛や寸劇もOKですが、極力エロ中心を念頭に置いて下さい。
・感想レスをくれた人へのレス返しは控えましょう。投下/連絡時以外はコテを外しましょう。
【ワッフル要員へお願い】・投下された作品は職人さんの物です。ご本人の許可無く改変・転載はやめましょう。
・批判厳禁。過剰な投下師マンセーも荒れの原因。
・『パクリ』『キャラが違う』等、一方的な決めつけもやめましょう。
○前スレ
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/pinknanmin/1175144476/
※ぴんく難民板とは?
本来の目的はサーバ落ち板のための一時避難所。
ある時期から、他の板でひどい荒しにあって行き場を失ったスレ、
また板違い等の理由でスレ住人たちの自主的判断により移動して
きたスレなどが、安住の地を求めて漂着する板ともなりました。
ぴんく難民板は流浪の民が集う板です。多くのスレッドが前の板で
荒らされたり、板違いだと言われたりした経験を持っています。
ぴんく難民板で「出て行け」は禁句。荒らし・煽りについては完全無視。
一緒にマターリしましょう。
※重要※
・荒らしは徹底的にスルー。反応するとエスカレートし、住人が嫌な思いをします。
・苦手な話題もスルーしましょう。
・オナニー実況は辞めてください。空気を読みましょう。
○まとめサイト L-Toy Box
http://3rd.geocities.jp/tumikakuzatou/index.html ○投稿用うぷろだ
http://www4.uploader.jp/home/lawliet/ i:: ::::::::::::::::::、:::、:、:::、:::、:::::::::::,:::::::ヽ:::゙::::::ヽヽ::\::::::ヽ:::::',ヽ:::
i::: ::::i::::::: ::::l\、ヽ::::ヽ::::::::::::',ヽ',ヽ、:::::、:::::::ヽ:::ヽ:ミ、:::ヽ、:::::
i::::l:ヽ::::!::::::!:::l ッtー゙、:::::::::ヽ::'、::', ゙ヽ.ォ-=-、:::::::::::::ヽ:::ヽ:::',:::::
. i:::!l:::::ヽ::::::::::::l.il k::::::ハ\:::::::、:、ヾ:、〃k:::::::ソヾ、:::::::::::ヽ:::ヽ::::::
. ,ィ''i:l' !i::::::',:::::::i::::iヾ-.ニ_-' :ヽ:::',ヾ、ヽ.゙ 、..二...;シ ゙i:::::::::ヽ、:::::::::::: スレが上にイクと私は恥ずかしいです
イ l リ 'i::l::::',::::::':,':! ゛"" i ヾ:、 ヽ` `"""" .li'i::::::::::::ヽ:::::::: 基本はsageて下さい…
..ヽ/ ', i:il:::::',::::::kヾ、 ! ヽ l!.l::::::::::::::::ヽ、
ヽ ; ii i::::、:::::', ` 、 ! !:::;:::lヽ::',i!`
ヽ ', ':, ',::i 'i::::':, ヾ、 -‐ /.l::ハ::l ヽ::i !、
', ', ヽヾi ',:::::i、 ヽ、 ..__ , ' .i:l. リ /入',
il ', ,ン''ヽ-'i:::l._ヽ `.{i ゙マ''""" / i! ,/./ i`
,-┴'゙ ' ー ゙ 'i:l、 ゙\. リ i ,..:'' ! , ' " .i
/ ゙! ゙ヽ、 ヽ/ i ,..::'::'' /, ' /.!
..r'゙_ il. , ノ゛ i'.、イ:::''' // ノ
5 :
テンプレここまで:2007/03/30(金) 10:48:32 ID:zJifCeZwO
オオオオゥ!!イエス!!カミング!カミング!!
オ――――――――ウ!!
,
,r/ ,;-ー_
/:::レ:::::三:::::`ミ::=-、
,i::::::::::::::::、:::::::、::::ヾ::ヽミー-、
,r'::::::::::::::::::ヽ::::::::\.:::::::::::::\
//:::::/:::;:::i:::::ヽ:::::::::::::\::::::::::::::ヽ
. /::/:::::::/_ヽ:!:::::ヽ:::i`_、:::::ヽ ::ヽ:::::::!
i::/::::::::/'oヾ、:::|ヽ::Y o\:::::i!::::ヽ::::\
l:::i:::::::::lゝ- ' ヾ、゙ ! ー '、ヽ:::::!:::::ヽ::i ヽ
!::!:::i:::::! ` ` ヽ i:::::!::::::::::::i
l:!:::l:::l ! ,r_ー‐-、 l::::!::::::::::;::i
!|:.!::', i'/ ̄ ̄ i l:::::::::::::ハ:!
. l::::::ヽ. i i ィ::/i:::::ハi !
i::li:::\ `ー--‐' / リ |:::リfハ、_
_..!:ハ::::l;ヽ、 / " l::/i ヽ. ``''ー- 、._
,r‐'''"´ ! リ!i ヽ `='" , リ / ン /ヽ、
/ヽ ヽ ヽ ヽ / / / ヽ
l \ \ ' // / i
乙
>>1乙
>>2ここはおいロビなので、難民のルールはいらないと思うよw
さて、職場からマターリLに萌えるお( ^ω^)
小説を投下します。
血や死ネタが含まれる可能性があるので注意して下さい。
日本のとある街――。
私は竜崎と一緒に探偵事務所を作り、難事件を捜査していた…。
『昨夜またも連続殺人が起きました。被害者は***町に済む……。』
また連続殺人。
一ヶ月前から続いている謎の連続殺人だ…。
被害者の近くには必ず謎の暗号文が残されている。
それは誰にも解読出来なかった……。
>>10 『2007.AP B3
C3B3A4A1D4゙A5K4E1K2
B5I5C3。』
これが昨夜、起きた事件に残された暗号文…。
英語と数が書かれていて分からない。
「2007……は分かるけど……。」
私はいろいろ考えたが最初の『2007』しか分からなかった。
すると
「ちょっと見せて下さい。」
竜崎が暗号文を取り、見た。
「なるほど…。」と呟きながら頷くと竜崎は振り向いた。
「これは表を作って見ればすぐ解けますよ。」
「表?」
竜崎はそう言うとテーブルに表を書いた。
>>11 「まず、『2007.AP B3』。これは月日です。APはAPRIL、つまり四月…。B3は日にちです。」
「日にち?何で……あっ!」
私はとっさにカレンダーを見た。
「4月3日…火曜日。」
「正解です。ではこのBは?」
「それは……。」
すると竜崎はカレンダーの曜日にマークを付けた。
13 :
正義〜第一章〜:2007/03/30(金) 12:18:34 ID:eeYF5mTiO
>>12 「日曜日と土曜日って何色で書かれてますか?」
「へ?…日曜日は赤で……、土曜日は青ね。」
私はそう言うと竜崎は
「これはカレンダーの曜日の色です。BはBLACK。つまり……」
私はパッと分かった。
「平日!」
「はい、正解。」
竜崎はそう言うと文にシャカシャカとペンで消した。
「『スクエアで…女を殺す。』」
「え?」
解けた!?―――
誰にも解読出来なかったのに?―――
私は驚いた。
>>13 すると竜崎はニッと笑い、言った。
「これで犯人を捕まえる事が出来る…。いや、犯人より先に現場へ行ける。そして……」
「……そして?」
私が聞くと竜崎は紅茶を一杯飲み言った。
「最後は正義が必ず勝ちます…。皆に見せましょうよ」
その言葉は自信がある発言だった。
「さて、スクエアに行きますか。」
「えぇ。」
私はそう言うと竜崎の車に乗り、スクエアへ向かった……。
第一章 カード end
推理系を書いてみました。難しい……(ーωー;)
でも最後まで頑張って書くので応援お願いします。
第二章は夕方辺りに投下します。
>>15乙
推理系好きです!最後まで楽しみにしてます
Lに解けない暗号とかあるのかね?私の中では
どんな暗号もあっさり解いてしまうイメージだ。
17 :
sage:2007/03/30(金) 12:41:34 ID:NNwDP0jCO
わっふるわっふる!
思いきりわっふるできるシアワセw
私と竜崎はスクエアに着いた。
スクエア―――
そこはXX街で一番大きなビルだ。
第三世代をテーマにしたとても綺麗な建物で若い女性に人気だ。
「このビルにいる女性を殺す………。何人か名前も分からない…。」
「……。誰も入れない所に来た人を殺すのでは?」
竜崎がポツリと言った。
19 :
正義〜失敗〜:2007/03/30(金) 14:24:48 ID:eeYF5mTiO
>>18 「誰も入れない所って……そんな所、どうやって犯人は入るのですか?」
私は竜崎にそう言うと竜崎は
「関係者を装ってるかセキュリティを簡単に破る事が出来る……。」
そう言うと竜崎は関係者以外立ち入り禁止の扉へ近付いた。
「……!?開いてる」
「え……っ!?まさか……。」
私は扉の中を覗いた。
20 :
正義〜失敗〜:2007/03/30(金) 14:29:51 ID:eeYF5mTiO
>>19 その時だった。
ガタンッ!
「キャア!!」
「しっ!静かに…。」
竜崎がいきなり私を押し倒した。
「何するんですかいきな……んん!!」
キスをされ、舌が絡んできた。
激しく絡み合い、息がしにくい……。
「んん……っ!竜ざ……犯人が……んふ」
「大丈夫です。来たらすぐ取り押さえますから。」
竜崎はそう言うとキスを止めた。
21 :
正義〜失敗〜:2007/03/30(金) 14:36:02 ID:eeYF5mTiO
>>20 私は竜崎の頬を叩いた。
パンッ!
「…っ!?○○さん?」
「捜査に集中して下さい!犯人を捕まえるチャンスですよ!?世界の切札が何、いきなりキスするですか!!へ…変態!!」
私は叱るように言うと竜崎は反省したのか
「すみません……、つい……。」
と言った。そしてポツリと
「痛いですよ……。それに変態って………。酷いですよ。」
22 :
正義〜失敗〜:2007/03/30(金) 14:40:15 ID:eeYF5mTiO
>>21 竜崎は泣きそうな声で呟いた。
しまった、言い過ぎたか――
私は竜崎に駆け寄り、
「ごめんなさい、いきなりキスされてつい……。」
と言った。
「良いんです。私がいきなりしたのがいけないんですから。」
と竜崎が言ったその時だった。
「キャアアアアアア!!」
「……っ!?」
どこからか叫び声が聞こえた。
私と竜崎は声がした方向へ走った。
23 :
正義〜失敗〜:2007/03/30(金) 14:44:58 ID:eeYF5mTiO
>>22 「どうしたんです……、………っ!?」
そこには女性が血を流して倒れていた。
「じ……女性………。」
私は暗号文が本当になった恐怖に膝を付いた。
「暗号文……っ!?」
竜崎が女性の右手にあった暗号文が書かれたカードを拾った。
竜崎はそれを見ると顔色を変え、カードを落とした。
24 :
正義〜失敗〜:2007/03/30(金) 14:50:36 ID:eeYF5mTiO
>>23 「竜崎……?」
私が竜崎に聞くと竜崎は震えながら言った……。
「『2007年、4月15日…。ある探偵事務所の人物を殺す……。』」
私は血の気が消え、足元がふらつきそうになった。
「それって………まさか………。」
「……私だ………。」
竜崎は震えて立つことも出来なかった……。
この時私は気付かなかった。
ある失敗を見つけることを――――
第二章 失敗 end
緊迫する中いきなりキスする竜崎ワロスwww
事務所に帰ると竜崎は暗号文の恐怖で寝室に入ったまま出て来なかった。
死が近付いてる―――
怖い―――――
私は竜崎の気持ちが分かった。
竜崎が寝室にいる間、私は暗号文の解読に挑戦した。
>>27 『2007.AP R15
A1I3D1J3D4A2C2゙G3C2H3E5D2゙J3F3゙D3J2B5I5C3。』
私はテーブルに書かれた表とカレンダーを見ながら解いた。
「APは4月で…、15日は……休み…日曜日……赤……RED!」
まず、月日は分かった。
次は文だ。
>>24 乙です!密室に入るとついキスしちゃう竜崎いい。
>>28 私はテーブルの表を見た。「A1が…『あ』、I3がえっと…『る』。D1が『た』、J3が『ん』…。D4が『て』。A2が『い』。…で、C2゙が『じ』。G3が『む』………。あっ!!」
私は分かった。
これは五十音!!―――
A1〜5があ行、B1〜5がか行、C1〜5がさ行、D1〜5がた行、E1〜5がな行、F1〜5がは行、G1〜5がま行、H1〜3がや行、I1〜5がら行、J1〜3がわ行!
月はスペルの略!
>>30 私は竜崎に暗号が解く事が出来たと言いに寝室へ行った。
「竜崎、解けました!」
しかしそこには竜崎はいなかった……。
いつのまに?ドアが開いた音はしてなかったはず…。
その時だった。
32 :
正義〜罠〜:2007/03/30(金) 16:43:31 ID:eeYF5mTiO
>>31 ピピピピ……
携帯が鳴った。
『非通知設定』―――
私は怖くなりながらも出た。
「はい……。もしもし?」
『俺だ。連続殺人事件の犯人だ。』
電話の相手は犯人だった。
「は……犯人………っ!?」
私は電話を切りそうに鳴ったが震えながらも電話を聞いた。
『悪りぃな、竜崎は頂いた……。殺して欲しくなければA区2丁目にある廃ビルの倉庫に今すぐ来い。』
33 :
正義〜罠〜:2007/03/30(金) 16:44:39 ID:eeYF5mTiO
>>32 「り……竜崎!?」
私はそう叫んだ。
『今すぐ来いよ。待ってるぜ、じゃあな。』
犯人はそう言うと電話を切った……。
私は電話を切った瞬間、恐怖に耐えきれず膝を付いた。
「そ……そんな……。り……竜崎が………。」
その時だった。
私はハッと気付いた―――
>>33 「そう言えば………何で表を見ないで分かった…?」
「いつもなら捜査に集中してるなのに何故、キスを……? 」
分かった……。
あの竜崎は…………
偽者で…………
犯人だ………っ!!
私は騙されていたのだ。
悔しい―――
何故、気付かなかった――
おかしいとは思ってた―――
しばらく帰って来ないと言ったのに三日後、帰って来た―――
性格やオーラが違ってた―――
何で――――
気付かなかった?―――
35 :
正義〜罠〜:2007/03/30(金) 16:46:49 ID:eeYF5mTiO
>>34 そんな事は後で良い。
犯人を……偽者の竜崎を確保せねば―――
私は拳銃と手錠を準備して廃ビルの倉庫へ向かった。
第三章 罠 end
三章まで頑張りました。
四章でアナザーノートのネタバレが含まれますのでまだ読んで無い方は気を付けて読んで下さい。
四章は夜辺りに投下します
向こうのスレで話題になってたから書いとく
コラはどちらに貼ってもOK。
ただし、AL(秋葉L)コラはぴんく板へ貼る事
ここでなら小説を褒めても自演といわれないんですね^^
あ〜よかった・・・ほんとうに。
光の作者さんとか本当に気の毒だったので、またここに投下
してくれないかな・・・と切望しております。
>>36乙
いきなりキスする竜崎ハァーンと思ってたら違う人かいw
続き待ってますね
さっき休憩中にケーキ食べてて、竜崎の使った後のフォーク欲しいなぁ
と思った自分は変態だw
>>39 そういう1,2行目のレスももうしつこいと思うよ
せっかく仕切りなおしたのに
すみません、ついうれしくて。
スルーしてやってください
よく見るとここって60行まで書き込めるんだ〜
SSにはもってこいなんじゃない?
投下専用スレできたのか。
良かった。今度からはこっちだけみさせてもらうよ。
>>39乙。がんがれ。
お待たせしました。第四章投下します。
46 :
正義〜裏切り〜:2007/03/30(金) 20:28:56 ID:eeYF5mTiO
バンッ!
私は廃ビルの倉庫の扉を開けた。
「竜崎!!」
私が叫んだ瞬間だった。
「隙あり、無防備ですか……。」
ガッ!!
犯人に首を捕まれた。
「ぐ………。偽者……。」
「気付いたんですか……。私が偽者竜崎だった事。しかし、知ったからには生きて帰さしません……よっ!」
ググッ!
「んあああ……!!」
犯人は首を強く掴んだ。
苦しい………
息がしにくい………
声が出ない………
すると犯人は微笑を浮かべた。
47 :
正義〜裏切り〜:2007/03/30(金) 20:35:24 ID:eeYF5mTiO
>>46 「名前知りたい?」
「あ……知……知りたい……。」
私は震えながらも言った。
すると犯人は首を掴むのを止めた……。
そしていきなり抱き締めた。
抱き締めた瞬間、微かに銃を構える音がした。
マズイ………!!
殺される………っ!!
と思ったその時だった。
48 :
正義〜裏切り〜:2007/03/30(金) 20:42:04 ID:eeYF5mTiO
>>47 「そこまでだ、ビヨンド。」
「………っ!?」
振り向くとそこには竜崎がいた……。
本物の竜崎だ――――
助けに来てくれた――――
私は力が抜けて倒れた。
竜崎が私の近くに来た…。
「………。私がいない間、突然、帰って来たフリをし、彼女を騙していたんですね…。」
竜崎は怒り口調で睨んでいた。
「待てL!俺はお前がいない間、こいつの手助け……」
すると竜崎はビヨンドと言う犯人を殴った。
「……裏切り者。」
>>48 その声は普段の竜崎じゃなかった………。
「あの時、お互い探偵になろうと言ったじゃないですか……。信じてたのに裏切るとは……。私に殺されたいんですか?」
ビヨンドは脅えた。
「ま……待て!誤解だ!」
「嘘を言っても無駄です。裏切られるのは嫌い何ですよ。」
竜崎は怒っているようだった……。
すると竜崎はビヨンドの胸ぐらを掴み、銃を構えた。
さぁ、何故やったか言え!」
「ば……っ!ふざけた事すんな!!」
「お前がふざけている!さぁ、言え!言わなければ撃つ。」
するとビヨンドは観念したのか膝を付いた……。
第四章 裏切り end
最終章は明日、投下します。
話変わるけど縫いぐるみ見てきました(´∀`*)
アニメイトで予約してましたよ
今北!
携帯からスレ分かれたのはみてた。
>>50 先陣を切って乙です!!
BBで来ましたかそうですか。続き楽しみにしてますね。
このままよい流れができるといいです。
今更になってしまいましたが、サイト様のためにも完結したく、
エロの続き投下させてください。(Lにはまりすぎてて現実がヤバwでした
すみません。)
ん、だれかきた
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる!
⊂彡
56 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:29:15 ID:KjfuXY/U0
体重を乗せ、身体を密着するように覆いかぶさってくる流河。
手と唇と舌で上半身を好き放題にし尽くされた後、
自分の欲望のままに動いていた彼が、一旦少し冷静になった。
手が太ももの外側、唇が内側を這い出し下着に手をかけられる。
脚を曲げ、従順に脱がされることに協力してしまう。触れて欲しくてたまらない。
私のそれを、指で開き、両脈もまた開き、下から上へ焦らしながらなぞられる。
反応を凝視し弄ばれながら、むきだされた突起物まで到達され、
しばらく軽く刺激し続けられた。
「舐めて欲しいですか?…言えないんですか?」
恥ずかしくてだまっていると、指を中断させられ上半身を抱き起こされた。
流河がジーンズをおろし、自分のものを出しだす。
外で見せられるそれが、犯罪の様に直立している。
両手で頭をそれに押し付けられる。張りのいい先端がやわらかい味がし、
咥えるが長く、根元まで到達せず苦しい。
57 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:30:41 ID:KjfuXY/U0
>>56 「先の方だけでいいです…筋の辺り、舐めて下さい。」
言われた通りにする。手を添えさせられる。彼のものが口の中で何度も大きく動き、
流河がまた軽く喘ぎだした。
髪に唇をしばらく寄せられ、終了し、また倒された。
両脚を開かされ彼の舌が徐々に近づく。突然尖った舌がクリトリスに到達し
自分でも思いがけない力で脚が暴れるが、強力な彼の両肘で押さえられる。
しばらくの間、食される様に舐め続けられる。たまに軽く、悪戯の様に
クリトリスを噛まれ横向きになって逃げたが、両脚の間に強引に顔を割り入れられ
攻撃が耐えない。自分でも何をされているのか理解らなくなっている内に
中指が入って来、指を曲げ内襞を強く刺激される。
「この辺ですか?…ああ、もっと奥ですね…」
自分の液体が汗と混じり、粘着質からさらさらとしたものへと変わり地面へ
流れ続けるのが理解る。
58 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:31:43 ID:KjfuXY/U0
>>57 「…凄いことになってますよ?見てるだけでイきそうです…もういいですよね?」
脚を大きく開かされ強く固い物を押し付けて来、合っている角度で入ってくるが
やはり痛みで顔が歪む。
「ゆっくり動かしますから。」
紳士的だが容赦なく奥まで突っ込まれ、あまりに奥まで入り、内臓まで届く様な
痛みと気持ち悪さ。でもゆっくりとした出し入れの後、苦痛が自分の限界を超えた
快楽に変わってゆく。それを見届けられ、うつぶせにされる。
脚を閉じ投げ出したまま、後ろから抱きしめられる形の後背位、
流河の服ごしにも汗ばんだ身体が背中に密着しながら激しく突かれ続け
耐えるように草を掴み、彼の手が上から追って来る。
「もう 無理……」
「まだ嫌です。」 耳の後ろで囁き突き続ける。
彼の両腕が後から私の頭を強く抱き髪を掴む。今まで比較的滑らかだった彼の手が
理性を失い出し強く掴まれ痛い。彼の髪は上から私の額に触れそのすべてに興奮し、
どの位挿れられているのか理解らなくなった頃また正常位に戻され、
更に速く突かれ続けた後「イきます」と言い、土の上に出した。
59 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:33:08 ID:KjfuXY/U0
>>58 余韻で茫然と目を開けるが色覚が異常になっていて、ここがどこだったか迷う。
ただ葉の黄緑が彩やかで、土に吸収されきれない流河のどろどろとした白い液体を
眺める。
呼吸は乱れているものの、私より随分冷静に戻りつつあるらしい流河が、はだけた服を
なおしてくれる。
「あ、私夢中で…服、汚れてしまいましたね。すみません。」
流河は言い、自分の白い服を脱ぎ芝生に敷き、私はその上に軽く倒された。
自分も寝転がり、頭を抱きしめてくる。
軽く髪をなぞられ、眠りに落ちかけた。何だか疲れた。
青白いが男っぽい上半身に安心して顔を埋め、敷いてくれた服の上で眠った。
幸せな昼寝だった。
60 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:34:11 ID:KjfuXY/U0
>>60 目が覚めたら16時半だった。流河が居ない。服も無い。
茫然としている頭を無理矢理冷静に戻す。
・ ・最近、滅多に学校で見かけない、講義に出るなんてめずらしかった彼の、
携帯番号も聞いていないし次に会う約束もしていない。これは・・
ヤり棄て。ではないか。
戻ってくるのを期待し、待つ。
が、思い返せばやはり上手くヤられただけだった気がする。
私の気持ちを利用しヤってしまうだけの男だったのか。いや明日会えるの
かもしれない?・・絶望と少しの期待で混乱し、泣き、4時間待った。
寒くなってきて、あきらめて帰った。
泣き疲れて少しムカついてきた。
61 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:35:30 ID:KjfuXY/U0
>>60 結局次の日は現れず、数日後校内を歩いていたらしゃがんでいる流河に
出くわした。無視しようかとも考えるが、やはり一言言ってしまった。
「ヤリチン。」
「酷いですよ?合意の上のSEXだったと思いますが。」
「私の気持ちを利用して、ヤっちゃうだけっていう事が酷い。
私のこと好きだって嘘ついた事が、酷い。」
「好きじゃないなんて言ってないですよ?
私、今少し忙しいのでSEXまでのそういう過程は飛ばしました。」
「・・・・・・」
「私、学生のかたわら事業…のようなものもやっていまして。多忙でして、
今、外では会えません。電話に出られませんので連絡先も教えられません。
どうします?」
「・・それは、私の事を全然好きじゃないと思う。」
「好きです。ただ率直に言いますが、まだ…40%くらいです。どうしますか?」
イケメンというわけではないのに、首席というのはこんなにずうずうしいものなのか?
衒いも無く言う。ただ、中途半端に低いパーセンテージに妙な納得だけはしてしまった。
「どうするって、わからないし、そんな怪しくてずうずうしい男嫌だ。」
「そうですか。残念です。では、先日はごちそうさまでした。」
62 :
キャンパス:2007/03/30(金) 22:36:35 ID:KjfuXY/U0
>>61 ひょこひょこと、全く振り向かずに行ってしまう流河。その迷いのない後姿を見て、
……これで本当に終わってしまうのだと悟り、自分でも予想以上のショックが
襲って来……追いかけてしまった。
早足で校舎に入っていく彼を小走りで追いかけ、1階の上り階段の裏まで着いたら、
理解って待っていた流河に右腕を掴まれ、いきなり抱きしめられた。
「うれしいです。」
言いながらも、首筋に唇を這わせて来、私の服の中に数cm入った辺りで
試すように静止する。
…SEXだけは、させろと。
意図を理解し、敗北した様にもたれかかった。それを待ち、こめかみに長くキスされる。
耳の輪郭を舌でなぞった後、しゃがみ、スカートの中に顔を入れてきた。
下着を下ろされ、簡単に舐められる。短時間で濡れてしまった私を、壁に手をつかせ、
立ったそのまま後ろから一気に突かれた。
口内に出され、そうしたくて飲み込んだ。
私はとりあえず、たまにしか学校に来ない流河の、その時だけのセックスフレンドに
成り堕ちた。
>>62 ここまでです。次くらいで終わります。60のアンカまちがえました。。
すみません。
>>63 乙乙!!!
竜河鬼畜だよリ竜河(*´д`*)ハァハァ
土の上に出したって妙にエロイwww
わっふるん!わっふるん!
キャンパスの中の人乙です!
ヤリ捨てLなんて萌えすぎる
>63
乙
ヒロインが淡々と語っているが、かなりくるものがあるww
>>63 乙です!
このL大好きです。エロもうまいなぁ
続き楽しみにしてます
>>63 乙!
こういう酷い男な竜崎が好きだから、激しくGJ
>>63 乙!イイヨイイヨー!
久しぶりの投下で嬉しかったです。
酷い竜崎最高w
>>63 超乙!
Lにごちそうさまとか言われてぇぇえ(*´Д`)ハァハァ
ss投下師ありがとう。すーごいわっふるだけど、
あっちのスレでSSもコラも全部見れて幸せだったのに。
暴れてるのは一人だけだったのに。
みんなの幸せ返して欲しい・・・
ここならID表示されるから、
個人的には向こうにこだわるよりは、分けて正解だとおもう。
こんばんは。スレ別れたんですね。乙です!
SS職人さんも乙です!まとめサイトの管理さんも乙です!
糜爛の夜の続き投下します。
前回は欲に溺れた竜崎が女を抱いたとこで終了。
74 :
糜爛の夜:2007/03/31(土) 01:59:37 ID:33rSYUGc0
淡い光が眠りを妨げた。
薄っすらと瞼を開けると、側にあったスタンドの灯りが目に飛び込み、私は眉を顰めた。
柔らかいベッドの感触が、けだるい体を心地よく包んでくれる。
枕を腕に挟んでうつ伏せになると、携帯を取って時間を確認した。もう朝の4時だった。
外はまだ暗闇に覆われているだろう、今は光を見るのが怖い。
儚い煌きが呆気無く消えて、人間が機械的に動き出す。
それはまるで、チェスの上で躍らされる一つの駒に過ぎない。
その中に自分もいるのだと考えると、
安心感では無く孤独感と不安に覆われ、寂しくて死にそうになる。
だから、朝は嫌いだった。
全て覆い尽くす夜の暗闇に紛れ込んでいると妙に落ち着くし、止まらないネオンは安心感を与えてくれる。
覚めない夜が来る日は無いのに、愚かだがいつも願っている。朝が来ない事を。
私は携帯の電源を落とすと、広いベッドに彼女がいないのを確認した。
遠くで水音が聞こえる。彼女はバスルームにいるようだ。
あれから、ベッドに移り彼女と三度も交わった。
迸る欲は消沈するどころか、勢いを増して、
覚えた行為を開拓するように私は無我夢中になって彼女を抱いた。
先程まで女の体を知らなかった私はもうそこにはいなくて、
パズルを解くようにスラスラと何処をどう触れば女が喜ぶのかが分かったし、
行為の主導権は私が握っていた。
多分、これからもそうなるだろう。
その方が私らしいし、何よりそうしたかったからだ。
まだ水音が聞こえるのを確認して、床にある彼女のバッグを取った。
まさか、この中に証拠となる物を持ち隠すとは思えないが、確認の為だ。
可愛いらしい和製のバッグには携帯と財布、化粧ポーチしか入っておらず、私は深い溜め息を吐いた。
これでは、潜入捜査も糞も無い。ただ女と寝ただけだ。
まあ……初日はこんなものだろう。
私は錯乱している衣服を取って、カッターのシャツに腕を通した。
75 :
糜爛の夜:2007/03/31(土) 02:02:15 ID:33rSYUGc0
>>74 「…私、そろそろ帰りますね」
バスルームの扉越しに彼女に問い掛けると、「待って」と小さい声が聞こえた。
ここで彼女がどう出るかだ。私からは一切連絡先も次の約束も取り合っていない。
やや冷めた態度の方が女の心を掴むには良いと知っている。
彼女も例外では無いと分かっていた。あの哀愁漂う瞳がそう訴えている。
「もう帰るの?…コーヒーでも飲んでいかない?」
湯気と水滴を帯びた白い肌は仄かに赤く染まっており、彼女は私にいたずらっぽく聞いて来た。
濡れた髪が何とも妖艶で、またしたくなる衝動に駆り立てられるが、押し殺した。
「いえ…。もう帰らなくてはいけないので。これでも私、未成年なんです」
「何を今更。さっき至って平気だなんて言ってた癖に。……それとも他に女がいるの?」
ああ。この反応は私の思惑通りだ。
少しはにかんだ口元は嫉妬の色を宿しているのを主張している。
その瞳も、寂しいと嘆いているのを私は知っていた。
「…いえ。…それは…嫉妬ですか?」
「嫉妬しちゃ駄目?……また逢えるかな?」
この女は平素素直であった。
隠す事も、偽る事も知らないような無垢な顔をして、私の心を溶き解して行く。
その割には、何か重代な秘密を抱えているような、実際は抱えているのだが。
掴みどろこが無い謎めいた部分も持っている。
翻弄されてはこちらの負けだと言い聞かせて、私は低い声で否定してみる。
「…もう逢えないって言ったらどうしますか?」
「………そう。残念ね…。悲しいけど、諦めるしか無いわ」
彼女は瞼を伏せて呟いた。それはとても悲しげに。
寂しさを埋める為に、私を利用しようとしているのは知っている。
私も同じように捜査の為に利用している。
分かってはいるものの、やはりそんな顔をされると心が疼いた。
情が移ってはいけないないと言い聞かせて、この場だけは彼女を愛でる男を演じようと、私は決めた。
「嘘ですよ。…嬉しいです。また逢ってくれるなんて」
小さく囁いて、彼女の頭を優しく撫でた。
柔らかく微笑む彼女は心底美しくて、やはり心が溶かされて行く気がしたが。
決して、絆されてはなら無い。
私の中で始まるのだから、ゲームが。やるならとことん欺いてやる。
どうせこの女も嘘で塗り固められているのだから。
76 :
糜爛の夜:2007/03/31(土) 02:04:46 ID:33rSYUGc0
>>75 「…L、どうでした?」
「いや、これからだ。もっと親密になる必要がある。
きっと彼女はボロを出すだろう。情に流されやすい面もある。そこを上手く利用する」
捜査本部に戻ると、ワタリがコーヒ淹れてくれた。
角砂糖を適当に放り投げ一口啜ると、その甘さに肉体と精神の疲弊を思い出す。
相当激しく体を動かした所為もあるが、精神的にもやたら疲れたようだ。
眠ってしまいたい衝動を押し殺して、
私はデスクに山積になっている資料の中から、奴等の捜査状況を記したそれを取り出した。
………。
一つ疑問に感じたのは、この女が組織の頂点に立つ男の側女としては、役不足だということ。
もっと聡明な女か、自分に従順な女を側に置くだろう。
彼女はどちらにも適していない。
勝手で寂しがり屋…少し精神不安定になっているようにも感じた。
それは演技かも知れないが、事実とすれば、……私の予感は当たっている。
「ワタリ…こいつ等の基地を調べてくれ。彼女がどれくらい出入りしているかも調べてくれ」
「はい…」
「おい、L…。情に絆されるなよ…」
「…絆されていません」
一人の男が警告するように言って来た。
私は一瞬かっとなったが、悟られないように冷めた声で言い返す。
いちいち止めて欲しい、これは私の潜入捜査なのだから。どう動こうが私の勝手だ。
「それより…来週の金曜、また彼女と逢います。Bホテルの一室で。
今回と同じく危険を伴うので盗聴器は外します。…良いですね?」
盗聴器は使わないと初めに言ったのは、私では無く他のメンバーであった。
勿論、彼女に気付かれてはお仕舞いだという理由も一理あるが、
性的な会話や行動があると踏んでいたのだろう。
思惑通り、私達はそうなった。
盗聴器なんてあったら、こうは行かなかっただろう。
全て聡明に悟ったメンバー達は、小さく頷いた。
77 :
糜爛の夜:2007/03/31(土) 02:07:13 ID:33rSYUGc0
>>76 金曜日、夜の帷が日の光を完全に飲み込んでから幾時間過ぎた頃。
少し早く着いた私は、Bホテルのロビーで彼女を待っていた。
捜査という瞑目を忘れてはならない、しかし彼女を魅了させる演技もしなくていけない。
その上、今日は探りを入れるつもりで来た。はたして上手く行くかどうか。
「…ごめん、待った?」
白のシフォンワンピースに身を包んだ彼女が息を切らしてやって来た。
着物とは異なり清潔さ漂うその姿と、それに見合った薄めの化粧が違った意味で私を駆り立てる。
彼女はデートを待ち侘びたごく普通の女にしか見えなかった。
「10分遅刻です。待ちくたびれました」
「たった10分でそんな顔する?」
不満気に彼女を見下ろすと、彼女は嬉しそうに微笑んでいる。
どうして、そんな顔が出来るのだろうか。
何の柵にも囚われて無いような眩しいその笑顔は、やはり私を翻弄させる。
実際、彼女は重い枷に囚われているだろうに…それを微塵も感じさせない。
私とは違う世界で違う物を見ている、そんな気がして酷く切なく胸が軋んだ。
部屋に入るや否や、まだ玄関だというのに、私は彼女の体を引き寄せ唇を求めた。
小さく漏れる彼女の声を攫い、柔らかい唇を唇で覆った。
舌先で唇をなぞり、口内で蠢く彼女の舌を捕えると、激しく絡めて吸った。
垂れ落ちる唾液の香りが甘美で、私はまた激しく舌を求め、そして同時に彼女の胸を弄った。
「ん・・・待って…よ。シャワー…浴びたいの…。それに…ベッドにして…」
「遅刻した罰です…」
「…ん・・・そんなの…ちょっとだけじゃない…」
唇が離れた一瞬に、途切れ途切れに放たれる声を掬い上げる。
また唇を奪って、覚束無い足取りの彼女と共に部屋のソファまでゆるゆると歩いた。
然程大きく無いソファはやや硬めで、
彼女やっぱりベッドが良いと懇願するが、私は無視して彼女の首筋に舌を落とす。
組み敷いた彼女の体に体重を預けると、ジャケトを脱ぎ捨て、カッターのボタンを一つずつ取った。
78 :
糜爛の夜:2007/03/31(土) 02:09:53 ID:33rSYUGc0
>>77 「…ね…。どうして?…待って。…すぐやるの嫌よ…」
ああ。女はそうなのか。
セックスを直ぐ求める男に対し、女は肌の触れ合いだけを求めて来る。
それは体の交わりでは無くて、ただ寄り添って触れるだけの退屈な行為に過ぎない。
私は早く欲しくて堪らなかった。
体が貧欲に求めているものを、抑える術を知らない。
一度覚えたセックスの快楽に、深く蝕まれているのは言うまでも無く。
まるで薬物のようにもっと欲しくなる。
酷い喉の乾にも似たその感覚は、もう止まらないし、止められ無い。
「…貴女を見たら我慢出来なくなりました…」
縋るように言うと女の顔は甘く綻ぶ。
嫌がっていた表情の中に僅かな輝きを宿すのを私は知っているし、見逃さない。
彼女の背に腕を回して、ワンピースのファスナーを下げ、ブラジャーのホックを取った。
いちゃ付くのは行為の後で幾らでもしてやる。
だから、今はもう焦らされるのも焦らすのも御免だ。
彼女の指が私の頬を擽り、唇へと触れられた。
そして、首筋と鎖骨を辿り胸元へと落ちて行く。
冷えた感触は少し擽ったくて、焦らす指先は私の欲を心地良く煽って行く。
「…あの出会った夜も言ったけど…貴方の目…寂しそうだね…」
「…孤独……ですか?」
「そうよ…貴方もでしょ…」
そう、私も同じように常に孤独だと思って来た。
彼女もきっと、切ない程に孤独なのだろう。
だからこうやって偽りの愛で太お互いを求め合い、慰め合う。
それは寂しさを埋め合う為では無く、より一層寂しさを増長させるものだと知っていながら。
「…どうすれば…寂しくなくなりますか…?」
「…強く抱いて。…酷く……」
背に回された彼女の腕は私をきつく捕えた。
温もりが痛いほど伝わり、それと同時に悲しくもあった。
露になった白い肌に何度も口付け、赤い痕を落とした。
刻み付けるように、そして所有物のように。
乳房に触れ、先端を口に含むとそれは直ぐ固さを増して、欲情する彼女の体を表しているようであった。
何度も舌で刺激しては、甘い彼女の声を耳に焼き付けた。
79 :
糜爛の夜:2007/03/31(土) 02:12:39 ID:33rSYUGc0
>>78 「…知っていますか?…こうすると…嬉しいんですよね?」
言って、彼女の耳たぶに舌を這わせ、甘い香りがする項までたどらせる。
スカートから除く白い太腿の柔らかい皮膚に指を食い込ませ、
ゆるゆると最奥まで辿り、下着越しに一番感じる肉核を強く弄った。
「あ…っん・・・そこ…いやっ…」
耳たぶと首筋、下半身から来る淡い快楽に彼女は甘い声を上げ、体を捩じらせる。
何度も執拗に弄び、徐々に熱を持ち始めるそこは酷く濡れそぼっており、小さくわななく太腿が愛らしい。
下着を下ろして、直接肉核を刺激すると、彼女は益々声を上げてよがった。
「凄く濡れてますね。そんなに気持ちいいですか?」
「知ってる…癖に……」
溢れ出す密を指に絡め、膣内へ挿し入れた。
十分に濡れているのを確認した私は、執拗に愛撫せず、
ズボンのジッパーを下ろして、限界まで張り詰めた自身を秘部へ宛がった。
ぬるっとした感触に心と体が疼く。
彼女は乱暴に抱いてくれと懇願するが、言われなくともそうしていたし、何よりそうするしか術は無かった。
一気に抉るように彼女の中を貫くと、
いきなりの質量感に体が驚いたのか、彼女の華奢な腰が竦んだ。
構わず私は強く打ち付ける。何度も何度も、早く激しく乱暴に。
「ああっ…いや…ぁんっ…」
知っている。この女が「いや」と喘ぐ時は感じている証拠だと、
そしてもっとそれを求めてるとういことも。
彼女の脚を取り、大きく開かせて、奥まで届くように突き上げる。
粘膜の擦れる音と彼女の喘ぎが卑猥に耳に響き、私の興奮は高まるばかりだ。
激しく腰を打つ度に膣内に擦れ、腰にまで流れて来るその快感に身を震わす。
背に食い込む彼女の爪さえも快楽に繋がる程に。
漏れる吐息を抑えて、彼女の皮膚に手を触れ、柔らかい乳房を吸い、唇も奪った。
狭いソファの上での激しい行為は思った以上に困難で、私は片足だけソファから落として彼女を突く。
最早半分ソファから落ちているような体勢で。それでも構わず求めた。
「あ…っ…だめ…もう…」
「限界…ですか…?」
「んっ…いや…あぁっ…」
「いいですよ、イって。私も…辛いです…」
彼女の内部がきつく私を締め上げる。
痺れる快感に背筋がしなり、腰が小刻みに震えた。
彼女の中に全て吐き出すと、力無くした体は彼女と共に床にずるずると落ちて行く。
荒い吐息を持ったまま、私の上に跨る彼女は甘い口付けを落とし、私の胸の上に身を預けた。
今夜は以上です。
思ったより長くなりそうですいません。
このスレ一気にいっぱい投下出来ますね!
それでは、また。
>>80 乙です!
すごいよエロいよ(*´Д`)ハァハァ
>>80 乙!
いちゃ付くのは行為の後で幾らでもしてやる←こんな事言われたいw
>>80 乙!
しかし文章上手いなぁ。
エロごちそうさまですww
>>80 乙です!! L元気(*´Д`)
パズルを解くようにスラスラと(*´Д`)
文章上手い、凄い。
乙!竜崎カッコヨス
さっきテレビで「飲める飲める飲めるぞ〜酒が飲めるぞ〜♪」が流れてた。竜崎に歌って欲しい(´∀`)
で酔っ払ってDJ OZMA歌って最後にうっかり脱いじゃって欲しいw
>>87 ナ〜ナ〜ナナナ、ナナナ、ナナナ、ナ〜ナ〜ナナナ、バンズビボーン!♪
職人さん達乙ですぅ
戻ってきてくれてうれしい!これからもがんばってください〜
90 :
コンタクト:2007/03/31(土) 16:38:57 ID:5CzKPGrf0
ぴんくの方の雑談から思いつき。
目の悪いL萌え。
91 :
コンタクト:2007/03/31(土) 16:39:37 ID:5CzKPGrf0
がったんと盛大な音がLの部屋から聞こえた。
普段物音なんて余り立てることもなく、いるのかいないのかわからないくらいのL。
私は驚いて慌ててLの部屋を覘きにいった。
「L、どうしたの!?」
返事を待たずに扉を開けると、何もなくてだだっ広い部屋の床にLは倒れこんでいた。
傍に椅子が転がっている。
『カポエィラヘジォナウで使う基本の3つの蹴りと、そのヴァリエーションを紹介します。
次は、ケィシャーダ。意味は「顎攻撃」です。まず、軸足となる・・・・』
やたらと馬鹿でかいモニタの中では、白いぴったりとした服をきた男性が上体を深く沈みこませ、
足を高く蹴り上げるという動作をゆっくりと繰り返している。
「来ちゃ駄目です!」
なんだかよくわからないままにLの傍によろうとすると、Lが慌てて私を静止した。
「どうして?大丈夫?」
「大丈夫です。ちょっとそれを習得しようとしてたらバランスを崩して・・・」
それ、と指差したLの指は大分テレビモニタからずれてはいたが、
なんだかよくわからない格闘技のようなものを練習しようとしてこけたのだ、
ということはわかった。
Lは体を起こしたものの立ち上がらず、途方にくれたように床に座り込んでいる。
「L・・・?」
「コンタクトを落としました・・・。」
「えっ、Lってコンタクトいれてたんだ。」
「実は私、かなり視力が悪いんです。」
そういって私の方を見たLは、一応私の顔辺りに目線を向けているけれど視線が合わない。
「なんだびっくりした。どこか怪我でもしたのかと思ったよ。
コンタクト、探してあげる。」
「すみません。結構激しく動いていたんで、離れたところにあるかもしれません。」
「ん、わかった。動かないでね。」
ふかふかの絨毯に膝をつき、四つん這いになって離れたところからLのコンタクトを探す。
Lはよく見えないのか、徐々にLの方へ近づいていく私に定まらない視線を向け、
おとなしくじっとしていた。
片方はすぐに見つかった。絨毯の上にきらりと光るソフトコンタクトレンズ。
指先でそっとつまみあげる。
それがLのあの大きな眼球に張り付いていたのだと思うとなんだか妙な気分がした。
92 :
コンタクト:2007/03/31(土) 16:41:04 ID:5CzKPGrf0
「L、一つあった。両眼?両方落としたの?」
「・・・。」
返事がない。変だと思ってコンタクトを捜索していた目線をLにやると、
Lは黙ってじっと私の方を見ていた。
「L?」
「・・・両方です。片方だけでもあれば自分で探せるんですけど・・・」
「わっ・・・」
もう大分Lの傍に近づいていた私は、急ににゅっと腕を伸ばしてきたLに
ぐいっと引き寄せられてしまった。
そのせいで折角探し当てたコンタクトがどこかへいってしまう。
「何っ?折角一つ見つけたのに・・・ああ〜どっかいっちゃった」
「もういいです。私興奮しちゃいました。」
「は!?」
私は強引に床に押し倒され、身体の上にLがのしかかってくる。
太腿に触れてくるLのそこは確かに熱く反応しはじめていて私は呆然とした。
「ぁっ・・・ん、ちょっとL!コンタクト、わかんなく・・・なっちゃう」
「そんなの、代えがあるからいいんです。」
下着の下に手を差し入れて、手全体で胸を愛撫してくるLの動きにあっという間に
甘い愉悦を感じはじめてしまう。
「やぁ、んっ・・・見えない、んでしょっ・・・」
くりくりと敏感な胸の先端をいじりながら、首筋に舌を這わせてくるLにすがり付きながら、
私は残り少ない理性でそう訴えた。
「見えなくても・・・」
首筋から耳に舌を移して囁いてくるLの低い声に、私の下腹部がずきん、と疼く。
「あなたのどこが感じるのかなんて、よく知ってます。」
「やぁぁああぁああっん」
太腿を撫でるようにしていたLの手が下着をずらし、一番敏感な蕾を直接撫で上げてくる。
私は鋭い快感に悲鳴を上げて、身体をのけぞらせた。
「ひっ・・・ああぁっ、っっんんッ」
Lの器用な指は更に動きを加速し、
私から溢れ出したヌルヌルとした体液が彼の指をいやらしく濡らす。
よく知っている、という彼の言葉は正しい。
どうしようもなく喉から喘ぎ声が洩れる。
思わず腰を揺らして快楽を追い求めてしまう。
耳を塞ぎたくなるような音とともに激しく刺激を加えて来るLの長い指に
あっという間に一度目の絶頂へと追い上げられ、
私は涙を零しながらぐったりと身体を弛緩させた。
wfwf!
94 :
コンタクト:2007/03/31(土) 16:42:49 ID:5CzKPGrf0
>>92 その隙に手際よく私の下着を抜き取ったLは、
次いで自分のボトムに手をかけて勃起した自身を取り出した。
「入れますよ・・・」
「あ・・・まっ、ぃや、やぁあああ」
いつもしつこいくらい前技に時間をかける癖に、今日は言葉通り興奮しているのだろうか。
イったばかりで狭くなっている私の濡れそぼったそこはきつくLを締め付け、
熱く逞しく肉壁を押しわけて侵入してくるその感触だけでまたイきそうになった。
激しく腰を前後させるLの動きに体がゆすぶられ、固い床に背がこすれて痛い。
でもそれもそのうち感じなくなった。
突き上げられる快感に体中がびくびくと震える。
「んんっ、んあっ、ぁっ、え・・る、やぁああっ」
Lのものと私のものと。
繰り返し打ち付けてくるLの息も荒い。
イきそうになったのか眉間に皺を寄せたLは急に動きを押さえ、
上体を重ねるように倒して私の胸に手を伸ばす。
「んっ・・・ああっ・・・」
出し入れはせず、ぐっと奥まで押し付けるようにゆっくりと
腰を回してくるその動きがいやらしい。
同時に乳首を攻められ、たまらず腰を震わせてLにすがりつくと、
噛み付くように唇を合わせ、舌が侵入してくる。
「んぅっ・・・んっ・・・ぅぅっ・・ん」
咥内をぬるぬると犯してくるLの長い舌。
ぐりぐりと最奥をねじ上げるように押し上げ、縫いとめてくる熱い楔。
上でも下でもヌルヌルとすりあわされる互いの粘膜がたまらなく気持ちいい。
唇を塞がれて喘ぎを封じられ、与えられる悦楽はどこにも逃げ場がなく、
息苦しさと共にどんどんと膨れ上がる。
ちょっと被虐的な私のその癖をLはよく知っている。
「んぁあああっん・・・」
ゆるゆると愛撫されていた乳首をぎゅっとつままれた瞬間、
唇を塞がれたまま私はLの体の下で激しく痙攣した。
ぎゅうぎゅうと体内のLを咥え込んだまま締め付ける。
ようやく唇を開放され、はぁはぁと空気を貪っていると、Lが苦しそうに耳元で囁く。
「っ・・・そんなに締められると、辛いです。」
95 :
コンタクト:2007/03/31(土) 16:43:45 ID:5CzKPGrf0
>>94 ゆっくりと腰を引かれ、ずん、とまた奥を突かれて私は返事もできずに仰け反る。
「くっ・・あ、ぅ、っ・・・私もイっていいですか?」
言葉で答える余裕がなく、私は足を彼の腰に巻きつけ、引き寄せた。
Lももう何も言わずに、叩きつけるように早い動きで腰を前後させ始める。
「ひゃああ・・っ、Lっ・・・あ・・わ、たし、また・・っ・・」
先ほどイったばかりなのに、あっというまにまた膨れ上がる快感に飲み込まれる。
不安になるくらい激しい快楽によりどころが欲しくて、
Lに腕を巻きつけて彼の細い腰をぎゅっと太腿で挟みこんだ拍子に、
余計に奥深くまでぐっとLが入り込んでくる。
「っあ・・くっ・・・」
「やあぁあぁーーっ!!」
私とLはほぼ同時に絶頂を迎えた。
震える太腿の内側に、痙攣させながら精液を吐き出しているLの腰を感じる。
私がイったことを確認してからLもイくことがほとんどだ。
だからここまで同時にイくことも珍しい、なんてぼんやりとした意識のなかで考えた。
96 :
コンタクト:2007/03/31(土) 16:44:33 ID:5CzKPGrf0
>>95 「すみません・・・背中痛いですか?」
「ん・・・」
まだぐったりとしている私を抱き起こして、Lは首筋から背中を覗き込んでいる。
「みえない・・・」
ぼそっと呟いたLの言葉に私は思わず笑い出した。
そう。そういえば、ことの始まりはコンタクトだった。
「ね、L。この展開の何に興奮したのか聞いていい?」
「・・・興奮なんてしてません。」
ばつが悪そうに目をそらすLの首に腕を絡めて引き寄せる。
「嘘ばっか。興奮しましたっていったじゃない。
だいたい服も着たまま床の上でやるなんて、らしくないよ。」
「あなたが四つん這いでじりじり近寄ってくるからつい。」
「・・・何それ・・・」
「それに何というか、よく見えないと、興奮しますね。
目隠しプレイみたいなもんでしょうか。
今度はあなたに」
私は呆れてLの頬をつねった。
「このっ変態!」
「いひゃいですよっ」
Lにはコンタクトをつけさせておいたほうがいい。
そのほうが身のためだ。
新しいコンタクトの置いてある場所を聞いて、Lに渡してやる。
「もー最初から探さないでこうして置けばよかった。」
そういってやると、コンタクトを入れたLはいつものように
しっかりと私に視線を向け、意地悪く口元を歪めた。
「思いっきり感じてたじゃないですか。」
事実を突きつけられて、私はムカつき半分照れ隠し半分で、
机の上にあったDVDのコントローラーを投げ渡してやる。
いつの間にか再生が終わってメニュー画面に戻っていたモニターには
カポエイラ入門、とでかでかと表示されていた。
END
キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!!
>>96 乙!!エロいよーーーーイイ。
腰回す動き(;´Д`)ハァハァ
純愛コラはこないのか
帰って来てほしいねぇ
>>96 乙です
ほんとLたんは変態って言葉がピッタリだねぇ・・・
次は目隠しプレイで思いっきり言葉攻めとかしそうw
Lになら目隠しして縛られたい
うはwww
ワッフルワッフル
続き投下します
まとめサイトの管理人様
お疲れ様です
いつもありがとうございます
>>107 数日が経って、捜査本部は一見平静を保っていた。
夜神月はキラであったことなど微塵も感じさせない相変わらずの手腕で捜査を続けていたし、
相変わらず松田は煩く、時々楽しそうに恋人の話をして他の捜査員に窘められたりしていた。
その、他の捜査員たちもやはり相変わらずキラを追う為に彼らなりに頑張っているようだったが、
一向に進まない捜査に胃を痛めたりもしていた。
私も今のところ未だやる気も起きず、やはり彼女との平静な日々が続いていた。
しかしそれは、あまりに短い平穏だった。
その日の午後、自室に篭って調べ物をしているところに、ワタリが顔を出した。
「L!」
「……どうした」
嫌な予感がした。それはとてつもなく面倒臭いことが起こりそうな前兆だった。
「今、捜査本部で皆さんが……」
「…………」
ワタリの話によると、ついさっき、私がいない間に夜神月が彼女を本部内で告発したということだった。
容疑は言うまでもなく本部のシステムや機密事項の不正アクセス。
そのことで捜査本部が騒然となっていて、今は彼女の口から真実を吐かせようとしているらしい。
「……どうなさいますか」
ワタリは説明を終えると、冷静に私の言葉を待った。
「…………」
私は顔の前で合わせた手の両親指を唇に当て、祈るような気持ちで様々なことを考えた。
夜神月が告発したのなら、証拠もあるはず。想定していた事態ではあったが、こんなに早く……。
もう少しきつく夜神月に釘を刺しておくべきだったのか……。しかしそうすることも私が彼女に
固執しているようで逆に不自然なものとなり、夜神月が首を突っ込んでくる恐れがあった……。
……どちらにしても、こうなってしまったものは仕方ない……。
私は合わせていた手を解き、ふっと息を吐いた。
……彼女は……どうしてる? 本部できっと……槍玉に挙げられているはずだ。そして……。
……きっと私を……待っている。
>>108 私は勢いよく椅子から降りて、立ち上がった。
「ワタリ。おまえも来てくれ」
「はい」
自室を出て、捜査本部へ向かう。
今は息苦しささえ感じるエレベーターに乗り込み、短い無重力に身を任せた。
ボックスを出ると長く無機質な廊下を歩き、辿り着いた捜査本部の扉を開ける。
捜査員たちが、一斉にこちらを見た。
しかし私はその視線を無視して、彼女を探す。
「竜崎……」
見つけた……。
ソファから立ち上がった彼女がこちらを振り返る。細い手首には手錠が掛かっていた。
そして私の姿を映すその目からは、絶え間なく涙が零れ落ちていた。
感情を抑えきれない彼女は、きっと周りからの干渉に耐え切れずに泣いてしまったのだろう。
……泣かないでくれ。
「竜崎」
早速、夜神月が私に近付いてくる。
「もう見て見ぬフリはできなかった。落ち着いて捜査もできなかったし……何よりここにいる者には
知る権利がある。彼女にはきちんと説明してもらう。皆の前で」
「…………」
私は目の前の夜神月を無意識に睨みながら、覚悟を決めるための沈黙を作った。
……くだらない。面倒臭い。鬱陶しい。
どれも全て私の気に入らない要素で事態が展開しているが……仕方ない。
「……わかりました」
私は本部の中をペタペタと歩き、モニタの前の椅子、定位置に膝を立てて座り込んだ。
そして椅子を回し、本部全体が見渡せるよう、そこにいる全員と向き直った。
深く息を吐き、彼女に呼びかけると、彼女は止め処なく零れる涙のまま、私を見つめた。
……大丈夫。
「彼女のことは……私からお話してもよろしいですか?」
本部の人間は私と彼女を見比べてから、戸惑いの色を見せつつも全員黙って頷いた。
それを確認した私はもう一度大きく息を吐く。
こんな形で……彼女を暴きたくはなかった。全ては私と彼女の問題なのだから。
それでももう……私と彼女も、既に限界は超えていた。
「彼女は世界屈指の情報ブローカー。この捜査本部に入ったのはLの情報を集める為です」
捜査員たちがざわめく。
私はそれを冷静に眺めながら、彼女に意識を向けた。
今、彼女に染み付いていたうそを、私はゆっくりと剥がしていく。
>>109 「……彼女の目的はLのみです。キラとは無関係ですし、キラ事件や皆さんに関する情報が漏れるということはありません」
「ほ、本当か?」
相沢が彼女を向き直る。彼女は怯えたような顔をして、小さく頷いた。
全く……威圧感に押し潰されそうな雰囲気だった。
それでも、彼女はもう泣いていなかった。そしてその瞳には、小さな光があった。
私と彼女の間にいつも横たわっている、淡い光。
「しかし、彼女が情報ブローカーだったとは……」
夜神月にとっても予想外の事実だったらしい。……確かに。彼女はそんなふうには見えない。
悪びれてもいないし、むしろ普通よりもバカっぽいところもある。
それでも彼女は……私をLだと知りながら、少しも物怖じせずに色仕掛けを仕掛けてきた。
普通過ぎて普通じゃなかった。私も夜神月も、最初はそれに騙されたのだ。
「竜崎」
「……はい?」
「彼女は何故わざわざ危険を冒してまで本部に潜入してLの情報を?」
さすがは夜神月……。仕方ない。
「確かに……彼女は今まで地下に潜って活動していたようですし、そうすれば彼女は絶対に安全だった……。
世界有数のハッカーですから居場所が見つかることもまずなかったでしょう。恐らく依頼人とも直接会う
ことはせず、内容如何に関わらず深入りすることもしなかったはずです。そのほうが安全だということを
彼女も知っていた……」
私は彼女に視線を向けて、続けた。
「……そうですね?」
彼女は黙って頷く。
「ま、待って下さい!だったらますますおかしいじゃないですか! そんな用心深い彼女がどうして
わざわざここに潜入してくるんですか?」
「うむ。松田の言うとおりだ。理由を聞きたい」
松田と夜神さんが彼女に向き直る。全ては予想通りに事が進んでいく。
「……それも私からお話します」
皆が再び私に視線を向ける。
「彼女は今まで絶対に表に姿を現さなかった。しかし今回はわざわざ危険を承知で私の前に現れた。
確かにLの情報は高額で取引されるでしょう……が、潜入までして情報を掴もうとするのはおかしい。
相手はLです。下手すれば正体がバレて自分の身が危険に曝されるかもしれない。リスクが高すぎます」
私は立てた膝の上に手の平を乗せて、淡々と説明を続ける。
「そこで考えられることは一つです。……つまり彼女は危険を冒してまでLの情報を手に入れなければ
ならない事情があった」
「竜崎……。それはつまり……」
夜神月が全てを聡明に悟り、怪訝な表情で私を見つめてきた。
「……脅迫されていたんでしょう。Lの情報を探れ、と」
「き、脅迫って、誰に!?」
今度は相沢が私に少し歩み寄る。
そしてそれを夜神月が制し、私に向かって口を開いた。
「竜崎、それはおかしい。彼女は単独で動き、決して人前に姿を現さないのだから正体がバレることは、
まずありえない。
第一バレたとしても、居場所までは特定できないだろう。データの改竄や痕跡を消すことくらい彼女なら
容易にできる。居場所さえバレなければ彼女に身の危険は無い。だとすると脅迫に用いるネタがないじゃ
ないか。考えられるのは人質だが、彼女には他に家族もいない。一体、誰から何を理由に脅迫されるって
いうんだ? 恋人か友人だとでもいうのか?」
「……彼女がNSAにいたことは皆さんご存知ですよね……」
皆が一同に頷く。
>>110 「彼女はNSAにいる頃までは普通の民間人でした。そして情報ブローカーになったのはNSAから
逃げ出した後です。つまり彼女の個人情報はNSAに残っている。……これが脅迫のネタです」
「逃げ出した? 個人情報? ど……どういう意味だ!? 竜崎、もっとわかりやすく説明してくれ」
夜神さんの疑問の言葉を受けながら、私は夜神月を見た。目が合う。
「まさか……」
「……では、順を追って説明しましょう。
まず、彼女は組織に嫌気が差し、NSAを辞めたがっていた。しかし彼女のハッキング能力は
脅威ですから……NSAが自分を簡単に野放しにするはずがないことも、彼女はわかっていた。
と、なるとNSAを辞めるには監視の目を盗んで行方を眩ますしかないわけです。
そして彼女は何らかの方法でNSAの監視下から逃げ出すことに成功し……姿を消した。
しかしその後もNSAに見つからないように生きていかなければならない……。
そうなると普通の生活はまず無理です。情報ブローカーのように裏の世界で活動するしかない」
……だからといって同情の余地はないが……。
ワタリが紅茶を差し出してきたが、私はそれを視線だけで断り、先を続けた。
「一方のNSAは失踪した彼女を見つけられずにいた。
当然です、私でも彼女は見つけられなかったかもしれません。
結局NSAは情報ブローカーとなった彼女の存在を知りながら打つ手が無いまま時は流れ……
そして今、やっと彼女を捕まえる手段が見つかった。
……幸い彼女の写真や名前はNSAに残っている。これを使わない手はない」
「個人情報……。写真に……名前……」
やっと松田も気付いたらしい。
「……そう。脅迫の手段は、キラです」
皆の体が凍り付くのがわかった。
やはり私たちには、どこまでもキラの影が付き纏う。
「NSAはキラを使って彼女を脅迫している……。NSA……平たく言えば国防総省、つまりは合衆国政府です。
交渉に応じなければ、重犯罪者として顔と名前をメディアに流す……とでも彼女に言ったんでしょう。
キラは居場所がわからない犯罪者でも、顔と名前さえわかれば殺せますからね……」
しかも今のキラは内容問わず犯罪者とされる者は片っ端から殺している……。
脅迫するには好都合だ。
私は、動揺している皆を無視して、話を続ける。
「彼女を支配下に置いたNSAは焦ることもなくなり……どうせならと彼女の能力を利用することを考え、
Lの情報を掴むことを命じたんでしょう。……彼女がLに正体を見破られたとしてもNSAに困ることは
ない。利用価値が無いと判断するか邪魔になったら犯罪者としてキラに殺させればいいわけですから」
「……な……なんてことだ……」
「キラを利用して脅迫だなんて……」
「…………」
予想通り、皆が騒ぎ始める。
そろそろまずいな……。ここまでか……。
「……というわけで、とりあえず彼女の身柄を拘束します。ワタリ」
「はい」
少し後ろに立っているワタリに言葉を掛ける。
「彼女を部屋に連れて行ってくれ。手錠はそのままで部屋の外側からロックして逃げられないように」
……彼女は絶対に逃げない。
わかっているが、ここは皆の手前、仕方ない……。
「竜崎……」
ワタリに促されて立ち上がる彼女が、どこか安堵したような表情で私を見つめる。
私も同じ気持ちで彼女を見つめた。
……大丈夫。
それでも……収拾をつけなくてはならない。
私たちのことなのに、こうして私と彼女には全く関係のないところで現状は進んでいく。
いつだって、置き去りにされる。
……仕方の無いことだと、諦めるしかない。
>>111 彼女がワタリと共に出て行き、捜査本部は混沌とし始める。
「確かに彼女のやってることも悪いけど、でも、キラに便乗して脅迫ってNSAもおかしいですよ!」
「ああ……。意図的にキラに殺されるよう仕向けるなんて、納得がいかない」
「私もそう思います」
「うむ……合衆国政府が絡んでるとすれば……恐ろしい話だ……」
「……竜崎。今の話は事実なんだろうな?」
松田、相沢、模木、夜神総一郎、そして夜神月……。皆が戸惑うことはわかっていた。
だから知られたくなかった。しかし今更そんなことを思ってみても意味が無い……。
「はい。彼女も否定しませんでした。間違いありません」
私は先程断った紅茶を啜り、緊張で止めていた息を吐き出すようにホッと一息吐いた。
巡る思いの中で、皆に自分の考えを吐露していく。
「キラの意志とされる犯罪者裁き……。キラはメディアの報道から情報を得ていることは明白です。
つまり権力を持った組織からすればキラは都合のいい殺し屋でもある……。
殺したい人物の情報を操作し、犯罪者として報道すれば勝手にキラが殺してくれるんですから。
今回のことは……私がずっと危惧していた事態です」
また紅茶を啜る。
温くなってしまったそれでも、渇いた喉を潤すには十分だった。
そんな私に、夜神総一郎が詰め寄ってくる。
「そ、そんなことを政府がしていいわけがないだろう!」
「もちろんです。そもそも情報操作されたものを世界中に公表するわけですから……誰にでも気軽に
使えるものではありません。
やむを得ない場合のみの最終手段でしょうね。そうそうこんな危ない手は使わないと思います。
バレたら大変なことになりますし……」
「そういう問題じゃない!こんなことは絶対に許されない!しかも一国の政府が……キラに便乗して……」
ほらきた……。
私は溜め息と一緒に紅茶を飲み干し、空になったカップを静かにソーサーの上に置いた。
「夜神さん……。夜神さんの言っていることは正しいと私も思います。
しかし……そういう理不尽なこともあるという事実はわかって下さい。
巨大な組織と権力とは時にそういうものです。……ですから私たちは
そのためにも……一刻も早くキラを捕まえなければならない……」
……いつの時も存在する、現代を包含する目には見えない圧倒的な力。
正義という言葉では追いつかない……複雑な事情が絡まり合って世界は動いている。
そこに人間がいる限り、決して無くなることはないだろう……。
「そんな事実があるなら告発すべきだ!こっちには彼女という証人もいる!」
夜神総一郎……。
彼は善良でいい人間だと思う。とても。
しかし、知らずにいるだけだ。
何も知らない子供が無垢なのと同じように、何も知らないから純粋な正義でいられる。
私の正義とは違う。それは僅かな違いであり、決定的な違いだった。
>>112 「竜崎!答えろ!」
「…………」
……私たちは、逃げられないことを知っている。
私たちはいつだって、目には見えない大きな流れに押し流されて生きている。
自分で選んだはずの道なのに、いつの間にか最初から決められていた通りに、元に戻ろうとする。
……圧倒的な大きな流れに。
私は噛み締めていた唇を、ゆっくりと開いた。
「……彼女はれっきとした犯罪者です。
彼女の立場からすれば脅迫ですが、向こうにしてみれば単なる取引でしょう。
……Lの情報を掴めば顔と名前は公表しない……。そういう取引に過ぎないんです」
「ま……待って下さい。じゃあ彼女は……Lの情報をNSA、つまり合衆国政府に渡さなかったら……」
松田が恐る恐る発言する。
私は落としていた視線を上げてから、はっきりと言った。
「犯罪者として顔と名前を公表されて、キラに殺されます」
皆、再び慄然とする。
それが何だかおかしくて、そして……空虚だった。
「そ、そんな……。それはあんまりじゃないか」
「そうですよ。殺されるって……」
「待て……。Lの偽の情報を渡せばいいじゃないか。それを信じ込んでくれれば都合がいい」
「それは無理です」
相沢が言った言葉を、私はすぐに否定した。
「な、何故だ?」
「NSAが望んでいるのは確実に私を管理下に置ける状態です。そんな情報をフェイクで作ってもすぐにバレます」
「し、しかし……。確かに彼女は情報ブローカーで犯罪者かもしれないが……殺されるほどの罪とは……」
夜神総一郎が頭を抱えながら零す。
こうなるから……知ってほしくなかった。
何も出来ずに結局頼りない希薄な自分自身が全てという結末。対処しきれない事態。
そんなものを味わわせたくなかった。
……仕方ない。
「……そんなことありません。彼女レベルの情報ブローカーは結構重罪ですよ。
例えば依頼人がテロリストだったらどうです?彼女は依頼人に深入りしない主義のようですから
テロリストと知らずに、テロを加担するような情報を渡してしまったことがあるかもしれない。
知らなかった、では済まされないことです」
「しかしそれは……仮定の話だろう。とにかく今は人命を……」
「そうですよ!彼女にはそれ相応の刑罰を与えればいいじゃないですか!キラに殺されるなんて……」
「何と言われようと、Lの情報は絶対に渡しません」
私は議論を終わらせるように、強く言った。
一瞬その場は静まり返ったが、その静寂の中に、夜神月が小さな呟きを零した。
本当に小さな、呟きだった。
「……竜崎。おまえ、彼女がキラに殺されても平気なのか……?」
>>113 「…………」
……私は。
……何度も、光の中で、同じ温もりの中で。
このまま私たちが離れることがないようにと、願った。
……誰に願っているのかもわからずに。
私は瞼の裏に焼きついている彼女の儚い横顔を、思い出していた。
……誰が、わかってくれる? こんな私たちのことを。
偽りの希望に縋るわけでもなく、完全に未来を遮断されながらも惹かれてしまった私たちの関係を。
……誰が……。
私は黙り込んだまま、何も答えなかった。
しかし夜神月が肩を掴み、強引に目を合わせてくる。
「おまえは彼女が殺されてもいいのか!?」
私たちの間を、残酷な言葉が切り裂いていく。
本部の中のざわめきが、遠くなる。
「それは……よくないです。しかし……たとえ私たちが彼女をかくまったとしても、
世界中に犯罪者の一人として顔と名前が公表されれば、いずれキラに殺されます。
彼女が助かる道はLの正確な情報をNSAに渡すしかありません。
そうすれば彼女は利用価値があるとして……顔と名前は公表されず……キラに殺されるということは
ないかもしれない。しかし、私は……Lの情報を彼女に渡すつもりはありません」
「竜崎!」
肩を掴んだ夜神月の手に力が篭る。
蔑むような強い視線が、私を見据える。
「彼女を見捨てるのか……?」
……見捨てる。
「……言い方は気に入りませんが……結果的にはそうなりますね……」
これが最初から決まっていた私の……Lとしての結論だった。
「なんで……なんでこんなことに……」
恐ろしく長い沈黙の後、松田が小さく呟いた。絶望的な声で。
>>114 その後、今日は捜査を続けられる状況ではないと判断し、皆はそれぞれの自室に戻っていった。
捜査本部に一人残った私は、椅子の上で膝を抱いたまま、色々なことを考えた。
きっと……上手くやれば……彼女を助けることはできるかもしれない。
LとしてNSA、合衆国政府にうそを並べてでも司法取引として交渉すれば、一時は何とかなるかもしれない。
しかし私はその選択をしなかった。きっと彼女も望まないだろう。
理由を聞かれても答えられるわけがない。
私たちは最初から、逃げられないことを知っていた。
「竜崎」
ワタリが捜査本部に戻って来る。
いつも通り、冷静な面持ちで私の斜め後ろで足を止め、その場に立ち、じっとこちらを見ている。出方を窺っている。
「紅茶のおかわりをお淹れしましょうか」
「ワタリ」
私は背中を向けたまま、話を切り出した。
「……知っていたんだな。知っていて、彼女を捜査本部に入れ、私に近付けた」
それは私が抱いていた疑念だった。
ワタリなら必ず彼女の名前を聞いた時点で、過去にエラルド・コイルにきた依頼の捜索者と同一人物であることに気付くはずだ。
……最初から情報ブローカーだということを知っていて、彼女を私に近付けた。
唇から静かに吐露した言葉に、背後の空気が揺れる。
「……はい。その通りです。知っていました」
そのいつもと変わらない声色を、背中で聴いた。
「彼女が情報ブローカーだということも……L、あなたが彼女に惹かれるであろうことも……」
……そう。私の事に関して、私よりも詳しいワタリは全部、わかっていた。
「L、あなたは事件を解決すること以外何に対しても……誰に対しても、執着することはありません。
Lになった時から……いいえ、最初から……。世界の探偵としてはそうでなければならない。
しかし……私はあなたに何かに執着する心……人間としての感情を知ってほしかった……」
喋っている本人は私の後ろに立っている。静かに、だけど他者を圧倒する存在感を出しながら。
「……人間としての感情が生まれることで、実感として新たな知識を得られるからか?」
一瞬背後で小さく息を呑む気配がして、沈黙が降りてくる。
そしてその沈黙は、肯定を意味した。
私はふっと息を吐く。
……やはり、ワタリは有能だ。私は彼を本当に凄い人間だと思う。
知らない者と、知る者。どちらが幸福だと思うか? と、ワタリは無言で私の胸中を締め付けながら問う。
少し前の私なら、わからない、と答えただろう。知る、とは、知らなかった頃には二度と戻れないということ。
それが幸福なのか不幸なのかは誰にもわからない。
わからないなら、知ってみるといい。知った上での幸福を全身全霊で知るといいと、ワタリは促した。
私に彼女を近付け、ある種の情を抱かせる。
それはワタリが私に用意した経験だ。私の人生の過程の一つ。
そのうち私が彼女の正体に気付き、最後は必ず切り捨てることを確信して計算された巧妙なシナリオ。
私は知ってしまった。それは情報、知識、経験、として、私の中に強く残る。
そうやって私の利益になることとならないことを、鋭く見分ける。……凄い人間だ。
しかし一つだけ……計算が狂ってしまっていることに、ワタリは気付いていない。
私は彼女を見捨てたりもしないし、切り捨てたりもしない。
私たちは離れない。
>>115 外側からロックを解除して、軽くドアを叩く。
扉はすぐに開いた。
「竜崎……」
彼女は少し驚いたような、しかしどこかわかっていたような表情でドアの前に立つ私を見上げた。
部屋に入り、向かい合ったまま彼女の手を取る。
その細い手首を拘束している銀のカーブを指でなぞった。触れた部分の肌が赤く擦れている。
「痛いですか?」
「……痛いよ」
少し恨めしそうに彼女が答えて、私は思わず曖昧な微笑みを浮かべた。
何も、ここまでしなくても、と私はポケットから鍵を摘み出して手錠を外す。
外れたそれはそのまま床に零れ落ちた。
「竜崎は大丈夫だった? 皆に責められなかった?」
彼女が、私を悲しそうな目で見ていた。私は眼差しだけで頷く。
ホッとした安堵の表情を浮かべ、彼女は私の指に、自分の指を絡ませた。
「……知ってたんだね。全部……わかってたんだね」
「はい……」
「わかってて……やさしくしてくれたんだね」
「…………」
「ありがとう……」
私を見る彼女の目は、どうしようもないほど、私と同じ色をしていた。
気持ちが溢れ出るように、彼女の目から涙が零れる。
纏わり付いていたうそは全て剥がれ落ち、そこにいるのは剥き出しの自分だった。
私は手を繋いでいない方の腕を伸ばし、止め処なく流れていく彼女の涙を拭う。
……たとえば……もっと違う出会い方をしていれば……私たちは、今とは違う未来を並んで見つめていたのだろうか。
……否、きっと、違う。私たちの出会いに、これ以上もこれ以下もなかった。
これが私たちの、精一杯の必然だった。
>>116 小さな衣擦れの音が、静かな部屋に響く。
カーテンが寄せては返す波のように揺れていた。外の世界が呼吸をしているようだ。
誰にも邪魔されないように、気付かれないように、密やかに。
世界から目を盗んで過ごす時間はその貴重さ故に濃密になる。
ただ一つ、月だけがカーテンの隙間から覗いていた。
そしてその銀の光のラインで二人を分かとうとするが、効きはしない。
月との距離は遥かに遠く、彼女との距離はあまりに近い。
「いつのまに、こんなふうになったんでしょうね」
少し前の自分を思い出そうと隣に座る彼女の目を見つめても、熱ばかりが集まり、その欠片さえ掴めない。
伝わってくる甘い香りと、いつもより高い体温が少し前の自分をますます遠くさせた。
「それは、私も同じだよ」
文句なのか、嘆きなのかわからない言葉を漏らす彼女を、私は腕を伸ばして抱きしめ、刹那を引き剥がす。
「バカですね……。脅されていたとはいえ、こんなところに飛び込んできて……」
つい先程まで貪っていた唇で優しく囁くが、言われた本人は首筋に頭を置いて硬くなったままだ。
納得してないらしい。
「バカじゃないよ。上手く騙して、自分の身ぐらい守れるはずだった」
そう言って離れようとしたので、彼女の手首を掴んでベッドに押し倒した。
シーツの波がまた揺れる。
「これでも、守れるんですか?」
何も言えない彼女が、じっと私を見上げてくる。
この目は最初に会った時から変わらない。
相手の心の奥まで見透かそうとする強い目。私の本音に触ろうとする無防備な目。
真っ直ぐに見つめられると、胸の奥が揺れる。
この小さな揺れはいつか抑えられなくなるのではないかと戸惑いを覚え始めたのはいつ頃からだろうか。
「竜崎」
口付けで伏せられた目に安堵しながら、柔らかな舌に答えた。
唇だけでなく、息も奪い合うように貪っているのに、満足には到底及ばない。もっと欲しい、と強く舌を舐めた。
風が窓を揺らし、急かしている。
高揚の期待を越え、沈み始めると、彼女が言った。
「……離れたら、いつか忘れちゃうよ。竜崎をずっと意識してるのに、それだけでいいのに、
一人になったら竜崎を忘れて笑えるようになって、全部薄れて死んでいくんだよ。そんなの嫌だ」
私の頬に手を寄せ、指先で軽く撫で、怯えたような切ないような目元も歪み、目に映った光が動いた。
「……大丈夫ですよ」
静寂が笑う。吐息が重なる。
あなたがいれば世界なんて壊れたままでいい。
>>117 「竜崎……?」
撫でていた手を掴む。
そのまま彼女の指が絡んだので、指と指の間にまた指を入れ、優しく握った。
彼女は握った手を取り、はだけた裾から覗く自分の白い太腿に添わせた。
手の平に吸い付くような肌の感触。そのまま滑り込ませる。
滑らかな感触は足の付け根まで続いていた。隠している布を下ろし、爪先から抜き取った。
彼女は私の背中に腕を回し、熱っぽい目で見上げている。
唇は何か言いたげに開かれ、奥に濡れた赤い舌が見えた。
そこを舌でこじ開け、唇を味わう。さっき見た、とろけるような柔らかい舌が絡み付いてきた。
数センチ先に相手の目があって、逸らすことができない。
既に着乱れたシャツの奥の下着を剥ぐと、白い肢体が露わになる。
白に目立つ胸の、ぷっくりと立った赤い箇所が可愛らしかった。
大きな手で探るように撫でる。
彼女の吐息に混ざる声が自身と、私の理性を削っていく。
腰を撫でていた手で下肢を隠すように辛うじてかかっていた裾を払った。
慌てて、彼女が膝を曲げて隠そうとしたので、足首を掴んだ。
恥ずかしさのあまり、泣きそうな顔と、本能を剥き出した男の顔が向き合っている。
彼女が加虐心を刺激するような目で見てくる。自分の嗜虐性を認めるような息遣いをして私を誘う。
「竜崎」
欲情を見透かして、呼んだ名前は鎖になる。
彼女の膝を深く割って、足の間の熟れた赤に指を這わせる。
既に硬く膨らみ始めた突起は、ぬるりとした指に反応し、熱を集めていた。
堪えられない嬌声が私の耳をくすぐり、本能を煽る。
指を動かすと、ビクリと体を捻って、耐えるように口を固く結んだ。
「……嫌ですか?」
指が馴染んでいる場所はとても拒んでいるとは思えず、しつこく擦られ、近付く限界に激しく脈打っている。
「あ、もう、だめ……あ……っ」
その口が緩んだ時には、彼女は濡れた体を震わせて達していた。
私はそれに指を浸し、濡らしている本人に見せ付けた。まだ温かい液は指の間をゆっくりと滴る。
彼女は熱にうなされたような赤い顔で、その雫を見ていた。
「まだ、足りませんか?」
達したばかりで腫れた突起を苛めるように舌で包んだ後、吸う。
「いやっ……も、そこ、イヤぁ……」
無視して柔らかく舐め続けていると、下にある入り口が強請るように小さく震えだした。
そっちも舐め、透明な液を嚥下する。
>>118 「……りゅう、ざき……」
「……はい?」
上体を起こし、手の甲で口元を拭っていると、私に翻弄されていた彼女が腕で顔を隠した。
「顔、見せてください」
囁きながら更に奥まで探り、物足りなさに収縮する穴を指先でなぞる。
力をほんの少し入れただけで、きっとすぐに中に飲み込まれてしまうだろう。
私は何度も彼女のそこに侵入し、貪ってきた。
一晩に何度もした次の朝、「まだ入ってる気がする」と苦い顔をした彼女を思い出した。
甘い、彼女の香りが私を満たしている。
おずおずと腕をどけた彼女は泣いていた。
そして、一言、すぐ傍らにいる人にしか聞こえない程度の小さな声で「欲しい」と言った。
返事もせず、私はジーンズに手をかけ、既に昂ぶっている自身を曝す。
薄暗いと思っていた部屋は黒ではなく、藍色をしていた。
焦らすように、手の平と唇で体中を愛撫する。
撫でたところや口付けた場所が光って、触れていないところがわかればいいのにと思った。
「もう……お願い……」
濃い闇でも唇は濡れて光る。
彼女が息を戻す間、潤んだ目を見つめ返すと、先程まで執拗に弄った場所に自分の昂ぶったそれをあてる。
「入れますよ?」
繋がる前に息を呑む瞬間を与えるように、低い声で囁いた。
「……早く、今すぐ、竜崎のものにして……」
私は彼女の言葉に煽られ、狭く濡れたそこを貫き、大きく息を吐いた。
体を重ねて、ひたすら悦楽に溺れる。
「……そん、なに……締めないで、下さい」
「あっ、ん……竜崎……」
突き上げるたびに同じ熱さのそこが擦り、撫で上げ、隙間なく埋め合おうと、吸い付いてくる。
本能のままに腰を動かし、僅かに残った理性で「一緒に高みにいけたら」と思って彼女の弱い部分を
突くと、熱い吐息が肩を掠めていった。
じりじりと、繋がった部分、侵入した奥から溶けていくような感覚がする。限界が近い。
「……っ……いって、いいですか?」
「ん、うん……私、も……」
与えられる欲望にも、自分の中から湧き上がってくる欲望にも飲み込まれ、見失う。
何を見失うのか、それさえもわからなくなった時に。
吐き出したそれが、彼女の奥を熱く浸した。
>>119 契約終了までの時間は1週間残されていた。
そしてそれが彼女に許された猶予期間であることを、私はその夜に知った。
3日間で結論を出す。その間にこれからのことなどを色々考えたいので一人にして欲しい。
彼女はそう言った。
その日の朝から彼女は自室に自主的にも強制的にも閉じこもった。
捜査本部は重苦しい空気に包まれながらも、皆淡々と作業を進めていった。
季節の匂いが、浮ついたものから少しずつ乾いたものへと変わってきている。
私は痛いほどに、時間の流れを感じていた。
それは容赦なく、全てのものを押し流していく。
眠れない夜が続いた。
私は自室のソファの上に座り、窓の向こうで薄くなっていく白い月を眺めて過ごした。
眠れない。眠れるわけがない。
何も感じられないまま、時間だけが流れていく。
小さな光だけが、まだ残っている。
明日が3日目だった。
強烈に喉が渇いていた。ココアが飲みたかった。
しかしもうあのココアを飲むことはないとわかっていた。
「…………」
広い世界の中で。
自らを幽閉するためのビルの中で。
密閉されて動かない空気の中で。
四角に切り取られた部屋の中で。
ソファの上で。
一人きりで。
私は立てた膝の上に置いた手を、震えるほど強く握り締めていた。
足りなかった。
それは私の中に在って、隣には無いものだ。
ここに彼女はいない。
それが当たり前だったはずなのに。
彼女に出会う前の自分を思い出せなくなっている。
知らなかった頃には、戻れない。
それでも……知らなければよかったとも、戻りたいとも……もう思えない。
>>120 夜の闇が一層濃くなった時刻、静寂を打ち破るように、内線電話が鳴り響いた。
それが誰からなのかは、すぐにわかった。
柔らかい声が、耳に届いた。
彼女の言葉が胸の奥に沁み込んでいく。
「午前4時。捜査本部で」
時計を見る。
午前2時57分。
……あと、1時間。
私たちは……離れることはない。
自室の机の引き出しを開ける。その奥に入れっ放しにしていた、Smith&Wessonの銃を取り出した。
護身用に持っていたが特に使うこともなく、それでも鋭く光る銀は念入りに手入れされているのがわかる。
……恐らく、ワタリだろう。もしも、何か起きた時の為。
私は時計を確認する。
午前3時50分。あと少し……。
私の中が疼く。……早く、会いたい。
私は銃を背中とジーンズの隙間に差し込み、部屋を出た。
エレベーターのボタンを押す。
しばらくして開いた無人のボックスに入り、自分が降りる階が刻まれた数字を押した。
点灯したのを確認してから壁に寄りかかろうとして、冷たく硬質な感触を思い出す。
その存在を感じながら、深く息を吐いた。
>>121 捜査本部のモニタの前に、彼女が立っていた。
私は何も言わずに歩み寄る。
向き合って、見つめ合って、ゆっくりと光が満ちていく。
私たちはしばらく、お互いの存在を確かめ合うように、そうして立っていた。
繋がっていた。ずっと。
「……最後に、どうしても渡さなきゃいけないものがあるの」
そう言って彼女が2枚のディスクを差し出す。
それが何なのかは、すぐに理解できた。
「1枚は私が集めた竜崎の……Lのデータ。といっても結局素性はわからなかったけど」
「……では、何が入ってるんですか?」
「細かなデータと写真画像、指紋、声紋、その他色々」
「すごいですね」
「もう1枚はね、私の今までの仕事で集めた情報が全部入ってる。世界一の探偵なら役に立つと思うよ」
「ありがとうございます」
この二つを私に渡すということの意味も、私たちは悲しいほどにわかっていた。
「あと、ここに新しいシステムを入れておいたから、使って」
「新しいシステム……ですか?」
「うん。全世界の警察や情報機関、役所に直接アクセスできるようにしたの。
あ、でもこれ作ったの私ってことは内緒ね。皆、色々と私のことは思い出したくないだろうから」
「……わかりました」
……その為に、3日という時間が必要だったのか。
言葉を失えば、静寂が耳につく。
いつもは煩いこの場所が、夜と朝の間、昨日と今日の間の名前の無い時間に息を潜めている。
「散歩……行きませんか」
ぽつりと零した言葉に、彼女が不思議そうな顔をした。
「確か、行きたがってましたよね?」
「え?……うん……」
「近くに結構大きな公園があるんです。一緒にどうですか?」
「うん。行きたい」
彼女がいつもの子供のような人懐こい笑顔で頷く。
>>122 久しぶりに捜査本部を出て、外の世界に混ざる。
深い藍色だった空の色が少しずつ薄れていき、朝の光から逃げ遅れた星が行き場をなくして消えかけている。
公園までの長いようで短い道を、並んで歩いた。
季節と共に濃くなる影と、柔らかく澄んだ朝の匂いが、どこか懐かしい感覚を連れてくる。
「今日……晴れるね。空が綺麗だもん」
彼女が呟く。
私は、目を細めて空を仰ぐ彼女の横顔を見つめる。
そうやってずっと、私の中に美しく咲くようにその身を置いていくのだろう。
「……そうですね」
……あれほどまでに、時間が過ぎていくことの残酷さも、逃れられない大きな抑圧も知っていたのに。
とっくに諦めて受け入れていたはずなのに。
今の私は、あと少しでも……と、無理なことを考えている。不可能なことを、思っている。
……いや、不可能ではない。
その方法は、もうちゃんとわかっている。私たちは。
隣を歩く彼女の髪が、私の肩に触れる。
私の頬に、曖昧な微笑が生まれてくる。
公園の入り口から、その奥まで、綺麗に花が咲いていた。
遊歩道の脇には桜の木が見えた。
春の始まりには咲き乱れ、そして、潔く散っていくのだろう。
普段目にすることができず、それでいて使い古されてしまった風景は、目にも脳にも新鮮で優しい。
その中を、二人で歩いていく。
公園の中は早朝ということもあって、人は見当たらなかった。
それでもそこは、穏やかで平和な空気に包まれていた。
私たちは何も言葉を交わさずに、ゆっくりと公園の中を進んでいく。
あたたかい光が、満ちている。何度でも確認する。全ての音が流れていく。
>>123 公園の中心まで来たところで、彼女が立ち止まった。
一瞬、自分だけの足音が響き、慣性で足を止めた私は、ゆっくりと彼女を振り返る。
青く、白くなり始めた空がその輪郭を、儚い彼女を同じ輝きに染めていた。
「竜崎……。一つだけ、聞いてもいい?」
「……何ですか」
堪えるような表情を崩し、彼女は静かに、微笑んだ。
「私のこと、好き?」
……それはお互いを欺く為に、何度も繰り返しついたうそ。
「……いいえ……」
彼女は、しっかりと頷いた。
「うん。私も」
私も気付いていたし、彼女も気付いていた。これが最後のうそ。
……こんなに優しい気持ちで吐くうそもあるということを、私は初めて知った。
胸がざわめく。
「もうすぐ……今日が始まるね」
「……そうですね」
空の端が白み始めた。今日という一日が始まる。
止めることも、取り戻すことも出来ない。
それならば今の私は、竜崎でも、探偵のLでもなく。
一人の人間として。
今だけ、L・Lowlietとして……。
「NSAに戻ったら……あなたは……どうなるんですか?」
「……死ぬかもしれないし、死なずにすむかもしれない。でも……」
「…………」
「もう……生きるってことは……ないよ。……きっと……」
「…………」
……私たちを引き離すたくさんの抑圧。目に見えない力たち。
私たちはきっと、踏みとどまることができない。
もう時間に縋りつくのは……やめようか。
躊躇と諦めの瞬間に、今年で一番優しい風が視界を霞ませた。
流れていく木々。風に揺れる花たち。
花びらが、髪に零れる。風に攫われていく。
最後の、一片が。
「…………あ……」
今、ゆっくりと通り過ぎていく。
あと、もう少しだけ。
「……このまま、二人で、逃げましょうか……」
彼女が、泣きそうな顔で微笑む。
それが悲しくて、悲しすぎて、私は曖昧な微笑を浮かべたまま、背中の銃に手を掛けた。
終
やっと完結できました
読んでくれた方、レスをくれた方
どうもありがとうございました
改めて、まとめサイトの管理人様
本当にありがとうございました
竜崎の怒りにビヨンドは観念したのか膝を付いた。
「……お前に……お前に憧れてたから………。越えたかったから……彼女を奪いたくて……やった……。」
「……。」
竜崎はただ黙って聞いた……。
私はただ、その光景を見る事しか出来なかった。
「それでやったんですか……。」
竜崎はそう言うとカツカツと足音を立て、ビヨンドに近付いてきた…。
>>125 乙!切ない(ノД`)゜。
とても読みやすくて良い話でした!
>>126 そして壁際にビヨンドを付かせた。
「……許せませんよ。いくら知り合いでも……。」
「や……やめろ…っ!L!!」
ビヨンドは必死に抵抗した瞬間だった。
「観念しろ。」
竜崎がそう言うとビュッと足技が出てビヨンドを蹴り倒した…。
バキッ!
ビヨンドはまともに足技をくらい倒れた……。
「4月15日、午前○時○○分。暗号カード連続殺人事件、容疑者ビヨンド・バースディを逮捕。」
竜崎はそうビヨンドに言うとガチャリと手錠をかけた。
こうして、連続殺人事件は幕を閉じた――――
>>126 ※警告※
アナザーノートのネタバレが含まれています。
まだ読んで無い方は気を付けて読んで下さい。
>>128 数日後――――
「………ん…。あれ……、いつのまに?」
目が覚めるとそこは事務所だった。
ベッドの隣に竜崎が寝ていた。
「……竜……崎?」
私がポツリと言うと竜崎は目が覚めたのか
「良かった。起きましたか……。あの事件の時、意識を失ってなかなか目が覚めなかったんで心配しましたよ。」
事件……?――――
あぁ、あれか。
ビヨンドが竜崎を装って竜崎が捕まえた所までは覚えてる……。
後はどうなったかは覚えていなかった。
すると竜崎はスッと立ち、窓を見つめ言った……。
>>130 「私は貴方を守れなかった。危険な目に合わせてしまった……。」
「竜崎………。」
私は竜崎に何を言ったら良いか分からなかった。
すると
「しかし……、正義は必ず勝ちます。」
「………。」
私はただ竜崎を見る事しか出来なかった。
すると竜崎は私に近付き抱き付いた。
>>131 「私と…、結婚して……下さい。」
「……っ!?」
私は驚いた。
「近々私は海外に戻らないといけません…。私は残りたいのに………。」
竜崎は泣いた……。
行きたくない――――
別れたくない――――
私は竜崎に近付いた。
「○○さ………、んっ!?んん〜!!」
私は竜崎にキスをした――
竜崎は驚いた顔をしていたた。
「………っ。何するんですかいきなり……。」
私は勇気を出して言った。
>>215 乙!
萌え通り越して切ない・・・・・
話もうまくまとまってて面白かったです
エロもなんか切なかった・・・・・
>>132 「……幸せにして下さい……、お願いします……。」
「………っ!?」
竜崎は驚いたのか顔を赤くした……。
竜崎は恥ずかしいのか頭を左右にブンブン振り、言った。
「……世界一の幸せにしますよ。」
「言ったからには幸せにしてよ?」
私がそう言うと竜崎は長い捜査で疲れたのか床に倒れ込み、寝てしまった……。
>>134 「え……、竜崎?」
竜崎はスー、スーと寝息を立てて寝てしまった…。
私は毛布を取りだし竜崎にそっとかけ、添い寝をした。
竜崎の側にいると安心して心が落ち着いた……。
十日後、私達は海外へ行った――――
二人のその後は誰も知らない――――
正義 end
>>135 無事に完結しました(^_^)
応援してくれた皆さん、読んでくれた皆さん、まとめサイトの管理人様ありがとうございました。
137 :
コンタクト:2007/04/01(日) 01:15:03 ID:lFreXGtr0
>>125 最初はこんな切ない展開になるとは思いませんでした
長い間お疲れ様でした!
>>136 Lに幸せにするって言われてみたいw
乙です!
SS職人さん達乙です
新作のも面白かったし、キャンパスと糜爛の夜の続きも
読めてよかった。待ってたよー、続きも待ってるよー
Top〜の人、長編連載完結乙です
最後切ないよ!GJ!
わっふるわっふる!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる!
⊂彡
職人の皆さん乙です
久しぶりに沢山読むことができて嬉しい!
まとめ管理人さん乙です
仕事早い!!!
いっぱいきてた!
職人さんたち乙
SS職人の皆様乙!
みんなうまいなぁ。
>>125 乙!GJ!
ほんと切ない。
最後のシーンはそういうことなんだよな?
(´;ω;`)カナシス
最後孤独じゃなくて良かったね、竜崎
切ないけどこれはハッピーエンドなのかな・・・
>>125 涙出てきた。乙!
その女性を自分に脳内変換してLの愛を受け止めながら今夜は眠りにつくよ・゚・(ノД`;)・゚・
146 :
ほのぼのえっちさん:2007/04/01(日) 03:38:47 ID:VT4cu/wt0
>そうやってずっと、私の中に美しく咲くようにその身を置いていくのだろう。
>今だけ、L・Lowlietとして……。
ここ読んで自分は彼女だけあぼんだと思ってる。
だとしても悲しいのだが…。
スマン下げ忘れた…orz
切なかったよ、乙でした
ワタリが何げに冷酷だよね
最後も曖昧な終わり方で凄く上手いと思った
また何か書いて欲しい
私は二人ともあぼんしたと思う この竜崎は彼女一人を死なせない感じがした
>>125 乙乙
>ただ一つ、月だけがカーテンの隙間から覗いていた。
〜のくだりはライトとのダブルミーニング?ですよね。上手いなあ。
ホントに覗いてたらコワイがww
>>125 超乙でした!!
NASAとキラ絡ませられるなんて、アナザーノート書いて欲しい。
世界のトップ2人が公園で散歩っていいなあ。
で、私も自分に脳内変換するw
>>125 長期連載お疲れさまでした!乙です!!!
本当に最初から最後まで楽しめるSSだったよ。
儚く美しい終わり方で秀逸です。
私もこの後二人であぼんしたと思う。
悲しいけど、それが竜崎の幸せだったのかな…
あぁ切なすぎる。゜(ノд`)゜。
今日お花見行ってきた
竜崎と一緒に桜を見に行きたいな…
うちの近所は今もっとも身頃だよー
Lは東応大学で桜みたはずだね・・・
Lは桜餅とかも好きそうだ
やっぱり丸ごと食べて葉っぱだけだすんだろーか
「苦…」ぺろって感じで
あのコマ可愛すぎる
桜餅!
たしかに好きそう(*´д`*)ハァハァ
舌が器用だから口の中でも葉っぱ外せるのかもw
>>132 Lたんからのプロポーズ!!(゚∀゚)
LたんとまったりAV見たい・・・
>>149 おお!なるほど!言われて気付いたよ 深いなぁ。
それでその後の
>その銀の光のラインで二人を分かとうとするが、効きはしない。
にかかってくるんだね。
キラを絡ませるところも伏線回収もぬかりなくてすごい。
ラストもXデーが近いだけに切ないな・・・。
>>154 え?葉っぱって食うもんじゃないの?
でも確かに苦いわ……。
>>158 食べる人もいるし食べない人もいるみたい
わたしは剥がしてから食べる派
>>150 NASAかよw
宇宙飛行士なL妄想してしまったじゃまいかw
宇宙服でL座りw
見たい(*´д`)ハァハァ
こっちにはコラ職さん来ないのかな。
ここまで一つも出てないよね…
そうだね。
コラも待ってますです。
Lたんはいつ頃自慰を覚えたんだろ
17歳よりは前
誰もいませんね……
いちいち過疎過疎言ってんなよ
保守
マターリマターリ
わっふるんるん♪
職人さん達に触発され、自分でも書いてみました
SS投下します
短いです
ヤってるだけ
173 :
楽園:2007/04/02(月) 21:51:36 ID:jgrLkjAA0
世界から隔離されたような、その部屋。
甘く響き渡る声。
ねっとりと絡み付く空気。
荒い息遣い。
軋むベッドの音。
朝が訪れるまで、ここは楽園。
誘うような瞳に惹かれ、柔らかく口づける。
触れるだけの口づけに、もっと欲しいというように唇が開かれる。
そっと舌を差し込み、歯列を舐め、舌を絡ませ、口腔内を味わう。
「んっ・・・L・・」
その声を合図に、背中に回していた手でそっと服を脱がせる。
全て剥ぎ取り、ゆっくりとベッドに寝かせる。
恥じらうように臥せられる瞳。
額に、瞼に、頬に、唇に口づけ、首筋を辿り胸の先端まで唇を這わせる。
震える吐息に、自身が熱くなるのを感じた。
舌先で何度も先端を舐め、銜える。
指先で腰の辺りに触れると身体を震わせ、高く啼いた。
閉じようとする足を少し強引に開かせ、敏感な部分を探る。
しっとりと濡れたそこを指先でくすぐり、一番敏感な突起を擦りあげる。
「ああっ・・・ん」
漏れた声に誘われるように、指をその中に埋め込む。
狭く。熱い。
溢れ出す密を絡め取るように、掻き回す。
指を増やし、出し入れすると震えた声が私を呼んだ。
「Lっ・・んんっ・・・もう・・・・・・っ」
求められるまま自身を取り出し、入り口に押し当てる。
焦らすように、殊更ゆっくりと沈み込ませる。
「あっ・・あっ・・」
もどかしそうに捩る腰に、熱が高まる。
時間を掛け最奥まで到達すると、私の唇からも長く熱い溜息が零れた。
174 :
楽園:2007/04/02(月) 21:54:34 ID:jgrLkjAA0
>>173 一度、濡れた唇に口づけ、動き出す。
絡みつく熱に、甘い吐息に、情欲が増す。
身体中に唇を落とし、手で愛撫を施し、腰を打ちつける。
零れる声。跳ねる身体。
大きく動くリズムから、小さく刻むリズムへと変化させる。
「んっ・・ああ・・ん・・あ・・あ!あっあっあっ・・・んんっ」
動きに合わせ変わる声のリズムに煽られ、腰の動きが速まる。
腰を両手で掴み、激しく揺さぶる。
反らされる首筋に噛みつき、赤い痕を残す。
息が弾む。溶けるような快楽。
もっと感じたくて、奥深くまで打ちつける。
もっと。もっと。もっと。
投げ出された手に自らの手を重ね、指を絡める。
最奥に入り込み、そのまま突き上げる。
弓なりに仰け反る身体。きつく締め上げられる。
「はっ・・ああっ・・んっ・・も・・・だ、め・・・・っ!L・・・っっ!!」
私の名を呼び、果てる。その幸福に。
目を瞑り、白い欲望を吐き出した。
終わらない官能。
蕩けるような幸福な時間。
朝が訪れても、ここが楽園。
終わりです
>>175 乙!次回も期待してますぅ
淡々とした文体素敵です。
このスレにいるとホントにLとやってるような感覚に捕われるから困るw
179 :
祈り:2007/04/02(月) 22:51:26 ID:tYCz/2Se0
アニメ24話と明日の25話の間の話を投下します
死ネタ直前
嫌いな方はスルーしてください
捜査員が彼女設定です
180 :
祈り:2007/04/02(月) 22:52:13 ID:tYCz/2Se0
拘束された弥海砂を見張っていた私は、竜崎と夜神月とワタリの3人がヘリでほかの捜査員よりも一足先に本部に戻ってきたのを出迎えた。
キラである火口は死んだ。
それは本部で通信を聞いていた私にもわかる。わからないのは、ノートを触ると見えるという化け物、死神、だ。
「竜崎、お疲れ様です。弥に不審な動きはありませんでした。」
「そうですか。」
「それ・・・それがノート、ですか。」
竜崎が指先でつまんでいる黒いノートに視線をむけると、彼は頷いただけで捜査に使っている部屋へ歩き出した。どんな小さなことにでも律儀に返事をしてくる竜崎がただ頷くだけというのは珍しい。違和感を覚えて戸惑っている私にワタリが背後から近寄ってきた。
「少々よろしいですか。」
ワタリに話しかけられているうちに、竜崎とつながれた夜神月の姿は階段へ消えてしまう。
「はい、なんでしょう。」
「こちらへ。ついてきてください。」
巨大な本部ビルにはよく知らない階や部屋がいっぱいある。ワタリはある部屋のドアを開け、私を招き入れた。
「あの・・・?」
豪奢な生活空間。そこは弥海砂に与えられているような部屋だった。
私はワタリの意図がわからずに彼の顔に問いかけるような視線を送った。
「竜崎からではなく、Lからの伝言です。」
「あ、はい。」
「理由は後で説明するから、この部屋から出ずにおとなしくしていて欲しい、だそうです。」
「・・・どうしてですか!?」
「わたくしからはお答えすることはできません。Lから直接お聞きになってください。
他の皆さんには急病で療養中といっておきます。
何か御用があればわたくしにお申し付けください。
申し訳ありませんが部屋の鍵はかけさせていただきますから。」
ワタリはそういうと部屋をでていき、電子錠が下りる音がする。私は呆然として部屋の中で立ち尽くした。
181 :
祈り:2007/04/02(月) 22:54:29 ID:tYCz/2Se0
>>180 どういうことだろう。訳がわからない。
ほかの皆は今何をしているんだろう。どういう状況なんだろう。
こんなに急に強引に捜査から引き離され、私は気が狂いそうだった。
火口が死んでしまったとはいえ、殺人の手段であるノートを確保した。
捜査は佳境に入ったというのに、私だけが何も知ることもできずにここに閉じ込められている。
私だって真剣に捜査に関わってきた。
私の意志も聞かずに閉じ込めるなんて、こんなのただの監禁だ。
理由は後で説明する、と伝言はされたけれど、
Lはとうとう火口逮捕の夜もその翌日も姿を現さなかった。
物質的な不自由は何もない。でも私の精神状態はあっという間に限界に近づいていた。
監禁されて三日目。
電子錠が開く音に、どうせワタリだろうと思いながら視線を走らせるとLがたっていた。
「竜崎!・・あ、れ・・・月君は?」
Lの右手には手錠もなく、夜神月の姿もなかった。
「夜神月は開放しました。」
Lは不愉快そうに少し眉を寄せて、そういった。
「そんな・・・疑いは晴れたの?何があったの?ノートは?どうして私を・・」
こんな状態に置かれて、言いたいこと、聞きたいことは山のようにある。
関を切ったように矢継ぎ早に質問しかけた私をLは手で制し、座ってください、といった。
Lは要領よく、火口確保の際にあったこと、死神のこと、ノートのルール、
夜神月を開放せざるをえなくなった事情などを説明してくれた。
「13日のルール・・・。じゃあ夜神月と弥海砂は本当に・・・」
「それはルールを検証してみないとわかりません。私はやるつもりです。」
「そう・・・」
「ルールは一つ一つ検証してみないと信じることなどできない。
ですが今言ったように、ノートを触ったものは死ぬ可能性があるんです。
それにノートは二冊あります。もう一冊の行方もわからない。危険です。
あなたは決して近づかないでください。ここにいてください。」
Lは捜査報告を説明しているときと変わらぬ表情と口調でそう続けた。
だがその内容は驚くほど感情的で理不尽なものだ。凡そLらしくない。
「な・・・なにいってるのL。馬鹿言わないで!」
私は思わず椅子から腰をあげ、立ったままだったLに向かい合った。
182 :
祈り:2007/04/02(月) 22:56:00 ID:tYCz/2Se0
>>181 「勝手なことをいっているのは判ります。あなたの気持ちも言いたいことも判ります。
でも、今回は私、絶対に引きません。あなたのいうことも聞きません。
決定事項です。私の言うことが聞けないのなら、弥のように拘束します。」
相変わらず淡々とした表情でまくし立てるLに私はたじろいだ。
Lはおかしい。いつもと違う。
自分のことでいっぱいいっぱいになっていた私はようやくそれに気づいた。
どう反応してよいかわからず躊躇ったままLを見つめる私に、
彼はかなりの沈黙を挟んだ後に口をひらいた。
「私は近日中に死ぬかもしれません。」
足元から酷い悪寒が這い上がってくる。
がくがくと膝が笑い出すのを私は抑えられなかった。
馬鹿なことを、といいたい。だけどLが何の根拠も無く、こんなことをいうはずもない。
彼の頭の中では、自分のことも他人のことも同じように冷静に推理が組み立てられ、その結論なのだろう。
Lは震えている私の体に手をかけて抱き寄せた。その時、私は愕然とする。
震えている。
Lの体も、微かに震えている。
怖いんだ。
自分のことも冷静に推理の範疇だなんて考えた私はなんて残酷な人間なんだろう。
自分が死ぬかもしれない。
そんな可能性を考えて冷静でいられる人間なんているはずないのに。
「可能性、です。可能性ですよ。確率は・・・」
「やめて!!やめてよっ!!」
私は悲鳴を上げてLを力いっぱい抱きしめた。
「そうですね。自分の死ぬ可能性を確率で表示するなんて悪趣味ですね。」
すみません、と謝った竜崎の体は、もう震えていなかった。でも私はまだ震えている。
私の悲鳴で中断されて口にはしなかったけど、彼の頭のなかで数字はでているのだろう。
神様はなんて残酷な頭脳を彼に与えたのだろう。
183 :
祈り:2007/04/02(月) 22:57:27 ID:tYCz/2Se0
>>182 「私が、何を考えているかわかりますか?」
喉がひりひりと硬直して声がでず、私は緩く首を振った。
「どうしても、あなたを危険に晒したくないんです。
だからここにいてください。ノートには触れないでください。
私ただでさえ焦っているんです。
そこへあなたのことが気になっては、もうとても冷静ではいられません。
それでは・・・私の死ぬ確率も上がってしまいます。だから。
だから私のためにここにいてください。私の言うとおりにしてください。」
「・・・ずるい・・・ずるいよ・・・ずるいL・・・」
なんどもずるい、と泣きながら胸を叩く私をLはただ抱きしめていた。
「あなたが・・・泣くのは初めてですね。泣かせてしまいました。」
「今日だけ、今、だけっ・・・だって、だって竜崎は、
死・・いなくなったり、しないんだからっ・・・泣くことなんて、な・・・い」
歯を食いしばって嗚咽を止めようとしたけど、どうしても止まらない。
震える歯が唇を切り裂いたのか、鈍く錆びた血の味がした。
「駄目ですよ。」
Lはぺろりと血の滲んだ私の唇を舐め、唇を重ねてきた。
何度も、何度も、角度を変え、唇を合わせ、舌を絡める。
それはいつもの快感を押し上げてくる性的なキスではなく、
ただお互いの存在をより感じあい、確かめあおうとするような優しいキスだった。
私たちはどれくらいキスをしていたのだろう。
ようやく止まった私の涙の跡をそっと指でたどりながら、Lはつぶやいた。
「苦しい思いをさせてすみません。」
184 :
祈り:2007/04/02(月) 22:58:05 ID:tYCz/2Se0
>>183 やっぱりLはずるい。
私だけ安全なところにいるなんて嫌だ。捜査を続けたい。すこしでもLを助けたい。
でも自分のほうがもっと苦しいくせにそんなことを言われたら、
私は彼のいうとおりにしてあげることしかできない。
「幸い、というか、夜神月の拘束が終わったので、会いに来ますよ。」
「ん・・・」
不安で張り裂けそうな胸を押さえながら、私は精一杯なんでもない顔をして頷いてみせた。
ここで、この部屋でおとなしく待っている。訪れるLをなんでもない顔で迎えてあげる。
私にできることはただそれだけなのが、たまらなく悔しかった。
「待ってる、よ。」
「大丈夫です。私だって死にたくありません。
あなたがここで私を信じて待っていてくれるから、頑張れるんです。
待つことしかできないなんて、思わないでください。」
Lは私の考えを見透かしたようにそう囁いた。
早く事件が解決すればいい。今が笑い話になればいい。
あの時二人で深刻になったよねって話せる日がいつかくればいい。
あなたを信じて待っているから。
ずっとここで待っているから。
だからL、どうか無事で。
おわり
乙です〜!文、うまいですね。だから余計せつなさが
伝わって・・・泣
L、無事生還バージョンにしてもらえたら・・・なんて
思いました・・・
自分が愛したキャラをみんなが愛してくれる。
幸せな事ですね、L。
>>184乙です
切ない・・・
わたし関東です
今夜です・・・・・・・・・
わたしも関東です。
ここで寂しさを紛らわせますが・・・
今日は泣いてしまうかもしれません・・・
189 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:22:40 ID:NvGV0JfPO
Xデー前の話です。苦手な方・大場さんタイプな方は気を付けて下さい。
190 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:24:20 ID:NvGV0JfPO
グラッ
ガタァン!!
「痛っ!」
竜崎が椅子から落ちた。
「竜崎、大丈夫!?」
私が駆け寄り、頭を撫でようとしたその時だった…。
「……っ!?」
竜崎の顔色が悪い。
おまけに隈が更に酷くなってる………。
気のせいかと思ったが何か違う………。
「竜崎、最近寝てる?」
私がそう聞くと竜崎は立ち上がって
「大丈夫です……。すみません………。」
と言い、椅子を直して資料を取りに行った。
191 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:29:37 ID:NvGV0JfPO
>>190 フラフラ………
おかしい―――
竜崎はフラフラしていた。
疲れているのかと思い、私は竜崎に「少し休もう。」と言おうとしたその時だった。
ドサッ!!
「……っ!?竜崎!?」
竜崎が倒れた。嫌、ガクンと膝を付いた。
「竜崎、具合悪いなら休みな。」
「……い。」
竜崎は震えていた……。
「……怖い。」
「え?」
私は何が怖いのか分からなかった。
192 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:35:00 ID:NvGV0JfPO
>>191 「何が……怖いの?」
私は竜崎に聞いた。すると
「近々……死ぬかもしれません」
「………っ!?」
死ヌ?――――
竜崎ガ?―――
何デ―――――――
私は血の気が引き、膝を付いた。
「殺人……ノートに………。」
竜崎は酷く震えていた。
私は分かった………。
193 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:41:13 ID:NvGV0JfPO
>>192 火口を確保し、『DEATH NOTE』の存在を知ったからだ。
いつ書かれてもおかしくない――――
本名は見られてる―――
だから竜崎はその恐怖で寝れなかったんだ……!
「だ……嫌……だ……。」
竜崎がそう呟いた瞬間、恐怖に耐えきれなくなったのか意識を失った。
194 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:47:40 ID:NvGV0JfPO
>>193 「竜崎?」
竜崎はグッタリと床に倒れた。
私はワタリさんに事情を話し、夜神局長が竜崎を寝室へ運んだ……。
195 :
覚悟:2007/04/03(火) 10:54:14 ID:NvGV0JfPO
>>194 夜――――
竜崎はまだ目が覚めなかった……。
よほど疲れと恐怖が溜っていたのだろう。
「竜崎………。」
私が知らない間にこんな覚悟をしてた何て………。
何で早く言わなかったんだろう?―――
何で私は早く異変に気付かなかったんだろう?―――
すると竜崎が「んん……っ。」と苦しそうな声を出した。
悪夢にうなされてる?――
私はベッドに潜り込み、竜崎を抱き締めた……。
「……××……さん……?」
竜崎が微かに目を開けた。
196 :
覚悟:2007/04/03(火) 11:02:04 ID:NvGV0JfPO
>>195 「大丈夫…、竜崎を死なせない。私が守る……。」
私は竜崎の恐怖が少しでも無くなるように強く抱き締めた………。
すると竜崎は
「……××さん……。死にませ……Zzz」
「あ……。」
竜崎は安心したのか寝息を立てて寝てしまった。
私はそっと髪を撫で、キスをした………。
「ん……っ。」
「大丈夫だよ……。」
私はそう言い、頭を撫でて部屋から出た――
覚悟はした――――
竜崎のためなら犠牲になっても良い――――
命に変えてでも――――
竜崎ヲ守ル―――――
END
┌┐
┌―┘└―┐
└―┐┌―┘
┌――┘└――┐
└――┐┌――┘
.|\|..|
\ \
|....|\|
|..|
┌――――‐┴┴‐――――――┐
| |
| L=Lawliet |
| |
| ここに眠る *.@*`
/^└――――――――――― 。*。@`*@_`@*
/ /⌒ヽ@。*。`
/ /___)*@ `
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ |
| 2007.04.03 |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>197
らめえええええええええ―――!
, '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::、::::::::::::::::':::、、,__
_ィ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::\ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ー-.
_ィシ='7:::〃::::ィ''|!i:::!i::,::::::、::::::ヽ::::::':,',、;,:::::::::::::::::::::ンッy、,_
´" /::::::/:::/,.-ャj:::l 'i!';::::i\::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''==-''
,.シィ::::::::ソ !. (::)リ! ヘ',:::l,,、ヌ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
〃 シi::::::::l `""゛ ` 'リ (:::)ヤ、:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
' ' .l::::::::l ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::', 魂が通りますよ
i::/l::::! ヽ 、 l:::::::::::::::'::::::::ッ::::::',
l/ !:::'、 ァ、. !:::::::::::::::::ォ:::::!';::::::',
. ,!. |/ ';、. ヾミ.`j ,イ::ァ:::::::::::::::i '、::',ヤ::::、
" . ';ヽ ,、y'´ /シ l::::::ヽ:::::l ヾ; ゛丶
'|!`=tー:::'"/ /' ハ::;::::il!';::!
. 'i::: ' リ ソ ヽ'リ、
!'i j ~ヽ
リ 、 / ―ー '''"""f,
/ _冫'''~ ',
/ ´ ,、  ̄~ ヽ 'i
l!~ / ヽ. !
ソ. / ン 、 ', l
/ / / ', ', 'i
/ ' / i. ', l
>>197 何度死のうとも、Lはあなたの胸の中に…
漫画で消えてもアニメで帰ってきます。
アニメで消えてもDVDで帰ってきます。
DVDで消えてもグッズやゲームで帰ってきます。
竜崎は消えても、新一になって帰ってます。(声が同じ)
新一の声優さんと一緒なのは知ってるが全然違うとオモ
Lの声のが低音やるき無しボイスだね
やってるだけ投下します
>>205 私は彼女の両手に手錠をかけ、さらに腕を頭の上に上げさせベッドの宮部分にひっかけて固定した。
これなら顔を背ける事もできないし、恥ずかしがって体を隠す事もできないだろう。
「っ、やだっ。何するの?」
「見ての通り手錠をかけました。あなたはそこから腕を動かせません。」
「や…はずしてっ…恥かしいよ…」
「ああ…いいですね。興奮してきました。
あなたはいつも感じてくると体が逃げる癖があるので…。…今日は逃がしません。」
「Lっ…?」
私は自分の服を脱ぎ、彼女の足を開かせると
足を閉じる事ができないように間に自分の体を挟み入れ、全裸の彼女を見下ろす。
彼女のやわらかそうな白い肌とは不釣合いな、自由を奪う無機質な鉄の鎖が私を欲情させる。
少し怯えたその眼差しが私を軽蔑しているのかと思うとますます興奮した。
「そんなに怯えなくても大丈夫ですよ、酷いことはしませんから。」
そう言って彼女を安心させ、くちづけてやると、彼女はほっとしたように言った。
「だったら…。お願い…いつものようにして?…」
「だめですよ。たまにはこういうのもいいでしょう?」
彼女の返事を待たずに腹部をそっと指でなぞると、
何か言い足そうにしていた唇が閉じられ、体を震わせた。
そのまま覆いかぶさり、耳元で愛の言葉を囁きながら熱い息を吹きかけると
彼女の口から吐息が漏れた。
私はその吐息すら吐かせないように唇を塞ぎ、彼女の腕から脇に指を這わせ
胸の膨らみを揉みしだくと、快感を塞き止められた唇が苦しそうに動く。
唇を開放してやると同時に、彼女の口から荒い呼吸と声が漏れる。
「気持ちいいんですか?」
「……ぁっ…ん…気持ちいい…」
「あなたは感じやすいですね。そして恍惚の表情がとてもいやらしいです。」
彼女の胸の膨らみの上で主張する突起に舌を絡める。
舌で転がしながら時折歯を立ててやると彼女の頭の上で手錠がガチャガチャと金属音を立てた。
胸を愛撫しながら彼女の太ももをさすり、局部には触れないように十分焦らしてやると
我慢できなくなった彼女が口を開く。
「はぁ…っ、L…そんなに…意地悪しないでっ」
「…あなたのほうからお願いするなんでめずらしいですね。
興奮しているのは私だけじゃないようです……」
私は彼女から体を離し、足を大きく開かせ秘部を視姦する。
十分すぎるほど潤った部分から溢れ出る蜜を指先で掬い取ると、透明の糸を引いた。
>>206 「いつもより、濡れてますね…。」
「そんなに見ないで…」
「だめですよ、足を閉じたら。見てください、こんなになってます。」
「や…」
自分の指に絡みつき、糸を引いた蜜を彼女に見せつける。
恥かしさのあまり顔を背けようとしていたが、上に上げた両腕が邪魔してもどかしそうだ。
私は彼女の秘部に指を当て、ヒダの周りから突起部分を念入りにくすぐった。
淫猥な音と手錠の音が奏でるコンチェルトに、彼女の声が入る。
こんな曲ならいつまででも聴いていたい。
焦らしていた指を中心部へと当てると、とめどなく溢れる蜜が膜を作っていた。
ゆっくりと奥へ指を進入させると、彼女の体が仰け反り、濡れた声を出した。
「あっ…あぁ…っ」
「熱いですね…中…吸い付いてきますよ…この音、聞こえますか?」
軽く指を動かし音を聞かせてやり、昂揚した彼女の顔を見ながら奥まで指を埋める。
伸縮した彼女の中で指を踊らせると、彼女は体をよじろうとしたが
両腕の自由を奪われていてうまく逃げ出せないようだ。
想像していたとおりの反応に私は口元を緩ませる。
彼女の膝を押さえつけ、指を激しく動かした。
身動きが取れず、一番感じる部分を執拗に刺激され冷静さをすっかり失った彼女は
激しい呼吸と共に嫌がるそぶりを見せながら暴れようとする。
手錠の鎖が激しい音を立て、彼女の中が私の指を締め付けてくる。
「…イっていいんですよ」
「ダメっ…あっ!あぁっ、や…ぁああっっつ!」
どくり、と彼女の中から蜜が溢れ出た。
私の指を締め付けていた中はビクビクと震え、収縮を繰り返す。
ぐったりと力の抜けた彼女を見ると、大きく呼吸をしながら果てていた。
彼女の方へ顔を寄せ、唇を重ねてやる。
「気持ちよかったんですか?」
「はぁっ…はぁ…っ…」
「いつもより感じてるみたいですね…私も気持ちよくしてください…」
>>207 まだ力の入らない彼女の膝に手をかけ、滴り落ちそうな蜜の中に自身を沈めていく。
粘り気のある愛液に包まれ、膨張した彼女の内壁をこすり上げると同時に
私の全身に快感が迸り、思わずため息が漏れる。
「くっ…すごい締め付けです…ね…さっきイったとは思えないくらいです…」
「・…ぁあ…ん…っ」
一度奥まで突き入れ腰を動かし始めると、彼女は手錠を引き寄せるようにして
自分の体を動かそうとした。
「だめだと言ってるでしょう…いけない人ですね」
私はだんだんと激しく突き上げながら、彼女を引き戻し腰を持ち上げた。
逃がさないようにしっかりと押さえつけ、とっくに奥まで突き上げているにもかかわらず
一番奥に直接当たるような角度へ調節する。
「あっ…だめっ!そこはあぁあっ!…」
ぐいぐいと締め付けてくる彼女の中がぴったりと私を咥えこんで放そうとしない。
私はそれに答えるように何度も強く突き上げる。
今度は彼女の膝を持ち上げ、壊れるほどに何度も突くと彼女は掠れるような悲鳴をあげ
私の動きに合わせて喘ぐ。
「ハァッ…中に…出しますよ……」
「んっ…あ…っあっ…して…中に…ああああっ!ああっ!」
私は、絶頂の波とともに勢いよく彼女の中に全てを出した。
彼女はそれをすべてその体で飲み干し、果てた。
終わり
では、実況行って来ます。
('A`)
>>208乙!
(*´Д`*)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ
中田氏していいよLタン
>>208 乙。エロGJ。
アニメの演出は狙いすぎて異常
Lたんに膝枕してほしい
あーぽっかりと空洞が
この空洞をどうにかここで埋めています・・・
が・・・・・・・・
空洞すぎて酔っ払って書いた。
完全ネタのMLです・・・
私は情報力を駆使し、都内のある優良店を発見した。
『あなたのオナニー見せてください。ソフトMの方も大歓迎』
そもそも弥が悪いのだ。私にむかって変態などと・・・
あの時な・・何か…気持ちが良かった。
もっと言われてみたい……?私が…本当に変態……?
しかし一度疑いだすと、追求しきらねば気が済まない私は今日ここに来た。
今まで培った他人を見抜く眼力を120%使い、写真の中から女性を選んだ。
そう、彼女なら私のまだ開発させていないマゾヒズムを
段階的に開発してくれるに違いない。
私は緊張で早くなる心臓の鼓動を、完璧なポーカーフェイスでやりすごし、
さも慣れている風を装いカーテンで仕切られた個室に入っていった。
すみません、需要があったら続き書きます・・・orz
書くならエロパロのがいいかと
219 :
糜爛の夜:2007/04/05(木) 01:33:10 ID:7IOOKc5d0
>>79 針を刻む時計の音が脳に木霊している。
私はこの音が大嫌いだった。
暗闇の中でリズムを刻むそれは、朝の訪れを刻一刻と進めて行く。
機械的な朝。退屈な朝。様々な感情が交錯する。
大き過ぎる枠の中で、ちっぽけな存在に過ぎない自分は、何の意味を成すのか。
探偵という一つの名を捨てれば、誰も私のことなど構いやしないだろう。
私という存在を。知ってくれる人はいるのだろうか。
偽りの存在では無くて。私自身を。
「……手大きいね…指も細くて綺麗…」
「…起きてたんですか?」
まどろんでいる私の手に彼女の細い指が絡まった。
彼女の瞳も同じように眠そうで、零れた声も甘ったるい音だった。
柔らかいベッドの中で確かな温もりを感じる。
余りに心地よくて、このまま眠ってしまいそうだったが、私はベッドから降り、
名残惜しそうに絡み付く彼女の手を払い除けると、散らばった衣服を取った。
「帰るの?」
「……もうすぐ朝なので」
「まだ…2時過ぎたとこじゃない。夜はこれからだよ?一緒に飲もう?」
「…いいえ。もう朝ですよ。0時を回れば」
暫し沈黙が流れる。
背後で流れる空気が、彼女の感情を黒く取り巻いてるようだ。
重く澱んでいる。欲望が、渦巻いていた。
「……もし…わたしが、行かないでって縋ったらどうする?」
「………面白い例えですが…貴女はそんな事しませんね。絶対。
むしろ、縋って泣くのは私の方だと思っている…」
背を向けていた私は、ゆっくりと振り返った。
艶かしい肌は半分シーツに覆われており、
乱れた髪を掻き揚ると、彼女は煙草に火を付け深く紫煙を吐いた。
先程まであった少女のような儚く艶美な顔は消え失せており、
毒婦さながらの怪しい仮面に掏り替わっている。
初めて見る彼女の浅ましい表情に、人間の醜い感情が垣間見えた気がした。
私の思考がまた一つ揺さ振られる。
それは捜査の一貫としてでは無く、私の胸中がそう訴えていた。
220 :
糜爛の夜:2007/04/05(木) 01:35:53 ID:7IOOKc5d0
>>219 「……そうよ。わたしに泣いて縋るのは貴方の方よ。
なのに、どうして?……おかしいじゃない」
「……何が、ですか?」
「こないだから感じてたけど…ずるいわ……貴方は。
そうやってわたしを試してるんでしょ…?」
「………」
「…嵌るのは…貴方の筈よ……。どうして?……」
煙草の苦い香りと、その煙が部屋中を陰険に取り巻いている。
眉を顰め、唇を噛み締める悔しげな彼女を部屋に残し、私は部屋を後にした。
彼女には何も告げずに。
彼女のシナリオではそうだろう。泣いて縋るのは私。いや、男の方。
しかし、私は違う。
違う振りをして彼女の胸中を深く探り、これまでとは異なった感情を抱かせてやる。
これは、ある意味賭けであった。
一歩間違えば、彼女は離れて行くだろう。
手に入らないもどかしさは、いつしか無に変わり興味を成さなくなる。
まるで初めから無かったように、知らなかったように、私の存在は跡形も無く消えるだろう。
まだ夜が明けないうちに捜査本部へ戻ると、ワタリだけが残っていた。
私の様子を諭してか、酷く甘ったるい紅茶を注いでくれると、
彼女について調べた資料をワタリは差し出した。
「…今まで…彼女は特にマークしていませんでしたが…。
どうやら…Lの予感は当たってるようですね」
全て聡明に諭したワタリだが、つくづく思う。
本当に私のことを良く理解していると。
「ああ。これは私のミスだ。初歩的な。
まさか女を使って薬を売り捌くとは…。
ここまで膨れ上がった組織が取る行動とはとても思えない。
だが、奴等はその盲点を上手く付いたんだ。…もっと…早く手を打っておくべきだった」
「………彼女は週に2度出入りしています。
時間はバラバラで、必ず、組織の中心となる男の側にいますね。
……L。…彼女を……確保…しますか……?」
ワタリの声が語尾に行くにつれ、小さくなっているのが分かった。
それは私の心情を過敏に悟ってのことか、
私でさえ知らない私をワタリは良く分かっている。
だが、余計なお世話だ。決めるのは全て私なのだから。
221 :
糜爛の夜:2007/04/05(木) 01:37:57 ID:7IOOKc5d0
>>220 「多分、次か。その次か……。彼女は必ず私を使うだろう。
どんな事があっても。……逆らえない筈…。
その時はホテルに盗聴器を付けてくれ…。
全ての証拠となる彼女の言葉を記録する……」
「…………。L………。良いんですか………?」
……良い?何がだ……?
全ては捜査の一貫なのだから。最初から決まっていた事だ。
危惧することは何一つ無い。今までもそうだったし、今現在も。これからも。
何も変わる事は無いし、変えられない。
探偵Lとして、確実に事件を解くこと。それが、私に課せられた私の人生。
「……ワタリ。余計な事は言わないでくれ」
残っている紅茶を飲み干すと、私はけだるい体を引き摺りながら寝室へと向かった。
ここ最近まともに眠った記憶が無い。
直ぐにベッドに入ると深い睡魔に襲われ、私はそのまま意識を手放した。
「ん……」
カーテンの隙間から除く光が酷く煩わしく、その眩しい太陽光が眠りを妨げた。
すっきりしない頭を回転させるべく、
バスルームに向かうが、側にあった時計を見て私は唖然とした。
もう、昼過ぎだ。私は相当深く眠っていたらしい。
急いでシャワーを浴びて着替えると、昨夜から放置したままの携帯を取った。
着信がある。
眠っていた間も、着信音に気付かないとは相当疲れていたらしい。
相手は――彼女からだった。
222 :
糜爛の夜:2007/04/05(木) 01:40:47 ID:7IOOKc5d0
>>221 「……もう、会ってくれないかと思いました……」
Bホテルの一室で、私は彼女が淹れてくれたコーヒーを一口啜った。
あの後、折り返し電話をかけたところ、彼女は「逢いたい」と電話越しに小さく呟いた。
ただそれだけだった。
どうやら、私は賭けに勝ったらしい。
どんな形にせよ、深く印象を残せば誰しもその相手が気になるし、半強引にでも知りたいと思うだろう。
それに加えて私の取った行動は、少なからず彼女のプライドを傷つけた。
しかし、…これはミスに繋がる一歩手前の不完全な賭けに過ぎない。
彼女が本気になれば、決定的な証拠も掴めない恐れがあるし、彼女は隠す可能性もある。
「……どうして?」
「……こないだは貴女に酷いことを言ってしまいましたから…。
もう嫌われたのかと……」
消え入りそうな声と、業と伏目がちにして、悲壮感を煽る感情を作り訴えた。
しかし、彼女は私が思っていた以上に頭の回転が早く、そして醜悪だったと思い知らされる。
口角を上げると、悪魔さながらの笑みで細く笑んだ。
「……嘘でしょ?全部。……上手いわね。嘘付くの。とても演技だとは思えない。
でもね、わたしは騙されないよ?
……今まで散々酷い目にあったし、世の中の吸いも甘いも良く知ってるの。
……貴方は若いけど…若いのに…可哀想ね。
……嘘で塗り固められた…ううん…。
…嘘を肯定するような生き方しか出来無いなんて。哀れだわ…」
……嘘を肯定するような生き方――?
それは探偵としての生き方か、私自身の生き方か。いや、両方か。
嘘で塗り固められた哀れな私と、そして孤独しか無い私。
彼女も同じ筈なのに……。いや、私以上に。しかし――。
金縛りにあったように体が重いのに気が付いた。
彼女の言葉は心意を付いていた。とても。
たった一言だが、全てが語られているようだ。
胸が酷く締め付けられるような感覚と、喉が急激に乾いて行く感覚を覚える。
言葉も出なかった。
誰も知らない私を、私自身を鋭敏に溶き解すようなその一言は、
私を戒めるには十分過ぎる程で。
いや、きっとあの夜から気付かないだけで、ずっと彼女に縛られていたのだろう。
気付かない振りをして、冷静を装い、奥深くに蓋をしただけだ。
ワタリの言動が虫生に苛立ったのも今では分かる。違う。
それも分かっていたが素知らぬ振りをしただけに過ぎない。
……私は、もう戻れ無いのだから。だから、もう止めて欲しい。私を狂わさないでくれ。
223 :
糜爛の夜:2007/04/05(木) 01:44:21 ID:7IOOKc5d0
>>222 「……どうし――っ」
私の動揺する様を見てか。
いや、表情こそ崩して無いものの悟ったのだろう。
彼女が顔を寄せ、覗き込んで来た。甘い香りが鼻腔を擽る。
私は息も付かぬ速さで彼女の手を取ると、そのままベッドに組み敷いた。
揺れている彼女の体に体重を掛け唇を塞ぐと、
今までに無い乱暴な手付きでスカートを托し上げ、
まだ濡れていない彼女の中に抉るように自身を突き立てた。
「いっ…ああ…っん…つ――」
乾いた内部は私を窮屈に締め付け、軽い痛みが走る。
それでも、彼女が悲痛に喘いでも。身を捩って泣いても。
私は止めなかった。
拒絶する彼女は酷く扇情的で、嗜虐心を煽る。
こんな状況下と思考を持ってしても、私の欲は駆り立てられるばかりだった。
そして、全ての憤りともどかしさをぶつけるように、
華奢な体に腰を強く打ち付け、獣さながらに彼女の肌を貪り、痕を刻んで行く。
舌を落とし、また吸い上げる。
赤く鬱血したそれは、白い肌の上で一際美しく咲いており、
私に蹂躪された証拠として暫らくの間残っているだろう。それは私の物と化したように。
「あっ…いや…ど…したのっ?……やめてっ…こんなのっ…」
「……貴女が…余計なことを…
…言うからですよ…。少し…っ…黙ってて…くれませ…んか…?」
結合部から鮮明な血の赤が滴っている。
乾いた内部を何度も擦り上げられ、切れたのだろう。
酷く痛々しいが、その所為で水気を帯びて、痛痒だったそこは快楽に包まれて行った。
皮膚が縺れ、吐息が交じる。
何度も角度を変えては唇を求め、彼女の喘ぎを掬った。
壊れるまでやればいい。要らぬ雑念など捨ててしまえ。
一度始めたゲームはもうリセット出来無いのだから。
こんばんは。糜爛の続き投下しました。
多分、次か。その次で終わらせます。
長くて本当すいません。
>>224 乙、GJ!
文章が本当に上手だなぁ。
長くても全然苦にならない。
続き楽しみにしてます。
>>224 乙!待ってましたー
読んでてドキドキする
長くてもいいよいいよー
続きを待つ楽しさというのもある
わっふるわっふる!!
乙!!
文章一つ一つにぞくぞくする
続きもワクテカして待ってるよー
>>224 糜爛きてた乙です!!
最後の方のL(*´Д`*)'`ァ,、ァ
本当に上手い。
続き楽しみにしてます。
25話みてから妄想するネタの内容が25話に引きずられてしかたない・・・
ここはやっぱエロい話でないと駄目なんですかね?
読み手の一人としてはエロい話がいいです
了解です
エロはあまり得意ではないのでやめときます
夢系だけどあまりエロくない話を投下できるスレはないですよね?
もしあれば教えてください
萌え系おkですよん
ただ、投下する前に一言エロか萌えかを書いたほうがいいと思いますぅ
>>233 別にエロなくても平気だよ
極力エロ中心でって
>>1に書いてあるから、駄目ってこたーない
自分はエロなしもたまには読みたい
いや、エロ大好物だけどもw
さぁ、わっふるわっふる!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる!
⊂彡
わっほーわっほー!
>>233 夢系いいね
読んでみたい是非
投下待ってます
エロ無しでも全然OK
話が面白ければぶっちゃけ何でも良い
面白ければですか(^_^;)
プレッシャーですね
期待に添えるよう頑張ってみますが
時間かかると思います
1を踏まえた上で自分が萌えるものを書けばよろし
プロじゃないんだしあまりプレッシャー感じる必要ないよ
わっふる!わっふる!
投下してくれるなら何でも良いよ
色んなSS読みたいしね
こっそり続き投下します…
244 :
キャンパス:2007/04/06(金) 17:25:09 ID:WNYxxWBe0
セフレ生活は2回目までは良かった。
「あ、こんにちは。」
流河が白々と狙ったように、突然現れ並んで歩く。
SEXしてしまった後、並ぶ距離が近くなった。
「そろそろ梅雨ですから外で出来なくなりますね?テニスコートの裏、行きません?」
身長差のある彼がわざと上から私の髪に口唇を寄せ、小声で秘密の様に言う。
たまにしか学校に来ない癖に、他人の居ない場所を把握していた。厭らしい。
私は大人になった気分で、割り切ったHと、隠れて学校でするスリルを楽しみ
流河は私の身体を隅々まで開発した。
お菓子を持て遊び、食べ尽くすように。
でも、まったくSEX以上に近づかせてくれない彼に対してどんどん本気に
なってしまった私は、子供で、心が弱かった。
狭い教室の中、3回目でもう、すぐには聞かないつもりだったことを聞いてみる。
「私って流河の何?」
「もう来ましたか…。あなたなどが私のことを好きだったら
…私だって欲しいんです。抱きたいです。駄目ですか?」
「でも、要は学校に来たついでに私で抜いて帰ってるだけだよね?」
「そういうことにもなります。」
「私は風俗か。」
「金銭は払っていませんのでそれは少し違いますね?」
「じゃあ、払って。」
「わかりました。幾らですか?私、お金持ちですので幾らでもいいです。」
「やっぱりいい。」
そこまで割り切った関係に堕ちる位なら、このまま愛情を弄ばれていた方がマシだ。
「…他に質問は?」
「私が流河の彼女になれる可能性ってあるの?」
「…可能性はゼロではありませんが、今のところあなたをそうするつもりはありません。」
実は今、本気で女性を愛するつもりもないのかもしれません。」
私を怒らせるつもりなのかとも考える程にはっきりと言われ、
ただショックで黙り込んだ。
怒りというより、流河のずうずうしさをむしろ好きになってしまっていただけに
複雑に切ない。
245 :
キャンパス:2007/04/06(金) 17:26:32 ID:WNYxxWBe0
>>244 一瞬の沈黙の後、流河の両手が私の頭にのびた。
軽い力で逃げ道を与えながら、自分のジーンズの膨らみに私を押していく。
また試されながら、私はそこにやはり口付け、また堕ちた。
彼の剥き出しに勃起されたものが目の前に出しつけられる。
完全に喋るのを止めさせられ、口に含ませられる。
腰を少し動かし、完全に固くして出す。
彼は自分の親指を舐めると、私の中に挿れて来、浅くかき回して出した。
その親指を私の口元に持ってくる。
…私は、自分の液体を犬のように舐めさせられた。…不味かった。
そして親指だけでは物足りなくなり、思考を止め、挿れてもらいにいく。
十分過ぎるほどの愛撫をくれた。
冷たい床に倒され、正常位でする。
私の僅か後で流河がイった。
流河もイく直前の数秒、理性を失う時間がある。その時間が好きだった。
その時だけは完全につながっている気がした。
そして、ほんの少しの余韻で、すぐにジーンズを直し始めた。
「…私のこと、嫌にならないんですね……
学校…楽しいですか?」
「え?流河が居ないからつまらない。」
流河は短く、少し強めにキスして来、
「では、急ぎますので…すみません。」
と言い帰ってしまった。
246 :
キャンパス:2007/04/06(金) 17:27:55 ID:WNYxxWBe0
>>245 流河が酷いことを言い、私は愛情と欲で手中に堕ちる。
彼が単にSなのか、それとも何かを試していたのか、
それとも無意識に寂しかったりするのか。
それが見極められれば、もう少しがんばれたかもしれない。
しかし彼の本心は私には読み取れず、ただ私の事を本気で好きではないとだけ感じる。
彼が家に帰って、私の事を考えることは無い…ということだけを直感する。
毎日気合を入れてお洒落をし待ち、空回りし、私は疲れてしまった。
自暴自棄になって来、彼との関係を絶った方がマシかもとも考え始める。
たった5回目で、
私は流河のセックスフレンドから脱落した。
人間不信気味になり、急いでいる流河に、SEXを始めるのを引き伸ばし
八つ当たった。
「私のこと愛してる…?」
「大切にしています。」
「嘘だあ?」
「もう限界ですか……。」
流河が頭を撫でてくるのを振り払った。
彼は、振り払われるがままに、冷静に私を見届けた。
「私って何?」
「…私のもの で嬉しかったです。」
「ずるい」
「はい。」
「流河って誰?」
「私ですか?え…とLです。」
「そんなの皆言ってるし。むしろキラでしょ?」
「はい。」
「今私のこと何パーセント好き?」
「70%です。」
「嘘、0パーでしょ?」
「はい。全部あなたとヤる為の嘘です。
しかし、もういいです。もう飽きました。」
247 :
キャンパス:2007/04/06(金) 17:29:22 ID:WNYxxWBe0
>>246 …どこか反論しようと思ったが声が出なかった。
泣き出した私を、流河が距離をとりながら顔を抱いた。
冷静で、手に届かないほどの大人びた表情で私を見つめ、涙を指で絡め取った。
「送ります。」
言われたままに、会った最初の頃のように無言で校門まで歩く。
初夏の夕方の匂いが蔓延する。リムジンが待っていた。
わあ、リムジン。と一瞬気分が上がったが、乗り込んでみたそこはあまりに広く、
今の私には彼の世界と自分の距離を思い知らされるだけだった。
私はこの関係が終わることを理解し、泣き発散し終え、どこか少しふっきれた。
最後だと思い、となりに座っている流河に自分からキスしてみた。
軽く舌で答えてくれた。尖らせた舌で、私の上唇をなぞり遊んでくる。
更にふっきれてしまい、抱きついてみた。
流河は上向き加減で指をくわえ、数秒考えた後、私の服の中に顔を入れてきた。
そのままなんとなくじゃれあい、触り合ってしまい、一回挿れ、ティッシュで出した。
私の家に着き、車を降りて「じゃあね。」と言うと、
流河は私の方は見ず、大人で真面目な顔で
「ありがとうございました。」
と言った。
>>247 ここまでです。次、少しで終わります。
管理人様、読みやすく改行まで入れてくださって。本当に感謝です。
まとめサイト見たら…× 秀樹、○ 早樹、でしたorz
>>248 乙です!!
冷たい言葉の中にLの優しさを感じます
>>250 ごめんなさいww(´;ω;`)
逝ってくる
気にすんな 乙!
続き待ってるよ〜
>>248 この話本当にすごく好きです
ドライなLいいなぁ…
うーん
キャンパスってこういう方向性なのか。
つーか結構皆普通に酷いLが好きなんだな。
最近結構デスノじゃなくても鬼畜って流行してるけど
なんで皆鬼畜が好きなんだろう。理解しがたい
つうかこういうのって向こうのスレ行きでは?
>>256 嫌なら反応しなけりゃいいじゃない。
嫌いなものをわざわざ主張するほうが理解しがたい。
読んでいてあんま鬼畜とは思えなかった。むしろ切ない話だな。
Lが潜入先の東大で甘甘な恋愛してるのは有り得ないし。
感じ方はいろいろだと思うけど。
マジですか!
いまがっつり鬼畜L書いてたよ・・・orz
しかもゴカーンだよ。
注意書きしとけばいいかーと思ってたんだが・・・
できたらそれぞれに色々な嗜好があると思ってくれると助かるな。
Lオタ一人一人に理想のL像や好みのL像があるわけで・・・
それが本来のLだと主張する気も無いし、
あくまで個人の妄想なんで寛大に受け止めて欲しい。
>>259 楽しみにしてます!
向こうのスレは最近ネタ系なので、そうでないSSはこっちが良いかと。
>>248 乙です。最後どういう結末になるのか楽しみ
続き待ってるよ〜
>>259 注意書きしておけばいいよ
それなら見たくない人は見なければいいだけだし
頑張れw
しかし、キャンパスのどこが向こうのスレ行きだと思えるんだ?
全然ネタ系じゃないのにw
>>258 Lが捜査中に甘甘な恋愛とかより(つうかそんな話してないんだが
なんでそれを持ち出してくるのかわからんが)
普通に人格的に酷いLのほうが有り得ないと思うが。
有り得なさレベルで言えば。
普段「Lは本当は優しいんだよね〜」とか言ってるのに
コレだからいまいちわからん
切ないのはあくまで女側であってL自身は鬼畜化してるじゃん。
キャラ壊したりとかそういう人を選ぶ系は向こうのスレかと思ってたけど。
強姦とか犯罪だから余計有り得ないし。
有り得ないと分かっててやってるんじゃないのかー。なんかびっくり。
どちらにせよ
注意書きほしいなあ。
鬼畜ってほとんどキャラ壊すジャンルだし。
それを喜ぶ人間もいることはわかったけど。
女向けエロ小説でもレイプモノとか多いから
結構そういうのを好む人がいるのは分かるけどさー
Lがそういう人物にされてるの見るとなんか嫌になる。
そんな事言い出したらSS書けないだろ
厭くまでも妄想なんだから、原作のLとは違う訳だし
妄想を膨らませて色んなLを楽しむのもこのスレの一つだと思うが
割り切ること出来無いのか?
嫌なら読まなければ済む問題なのに、いちいちケチ付けるのは良く無いだろ
折角向こうと別れた訳なんだし、職人さんは好きな話し投下すれば良いと思うよ
以前向こうでも、鬼畜は嫌だの、甘いのは嫌だの散々文句出てたけど
個人の嗜好が違うのは仕方無いでしょ
ほとんどの職人さんは、最初に注意書きしてくれるからそれで判断すればいい
それで好みのLじゃなけりゃスルーしろ
『キャラが違う』等、一方的な決めつけもやめましょう。
・苦手な話題もスルーしましょう。
注意書きするって言ってるんだしそんなにカリカリしなくても…
取り合えずテンプレ読み直してからレスしたほうがいいよ
>>264-265 職人さん方続きお待ちしてます。
>>265 (´・ω・`)つ
>>1 【ワッフル要員へお願い】
・『パクリ』『キャラが違う』等、一方的な決めつけもやめましょう。
まぁそう突っかかるなw
よく分かったからw
これだから…いやなんでもない
投下します。
長くなったのでとりあえず前半だけ・・・。
■注意■
Lが鬼畜なので気を付けて下さい。
Lのイメージが壊れるのが嫌な方
鬼畜、強姦ネタに嫌悪感を抱く方
は、読まないようにお願いします。
271 :
憂鬱なカラダ:2007/04/07(土) 02:04:12 ID:aJDZLz/C0
鬼畜ですよ
>>270 人数に対して大きすぎ、又は広すぎる本部施設に捜査員として来てから約1ヶ月。
今日も仕事は終わったことだし部屋に戻ろうかな、と思っていた午後10時過ぎ。
夜神さん(父)に呼び止められた。
「すまんが、息子に夜食を持っていってくれないか?」
「は?夜食……ですか?」
「あいつ今日は夕食も摂らずに捜査を続けてたからな」
あぁ……。竜崎がやる気を出さないから僕がやるしかない、とか言ってはりきってたっけ。
私はそんなことをぼんやり思い出していた。
「夜食って、何でもいいんですか?」
「そうだな。夜も遅いしなるべく消化のいいものを。後、濃い味付けは喉が渇くから、
そこのところ、気を利かせてやってくれ」
「…………」
作るのは私なんですけど。……親バカ?
「わかりました」
私はキッチンで親バカ夜神さんのリクエストに答えたものをせっせと作り、ライトくんの部屋に向かった。
「ライトくん、夜食ですよー」
ノックをしても返事が無い。
もう寝たのかと疑問に思った瞬間に思い出した。
そうだ。今は手錠で繋がれてるんだっけ。……竜崎と。
私は廊下を歩き、竜崎の部屋の前で足を止めた。
「すみません。ちょっといいですか?」
しばらくして、扉が開く。
「……どうしたんですか?ああ、夜食ですね」
「はい。ライトくんに。入ってもいいですか?」
「どうぞ」
竜崎が体を引いてドアの前を空けてくれた。私はそこに足を踏み入れる。
相変わらず広い部屋だった。個室がたくさんあるというわけではなく、一部屋の面積が広い。
手錠で繋がれたライトくんが竜崎の後方から姿を現した。
「何か僕に用が?」
「ライトくんの夜食を持ってきました。夜神さんに頼まれたので。特製稲庭うどんです」
消化もいいし味付けも薄い。我ながらベストだと満足しながら私は盆ごと中央のテーブルの上に置いた。
メニュー的にこの部屋とは合ってないのかもしれないけど……。
「ああ、ありがとう。すまない、こんな遅くにわざわざ」
「いいえ」
私はにっこりとライトくんに微笑みかける。
「私の分はないんですか?」
竜崎がうどんを興味深げに覗き込みながら、言った。そんなにうどんが珍しいのだろうか。
272 :
憂鬱なカラダ:2007/04/07(土) 02:05:35 ID:aJDZLz/C0
>>271 「ありません。うどん食べたかったんですか?」
「……いいえ。ケーキとかクッキーとか、ついでにコーヒーとか紅茶とか、です」
「そういうことは、ワタリさんに頼んで下さい」
私はきっぱりと言った。するとライトくんが苦笑を漏らす。
「なんだか、やけに冷たいな、竜崎に対して」
「……そうかも。否定はしません」
「…………」
空気が少し変わる。
「……私、何かしましたか?」
竜崎は淡々と問う。その答えが如何様であっても然程気にはしないくせに。
「竜崎のやり方に納得できないだけです。今までの捜査方法を聞きました。
キラを捕まえる為なら犠牲を強いる可能性があっても容赦なく強行する。
明らかに人道に反していると思います。どんな理由があろうと、納得はできません」
私の刺々しい言い方に、空気が徐々に張り詰めていくのがわかった。
ライトくんも眉間に皺を刻んでいる。しかし反論をしてこないところを見ると、
あながち私の意見に反感を抱いているというわけではないようだ。
「困りましたね……」
竜崎はソファの上に座り、片手でティーポットからカップに紅茶を注ぎながら、
ちっとも困っているようには見えないのんきな仕草で言葉を続ける。
「捜査員の一人が私に反感を持っているようでは困ります。これは問題ですね……」
「言われた仕事はします」
「……そういう問題ではないんです」
今度は紅茶に大量の角砂糖を落としていく。ポチャポチャと気の抜けた音が響いた。
「竜崎。私、辞めたほうがいいですか?」
これは、賭けだった。成り行きの賭け。だけど取り返しがつかないことになるかもしれない危険な賭け。
273 :
憂鬱なカラダ:2007/04/07(土) 02:07:54 ID:aJDZLz/C0
>>272 「…………」
竜崎は何かを思案しながら、私には想像もつかないくらい甘ったるいはずの紅茶を啜った。
ライトくんも腕を組んで竜崎を見守っている。
「……話し合いましょう」
ぽつりと、零れた言葉だった。
ハナシアイ。なるほど。それはなんて平和的な解決方法。竜崎らしいようで竜崎らしくない。
「何やってるんだ。竜崎」
「私の手錠を外します。私が彼女と話し合う間、ライトくんにはバスルームにいてもらいます」
竜崎は今付けている手錠を外し、引き出しから鎖の短い手錠を取り出すと、片方をライトくんの手首に掛けた。
そして片方を掴んだまま、ずんずんとバスルームに歩いていく。
ライトくんも引っ張られるように竜崎の後ろをついていく。私はその後を追った。
「おい!竜崎!」
「申し訳ありませんが、しばらく我慢していただけますか」
配水管の金具に手錠を潜らせ、片方をライトくんの手首に掛ける。
これでライトくんはこの場からは動けない。
「竜崎!ここまでしなくてもいいだろう!」
「ダメです。ライトくんに自由を与えるつもりはありません。このバスルームの監視カメラも作動させておきます」
竜崎がくるりと後ろにいる私を振り返る。
「……これも人道に反していると思いますか?」
感情の見えない目だった。竜崎はそれを私にわざと示してきた。
ぞっとした。
274 :
憂鬱なカラダ:2007/04/07(土) 02:08:35 ID:aJDZLz/C0
>>273 どこで話し合いをするのか聞いたら、「あなたの部屋でいいでしょう」と否定を許さない声で言われた。
怒っているのだろうか。たかが捜査員の一人が自分の捜査方法に口を出したことを。
たとえ怒ってはいなくても、気を悪くしたのは確かだ。
私の部屋に入る。
竜崎はポケットに手を入れたまま辺りを見回した。
「綺麗にしてますね」
「どうも。あんまり見ないで下さい」
「……失礼しました」
そう言って竜崎は立ったまま話を切り出した。
「時間もあまりないことですし、話し合いましょう。あなたは私のやり方が気に入らない。そうですね?」
「そう。事件を解決することはできても、そんなんじゃ誰も救えないわ」
「まず事件を解決しないと意味が無い話なんですけどね。……いいでしょう。
……では、私のやり方の必然性と重要性を説明すれば少しは納得していただけますか?」
竜崎は面倒なことをわざわざ時間を割いてやろうとしている。それはやさしさだ。
仕方なく与えるやさしさ。私にはそれが透けて見えている。
「無理よ」
「……無理、ですか」
そう。無理。何もかも、今のままじゃ無理。
竜崎の横顔を見つめながら、私は口を開いた。
「だって私ライトくんのことが好きなの」
275 :
憂鬱なカラダ:2007/04/07(土) 02:09:32 ID:aJDZLz/C0
>>274 ほんの一瞬、竜崎の肩が震える。
それは瞬きをすれば見えないほど微かな反応だった。
「そうですか……。しかし、ライトくんはキラだったんですよ。それにライトくんにはミサさんがいます」
「知ってる。だから?それでも好きなものは好きなんだから仕方ないでしょ?」
「……そうですね」
竜崎が背中を向ける。私に背中を向けて、その向こうで今、色々と考えを巡らせている。
「キラだったライトくんを好きな私を危険だと思う?辞めさせる?あなたにとって不愉快な存在でしょ?」
「……不愉快というより……困ってます」
「嘘!困ってなんかない!竜崎はキラ……ライトくんを肯定する私の存在は不快でしょ?
捜査方法を否定されて、キラだったライトくんを肯定されて、負けず嫌いなあなたは怒ってる。違う?」
「私はそんなことで怒りません」
「だとしても、おもしろくないと思ってる」
「誰を好きになろうが、それがどんな人間であろうが、個人の自由です」
「そうやって……心にも無いこと言って冷静でいるのがかっこいいとでも思ってるの?
私はキラ派かもしれないのよ?嫌悪しないの?面倒なヤツだと思わないの?……なんで隠すの?」
「…………」
「感情を見せないだけなのか、本当に感情がないのか知らないけど……」
酷い言葉が喉の奥からスルスルと出てくる。だけど勢いがついて止められない。
「……あなた人間じゃないよ」
次の瞬間、竜崎は私を乱暴にベッドに突き飛ばした。衝撃で私の体は仰向けに深く沈む。
その上に竜崎が跨り、ゆっくりと片手を伸ばしてくる。細く長い指先が、私の首に絡む。
「言っていいことと悪いことがありますよ」
酷いことをしているのに、竜崎はカップに紅茶を注ぐときや、砂糖を零れ落とすときと同じような
平然とした表情で、私を見下ろす。感情の無い目だった。だけどその奥に淡く青白い光が見えた。
指先に、僅かに力がこもる。
「自分の立場がわかっていないようなので説明してさしあげます。……私にとってあなたは
心からどうでもいい存在なんです。ライトくんを好きであろうと、キラ肯定派だろうと、
そんなことは大した問題ではありません。排除すればいいだけの話です。……わかりますね?」
わかってる。とてもよくわかってる。
私は下からじっと竜崎を見据えた。その目が気に入らないのか、ますます指に込めた力が強くなる。
喉が絞め上げられて、呼吸が出来なくなる。
「苦しいですか?」
心なしか声が笑っているような気がした。
……酷い男。容赦の無い男。
「あなたを殺したりしませんよ。……殺す価値もない……」
そう言って、離れた指先。
私は数度咳き込んで、まだ私の上に跨ったまま冷めた目で見下ろしてくる竜崎を睨んだ。
竜崎は表情こそ変わらなかったが長い沈黙を作った。私の反抗的な態度が気に入らなかったのだろう。
276 :
憂鬱なカラダ:2007/04/07(土) 02:10:20 ID:aJDZLz/C0
>>275 「まだ自分の立場が理解できないんですか?……馬鹿ですね」
「っ!」
ぐい、と両膝を抱えられ、広げられる。
竜崎は広げた足の間に体を滑り込ませ、上体をゆっくりと前に倒す。
顔が近付いてくる。私は間近に迫る強い視線から目を逸らさなかった。
逸らすわけにはいかなかったのだ。
「……口で言ってもわからないのなら、仕方ありません」
「仕方ない……?」
「ちょうど溜まってたんです。……それに私、少し苛立ってます」
「……見ればわかるよ。珍しい」
「はい、そうですね。……ですから」
数センチ先にある竜崎の瞳の色が濃い藍色に変わる。光が炎のように揺れる。
ぞくり、と背中に戦慄が走った。
「あなたを犯すことにします」
低い声と囁きに、息を呑んだ。
「……そんなこと、できるわけない……」
「……いいえ?簡単にできますよ?」
さっきまで首を絞めていた指が胸元を這う。そしてそれは服を掴み、強引に左右に引き千切った。
弾け飛んだボタンが床に転がる音が聞こえた。さらされた素肌に冷たい外気が触れる。
「ほら……。簡単です」
「……竜崎……」
「あなたは先程、私を人間ではないと仰ってましたが、それ以前に……男であるということを忘れてます」
また強い力で片足を高く抱えられ、一層広げられる。
竜崎は私の下着の上から痛いほど自分の股間を押し付け、いつもどおり、淡々と言う。
白々しさを越え、至極当然のように、躊躇いなど微塵もないように。
「私はあなたをこうして押し倒すことも、……犯すことも、簡単にできるんです」
唇が押し付けられた。
その唇を割られ、熱い舌が入り込んでくる。
甘い、味がした。
一瞬舌を噛んでみようかと思ったが、その思いを見透かしたように竜崎の舌は歯列をなぞり、
咥内を隅々まで舐め回す。
うまく息ができない。唾液が絡まって飲み下すたび、喉がゴクリと鳴った。
竜崎は目を開けて私の様子を窺っている。私を翻弄していることを確認するように。
そしてそれを私にもわからせるために。
ここまでです。
とりあえず怒ったLを書きたかったんです。
続きはまた投下します。
>>280 乙です!!おもしろい!!続き楽しみにしています
それ以前に……男であるということを ハァハァ。
投下します
ノリは少女漫画
当分エロはないです
空に雲ひとつなく、文句のつけようもない晴天の日。
悔しい――!
テニスコートから聞こえる歓声に耳を塞ぎそうになる衝動を抑え、私はすっくと立ち上がった。
そのまま共同のシャワールームへダッシュする。
一番大きな鏡を壁から引き剥がそうとしたものの、持ち上げることもできずに挫折する。
全身が映る大きな姿見はさすがに重すぎた。
だん、と足を踏み鳴らして苛立ちを床にぶつけ、今度は3番めに大きい顔全体が映る程度の鏡に手を伸ばす。
それもかなり重かったのだけど、私は腕に力を込めて歩き出した。
鏡ってやつはなかなかに重い。
2階へ上がり、目的の部屋へたどり着いたときには、私の腕はとうに限界が来ていた。
本やおもちゃが散乱するプレイルームには誰もいない。
それはそうだ。みんなテニスコートに群がっているのだから。
この部屋の窓から見下ろせばよく見える。
テニスコートを囲んで歓声をあげているハウスの子供たち。
彼らに囲まれて、特別に招待された相手と練習試合をしている黒髪の少年の姿。
私はほとんど落とすようにして窓際に鏡をおいた。ぷるぷると手を振り、だるくなった腕を休める。
重いものを持っていたせいで始まった腕の痙攣がおさまるのを待ちながら、私は窓越しに彼の姿を睨み付けた。
普段ののっそりしたイメージとはかけ離れた敏捷な姿でコートを駆け回るすこし猫背ぎみの少年。
イメージはイメージであって、実はヤツは相当運動神経がいい。
明日の試合に勝てば、Jrチャンピオンという彼にに向かって、実はもへったくれもないけど。
15-0
30-0
スコアをみていると我慢できないくらいにイライラしてきたので、腕のだるさが取れるまで待つのはやめ、
私は本棚の上にかかっていたクロスを乱暴に引き抜いた。
上に乗っていた本がばさばさと床に落ちたのも構わずにクロスで鏡を覆う。
それから、どっこらしょ、と布をかぶせた鏡を窓の縁に置いた。
コートにいるギャラリーの何人かが私に気づいたが、勝負に集中している彼自身は当然こちらに気づいていない。
しばらく鏡の傾きをいじって調整し試合を眺めていた私は、ここぞという局面でぱっと覆っていた布を取り去った。
>>282 夕食の時間が始まっているので、廊下には誰もおらず静かだった。
鏡を戻しにとぼとぼと廊下を歩きながら私はため息をつく。
太陽の反射光でゲームの邪魔をする。
そんな攻撃を思いついた時にはやる気満々で力がみなぎっていたのでそれほどにも思わなかったけれど、
もう用のなくなった鏡が嫌になるほど重い。
私がこの鏡で嫌がらせができたのもほんのわずかな間で、騒ぎを聞いてプレイルームに駆けつけたロジャーに
あっさりつかまってしまった。そしてついさっきまでこってりとロジャーの部屋で絞られていたというわけだ。
やる気もなくあっという間に手も疲れてきた私は、階段を下りる前に一度鏡を床に下ろして休憩することにした。
階段の一番上に腰掛けて頬杖をつくと、階下の食堂から騒がしくもれるハウスのみんなの声が聞こえてくる。
「まぶしいじゃないですか。」
突然頭の上から降ってきた声に、ぼーっとしていた私は驚いて飛び上がった。
腰を浮かせて背後を振り返ろうとした拍子に私の腕が脇に置いてあった鏡にあたり、
ぐらりと鏡は揺れて階段の下へ落ちていこうとする。
「あっ」
慌てて手を伸ばそうとしたけど届かない。それどころか不安定な中腰の体勢から咄嗟に腕を伸ばしたせいで、
私まで階段を転げ落ちそうになってしまう。
その時ぐいっと肩を後ろにひかれると同時に、脇をふっと影が通り過ぎた。
身をかがめるようにして鏡を捕まえた彼はそのまま、とん、とん、と2段飛ばしで踊り場まで身軽にかけおりていく。
一瞬の出来事だった。
「おかげでワンポイント取られました。」
何事もなかったようにくるりと振り返って踊り場から私を見上げ、彼はぽつりとそういった。
「・・・・」
私は階段にへたり込んで唖然としていたが、はっとして立ちあがるとスカートを意味もなくぱんぱんと払う。
目下には踊り場から黒い大きな瞳でじっと私を見上げてくる彼の姿。
妨害した私自身とその手段として用いた鏡を助けておいて、恩に着せる風でもなく皮肉を浴びせる風でもなく、
何を考えているか判らない彼の顔に苛々しながら私は手を握り締めた。
このまま2階へ踵を返してしまいたいけど、問題は鏡を彼が脇に抱えていることだ。
あれを取り戻さなくてはならない。
私は意を決して階段を踊り場まであと2段のところまで降りる。
全部降りてしまわなかったのは、彼に見下ろされるのが癪だったからだ。
2歳年上で成長期にある彼は私より随分背が高かった。
「おかげでラブゲーム連続記録がストップです。最悪な気持ちです。」
ちっとも悔しそうな顔なんてしていない癖にそんなことをいってくる彼に、
もともと苛々していた私はどうしようもなく腹がたって我慢できなくなった。
>>283 「嘘つき!!そんなことどうでもいいんでしょ。
明日の決勝だってどうだっていいくせにっ」
「・・・なんでそうなるんですか。」
「そんなで明日も勝てるなんて大間違いなんだから!明日きっと負けるよ」
「それは有り得ません。」
「そんなのどうなるかわっかんないじゃない。どこからそんな自信がくるの」
「実力です。・・・大体どうだっていいなんて考えていません。
やるからには必ず勝ちますよ私は。負けず嫌いですから。」
負けず嫌い?
理解しがたい言葉が彼から発されて、私は思わず黙り込んだ。
そんなのは嘘だ。彼はいつだって漂々としていて、誰にも何にも執着していないように見えた。
怒っているところも笑っているところもみたことがない。
テニスをやっていたって熱くなっている姿をみたこともない。負けるのがイヤだなんて感情があるとはとても思えない。
きっと明日、本当に勝つだろう。こいつなら。
そして、明日のために努力しつづけてきた対戦相手を踏みつけて得た優勝を嬉しくもなんとも思わないだろう。
もう一秒だってこいつとは話したくない。
私は唇をかみ締めて、黒い瞳を睨み付け、ずいと手を突き出した。
「・・・返してよそれ。」
「あなた昔から私にいろいろ嫌がらせをしますが・・・なぜです。」
「返してったら!」
階段を降りて鏡を掴んでひっぱる。両手で力いっぱいひっぱってもびくともしない。
「駄目です。答えるまで返しません。」
「嫌いだからに決まってるじゃない!」
彼は院内でひどく目立ち、そして異質だった。
東洋系の血でも混じっているのか、黒い髪に大きな黒い瞳。
飛びぬけた才能を持ち、院長であるロジャーやそもそものハウスの創始者であるキルシュ・ワイミーの期待を一身にうけ、
何かと特別扱いをうけている彼が私は大嫌いだ。
そのくせ才能を鼻にかけるでもなく、かといって周りに溶け込もうともせず、何を考えているかまったく判らない。
感情が見えない。
>>284 「どうしてです。嫌われるほどあなたと話をした記憶もありませんが。」
彼は淡々とそう述べたが、その彼の言葉はこの上なく辛辣に響いた。
彼は私たち他の子供へ目を向けない。自ら話しかけてくることもほとんどない。
院の規律からはずれ、どこかへふらっと消え、ふらっと現れる。
今だって食事の時間なのに、彼だけこんなところにいる。
他の子供たちは4人部屋なのに、彼だけは特別な1人部屋だ。
彼と、私たちは違う。
なぜ嫌いなのか理由を述べてください、と真っ向から視線をむけてくる彼を突き飛ばしてやりたい衝動に駆られた。
なぜなのかうまく説明はできない。でも、心の底から彼が憎いと私は思った。
私と彼の睨み合いはそのまま長期戦にはいった。
食事の時間がおわり、無言で対峙する私たちの脇を変な顔をして仲間たちが通り過ぎていく。
「意地っ張りですね。いい加減に理由をいったらどうです。」
「・・・そっちこそいい加減にそれを返してよ。」
夜のハウスの廊下はかなり冷えこむ。
寒さが背筋をかけあがるのに耐えながら、私は疲れてきた右足から左足へ体重を移し替えた。
対する彼は、疲れた風でもなく寒さを感じている風でもなく、相変わらず乏しい表情のままじっと私の方を見ている。
いったいなんでこんなことをしているのか訳がわからなくなる。
明日決勝があるというのにこんな馬鹿げたことに付き合っている彼の心理もさっぱりわからない。
1時間半が経過したころには私はもう本当に意地だけで必死に立っていた。
負けず嫌いって・・・嘘じゃないのかもしれない。
意地で私がこうしているのなら、彼もそうなのかもしれない。
そう私がそう思いはじめた頃、見回りにきたロジャーに見つかり、私たちは強制的に部屋に戻らされた。
>>286 乙です、どんなLなのか楽しみです。
ワイミって少女漫画のイメージになる。
>>277 乙〜
緊張感あるな。そして寒そうな所に放置される月がwww
ラストどうなるんだろう。楽しみに待ってる
>>286 乙。これ自分的に変にツボった
子供設定のせいか、初々しさを感じる
大人っぽい濃いSSが多いから、凄い新鮮だった
一息つける爽やかさを感じたよ
むしろエロなくてもいいから、少女漫画的ラブコメっぽくならんかな〜とまで
思った自分にドビックリ。何に飢えてるんだ自分…
いや、どんな展開になってももちろんいいんだけどねw
取りあえずこのまま爽やかっぽさが続くといい
長編になりそうだが、最後まで頑張れ
うん
このスレはいろんなLが見られてイイ!
生い立ちがほとんど謎だから、色々妄想をかき立てられるよL
罪な存在だよL…(*´Д`)ハアハア
誰もいませんね・・・
30分以内に書き込みなければ
Lは私とケコーンする運命
暇人乙
www
職人さん達乙です
これからも頑張ってくださいね
(´・ω・`)
m9(^Д^)
続き投下します
昨日寒い廊下で2時間近くやせ我慢をしていたせいで、私は風邪をひいてしまったようだ。
歴史の授業を受けながら、私はずきずきと痛む頭をもてあます。
頭痛をこらえて授業をうけていた私は結局昼休みにダウンしてしまい、保健室へ連行されて横になった。
薬を飲んだので頭痛は治まったが、熱があるので顔がのぼせて体が熱い。
いい加減脆弱な自分の体に腹が立つ。
私には6つ年の離れた兄さんがいて、昨年ハウスを出て社会にでた。
兄さんは優秀なプログラマーで、大学へ行きながらSEとして働き出した。
私も兄さんと一緒に暮らす希望を出したが、2人での自立は無理だと判断されてここに残された。
その最大の原因は、医療費にあった。
本当に天涯孤独の子などここにはいくらでもいる。
身寄りもなく二人っきりの兄妹だけど、兄さんがいるのは幸せなことで、
年が離れた兄さんも私をとても可愛がってくれた。
外へ出たい。兄さんのところへ行きたい。
昼休みが終わって授業が始まり、急に周囲が静まり返った保健室に寝ていると、
私はたまらなく外へ出たくなった。
今までは同じ院内に兄さんもいたから、外に出たいなんて余り思わなかったのだけど。
自室へ戻って寝ると保険医へ告げ、さすがに院外へ出るのは無理なのでそのまま屋上へ上がる。
少し風が強いけど、昨日と同じようにとてもいい天気で暖かい。
屋上のフェンスに持たれて重厚なワイミーズハウスの門を眺める。
門が開いて黒塗りの大きな車が院内へ入ってくると、再び門はゆっくりと閉められていく。
門が完全に閉じられてしまうと、私はため息混じりの息を吐いて目を閉じた。
少しだるい体をフェンスに持たれさせたまま私は暫らく目を閉じていたが、
屋上のドアが軋んで開く音を聞いて慌てて目を開けた。
「ロジャーが来ますよ。」
ドアを開けて屋上へ歩み出てきたのは彼だった。
唐突に彼が現れたこととロジャーがくるということ、二重の意味で驚いて、私はフェンスから体を離した。
かしゃん、と金属の音がする。
こんなところにいたことがばれれば、またロジャーに叱られてしまう。
「そこ、上って。」
焦った私に彼は落ち着き払って屋上にある給水塔の梯子を指し示してみせた。
何かと怒られることが多くロジャーが苦手な私は、ついつい彼に用意された逃げ道へ進んでしまった。
続きキター!
>>298 「う・・わあ」
給水塔の上は屋上よりたった数メートル高いだけなのに、
それまでよりずっと景色が遠くまで見渡せる感じがした。
思わず景色を眺めていると、私について梯子を上ってきた彼が服をつまんでひっぱる。
「なにやってんですか。伏せて。」
「なんであなたまで隠れるのよ。」
私は眉を寄せて体を引き、彼の手から逃れた。
彼はそんな私の態度も意に介さず、飄々と尋ねてきた。
「こんなところでサボリですか。」
「・・・天気がいいから。」
本当はサボリとは違うのだけど、風邪で早退したというのも嫌だったので適当に受け流す。
彼は膝を抱えてしゃがみこんでいたが、私は精一杯彼から離れてごろんと塔の上にねっころがった。
太陽の熱で温まったレンガの熱が背中に伝わってきて、とても気持ちがよかった。
「屋上は門から良く見えるんです。さっきみたいにしていたらすぐに見つかります。」
「あー・・・さっきの車乗ってたの。」
なぜ突然彼がここへ現れたのか、一つ疑問が解けた。
でも彼のほうからわざわざ私に近寄ってくるなんて、初めてのことだ。
「今日の決勝、勝ちました。」
・・・何しにきたのかと思えば、わざわざそんなことを報告にきたのか。
嫌なやつだと心底思いながら、私は鼻に皺を寄せた。
「ふぅん。」
彼と対峙したあの2時間の結果、
私は情けなくも風邪をひき、彼は何事もなく見事に優勝してみせた。
私は悔しいのを通り越して悲しくなり、口を噤んでただ空を見つめた。
「わからない人ですね。なぜそんな顔をするんです。」
何をやってもずば抜けて一番なのだから、負ける人間の気持ちなんて、
努力してもかなわない人間の気持ちなんて、わかるはずがないのだ。
>>300 「テニスはこれでもうやめます。」
私の答えを待つ気はなかったらしく続けて彼が発した言葉に、
驚いて私がその理由を尋ねようとした時、屋上の扉が開いて私の名を呼ぶロジャーの声がした。
その声の近さに思わずびくっとして私は息を潜める。
「いないな。もう他のところへいったのか。まったく困った子だ。熱があるというのに。」
独り言にしては随分しゃべるなと思ったとき、それに答える大人の男の人の声がした。
「いないのかね。Lもいないか?」
「ああ。あの子はこんなところにはいないだろう。」
L?
Lって誰だろう。そんな子、院にいただろうか?
ロジャーともう一人の誰かの声が遠くなり、扉が閉まる音がした。
「ねえ、今ロジャーと話してたの、誰かな?」
「風邪なのにこんなところにいたんですか。」
「どうしてテニスやめるの。」
全然会話になっていない。
寝転がったまま視線を向けると、彼は先ほどと全く同じ体勢のままじっとこちらをみていたが、
急にすっと立ち上がった。
「自分のことを話さないくせに、私にだけ求めようとするのは我儘ですよ。」
私に背を向けて彼はそういった。意味がわからなくて私は上半身を起こしたが、彼は私には構わずにそのまま梯子の側へ歩み寄る。
「降りましょう。部屋に戻った方がいい。」
彼は身軽に梯子に足をかけ、さっさと給水塔から降りてしまった。
>>301 給水塔の上に独り取り残されると心細くて、私も梯子の側へ移動して縁から下をみると、
ポケットに手をつっこんだ彼が私を見上げていた。
梯子を上るのはいいけど、降りるのは怖い。外側へ背を向けて、足を降ろすのが怖い。
「・・・後で降りる。」
怖くてもたもたしている姿を見られるのが嫌だったので、私はそういった。
「怖いんですか?」
「違うよ。見晴らしがいいから、も少しここにいる。いっていいから。」
「もう一度だけいいます。早く降りてきてください。でないとロジャーを呼びますよ。」
むっとして彼を睨むと、僅かに呆れたような表情をして、彼は言い足した。。
「降りたらもう一度登ろうが屋上にいようが好きにすればいいです。とにかく降りなさい。」
しぶしぶ梯子の手すりをしっかりと掴んでそろそろと足を降ろす。
下を見ると落ちそうで怖いが、かといって見ないで足の感触だけで梯子の段を探すのも怖い。
なんとか足を一つ目の梯子に掛けてしまうと、後は割とすんなりと降りることができた。
私は屋上へ降りたのを見届けると、彼はもう何もいわずに屋上から姿を消した。
あの後私も自分の部屋へ戻ったが、風邪はすっかりこじれて長引いてしまい、
ようやく部屋からでられるようになったのは2週間もたった頃だった。
彼は本当にテニスを辞めてしまっており、そしてどこで何をしているのか、
ハウス内で彼の姿が見られることは本当に珍しくなってしまった。
ごくたまに見かけてもロジャーかキルシュ・ワイミーと一緒にいて近寄れる雰囲気ではない。
私は何度か彼の部屋の前へいってみたりもしたが、ドアをノックする用など私にあるわけもなく、
タイミングを逃しているうちに、ある日彼がハウスを出て行ったという噂を耳にした。
ロジャーに聞いてみたけど、15歳を過ぎたのでハウスを卒院した、としか教えてくれなかった。
>>303 乙です!だんだんドキドキしてきました
続き楽しみに待ってます
>303乙です!
少年Lたんの大人びた感じが萌え
SS投下します
短編です
エロ有り
Lを少し喘がせてます。苦手な方は、要注意!
307 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:26:39 ID:3z7qpiF+0
さくら。さくら。
闇夜に舞散る、薄紅の花弁。
ひらひら。ひらひら。
人の心を捕らえ、惑わす。
恐ろしい程の、美しさ………。
静かな旅館の、ひっそりとした離れ。
開け放した窓から見える、満開の桜。
月明かりに照らされて、幻想的に浮かび上がる。
風が吹くたびに、舞う、花弁。
その光景を、捕われたようにじっと見つめる。
「そんなにお気に召しましたか?」
突然すぐ横から掛けられた声に驚く。
いつの間に戻ったのか、随分夢中で外を見ていたらしい。
彼の髪からは雫が零れ、仄かな甘い香りを漂わせている。
問いには答えず、首に掛けられたタオルに手を延ばす。
「ちゃんと乾かさないと風邪引くよ。」
優しくタオルで髪を拭く。
好きにさせていた彼が、ぽつりと、不満そうな声を出す。
「私は一緒に温泉入りたかったんですけどね。」
唇を尖らせる、子供のような仕種。
思わず困ったような笑みが浮かんでしまう。
先程、一緒に入ろうという彼の言葉を断固拒否した会話を思い出す。
「どうして嫌なんですか?」
「恥ずかしいからに決まってるでしょ!」
「お風呂はこの部屋専用です。私しかいません。」
「Lがいるから恥ずかしいんでしょ!」
「何故ですか?貴女の身体はもう何度も見ているのに。」
そう言われた瞬間、顔が熱くなり言葉に詰まる。
「そ…れは……そ…だけど……。」
「ですから一緒に入りましょう。」
「………やらしい事、するでしょ。」
すると今度は彼が言葉に詰まる。
いつもは逸らされない目が、一瞬泳ぐ。
「……しませんよ。」
明らかに嘘だ。
「絶対一緒には入りません!!」
そう言って、彼を置いてさっさと一人で温泉に入った。
部屋に戻ると、入れ替わりにしょんぼりと肩を落としながら、彼も温泉に向かったのだった。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる!
⊂彡
309 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:28:20 ID:3z7qpiF+0
>>307 大分乾いた髪に、もういいだろうと彼を自由にする。
「ありがとうございます。」
律儀な礼の言葉に笑みを返す。
ふわりと、窓から舞い込む風に再び外に視線を向ける。
月と。桜。
魔力があるのではないかと思わせる、その、美しさ。
一種独特の雰囲気を醸し出す。
「桜に纏わる唄や話は多いですが、桜の木の下には死体が埋められている…
という話を知っていますか?そんな言葉で始まる短編小説があるんですよ。」
静かに語る彼に、顔を向ける。
その話なら有名だが、元は小説だったのか。
「その死体の血を吸って、赤く染まる。…不思議です。こんなにも美しいのに、
そんなにも恐ろしい話が纏わるなんて。」
舞散る、薄紅の花弁。
ひらひら。ひらひら。
「美しいもの、と、恐ろしい、もの。それは、とても近い処にあるのかも
しれませんね。」
そう言う彼が、なんだか酷く儚げで。
綺麗だ、と、思った。
見慣れない浴衣姿も、月明かりに照らされる横顔も。
浴衣から覗く、未だ仄かな桜色の肌も。
仄かな、甘い香りも。
(美しいもの、と、恐ろしい、もの。)
誘われるように、手を延ばした。
310 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:29:56 ID:3z7qpiF+0
>>309 突然口づけられた事に、驚いた顔をする。
それもそうだろう。いつも仕掛けるのは彼の方から。
けれど、今は。
首に腕を回し引き寄せ、口づけを深くする。
誘うように、誘われるように、舌を絡ませ合う。
上がる吐息。濡れた音。
角度を変えながら、より濃厚に。
唇を離すと、透明な糸が二人を繋ぐ。
敷かれている布団まで移動し、彼を押し倒し、また口づける。
深く長い口づけの後、首筋を辿り、喉仏に軽く噛み付く。
前をはだけさせ、浮き上がった鎖骨にきつく吸い付き赤い痕を残す。
胸まで顔を下ろし、先端を丁寧に舐める。
彼の繊細な指先が、髪に絡んでくる。
更に顔を下げ、唇で臍まで辿る。
「はっ・・・あ」
その熱い吐息に顔を上げる。
そこには、顔を上気させ、唇を濡らし、着乱れた姿の彼。
肌に散る、いくつもの赤い痕。
妖艶な、その姿に。
強く官能を刺激される。
彼の下着を剥ぎ取り、既に充分な反応を示している彼自身に触れる。
「・・・っ」
詰められる息に構わず、ゆっくりと手を上下させる。
次第に濡れた音が響き、彼の息も弾む。
刺激が足りず、彼は細い腰を揺らし出す。
「あっ・・もっ・・・と、して、くださ・・・い・・」
上擦った声が強請るまま、口に銜えた。
軽く吸い上げ、舌で先端をくすぐる。
裏筋から舐めあげると、白い蜜を零し震える熱。
丹念に舐め、再び銜える。
舌を這わせ、出来るだけ深く飲み込む。
顔を上下させ、飲み込みきれない部分を手で刺激する。
「あっ・・う・・・はっ・・・あ・・・」
彼の手が、頭を押さえ付けるように触れてくる。
そして…。
彼は背を撓らせて、苦く、甘い蜜を吐き出した。
311 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:31:13 ID:3z7qpiF+0
>>310 乱れた息を整えながら、戸惑ったような顔を向けられる。
「すみません…。口の、中に………。」
飲み込みきれず、口端から零れた蜜を、彼の手が拭う。
「無理して飲まなくてもよかったんですよ?」
「そうしたかったの。」
そう言って、彼の蜜の味を教える為に、口づける。
「んんっ…」
彼は眉を寄せながらも、応えてくる。
合わせた唇の隙間から吐息が漏れる。
再び彼を煽るように、激しく音を立てて貪った。
唇を離すと、変な顔をした。
「………苦いです。」
くすり、と、笑みが零れた。
自らの下着を取り去り、彼の細い腰に跨がる…。
ゆっくりと、沈み込ませる。
充分に濡れてはいるものの、触れられていないそこは痛みを訴える。
けれど、欲しくて。苦しくて。
背筋を反らせながら、深く飲み込んでいく。
ようやく全て収め、身体を震わせた。
倒れないように支えていてくれた手が、そっと頬に触れる。
「大丈夫……ですか?」
気遣う仕種が優しくて、涙が滲む。
なんだかとても、切なくて。
312 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:32:18 ID:3z7qpiF+0
>>311 瞳を閉じ、ゆっくりと腰を動かしはじめる。
もっと感じたくて。もっと感じて欲しくて。
腰を揺り動かしながら、自らの纏う浴衣をはだけさせた。
自身の指を口に含み、唾液を絡ませるように舐める。
濡れたその指を、自身の身体に這わせる。
喉元を辿り、鎖骨を通り、露にした胸を愛撫する。
彼を見つめながら。
その痴態を見せつけるように。
先端に触れると、強い快楽に襲われる。
鼻に掛かったような声が、抑えられない。
突然。
下から腰を突き上げられ、悲鳴のような喘ぎが響く。
それまでずっと好きにさせていた彼が、突然激しく腰を動かし始めた。
自身で刻んでいたリズムを崩され、嫌がるように首を振る。
けれど、互いの腰の動きは止まらず、淫らな音を響かせる。
「はっ・・く、う・・・あ・・・・っ」
彼が漏らす、低く掠れた声を、もっと聴きたくて。
強く。深く。腰を押し付ける。
眉根を寄せ、固く瞳を閉じ、感じ入ってる彼の表情。
扇情的な、その表情に。
恐ろしい程の快楽が背筋を伝う。
もっと聴きたい。もっと見たい。
狂ったように、激しく腰を揺さぶり続ける。
「う・・・・っっ!もう、イ、きそうですっ・・・あっ!くっっ・・・!!」
達する声に刺激され、自らも甘い悲鳴をあげながら、限界を迎えた。
313 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:33:26 ID:3z7qpiF+0
>>312 快楽の余韻に浸り、ぼんやりとする。
優しい手が髪を撫で、そっと眦に唇を落とされる。
「大丈夫ですか?」
無言で頷く。
「嬉しかったですよ?貴女があんな事をしてくれるなんて、初めてでしたし。」
今更、だけど。
恥ずかしくなって、枕に顔を埋める。
「あんなに乱れた貴女も初めて見ました。…とてもよかったです。」
耳元で、低く囁かれる。
「………うるさい。」
本当に今更、だけど。
何故あんな事したんだろう。恥ずかしくて彼の顔を見る事が出来ない。
……そうだ。桜の話をしていて、それで。
(美しいもの、と、恐ろしい、もの。)
彼が、儚げで、綺麗で。
魅せられたのだ。
あの、月明かりに照らされた桜のように。
どうしようもなく、惹きつけられた。
溜息が零れる。
確かに。美しいものと恐ろしいものは、近い処にあるのかもしれない。
抗えない程の、美しさ。
魅せられ、狂わせられる、恐ろしさ。
桜に魔力があるのなら、彼にもまた…。
髪を撫でる優しい手。窓から舞い込む優しい風。
夢と現の挟間で、そんな事を、考えていた………。
314 :
さくらさくら:2007/04/09(月) 18:34:53 ID:3z7qpiF+0
>>313 眠りに落ちた事を確認し、彼女を起こさぬよう静かに立ち上がる。
窓辺に立ち、桜を見つめる。
夜の桜は、人を惑わせ、捕らえる魅力を備えている。
風呂から戻った自分にも気付かず、熱心に桜を見つめていた、彼女。
…どうかしている。私は。
少なからず、桜に嫉妬心を抱いていたのだ。
その視線を、自分の方に向けさせたかった。
自分だけを、見つめて欲しかった。
どうすればそう出来るのか考えていた時、突然彼女から、口づけを受けたのだ。
そこから驚く程積極的に仕掛けて来た。
そっと、口元に笑みを浮かべる。
桜から、彼女を取り返した事に。
常にない、彼女の痴態を見れた事に。
本当は最後まで、好きにさせるつもりだった。
けれど、余りに魅惑的な姿に我慢出来ず、狂ったように突き上げた。
溜息をつき、頭を振る。
思い出すと、また身体が熱くなってしまう。
眠る彼女の元へ戻り、隣に潜り込む。
ふと、彼女の身体に薄紅の花弁が舞い落ちていることに気づく。
穏やかに寝息を立てる顔からは、先ほどの淫らな姿は想像もつかない。
あの、桜色に染まった肌…。
花弁を摘みあげ、思う。
美しいものと、恐ろしいもの。
私にとって、彼女は…。
さくら。さくら。
闇夜に舞散る、薄紅の花弁。
ひらひら。ひらひら。
ひらひら。ひらひら。
捕われたのは、だぁれ?
終わりです
>>303 乙です!
続き物イイよイイよ〜
わっふるわっふる〜
>>315 乙です〜Lにそんな風に思われたいですされたいです(*´д`*)ハァハァ
完結させてください
注意 前半死ネタではありませんが死に怯えるみたいなLが
出てきてしまいました。少し鬼畜かもしれません。
後半ヒロインが語ってるだけです。
無理な方、うざい方、徹底スルーおねがいします
321 :
キャンパス:2007/04/10(火) 11:09:17 ID:VRDfQvGC0
>>247 頭で分析すると、上手く性のはけ口にされ、
私の限界で見捨てられただけという気もする。
酷い男だったと恨めばいいのだが、
ただ身体が、彼はどこか優しかったと言う。
いつも自分勝手なSEXはしなかった。沢山舐めてくれ、イかせてくれた。
それが彼の趣向といえばそれまでだが、でも。
…やはり少なくとも40%は大切にしてくれていたのではないか。
身体がそう、言う。
気持ちが落ち着いた頃、なんだかそう思った。
流河のことを忘れきれずに呆然としていた5月末、
皆のキラのTV放送の話題も静まりかけた頃、
使っていない講堂で一人でぼーっとしていた私の前に流河が急に現れた。
322 :
キャンパス:2007/04/10(火) 11:10:19 ID:VRDfQvGC0
>>321 ドアを開けてつかつかと入ってきた。
私を壁際までひっぱって行くと、流河の両肘によって突然壁に押しつけられた。
下を向いているので髪に隠れ、表情がよく見えない。
が前に会った時と少しだけ雰囲気が違う。
でも、何事が起こったんだと思い目を凝らして表情をよく見ると、
別にいつものポーカーフェイスに見えた。
その時、向こうを向き私の肩に頭を乗せてきた。
数秒寄り添い沈黙した。…肩にかかる息が熱かった。
そして無言のまま、噛むように自分の中指を舐め、私の中に探り突いてきた。
突然すぎて少し痛みを感じたその時、
肌が触れていなければ気づかなかっただろうわずか、
流河の身体が震えた。
本能的に何かに怯えている、と思った。
様子のおかしさとあいまって。
流河は中指を私の中で懇願するように数回回した。
僅かに遠慮がちに、もう膨張しきったものを挿れてきた。
やはり痛いが必死で身体の力を抜き、入れてあげようとした。
彼がはじめて私に見せた甘えのような気もしたのかもしれない。
皮膚が擦れ、彼も痛いはずなのに腰を動かす彼を、
何か抱きしめてあげたくなり、その自分の感情によって濡れてきた。
その事にどこかほっとしたように速く突き始めた。
何かを忘れるように快楽を味わっている。
広い講堂に音と呼吸の音だけがする。
私の肩を噛むように耐え、押さえた呼吸のまま流河がイった。
そして、私の胸に顔を埋めてきて子供のように抱きつかれた。
そしてそのまま
「ありがとうございます。」
とだけ言い、またつかつかと歩いて帰って行った。
私は母性本能で数秒、抱きしめてあげることしか出来なかった。
323 :
キャンパス:2007/04/10(火) 11:11:33 ID:VRDfQvGC0
>>322 1度捨てた女をプライドの高い彼がヤりにきた。
何に怯えていたのかはわからない。
ただ、あの流河が怯えるといったら余程大きなものだろう。
ただ、私は自分が必要とされたことを理解った。
身体だけだとしても。
それは女として嬉しくなくは無かった。
もしかしたら最初から、少しだけでも私は必要だったのかもしれない。
おそらく流河に近づくことは、大変なことなんだろう。
彼のことだから、私には無理だと見抜いていたかもしれない。
終始、私を酷く扱ったことこそが、
彼の冷めた優しさだったのかもしれないと。
もちろん、私が彼を100%本気に出来るまでがんばれていれば
この…流河が居なくなった、つまらない大学生活から
連れ去っていってくれていたのかもしれないけれど。
私はだんだん、彼のことを考えると
ただ愛しく、なにか哀しくなり、
自分の存在が何だったかなどと考えるのを一切やめた。
抱いてもらえた記憶だけで十分かもしれない。
その後流河は一切学校に来ず、幻だったかのように消えたが
彼に開発された自分の身体だけが彼の居た証拠として残っている。
私は、もしもいつか流河が大学に戻って来た時に、今度は大きくて強い女に
なっていようと思ってがんばり、
そうしたら学校が楽しくなってきてしまい…
夏休みがはじまり
彼のことを表面上、忘れた。
終
>>323 以上です。
読んでくださった方ありがとうございました。
途中「ちゃんと女を捨ててあげるL」を凄い妄想したのですが
力不足でお騒がせしてしまいすみませんでした。
管理人さま、名前直してくださりw感謝感謝です。
>>324 乙&GJ 良かったです。
次回作楽しみにしてます!
>>324 乙です!
Lに顔うずめて貰いたい!!!!(*´Д`)
>>324 乙です!
サラッとしててつぼった
また書いてください!
キャラ壊し乙
鬼畜好きは結局どんなキャラでもいい人種だから萎える
こういうのもういいよ
>>328 またおまえさんかw
気持ちはわかるがスルーしろよ
どんなキャラでもいいというより女のレイプ願望だろう
それはちょっと違うよ
Lにならヤリ捨てられてもいいが、レイプ願望とは違う。
人それぞれだと思うんだが
レイプっていうのは相手はお構いなしに自分の性的欲求を満たす行動なんだよね
まさにキャンパスのラストシーンなんてそうなわけだけど
これまでの鬼畜LSSのヒロインはみんな酷く扱われて感じちゃうM系な上に
酷い行為をしたのは彼の愛かもしれない、私も愛してる(*´д`*)ハァハァ
という非常に都合のいい解釈をヒロインも読者もしてくれる
なんでスルーしないの?
なんでスルーしないの?
超鬼畜LのSS書いてこよっと(笑)
ワッフルワッフル!
何でもこい!
超わっふる!!!
今から買いに行こうっと(・ω・)ノシ
鬼畜Lでもぜんぜんかまわんが
ヒロインがアンアン感じてるんじゃちっとも鬼畜な気がしない
そこのところよろしく
ここはどうあっても鬼畜エロじゃないと駄目なんですねw
そういうわけじゃないと思うけど?
かまうのやめないか
投下されたSSに対するレスみれば何がうけてるかなんてわかる話
エロだよエロエロ
純愛でもほのぼのでも微エロでも超エロでも鬼畜でも家畜でも何でもいいよ
あスカ○ロは勘弁ね
家畜wwwww
家畜ワロスwww
>>340 レスみればっていってもほとんど反応ないやん
ID板にいったら思う存分感想が書き込めるとかなんとかいわれてたのにな
ツボとあわないのか人がいないのか
思う存分楽しんでます^^(感想、文がうまくないので
あんまりかけないのですが・・・すみません)
完結している小説とかの感想もかいてみても良いのでしょうか?
>完結している小説とかの感想
見ている側とすれば、それは70%以上オナニーにしか見えないな
>>345 気持ちはわかるけど…また自演とかいいだす人が出てきて荒れそうで
心配
わかりました。すみません;
感想レスは職人さんにやる気を与え
続きを投下してもらうためにつけるもの
したがって終わった作品にはつけなくていい
んな事は無い
折角あっちと別れたんだし、感想ぐらい好きに書いていいじゃん
勿論、叩きや文句は無しでさ
てかココこんなに人みてたんだねw
驚いたわ
過去の作品の前にフレッシュなやつに感想つけてやりなよwww
SSというより単なる妄想ですが投下します
私←捜査員、風邪・疲労で倒れたという
ベタな設定でスマソ
エロはありません
353 :
お粥:2007/04/10(火) 23:08:04 ID:pdNGf/cS0
>>352 一昨日の徹夜で体調を崩してしまったらしい。
足をひっぱるなんてしたくないのに。
それより、竜崎…Lはどう思ってるのだろうか?
誰よりも頭が切れ、捜査に命を賭けている竜崎。
時には強引なやり方が反感を買っていたけれど、誰もがその判断力と行動力は認めていた。
私はずっと前から、尊敬してた。だからハードな業務も、苦ではなかった。
それなのにこんな大事な時に…
捜査から外されても、仕方ないかも、あーあナサケナイ…
などと、個室のベッドの中で熱に浮かされてグルグル考えていたら、
突然、だれかがドアを叩いた。
「失礼します・・入っていいですか?」
「はっはいっ」
唐突な訪問に私は驚いた…その声が、竜崎だったからだ。
捜査本部は超多忙で、指揮を執っている竜崎は、人のことなどかまわなさそうな
印象があったから余計に。
「熱は…どうですか?何か食べましたか?」
「あまり食欲がなくて、何も食べたくないんです。」
「お粥作りますよ。何か食べたほうがいい。」
「えっ…」
「私、結構上手いですよ。」
竜崎が料理?お粥?
お粥を知ってるのか?作れるの?し、しかも自分のために??
ひええーー
内心思いがけない行動に、ちょっと驚いた。
「そんなこと忙しいのに悪いです。今、大詰めですよね? 捜査…」
「1時間ぐらいなら大丈夫です。」
「それに…」
「何?」
竜崎は,ちょっと口ごもって
ーーーあなたのそばにいたいんですーー
といいかけて口を噤んだ。
「…今、あなたが倒れてしまうと困りますから。
捜査員も減ってしまいましたし。」
354 :
お粥:2007/04/10(火) 23:12:17 ID:pdNGf/cS0
>>353 やがて、竜崎がトレーにのせられた小さな鍋を運んできた。
熱々の白いお粥をスプーンですくい、熱いですから、気をつけてくださいね。
といいつつ、私の口へ運ぼうとする。
重病人、いや、子供扱いされたことに、焦って
「い、いいよ、自分で食べられるから」
というと、
「いいから、食べて下さい。」と言った。
抑揚がなく、押し付けも甘さもない、いつもどおりの口調だったが
私は竜崎の行動が以外だったと同時に嬉しかった。
竜崎が湯気の立ったお粥を冷まそうと
フーと口を尖らせる仕草が可愛くみえてじっと見つめた。
細い指先で頼りなく持ったスプーンがゆっくりと口先まで運ばれ、
少し口に含み、飲み込むと、温かさが、体の芯まで伝わってくる。
人にものを食べさせてもらうなんて、子供の時以来で
そのシチュエーションも体を熱くさせた。しかも、竜崎に。
何だか心臓がドキドキしてきた。
変な感じだ、と思ってずっと観察していると、
「…何、見てるんですか。」
「何でもないです。 ・・・ありがとう。」
感情を隠しきれず微笑みがこぼれる。少し赤くなっていたかも
しれない。
そのとき、ふっと竜崎の唇が頬にふれた。
「…! …か風邪、移りま……」
言葉を遮って
「だったら風邪、私がもらいますよ。」
顎に手をかけ、唇に軽くキスされた。瞬く間の出来事だった。
そして私の手首を握りしめると「かなり脈が早いですね。大丈夫ですか?」と
言って微かに笑った。
当たり前だ。…脈が早くなるような事をしておきながら。
「では私は捜査がありますから…暖かくして、今日は充分休んで下さい。」
照れているのか、無愛想に竜崎は顔をうつむき、そっけなく出て行った。
熱のせいもあってポワンとしたまま、その後ろ姿を見送った。
私は微熱と安心感で、眠りについた。
END
>>354 乙です!
あーイイ!(*´д`*)ハァハァ
竜崎にお粥食べさせて貰いたいいいいいいい
>>324 完結乙でした〜
寂しい結末だったけど、重苦しくない所がよかった
>>354 乙!
自分はこうゆうほのぼの大好き
Lが料理上手というイメージは今までなかった。
どちらかといえば料理した事ないだろうと思ってたけど、
これ読んで料理上手なLに萌えた
作って貰いたいよな〜愛情こもってたら最高だw
新しい妄想くれてありがとん
>>354 乙です
すごくいい!!!Lにお粥食べさせてもらうなんてどきどきしちゃうよね〜(*´д`*)
またこういうの読みたいんでよろしくお願いします
待ってます
>>354 乙!!
可愛い!!
お粥をふーふーしてるL…(*´д`*)ハァハァ
めっさ萌えました!!
また書いてくださいーーー
糜爛の夜の続きを投下しますが、
終盤につれかなり重い話しとなってます。
あと、エロもほとんど無いので、苦手な方はスルーでお願いします。
361 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:43:13 ID:LZEvWBFv0
>>223 静かに音を立てて軋んで行く。
それを何かに変えることは不可能で、私は黙ったままそれを受け入れるしか無いのだ。
じっと押し殺し、渦巻くそれが浄化するまで。
それは途方も無い暗闇に過ぎない。想像も出来無い程に。
シーツに広がる彼女の髪を指で掬い、唇に持って行けば甘い香りが鼻腔を擽った。
柔らかいベッドの中はとても温かくて、
お互いの肌が擦れ合う程近くにいるのに、まるで遠くにいるような感覚に捕われる。
「…すいません。…辛い思いをさせてしまいましたね…」
彼女の髪を解き、宥めるように頭を撫でると私は小さく謝罪した。
これが私の本心なのか、それとも嘘なのか。もう分からなかった。
探偵Lを知らない彼女は、私を色眼鏡で見る訳でも無く、私という一人の人間を見ている。
それは私が求めていた小さな望みと夢にも似た感覚。
そして与えて欲しかったものでもある。
今まで誰一人私の胸中を深く揺さ振った者はいなくて、
他人と深く強く関わりあうことが、こんなにも愛しくて悲しくて、そして恐ろしくもあるなんて初めて知った。
偽りと嘘、例え欺瞞に満ち溢れていても、そこには確かなものがあるのだから。
「ううん…。平気。…平気だよ…。わたしこそ…貴方を傷つけたのに…ごめんね。
これ以上優しくされると……どうして良いか分からなくなる」
背を向ける彼女の肩は僅かに震えていて、
先程見せた毒婦のような醜悪さは微塵も感じられなかった。
この女がいかに悲惨な人生を送って来たのか窺える程に。
私なんかよりも遥かに孤独で侘しい彼女の闇は、多分私が思っている以上に深い。
組織の中心にいる男の側女として不釣合いとばかり思っていたが、
どうやら私の考えは大きく外れていたようだ。
他人を簡単に欺く聡明な頭脳と男を騙す悪女のような仮面、
そして少女のような純粋な心を持ち合わせており、彼女はそれを巧に使い分けることが出来る。
少しずつ彼女の傀儡にされて行く様は、まるで悪質な催眠療法だ。
しかし、その透き通るような怪しく艶美な誘惑は、余りにも脆過ぎる。
静かに狂い始めていた。
「…それは本心ですか?それとも……。貴女も嘘を付くのが好きなようですから」
探るような目線で言えば少しでも動揺してくれるだろうか。
言葉とは裏腹に彼女の項に顔を埋め、甘えるような仕草をしてみる。
362 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:46:01 ID:LZEvWBFv0
>>361 「……さぁ。どっちでしょうね?…当ててみてよ?」
また毒婦さながらに私の胸中を揺さ振るのかと思いきや、
振り返った彼女の瞳には毒が感じられず、今にも泣き出すかのような儚い笑みを浮かべている。
お互いに分かっているのか、知らずにいるのか。少なくとも彼女は私に強く惹かれているだろう。
それは計算され尽くしたシナリオには無い想定外の出来事で、
それを許せない彼女は、私を欺く振りをして自我を保っているのだ。
最初に会った素直な振りと、純粋な少女のような仮面はもう剥がれ落ちている。
それはとても滑稽だ。悲しい程に。
私は………私の気持ちは―――分からない。
ただい言えるのは、これは捜査であって、只の仕事。
何も変えれないし、もう知らなかったあの頃に戻るのは不可能だ。何もかも遅過ぎる。
「……一つ聞いていいですか?…まだ三度しか会って無いのに、
貴女とはとても濃密な時間を過ごしたと思ってます。
たった三度…それだけなのに…………。
私、自分以外の人間を深く知りたいと思ったのは初めてなんです。
…貴女も同じ気持ちだと嬉しいのですが、
……貴女はきっと…多くある慰め物の一つ…としか思ってませんよね?
…考えると…とても最悪な気持ちになります。
…貴女の本当の気持ちを聞かせて欲しいです。嘘と真実…どれが本当か分かりませんから…」
「…………貴方も嘘を付いてるでしょ?
でも…それが本音なのか、嘘なのか……。わたしには分かる。
……きっと本当のわたしを知ったら貴方は軽蔑するから、
だから知らない方が貴方の為でもあるのよ…」
「……いいえ。…貴女なら分かっている筈です。
…いや、私の気持ちを知ってる筈です…私は知りたいんです。貴女自身を…」
これは――、最後の賭けでしかない。シナリオは静かに終幕へと差し掛かる。
静かに瞳を伏せると、気だるそうな体をベッドから起こし、彼女は煙草に火を付け深く紫煙を吐いた。
その唇が私の唇に触れる。
少し乾いたその感触と煙草の香りが鼻腔を強く掠めるが、嫌な香りでは無く、
女の甘い香りと煙の苦い香りが混じり、何処か擽られる彼女のそれに脳内がクラクラする。
細い指に挟んでいる煙草からは、ゆらゆらと煙が舞い上がっていた。
「…どうして?…貴方といると…寂しくなるの…。とても…とても。
こうやって…触れ合っていても…幾ら体を重ねても…どんどん寂しくなって行く…。苦しいよ…」
ああ……。切ない程に声が上擦り、憂いを帯びた瞳が私に訴えかけている。
最初見せた素直さを偽る彼女では無くて、剥がされ暴かれた彼女の本音は酷く可哀想であった。
爛れた皮膚のように痛々しく、そしてガラスの様に脆い。
苦しいのは貴女だけじゃないのに。分かってはくれないのか。
363 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:47:39 ID:LZEvWBFv0
>>362 華奢な背に腕を回し、何も言わずただきつく抱き締めた。
細い肩が震えている。彼女は泣いていた。
何故こうなってしまったのだろうか。
――これは、私の失敗。私自身でも阻止出来無い失敗。
そして、その術を知らない私の未熟さ故の失敗。
ゲームは終盤にさしかかり、後は何も考えずそれをただクリアするだけだ。
それがこんなにも難しくて辛いなんて。誰が知っていただろう?
……彼女と同じように肩が震えた。
「……来週また逢えますか?…貴女の全てを知りたい…。
私は絶対軽蔑なんてしませんから…知っている筈です」
「………」
「そして…全てが終わったらここから逃げませんか?…誰も知らない土地へ」
「……何言ってるの…?逃げる…?」
「はい。……もう苦しいのも、辛いのも終わりにしましょう…」
「……そんなの……出来るわけ」
酷く動揺した否定の言葉を、彼女の唇に指を当て私はそっと遮る。
「…一つ、言い忘れていました。私の名前……本当の名前は…Lと言います」
そして、彼女の耳元で小さく囁いた。これは、最初で最後の私の真実。
「…L?……やっぱり…偽名だったのね…」
彼女が最初から知っていたかのようなか細い笑みを零すと、
私は依然震えている肩を押さえ、彼女の涙を舌で掬い、触れるだけのキスをした。
甘く悲しいキスを何度もして、再び彼女の背に腕を回す。
お互いの体温が蕩けて行くまでずっと彼女きつくを抱き締めた。
364 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:49:50 ID:LZEvWBFv0
>>363 翌朝、私は夜が明けてから捜査本部へ戻った。
彼女と朝まで過ごしたのはこれが初めてであった。
あんなにも眩しかったネオンはいつしか消え失せ、変わりに太陽が私の脚を竦ませる。
晴れ渡る青空に溜め息が零れた。
自室に篭り瞼を閉じると、あの寂しく笑う彼女の顔が浮かんだ。
誰も知らない扉の向こうで静かに交わされた約束は、きっと果たされない。二度と。永遠に。
それでも私は―――、求めつづめる。
これが愛なのか、恋なのか、それは知らない。言葉にするには陳腐過ぎる。
ただ惹かれただけだ。全てを忘れ、狂おしいまでに惹きつけられ、魅了されただけ。他には何も無い。
不意に扉を開ける音がして、ソファの上で小さく蹲っていた私は咄嗟に顔を上げた。
「ワタリ……」
そこにはワタリがいた。
酷く不安気な顔をしてコーヒーを差し出すと、何もかも見透かしている筈なのに、
業と探るような物言いで私に問い掛ける。
「…どうですか?彼女は?…やはり重要な人物でしたか…」
「………。…お前の思ってる通りだ。
捜査に従い確保する。私が決めたことだし、特に意義は無いと思うが?
みんな同じ考えだと思うし。…そうすれば彼女から証拠が上がり、組織もろとも潰れる。
恐らく、彼女以外にも…同じ方法で薬を売り捌いてる者がいる筈だ。それも…もうすぐ分かること」
コーヒを啜りながら平然を装い、込み上げて来る焦燥を押さえつつ、私は坦々と話す。
厭くまでこれは捜査なのだからと、自分に強く言い聞かせているようであった。
「……L。…私は…貴方が思うように生きればいいと思っております。
…探偵Lでは無くて、貴方が自身が思ったように」
「…ワタリ…何を言ってるんだ…?私はもう決めたし、考えを変えるつもりは無い。
……明日、確保の手順をみんなに説明する。……もう、頼むから余計な事は言わないくれ」
杞憂するワタリまでもが今は苛む要因でしか無く、苛立った口調で吐き捨てると、私はベッドに潜った。
全て夢だったと願わずにはいられない。
胸の奥でざわめいている強い焦燥と逃れなれない苦しみ、そして彼女への想いが眠りを妨げる。
深く目を閉じ、やがて来る暗闇に体だけ手放した。
365 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:52:01 ID:LZEvWBFv0
>>364 次の金曜日――、暗闇の中で踊るネオンが妙に騒々して、私はカーテンを閉じた。
スーツでは無く、明らかにこのホテルとは不釣合いの
普段身に付けているデニムとTシャツを纏って、私はソファの上で膝を立て彼女を待った。
とても怖かった。
何もかもが消えて行き、そして何も無かったようにまた日常が始まる。そこに彼女はいない。
行き場の無い苛立ちと不安の所為で、爪をきつく噛んでしまう。ガリっと嫌な音がした。
暫らくして、ドアをノックする音がして心臓が抉られそうな感覚に陥る。強い動悸がした。
ゆっくりと扉を開けると、儚く微笑む彼女の姿があった。
「…どうしたの…?今日は随分カジュアルな格好だね」
「はい。成るべく素の私を見て貰いたくて普段着で来ました…。おかしいですか?」
「ううん。……何かそっちの方がLらしいよ」
初めて呼ばれた名にまた一つ鼓動が高なる。
私は彼女という生き物にここまで翻弄されてしまったのか。
本当は彼女だけが私に戒められる筈であったのに。全ての計画は呆気無く崩れ去った。
しかし、もう抜け出せないのは分かっている。痛いほどに。
私は彼女の腕を引き、胸へと寄せると耳元で囁いた。
「一緒にシャワー浴びませんか…?」
成るべく甘く、誘うように息を吹きかける。
バスルームを選んだのにはもう一つ理由があったからだ。
寝室には盗聴器が幾つも仕掛けられている。
彼女は小さく頷くと、いじらしく頬を摺り寄せ、私の背に腕を回した。
かなり広いバスルームには、
女心を擽るような可愛らしい猫脚の浴槽があり、彼女は楽しげに欲済を入れていた。
あっという間に泡立った浴槽に不満を感じながら、彼女を見ていると、
「どうしてそんな顔してるのよ?」
と不服そうに尋ねて来た。
「だって…こんなに泡立ってしまっては…何も見えないじゃないですか?」
「馬鹿」
クスリと微笑むその表情は、やはり何処か物悲しそうで、
心の奥底から笑って無いと私に訴えているようであった。
全ての柵と重い枷から解放されれば、きっともっと上手に笑える筈。そんな日は来るのだろうか。
366 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:56:30 ID:LZEvWBFv0
>>365 彼女の体を引き寄せ、白い首筋に唇を落として行く。
この間付けた痕は到に消えており、私は記憶を辿りながら同じ箇所にまた刻んで行く。
白い肌が見る間に赤く染まり、扇情的なその姿に切なく駆り立てられる。
甘い声を上げ、しなやかに反る背。彼女の体を支えると唇を深く重ねた。
舌を絡ませ、吐息が重なり蕩けてしまいそうな熱に絆される。
私達は…今までで一番優しく、そして深い口付けをした。
「L……。苦しいよ……。お願い…。わたしを…解放して……」
祈りにも似た彼女のか細い声が、酷く切なくて苦しくて、
もう全ては壊れているのに元に戻す術は無いのに、私は彼女を抱いた。
私の上でしなやかに蠢く肉体を目に焼き付けながら、激しく深く突き上げる。
湯の中で圧迫される快楽と焼けるように熱い結合部に体が震え、彼女の体内奥深くに全て吐き出した。
甘い吐息が重なり、僅かな差で彼女も果てると、また唇を重ね、
彼女の全てを焼き付けるように、そして忘れ去るように深く深く口付けた。
「L…。……。こないだの事覚えてる?
…わたし…もう駄目なの……。もう、Lに会えなくなっちゃう…」
ベッドの上で呟かれる彼女の言葉に私はただそっと耳を傾けていた。
まるで自ら蜘蛛の巣に囚われた蝶そのものだ。
いっそ、罠にかからないでくれ…と強く願うが全てはもう遅い。
仕向けたのもそれを張ったも他なら無い私なのだから。
彼女は側にあったバスローブを羽織ると、カバンの中から何か取り出し、私に差し出した。
―――それは薬であった。
半透明のビニールから除く白い粉。
種類は何か分からなかったが、かなり小さく持ち運ぶ分には支障無い代物。
「……これは…?何ですか?」
「…コカイン。服用すれば強い精神疾患に陥るわ。
…依存性も高く、体も…徐々に侵食され、最後はきっと廃人になる…」
「……どうして…?こんな物…。貴女が持ってるんですか?」
「…………。こうやって…売り捌くのがわたしの仕事だから……だから……L。貴方も……」
「これを……私に使えと?」
「…………ええ……」
彼女の声は震えていた。薬を持つ細い指先も小さく震えている。
それと同時にシーツの上にポツリと色濃い染みが浮かんだ。泣いて……いるのか。
367 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 02:59:06 ID:LZEvWBFv0
>>366 私が見落としていた最大ミスは、薬を売り捌く方法、それは彼女を媒介にしていたという事。
ここまで大きくなった組織は普通横流し経由で売人に売るが、
そこを盲点に付き、自らの側女をあざとく使ったのだ。
多分彼女は無理を強いられている。むしろ命令同然に。
それは服従に似たもので彼女の中でインプットされている、絶対に逆らえないようにと。
しかし、それは今回のことに限ってかも知れない。
あの醜悪な笑みを浮かべた彼女なら、難無く薬を売り捌く気がする。
彼女ももう浸かり切ってしまっているのだ、気付かない程に深く侵食されているだろう。
そして奴等の最大のミスは、これを商売とする彼女が客である男に絆されてしまうという事。
恐らく、私にしたようにバーに来る若者を狙い、
彼女が持っている魅力を最大限に使って男を懐柔させて行く。
いつしか虜になった男に薬を渡すと、何か理由を付け上手く言い、薬を飲ませる。
じわじわと薬漬けにして、
それ無しでは生きて行けない体になった所を見計らい、薬を高値で売りつけているんだろう。
めんどくさい手法だが、確実だし彼女が上手くやれば情報が漏れることも無い。
ボロを出さず、彼女は確実に仕事をこなす。
思い通りに都合良く動かせるし、裏切ることも知らない。その上彼女は美しく魅力的だ。
こんな都合の良い女を組織自ら手放す訳は無いだろう。
「……何故、泣いているんですか?」
「……分からない……。……ただ貴方にだけは…知って欲しく無かった。
…本当のわたしを……。わたしは凄く穢れていて……。貴方を見てると…とても苦しかった……。
どんなに近くにいても…遠かった。
………これは貴方に渡したことにするから………………
だから……お願い……。もう逢わないって約束して?」
「………一緒に逃げるって…約束したじゃないですか?」
「……駄目よ。直ぐ見つかって殺されるわ……お願い。約束して……?」
美しい顔を歪ませて、瞳からは絶えず涙が溢れていた。
私の方こそ狂っている、こんな彼女を前にしてまだ平然と嘘を吐き続けるなんて。
もう何も感じなくなって来る。
呼吸さえしているのか、してい無いのか分からない程に。
震える彼女の背に腕を回し、強く抱き締めた。
彼女との時間を…肌で感じ取り記憶を巡らせれば、胸が爛れ落ちて行くような感覚を思い出す。
嗚咽する彼女の声だけが部屋の中に響いては溶けて行く。
彼女の中の悲痛な闇と葛藤。それは私が促したに過ぎない。
もし出会っていなければ、こんな辛い思いをさせずに済んだのに。
泣くことも、胸が引き裂かれそうな思いも何も知らなかった筈なのに。
368 :
糜爛の夜:2007/04/12(木) 03:02:32 ID:LZEvWBFv0
>>367 ―――でも、私は捨ててはいけない。Lという正義を。私に課せられた人生を。
最後のセリフを言わなくては。もう、演じる時間は終わりだ。ゲームを終わらせなくては……。
「……L。…聞いて。わたし、貴方に逢えて良かったって思って無い。
むしろ…こんなに苦しい想いをするなら逢わなかった方が良かったって思ってる。
………これからどれぐらい…寂しくて辛い想いをするのかは分からない。
…でも…きっと……笑える日は来るよね?……」
彼女は静かに微笑んだ。
まるで少女のようにあどけない笑みを浮かべ、私の唇を奪う。とても悲しい味がした。
早く……言わなくては。…しかし……彼女はもう二度と笑わないだろう。
私が奪った。何もかも全てを。
それでも私は―――。
「………します……。貴女を麻薬取締り…及び……密売の容疑で…確保…します……」
喉奥から絞った声は情けない程、震えていた。
まるで自分の声じゃ無いように、酷く上擦っている。
「L?……………何言って――」
全て悟ったのだろう。彼女は驚いた様子で口に手をやった。
温かい涙がポツリと私の腕に落ちた。
終幕へと沈んで行く。全てが、呆気無く。
「………確保します。…今の言葉も全て…盗聴器で記録してありますから……」
「………L……。……最初から…そのつもりで…近づいたんだね……。
ずっと貴方もわたしと…同じだと…同じように……想ってるって………」
「はい。………そうですね。………見事に貴女は罠にかかってくれました……。
お陰で……捜査は全て解決ですから……」
機械になぞられたように残酷な言葉を私は吐き続ける。
まるで今の心情を必死に隠す為の言い分けのように平然と。
何も知らないように蓋をして、彼女を残酷に戒めれば私は私でいられる。
指先だけが哀れに震えていた。
しかし―――。
彼女の頬に触れ涙を拭うと、掠るような口付けを落とし、強く壊れる程に彼女を掻き抱いた。
これが、最後。
もう二度と触れる事の無い温もりを焼き付けておく。植え付けておく。
―――彼女に伝わるだろうか。
言葉では無く、私の体を持って。気付いて欲しい。知って欲しいから。私の真実だけを。
部屋に刺すネオンの灯りが一つまた一つ消えて行く。夜明が近かった。
以上です。
次回で完結させます、長々とすいません。
管理人さん、いつもありがとうございます。
>>369 乙!gj!
なんか展開が切なくなって来たね。
そういえば冒頭で月に語ってたみたいだけど、結局どこまでLは話したんだろう。ちょっと気になったw
そんなこんなで続き楽しみにしてます。
>>369 乙です!ハァーン切ない(*´д`*)キュンキューンってなってます
そしてものすごくドキドキしました!続き楽しみにしてます!
話の展開はトロくて少女漫画チックです
エロは当分ありません
日曜礼拝が終わった後、私はワイミーズハウスをでた。今日は兄さんに会いに行く日なのだ。
ハウスはその後の生活が可能であると認められた場合には15、
その他は18で卒院することになっている。
私ももうすぐ15、今度こそハウスを出て兄さんと一緒に暮らすことが許可されるだろう。
頭上に広がる抜けるような青空を見上げると、
私はやはり15でハウスを出て行った黒髪の少年のことをまた思い浮かべた。
こんなよい天気の日は必ずといっていいほど彼のことを思い出す。
この2年間、幾度となく脳裏によみがえらせたあの階段と屋上での短い時間を。
当時自分でもよくわかっていなかった彼への苛立ちの理由。
それは嫉妬だ。
彼の才能と、周囲から特別に求められていることに対する羨望。
私だって、誰かの特別になりたい。必要とされたい。
でも彼は周りの人間のことなんて、私のことなんて歯牙にもかけていなかった。
だから私はせめて彼を怒らせて、そして私を認識させたかったのだ。
我ながら本当に子供じみていたと思う。
あの時やっと彼は私を見て向き合っていたのに、私はそれに気づけなかった。
自分がなにを望んでいたのかよくわかっていなかったのだから仕方ないけれども。
ロジャーやキルシュ・ワイミーに特別に目をかけられていた彼だから、
またハウスを訪れることももしかしてあるかもしれない。
そう思って気にしていたけど、あれだけ才能を持ち目立っていた彼なのに、
でていったっきりハウスには噂すらも伝わってこなかった。
思い出にしてしまうにはまだ少し日が浅く、強烈な印象を私に残したままの彼。
だけど私が卒院してしまえばそんな僅かな機会も失われ、もう二度と会うこともないだろう。
人でごった返したハイストリートを歩き、兄さんと待ち合わせをした店へ向かいながら
そんなことをぼんやりと考えていると、急に横から腕をつかまれた。
状況が把握できず驚いているうちに、あっという間に裏路地へひきこまれてしまう。
助けてと悲鳴を上げようとしたとき、名を呼ばれ、ぱちんと開かれたナイフを突きつけられた。
通りから隠すように二人。目の前に一人。
私は3人の若い男に囲まれていた。
私が怯えて口を閉じたのをみてとると、目の前の男はナイフをすっと引いて服の下に隠す。
「騒ぐな。お前の兄貴の所へつれていってやる。」
捻りあげるように強い力で背後の男が私の腕を掴み、私は引きずられるようにして歩き出した。
>>374 ***
コンクリートの床は硬くて痛くて冷たい。殴られて切れた口からは鈍く錆びた血の味がした。
涙で腫れたまぶたを開くと、同じように床に転がされて蹴りつけられている兄さんの姿が目に入る。
「妹は関係ない。離せ!」
「だったらさっさとLの正体を吐いちまえよ。なぜ今更黙る。
もともと情報を売るつもりだったんだろうがぁ」
Lの正体? えるって・・・だ・・・れ・・・
「やめ、て!兄さん!にい、さんっ、Lなら、私知ってる」
信じられない、という顔をして兄さんが私をみた。
正確には私はLを知らない。でも知っていることもある。
普通ならすぐに忘れてしまっていただろうロジャーと誰かの会話。
でも何度もあの日を思い返していた私は、屋上できいたその名をはっきりと覚えていた。
『いないのかね。Lもいないか?』
『ああ。あの子はこんなところにはいないだろう。』
Lはワイミーズハウスにいる。少なくとも2年前はいた。
そして兄さんの知り合い。
なぜこいつらがそのLを探しているのかはよくわからない。
兄さんを蹴り上げていた男たちはその行為をやめ、私をみたが腹を抱えて笑い出した。
>>375 「おまえがLを知っているだって?孤児院から碌に外にもでねえ餓鬼が。
麗しい兄妹愛だねえ。兄さんを助けようって嘘をついても無駄だよ。」
私は戸惑った。
ワイミーズハウスにいるLを探しているのではないの?
私は偶然同じ名前を聞いただけなの?
でも、ハウス出身の兄さんが知っているということは、偶然とは思えない。
「妹はでたらめなことを言っているだけだ。彼女がLを知りえるわけがない。」
「それはそうだろうとも。だが我々はお前だってLの正体を知っているとは思えないんでな。
だからこうしてお前の妹を人質にとった。」
リーダーらしきその男の会話をつなぎ合わせてLについてわかったこと。
Lとはこの最近イギリス中の悪事を摘発しつづけている影に隠れた謎の探偵。
稀有の才能の持ち主。
この2年、その活動は急激に増し、イギリスの主だった闇組織はいまや壊滅寸前だという。
そんな人物とただの孤児である私に繋がりなどあるはずがないと嘲弄するように与えられた情報に、
勘違いだろうかと揺らいでいた私の頭には、むしろ逆にある特定の人物が思い浮かんだ。
>>376 この2年で頭角を現したL。
屋上で、探されていたL。
給水塔で、一緒に隠れていた彼。
2年前にでていった天才。
不自然なくらいなんの噂も聞かない。
壁に掛けられていたトロフィーや表彰式の写真も何もかもはずされた。
まるで初めから存在しなかったかのように。
「え・・・るは・・・Lは」
思い違いかもしれない。
でも、兄さんの目が黙れと強く言っている。
その必死さがたいした根拠のないただの勘に近い私の考えを後押しする。
兄さんはLの情報を売ろうとした。なぜそんなことをしようとしたの?
私が彼についてぶつぶつ愚痴をいっていてもただ笑って聞いていただけだし、
兄さんと彼が話をしているところもみたことがなかったのに、元々繋がりがあったの?
「Lは、私の・・・」
なんだろう、とふと口ごもった時、黙れとお腹を蹴り上げられて、私の意識はぷつりと途切れた。
>>377 今回はここまでです
L出番なしですみません・・・
>>378 乙です
ワイミーズでほのぼの展開かと思ったのに予想外の展開です
続き楽しみにしてます〜
>378
乙です!
オラわくわくしてきただ
>>369 乙!
>>378 乙!
誘拐ネタは確かに少女マンガの王道だねww
でも大好物さ…
Lに助けてもらいたい(*´Д`)=з
今連載中ってビラン、トロンプ、憂欝な体だよね?
どれも個性があって話もしっかりしてて面白い
文章も上手いしすげーよ
続きが待ち遠しい
糜爛ってビランって読むのか
ビラン完結したよ。
>>369に書いてある。
挟んじゃったから書かなかったけど、すごく良かった。
次回作も楽しみだ。
ん?次回で完結と書いてあるぞ
あそこで終わるのは中途半端じゃない?
あっ本当だ、間違えました。偉そうに言ってごめん。
Lぬいがまだ届かない・・・
アニメイト入荷待ちだってorz
あ〜Lの股間モフモフしたい!
>>369 乙です
女が犯罪者という事で、切ない展開になるのは覚悟してたけど、
やっぱり物悲しい気持ちになるね
最後楽しみにしてます
>>378 いきなり二年後の急展開と来たかw
事件性絡むとドキドキするね
続き待ってるよ〜
萌えコラの投下はないのかなあ
過っ疎る!過っ疎る!
コラ師はあっちに行ってるしなぁ…SS投下無いと過疎るよね
そーいやキラゲーム買ったやついる?何かあれ意味わからん
私の頭が馬鹿なだけか…
純愛コラ職人さんいなくなっちゃったのかな
続き投下します
エロなし
話の展開は少女漫画です
管理人さんいつもお疲れ様です
>>395 私は薄暗い中でぼんやりと汚れた天井を見つめる。
体は寒くもないし痛くもない。ただだるくてぶわぶわとしたものの中で浮かんでいるようだった。
倉庫のような場所で気を失った私は、気がついた時にはこの狭い部屋に手足を縛られて転がされていた。
窓に板を打ち付けてあるこの部屋は、それでも昼は隙間から薄明かりが差し込む。
でも夜になると真っ暗で、明かりも与えられず、初め私は泣き叫んだ。
外の物音は聞こえてくるからまだマシだったけど、もしその音すらもなければ、
本当に気が狂っていたかもしれない。
彼がLだ。
あの時確信に近かったそんな考えも、今はもうすっかり遠くなり、
やはりただの思いつきに過ぎなかったような気がしていた。
いくら彼でもハウスをでてたった2年。
まだ17なのに、組織に賞金を掛けられ狙われるほどの探偵になれるわけがない。
それにハウスをでて探偵Lとして動きはじめたはずなのに、
あの時既にLというコードネームで呼ばれていてはおかしい。
>>396 良かった。
変な思いつきで彼を巻き込んじゃうようなことをうっかり言わなくて。
兄さん・・・どうしてるんだろ・・・大丈夫かな
Lの正体を、兄さんはいったのかな・・・?
SEの兄さんがどうしてそんな探偵と関わりを持ったんだろう。
私は指一本動かさず、ただ横たわったまま、もう何度も同じことをぼんやりと考えている。
たまらなく身体がけだるくて、瞼を閉じることすら面倒だった。
目が乾いてひりひりしてきたので、仕方なく瞬きをする。
ずっと目を閉じていればいいのだけど、視覚を閉ざされるのが怖かった。
目を閉じている間に誰かが忍び寄ってきそうで。
もうすぐまた夜が来る。
酷い恐怖だったその夜も、今はああ嫌だな、とぼんやりと思うだけだ。
兄さんとはあれきり会っていない。
ここが兄さんとあった場所と同じなのかそうでないのか。
兄さんが近くにいるのかいないのか。
わからない。
ただ、ここにはほとんど人がいないようで、私の前に現れるのは二人の男だけだった。
クスリと、食べ物を与えに来る。
兄さんの情報が嘘であっても本当であっても、私たちは殺されてしまうのかもしれない。
そうでなかったとしても、私はもう、元には戻れない。
どれくらい時間が経ったのか、部屋の薄暗さがどんどんと増していき始める。
私は開き続けていた目を閉じ、そのままもう開かなかった。
暗闇は嫌だ。
だけどその暗闇へとじわじわと推移していくこの時間帯はもっと嫌いだった。
私が目を閉じて暫くした時、階下から男の喚き声とぱんという乾いた銃声が聞こえた。
続いて聞こえてくる乱暴な激しい物音。
私は閉じていただるい瞳をはっと開き、息を飲んだ。
何が始まったんだろう。
私は手足を拘束され、動くことはできない。
できることといえば、階下の物音に耳を済ませ、この部屋の扉をみつめることだけだった。
でも余り恐怖は感じない。ただ人事のように、ああ怖いことがおきるのかな、と思う。
暫くどたどたと複数の人間が動き回る足音と話声がしていたが、
ややあって彼らは外へでていったようだった。
建物は一瞬もとのように静まり返ったが、すぐに誰かが階段をかけ上ってくる音がする。
私を探しているのか、すぐ近くの部屋のドアが開く音が何度かして、
ついにきしむ音と共にこの部屋の扉が開かれた。
もうほとんど真っ暗だったこの部屋に明かりが差し込む。
廊下の明かりは薄暗い切れかけた電球だったけど、暗闇にいた私には酷くまぶしく感じられた。
入口に立っている人影は逆光になってよく顔は見えなかったが、
その随分細いシルエットに一目でこれまでこの部屋を訪れていた男たちではないことはわかる。
その男は暗くてよく見えなかったのか少しキョロキョロとしていたが、
ややあって私の存在を認めたのか、すたすたと一直線に歩み寄ってきた。
「・・・!」
差し込んだ光にもなれ、私に近寄ってきた男の顔をみあげた時、
様々な感情がぼんやりしてしまっている私もさすがに驚いて目を見開いた。
黒い長めの髪。ギョロリとした大きな黒い瞳。
何の愛想もないただの白い長袖シャツにゆるゆるのジーンズ。
全体的に顔の丸みが取れ、シャープになった顎のラインが2年の歳月を感じさせたけど、
まるでハウスにいたときのように、何事もないように、彼は私を見下ろしていた。
寝不足なのか、目の下に隈がくっきりと浮き出ている。
彼は無表情に私を一瞥するとひょいと私の脇に屈みこんで、手際よく足を拘束しているロープを解いた。
「出血していたり骨折していたりしませんね?」
2年ぶりの再会だというのにそんなそぶりもまったくなく、あっさりとそんなことを聞いてくる。
あっけにとられて私が首を横に振ると、彼は私の上体に手をかけ、床から抱き起こした。
猿轡を外してくれる彼の手つきは、苛立っているのか少し乱暴だ。
ようやく息苦しさから開放された私は、思いきり空気を吸いこみ少し咳き込んだ。
少しはぼんやりした意識もマシになった気がした。
>>398 「・・・兄さんは?」
私は兄さんの安否が気になって無意識にまずそう尋ね、唐突に現れた彼にただ単に驚いていた私は、
そこでやっとLのことを思い出した。
L・・・!
なぜ、今ここへ彼が現れたか。
それは私が初めに直感した通り、彼自身がLであること以外に考えられない。
でも、本当に?
「心配いりません。黙って。」
戸惑って二の句が告げないでいる私に彼はそういうと、つと私の腕に手を伸ばした。
手のロープもあっという間に外してしまうと、彼はそのままぐいと私の袖をつまんで捲り上げる。
私は彼と共に自分の腕にうつろな目をやった。薄暗がりの中でもはっきりとそれは見えた。
無数の痣に混ざってある、いくつかの針と内出血の跡。
薬に汚染された自分の姿を見られたくないような気がして、何かを誤魔化すように私はその名を口にした。
「L。」
彼は私の呟きにまったく何の反応も示さず、元通りに私の袖を下ろしていく。
「ね、あなたが、Lなんでしょ?兄さんは・・・あなたのこと」
彼は袖を下ろしてしまうと、私の腕へ落としていた視線を上げ、私を見た。
その表情にも強い目線にもなんの感情も含まれていない。
なのになぜか彼からはどこか怒っているような気配がした。
「私が、Lです。今更誤魔化すつもりはありません。
ですが今はその話はやめましょう。今のあなたとそんな話をしたくない。」
昔よりやや低くなった声が返ってくる。
その言葉に私は冷水を浴びせかけられた気持ちになって口をつぐんだ。
麻薬で頭がおかしくなった人間と話をしたくない。そう、言われた気がした。
私だって好きで打たれた訳じゃない。私のせいじゃないのに。
目の奥が熱くなって心がずきんと痛んだが、それもすぐに霧散してどうでもよくなっていった。
>>399 確かに、今の私と話をしたって無駄よね。
私はおかしいんだから。
でも忘れない。
あなたがLだと、はっきり名乗ったことを絶対に忘れたりしない。
私は精一杯力をこめて、彼の、Lの目線を跳ね返そうとでもいうように見返す。
Lは私の気持ちなんてまったく頓着せず、小さな子供にでもするように
床に座り込んでいた私の両脇の下に手を差し入れ、強引に私を立たせた。
お互いにこうして立ってみると、彼の身長があれからまた随分伸びたことがわかる。
背が伸びた分、昔より更に痩躯になった気がするが、意外に馬鹿力だ。
久しぶりに体を起こし、自分の足で体重を支えようとすると、うまく力が入らずに足が震えた。
プールから上がった後のように、体全体がひどく重くてだるい。
ふらついている私に軽く手を添えてLは私を幾秒か観察していたが、
歩けないとみてとったのか、私の腰に左腕を回してほとんど抱えあげるようにして歩き出した。
「すみませんが、時間がないのでいきますよ。」
部屋を出て階段を降り、建物の裏口から外へでる。
どこなのかわからないけど、怪しげなパブの立ち並ぶ狭い通りだった。
こうやって抱えられているとまるでふわふわと宙を浮いているようでたまらなく気だるく、
もともとほとんど自力で歩いていないくせにそれすらももうやめてしまいたい。
もう歩きたくないと言いこそはしなかったけど、体は正直で次第に力が抜けてきてしまう。
足に力が入らずへたり込みそうになる私を、Lの細長い腕がしっかりと支えてきた。
「我慢してください。あと少しですから。」
抑揚のないLの声が頭上から振ってくる。
その声は密着している体からも振動として伝わってくる。
その振動がやたらと心地よくて、ずっとしゃべっていてくれればいいのに、と私はぼんやり思った。
狭い通りを抜けて車通りのある少し広い道までいくと、
そこに止まっていた車へ私は押し込まれるようにして乗せられる。
車の揺れに身を任せて上体が定まらない私の腕をLは掴まえると、自分にぐいっと引き寄せた。
>>400 柔らかいシートの感触と車の振動。
服越しにじわじわと伝わってくるLの体の暖かさ。
ほんの数分歩いただけなのにすっかり疲れ果てた私はぐったりと体の力を抜き、
Lとシートに完全にもたれかかって重たいまぶたを閉じる。
自分の体がどろどろと溶け、車のシートに染み込んでいくような感じがした。
そのまま眠っていたのか、ただ朦朧としていたのか自分でもよくわからない。
何度か車を乗り換え、Lが携帯で誰かと話していたのを聞いたような記憶はぼんやりと残っている。
なんだろう?
体の右側はあったかいのに、左側が・・・
ふと意識が鮮明になり、ぶるっと身体をふるわせて、私は寒い、と思った。
これまで寒さなんて感じなかったのに、とどきっとしてふと身体を起こした拍子に、
酷く殴られた右肩が鈍く痛み、ロープで擦れた手首もずきずきとした。
クスリが、切れ始めてる?
「ど・・・しま・・た?」
怖い。クスリが切れたら、苦しくなる。
そして今度は、どんなに苦しくなってもクスリが与えられるわけじゃない。
「どうしたんですか。」
ふいにLの声がはっきり聞こえたかと思うと、私の肘辺りの布が掴まれてひっぱられ、
私は右隣に座る彼の方を振り向いた。
まじまじと私を覗き込んでくるLの黒い瞳に、車外を流れていく街路灯の光がちらちらと反射する。
>>401 「っ・・・痛い。」
やっぱり気のせいではない。
服を引っ張られたせいで、少し不自然に曲がった右肩がまた痛みを訴えてくる。
その痛みはさっきよりはっきりしているような気がした。
顔を歪めて身をよじった私を見て、Lはつかんだ服をぱっと離してくれたが、
答えを促すようにじっと私を見つめたまま目線はそらさない。
「痛い。今まで痛くなかったのに・・っ」
私は急に不安に駆られ、声がつまり、瞳に一気に涙が膨らんだ。
体の痛みと共に、抑制されてほやけていた感情も正常に戻ってきているみたいだ。
慌てて私はうつむいたが、ぽたりと涙が服の上に落ちる。
薬が切れ始めてきた兆候はきちんと彼に伝えるべきなのに、
これじゃまるでただ痛くて泣いている子供のようだ。
そう頭では考えたものの、喉が詰まってそれ以上何も言えなかった。
Lはうつむいた私の右腕に手を伸ばすと、服ではなくそっと腕をつかんで引き寄せ、元のように私を自分にもたれさせかけた。
「大丈夫です。もうつきますから。症状を抑える薬だってあります。・・・大丈夫ですよ。」
Lは私の涙の理由を正確に理解した。
相変わらずぶっきら棒でなんの愛想もないしゃべり方だけど、
大丈夫ですよ、と二度繰り返して言ってくれたことに、私はどことなく彼の優しさを感じとった。その途端に急に私の体は震えだし、涙が滂沱として私の頬を流れだす。
開放されたんだという安堵と、これから先の不安と-――。
いろいろな感情がごちゃ混ぜになって涙が止まらない。
声は出さなかったものの嗚咽に震える体はとめられず、明らかにLにも気付かれていただろう。
Lはそんな私を慰めるでもなく、引き寄せた私の腕を軽く捕らえたまま、ただ黙っていた。
声を押し殺し、涙を止めようとすると余計に哀しくなって、なかなか私は泣き止めなかった。
こんなとき兄さんがいてくれたらとふと思い、心配ないとは言われたものの、
兄さんはどうしているかと考えるとまた新たな涙が溢れてくる。
とめどなく流れる涙をふくハンカチなど持っているはずもなく、
このままではもたれかかっているLの服を濡らしてしまう。
私は再び彼から体を起こそうとしたが、腕を捕らえているLの指に力がこもりそれを引き止めた。
「いいですから。」
ぽつりと低く発された言葉。
それが泣くのを我慢しなくてもいいという意味なのか、服が濡れても構わないという意味なのか、
よくわからなかったけれど、私はたまらなくなって彼の左腕に顔を埋めるようにして泣いた。
>>403 乙です!続きが気になります><
>>394 自分も待ってるんだけどすっかり投下なくなっちゃったね(´;ω;`)
>>403 乙です〜
ほんとに続き気になるw
頑張って下さい
>>403 乙です、続き気になります
糜爛投下します。
が、かなり重くて暗いです
407 :
糜爛の夜:2007/04/15(日) 01:17:16 ID:DcJbcBHZ0
>>368 部屋の扉を開けると、捜査員が待ち詫びたように彼女の腕を拘束し手錠をかける。
直ぐ側にいる彼女を遥か離れた空間から見るているような気がして、
私はただ黙ってその光景を眺めているだけであった。
何も、出来無い。全ては私が招いた結果なのだから。
事件は解決したが、彼女の中の柵も孤独も、深い闇も何もかも救えて無いのだ。
いや、過重させてしまった。私は残酷過ぎる。
どうしてもっと早く気付いてられなかったのだろうか。
彼女の気持ちに――。そして私自身の気持ちに――。
外には予め要請を頼んでおいた、ロンドン警察のパトカーが停まっているだろう。
組織の奴等も同じように拘束さた筈。
全ては呆気無く終わったのに、私の中では黒い靄が渦巻いていた。
小さな背を向ける彼女は、涙で塗れた顔と
悲痛に染まった顔をひたすら隠すようにずっと俯いていた。
どんな想いでいるのだろうか。
裏切られたと心底私を憎んでいるだろうか、悔いているだろうか、私に近づいた事を。
もっと違う形で出会えば結末は違っていた筈なのに。
全てが残酷だ。私が一番。吐き気がする程、残酷だ。
「……L。…お疲れ様でした。今頃組織も拘束されてます。……L……彼女に何か?」
ワタリが促すように彼女の方へ視線を送る。
ここで何を言ってもまた彼女を傷つけるだけだ。
そして、私も喪失感と罪悪感から抜け出せなくなるし、
彼女への想いが深く募るだけだ。それは私にとって闇でしか無い。
もう心はとっくに無かったと、気付くのが遅すぎた。
全ては彼女の為にあったのだから、あの初めて会った夜からずっと囚われていたと
……今更気付いても、もう逃げる事も出来無いし、焦がれていた肌に触れる事も叶わない。
「…いや、いいです。…それより早く帰って眠りたい。疲れました…とても」
指先が震え、嫌な悪寒が背筋に駆け上がる。
何故だか恐ろしく寒くて、自ら奪った大切な存在は、あった筈の私の心にぽっかりと穴を空けた。
ワタリにも他の捜査員にも誰にも悟られたく無くて、私は平然を装った振りを続け、偽善者を演じる。
彼女に聞こえただろうか?この残酷な言葉が。
気付いてくれるだろうか?嘘に隠された本当の私の気持ちを。
408 :
糜爛の夜:2007/04/15(日) 01:21:14 ID:DcJbcBHZ0
>>407 去り行く瞬間、全ての時間が止まったような感覚がして、
私は導かれるように数メートル先の彼女を見据えた。
風のように振り返った彼女は、
冷やかな瞳と軽蔑し切った眼差しで私を一瞥するのかと思いきや、儚く微笑んでいた。
今にも消え入りそうな脆く儚い笑みは、
今まで見た彼女のそれの中で一番悲しげなのに、残酷なまでに美しく思える。
胸が痛い。
まるで鋭利な刃物で抉られたかのように、ズキズキと鋭い痛みが体中に広がり、息が苦しくなる。
いつかは色褪せて行くのだろうか。それは彼女を失う程に寂しくもあり、苦しくもあるのではないか。
どれだけ深い闇でも、悲痛でも、私は彼女を忘れたくは無いのに――。
あの夜から一週間と3日が過ぎた頃、彼女は全ての柵と重い枷から解放され自由になった。
もう苦しむ事も悲しむ事も無く、誰も彼女を縛り付けることは出来無いし、
傷つける事も出来無い。誰も、彼女を奪えない。
彼女と過ごした鮮明に蘇える記憶と最後に見せた儚い笑みが、
ただ私を縛り付けるだけだが、私はその感覚を容易く受け入れる事が出来る。
まるで薬のようにすーっと私の体に溶け込んで行き、そして彼女は私だけのものになった。
ずっと永遠に、色褪せる事無く、悲しい笑みを浮かべたまま。愚かなくらい。蝕まれて行く。
暗く染まり行く部屋の隅で私は膝を抱き、浮かべていた。
二度と戻らない時間、一緒に逃げようと交わしたあの果たされない約束の続きを。
日に照らされる白い肌と美しい髪が艶やかに靡く。
甘い香りがして振り向くと、花のように微笑んだ彼女がいた。
409 :
糜爛の夜:2007/04/15(日) 01:25:16 ID:DcJbcBHZ0
>>408 「……と。これで私の17歳と6ヵ月の…甘く…切ないお話は終わりです」
随分、目が慣れた所為もあってか、暗闇では無く、
夜神月の顔は薄っすらと輪郭だけが縁取られていた。
私が話し始めてからおよそ一時間半経っただろうか、
事細かに話したつもりだが、私の複雑な心情までは話さないでいた。
ただ話したく無いのでは無い。彼女との思い出を誰にも触れさせたく無いからだ。
「月君?…起きてますよね…?」
返事が無い夜神月が何を考えているのか容易に想像出来る。
恐らく、この坦々とした物語りの中から、私の心理状況を探っているのだろう。
私達は特殊な状況と、偽りに塗れた真実の中で深く惹かれ合ったのだ。
誰にも気付かれぬように、それは密やかに。
どうせ理解出来ないだろうし、理解されたくも無い。
「………竜崎?一つ聞いてもいいか?」
「何ですか?」
「…彼女を愛していたのか?」
―――それは分からない。
あの感情が愛のか、恋なのか安易に言葉付け出来無い。
ただ苦しかった。
愛しくて、欲しくて、何もかも自分だけの物にしたかったのに、
合う度に寂しさは募り、肌を重ねてもそれは増すだけであった。
何故かは分からない。
ただ、彼女を欺くことを前程として近づいた私の心理がそう訴えていたのか、
それともただ単に愛していたからなのか。
一つに言い包めるには、余りに重過ぎる感情だ。
「…いいえ。潜入捜査ですから。
そういった無駄な感情は切り捨て無ければいけません。
月君だって分かってる筈です」
「そうだな…。
もし、竜崎が彼女の事を愛していたのならば、最後は逃げてる筈だもんな」
「…そう、ですね」
今でも思う。あそこで違う道を選んでいたならば、
例えLの名を捨ててでも結果は明るい未来へと繋がったかも知れないと。
全ては私の愚かな失敗に過ぎず、若過ぎる私はどうする術も知らなかったのだ。
410 :
糜爛の夜:2007/04/15(日) 01:34:32 ID:DcJbcBHZ0
>>409 「もう、寝ましょうか?…私の話はここまでです。…明日は月君の話を聞かせて貰いますから」
「え…。僕の話なんて大した事無いよ、いいよ、僕の話は」
「……そんなに拒否するなんて…まさか月君…童貞…」
「違う」
最初に夜神月に言われた言葉を返そうとするも、素早く否定されてしまう。
私は「そうですよね、軽率でした」と皮肉を込めて言い捨てると、ベッドの中で膝を抱え背を丸める。
もう、眠りたかった。
「あ、最後にもう一つ聞いていいか?」
「……何です?」
「…その後、竜崎はどうした?何事も無かったように普段の生活へ戻れたのか?」
「………。はい。その後、たて続けに捜査がありましたから…。
別に、あの事件だけが特別って訳でも有りません。潜入捜査は良い経験になりましたけどね」
夜神月はやや不服そうな声で「そうか」と呟くと、ジャラリと鎖の音を立て背を向けた。
瞼を閉じると暗闇と共にあの夜が鮮明に蘇える。
私はあの後、深い闇から抜け出せず、心は無いも同然の廃人さながらにずっと哀れにもがいていた。
抜け出せる術は無く、胸の痛みは酷くなるばかりで、頭痛と眠れない日々が何日も続いた。
吐き出せないそれを、体は他の何かで補おうとし
精神不安定に陥った私は、いつしか軽度のセックス依存症という病気になてしまったのだ。
自分では分からなかった。
ただ寂しくて、死んでしまいそうな孤独感に囚われ、
それを満たしてれるのは、初めて覚えたあの夜の感覚しか無かった。
別に彼女の変わりを求めていた訳では無い。
ただ、若い私にとって心を保つにはそれしか無かったのだ。
あれ程朝が嫌いだった私はもういなくて、いつしか夜に恐怖を感じるようになっていた。
眩しかったネオンも、暗闇に紛れる安堵感も、
何もかもが彼女を感じさせ、酷く悲しくてそして恐ろしくもあった。
あれから幾年か経った今は、もう平気。
何処かで私の中の何かが壊れてしまったことを知ったのはもう大分前だ。
朝も夜も全て何も感じ無い。
悲痛であった想いも、時が巡る中、色褪せて行く。
それはとても寂しいことだけど、大丈夫。
色褪せても消えることは無いのだから、永遠に。
暗闇と静寂の中、緩やかなまどろみに支配されていく私を
花のように微笑む彼女がそっと擽った。
終わりです。やっと完結しました。
こんな重い話しを読んでくれた方、本当にありがとう。
そして最後はエロスが無くて申し訳無い。
管理人さん、本当にありがとうございました。ではまた。
>>411 乙です!
エロスなくても十分萌えられたよ(*´д`*)ハァハァ
こういう重い話も不思議とLには似合うなぁ
>>411 乙乙!!
萌えました!というかLかっこいいです(*´Д`)ハァハァ
かっこいいし・・・胸がきゅーんとしました(*´Д`)ハァハァ
素敵な作品をありがとう!!
>>411 乙でした!文章巧いです(*´Д`)ハァハァ
そして「ではまた。」ということは次回作があるんじゃないだろうかと
wktkしてる自分がいますw
>>411 乙です!!
しかし切ない…(つ´Д`)
彼女を絶対忘れたく無いって思ってたのに、時間と共に気持ちは薄れて行ったんだよね?
しかも女は死…だよね?
>>411 乙でした
麻薬売りさばいただけで死刑になるんだっけ
四回かそこらあって抱いただけで
これだけはまっちゃうLは実は超純情なんだなハァハァ
>>411 完結乙です
切ないけど、終始ドキドキさせられました
凄く面白かったw
また何か書いて貰えると嬉しいです
>>411 乙でした
最初読んだときはLがヒロインに惹かれるていうのは無いだろうなぁとか思ってました。
やっぱりみんな最終的にはこういう方向になるんだなぁ…
しっとりとした描写で凄くよかったです。
次回作に期待
>>416 多分自殺だと思う
違ったらごめん、だけど
>全ての〜誰も奪えない
ってとこ読んでると自ら命を絶ったように感じる
Lに撃ち殺されたとかwwwwwwwwwww
エロ無しスマン。
投下します
423 :
ダウン:2007/04/16(月) 17:26:43 ID:U62vV/97O
「………。」
やる気が起きない――
キラを捕まえたいのに――
「………。」
何か息苦しい感じがする――
「竜崎、資料持って来ました。」
新人の女性捜査官が聞いてきた。
「ありがとうございます……。」
私はそう言うと資料を受け取った……。
424 :
ダウン:2007/04/16(月) 17:39:45 ID:U62vV/97O
>>423 「………。」
見る気がしない―――
やる気が無い―――
しかしキラに関する手掛りを―――
私はパラパラと資料を見た。
「竜崎、これって第二のキラの仕業ですかね?」
松田さんがパソコンに映った写真を見せる。
私はチラリと画面を見ると松田さんが言った。
「竜崎、疲れてるんですか?」
「え?何で……」
「何か…隈が更に濃くなった様に見えたから…。」
「そう……ですか?」
私がそう言うと夜神さんが
「竜崎、前から気になってたんだが顔色が悪くなって来てるぞ。」
「!?」
夜神さんの発言に捜査官達が私を見た。
425 :
ダウン:2007/04/16(月) 17:45:54 ID:U62vV/97O
>>424 マズイ――――
心配かけたくない―――
私はとっさに「大丈夫です。」と言った。
気が付けばもう夜の1:00を過ぎ、そろそろ寝ようとベッドに入ったその時だった――
「……スゥ…スゥ。」
息がしにくい……。
胸がズキッと痛む……。
私は苦しくなり体を横にし、深呼吸をした。
426 :
ダウン:2007/04/16(月) 17:56:58 ID:U62vV/97O
>>425 「……!?」
吸いにくい―――
苦しい―――
「キラ……ッ!?」
私はハッとした。
キラは死の状況を操れる―――
まさかこれは――――
「くそ………っ。」
キラにやられたのか!?
夜神月か!?
その時だった。
427 :
ダウン:2007/04/16(月) 18:04:04 ID:U62vV/97O
>>426 バチンッ!
突然、停電になり電源が切れた。
私はとっさにスイッチを探そうとベッドから出たその時だった。
ガタンッ!
「……!?」
私は床に膝を付いた。
「嫌だ……。怖い……。」
暗い―――
怖い――――
一人だけ―――――
私は怖くなり震えが止まらなくなった。
「ハァ……ハァ……」
息がしにくい―――
意識が遠くなる―――
「助………け……」
私は助けを求めようと携帯が置いてあるテーブルに手を伸ばそうとしたがそこで意識が途絶えた―――
428 :
ダウン:2007/04/16(月) 18:11:08 ID:U62vV/97O
>>427 「………崎、竜崎?」
目を開けるとそこは見たこともない部屋だった。
「大丈夫?」
新人の女捜査官が私に話しかけた。
「あの…、ここは?ホテルにいた筈じゃ……。」
私がそう言うと新人は
「覚えてないの?監視カメラ見る時間になっても来ないから見たら竜崎、部屋で倒れててグッタリしてたよ?」
私が倒れてた?――
私は驚いた。
429 :
ダウン:2007/04/16(月) 18:17:58 ID:U62vV/97O
>>428 すると新人は私の髪を撫でポツリと
「竜崎って頑張り屋さん何ですね。」
と言った……。
「でもムリしなくて良いんですよ?辛かったら……私に頼んで?」
私はその瞬間、涙が溢れた……。
何故かは分からない―――
ただ一つだけ分かる―――
それは―――
貴方に助けられた事―――
end
>>429 乙です〜
Lの髪撫でてみたい。どんな手触りかな〜
携帯からSS書くのきっと大変だよね?
頑張ってね。次のお話も待ってるよ
おつかれさまでした^^SSが投下されていてうれしいです!
関係ありませんが・・・なんだか430さんのコメントに癒されました。
続き投下します
スピーディな展開じゃないとイライラする方
エロなしでは萌えない方はどうぞスルーしてください
>>432 「いいですか、これは大事なことですからしっかり聞いてください。」
住宅街で私たちを降ろした車が去ってしまうと、また私を抱くようにして道を歩きだしながら彼はいった。
「ドクターを呼んでありますが、決して彼女の前で、
いえ、人前でLという名を口にしないでください。わかりますよね?」
正直にいってLという探偵の存在がどれほどの意味を持つものか、私にはよくわからなかった。
ただ、Lの正体を知っていることによって生じる事態。
知りたくもなかったことだけど、それはこの身を持って充分に体験している。
私が深く頷くのを確認すると、Lは道を幾度か折れ曲がり、一軒の白い家の中へと入っていった。
その家ですでに待機していた白衣の女性は、Lから私を引き取るとまず問診をしてくる。
食事はとっていたのか。クスリを何度どれくらい打たれたか。レイプされたか否か。
どう事情を説明されているのか、何故とか誰になどということは何も聞かれなかった。
それから彼女は着替えるのを手伝ってくれ、ベッドに寝かされる。
着替える前にシャワーを浴びたいというと、熱があるからと許可してくれなかったが、
その代わりに丁寧に清拭し、傷の手当てをしてくれた。
薬を処方されて柔らかいベッドに体を沈み込ませてしまうと、安心して気が抜けたせいか、
どんどん熱が上がっていくのが自分でもはっきりと判る。
だんだん苦痛も増し、体の節々がずきずきと痛かった。
いつ部屋に入ってきたのか、ベッドの傍で女医がLに私の容態を説明している声が聞こえる。
彼は医師と専門用語を交えて会話をしていて、
お蔭でただでさえぼうっとしている私には話の内容がよくわからなかった。
初めは一応耳を欹てていたものの、すぐに理解しようという気力も失せて私は目を閉じてしまう。
ただ、もともと彼女は余り体が強くないんです、という彼の台詞だけがいやに私の耳に響いた。
ろくに話したこともなかったのに、何故そんなことを知っているの。
なんとなく腹立たしく思いながら、私は熱でぼうっとしてきた意識を手放した。
>>433 私は眠っては目を覚ますことを繰り返していたが、いつ目を覚ましても傍に彼かあの女医がいた。
窓に視線を向けると、外がまた暗くなってきている。
昨夜Lが助け出してくれたのだから、ちょうど1日が経ったのだろうか。
時間の感覚がよくわからない。もしかしたら2日、いやもっと経っているのかもしれない。
身じろいで微かに呻いた私に気づいたのか、ふっと影が差し、Lが私を覗き込んできた。
「大丈夫ですか?」
Lの問いに私は苦しくて答えられず、ただ眉根を寄せて荒い息をはいた。
口の中が乾いてざらざらとして、体中の関節が酷くずきずきと痛む。
また眠ってしまおうとしたけれど、苦痛が激しくなってきて眠ることができない。
苦しい、と訴える私に彼は至極冷静に答えた。
「症状を抑える薬はありますが、まだ処方できないんです。もう少し我慢してください。」
「もう少しってどれくらい?」
「・・・もう少しはもう少しです。」
答えられないもう少しなんて、少しじゃないと相場は決まっている。
体中の関節がそれぞれにずくん、ずくん、と生き物のように疼く。
暫くすると私は強くなってきた痛みを我慢できずに、うわ言の様に彼を呼んだ。
嫌がらせのように心の中でLと呼びつづけていたのに、
とっさに口にしたのはやはりハウスの頃の彼の名だった。
「苦し・・ぃ、も・・・無理」
「もう少しですから。」
「じゃあ出てって。独りにして・・・。」
半泣きになりながら、私はそう彼に言った。
もう耐えられない。そんな姿を見られたくない。
「駄目です。できません。」
「やだっ・・もう嫌!お願い・・・」
「すみません。」
>>434 どんなに私が苦しんでも何を訴えてもLは常に冷静沈着で、
薬をくれない彼が、独りにしてくれない彼が、その冷静さがたまらなく恨めしかった。
終いには私は悪態を付きながら、彼に背を向けて丸まる。
その癖いよいよ本当に耐えがたくなってくると、私は180度違うことを彼に求めた。
高まる苦痛に心細くなって耐えられずに、彼の名を呼んで手を伸ばす。
独りにして欲しい、その方が気楽だとそう罵ったのに、
私が苦しがって伸ばした手を彼はすぐに握りかえしてくれた。
「・・・本当にあと少しですから。」
全身がばらばらになるかと思われるような痛みに暴れる私の体を押さえ込みながら、
そう何度も言い聞かせるLの声を聞いた気がする。
ただ痛みだけが私を支配して、私は恥も外聞もなく泣き喚いた。
その後薬をいつどうやって飲んだのか、激しい痛みで朦朧として記憶がない。
どれくらいたったのかふと楽になってぼんやりと意識が浮上すると、左手が温かかった。
そっと瞼を開くと、ベッドの傍に寄せた椅子に座り込み、
軽く私の手をとったまま虚ろな瞳をしてなにか考え込んでいる彼の姿が目に入る。
冷えきったイメージに反して手のひらから伝わってくるLの体温は随分と暖かい。
人の温もりになんとなく安心しながら、血色の悪い顔色と浮き出た隈をぼんやり眺めていると、
私に気づいた彼は急に掴んでいた手を離した。
「・・・少しは楽になりましたか?」
微かに私が頷くと、彼は立ち上がって部屋を出て行き、入れ替わりにあの女医が現れた。
「余り苦しがるようならフライングしてもいいとは言ってあったんだけど、
決められた時間より結構早く薬を飲んだのね。昨晩は大分苦しかったの?」
熱や血圧を測り、私を診察しながら女医はそういった。
>>435 Lのいう『あと少し』はやはり大分長かったようだ。
彼のことだから規定の時間になるまで冷淡に待っていたのだと思っていたけど、
どうやらそういう訳でもなかったらしい。
私は何かひどく我侭をいったような気がして少し申し訳ない気持ちになった。
「・・・とても。」
「そう。あなたは体が大分衰弱しているから、副作用と体への負担への兼ね合いなの。
なるべく我慢しなくては駄目よ。」
「はい・・・。」
「彼、あなたの何なの?全然似ていないし、兄妹ではないわよね・・・。
医学生かしら?薬の知識も凄くあるし・・・面白いわ彼。
あ・・・ごめんなさい。そういう詮索はしない契約だったわ。」
答えようがなくて私がおし黙っていると、こんな話したこと内緒よ、と軽く彼女は笑った。
女医の好奇心から発せられた言葉は、ただ状況に流されるままだった私を現実に押し戻した。
確かにすっかり成り行きで面倒を見てもらっているけれど、
私とLの関係は同じハウスの出身だというだけで、それ以上の繋がりなんてない。
仲がよかったわけですらない。
かつての私はやたらと彼につっかかって嫌がらせをしていたのだ。
ほとんど相手にされていなかったし、まあ子供のしていたことだから
本気で根に持ってはいないと思うけれど、いい感情をもっているとも思えない。
そして兄さんは彼の、Lの情報を組織へ売ろうとした。
私たち兄妹はひょっとして、いや明らかに彼にものすごく迷惑をかけているのではないだろうか。
診察終えてでていった女医と入れ替わりに戻ってきた彼に
突然お礼を言うのも謝るのもなんだかおかしな気がして、私は気まずい思いで目を伏せた。
何かを言わなくてはと思ったものの、なんといってよいかわからない。
猛烈なだるさのせいで口を開くのは億劫だったが、それでも私は無理に口を動かした。
「兄さん、いまどこにいるの・・・?」
「彼はあなたよりも症状がひどいので、専門の病院で治療しています。
キルシュが面倒をみていますから大丈夫ですよ。
少々時間はかかると思いますが、心配はいりません。」
「ワイミー先生が・・・?兄さんは、Lのことを話しちゃった?」
「いいえ。彼は私の正体を明かさないことを条件に、
あなたの救出とその後の保護を私に要請してきたんです。」
Lは要請という言い方をしたが、それは脅迫ではないのだろうか。
私は暫く黙ってしまったが、ごめんなさい、と声を励まして謝ると、
別にあなたのせいではありません、と返された。
>>436 「私も誰にも何も言ってないよ。そうかなと初めちょっと思ったけど、
そんなすごい探偵になってるなんて信じられなかったし・・・やっぱり違うと思って。
そもそも言っても信じてもらえそうになかったし。」
「そうですか。ありがとうございます。」
情報が流出したかしなかったかは、Lにとって非常な重要なことのはずなのに、
彼は余りたいした反応もみせなかった。
「じゃあ結局Lの正体は誰にもばれなかったんだね?」
「そういうことになりますね。」
「そっか・・・よかった。」
私の方が余程ほっとしてそう呟いたが、彼はどこか物憂げな表情になってゆっくりと私から目をそらした。
「いろいろ聞きたいこともあるでしょうが、今は余計な事は考えずに寝てください。」
Lは目をそらしたままそういい、私もそれまでに輪をかけてだるくなってきていたので口を閉じる。
Lの正体が洩れなかったことで、何もかもなかったことになると
元気になれば元のようにハウスで暮らす日々に戻れると、なんとなくそう思っていた。
病院へ連れて行かれることもなく、ハウスへもどる事もなく、
ここへ連れて来られたことの意味なんて浅はかな私は何も考えてはいなかったのだ――。
>>437 今日は以上です
なんだか話の構成に失敗した気がしてきました・・・
無駄じゃないつもりだったんですけど
無駄な気がしてきたりしなかったり
自分なりに頑張ります
>>438 乙です〜
読んでて無駄だと思えるとこなんてなかったよ
丁寧に書かれてるし、上手いな〜といつも思う
SS書きとしては、迷ってしまう気持ちとかも分かるんだけどねw
長編ともなると、やっぱり難しいんだろうな
続き頑張ってね
わっふるわっふる!!
エロLたん!
■注意■
Lが鬼畜なので気を付けて下さい。
Lのイメージが壊れるのが嫌な方
鬼畜、強姦ネタに嫌悪感を抱く方
は、読まないようにお願いします。
そして今回も下品です。
鬼畜な箇所を修正したので所々不自然なとこもあると思います。すいません。
それでも竜崎十分黒いので気を付けて下さい。ちなみに後味も悪いです。
>>442の一言がおかしかったので、今日投下する事にしましたw
SS投下します
短編です
エロ有り
>>276 同時に容赦ない力で服が剥がされていく。
竜崎は私の肩からシャツを下ろし、拘束の代わりに腕に絡ませた。
キスを続けながら背中に手が回される。プツリとホックが外され、膨らみが竜崎の目の前に晒された。
「んっ」
両手で覆われ、荒々しく下から揉み上げられる。竜崎の大きな手の平に蹂躙される。
弄ばれている、と思った。やさしくない動き。私の胸は何かの道具のように扱われている。
「いや……」
顔を背けて抵抗するが、竜崎は私の顎を掴み、強引に上を向かせる。
黒に近い藍色の大きな目が私を真っ直ぐ見据え、抑揚の無い声で竜崎は言った。
「嫌?……そんなこと最初からわかってますよ?」
急激に悲しくなった。
そんな私を無視して竜崎が胸の先に舌を這わせる。電気のようなビリビリとした刺激が走った。
しかしそれは半分は快感で、もう半分は生理的な切なさだ。
身を捩るほどの切ない感覚。それは感情として生まれたものではなく最初から体に組み込まれているもの。
快感に溺れきれない体にだけ感じられる原始的な憂鬱感。それは生まれてきたこと自体が悲しいと思わせさえする。
446 :
444:2007/04/17(火) 22:03:16 ID:s+MCmMtT0
と思ったらかぶったので、また明日w
>>443ごめんね
>>445 「いや……もう……犯すなら、さっさと入れればいいじゃない!」
私が自棄になって叫んでも竜崎は顔色ひとつ変えず、まるで観察するように上目で私をじっと見る。
「……できればそうしたいんですが……いきなり入れても、あまり好くないんです」
「私は、そんなの……」
「いえ、あなたではなく、私が気持ちよくないんです」
酷い男の酷い科白に、私は強く唇を噛んだ。
竜崎は愛撫を止めない。それどころか胸の先端を咥内に含んで吸い上げてくる。
……こんなはずじゃなかったのに。
私は悔しさと哀しさで泣いてしまいそうだった。
腕が、手が、指先が、ゆっくりと体をなぞって下に降りていく。
自分の体で閉じられないようにした足の間を、竜崎は下着越しに撫でた。
割れ目の形を辿るように、ゆっくりと指を這わせ、私を見つめる。
「濡らしてますね」
淡々と。最初からわかりきっていたように。それが当然であるように。竜崎は呟いた。
私は声も出せず、下着の中まで入り込んでくる冷たい指先に息を呑んだ。
竜崎の指がスムーズにそこを滑る。濡れている証拠だった。
私の体はどうして濡れているんだろう。心は冷たく、痛いのに。
「んっ……」
竜崎の指が割れ目の中を探り、敏感な突起を円を描くように撫で始める。
信じられないほどやさしく、焦れったいほど微かに触れ、弄る竜崎の指。
それだけでもう、彼が女の扱いに慣れていることがわかる。
衝動に任せて強く愛撫するより、最初はやさしく、徐々に強く刺激していくほうがじわじわと効いてくるものだ。
私は竜崎の腕に手を掛けて微々たる抵抗を続けるが、自分でもわかるくらいその行為は意味が無かった。
悲哀と快感と屈辱と誘惑と、竜崎の指先。それがぐるぐると脳の中を駆け巡り、私はますます混乱していく。
シーツを掴んでみても、足の先にぐっと力を入れてみても、紛らわすことさえできない。
そんな私を、竜崎はただ眺めている。
私の顔の横に片手をつき、冷めた目で上から見下ろしながら、もう片方の手でしつこく体の中心を触り続ける。
私はどうしようもなくなり、せめてその視線から逃れるように顔を背けたが、すぐに竜崎に制止された。
>>446 かぶってしまいましたね…。すみません。
気を遣っていただいてありがとうございます。
>>447 「ダメですよ。私を見て下さい」
「……ん、いや……はぁっ……あ、あ……」
「あなたをこうしているのは私ですよ?」
竜崎は、何が、一体どうして、こんなことをするの?
ただ……竜崎の冷酷な部分が、私に向けられていることだけは、わかる。
私は涙越しに滲んだ竜崎を見上げて、ゆっくり口を開いた。
「嫌……こ…わい……怖い…やめて……っ」
「……そんなに怖がらないで下さい。あなたらしくもない…」
ぐちゅ、と音と共に指が離れていく。竜崎の口端が、笑みを浮かべる。
「あなたが怯えた目で私を見るので……興奮してきました。……ほら」
そう言って竜崎はジーンズから自身を取り出し、私の足を大きく開いた。
竜崎のソレは硬く反り返っていて、予想より遥かに大きかった。
確かに私は十分すぎるほど濡れている。だけど竜崎は中に指は入れてくれなかった。
慣らさないまま入れられたら……。
「っ!…待って、待っ」
「何を言ってるんですか。……まだこれからですよ」
濡れた割れ目に先端が押し付けられる。
ただでさえ愛撫されてそこは収縮しているというのに。
「りゅ、ざきっ……無理……っ」
「大丈夫です。すぐに慣れます」
入り口をこじ開けられて、ぬぷっ、と先端が入ってくる。私は体を強張らせ、息を飲んだ。
竜崎が溜め息のような声で言う。
「ああ、狭いですね…」
「やだっ…やっ……」
私の口からは掠れた声しか出ない。
それを無視して竜崎は腰を進め、私のナカへ強引に侵入してくる。
物凄い圧迫感に、私は嫌な汗をかきながら竜崎の腕をぎゅうっと掴んだ。
「い、た……やだあ……竜崎……っ!」
「……ほら、全部入りましたよ」
竜崎が自分のモノが入っているところを見ながら、多少息を乱しながらも淡々と言う。
苦しさを和らげるため、なんとか力を抜こうとしていると、竜崎が腰を引いた。
そしてまた奥深くまで入ってくる。
「あっ…ん…っ!お…っきぃ……い、た…いっ…」
「……痛いですか?……かわいそうに…」
言葉とは裏腹に、そのままピストンが始まった。
ナカを擦る度に摩擦でひりひりと妙な痛みが残る。
私は力なくシーツを掴んで耐えていた。
しばらく抜き差しを繰り返していると、竜崎の質量と形に、ナカが馴染んでいくのがわかった。
体が男を受け入れ始めたのだ。
そして滑りやすくなったナカを竜崎はいっそう激しく抜き差しする。
>>449 「っ…はぁっ……っ!りゅう、ざき……はぁっ…んっ」
無意識に私は両腕で顔を隠し、次第に息を止めては震えながら一気に吐き出し、
しゃくりあげるように息を吸い、また止め…と、不規則な呼吸をするようになっていた。
その異変に気付いた竜崎が私の足から手を離し、顔を隠している両腕を無理矢理剥がし、ベッドに押さえ付ける。
「やぁっ……っ…は…っあ…はぁっ…」
私は慌てて顔を背けて目をぎゅっと瞑るが、そんなことは何の意味も無い。
全てが竜崎の目下に晒されているのだ。
私の顔は熱が集まり紅くなっているだろう。震える睫毛は涙で濡れているだろう。
そして零れる吐息は明らかに喘ぎを抑えようとしているとしか思えないだろう。
竜崎が私の耳に舌を這わせ、「淫乱ですね」と低く囁いた。私は微かに体を震わせる。
そして竜崎は更に腰を激しく動かし、私の内部を太いペニスで突き上げ続けた。
「あ、んぅ…ふあっ…ん…んんっ」
あれほど感じていた痛みは消え、下半身から背中をゾクゾクするような感覚が伝っていく。
私は無意識に竜崎の動きに合わせ、ゆっくりとだが腰を揺らし始めていた。
そしてそんな私の変化に竜崎が気付かない訳がない。
「……もう抵抗しないんですか?」
突き上げるスピードを緩めながら耳朶を食むように囁く。
「あっ、あんっ…やだ…っ…んんっ…いやっ…いやぁっ」
「……こんなに私を締め付けておいて、よくそんなことが言えますね」
竜崎は楽しげに囁き、私の中を突き上げた。私は性急に快楽の中へ堕とされていく。
「やっ、やぁうっ…あぁっ……やぁあんっはぁ…っぅ…っあぁ!」
ぱんぱんぱんっと激しく肌のぶつかり合う音が部屋に響く。呼吸が覚束ず、苦しい。
「ああ…とても、気持ちがいいです…」
竜崎の息も乱れていた。
きっと竜崎は私が感じているかどうかなんて、どうでもいいと思ってる。
自分がどれだけ気持ちよくなれるか……きっとそれだけだ。
竜崎にとって私は、快楽を得るための道具。今の私はまさに竜崎の性欲処理に使われているだけ。
だけどもっと悔しいのは……私が感じてしまっていること。
私の体は散々穿たれて貪られて既に限界だった。
快感の涙を流しながら止める事の出来ない喘ぎ声を上げて竜崎を悦ばせてしまう。
>>450 「いやぁああっ…やだぁっやっ…おねがっ…りゅうっ、りゅうざきぃっは…ぁあんっ…!!」
必死に首を振って理性を保とうとするが、もう体は捕らわれたように竜崎に与えられる刺激に従順になっていた。
竜崎は更に奥を突き上げるように腰を激しく打ち付けてくる。
私はガクガクと揺さぶられる度、竜崎を深く感じて甲高い声を上げ、激しすぎる行為に涙をボロボロと零した。
「やぁっ…あんっ!や、いやぁっ…はぁ…っんく…っ」
「だから…そんな、顔して…誘わないで下さい……歯止めが利かなくなりますよ…?」
竜崎は乱れた息で言いながら、私の腰をぐい、と持ち上げ、じゅぷっという音と共に私の弱い場所を突き、最奥まで犯す。
「いやぁあ!りゅうざきっ…ぁっイッちゃ…イッちゃぁ、うっ…はっあぁあん!!!」
目の前で白い光が弾ける。私は叫んだ瞬間に体を跳ねさせ絶頂に追いやられていた。
その衝撃で私は竜崎をぎちぎちと食い締める。
「…っ」
竜崎はズルッと性器を抜くと、それを私の半開きの口に突っ込んだ。
「飲んで下さい」
「んっ…んぅ…」
いつもより低く威圧のこもる声と荒い息をする竜崎に僅かな恐怖を覚え、
言われた通りにドクドクと出てくる大量の精液を、吐きそうになりながらも喉を鳴らして何とか飲み干す。
>>451 「んっ…ぅく…んん……げほっ…は、ぁっ…」
「……ご苦労様でした」
満足げに私の口から性器を引き抜くと、竜崎はいつものような飄々とした笑みを浮かべてやさしく私の頭を撫でた。
達したばかりで敏感になった体はそんな些細な刺激にも反応してしまう。
「ん…っ、さわ…んない…でっ…」
「そうですね。すみません」
謝罪の言葉を口にしながらも全く悪びれていない竜崎は私の上から体を退けると、着崩れを直し始めた。
私はそれをぼんやり眺めながら、シーツ洗わなきゃ…などというバカみたいに現実的なことを考えていた。
「では…ライトくんをバスルームに閉じ込めたままなので、私は戻ります」
終わったら、さっさと行くのか……。なんて合理的で無駄がない男なんだろう。
私が何も言わずにいると、竜崎がこっちを振り返った。
「気になるんですが……」
気に、なる……? 私はベッドに寝転んだまま力なく「何が?」と返す。
竜崎はつい今までセックスをしていたなんて微塵も感じさせないような淡々とした態度で私を見下ろしながら、言った。
「私はあなたに嫌われているという認識を持って、あなたに接すればいいんですよね?」
「……どういう、意味?」
「…………」
竜崎は一度目を逸らして数秒考えた後、再び視線を私に向けた。
「あなた、本当は私のことが好きなんでしょう?」
一瞬、世界が止まったかと思った。
「な、なんで……そんな……」
「そのぐらいわかりますよ」
竜崎はペタペタと歩み寄り、ベッドの上の私の隣に座り込んだ。
見下ろされる視線が、私を見透かしている。
「私の気を引きたくて、わざと私を怒らせるようなことばかり言うあなたが
あまりにも痛々しかったものですから……つい抱いてしまいました。
しかし、少々やり過ぎましたね。すみません」
私は驚きや怒りをも越えて、ただ呆然とした。
竜崎は全部わかっていて、怒ったフリをして、私を抱いた。私が可哀想だという理由で。
酷い。酷すぎる。
>>452 「……酷い」
「体、ツライですか?すみません。生温いセックスは好きじゃないんです」
「……私が望んだから、犯したっていうのね、竜崎は」
私は再び涙が込み上げてきた。声が震える。
「はい」
竜崎が平然と頷いた。眩暈がしそうだ。なんて残酷な男なんだろう。
泣きたくない。ここで泣いたら惨めすぎる。
涙を必死で堪えていると、喉の奥がひりひりと痛んだ。
「でも正直言うと、少し怒ってました」
竜崎が膝を抱いて私に横顔を向けたまま、ぽつりと言った。
「……え?」
「あなたが……」
「……………」
「嘘でも夜神月を……他の男を好きだなんて言うからです」
……え?
今度は頭が真っ白になった。キャパシティオーバーだ。もう、よくわからない。
「…どういうこと?」
「そういうことです」
オウム返しのように言うと、竜崎はゆっくりとベッドから降りた。
「では、今度こそ部屋に戻ります」
「う、うん……」
私は部屋を後にする竜崎の後ろ姿を見送ってから、眠りについた。
竜崎の余韻が体中を支配していて、今は何も考えられそうになかった。
あれから時間が経って、ようやく竜崎の意図がわかったような気がする。
だけど何もわかっていないような気もする。
あの時竜崎が本当に怒っていたかなんて、私にはわからない。見極めることは困難だ。
だけど彼が「怒っていた」と言ったのだから、それでいい。もう竜崎の嘘を疑うのも面倒臭い。
『私が嘘でも夜神月を好きだなんて言うから竜崎は怒った』
それは一見嫉妬のようではあるけれど。
私を手酷く抱いた後に、彼がわざと与えた甘い餌なのかもしれない。
もう少しだけ、使ってもいいという理由で。
>>453 「この間はうどん食べられなくて残念でしたね、ライトくん」
「おまえのせいだろ!」
「せっかく作ってもらったのに勿体無いですよ」
「だからおまえのせいだって言ってるだろ!」
いつもの捜査本部。いつものメンバー。いつもの会話。いつもの空気。
だけど私には歪んで見える。
「そういえば竜崎。この間の話し合いで決着はついたのか?」
「……決着、ですか?」
ライトくんが後ろにいる私を振り返る。
なんて返事をすればいいのか、どんな顔をすればいいのかわからずにいると、
「まだです」
竜崎がきっぱりと言った。
「しかし問題は解決しなければいけません。……ですから」
背を丸めて椅子の上に座った竜崎が、横顔を私に向ける。
その視線だけが、私を捕えている。
「また後日……納得がいくまで、話し合いましょうね」
景色が、世界が、竜崎が、歪んでいる。歪んで見える。
だけど、どうして。
こんなにも焦燥に駆られるんだろう。
どうして今もなおこの男に魅入られるんだろう。
目の前にいるこの酷い男に、どうして、こんなにも。
……こんなにも自分を差し出したくなるんだろう。
「……はい」
今日も竜崎は耳鳴りのような憂鬱を私に与え続ける。
しかしその憂鬱なカラダをしずめてくれるのもまた、竜崎なのだ。
与えられ、受け入れ、差し出す。……最初に与えられた時から、拒むことは許されてなかった。
仕組んだのは私。そしてそれを利用したのは竜崎。
きっともう抜け出せない。
彼が私に飽きるまで。
END
>>454 書き込み規制になってしまったので携帯から失礼します。
読んでくださった方、まとめサイトの管理人様、ありがとうございました。
GJ!!!鬼畜L萌えた(*´Д`)
甘いのも好きなんだけど、鬼畜も好きなんだよね
457 :
ほのぼのえっちさん:2007/04/17(火) 22:32:46 ID:oornfZ9wO
アニメも出番なくなってしまったが、今まさにデスノート読みかえしながら、すごくかわいいななんでこんなにかわいいのかなあ(孫かよ!)でも本当にかわいいなあ、死ぬほどかわいいよな、いろんな意味全部含めてかわいいよなぁ―
そんなことばかり考えてる
>>454 乙です〜
改めて、投下中に割り込んじゃってごめんね
続き待ってたよ〜。お話エロかったw
鬼畜といえばそうかもしれないけど、Lの本心が曖昧で
嘘とも真実とも取れる感じが上手いと思ったよ
また何か書いてくださいw
あげちゃった…しかもリロしてなかったごめんなさいorz
>>454 乙!
生暖かくない話好きだよGJ!
エロエロ大好きだよ!ハァハァ!
次回作に期待
>>454は乙だけど
全然生暖かいと思うよw
本物の鬼畜話キボンヌ
>>461 クレクレはいらね
なんなら自分で書けばいいと思うよ
>>455 乙です―
自分にはS度がちょうどよかった。
後半の心理描写もスリリングでした!
お疲れ様でした!わたしもこのくらいのS度の竜崎が
好きです。この続きを読みたいかも・・・です^^
純愛コラまた見たいなあ
…ってここで言っても駄目なのかな
SS投下します
短編です。エロ有り
467 :
甘いワナ:2007/04/18(水) 20:39:04 ID:uzgzAGkq0
罠を仕掛けよう。
甘い。甘い。
蕩けるような。
貴女に罠を、仕掛けよう。
深夜の彼とのティータイム。
それは、彼からの誘いだった。
(よかったら一緒にお茶でも飲みませんか?仕事が一段落ついた所なんです。)
扉のノックと共に、告げられた言葉。
勿論断る筈もなく…。
彼はいつものように、紅茶に砂糖を大量投入。
そして私には、ブランデーですと言って、小瓶に入った液体を数滴入れてくれた。
ふわり。と、良い香りが鼻孔を擽る。
取り留めのない会話を交わしながら、穏やかな時間を楽しむ。
ふいに、Lが黙り込んだ。
じっとこちらを見つめてくる。
「…?どうしたの?」
「……いえ、何でもありません。」
とは言うものの、それでも見つめ続けている。
指を銜えながら、大きな瞳で。
……………?
何だというのだろう?
落ち着かなくて、目を逸らす。
でも気になって、またちらりと様子を伺う。
無言が続く。
先程から心臓の音が煩い。
あの大きな瞳に見つめられると、鼓動が速まってしまう。
…怖いからというのも、勿論あるが…。
468 :
甘いワナ:2007/04/18(水) 20:40:59 ID:uzgzAGkq0
>>467 プレッシャーに耐えきれなくなり、話しかける。
「L…。何?言いたい事あるならはっきり言って欲しいんだけど…。」
「身体、おかしくないですか?」
「え?」
腕が伸ばされ、彼の指先が頬に触れる。
綺麗で、冷たい。
彼の指先。
「妙にドキドキしたり、火照ったりしていませんか?」
……している。けれど。
質問の意図する所が分からない。
指先が唇へと移動する。
そっと、撫でられる。
くすぐったいような、快感のような感覚。
「いつもより、敏感な感じはしませんか?」
そう言われると、そんな気もするが…。
視線に問いの意味を含めて見つめれば、違えることなくそれを理解する彼。
「実は、あの小瓶の中身はブランデーではありません。」
驚愕に、瞳を見開く。
「あれは媚薬です。……そろそろ効いてきたでしょう?」
楽しそうな顔をして、彼は、そう言った…。
「んっ・・はぁ・・あ・・・っ」
どれくらい時間が過ぎただろう。
胸だけを執拗に、愛撫され続けている。
声が抑えられない。
「薬、効いていますね。いつもより敏感です。」
そう言う彼の吐息が肌に触れるだけで、身体が震える。
胸の先端を口に含まれ、舌先で転がされる。
もう片方は、彼の指先で摘まれ擦られる。
身体が熱い。
「あっあっ・・L・・っ、やっ、もう、だ・・めっ」
もどかしくて、無意識に脚を擦り合わせる。
「イきそうですか?胸だけで?」
羞恥にきつく瞳を閉じてしまう。
「下、触って欲しいですか?」
恥ずかしいが、胸だけでイくよりはマシな気がして、頷く。
「胸だけでイくとこ見せてくれたら、触ってあげますよ。
…大丈夫です、敏感なのは薬のせいですから。我慢しないで下さい。」
聞いておいて、そんな意地悪を言う。
けれど、こんなに敏感なのは、薬のせい…。
だから……。
快楽を感じるままに、背を撓らせ、軽い絶頂を迎えた。
469 :
甘いワナ:2007/04/18(水) 20:42:55 ID:uzgzAGkq0
>>468 触れるか触れないかの位置で、指先が腰を辿る。
「あっ!」
身体が跳ねる。
それを何度か繰り返され、その度に跳ね上がる身体。
逃げるように腰を捩らせると、指はそのまま下がっていく。
太腿の内側を擽るように触れられ、甲高い声が零れた。
脚を開かされ、持ち上げられる。
「やっ・・!こんな、格好・・・!」
拒絶の言葉を無視され、膝が胸につく程折り曲げられる。
濡れた、その部分を、凝視される。
「いやあっ!見ないで・・。お願・・・っ」
「ああ、ひくついて…。凄く濡れてます。」
抑揚のない声音で告げられ、恥ずかしさに身体が小刻みに震える。
「大丈夫ですよ…。」
そう囁いた唇が、その部分に降りてきた。
「あああっ・・あっ・・やぁ・・っ」
舌で、唇で、一番敏感な場所を刺激される。
溢れる蜜を舐め取られ。
突起に吸い付かれ。
また溢れる蜜を吸い上げられる。
繰り返される、その行為。
濡れた音が鼓膜を震わせる。
そして、彼の長い指が内部に押し込まれた。
それだけで、再び絶頂を迎える。
「もう・・もう嫌・・苦し・・・」
戦慄く唇。息も絶え絶えになる。
「中…。トロトロですよ?気持ちいいですか?」
嫌々をするように、首を振る。
涙が止まらない。
彼は指を引き抜くと、零れる涙を舐め取った。
そして、耳元で、熱く囁く。
「私ももう、限界です……。」
470 :
甘いワナ:2007/04/18(水) 20:45:47 ID:uzgzAGkq0
>>469 ゆっくりと入り込む、熱。
その熱さに。
溶けそうになる。
「ああっ・・ん、は、あぁ・・・」
奥まで入り込むと、彼は息を吐き、動きを止めた。
呼吸が落ち着くと、腰を左右に振り、更に奥へ侵入しようとする。
奥へ。奥へ。
「んっ!やぁ・・もっ、そんな・・に、入らな・・・・っ」
「・・は・・っそう・・ですね、これ以上は・・くっつけないようです・・」
熱く口づけを交わし、動き出す。
痺れるような快楽。
敏感になっている身体を持て余す。
まるで、心と身体が分かれてしまったようで…。
恐怖さえ抱く。
「やっ・・怖・・いっ、こんな・・の、怖い・・あっん・・・」
「では、どうして欲しい・・ですか?・・っ、言って、ください。」
優しく背中を撫ぜる大きな手。
どうしたいかなど、分からない。
「そんなに、感じ・・ますか?・・はっ・・もっと、素直になって、いいんですよ?」
熱くて。怖くて。苦しくて。
縋るように、彼にしがみつく。
この熱を、どうにかして欲しい。
「もっ・・と・・もっと、してっ・・お願・・っい!もっと・・・っ!」
その、懇願するような甘い叫びに。
「・・・いい子ですね。」
耳元に、熱く掠れた声で、囁かれた。
そこからは、ひたすらに、熱い交わり。
二人何度も絶頂を迎え。
それでも尽きない欲望に。
嬌声を上げ、より深い快楽を強請り。
その深い快楽に、脅えた。
もっと。
怖い。
その二つの言葉を何度も何度も、繰り返し。
甘い責め苦に揺らされる。
「あ!あぁ・・っ、やぁっ、また、イっちゃ・・っ!ああ――――――・・っ!!」
何度目かも分からない、絶頂。
心も身体も限界で、そのまま意識が闇に滑り落ちていった…。
471 :
甘いワナ:2007/04/18(水) 20:48:30 ID:uzgzAGkq0
>>470 「ん…。」
「気がつきましたか?」
優しく髪を梳く感触。
…気持ちがいい。
身動きを取ろうとするも、身体に力が入らない。
もう、このまま眠ってしまいたい。
だが、彼に言ってやらなければならないことがある。
眠りたい気持ちをどうにか押しやり、彼を見る。
「大丈夫ですか?」
「嘘つき。」
問いには答えず、一言告げる。
「何のことですか?」
白々しく聞き返してくる。
むかっとした。
「何がじゃないでしょ?媚薬の事!ブランデーだなんて嘘ついて!」
怒鳴りつけてやりたいが、先程散々喘がされたので喉が痛い。
ここは押さえる。
「そこは嘘ではありませんね。」
「は?」
「貴女が素であんなに厭らしいなんて、知りませんでした。最高に可愛かったです。」
どういう……。
怪訝な顔で、彼を見つめる。
すると、彼の顔に、意地の悪い笑みが浮かんだ。
「あれは媚薬なんかじゃありません。只のブランデーです。」
呆然。
今…、何て……?
(―――媚薬の事!ブランデーだなんて嘘ついて!)
(そこは嘘ではありませんね。)
(そこは―――)
本当の嘘。それは……。
「…………っっ!!」
そして、理解。
「こっ……の………大嘘つきーーーーーーっっ!!!!」
罠を仕掛けよう。
甘い。甘い。
蕩けるような。
貴女に罠を仕掛けよう。
もっと。もっと。
貴女の全てを、知りたいから…。
終わりです
>>472 乙です(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
エロいよLエロいよ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ
また機会があれば是非作品お願いしまつ!!
>>472 すげー素敵です(*´Д`)
甘いワナ仕掛けられてみたいよハァハァ
>>472 面白かった!!
乙です(;´Д`)ハァハァハァハァハァハァハァハハァハァハァハァ
テラエロス(;´Д`)ハァハァハァハァハァハァハァハハァハァハァハァ
477 :
生暖かい安息:2007/04/20(金) 01:02:52 ID:Xn407ANW0
SS投下します。
傾向→非現実的 少女漫画的
見る人によってはネタ…
でも話しはマジメ
なので、苦手な方は華麗にスルーして下さい
LたんはどS
479 :
生暖かい安息:2007/04/20(金) 01:05:32 ID:Xn407ANW0
――Monday
瞼を掠める柔らかい日差しと、それをたっぷり吸い込んだシーツは、
とても心地が良くて、私はまだベッドから起き上がれないでいる。
温かい風がふわりと肌を通り抜けると、とても良い香りがした。
これは……スコーンを焼く香ばしい香りと、蜂蜜の甘い香り。
コーヒの匂いも仄かにして、深いまどろみにいる私は重い瞼をゆっくりと開けた。
「おはよう。L。もう8時だよ?」
「……ん。おはようございます…。もうそんな時間ですか…」
「ほら。そんな格好してないで、早く服を来て。
朝食冷めちゃうよ?Lの大好きなスコーンに蜂蜜と苺ジャムもあるの。
コーヒもさっき淹れたばかりよ?」
彼女に促されるように、私は床に散らばっている服に腕を通すと、
テーブルの前にのろのろと歩み寄り、湯気が出ているコーヒを一口啜る。
とても甘くて美味しくて、一気に眠気が飛んで行く。
「それじゃあ、私仕事だから。朝食、食べといてね」
「え…?もう行くんですか?」
「しょうがないじゃない…Lが起きるの遅いんだもん…」
彼女は眉を顰めて言うけど、何処か嬉しそうであった。
それは、子供をあやすような表情にも似ている。
忙しなくジャケットを羽織ると、「行って来ます」と言って私の頬にキスをした。
私も同じように「行ってらっしゃい」と呟き、彼女の頬にキスをする。
これが私達の朝であった。
彼女と一緒に暮らし始めてから丁度一ヶ月が過ぎたが、いつ見てもこの部屋は広すぎる。
寂し過ぎるこの空間で、私は彼女が仕事を終えるまで
ずっと一人で過ごさなければならない。
寂しいけれど、寂し過ぎるけど、
彼女が帰って来た時は凄く嬉しくて、私は彼女にいつも甘えていた。
疲れている筈の彼女は、嫌がる事も無く優しく私を包んでくれる。
それが堪らなく嬉しくて愛しくて……とても幸せを感じた。
香ばしく焼かれたスコーンに蜂蜜をたっぷり垂らし、大きく頬張る。
甘い味が広がった。
480 :
生暖かい安息:2007/04/20(金) 01:08:32 ID:Xn407ANW0
>>479 外はとても良い天気で、雲一つ無い青空が広がっている。
朝食を済ますと、誘われるように私は外へ出た。
まだ肌寒い風の中に春の陽気を感じる。
近くの公園へ行くと桜の花が美しく咲いており、その花弁がひらひらと舞い落ちて来た。
今日も彼女は遅いのだろうか。彼女が好きなパイを焼いて待っているか。
ベンチから降りると、私は近くのマーケットへと向かった。
デザートは生クリームたっぷりのシフォンケーキにしよう、紅茶も付けて。
挽肉とトマトソース、玉葱と…チーズは冷蔵庫に入っていたし、
シフォンケーキには大量の卵がいるし、あと生クリームも買っておこう。
私は上機嫌で買い物を済ますと、両手に荷物を抱え自宅へと向かった。
丁度正午に差し掛かる時間だろうか、
麗らかな日差しは眩しいのに、先程よりも空気が穏やかでとても温かく感じる。
玄関を開けようと鍵を差し込むと、既に開いていた。
私は荷物を置くと、急いで部屋へと向かう。まさか泥棒……?
と思いきや、そこには朝出かけた筈の彼女の姿があった。
「…どうしたんですか?こんな時間に。ああ。忘れ物ですね?」
彼女は何やら忙しなく部屋中をうろついている。
私の顔を見ると、頬を膨らませながら、背に腕を回して来た。
「ごめんね。L。…急な出張が入ったの。
今夜から日本へ行かなくちゃならいの…。留守番お願い出来る?」
「急な出張ですか…?仕事だから仕方無いですが…。いつ帰って来るんですか?」
「ごめんね。日曜日には帰れると思うから…。一週間だけど…一人で平気?」
一週間――?短いようだが、とても長い。
この広い部屋に一週間も一人で過ごせと言うのか。
それは途方も無い孤独だ。
ここで我侭を言えば彼女はきっと困り果てるだろうし、
どの道仕事…私の為に仕事を放り投げるとは考えにくい。
「……分かりました。寂しいですけど…仕事なら仕方ありませんね。待ってます」
「本当にごめんね。あの子に餌やっといてくれる?」
彼女が視線を投げたのは、部屋の隅にいるペットの兎であった。
いつも彼女が世話をしているそれに、私は特に興味を示したことも無く……。
白い毛に覆われている小さな生き物はとても弱そうで、
見ていると何処か寂しげであったから、何となく近寄りたく無かったのだ。
「……はい」
「お願いね?…ごねんね」
「構いませんよ…。仕事ですから仕方無いですし…」
「そうね…。……これじゃあ、ほんと…意味無いわ…」
「はい?」
「ううん。こっちのこと……。この子お願いね。じゃあ…」
彼女はそう言うと大きなトランクを抱え、出て行ってしまった。
夕食は、彼女の好きなパイとシフォンケーキを焼こうと思ったのに、全て台無しだ。
玄関に放置したままの食材を冷蔵庫へ詰め込むと、
私は兎を檻から出して、近くにあった餌と水を与える。
兎は美味しそうに餌を食べていた。
白い毛はとても柔らかそうで、恐る恐る触れてみると、兎は私の手に擦り寄って来る。
とても温かくて柔らかい感触に、また寂しさを覚えた。
481 :
生暖かい安息:2007/04/20(金) 01:12:28 ID:Xn407ANW0
>>480 ――Tuesday
目覚めると昨日まであった筈の物がそこには無かった。
彼女の姿も。朝食も。窓から差し込む柔らかな風も。
全ては無くて、カーテンが閉められたままの静寂な色彩だけが広がっている。
あれ程暖かみがあった部屋がとても簡素に思えて、酷い枯寂感だけが私を纏った。
ろのろのとベッドから起き上がると、コーヒーを淹れ、兎の餌をやる。
置き去りにされた私は、この兎と同じように寂しいと死んでしまうのでは無いか…。
そんなくだらない事を、つい考えてしまう。
窓を開けると今日も雲一つ無い晴天なのに、
昨日感じた麗らかな日差しは憎い程に私を孤独に駆り立てる。
特に行くところも無いし、今夜も一人なので別に買い物もしなくて良い。
公園まで散歩でも…と思いって玄関の扉を開けると、
丁度隣人も外出しようとしていた所か、目が会った。
「…おはようどざいます。…何処か行かれるんですか?」
今まで会話をした記憶さえ無いのに、隣人の女は馴れ馴れしく挨拶をして来る。
まだ、若い女であった。
「…別にこれと言って用事はありませんが…
公園まで行こうかと思っていたところです」
「え?…わたしも公園まで行こうって思ってたんです。
…あの、迷惑で無ければ一緒に…いいですか?」
「………。別に構いませんよ」
別にどうでも良かったが、断るのも何だか気分良く無いし、
隣人という事もあって後々めんどうだ。
嬉しそうに微笑む女は、まだ幼い感じがしたけど美しかった。
しかし、こんな女いたか?
確か隣に住んでいるのは男だと聞いた筈。彼女が言ってたから間違い無いだろう。
彼女かも知れないし、ただ一晩連れ込んだ女かも知れない。
特に興味は無いし、どうでも良かったが……この女も私と同じように寂しげであった。
伏目がちの瞳がそう訴えている。
「あの、いつから隣にいるの?」
「ああ。ここ一ヶ月程前ですが…。
一緒に暮らしてる彼女が仕事で…一週間一人で留守番なんですよ」
「一週間も?…それは寂しいね。
…わたしも一緒に暮らしてる彼がここ最近あんまり帰って来なくて…辛いの」
ああ。だからか。その寂しげな表情は…。まるで私と同じだ。
でも、同じとは思われたくない。
「…浮気…ですか?」
「分からないわ…。何か前の彼女を引き摺ってるみたいで」
「………。アイスでも食べましょうか?」
空気がやけに重く感じる。
それが堪らなく嫌で、私は近くにあるカフェを指差すと、
彼女の返事を聞かないまま、手を取り連れ立った。
まるで同じ境遇…似た者同士のような気がして…酷く虚しくなって来る。
早く、彼女に会いたかった。
482 :
生暖かい安息:2007/04/20(金) 01:15:39 ID:Xn407ANW0
>>481 その夜――、ソファの上で私は兎を抱いていた。
柔らかい毛並みをゆっくり撫でていると不思議な感覚…デジャブを感じた。
前にもこんな風に…兎…いや、何かの…人間の髪に触れていたような気がする。
恐らく彼女では無く、違う女。
誰かは思い出せないし、それはとても遠く深い記憶だ。
多分一生思い出せないような気がするし、思い出したくも無い。
ふわりと兎が私の膝から下りた時、チャイムが鳴った。
「…はい?どちらさ――」
玄関を開けると、言い終わる前に私の胸へと何かが飛び込んで来る。
それはあの隣人の女であった。
「…何かありました?こんな遅くに…どうしたんで……」
女の顔は酷く涙で濡れており、瞼は赤く腫れていた。
何があったのか一目瞭然だ。
恐らく男と喧嘩でもしたか、振られたかのどちらかだろう。
兎に角、玄関で話すのもあれなので、覚束無い彼女の脚を支えながら、ソファにまで連れて行く。
華奢な彼女の体は朝見た時よりも更に小さく思える。とても頼り無い感じがした。
ソファに深く座らせ、温かいココアを差し出すと、彼女は涙を拭いながら一口啜る。
「おいしい…。ごめんね。急に……」
「少しは落ち着きましたか?…それを飲んだら帰って下さいね」
「……。帰る…とこが無いの…。彼に追い出されてしまったの……。行くとこ…無いから」
彼女はまた泣き出してしまった。
啜り泣く声は余りにも切ないのに、今の私にとっては煩わしい以外の何者でも無く、
彼女の隣に座り込むと、残酷な言葉で彼女悲観を煽る。
「…無理ですよ?…ここは私の家ではありませんから…。
彼女だって日曜日には帰って来るんです。
どんな事情があったのかは聞きませんが、良いですね?…帰って下さい」
酷い言葉を吐いている癖に、私は彼女の頭を撫ると子供をあやすように優しく宥めた。
鳴き声はいつしか嗚咽に変わり、私の胸の中で泣きじゃくる彼女は…まるで兎のようだ。
一人では生きて行けないとても脆い生き物。可哀想なくらいに。
きっとこのままでは死んでしまうだろう。寂しさと胸を引き裂くような痛みに耐えられず。
「…日曜日まででいいの…。お願い。…頼れるの貴方しかいない…。
彼、前の彼女と寄りを戻したみたいで……。もう私は必要無いって言われてしまったの。
まるで…物を捨てるような言い方だったわ」
少し落ち着いた彼女は坦々と言葉を呟く。
感情が篭ってない無機質な発音が、彼女の心の痛さを表しているかのようであった。
慰めの言葉も彼女を温める心も持ち合わせていない私は、
ただ黙って話を聞いてあげることしか出来ず、
せめてもと思い、髪に触れ優しく頭を撫るけれど、全てがまやかしに過ぎない。
「……分かりました。日曜までならいいですよ。…でも、ちゃんと約束は守って下さいね?」
彼女の寂しげな心が今の私の心情とリンクしたのか、それともただ単に同情しただけなのか。
それは定かでないが、何だか放って置けずにいた。
哀れな彼女は儚く微笑むと「ありがとう」とだけ小さく呟いた。
とりあえず今日はここまでです。
>>483 乙です!!
ちょっと〜〜、すっごいドキドキ展開じゃあないですか!?この後がマジで気になります
「おはようどざいます」でちょっと吹いたけど、でも続き楽しみに待ってます〜〜w
早く読みたい(*´д`*)
>>483 乙です!
続き楽しみにしていますね
彼女以外の女性とどうなるかwktkwww
このヒロインのずうずうしさ
トップシークレットを彷彿とさせるなwww
そうか?別に普通じゃね?
今のとこ図々しい女だなとは思ってるけど、まだ続き読まないと分からないや。
そんなことより、「おはようどざいます」に激しく吹いたwww
別にいいんだけど、誤字には気をつけようw
Lの性格がちょっと自分のイメージとは合わなかったんだけど、
話は面白かったよ。
彼女の「意味無い」の言葉の真意も気になるし、続き待ってます。
おはようどざえもんwwwww
どんな理由があろうともw
見ず知らずの男の家に転がり込むなんて
普通に図々しいというか絶対なにかを期待してるよな
まあ現実いるよね
振られて他の男に相談してるうちに乗り換えるタイプ
まあ注意書きに現実ばなれしてると書いてあるし、続き楽しみなので誤解なきよう。
>>480 彼女のためにパイとケーキの材料買い物するLが可愛すぎる(*´д`*)ハァハァ
Lの作った物食べてみたい
お前ら文句自重しろよw
嫌ならスルーすればいいだろうに
いや、ヒロインのずうずうしさが嫌ってわけじゃなくて
ちょっとつっこみたかっただけ
作家さん、気を悪くしちゃったらごめんね。
彼女の留守中に彼女の家に他の女を連れ込むLなんて…(・ω・)
いい加減落ち着けw
好ましくなかったらスルーしろよ
折角スレ分かれたってのに結局荒れるのか?ちょっと前もあったよな
漏れは色んなLが見たいから、何でも来いだが
ちょっと過剰反応しすぎじゃない?
どれもただの感想に過ぎないと思うけど
別に頭っから否定してるって訳じゃないし、誉めるだけが感想じゃないし
>>328とかとは全然違うと思う。
でも言い方には配慮が必要だね。そこは気をつけるべきだとは思う
>>496が釣りだったならスマソorz
えるる〜
外はいい天気だよ
でておいでよ…
以下チラ裏
アニメイトで買ったLのぬいぐるみのTシャツの襟首に
水色のトリミングがついていて、そこはそうじゃないだろ!
と思いハサミで切った。
思いあまって全部切りそうになった(*´Д`)ハァハァ
ジーンズもただの青いズボンなので自作しようかと。
めくってみたけど、縫いつけてあった、いつかきっと
暴いてみせる!
>>499 自作できる人って裏山しい
出来上がったらうppp
べつにケチをつける訳じゃないんだが、
なんつーのか、
案外皆シリアス系の話が好きなんだなーと
少し驚いてる。シリアスの中でも痛い系っつーか。
(イタい、じゃなくて痛い、って感じね。書いてる人が
イタいとか言う意味じゃないんで)
甘いのとかほのぼのしたのより、結構
そういう浮気やらセフレやら無理矢理やらそう言うドロドロ系が
多いのがなんか驚いた。
あんまり甘甘とかほのぼのとかは需要ないんかな。
そういうのしかかけないから結局いつも投下できずにいるw
>>501 私は甘甘ほのぼの大好きですよ〜w
Lが好きすぎるのでどのジャンルでも美味しく頂きます!勿論甘甘も大好きです
投下師さんはもっと自由にやっていいと思いますよ
万人にウケるということは稀だと思いますし
誰かの萎えは誰かの萌え
誰かの萌えは誰かの萎え
割り切っていきましょう!応援してます!
えろければいいよ
えろければ
>>501 私も甘甘ものすごく好きですよ(一番好きなジャンルかも)
上のほうでLがヒロインを看病する?と言うような話がありましたが、ああいう感じの好きです
ただ板の傾向?からして、エロに偏りがちなのは当然だと思いますが(
>>1にもそうありますし)
勿論エロも大歓迎ですが、キスくらいまで?の純愛ものも是非読んでみたいです
色んな人が見てるから、甘甘好きの人もいると思いますよ〜、需要ないって事はないと思います
もしもう書かれてる物があるんでしたら、是非投下してください、楽しみに読みます
おお、純愛系好きな人、もしや結構いるのかな?
自分も
>>501と同じような事考えてて
純愛物、途中で止めちゃったのあるんだよね
ちょっと続き書いてみるよ
>>503 エロ…は、入らないかもしれな…いorz
番外編みたいな感じで考えてみる
自分もエロなし萌えは大好きなので楽しみにしてますよ。
ぴんくにあるので基本はエロとは思いますが、最初に
注意書きしておけば良いのではないかと思いますけど…。
以下SS投下します。
そんなに長編にはならない予定です。
エロ度少なめ、今回はエロなしです。
>>506に補足
かなりバカげたSSですので苦手な方はスルーお願いします。
はぁ…
深いため息をついて、彼女は寝返りを打った。
もう昼も回っているというのに、何もする気がしない。
最近の生活リズムは相当狂ってる。
2ちゃんねるなんて時々見るくらいだったのに、最近では毎日の日課になってしまった。
周りの友人なんかとは絶対できないような話が普通にできてしまうところが最高に楽しい。
類友ってやつだろうか。
こんな生活送っているなんて誰にも言えない…
しかも…2次元の男に惚れてしまっていて
2ちゃんねるでそんな妄想しているなんて…
絶 対 に 言 え な い ! !
「廃人だなぁ…私…。」
ぼそりとつぶやいてみる。
まさか2次元の男に恋をするなんて…考えてもなかった。
たぶん1人であれこれ考えたりしているだけではここまで本気にならなかったのかも知れない。
いや、なってなかったに違いない。
実際、連載中だって好きだったけれど、今ほど毎日妄想はしていなかった。
それが最近じゃすっかり妄想世界で生活している。完全に病気だ。
原作の連載が終わってからもう1年。今はアニメがメインだし、
そのアニメですらもう出番は期待できない…。
だらだらと色んな事を考えながら、枕元にいつも置いてある一冊の本を手にした。
『DEATH NOTE 7巻』
表紙には、膝をかかえて指を咥え、甘えるような瞳でこっちを見ている男が描かれている。
この表紙に描かれている男が、私を虜にして離さない。
彼の名前はL。
私の妄想の中の、恋人。
ああ、LかわいいよL
>>507 仰向けになって表紙を見つめる。
目が合ってるようであって無い。くやしい…。
この巻は当時開くだけでも辛かったけれど、最近はそうでもなくなった。
自分の中で何かが変わったのかも知れないけど、よく分からない。
原作2部が開始されてからも、絶対にLは戻ってくると信じていた。
でも、結局は回想シーンでくらいしか新しいLに会えず途方に暮れた事を思い出す。
適当に本を開いてみる。
「あ…?」
本の間からぱらり、と何かが胸の上に落ちた。
見ると、カードのようなものが…これは…タロットカード?
何故こんな所にこんなものが…?
だるい体をベッドから引き上げ、カードを見てみる。
『]V 死神』
げ…何これ不吉すぎる…気持ち悪い……
誰もこの部屋には入ってないはずなのにどうしてだろう。本当に気味が悪い。
よりによってLを苦しめた死神のカードなんて…。
迷わず塵箱に捨てる。最悪な気持ちですとはこの事だ。
なんか腹が立ってきた、寝よう。
もう一度ベッドに横になり、目を閉じる。Lの夢でも見られないかなあと思っていたその時だった。
「何も捨てることはないだろう…ククク」
聞きなれないダミ声に驚き、がばっと起き上がってみると
そこにはおかしな格好をした………おばけがいた―――
「おっと、大きな声を出すなよ。俺の声はおまえにしか聞こえないが
おまえの声は周りに聞こえるからな。俺は面倒なことは御免だ。」
「な…なっ…お……おおおば…おば…っ…おばけ…っ……」
「あん?おばけ?そんな下等なものと一緒にするなよ。俺は死神だ。」
開いた口がふさがらない。それどころかベッドに座っているのに腰まで抜けてしまった。
その奇妙ないでたちとやたらフレンドリーな話方。死神?そんなものいるわけないじゃん!
怖い怖い怖い怖い…!
自分の手足がガクガク震えているのが恐怖心をさらに煽って
パニックに陥っていた。
「まぁそう怯えなくても殺しゃしないさ。俺はお前の望みを叶えに来てやったんだからな。」
「の、のの望み…?…何で死神が私の望みをか、叶えてくれるの…?」
「あん?実はちょいとヘマをやらかしちまってな。
罰として適当な人間の望みを叶えなきゃいけないのさ。
全く面倒ったらないね、俺は働くのが大嫌いなんだよ。
まぁ、望みを叶えるといってもただってわけじゃない。死神と取引しなきゃならないからな。」
「…と、取引って……」
「死神との取引の代償は、残りの寿命の半分だ。」
>>508 短くてすみませんが今回はここまでのさわりだけです。
>>509 乙乙!
すごい面白い!!
続き楽しみwww
>>509 乙です!
507〜最初のくだりが自分の事を書かれているようだwww
>>509 乙です!!なんか新しいジャンルですね!!www
続き楽しみにしてます!
>>514 何を隠そう自分もですよwww
>>509 乙です、こういうの大好きだ
生暖かい〜の続き投下します
傾向→非現実的、少女漫画系、ネタ的、話しはマジメ&暗い
苦手な方はスルーして下さいね
ヒロインは確かにウザスかも…
あと本当打ちミスが多くてすいませんorz
今回は特に酷かったですね…
516 :
生暖かい安息:2007/04/22(日) 10:18:26 ID:SpitJb2D0
>>482 ――Wednesday
白い手が私を深い眠りから覚まそうとしている。
気付けば、良い香りがした。これは、いつものコーヒーとスコーンの香り。
まだ目覚めたく無いと体は言っているのに、
淡い期待を抱きながら…私はゆっくりと瞼を開けた。
――もしかしたら、"彼女"が帰って来たのかも知れない。
「……おはよう。眠れた?…ごめんね、ベッド占領しちゃって…」
視界に映し出された女を前に、淡い期待は呆気無く現実へと引き戻される。
そう言えば、私は昨夜この女を泊めたのだった。
彼女にベッドで寝るよう言い聞かせ、私はソファで眠ったのだが、
変な体勢だったのだろうか、微妙に体が痛い。
重い体を引き摺るように起こすと、彼女がコーヒーを差し出して来た。
「…ありがとうございます…」
一口啜ると有り得ない苦みが広がり、思わず眉を顰める。
「ごめん、コーヒー嫌いだった?」
「…苦いです…。砂糖入れました?」
「…え…。入れたよ?三つも」
「三つ?…足りません」
私はそう言って、テーブルにある角砂糖を5つ放り込むと
スプーンでカチャカチャと掻き混ぜた。
彼女は目を見開いて驚いている。そんなに珍しいのだろうか。
「あ、…これ…スコーンですね?…どうして…」
テーブルに並んだ朝食は、"彼女"が作る物と同じくらい美味しそうであった。
香ばしく焼かれたスコーンに蜂蜜と…ホットミルクに…サラダ、
カリカリのベーコンと目玉焼きが色鮮やかに並んでいる。
「…今朝ね、買って来たの。今焼いたばかりだから美味しいよ?…嫌いだった?」
私の顔色を窺うように覗き込んでくる彼女。
それが何となく愉快で、私は思わず口角を上げて笑った。
「いえ。大好きです…。でも、ベーコンと卵は遠慮しておきます。
…甘いのしか食べないんですよ、私」
「え?…ご飯食べないってこと?」
「いいえ。…食べます。食べますけど、甘く無いと嫌なんです」
彼女は、さも可笑しげにクスリと笑って見せる。
そう言えば"彼女"も最初は私の偏食に驚き、笑っていた。
何だか遠い記憶のような気がするが、
口元に手を置いて笑うその仕草に、僅かながら胸が締め付けられる気がした。
何処と無く"彼女"の仕草と似ていたからだろうか。
大した事でも無いのに今の私はどうかしている。
517 :
生暖かい安息:2007/04/22(日) 10:22:38 ID:SpitJb2D0
>>516 「…今日は雨ですね」
たっぷりと蜂蜜を吸収したスコーンはとても甘くて美味しい。
私は口に頬張ったまま窓を見ると、彼女に視線を投げ、再び窓へと視線を移す。
昨日までの晴天は何処に行ったのだろうか。
薄暗い景色の中、湿っぽい雨だけがしんしんと降っていた。
「ん…。ちょっと寒いよね。…公園にも行けないし…。どうしよう?」
「…ゲームでもします?それともDVDでも見ますか?」
顎でTVを指すと、彼女は「ゲームがいいな」と笑ってみせる。
昨夜の出来事は何処に消えたのだろうか
と思うほど屈託の無い笑顔で笑ってみせる彼女だが、
その仮面の下に悲痛な想いを隠しているのを私は知っている。
作り笑いで幾ら誤魔化しても、瞳だけは悲しみの色を宿しているからだ。
彼女はやはり兎のように弱く脆い生き物を連鎖させ、
とても切なく寂しい思いに駆られるけど、何処か心の奥が満たされる気がする。
一人が寂しいと苦痛だと感じる私もまた、彼女のように弱い生き物なのかも知れない。
日曜までの"彼女"がいない間、
多少は気が紛れるかも知れないし、話す相手がいるだけで孤独に恐れる事も無い。
ただ一つ気がかりなのは、彼女が女性だということ。
――彼女からも。私自信の欲望からも。逃げる事は出来無い予感がした。
「あ…兎に餌あげなきゃね?」
「ああ。…水もあげて下さい」
食事を終えた彼女は、思い出したように口を開いた。
朝一番に餌と水を与えなければいけなかったのに、私はつい忘れていたのだ。
兎は丸くなって檻の中で眠っており、呼吸する度に柔らかい白毛が上下に揺れていた。
「…この子、彼女が飼ってるペットでしょ…?
Lは…何だかとても…愛着が無い感じするし、むしろ面倒だって思って無い?」
「…そうですね。生き物は面倒です。
…彼女はとても可愛がっていますが…私にとってはどうでもいいですね。
何が可愛いのか理解出来ません。喋りもしませんし
、…ただ眺めてるだけの観賞用なのに…不思議ですね」
「…そう?何だかLの言い方は…変わってる。
…動物だって人間と同じように感情はあるのに。
Lは…自分の存在を認めてくれる相手がいなきゃ駄目なんだね…。
凄く寂しがり屋なんだよ、きっと」
「そうでしょうか?…別にただ関心が無いだけですけどね」
彼女は兎を抱きかかえ、耳の後辺りを指で擽っていた。
とても心地良さそうに瞳を閉じてまどろんでいるそれに、やはり私は何の感情も抱かない。
ただ単に興味が無いだけで、彼女の言葉も理解出来ない。
動物が嫌いな人間全てが寂しがり屋だと言うのか。
518 :
生暖かい安息:2007/04/22(日) 10:24:11 ID:SpitJb2D0
>>517 「…兎好きなんですか?…何か動物買ってました?」
「ううん。…多分買って無いよ。ずっと彼の家にいたし…、わたし、自分の家も知らないの。
記憶が無いっていうか…。曖昧で途切れ途切れにしか思い出せないわ」
「………」
何となく聞いてはいけないような気がして、
これ以上は問わないでいたが、彼女の生い立ちは恐らく…明るいものでは無かったのだろう。
日曜が来たら彼女はどうするつもりなのだろうか?…情が移るのだけは勘弁して欲しい。
――時計を見ると19:00を回っていた。
少し遅めだが夕食を…と思い、キッチンへ向かうと彼女が袖を引っ張った。
「…夕食の準備?わたしも手伝うよ」
昨夜、使わずにいたパイの食材を冷蔵庫から取り出すと、
彼女は慣れた手付きでそれらを包丁で刻んで行く。
朝食の時も思ったが、どうやら料理は出来るらしい。
彼女の外見からは想像し難い一面であった。
「…随分、手際が良いですね?」
「ん…。毎日作ってたからね。…Lも料理するの?」
「はい。…朝食が彼女担当、私が夕食担当と…何時の間にか決まってたんです。
最初は不慣れでしたが、今では結構美味しいんですよ?特にケーキが…絶品です」
「ふふ。じゃあ、その絶品のケーキ作ってよ?…パイはわたしが焼くね。
…って言ってもLは食べないか」
「……。折角ですから頂きましょうか?」
他愛も無い会話だが、お互いに気が紛れる。
彼女は振られた男の存在を、私は"彼女"がいない寂しさを。
まるで恋愛ゲームのような不思議な感覚がして、不安である筈なのに何故か楽しいとさえ思える。
夕食を終えると、二人してまたゲームに没頭した。
519 :
生暖かい安息:2007/04/22(日) 10:25:50 ID:SpitJb2D0
>>518 時間を刻む針の音だけが鼓膜に響いている。
カーテンが硬く閉ざされた部屋は真っ暗であったが、
随分目が慣れて来た所為で、部屋の輪郭が薄っすらと浮き出ていた。
今、何時ぐらいだろうか。
先程から眠くて仕方が無いのに、瞼を閉じても眠れないでいた。
体がだるいし、頭も重い感じがする。
久しぶりにパイを…まともな食事を取ったからだろうか。
胸もムカムカして…吐き気までは行かないが、もたれている感じがした。
風邪かと思ったが、それも違う気がして、この曖昧な感覚に正直苛立ちさえ覚える程であった。
それでも、眠気だけははっきりと私の体を侵食して行くようだ。
もう一度瞼を閉じれば、妙な気分と共に睡魔が体全体を支配して行く。
やっと眠れる……と思った瞬間、何かが私の肩に触れた。
「……L…。ごめんね。今夜はわたしがソファで寝るわ…。
人の家に上がり込んどいて…ベッド占領しちゃうなんて流石にあつかましいよね…」
眉を顰めながら顔を上げると、暗い表情をした彼女の姿があった。
悪びれた様子であったが、わざわざこんな時間になってから言うことか。
ベッドに入ってどれ程時間が経ったと思っているのだろうか。ちゃんと空気を呼んで欲しい。
「…いえ。私は平気ですから…お構いなく…」
「…駄目だよ。…悪いじゃない。ソファだと熟睡出来無いでしょ?」
だから、何故今頃言うのか。言うなら寝る前に言ってくれ。
お陰で眠れそうだった私の瞳は、すっかり冴えてしまった。
妙な気分と体のだるさを残したままで余計気分が悪い。
…というか、私はかなり苛付いていた。
「…いいですから、もう寝てください」
「…でも……」
「…………。なら、一緒に寝ますか?」
一瞬、彼女の動きが止まる。
薄暗い部屋の中でもはっきりと見える彼女の表情は、酷く驚いている様子であった。
瞳が、泳いでいる。
私の機嫌を損ねた彼女が悪いのだ。
彼女の困り果てた表情を前に、苛立ちは益々膨れ上がり、
まるで値踏みをするような目つきで彼女を一瞥すると、私は彼女の手を取りそのまま床に組み敷いた。
背と床が擦れ合う音と同時に、彼女の悲鳴が小さく聞こえる。
哀れに震える肩に触れるとピクっと大きく揺れた。
520 :
生暖かい安息:2007/04/22(日) 10:28:04 ID:SpitJb2D0
>>519 「…どうやら勘違いをしてるようですが…男の部屋に泊まるとはこういう事ですよ?」
耳元で低く囁いて私の心理を悟らせる。
これがさも当たり前だというように、教えてやる。
彼女は震えていたが、私の目を見るとまた悲しそうな表情をして、口を開ける。
「…嘘。…出来無い。Lには…出来無いよ。…だって彼女がいるじゃない……。
それにとても優しいもの…出来る筈無いよ…」
「…馬鹿ですか?…男は愛が無くとも抱けますよ?」
「…嘘…。彼女を裏切ることになるんだよ」
「…誰が…ですか?
…私は決して彼女を裏切りませんし、貴女も好きになりません。
抱くだけなら…只の暇潰しですよ」
とても残酷な言葉を吐いていると分かっているのに止まらない。どうかしている。
"彼女"に会えない辛さと苛立ちが交じり合い、否応無く私を駆り立てるのだ。
こうなる予感はあったけれど、まさか私自ら仕掛けるなんて想像もしていなかった。
例え苛立ちから駆り立てられた感情でも、それは私の過失でしか無い。
おかしい、全てが歪んで行くようだ。
彼女は今にも泣きそうな顔で私を見ていた。
それはとても悲しくて切なくて…罪悪感と背徳感に囚われるが、止める気にもなれなかった。
然して親しく無い男の部屋に上がるという事はそういう事だろう?
拒絶する権利も、それを与えるつもりも無い。この女が悪いのだから。
「…そんな顔しないで下さいよ?…乱暴にはしませんから」
そう言って彼女の髪を掴むと、無理に唇を宛がった。
冷えた唇を舐め逃げる舌を捕える。
生暖かい唾液を交じらせ、彼女の口内を満たしてやると、覚束無い呼吸から甘い声が漏れた。
「ん…は…駄…目…わたし…まだ…彼のこと好きなの…」
「それがどうかしましたか…?
好きでも無い男の家に泊まる貴女が悪いんでしょう?自業自得ですね」
低い声で言い捨てると、再び唇を重ねた。
彼女は暴れなかったが、顔を反らそうとするので顎を掴み、貪るように唇を重ねる。
漏れる吐息は余りにも熱いのに、私と彼女の表情はまるで機械のようのに感情が感じられない。
緩やかな拒絶を見せる彼女を前に、確かな興奮を覚えているのに、
心は何故か冷静で、そして"彼女"への罪悪感が僅かながら私の心中を揺さ振る。
只欲を満たすだけのセックスに何故そう思うのかも分からなかった。
不意に時計を見れば、先程は暗くて見えなかった時計の針が薄っすらと浮かんでいる。
時刻は深夜0時を回ろうとしていた。もうすぐ今日が終わる――。
とりあえずここまでです。
鬼畜展開っぽいですが、一応方向は違うので…
>>521 乙です!
なんかいいとこで切れたwww
焦らしプレイwわっふr!
へさべさにぐっとくるのキタ!!!
>>521乙です
私はまだ一日の大半をベッドで過ごしていたものの、
短時間なら起き上がり、最低限の身の回りのことは一応できるようにはなった。
女医の手を借りずとも済むようになると直ぐに、Lは私をつれてホテルへと場所を移動した。
超高級ホテルのスイートルーム。
広くて充分な間取りに豪奢な家具。ジャグジー付のバスルーム。
電話一本で何でも届けてくれる。なにも不自由はない。
だけどキルシュ・ワイミーを除けば訪れる者もなく、
私もLも外へでることもなく、どこかしらいびつな生活だと思う。
ここへ移る前は苦痛でそれどころではなかったし、目を覚ましている時はいつも傍にLがいた。
それがたまらなく煩わしく感じたこともあったが、
今、見慣れない部屋に1人で寝るようになると、妙に心細く不安を感じた。
特に夕闇が迫ってくる頃はそれが酷く、私はまだ必要のない早い時間から明かりをつけ、
寝るときも決して明かりを落とすことをしなかった。眠りが浅く夜中に何度も目を覚ます。
暗闇の中で孤独と不安に晒されていた記憶が、今になって生々しく甦ってきているようだった。
ベッドで上半身を起こして枕にもたれかかり、もうすぐまた嫌な時間がくると考えていると、
Lがふらりと部屋へ入ってくる。一度寝ている間に電気を消されて泣き出したことがあったから、
私が暗所恐怖症なのをLは既に気づいていると思う。
そうにしても黄昏時が嫌いなことまでは知るわけがないのに、
Lはこれくらいの時刻になると私の様子を覗きにくることが多かった。
「今キルシュが報告にきていたんですが、逃走していた最後の1人の行方がつかめました。
明日、あなたを誘拐監禁していた主犯グループはすべて逮捕します。」
普段私の様子を覘きにきた時となんら変わりのない調子で、今日のLは突然そんな台詞を口にした。
たったの2歳しか違わない。まだ17歳なのに。
彼はなんの気負いも躊躇もなく、当たり前の事のように逮捕します、と。
なんとなくわかったつもりになっていたけれど、私はやはり何もわかっていなかった。
2年越しにこんな形で再会し、彼が組織に付け狙われる探偵のLだということを知っても、
こんなスイートルームを当たり前のように使っている姿をみても尚、
やはり私にとっての彼はハウスで一緒に暮らしていた頃の彼でしかなかったのだ。
>>525 もう少年とはいえないけど、まだ青年というには少々線の細すぎる感のある彼を、
私はベッドの上から初めて見る思いで改めて見上げた。
背が伸びたせいなのか、テニスをやめたせいなのか。
もともとほっそりした少年だったのに、更に細くなったような気がする。
以前より肩幅が広くなった分、細いというよりも薄くなったような印象だ。
日に焼ける機会も少なくなったのか、色白具合もも更に進み、
翳りを帯びた生白い肌は少し病的なくらいで、室内ですらその白さは映えていた。
「・・・じゃあ、それが終わったらハウスに帰れるの。」
犯人が逮捕されるのならこの件はもうケリがつくのだろうかと喜色を浮かべかけた私に、
Lは見覚えのある物憂げな表情をちらりと見せた。
「それはできません。あなたの名前も顔も身分も既に知れている。
ワイミーズハウス周辺は監視されていると考えた方がよいでしょう。
当分ハウスへは近寄らないでください。ハウスへはというか・・・」
Lはそこで私をみながら若干言いよどんだが、すぐにまた淡々と言葉を紡ぎ始めた。
「あなたは、外へでること自体が危険なんです。
あの手の裏組織は非常に執念深い上に、存外組織同士のネットワークもしっかりしています。
あなた方兄妹がLに繋がっているかもしれないという情報が、イギリス国外にまで流れる可能性も高い。
・・・Lの情報というのはそれだけの価値があるんですよ。」
きっと私はあからさまにびっくりした表情をしてしまっていただろう。
私の様子をじっと伺っていたLが少し困った顔をしてふっと身を引き、
ポケットに手を突っ込んでいた手を出して、ベッドの脇においてある椅子に登った。
なんだか自分の考えの甘さを見透かされた気がして、私はLから目を離して俯いてしまった。
首を動かすとまだ肩がずきりと痛んだ。椅子の上でもそもそと動いていたLの気配がとまる。
きっといつものように膝を抱えて座り込んだのだろう。
「一度流れてしまった情報を止めることはできません。
今回警察が動いたのはあなた方がLを知っているからこそ、
私がそのように指示したのだという噂も流れています。
一応別の様々な噂を流して撹乱してはいますが、いくら情報操作しても打ち消すのは難しい。
真実にはそれなりの力がありますから、噂の中の一つにしておくのが精一杯というところですね。
今回あえて組織ごと押さえてしまわなかったのも、
それをしてしまってはLが動いたという事実を否定できなくなるからなんです。」
>>526 警察に指示するだの情報操作だの組織を押さえるだの。
当たり前のことのように口にするこの"L"という人間は何なんだろう。
私は自分がとんでもないことに巻き込まれてしまったのだということを漸く悟り、
しばらく言葉がでなかった。
「・・・一生、組織に追われるってこと?」
「そうならないように手は打ちますが・・・当分はかなりの警戒が必要ですね。
だから少なくとも彼が自由になるまでは、私の傍にいてもらいます。
それが一番安全ですし私も楽ですから。」
「自由になるって・・・兄さんは病院にいるんじゃないの!?」
兄さんは病院にいるとLは確かにいったはずだ。私は驚いて手元に落としていた視線を彼に戻す。
Lは想像通りベッドの傍らの椅子の上で膝を立て、その上で互い違いに両肘を抱えるようにしていた。
「警察病院です。彼は麻薬を違法に所持し、使用していましたから。」
「警察?!でも・・だって、それは私だって」
「監禁されて無理に投薬されたあなたと、自らの意思で使用していた彼は同列にはできません。
あなたを救出し、薬から完全に隔離させ、司法と組織の追及から守ること。
それがあなたのお兄さんと私がした取引です。私にはそれができる。
でも彼自身に関しては特別に扱うつもりはありませんでしたし、彼もそれは望みませんでした。」
いつも通り特に感情を含まないの平板な口調なのに、なぜかそれが冷たいと感じてしまったのは、
私と同じようにLは兄さんを助けてくれたに違いないと、そう思い込んでいたからだろうか。
>>527 「そんな・・・兄さんが・・・クスリをやってたなんて・・嘘。」
15になったら二人で暮らそうという私との約束を守るため、麻薬から手を切るため、
そして何かと通院することの多い私の医療費をまかなうために、兄さんは資金を欲した。
もしもっと大きな組織を相手にしていれば、Lの情報と引換えに計画通り資金を得ていたでしょう。
そう、Lはいった。
しかし、兄さんの取引相手の組織はまず報奨金を惜しみ、次いで情報を疑い、私を人質に取った。
私が拘束され麻薬に汚染された時点で、兄さんは考えを変えた。
もはやLの情報を明かして仮に金を得たところで、その後兄妹で麻薬と組織との関係を清算し、
まっとうな人生に戻れる可能性は限りなくなきに等しい。
だから兄さんは私を救うために、取引相手をLへと変更したのだ。
私は兄さんが出入りして取引を行っていた組織の本拠地とは別の場所に拘束されていたが、
兄さんからある程度の情報を得たLにとってそれを突き止めることは容易すぎることだ。
「あなたは未成年で被害者ですし、周囲には僅かに二人しか見張りがついていませんでしたから、
その二人を確保した後の数分間警官を外に出し、その間におきたことは不問にすると、
そういう交換条件を警察とすることは比較的容易でした。私も自分で動けましたから。」
「兄さんは・・・加害者で犯罪者だから・・・?」
「そうです。警察の特別な協力を得るにはそれなりの見返りと納得できる理由が必要ですから。」
Lの返答に躊躇いはなかった。私は、そうだよね、とだけいって黙る。
兄さんがLのことを何故知っているのかをまだ聞いていない。
でもなんだか今の話だけでもういっぱいいっぱいで、その話を今切り出そうとは思えなかった。
Lが出て行ってしまった後、窓の外をみるとすっかり日は落ちていて、もう真っ暗だ。
彼の言うことが正しいことはハッキリと理解できたから、
兄さんを助けてくれればよかったのに、と恨めしく思う気持ちはまったく湧かなかった。
ただ、彼は私の知っていた昔の彼とは違う、私とはもう全然違う世界にいるんだということを
ハッキリと突きつけられた気がして、私は寂しかった。ハウスへたまらなく帰りたかった。
>>528 物心ついた頃からハウスで大勢の子供に囲まれ、日々喧騒の中で生活してきた私は、
広い静かな部屋で独り寝ていることがどうにも苦痛で慣れなかった。
だから私は多少調子が悪くても、リビングエリアにでていって一日を過ごすようになった。
Lは一室を純然たる捜査用の部屋に仕立てて使っていたが、
それとは別にリビングエリアの一角にもLのPCや捜査資料は雑然と散らばっていた。
捜査部屋とリビングの一角とをどう使い分けているのかはよくわからない。
機能で使い分けているのか、単に気分でふらふらといったりきたりしているのか、
どちらにせよリビングエリアにLがいる時間も結構多く、
そんな時私は窓際のソファに陣取って、なにやら資料をめくっているLを眺めている。
1人でいるよりは、その方がずっとよかった。
私はもう決してハウスで呼んでいた彼の名を口にせず、Lとしか彼を呼ばなくなっていた。
それは私なりの過去への小さな決別の儀式だった。
「L?」
今日もまたけだるい体を引きずってリビングエリアへ顔を出すと、
冷たくなった飲みかけのコーヒーのカップと食べかけのケーキが置き去りにされているだけで、
Lの姿は其処にはなかった。
何も言わずに出かけることはないから、きっと捜査部屋の方にいるのだろう。
膨大なモニタの数と資料の山。運び込まれた様々な通信機器。
空調が効いてはいても、複数のPCから排出される熱気でどこか熱のこもった部屋。
入っても構わないといわれていたけれど、私はその部屋が嫌いで覘くことすら滅多にしなかった。
Lがいないリビングは、広いだけに閑散としてもの寂しい。
私はリビングエリアの壁際においてあるアップライトピアノにふと目を留め、
フタを開けて真紅のフェルト布を取り、椅子に座って鍵盤へ指を降ろす。
ハウスでよく練習していた曲を弾きだすと、指がよく動かなくてうまく弾けずにいらいらする。
後半の速いフレーズに差し掛かってもう指が動かないと思ったとき、
よく磨かれた黒塗りのつややかなピアノに背後から近づいてくる彼の白い上半身が映り、
私は弾く手を止めた。
「それ、プレイルームでよく弾いていましたね。」
「・・・嘘吐き。そんなの知ってるわけないじゃない。」
プレイルームで遊んでいたこともないくせに。まわりのことに興味なんてなかったくせに。
慣れない環境、慣れない生活で、鬱屈としていたものが急に吹き上がってきて、
思わずつっかかるような物言いをしてしまう。
苛々とする心をなんとか抑えようと私は拳を握り締めた。
>>529 「なんなら今の続き、弾いてみせましょうか。」
「弾いてみせてよ。できるわけない。これは兄さんが私に教えてくれた曲なんだから。」
Lは表情を変えなかったが、内心むっとしているのがなんとなくわかった
ずるずると椅子ごと私を引きずってどかすと、つっ立ったまま本当に曲の続きを弾き始める。
何度も練習した私が今うまく弾けないのに。楽譜もない曲なのに。
私がプレイルームで弾いていたのを聴いていたことが本当で、それだけで弾けてしまうのだろうか。
Lという人間は、そんなこともできてしまうのだろうか。
「ど・・・うして、どうして弾けるの。やめてよ!!」
私はひどく冒涜された気分になって強い語調でいう。
Lはぴたりと弾く手を止めると私の方を振り返った。
「気に障ったなら謝りますが、あなたが弾いてみせろっていったんですよ?」
鍵盤から離した手をポケットに突っ込みながら、Lは心外そうに肩をすくめてみせた。
そのわざとらしい仕草に私の苛立ちは結局一気に頂点に達し、ヒステリックに怒鳴る。
「あなたのそういうところ嫌い。Lなんて・・・Lなんて大っ嫌いよ!」
「2度目ですね。そう何度も嫌いといわれると傷つきますよ。
なぜ嫌いなのか理由を述べてください」
泣きたくなって、私は顔を歪めた。
もう才能に対する嫉妬なんかじゃない。それがどんなに馬鹿げていることかよくわかったから。
どうしてだろう。どうしてこんなに・・・Lに対して苛々するんだろう。どうして欲しいんだろう。
「また、そんな顔をする。これじゃ私が苛めているみたいじゃないですか。ずるいですよ。」
Lは少し拗ねたようにそういうと、ぱたん、とピアノのフタを閉じた。
そこにさっき肩をすくめてみせたようなわざとらしさはなく、本当に困っているようだった。
>>530 「私・・・帰りたい。皆のところに帰りたい。Lなんて、どうして・・・そんなに何でもできるの。
違いすぎて・・・何考えてるか訳わかんないし・・わかんないよ!」
半泣きになりながらぶつけた支離滅裂な私の言葉に、Lは唖然として私を眺めた。
彼はしばらく驚いた顔をして黙っていたが、そのうちすうっと目を細めて呆れた顔になると、
はあ、とため息をついた。
「私が嫌いって・・・・そんな、しょうもない理由なんですか。
・・・いろいろ考えたのが馬鹿らしくなってきました。」
Lがどんなたいそうな理由を想像していたのかなんてわからない。
感情のままに、Lにぶつけた私の言葉に答えはあった。
Lが違いすぎて、何を考えているのかわからなくて、寂しかったのだ。私は。
「私はね、嫌われたことなんてないんです。好きだ嫌いだの対象外だったんでしょう。
皆、私を特別なものとして、近寄りはしなかった。好奇心から遠巻きに眺めているだけ。
嫌いだ嫌いだといいつつ、何度も何度も近づいてきたのはあなただけです。
その理由がよくわからなかったから、前から気になっていたんです。
・・・少し嬉しかったのかもしれません。」
口の端を少しあげて笑みのような表情を浮かべると、彼はそういった。
Lがそんな風に考えていたなんて知らなかった。
嫌われて嬉しいだなんておかしなヤツだと思いながら、私は瞬きをして滲みかけた涙を押し込めた。
「・・・わからないから嫌いだということは、つまり私を知りたいということですよね?」
「えっ・・・?・・・う、ん。だってここには私とLしかいないんだから、
Lがよくわからないと、私1人だよ・・・」
知りたい、というのとちょっとニュアンスが違う気もしたが、
うまく説明できないので私がとりあえず肯定すると、Lは親指を口元にやると視線を天井へ向けた。
「そうですね・・・。一緒に暮らすんですから相互理解というものが必要ですね。
あなたはいろいろと私のことを曲解しているようですし。」
Lは上目遣いになっていた視線を戻すと、勝手に独りで納得してすたすたと私の傍を離れてしまった。
全然相互理解が必要だと考えた風には思えないその行動に私は呆れたが、
感情を吐き出したせいか、それが彼のキャラクターなのかも知れないと思えたせいか、
これまでのように苛々することもなく、その猫背の細い後姿を見送った。
今回は以上です
乙!
ピアノも弾けちゃうLタンハァハァ
だんだん二人の距離が縮まって来ましたね
続き頑張ってください
>>532 乙です。
ピアノの耳コピできるL…卓越した記憶力や暗譜の能力があったとしても
ヒロインのピアノが気にかかっていたっていう事も
あるかも…と勝手に妄想。
舞台はホテルに移ったし、続き楽しみです〜
私もほのぼの純愛系が好きです
投下待ってますよ
>>532乙です
Lは指が超綺麗だからピアニストも似合いますね
なんかいっぱい投下されてるw
>>509 こういうの新しい感じだね
まだほんと触りだけど、面白そうだと期待してしまう
>>521 ぬお〜、マジ浮気話なのかコレ
どんなLでもバッチコ〜イと思ってたけど、浮気はきつい事が判明した
彼女視点で読むか、浮気相手視点で読むかで印象違ってくるんだろうけど、
前者で読んだもんだから、心臓痛いし悲しくて涙出る。アホか自分w末期すぎるw
彼女帰って来ても、何事もなかったように過ごすんだろうか…痛いな…
ごめん心狭くて。文句つけてる訳じゃないよ?
文章上手いと入り込んじゃうんだよね。だからこその感想なので、
自信持って書いてください。頑張れ
>>532 乙です〜
なんかLも彼女も可愛い
若いっていいよなw
なんかちょっと一歩前進した感じがする
これからどう展開していくんだろうか
>>521 乙です!!
大人なL大好きですのでがんばってください。
>>532 乙ですー
なんか少女漫画読み直したくなってきた。
ここからエロまであるのかと楽しみにしてます。
>>531の続き投下します
エロなし、今回はより少女漫画的内容です
まとめ管理人さま
いつもご苦労様です!
>>531 影に隠れた謎の探偵Lというふたつ名からイメージした理知的な人物像や生活スタイルと、
実際に目にするLとはとんでもなくかけ離れていた。
確かに捜査部屋に一日中篭りきりのこともあるし、モニタや資料を眺めている横顔は
話しかけるのを躊躇われるほど鋭い顔つきだったけど、かと思えば急に資料を放り出して、
ソファでお菓子を食べてはやる気なさげにだらだらしていることも珍しくない。
Lが膝を抱えてじっとしている様は生気に乏しく、まるで人形のようだったが、
一旦動き出すとそんな印象は反転し、なんというか――彼はかなり動物的な人間だった。
確かに私は彼のことを曲解していたのかもしれない。限りなくまともな方向に。
考えごとに没頭すると周りが見えなり、指をくわえだす。
機嫌が悪い時、イライラしていると爪を噛む。
やりたいことは好きなようにやる。気になることは気が済むまで突き詰める。
だが、逆にどうでもいいことはとことんどうでもいいようだ。
大量の甘いお菓子に囲まれて、好き放題にやっているLを見ていると、
ひょっとしてこの人はもの凄く自分の欲求に忠実な、
要するに、実はすごく子供なんじゃないだろうかと私は思い始めていた。
夜はちゃんと寝て睡眠をとるべきです、と相変わらずの隈顔でしれっと言ってみせたり。
その癖突然夜中に起こしにきたかとおもうと、コーヒーを入れて欲しいと言い出したり。
この間は何を思ったのか突然ハンドミキサーと大量の生クリームを購入して泡立てはじめ、
見かねて砂糖を入れないと甘くないよと教えると、そうなんですかと酷くショックを受けていた。
その後大量の砂糖を投入した大きなボール一杯の生クリームを抱えてそれは楽しそうに舐めており、
見ていた私の方が気持ち悪くなって、当分生クリームは食べられそうにない・・・。
生クリーム作りのためにわざわざ買ったハンドミキサーをLはそれっきり使いもしないので、
最近は私がたまにパンケーキを作るのに使っている。
卵と小麦粉とミルクからパンケーキができるのを感心して眺めていたLは、
翌日、それはそれは立派な分厚いお菓子作りの本を私に進呈してくれたが、
プロ向きのその本の内容は難しすぎて、正直試作する気にもなれなかった。
だいたいケーキはケーキでもパンケーキと普通のケーキには深い溝があることをLは分かってない。
>>540 頼んでもいないのに、自分の欲望丸出しの本を私へ押し付けておいて、
せっかく本をあげたのに作らないんですか?と機嫌を損ねたLはうるさい。
Lがしつこく拗ねているので、私は根負けして、難しすぎるからもっと簡単な教本がいいというと、
その日の夕方には今度は小学生向けのお菓子の本が届けられた。
嫌味かと思ったけど別にそういうわけではないらしく、Lは指をくわえながらページを捲り、
散々悩みぬいた挙句の果てに、ガトーショコラがいいです、と期待に満ちた目でいってよこす。
彼のあまりの悩みっぷりに絆されて、じゃあガトーショコラ作るね、と私はつい約束してしまったのだ。
――それが昨日の話。
今日早速試作してみようかなと思ってリビングにでてくると、Lの姿はそこにはなかった。
ここ数日はやる気なしモードでずっとだらだらとしていたのに、事件に進展でもあったのか、
それとも新しい事件を手がけ始めたのか、捜査部屋の方へいるんだろう。
私はなんとなくがっくりとして、一人ソファへ身を投げるように体を沈み込ませた。
お昼になってもLは顔を出さなかったので、私は届けられた昼食に独りで軽く手をつける。
いつもなら簡単につまめるものを取り分けて持っていってあげたりもするのだが、
今日はなんだかそんなことをする気にはなれなかった。
どうせ捜査部屋にはコーヒーサーバーとスイーツが常備されているんだから、
私がそんなおせっかいをしなくたって、L的には何の不自由もないのだ。
午後からは教科書を広げて一応勉強をしていたが、日没が近くなってくるといつものように
そそくさと明かりをつけに立ち、そのついでに私は捜査部屋をこっそり覗きにいった。
PCに向かって背を丸め、カタカタとキーボードを叩いているLの後姿が目に入る。
机の上にはケーキのお皿が何枚か積みあがっていて、やっぱり食事代わりにケーキを食べていたらしい。
ほんっとにどうしてあれで太らないんだろう。
夕食も食べないつもりかな?
私は何度も何度も抱いた疑問をまた繰り返しながら、細く開いた扉をそっと閉めた。
>>541 「別に入ってきてもいいんですよ?」
リビングに戻った私が、開きっぱなしにしていた教科書を閉じ、ペンをケースにしまっていると、
突然Lの声がして私は振り向いた。
私がさっき捜査部屋を覗きにいったことにちゃんと気づいていたらしい。
考え込んでいると声をかけても気づかないこともあるのに、
こんな風にやたらと鋭い時もあるからなかなか油断ならない。
「別に用なんてないもん。」
そうですか、と気のない返事をしながら、Lはリビングでの定位置に膝を抱えて座り込む。
そのまますぐに黙り込み、口元に親指をあて何か深く考え込んでしまった。
やっぱりケーキなんて作ってやらないから。
閉じた教科書のページの端をぱらぱらと指先で弄びながら、私はなんとなくむっとしていると
Lもふと顔を上げて私をみて、わずかに眉をしかめて不機嫌そうな顔をした。
「睨まないでください」
そんなつもりはなかったんだけど、私は知らず知らずのうちに目つきが鋭くなっていたらしい。
「・・・被害妄想。」
「わかりました。今度からビデオカメラつけて証拠をとります。」
「さっすが名探偵様。」
今度は意図的にLを睨み付け、そう嫌味っぽくいってぷいと私がそっぽを向くと、
Lが立ち上がってすたすたと私の方へ近づいてくる気配がした。
少し焦って顔を向けると、Lは何を考えているのか読めない表情でよってくる。
不機嫌な顔をされるより、こういうLの方が私はずっと苦手だ。
何をいいだすのかとドキドキして身構えていると、Lはつと小首をかしげてとんでもないことを言った。
>>542 「なに拗ねてるんですか。」
「っ・・・・はあああ?!拗ねてなんかないし!何いってんの。」
拗ねている、と言われた瞬間に、自分で思わず納得してしまい、
図星を指された恥ずかしさで、反射的に力いっぱい否定してしまう。
「名探偵ですからわかりますよ。」
しまったと思っている私に、Lは特に表情を動かすでもなく、
私が投げかけた嫌味をしれっと返してきた。
ほんとに意地が悪いんだLって人間は。
私は恥ずかしかったのと腹が立ったのといろいろな気持ちがごちゃ混ぜになって、
Lがするように両足を椅子の上に引き上げ、膝を抱えて顔を伏せてしまった。
「ガトーショコラ、作ってくださいよ。今ちょっと忙しいんですけど、夜に食べますから。」
「材料がないし。」
図星を指されて自棄気味の私は、顔を伏せたままぶっきら棒に答えた。
「なんでもすぐ届けさせますよ?」
「自分で買いにいって自分で選びたいの。」
「我が儘言わないでください。」
私だってちゃんとわかってる。
時に遊んでいるようでも、ちゃんとLは仕事をしていること。
Lが、というかキルシュが用意してくれる素材の方が買いに行くよりずっと高級だってこと。
外に出ることが今は危険だってこと。
今、私がとっている態度がただの我が儘以外の何物でもないだってこと。
「じゃあ作らないもん。」
それでも、そんな幼稚な言葉を吐いてしまう自分を私は止められなかった。
そうですか、と静かな声がしてLの気配が遠ざかり、捜査部屋の扉が閉じる音が私の耳に冷たく響いた。
>>543 私は涙が出そうになるのをぐっと抑え、その衝動が通り過ぎると、
机の上の教科書もペンケースもそのまま放置したまま、自分の部屋に引っ込んだ。
冷たいベッドに潜り込むと、枕を抱えて体を丸める。
だってずっとここに閉じこもりっきりじゃ息が詰まるに決まってるじゃない。
別に外にでたくてあんなことをいったわけじゃないのに、そんな風に言い訳をしてみたり、
Lは呆れただろうな、と自己嫌悪に陥ったりして、私はよく理由のわからない涙を流した。
散々泣いて、服も着たまま夕飯も食べないまま、私はいつの間にか泣き寝入りしてしまったようだ。
引っ張られる感触を感じてふと瞼を開けると、今一番見たくない顔が遠慮なくのぞきこんでいた。
「起こしちゃいましたか。」
私が起きたのをみると服を摘んでいた細い指先を離し、Lはケロリとした顔でそんな台詞を吐いた。
起こすためにわざとしたくせに、と思ったが、さっきの今でどうLに相対してよいかわからず、
私は戸惑ってLを見返す。すこし瞼がはれぼったくて、それにLが気づかなければいいと思う。
「出かけますよ。」
「へ?」
突然そんなことを言うLに、私は瞼のことなんて忘れて驚いて時計をみると、もう深夜だった。
さっきからいままでずっと仕事をしていたんだろうか。こんな夜中にどこへ行くんだろう。
今頃からホテルを移動? でも、荷造りしている気配なんて全然なかったのに。
Lは驚いている私の袖を掴んでぐいぐいと強引に引っ張ると、
ホテルのエントランスで待っていた車の後部座席に押し込む。
どこへ行くのか尋ねても、つけば分かります、と言うだけでLは教えてくれなかったが、
キルシュの運転する車は暫らく走ったのちにマーケットの前で停まった。
看板に書いてある営業時間を大幅に過ぎているのに、そのお店は煌々と明かりがついていて、
ちゃんと入り口の自動扉も開いたけれど中に入っても誰もいない。
>>544 「L・・・これ・・・」
「特別営業です。ほら、買い物しないんですか。」
私が唖然として誰もいない店内をみまわしていると、
Lはカートを引っ張り出してきてもの珍しそうに転がしている。
そのうちカートに乗りかねない勢いだ。
「L・・・それ、乗ったらこけるからね・・・?」
何をどう考えても、夕方に私があんな態度をとったから、だ。
我が儘だなんて自分で分かってるし、こんなことしてくれることないのに。
もやもやとした気持ちで、謝るかお礼をいうか何か言わなきゃ、と考えたのに、
カートで遊んでいるLを見て口にしたのは結局そんな言葉だった。
ハンドルにLが体重を掛けるのでカートのバランスが崩れて前輪が浮き上がり、
がしゃん、という金属音とともにまた床へと着地する。
私とL以外には誰もいない静まり返った店内に、その音がやたらと大きく響いたように感じた。
「ほら!それにそんなの使うほどいっぱい買わないよ。」
Lの行動をきっかけにして普段のように話しかけだした私に、彼はどことなく柔らかい顔になって言った。
「たくさん買って大きなの作ってくださいよ。」
ボール一杯に生クリームを作ったLだ。これは100%本気でいっているのだろう。
「ケーキの型は決まってるからそんなに大きいの作れないよ。
それにオーブンに入らないじゃない。」
「じゃあ普通サイズのがたくさんでいいですから。」
カートを転がしながら真顔でそんなことをいうLに、とうとう私は笑い出してしまった。
「そんなにたくさんつくったって食べきれないでしょ。」
「大丈夫です。食べられます。」
「そんなこといって・・・その言葉、撤回しないでね」
「しませんよ」
>>545 私とLは薄力粉やビターチョコレートなど、ガトーショコラの材料を大量にカートへ入れた。
急につれてこられたのでメモもなく、私は何が必要かなんてさっぱり覚えていなかったけど、
そこはさすがにLで、一度みた必要な材料リストは完全に彼の頭の中に入っていた。
きっとレシピだって完璧に覚えているんだろう。
私が作るよりもLが作ったほうが上手にできるんじゃないかとちらっと思ったけど、
そんなことをいいだしたらまた喧嘩になりそうなので、それは口にはしなかった。
普段そんなものよりずっと高級なお菓子を食べているくせに、
Lはさりげに甘いスナック菓子もまぎれこませ、
仕舞いにはケーキの材料よりもスナック菓子の方が多くなってしまった。
カートに満載の商品を袋に詰めて、Lと私はお店をでる。
レジで清算をしなかったから泥棒しているみたいな気分になってしまったけど、
時間外貸切特別営業の代金に充分込みだからそれはいいんだそうだ。
きっとお店中の品物を買い上げたってお釣りが来るくらいとんでもない金額を払ったんだろう。
私の我が儘のために。
その気になってしまうと限度を知らないのがLの悪い癖だと思う。
巨大な袋をもって車へ歩きだしたLの歩調は速くて、私は小走りに後ろからついていく。
卵だけは別にして私が抱えていたけど、その他の荷物は全部Lが持っていて、
小麦粉やグラニュー糖などが大量に入った大きな袋はかなり重いはずだ。
白い袖からにゅっと突き出たLの腕はとても細くて、大丈夫だろうかと心配になったけど、
別段重いとも思っていないようだった。
お店の出入口から車までのほんの短い距離。
今、言わなくてはこの先いうタイミングをきっと逃してしまう。
「L・・・ごめんね」
「・・・ケーキが食べたかったからです。約束どおりつくってくださいよ?」
背後からLを見上げて小声で私が謝ると、Lは肩越しに少し振り返ってそういった。
以前は知らなかった、想像もつかなかったL。
角度が変わるごとに違うLが少しずつ見えてくる。
それはまるで、騙し絵のように。
Lは意地悪で、子供で、負けず嫌い。
でも、私よりちょっとだけ大人で、嘘吐きで優しかったりする。
本当に、たまにだけど――。
大量に買った材料は意外なところで役に立った。
なぜならやっぱりケーキはいきなり上手になんてつくれなかったからだ。
生焼けです。
膨らんでないです。
甘さが足りないです。
散々文句をいうLにガトーショコラを作り続けて10作目。
さすがに材料も尽きてきた頃、私はLしか喜ばない甘すぎるガトーショコラが作れるようになった。
いくら上手にできたといっても、普段Lが口にする一流洋菓子店のものとは比較にならないだろうに、
美味しいです、とやっとほめてくれたLの満足げな顔が嬉しくて、
今度は何を作ろうかなとお菓子の本を見てしまったのはLにはまだ内緒だ。
>>546 今回は以上です
導入がちょっとまだるっこしくなってしまいましたが
やっと萌え展開部分へ突入できました
レス本当に嬉しいんです
力になります
>>547 乙です!今職場なので家についてからじっくり読ませていただきますね!
以下、「妄想の中の恋人」の続きを投下します。
注意書き
>>506 かなりバカげたSSですので苦手な方はスルーお願いします。
職場で書いてるんで小出しになりますけどすみません。
>>508 残りの寿命半分って…まるっきりデスノートの世界なんじゃ…
普段の私なら絶対突っ込んでるところだ。
でも今はそんな冗談を言ってる場合じゃないし、
死神に突っ込み入れるなんてさすがに…。
「あの…どんな願いでも…いいの…?」
「あまり無茶を言われても困るが、金が欲しいとかそういう物欲的なのはナシだな。
俺は一応神だが『死神』だ。お前達人間が都合のいい存在にしたてあげている
『神』とは全く違う。
お前が願いを叶えて欲しいなら、いただくものはきちんといただく。
残りの寿命半分だからな。断ってもいいんだぜ、俺は別にお前じゃなくてもいいんだし
まぁよく考えな。」
「…………」
物欲を満たす願いは無理…
ということは、例えばLを実在させてもらって…という願いは絶対無理だ…。
もしもその願いが叶えられたとしても実際困る。
毎日お菓子用意しないといけないし…
うちのインスタントコーヒーなんかじゃダメだろうし。
突然人ひとり沸いて出てこられてもどうすればいいか分からないし
それ以前に周りの人に何て言ったらいいか…。
ん?…ちょっと待って。
私ときたらこんな時までLの事しか頭にない…
自分の寿命の残り半分が代償なのに、私ときたら他に願いは無いのかwwww
あ…だめだ、パニックになってる。落ち着け、落ち着こうよ私!
ええと、願い事願い事………………………
だめだ、思いつかないorz
Lに会いたすぎて頭が回らない。
Lを実在させるのが不可能ならどうすれば…
「おい、大丈夫か?さっきから100面相みたいになってるぞ?変な奴だな…」
はっ!しまった…死神の存在をすっかり忘れてMy Worldに入ってた。
死神に心配されるなんて末期だ…
「え…じ、じゃあ……例えば…その…本の中に入るとか…そういうのはできるの?」
>>549 「そんなことでいいのか?残りの寿命半分だぞ?」
残りの寿命の半分…そうだ、よく考えたらすごい事なんだよね…
でも…願いが叶う…。
もともと寿命なんて分からないものだし
こんな機会はもう二度とない。Lに会いたい。
会いたい。会って……………。
「死神さん…じゃあ…取引する。私、この本の中に行きたい。
この本の中に会いたい人がいるの。だからその人のそばにいられるようにして。
但し…一生本の中は困るから、ちゃんと戻ってこれるようにして。」
「ククク…いいだろう。では入りたい本を選び、このペンで
好きなページに印をつけておけ。
そうすれば本の中でそのページまでの時間が立てば
お前は自動的にこっちへ戻って来られるようにしておこう。」
死神からごつごつした妙な形のペンを受け取り、
私はそばにあったDEATH NOTE 7巻の、一部のラストページのところに印をつけた。
「では、取引成立だな。約束通りお前の寿命の残り半分をいただく。
なぁに、取引と言っても3秒ほどで終わる。」
「………」
「もういいぞ。取引成立だ。この薬を飲め。
そうすればお前はその本の中で目が覚める。後は好きにしろ。
じゃ、俺は帰るぜ。」
あっという間に死神は消えてしまった。
どう見ても怪しいビンに入った薬を残して。
死神って憑くんじゃないんだ…や、別にいいけど…
こんな気持ち悪いのに憑かれたくないし…。
とにかく、Lに会えるんだ。
パソコンを起動させ、いつも入り浸っているスレッドを覗いた。
『ぴんく難民板 【デスノート】Lについて語るスレ』
今日もすごい進んでる…また祭りに乗り遅れた…。
まぁいいや、とりあえずみんなに挨拶していこう。
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675 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 17:16:32 0
今からちょっとLタンに会ってきますノシ
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>>551 乙です
675 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 17:16:32 0
今からちょっとLタンに会ってきますノシ
ってすごく見たことあるような気がしてなりませんwwww
続き楽しみです
>>551 乙ですよー!
続きが気になるし妄想がひろがりんぐ(・∀・)
>>547 乙!
ぐは(*´Д`)
Lとお買物行きたい・・・・
カートごろごろして欲しい〜〜荷物もってほしいいいい
>>551 乙ですw
ここではパラレル系第一号ですね
7巻の終わりで帰るってことは切ない展開かな
>>550 乙でし
>今日もすごい進んでる…また祭りに乗り遅れた…。
に吹いたwww
2スレにまたがる壮大なSSだなw
私もデスノの中に入りたいよ。
で、Lにあんなことやこんなこと…も勿論してみたいが
Lに教えてあげたいよ。
ヘリの中で、ノートをとられるなああって…(つД`).・。
妄想スマソ。面白そうなんで頑張って下さい!
職人さま、まとめ管理人さまありがとうございます!
トロンプルイユのL、いいですね^^すごく続きが気になります。
早く読みたくてたまりませんw
レス番間違えた。
>>554 orz
トロンプ・ルイユも続き待ってますyo!
職人さん達いつも乙です!
>>547 なんだかいい感じになっていて思わず(*´Д`)
とっても萌えました 続きwktkです
>
>>551 職場でこんな素敵なものを書くとはw
次はLに会えるんでしょうかハァハァ
>>557GJwww
今ふと思ったんだけど、
>では入りたい本を選び、このペンで好きなページに印をつけておけ。
>そうすれば本の中でそのページまでの時間が立てば
>お前は自動的にこっちへ戻って来られるようにしておこう。
これって7巻に入るって事だよね?
7巻の頭ではいって7巻の終わりででてくるってキツイなw
ミサの代わりなら、好きになりますよ?からドタドタまで入りたい
>>546の続き投下します
今回もノリは少女漫画でエロなしです
じれったい関係や展開が嫌いな方はスルーしてください
初夏の日曜日に拉致されてから早いものでもう数ヶ月がたち、夏真っ盛りに私は15になった。
兄さんとの果たせなかった約束を思い出すと、誕生日もなんだか苦々しく感じられて、
私は誕生日のことはあえて考えないようにしていた。
Lは当然データとして私の誕生日を知っているはずだが、その日が近いことを認識していないのか、
それとも誕生日などどうでもいいことなのか、彼もその話を振ってくることはなかった。
それなのに――。
誕生日の日の朝、リビングのテーブルの上に飾られている生花を目にして、私は足を止めた。
普段ないものが今日に限ってある。それってやっぱり誕生日がらみなんだろうか。
ユリが数本さされている花瓶を前にして私はしばし悩んだ。
ユリは綺麗で良い香りだったけれど、誕生日プレゼントと解釈するには少々そっけなかったし、
大体Lがそういうことをするとはちょっと考えられなかったからだ。
Lは決して情緒に欠けた冷たい人間ではないし、割と優しいところもある。
ただ、常人と少し、いや相当思考回路も言動も違うところがあるし、
誕生日を祝うなどといったロマンチシズムは、どうにもLらしくない。
まして、今日まで誕生日の話題に全く触れなかったのは、サプライズのためだなんて有り得ない。
100歩譲ってLが私に誕生日プレゼントをあげようなんて気を起こしたとしても、
面と向かって、何が欲しいですか?と聞いてくるだろう。
なんというか、Lはそういう人間だ。
いつだってド直球勝負、小手先勝負を仕掛けたりはしないのだ。
私は花を前にして数瞬躊躇ったが、Lを見習ってさっくり質問してしまうことにした。
「L、このお花どうしたの?」
「Happy Birthday. 今日は誕生日でしょう?」
「あ、うん、ありがとう。」
別にめでたくもなさそうな顔をしてLは言った。
祝ってくれたというより決まり文句だから。そんな感じだ。
だからこそやはり花を贈るという行動と結びつかない。
>>563 「で、このお花どうしたの?」
「私の誕生日には毎年キルシュが花を飾ってくれるんです。」
「へえ、そうなんだ。」
「そう悪い気分ではないので私も真似してみたんですが・・・嬉しくないんですか?」
ああ、そういうことか。誕生日プレゼントなんかじゃないんだ。
自分がやってもらって嬉しかったから、私にも同じことをしてみただけなんだね。
やっぱりLの情緒というものは果てしなく原始的。
でも、私も喜ぶかな、と思ってしてくれた子供じみた単純さがとてもLらしいと思うし
嬉しくも感じた。
「ううん。嬉しい!有難うL。」
微妙に気を悪くした風な顔になっているLに、私は笑顔になってぎゅっと抱きつくと、
ぴくりとLは体を強張らせ、迷惑そうに体を引いて捩った。
「あ、ごめん」
呼び止めるとき、隣に腰掛けるとき、嬉しいとき。
ごく自然に私がLに触れる度、こうやってまるで野生動物のようにLは嫌がって私から逃げ出す。
ワイミーズハウスで大勢の子供たちと生活してきた私は、他人との共同生活に慣れていたし、
同性だろうが異性だろうが、仲間の体に触れることなんて特に意識をするようなことでもなかった。
Lにいちいち避けられてみて初めて、自分が相手に触れることがよくあることに気づいたくらいだ。
勿論、逆にLが私に触れてくることもあまりない。
必要があってそうするときも、基本的に体ではなく服をつかんで引っ張ってくる。
なんだか自分が汚がられているようで初めはちょっと嫌な気分になったが、
彼のそういう行動にも、彼に不用意に触れないことにも徐々に慣れた。
今みたいについ忘れてしまうこともあるけど。
でも泣いていた時にはちゃんと肩を貸してくれたし、手も握ってくれたんだけどなあ。
基本的に余り思い出したくない記憶だけど、あの時のLの温もりと安心感を思い出して、
ちょっと私は寂しくなる。今、触れ合うことが嫌いなLしか私の傍にはいないので、
私は身体的接触というものに飢えていたのだ。
>>564 「Lは、ネコみたいだね。」
ソファの上にちんまりと膝を抱えていたLは、眉間に皺をよせて不審げな顔をした。
頭の上にクエスチョンマークでもぽんっと出てきそうな顔つきだ。
「ハウスの庭にもよくいたじゃない。触ったことない?」
「触ろうとすると逃げられてしまうので、触ったことがありません。」
「ほら。だからLはネコみたい。」
Lみたいに何考えてるかわからない相手がじりじり近寄ってきたら、
警戒心が強い猫じゃなくても逃げ出したくなるよ。
Lが猫に触ってみようとしたなんてちょっと意外だ。
猫にとっては威嚇以外のなにものでもない態度でにじり寄り、
猫に逃げられるLの姿を想像して私は思わず含み笑いをした。
「私に触りたいんですか?」
「さっ触りたいって・・・人を変態みたいな言い方しないでよ!
Lが嬉しくないんですかっていうから、嬉しいよって気持ちを表現しただけじゃない。
だいたい親しい人にハグするなんて普通のことでしょ。」
兄さんや友達と抱き合ったり、腕に触れたりして、
友情や親しみを示すなんて当たり前のことなのに、Lはそうじゃないんだろうか。
「・・・親しい、ですか?」
「え?」
「私とあなた。」
Lと数ヶ月一緒に暮らして、すっかりルームメート感覚になっていた私ははっとした。
Lは触れられる行為が嫌なんだと思っていたけれど、私に触れられることが嫌だったんだろうか。兄さんがLを脅迫した上に、組織に狙われ、身よりもなくお金もなく、
おまけにクスリの味まで覚えた私を、Lは放り出すわけにはいかなかった。
彼にしてみれば、もともと私はそういう相手だ。
>>565 「違います、すみません。そういう意味じゃありません。」
どきっとして冷えかけた気持ちが如実に私の顔に出ていたのだろう。
少し早口になったLはソファから降りると私の側へ寄ってきた。
「訳がわからないから嫌いだって言いましたよね。今でも、私が嫌いですか?」
「・・・そんな昔のこと、まだ根に持ってたの。」
「気になりますし。」
大嫌いだと宣言されたのに、今度は親しい人だなんて言われて困惑したのだろうか。
以前と比較にならない時間を一緒に過ごして、いつまでも同じ気持ちのわけがない。
まあもっと嫌いになる可能性もあったわけだけど、だいたいそんなの言葉にしなくたって、
今の私のLにたいする態度を見ていれば分かると思うけど・・・。
「今でも結構訳わからないけど・・・別に嫌いじゃないよ、もう。」
ともかく私はほっとして、余計な誤解を招かないようにそう返答した。
Lは数瞬考えた後に、ふっと身を屈め、腕を伸ばして私を抱きしめた。
「嬉しいです」
どことなくためらいがちに私を抱擁すると、すぐにLは離れていってしまったが、
Lの温かさはしっかりと感じられた。
こういうところ、結構素直なんだよなあ。Lって。
Lがハグしてくれたのは初めてだったし、
そもそも誰かにハグしてもらうこと自体がものすごく久しぶりで、私は顔を綻ばせた。
「短いよ〜。L、もう一回。」
「嫌ですよ。嬉しいときにするものだって言ったじゃないですか。一回は一回です。」
・・・素直すぎて融通が効かないのもどうかと思うよ、L。
理由がなくたって、こうして人に触れたい時だってあるのに。
Lはそんなことはないのかな。
>>566 「じゃあもう一回言ったらしてくれる?」
「同じことを何度も言われても嬉しくありません。」
「じゃあ好きって言ったらしてくれる?」
「心にもないことを言われても嬉しくありません。」
「ケチ。だいたいLがしてくれなかったら誰もしてくれないのに。」
「そんなに触って欲しいんですか?」
「そういう変な言い方やめてったら!もーいいよ。」
Lの物言いはストレートすぎてデリカシーってものがない。
最後には私が勝手に腹を立てて話を切り上げるのが、私たちの会話のいつものパターンだった。
「わかりました。じゃあ私の誕生日に、私のお願いを一つ聞いてください。
一回分貸し、ですよ。」
Lはそういうと、背を向けて離れかけていた私を背後から抱きしめてくれた。
背後からそうされると必然的にLの腕が前に回ってくる。
私はしめたとばかりにLの細い手首を捕まえた。
「・・・離してください。」
「一回は一回。長さは関係ないんでしょ。」
――温かい。
私は、人の温もりを補給するようにLの腕に頬を擦り寄せる。
そのままLにもたれるようにしていると、ほんわりと気持ちがよくて、眠ってしまいたいくらいだ。
Lは落ち着かない様子で体を緊張させ、暫くは私に付き合って我慢してたが、
いい加減にしてください、といって腕を振り解いてしまった。
私はLの誕生日を知らないことに気づき、いつなのかLに尋ねてみたが、
よほどあなたが馬鹿じゃないかぎり気づけるはずですよ、
と少し意地の悪い笑みを浮かべて教えてくれなかった。
>>567 ずっとホテル住まいをしていると季節感に乏しい。
だが日没の時刻に敏感な私は、夏が終わり、秋が深まり、
季節が冬へと移ろっていくのを日々ひしひしと感じてしまう。
自分の誕生日から暫らくの間、Lの誕生日に気づけなかったらどうしようと私はドキドキしながら
毎日を送っていたが、日が経つにつれだんだん意識から薄れ、しまいには忘れてしまっていた。
新学期もとっくに始まっており、友達は16歳で受けるGCSEに向けて勉強を進めているだろう。
試験までもう1年をきった。私はというと相変わらず寝たり起きたりの生活をしていて、
あまり勉強も進んでおらず、思い通りにならない自分の体に正直少し焦っていた。
「あ!」
サマータイムも終わり今日で10月も終わりという日、
リビングのテーブルの上に花が飾られているの見て、私はすぐに今日がそうなのだと気づいた。
Lはいなかったのでまずはおめでとうを言いに、普段は余り行かない捜査部屋へ顔をだすと、
ほぼ毎朝ここに訪れるキルシュがちょうど帰っていくところだった。
柔和な笑みを浮かべたキルシュは、去り際にポケットから何かを取り出して私に渡してくれる。
不思議に思って手の中の物に目をやると、それは毎年ハロウィンにハウスで配られるキャンディだった。
そういえば今日はハロウィンだっけ。
「L、Trick or Treat !.」
私はキルシュと入れ違いに捜査部屋にはいると、Lの背中に向かってそう投げかける。
Lはくるりと椅子を回転させて私を振り返ると、口の端を吊り上げて、Trickといった。
その口はもごもごと動いていて、明らかにキャンディを舐めていると思われる。
机の上に私がキルシュからもらったのと同じキャンディの包み紙が転がっていた。
「・・・・L、決まり文句って知ってる?」
「今日言うべき決まり文句はそれだけですか?」
「はいはい。」
いくらLが嫌がるからといって、私的には誕生日の人間を抱擁しないわけにはいかない。
これから触るよ、と分かるようにオーバーアクション気味に腕を伸ばしてみせると、
相変わらずLは少し体を緊張させていたが、おとなしくして逃げはしなかった。
ほんとに軽く一瞬だけLを抱きしめて、Happy Birthday、と言ってあげる。
ありがとうございます、と律儀にお礼を言うLを見ていると、
私はなんだか野良猫を手なずけたような気分になって微笑んだ。
>>568 Lのお願いはどうせケーキを作って欲しいとかそういうことだろうと想像していたのに、
午後になってLが言い出したのは、意外なことにもピアノを弾いて欲しい、だった。
私が最後にピアノを弾いたのはもう半年ちかく前の話、
突然弾ける自信がないし、だいたい以前聴いた感じだとLの方が私よりずっと上手っぽかった。
私が渋い顔をして躊躇っていると、別に上手な演奏が聴きたいわけじゃありません、
たどたどしく練習しているところが好きなんです、と褒めてるんだか貶してるんだか
よく判らないことをLは言い出す。
結局いつものように私が一方的に怒り出して勝手にピアノを練習しだし、
Lは別に聴いている風でもなくリビングで仕事をして――
夕食の後にはいつもどおり二人でデザートを食べた。
Lのゴーイングマイウェイな行動で喧嘩になることもあったけど、
やっぱりLのゴーングマイウェイな行動でいつの間にかまた元通り。
そんな毎日が続いていくうちに、兄さんに会えるのだと思っていた。
いくら警察病院だといっても面会はできるものだと思うけど、Lはまだ無理だとしか言わなくて、
それは私には分からない他のいろいろな事情のせいだと私は勝手に解釈していた。
会えない原因が兄さんの方にあるとは思ってもいなかったのだ――。
>>569 今回は以上です
>>565で一箇所改行失敗しました
管理人様
>嫌だったんだろうか。
の後に改行いれてください
すみません
宜しくお願いします
>>570 乙です!
Lに触りたいしLに触ってほしいですwwww
おつかれさまです^^甘すぎないLがなんかいいですね!
続きを毎日楽しみにしています!!
>>570 いつもお疲れ様です!
Trick or Treat でTrickと言うLがいいですねw Lらしいです
>>570乙です!
ますます接近(*´д`*)ハァハァ
いつもレスありがとうございます。ハァハァして貰えると、喜んでたりしますw
今回の話はエロ全くないです。すみません
それでは投下します
長編です。エロ無し。純愛もの
Call。
Call my name。
どうか。
もう一度。
貴方の声で…。
それは、久しぶりの外出。
天気はあいにくの雨。
だが、滅多に外出する事のない私には、雨の空気ですら心地良かった。
傘を差し、雨の中をゆっくりと歩く。
雨足が強いせいか、人通りは少ない。
立ち止まり、一つ、深呼吸をする。
冷えた空気が肺に入り込み、気持ちがいい。
ふと、通りの反対側に、傘も差さず佇む女がいる事に気がついた。
空を見上げ、只、立ち竦んでいる。
何か見えるのだろうかと、好奇心を刺激され空を見るも、別に何もない。
視線を女に戻す。
……まだ見ている。
一体何を見ているのだろう。
そう考えた時、女が不意にこちらへと視線を向けた。
重なる視線。
女の瞳が見開かれ、驚いた表情になる。
何となく気まずい気持ちになり、視線を逸らし、歩き出そうとした時。
信じられない光景を、見た。
女がふわりと浮き上がり、私の方に飛んで来たのだ。
あまりの驚愕に身体が固まり、思考も停止する。
空飛ぶ人間…。
そして私の前にやって来た女は。
「貴方、私が視えるの!?」
と、それはそれは目を輝かせ、それはそれは嬉しそうに言ったのだった………。
>>576 ――――――――――――――――
驚いた。
雨の中、自分を視つめている人がいる事に。
自分を、認識している人がいる事に。
驚きと嬉しさに、急いでその人の傍へ行く。
……どうやら相手も驚いているらしい。
大きな目を見開き固まっている。
だが、それどころではない。
勢いのままに話し掛ける。
…が、返事がない。
けれど、その視線は自分に固定されたままだ。
やはり、この人には――。
掌を彼の目の前に翳し、ひらひらと振る。
「おーーい。聴こえてますかー?」
「………………………はい。」
よかった。
どうやら聴こえているらしい。
安心して話し掛ける。
「貴方のお名前は?」
「………………………Lです。」
表情が固まっている。
「………私からも質問させて頂いて宜しいでしょうか?」
「どうぞ?」
「………貴女は一体何ですか?」
…直球だ。
無理もない。
当然の質問だろう。
にっこりと笑って、直球に答える事にした。
「幽霊。だよ。」
それを聴いた瞬間。
その手から傘が滑り落ち、雨が彼の全身を濡らしていった。
>>577 ――――――――――――――――
「あーあ。びしょ濡れだね。」
「………誰のせいですか………。」
「誰だろう。」
既に傘を差しながら歩いているが、全身びしょ濡れではもう意味がないかもしれない。
私は大きな溜息を吐いた。
女は空飛ぶ人間ではなかった。
よく考えたらそんな人間などいる筈がない。
驚いていたとはいえ、自分の思考に呆れる。
雨に霞んでいた為と、距離があった為、最初は気づかなかった。
だが、今目の前にいる女の身体は、薄らと透けている。
(幽霊。だよ。)
女は確かにそう言った。
幽霊など、そんな物が実際に存在するなど、信じた事はない。
今。目の前で、見る迄は。
「貴方、霊感とかあるヒト?」
「いいえ。全くありません。幽霊なんて今迄一度も視た事ありません。
信じた事もありません。」
一息に告げた声は意図せず不機嫌なものだった。
「でも、今はもう、信じてるでしょ?」
逆に女の声音は楽しそうだ。
そう。信じざるを得ない。
今こうしている間も、彼女はふわふわと宙に浮かび、
その身体は、時々擦れ違う人間の身体を擦り抜けている。
この目で視ている物を、信じない訳にはいくまい…。
再び大きな溜息が口を吐く。
「貴女が幽霊だという事は分かりました。認めます。
……それで、いつまで私に着いて来るつもりですか?」
「気が済むまで。」
語尾にハートでも尽きそうな調子で言われた、その言葉に。
ああ、取り憑かれるというのはこういう事なのかと、遠い目になりながら妙に納得した。
>>578 ――――――――――――――――
どうやら自宅に着いたようだ。
……無駄に広い。
「お帰りなさいませ。」
品のよさそうな老人が出迎え、彼が伺うようにその老人を見る。
だが、やはり老人にも自分の姿は視えていない。
彼もそれを悟り、何も言わずに家の奥へと進む。
置いてある家具や調度品の趣味がいい。どれも安物ではなさそうだ。
恐らくこのヒトが選んだ物ではないだろう。
なんとなく。見るからに。
全然お金持ちそうには見えないのに、お金持ちなんだな〜。
などと若干失礼な事を考えていた。
「お茶を用意して参ります。」
と言って、老人は部屋から出て行った。
「あの人は?」
「……ワタリといって、私の……助手や執事の仕事をしている者です。」
「ふぅん。貴方のお仕事は?」
沈黙が返る。
言いたくないのだろうか。
「まぁ、別に何でもいいけどね。」
それ以上は聞かずにそう言うと。
「……………探偵です。」
と、ぽつりと返事が返った。
>>579 ――――――――――――――――
仕事は何か聞かれ、答えに逡巡した。
本当の事を言うか、隠すか。
だが女はあっさりと引いた。
まるで、どうでもいいとでも言うように。
どうでも…いいのかもしれない。
女は幽霊。既に死んでいる存在なのだから。
それに、私に取り憑いているのだ。
四六時中傍にいられたら、隠しきるのは難しいだろう。
探偵だと、告げる。
その職業に驚いたのか、答えが返った事に驚いたのか、一瞬目を見開いた。
どうやら後者だったらしい事は、その後の微笑みで分かった。
ワタリが紅茶とケーキを並べていく。
彼にも、女の姿は視えていない。
何故私にだけ視えるのか。
答えが出るはずもない問いに、今日何度目かも分からない溜息を吐く。
ワタリが部屋から出たのを確認すると、今度は私から質問を浴びせる。
「まだ貴女のお名前を聞いていませんでしたね。教えて頂けますか?
それから、いつお亡くなりになったのかも。それから…」
「ストップ!」
質問の途中で止められ、物凄く不愉快な気持ちになる。
「何ですか?まだ私の話しが途中なんですが。」
自然声も不機嫌な物になる。
「質問されても、一つも答えられないの。」
「答えたくない…という意味ですか?」
ふるふると首が横に振られる。
「何も覚えてないから、答えようがないの。」
ケーキを口に入れようとしていた手が、ぴたっと止まる。
「覚えて……いない…?」
「そう。どうやら記憶喪失ってやつみたい。」
へらっとした笑顔で告げられた。
あんまりな出来事の連続に、私は遂に、頭を抱えることとなった。
>>580 ――――――――――――――――
そう。自分には過去の記憶がない。
気がついたら、もう幽霊だったのだ。
今自分の居る場所がどこなのか、自分が誰なのかすら分からなかった。
ふわふわと浮かぶ身体。
透ける身体。
ああ、自分は幽霊なんだという事だけは、直ぐに理解した。
その後何人かに話し掛けてみたが、声を聴いてくれる人も、視てくれる人もいなかった。
…今日までは。
頭を抱えてしまった彼に、一応義務感でそんな経緯を説明した。
「………そうですか……。」
疲れきった顔で律儀に返事をする。
「そういう訳なので、これからよろしくね。」
と、にっこりと笑って告げると、彼はうんざりとした顔で項垂れた。
まぁ、少し可哀想かなと思わなくはない。
幽霊に取り憑かれるなんて、普通イヤだろう。
でも別に、彼に特に怖がっている様子は見られない。
だからまぁいいだろう。
いい事にする。
ごめんね。と、心の中で殊勝に謝ってはみるものの。
久しぶりに人と会話が出来る喜びに、彼とは正反対に上機嫌になっていた。
今日はここで終わりです
>>582 乙!
これは意識不明の病人の彼女の意識が抜け出て・・・みたいなやつかな?
それともほんとに幽霊かな
続きまってます
なんで似たような系列が連続するのかなあ
人の読んでると引きずられんのかね
>>582 乙です!
幽霊なんて設定面白いですね
続き楽しみにしてます(*´Д`)
>>584 つチラ裏
>>584 ああ、ごめん。似てたかな?
寧ろ純愛系少ないとさえ思ってたよ
でも純愛好きって言ってくれた人結構いたから励まされちゃってw
不快な思いした方には申し訳ない。ごめんね
いいと思いますよ。作品は往々にして何かに似ているものです。
楽しみにしている人に応えてあげればいいと思う。
生暖かい〜の続き投下します
注意書きは
>>515 管理人さん、「おはようどざいます」直してくれたんですねw
本当、ありがとう御座います
589 :
生暖かい安息:2007/04/27(金) 02:23:30 ID:UDFjG9qS0
>>520 ――Thursday
時計の針が静かに時間を刻んでいる。
午前0時を回ったところだった。
お互いの息使いだけが、
ひっそりと聞こえる静寂の中、私は彼女のバスローブに手をかけた。
拒絶の言葉を吐かない彼女の顔は、やはり人形のように感情が見えず、
ただ大きな瞳だけが私をまっすぐに捕えていた。
まるで私を窺うような、その冷めた瞳が訴えているのだ。諦めの色を宿しながら。
この状況から逃げる術は無いし、
むしろ私を駆り立てたのは、彼女の方にも原因はあるのだ。
いくら行く所が無いからと言って、
男の部屋に上がり込むという行為は、何らかの期待をしても良いという事。
いや、期待を持たせるような行動を業としていると気付くべきだ。
私も最初は、そんなつもりは全く無かったのに…何故だろうか。
苛立ったからと言って、余りに子供沁みた感情だと心中で自嘲した。
「……ベッドに…して…」
ずっと黙っていた彼女の口から零れた言葉は意外なものだった。
やはりもう諦めたのだろう、
拒絶してもそれは何の意味も為さないという事を、彼女は憂いの瞳を持って諭している。
僅かに震えている声が切ない。
きっと、恐怖を隠す為のせめてもの強がりから言った言葉だろうが、
私は敢えて素知らぬ振りをする。
乾いた部屋中の空気が澱んで行く気がして、何だか気持ち悪いのに、
虚しい憤りを自分自身に感じながらも、私は手を止めないでいた。
苛立ちは音を立てて何かに変化して行く。
その感情は只の虚無にしか過ぎないと言い聞かせて、
私は彼女の手を取り、ベッドへ導いた。
「…嫌がら無いんですね…」
ゆっくりと彼女をベッドに横たえると、ギシリと小さな音を立ててそれは軋んだ。
細い指が切なく私の頬へ当てられる。
冷えているそれにまた切なさを感じながらも、彼女の手を取ると唇を奪った。
「ん…」
甘い声が僅かに漏れる中、舌を捕え何度も何度も深く絡ませる。
行き場を無くした唾液が、彼女の喉を通って行く音が、
やけに卑猥で静まり返った部屋に響いている。
そのままバスローブに手をやり紐を解くと、
薄暗い部屋でも鮮明に白く浮かび上がる肌が曝け出された。
590 :
生暖かい安息:2007/04/27(金) 02:26:21 ID:UDFjG9qS0
>>589 「…ね、L…。本当は怖いの…」
「……そうですね。余り、…考え無い方がいいです」
「違うの…。貴方に抱かれることじゃなくて、
彼を裏切ってしまう行為をしてしまう自分が…」
「……。何を言ってるんですか?裏切ったのは男の方でしょう?
…それでもまだ好きだと思う貴女の気持ちは分かりますが、別に裏切りでも何でも無いですよ」
白い肌に指を滑らせると、とても柔らかく、
そして滑らかな肌理の感触がして、私は指で何度も滑らせては肌を弄ぶ。
乳房を掴んで緩やかに揉み解しては、突起を摘み彼女の欲を煽って行った。
「…分かってるけど…、何だかそんな気がしてなら無いの。
…彼を裏切っては駄目だと…心の奥で必死に訴えてるみたいで、とても怖い」
時折呼吸を乱しながらも、彼女は言葉を続けて行く。
「只の遊びと考えてはどうですか?
…別に気持ちが無いのだから当然でしょう?…深く考えるから、いけないんですよ」
「Lは残酷だね…とっても。……なのに、優しいからずるいよ…」
確かに残酷な言葉を平気で吐いている、
何も知らないようなズルイ顔をして、私は平気で嘘を吐く。
私だって本当は"彼女"に対する裏切りを痛いほどに感じているのだ。
だが、これは只の暇つぶし…何の感情も成さず、ただ動物のように欲を貪り合えば、
何も恐れる事は無いと…心の奥で強く言い聞かせた。
白い肌は仄かに赤く染まって美しいのに、酷く情欲をそそられる。
舌を滑らし、首筋から胸までゆるゆると辿るように這わせて行くと、
唾液の跡が卑猥に彼女の肌を浮かび上がらせる。
「…もっと声出しましょうよ?…そんな顔しないで、…楽しんではどうですか?」
せせら笑うかのように吐き捨てると、
そんなの男の勝手な言い分でしか無い、と彼女は冷めた口調で言い捨てた。
私は無視して、乳首を口に含んで舌で弄ぶ。
十分に唾液を含んだそれで執拗に愛撫すると、
彼女は喉から掠るような甘い声を出してやっと体を捩らせた。
「…いいですね。…もっと喘いで貰いましょうか」
そう言って閉じられている足に手を伸べ、膝から太腿までゆっくりと指を滑らせて行く。
緊張の色が見えるそれは僅かに冷えており、
私は煽るように何度も太腿を摩っては彼女の嫌悪する顔を見ていた。
591 :
生暖かい安息:2007/04/27(金) 02:29:33 ID:UDFjG9qS0
>>590 「…ん…やだ…気持ち悪い…」
「嘘付かないで下さいよ…かなり濡れてますよ?」
「あっ……」
太腿を摩っていた手を秘部へ伸べ、割れ目をなぞっては、
濡れているという事を何度も強調して彼女に言い聞かす。
恥ずかしい言葉で彼女を恥辱に染め上げる。
まるで知らない私がそう仕向けているようであった。
"彼女"とのセックスはもっとこう……お互いを強く求め合っていたから、
こんな一方的なセックスは初めてであったが、
とても新鮮で…何処か心が悦んでいると私は知る。
それは新しい自分自身の発見なのに、
まるで何かが欠落したような感覚だと錯覚する程であった。
「あっ…L。…やだ…」
襞をなぞり、濡れた指先で一番敏感な突起を撫でると、彼女の体がピクリと反応する。
口に手を当てて声を押し殺して、恥じらいにもがく姿がまるで処女のようにあどけなくて、
私の情欲も心地よく駆り立てられる。
「…見て下さいよ?…私の手、もうびちょびちょです」
彼女の前に淫靡に濡れる指を見せ付けると、目を瞑って首をいやいやと振っていた。
どうしてそんな反応をするのだろうか……。私を、男を…煽ってるとしか思えない。
「…ぁん……っ…やっ…」
乳首を舐めながら、膣内に指を入れて掻き混ぜる。
柔らかい肉壁は窮屈で相当締め付けられる感じがしたが、
構わず指を増やして、厭らしい音を立てながら掻き混ぜる。
彼女の声はもう酷く上擦っており、快楽に身を委ねている様だった。
彼女の姿を見て興奮しない男はいないだろう。
……もう十分に愛撫した秘部に屹立した性器を宛がい、
合図するように彼女の髪を撫でると、ゆっくりと膣内へ入れて行く。
締め付けられる快感に背筋がぞくっとなり、柔らかい肉壁が吸い付くように纏わり付いた。
彼女は白い首を仰け反らせ、その圧迫感に耐えながらも甘い声で鳴いていた。
まるで小動物のように愛らしい姿をしている癖に、とても淫らで妖艶な女のその姿に、
私自身は酷く興奮しており、性器を飲み込んだ小さな結合部を見て、
また興奮を覚え、緩やかに腰を突き立てた。
592 :
生暖かい安息:2007/04/27(金) 02:32:17 ID:UDFjG9qS0
>>591 「あっん…は……やぁっ…」
あれ程感情を示していなかった彼女の顔は、
卑猥に崩れており、切なく喘ぐ様はエロティックとしか呼べない程であった。
最早、自分でも抑えられない快楽に飲み込まれてしまった
哀れな彼女の背に腕を回してやると、それに答えるように、彼女の腕も私の背を捕える。
吐き出せない感情と快感をぶつけるように私の背に爪を立て、
可愛らしい口から絶え間なく声を上げた。
交じり合う皮膚と吐息、余りに熱くて蕩けそうなのに、やはり切なさは変わらない。
甘い声で鳴く彼女は苦しげに言葉を紡ぐ。
「…どうして?…そんなに優しく抱くの?
…遊び、なんでしょ…?もっと…酷く抱けばいいのに…」
何故かは分からない。
幾ら愛していない女でも出来なかったし、そんな術は知らない。
私の中の何かが…そうさせているようだ。そんな不思議な感覚がする。
精巧な機械のように、それしか知らない私は、
彼女を酷く抱くより残酷な事をしているのかも知れないのだ。
いっそ、乱暴にしてくれた方が良かったよ――、と嘆く声が聞こえた気がした。
「…んっ…駄目っ…もう…っ、あっ…あぁっ」
「いきそうですか…?いいですよ…っ…いって。…私も…辛いです…」
彼女の腰が宙に舞い、膣内が収縮する。
酷く窮屈に締め付けられるその感覚は、激しく私を揺さ振りつつ高めて行く。
深く腰を突き上げれば、待ち侘びた快楽に身が焦がれる思いがして、そのまま全て吐き出した。
静寂が蘇えってくる部屋と整う呼吸。肌が縺れるだけの異様な空間。
何かが歪で、生暖かい感覚だけが残っている。
それはまるで、透き通る闇だ。
深い闇は余りに透き通っているのに…決して手は届かない。
593 :
生暖かい安息:2007/04/27(金) 02:36:08 ID:UDFjG9qS0
>>592 白く濁った闇の中、人影が見える。
とても懐かしい香りと共に聞こえる声も何処かで聞いた記憶がある。
「……ごめんね、L。許して…」
許しを請う声は細く震えているのに、本当は全く悪びれて無い事が窺えた。
はっきりと見えない顔に苛立ちを感じつつ、
女の体に触れようとしてみるが、呆気無く擦り抜けてしまい、決してそれは叶わない。
これは、誰だろうか――。"彼女"でも彼女でも無い事だけは確かだ。
「……でも…いいよね。Lは平気だよね……だって―――」
はっと意識が戻ると、ベッドの中だった。さっきのは夢だったのか――。
外はまだ雨が降って降り、憂鬱な気分を一層駆り立てる。
何だか奇妙な夢を見た所為か、
其れとも女を抱いた所為か…昨夜より体がだるく感じられた。
時計を見ると有り得ない事にもう10時を過ぎており、私は慌ててベッドから起き上がった。
彼女は………と隣を見ると、まだ眠っていた。
華奢な背をこちらに向けて安らかな寝息を立てている。
私はベッドから起き上がると、そのままバスルームへと向かった。
熱いシャワーを浴びながら考える。
――彼女を抱いてしまった事と、彼女の言った言葉を。
記憶が曖昧…途切れ途切れ……。
これは私自身も昔から思っていた不可解な感覚であった。
そう、私も彼女と同じように記憶が曖昧で、
思い出そうとしても、酷い頭痛がそれを妨げるのだ。
……記憶喪失かも知れない…と不安に駆られる事もあったが、
日が経つにつれ、別段気に止めなくなってしまい…しかし。
…彼女と過ごすうちにやはり…何かしら影響を受けているのか、
それとも…私の脳が親近感を感じているのか…
ここ数日、再びその不可解な靄が身に纏うようになって来た。
先程見た夢も、そして兎を撫でていた時に感じたデジャブも……
全ては一つの線で結ばれていて、本当はとても重大な事では無いのか。
誰かが何かの為に記憶を隠蔽しているのか、
それか、私自身がそう選択したのか…。分からないが何だか気味が悪い。
594 :
生暖かい安息:2007/04/27(金) 02:38:46 ID:UDFjG9qS0
>>593 バスルームから出るとコーヒの香りがして、
それと同時に彼女がおはよう、と笑みを浮かべて言った。
「……おはよう、ございます」
何となく気まずい雰囲気の中、朝食を取る私達だが、
彼女は何事も無かったように昨夜の事に触れないでいたから、私も敢えてそうした。
「…兎に餌あげといたよ。…わたしも後でシャワー浴びていいかな?」
「ああ。すいません。…どうぞ、好きなように使って下さい…」
「今日も…雨だね。…外は寒そう。…明日は晴れるかな?」
「……晴れるといいですね。
晴れたら…桜が散ってしまう前に…もう一度お花見に行きましょうか?」
彼女は柔らかい笑みを零して、ただ頷いた。
本当に何事も無かったように他愛の無い会話をしているのに、
やはり昨夜とは違う空気が流れているようで、
嫌な緊張感を感じながらも、私も…彼女も…素知らぬ振りをした。
ああ、何故私はこんな事をしているのか……。心底馬鹿げている。
この女は日曜になればいなくなるというのに、
まるで餌付けをした犬を捨てるような…残酷な感覚だ。
彼女もそれを知っているから、余計残酷に感じる。
――"彼女"に会えるまで後4日……。
早く時間が過ぎれば良いのに…
ゆっくりと時間を刻む時計の針にもどかしさを感じつつ、私は甘ったるいコーヒーを啜った。
今回は以上です
乙です!
ドキドキしました。続き楽しみにしています!
乙!文章ウマーだな
浮気以外にも何かありそうで気になる!
続き待ってます
批判された直後に連続レスかよww
必死だな
どうせ訳ありでLは酷くないんですって流れだろw
職人様たちお疲れ様です!そしてありがとうございます^^
続きを楽しみにまっていますよ〜!
559 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:16:59 0
SSスレみてねーw
561 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:17:23 0
>>559 見てるけど読んでねーw
565 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:19:02 0
>>561 ああ自分も一応チェックはしてるけど
別に読んでねーって漢字w
566 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:19:47 0
SSスレは荒れると人が湧いてくるが
感想はほとんど書き込まれない件
567 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:21:08 0
それ私も思ってた
568 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:21:09 0
万が一のコラチェックのために行ってるだけだから
自分も読んでねーw
575 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:25:45 0
まあSSというものは半分はオナヌーだ
しかしこっちに投下されるSSはネタしか無理ってのがワロスww
しかもオモロイの求めてるみんなw
572 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:24:47 0
浮気Lはテラヒドス
581 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:28:25 0
>>577 いや、いいんだ
あまりに自分的にヒドスなL解釈のssがあったもので
583 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 03:29:13 0
>>581 あーあれか
承知したw
この人の作品くると毎度荒れるよな・・・(´ー`)
まあ本人何言われても気にしない人みたいだからいいんじゃね?
何故スルー出来ないのか?
>>1を嫁
絶対定期的に荒れるよな…
>>595 乙ですよ〜なんだか展開が気になりますね!
続き待ってます!頑張ってくださいね
女の家に別の女連れ込んで
しかもその女のベッドでヤったなんて最低じゃねーかwww
なんでそんな展開が楽しみなんだ
性格歪んでるな
毎度毎度ヒロインうざいし
あー
浮気がどうこうとか鬼畜がどうこうとかいう個人の嗜好もあるんだろうけど、
荒れる最大の原因は「ヒロインがウザイ」ってところにあるんじゃないかとwww
女に嫌われるタイプのヒロインだもんなぁ・・・。
つか自分は中の人がおんなじなのかよくわからんが、まあ似てるよね。
>>582 乙です!
続き楽しみにしてますよ。
突っかかってくるやつはだいたいいつも同じ連中だし気にすんなー
>>605 そうか
そうかも試練
作者がそういうウザイ女だって臭いがプンプンしてイラつくのかも
小説のヒロインをウザイと思うよりも、しつこく↑のような
レスをしてくるヒトを激しくウザイと思いますw
もうちょっと大人になってね。
ウザイウザイて言われてるのに
確かにそうかもとかいいながらも
それでもしぶとく似たようなの投下してくる作者がやっぱりウザイ
ウザいヒロインを平伏させてめちゃくちゃにしてしまうSSのほうが個人的にはいいなぁ
生ぬるい
私は続き楽しみにしています。
待ってる人がいるから投下してくれるんだと思う。
皆Lが好きだから、自分のL解釈を否定されると辛いのはお互い様だよ。
作品批判まではともかく中の人否定はやめて欲しい。
>>610 わかるw
自分は純愛でも鬼畜でもいけるけど
鬼畜っぽくヤっちゃったけどやっぱ後悔してヒロインに優しくなってめでたしみたいな
中途半端に生ぬるいのはもにょるww
浮気話は大嫌いです
>>614 懐しいなwwww
まああれが一番手でそれ系だったし
他のもそんなん多いやね
光 Top キャンパス ヴァニラ 糜爛
それから今回の妄想もだろ
別にいいんだけど多すぎだなって
そこまでいうなら斬新な作品を自ら投下してみては?
待ってますよ。
今回の妄想ってどれ?
文句言うヒトほどなんにもできない人間なんだよなぁ・・・。
ALやJLやTLやZLなんか生み出してLを
ネタにしてる奴らにいちいち文句言われたくない
己を省みれ
>>619 ハゲドwww
いやしかし、せっかく棲み分けまでして荒れるようじゃ・・・
いや、スルーしない自分がバカなんだがな。
浮気云々は、あくまでもこれは作品上のフィクションだし、ケチつけるのはどうかとwww
職人さんたち、続きをぜひぜひお願いします!
待ってます〜〜〜〜!!
>>617 素でまちがえた
妄想は違うや
あれは新しいタイプで面白そうだ
生暖かい安息といおうとして間違えた
中の人には失礼だが所詮妄想。
万人が満足できるわけない。
なんでスルーしないの?
投下待ってます!
どんなLでもばっちこーい!!!
フィクションだから妄想だからなんでもOKなんだったら
801でもスカトロでも女体化でもいいじゃねーか
自分の居場所に帰りな?
熱いねぇ
まあホモや女体化と一緒にするのはどうかと思うが
浮気ネタがこれだけ荒れる元だということは作者に認識してもらいたい…かな
当然スカトロも荒れるんだろうなw
>>1 >【厳禁事項】
>・グロネタ・801ネタ・なりきり
スカはまじで勘弁
私だってスカトロやだよーw
いくら職人あってのスレとはいっても
萌えるためのスレなので住人の大半が萎えるSSはちょっとねー
揚げ足とりになってるな
スレが進んでいたと思ったら荒れていたw
(´・ω・`)職人さん切に続き待ってます
632 :
ほのぼのえっちさん:2007/04/28(土) 02:56:24 ID:jgcH2rc0O
>>595 すごく続き楽しみです。
いろんな感想があるけれど、気にすることないです。
私はここのSSがどれもすごく好きです。
確かに妄想かもしれないけれど、Lの物語を読むことができて、すごく嬉しいんです。
職人さん達はみんな、素晴らしい才能をもっていると私は思います。
さてやお前携帯厨だな
あげちゃらめえええ
どれも好きなんて普通におかしいだろw
だいたい普段ろくに感想も付けないくせに
なんでこういう時だけでてきて
どれも素晴らしいだの楽しみだのいうんだ?www
マジで擁護してるやつらに聞きたい
そんなに素晴らしいと思っているのなら
なんで普段レスつけないの?www
まだ荒れてたのかw
こりゃ当分投下無いぜ
もうここ削除依頼出した方がいいんじゃね?
スルーも出来ない馬鹿な奴等がいる限り絶対荒れるよ
>>ID:DfAG9kPN0
なんでそんなに必死なんですか?w
別にこのスレに来なくていいんですよ?
以後、テンプレに批判厳禁とあるのに批判してる奴や、やたら削除依頼出したがる奴は
全て嵐とみなしスルーってことで
でも実際もっと感想かいてあげようよ…
みんなほとんどスルーじゃない
こんなに人がいてびっくりだよ
>>637 禿同
ルール守れない奴は放置で。
レスすれば餌になるだけ。
まあ読者はいると思うんだが、職人さんが淡々と投下し、淡々とレスがつく今までの流れもけっこう好きだ
過疎ってると言われてもwww
職人さんの気持ちも考えてあげようよ…
>>642 そうだね。
自分はわりと感想書いてる方だけど、絶賛された作品が、逆に過度に叩かれてしまうということがあるので心配になってしまうんだ。
call my nameの続き投下します
長編です。エロ無し。純愛もの
あれから数日が過ぎた。
彼女は未だ私の傍にいる。
最初はどうなる事かと思っていたが、それ程困った事にはなっていない。
彼女は随分と気侭な性格だった。
先程まで私に纏わり付いていたかと思うと、ふらりと何処かへ出掛けて行く。
もう戻って来ないのかと思えば、またふらりと帰って来る。
そして、私について詮索してくるような事もなかった。
彼女自身に、過去の記憶がないせいだろうか。
おかしな女だ、と思う。
記憶がない癖に、それを気にしている様子も見られない。
普通はもっと、焦ったり、不安そうにするものではないだろうか。
目が合うと、嬉しそうに笑う。
只、目が合う。
それだけの事で。
―――ずっと、誰にも、認識されずに。ずっと、一人………。
別に。と思う。
確かに少し、鬱陶しい。だが、別に。
それ程困る事がある訳ではない。もう大分慣れた。
だから、好きにさせておけばいい。
どうせ直ぐに飽きるだろう。
>>645 「ぎゃあああああああ!!」
「………………。」
「ひええええええええ!!」
「………………。」
……煩い。
先程から彼女は、ホラー映画を見ている。
「怖!!怖すぎる!!」
…幽霊が幽霊を怖がってどうするのだろうか。
そもそも怖いのなら見なければいいだろうに。
何となく捜査の手を休め、様子を伺う。
画面からは、さも恨めしげな女の幽霊が映し出されている。
……確かに怖い。
今目の前にいる本物の幽霊が、あんなのじゃなくてよかった。
本当によかった。
と、こっそり安堵する。
彼女は怖いと言いながらも、真剣に画面を見つめている。
身を乗り出して、食い入るように。
そして再び雄叫びを上げている。
なんだか…。
吹き出しそうになって、慌てて口元を抑える。
笑いが込み上げてくる。
「ぎゃあ!こっち見たああああ!!」
もう、駄目だ。
堪えきれない笑いが、喉の奥から微かに零れていく。
その微かな笑い声に気づき、彼女が振り返る。
肩を震わせながら、私が笑っている事に気づくと、唖然とする。
その顔がまた可笑しくて、余計に笑いは止まらない。
「……何が可笑しいの……。」
と、むっとした表情で聞いてくる。
「何…って、くくっ…、御自分でお分かりになりませんか?」
「……言っときますけどねぇ、幽霊にだって怖いものはあるんです!
大体自分以外の幽霊なんて、見た事ないし!」
「そ、そうですか。」
「……笑うか堪えるかどっちかにしたら?」
久しぶりに、笑った気がした。
最後に笑ったのは何時だっただろうか。
少しずつ、私に、変化が訪れ初めていた。
>>646 ――――――――――――――――
ふわふわと宙に浮かび、夜空を眺める。
届くはずもないのに、空に手を伸ばす。
あのヒトは今仕事中だ。
いつも、寝る間も惜しんで仕事をしている。
かなりの名探偵だという事は、もう分かっている。
仕事の邪魔はしたくない。でも、傍にいると構って貰いたくなるというものだ。
だから、こうして散歩に出る。
今日は満月で、辺りはとても明るい。
月まで、飛んで行けるのだろうかと思った。
それは、とても怖い事のような気がするから、試してみる気はないけれど。
奇妙な、あのヒトを思う。
変なヒトだと思う。
見た目から何から、とにかく変だ。
見た目だけなら、幽霊より幽霊らしい気がする。
探偵なんかやってて。甘いものばかり食べて。
指を銜え、爪を噛み。物を持つときは、ばっちい持ち方で。
膝を抱えるように座り。そのまま眠ってしまう。
奇妙な、生き物。
きっと、鬱陶しいだろうに。
出て行け。と言えばいいのに。
……そんな事言ったら、呪われると思っているのかもしれないが。
面倒臭そうに話を聴いてくれて。
視て、くれる。
それが、どんなに幸せな気持ちにしてくれるか、気づいているだろうか。
難事件を解く、その頭脳。
真実を視る、その瞳。
他の人には視えないものが、あのヒトには当たり前のように視えるのだろう。
……この姿が、視えるように。
そして、何より不可思議な、その心…。
一人。に、ならなければいい。
あのヒトが、一人に、ならなければいい。
そんな事を、ぼんやりと思う。
一人は、とても怖いから。
余計なお世話だと、一蹴されるだろうけれど。
可笑しくなって、笑った。
そろそろ帰ろう。
>>647 家の近くまで来ると、玄関先に誰かがいる事に気づいた。
あれ?
「……L?」
向こうもこちらに気づいた。
「何してんの?そんなトコで。」
「………遅いですよ。」
「は?」
何やら機嫌が悪そうだ。
「こんな時間までどこで何してたんですか?」
…………これは………。
「もしかして、心配して待っててくれた?」
如何にも不機嫌ですという顔で、そっぽを向かれる。
嬉しくて、顔が綻ぶ。
「そっか。ごめんね。心配かけて。」
「……女性がこんな時間まで出歩くものではありませんよ。」
「幽霊でも?」
「幽霊でも、です。」
「気をつける。…でもなんか、娘を心配する父親みたいだよ?」
「……………誰が娘で、誰が父親ですか………。」
心底嫌そうな顔がおかしくて、お腹を抱えて笑った。
奇妙な、ヒト。
不可思議な、ココロ。
もう、自分の気持ちには、気づいていたけれど。
それは、決して、叶わない願いだから。
だから。
どうか。どうか。
このヒトが、一人になりませんように。
どうか。どうか。
強く。強く願った。
>>648 ――――――――――――――――
ふと気づくと、彼女が熱心にコップを見つめている。
…何をしているのだろう。
横目で観察する。
眉間に皺を寄せ、微かに唸っている。
そのうち、コップに掌を翳しだす。
もう何がしたいのかは推理出来たが、真実を確かめる為、一応訪ねる。
「ちょっとポルターガイスト出来ないものかと。」
やはり。
思っていた通りの答えに苦笑いが浮かぶ。
「出来たとして、どうするんです?」
「出来たら面白そうじゃない?」
私に聞かれても困る。
「それで私を驚かせようとするのは、止めてくださいね。」
「さっすが名探偵。よく分かったね。」
「……分かり易すぎです。」
「ポルターガイスト出来たら、Lにお茶入れてあげるよ。」
「それは…、ありがとうございます…。」
その気持ちは嬉しかった。
だが、別に彼女に何かして欲しいと思っている訳ではない。
只…、只傍に……。
そこまで考えて、ハッとする。
私は今、何を考えた…?
これ以上は、考えたくなかった。
手を伸ばせば、触れられるのに。
その、気づきたくない、真実に…。
>>649 ――――――――――――――――
彼とケンカをした。
ちょっとからかい過ぎたらしい。
拗ねた顔が可愛くて、調子に乗ってしまった。
殆ど無表情の彼。
その顔が変化するのが楽しくて、ついやりすぎてしまう。
Lはそっぽを向いて、完全に臍を曲げている。
………不機嫌ですオーラがすごい………。
「L、ごめんね。ちょっと調子に乗っちゃって。」
取りあえず謝ってみる。
「L?」
振り返らない。
「ごめんね。」
振り返らない。
「L。」
こちらを、視ない。
「…L…?」
不意に、例えようもない恐怖に襲われる。
…聴こえて、いない?
そう考えた途端、身体が勝手に震えだした。
もし。
もし、聴こえていなかったら。
もし、本当に。
……視えなくなってしまったのなら。
Lと出会う前に、戻るだけだ。
只、それだけ。
けれど、それは、比べものにならない程違うものだった。
届いてくれる事を祈って、振り絞った声で、名前を呼んだ。
>>650 ――――――――――――――――
酷く掠れた、震えた声で呼ばれ、驚いて振り返る。
そこにいた彼女は、身体を震わせ、頼り無げな顔で私を見つめていた。
その姿を視た瞬間、私は自分の迂闊さを呪った。
慌ててソファーから降り、彼女に駆け寄る。
彼女の身体を囲い込んで、視線を合わせる。
「聴こえていますよ。ちゃんと。…ちゃんと視えています。」
じっと、私を見つめる彼女。
「聴こえています。視えています。貴女は、ここにいます。」
言い聞かせるように、告げる。
ふと、彼女が俯く。
泣かせてしまっただろうか。
改めて、自身に舌打ちしたい気持ちになった。
なんて迂闊な。
視線が合う。それだけで、嬉しそうに笑う彼女。
その理由を、知っていた筈なのに。
そっと、頬に手を伸ばす。
触れられない事が、こんなにももどかしい。
気づきたくない、真実。
けれど、もう、目を逸らす事が出来ない。
彼女が、幽霊でなければ、と。
彼女に、触れたい、と。
そう思っている、自分の心から。
「すみません。…怖い思いをさせて。」
謝ってほしいなんて、思っていないだろう。
それでも。
「…すみません。」
謝罪の言葉に顔をあげた彼女は、泣いてはいなくて。
困ったような笑みを浮かべていた。
今日はここで終わりです
残り3話くらいです
お前ら素晴らしい才能を持った職人様が
素晴らしい作品を投下してくださっているのに
完 全 放 置 プ レ イですかwwww
お世辞でも乙です続き楽しみですてレスつけてやれよw
エロが読みたいんだもん
>>654 おまい正直で好きだwww
こういうときレスもつけないくせに
荒れ出すと擁護にでてくる連中はどうしたんだかw
>>655 GWだしこのスレに張り付いてるお前ほど皆暇じゃないんだろ
つかおまいとか使ってる奴まだいたのかwww
>>652 こんな荒れていたときに投下乙です!
文章読みやすくてほのぼのとしていて凄く良いです
なんだか切なくなってきていますが、続きどうなるのか気になります
必死だな
まあでも正直いくらLの解釈は人それぞれとか言っても
どんな解釈だって正解とかまでいくと単なる詭弁だし限度はあると思う
解釈が定義しきれないのをいいことに、どんな酷いLでもおk
みたいな流れは正直…
それになによりも、痛い系の話っていうのはさ、「Lが」というより
そういう切ない系のストーリーが単に好きなだけで
Lじゃなくても誰だっていいんじゃないの、って言いたくなるんだよ。
そう言うと違うっていうかもしれないけど
正直「切ない別れをする自分」的なところに酔ってるだけちゃうんかと。
そういう精神的オナニーにLを利用してるだけな気がする。
だって好きなキャラが単に自分を嫌うとかならまだしも
酷い言動をするってのはさー…Lを馬鹿にしているというか、貶めてるじゃん。
そんなDQNキャラじゃないのに、そんな風にされちゃーなあ。
純粋なキャラを、時々腹黒化させる人間が同人とかじゃ多いけど
ああいった種と同じ嫌悪感を感じる。「好きだから」を免罪符に
好き勝手Lを自分のオナニーの為に改悪しておもちゃにしてるだけじゃないの?
割り切ってネタにするんならまだしもそういうわけでもないみたいだし。
いくら解釈が自由だからってそこに甘えてどんなものでも「L」って名前にすれば
それでおkみたいな流れはどうかと。本当にLが好きなのかと聞きたくなる。
そうなると純愛物しか書けなくなるよ
犯罪とかならまだしも、鬼畜とかは仕方無いかと思う
それがSSなんだし、職人さんには失礼だけど所詮は妄想なんだから
生モノならまだしも、Lは二次元なんだし
読むほうだって多少は割り切らなきゃいけない
それが嫌なら読まなければいい
Lを馬鹿にしてるってのは違うでしょ
それはむしろあっちみたいなスレの事言うんじゃないかと
ネタだと言って割り切ってるけど、
他所から見たら明らかに馬鹿にしてる感じだと思うよ
それにこっちだってある意味ネタなんだから
職人さんには申し訳無いが…
まあ、それを楽しむスレじゃないの?あんまり深く考えるモンでも無いでしょ
オナニーのオカズのためのエロ小説でしょ?www
鬼畜でもなんでもエロくてヒロインがイかされてばそれでいいんだよ。
気にいらなきゃスルーするか、こなければいい、それだけの話。
Lスレ沢山あるし、あうスレで楽しめばいいと思うよ。
私は今のネタスレは分かれた経緯も含めて、全く面白くないのでもう行かない。
わざわざ行って不愉快だとか批判するのは違うと思うよ。
難民のことでしょ
あそこ最近ネタがつきて詰まらなくなった
残念
仲間割れイクナイ
うんまあ別に仲間じゃないし・・・
つか2chで仲間ってなんだよそれwww
職人さんも投下出来んだろな…
大丈夫でしょ
だいたい職人は読んで欲しいからここへ投下しにきてる訳だし
分離前だってどんなに荒れても投下はとまらなかったからね
>>662 自分も行かなくなったなぁ・・・最初の頃は楽しかったんだけどね
勝手にテンプレ変えてALだの何だの言ってる人達が
ここのSSのLがどーのこーの言っても説得力ないしね
どっちもどっちだろと
>>669 だから職人のオナヌースレっていわれるんだがな・・・
投下あってもエロがいいとか言われてスルーされてるしなw
そんなの冷静に考えたら投下しても虚しいだけだろ。
みんな自サイト作ればいいのにな。勿体ない。
ここで議論しても仕方ないな、平行線だし。
確かに、オナヌ…または自己満足ですよね
それはそれでいいんじゃないかな。
Lをモチーフにして、又はオカズにして
Lへの思いを何らかの表現したいものがある、
という気持ちは純愛にしろ、鬼畜モノにしろ同じで
かけがえのないものだと思うよ。
書きたい人がいて、読みたい人がいる。
私はこのスレがすきなので、続き待ってるし、投下あればうれしいよ。
そういう自分も書いてるけどまとまんなくて困ってるよ〜。
このスレいつまであるんだろ…
訂正
× Lへの思いを何らかの表現したいものがある、
○ Lへの思いを何らかの形にして表現したいものがある、
ブログになったらいちいち探しにいかなきゃならないし、
大多数が801か日記みたいなものなんだもんなー
まとめサイトのSSでも読んでいながら、気長にSSが投下
されることを待っています。
わっふるー
Lへの思いを何らかの形にして表現したいって
鬼畜なLを書くのはどういう思いなのさ('A`)?
男に襲われたいって自分の願望書いてるだけじゃん
それならそういっときゃいいのに
私は高尚な作品を書いてる職人様ですみたいな
レスつけるからたたかれんじゃないの
「妄想の中の恋人」の続きを投下します。
かなりバカげたSSですので苦手な方はスルーお願いします。
原作の内容とかぶるところがあるので省略してる部分があります
(全部入れると長くなるんで)原作で補完してください><
あと、話がダラダラになりそうでエロなしなので挿絵入れてます
途中のURLは挿絵です
「さて…身支度も整えたし後は…」
後はこの怪しい薬を飲むだけ…。
この薬本当に大丈夫なんだろうか?発酵してそうなくらい古びた小瓶に入ってるし、
得体の知れない死神がくれたものだ。
あ、何か今更だけど怖くなってきた…。
これ飲んでいきなり『行き着く先は無』なんてオチは絶対やめて欲しい…。
恐る恐る小瓶を開けてみる。
キュポン!という小気味いい音とともに…
「ぐはっ!くさっっっ!!!( ゜д゜).∵.!!!!!11!1」
あ…危ない…ホントに『無』になるかとオモタ…
これを飲むのか…いや、Lに会うためだ、やってやろうじゃないの。
鼻を摘み、固く目を閉じて、一気に飲み干す。
あれ…何の味もしない………でも……あ…何か頭が……
そう言えば…本に入るって……1巻…から入るのか…な………?…
聞くの…忘れ…………―――――――――――――
安価入れ忘れました…
>>678は
>>550の続きです、すいません
>>678 『…さん…!……ですか…?……さん…!』
「ぅ…気持ち悪…」
「えっ、気持ち悪いんですか!?」
頭がガンガンする…吐きそう…
というか誰の声だろ……
ゆっくり目を開けてみる。
そこには心配そうに覗き込んでいる男が……って…
ちょwwwwwwwwwwwww松田wwwwwwwwwwwwwwwww
…吹きだすとこだった…不意打ちすぎるよ松田の馬鹿。
でもこれってもしかして本当に本の中に入ったって事!?
信じられない!嘘!?どうしよう!!!
というか今どこら辺の話だろう?
本当に松田がいるって事はLもいるってことだよね!!!!
どこ?どこどこどこ??Lタンドコォー!?
「大丈夫ですか?疲れが溜まってるんじゃ…ミサミサの事は僕が見てますから
少し休んでください。」
「えっ…あ…大丈夫…っです…松田…さん。」
落ち着いてよく見たら、弥ミサが鎖で椅子に縛り付けられて心配そうにこっちを見てる。
といいう事は…ええと…やっぱり7巻の最初からみたいだ。
だとしたらすでにLと夜神月はヘリで火口確保に向かっている…?
ええええええええ!私のバカ!夜神月の記憶戻っちゃうじゃん!
せめてもう少し前に入れるように死神にお願いしておくんだった…
Lタンの操縦するヘリ…乗りたかったよ…
「大丈夫〜?ミサの鎖外してくれたら部屋まで一緒にいってあげるよー」
「だめだよミサミサ、竜崎に怒られるのは僕なんだから!」
「ぶぅ〜!マッツーのバカ!」
弥海砂…キラのくせに…。
しかもLタンのほっぺにキスした上、鎖でしばってもらえるなんて裏山すぎだぞこのやろう。
あれ?そういえば何でここに松田がいるんだろ?
確かさくらTVで火口のインタビューしててそれから…
あ、そっか。途中でマネキンに変えて、そのままこっちに戻ってきたのかな?
まあどっちでもいいけど…それよりLに会いたい…
>>679 「あ、みんな帰ってきたみたいですよ!」
「ライトーおかえりー!早く鎖外してよ〜!!」
みんな戻ってきたんだ…。す、すごい…デスノメンバー勢ぞろい!!
みんな私を見ても何にも言わないって事は、捜査本部の一員って事でいいんだよね?
それにしても夜神月…Lタン以外に興味はなかったけど、こうして見ると以外にイケメンだ…。
ん?夜神月の後ろにいる猫背の人は…まさか…まさか…
キタ━━━━(Д゜(○=(゜∀゜)=○)Д゜)━━━━━!!!!!!
Lタンだ!!!1動いてるwwwwwwwキモイwwハァハァwwwかわいいwwwwwww
あああダメだ、鼻血出そうwwww(*´д`*)ハァハァwwwwwもう死んでもいいwwwwww
私今絶対鼻息荒いwwwwでも落ち着けないwwwww誰かボスケテwwwwwwww
みんな真剣に話てるのにゴメンwwwwwwwwwwww
「君もこのノートに触ってくれ。これからの捜査に必要になる…
ノートに触れば死神が見えるようになるから気をつけてな」
あ…レムね。おkおk…ってこれってやっぱ驚いたほうがいいんだよね…?
なんか松田がものすごいオーバーに驚いてるけどwwwwwww
とりあえず恐る恐るノートに触ってみる。
「………ひっ…!!」
レムでかっ!!!!!!!怖っ!!!!うちに来た死神とは全然違う!
普通に驚いた…小畑画力恐るべし…
それにしてもLかっこいいなぁ…背中向けてないでこっち向いてよ〜><
>>680 「では取引とは…?」
「……それこそノートを使った人間にしか答えられない」
あ、Lがレムにいろいろ聞いてるからそろそろ会議も終わる頃かな…?
L見てるうちに話が進んでたwまぁ、この会議に私が参加してもしょうがないからいいけど。
ttp://www4.uploader.jp/user/lawliet/images/lawliet_uljp00133.gif 「私はまだレムさんに聞きたい事もありますし、レムさんを一人にするわけにはいきませんから。
皆さんは休んでください。」
「竜崎、それなら僕も残るよ。」
「いえ、月君はミサさんと一緒に居てあげてください。
…デートの邪魔もしてしまいましたし。」
「きゃーやったぁ!今日はやっとライトと二人きりになれるんだね!」
「しかし…」
「私がレムさんと二人になると何かまずい事でもあるんですか?」
「……いや…、わかったよ竜崎。」
みんな解散したし、とりあえず私もこの場を離れよう。ここで私まで残れば何か怪しまれそう…。
とにかく部屋に戻り、これからどうやってLに全てを伝えるか考えないと。
この会議の中ですべてを話すのはさすがに大混乱を引き起こしてしまいそうだし
なんとかLにだけこれからの話の内容を伝えないと…
タイムリミットは今夜。明日になれば弥ミサがここから開放されて、
埋められたノートを掘り出してしまう…。
それまでになんとか――――――――
ここが私の部屋…?すごい広いんですけど…。
掃除は誰がしてるんだろう。ワタリかな?でも一人じゃ絶対無理だろうし
清掃会社が入ってるわけもないだろうし…。
デスノスレでも結構話題になってたなあ。
そんなことよりどうしよう。
すべてを伝えるのは簡単だけど、どうやって信じてもらう?
突然『私はこの物語の外の世界から来ました。』何て言っても絶対信じてもらえないし、
説得力もない。これじゃただの危ない人だ。
…私でない誰か。説得力のある人に協力を………
死神だ。
みんなの前でレムにすべてを暴露してもらえばいい。
レムは弥ミサの事をすごく大事に想ってるし、
弥ミサを助ける事になるのなら協力してもらえるかもしれない。
どうせこのまま物語りが進めばレムも死に、夜神月はリュークに名前を書かれて死ぬ。
13巻に書いてあったように一年後、弥ミサも死んでしまう。
弥ミサの幸せを第一に考えているレムならきっと…。
今ならLとレムが一緒に居る。夜神月は弥ミサと一緒にいるだろうし、
様子を見に来ればLに怪しまれるからLの所に来るはずがない。
急ごう。きっと何とかなる!…はず…。
>>682 乙www
これ、かなりネタっぽいよねwwwww
褒め言葉w
>>682 乙です!!!!!!
まさに私の夢wwwwwwwwwwwwwwww
続きwktkwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>682 乙wwwww
目の前にLがいたら間違いなく
>>680のテンションになるwwwww
続き待ってますwwwww
>>682乙
糞ワロタww面白いwwww
L見たら私も絶対
>>680のテンションになるw
続きwktk!
最近ALの投下がないと思ったらこんなことしてたのかw
ALの人なの('A`)
あっちでやればいいじゃない。
正直こっちのスレまでネタで侵略してこないで欲しいんですけど…。
そもそもALのせいで分離したのに。
おまえは
>>683-687のレスが見えないのか?
普段レスがつかないのは作品が 面 白 く な い からなんだよ
こっちの住人が求めてるのもネタとエロス
いい加減認めろよww
これってAL書いた人なの?
ALは完璧にLをネタキャラ化してるけどこれはLの性格を改変してるわけじゃないから
ネタとはちょっと違うんじゃない?
特定イクナイも何も本人がわざわざわかるようなことしてんじゃん…w
>>691 L自体がネタキャラかどうかは、まだ余りでてきてないからわからないけど、
ALでスレ荒れてもかわまず投下し続けて他の職人さんが減ったじゃない。
こっちでも似たようなことにならないかと思って心配。
向こうで人気なんだからあっちでネタやってればお互い平和なのに…。
実際
>>690みたいなの書く人がでてきたし。
他の職人さんが気を悪くするからやめて欲しいな。
ALの人じゃないでしょ
文の書き方が違う
読んでれば誰が同じ人なのか大体分かるよ
え、そっち??
ALコラの人の話だと思ってた。
コラの人の話なの?
どの辺でコラ職人と同一人物だと思ったのか…
コラ付なんて初めてだから
>>688をみてまずコラの話だと思った。
だいたいコラ職人なんて数人しかいないし、
見直したらコラの拡張子がgifだし、そう思ったんだけど。
そーゆーことか
勘違いしてた
まぁ、でも良いじゃん
色んな話が読めるってことで
,. --── 、
////イl!lヽ:ヽ.\
:./:/.:.:/:l.:|:.|l.:.:lヽトl.:ヽ
.:/.:.:./.:./ハ:ト.:.|.:ヽ!l.:ii.:',
/l|.:.:|.:レハ.:メ.ヽ|.:l/.|.:.i:l:.|
.:!ll.:.:|.:lィZミヽ.:l|〉、!l.:トN:|
.:.|lトl.:.|ゞ┴ l/ k::仆|:l/リ
.:.|lハ:! ,¨´/l./
.:|N 、__' ′/レ′
小! ヽ ` ー'`, '|/! __ __ _ __
Nト! ヽ、___/ ┌─────┤ ll ll lL」────┐
、``''‐- 、」 | ─────‐しl|,. K_ソー'────│
、`ヽ、 │ | DEATH NOTE `‐' │
、\ \ |、 |─────── : ────── |
\\ | \ | ID:wVu2f2sRO :. |
初期にいくつかコラを投下した事がありますが
私はALのコラの人でもALのSSの人でもありませんよ
私は原作Lのキャラが一番好きなので
ネタL関連は一切投下できません><
このSSに出てくるLのキャラをネタキャラにするつもりもありません
ヒロインのキャラとモノローグは確かにネタっぽいですけど…
コラは普段jpgで書き出しますが
4コマ程度のものならgifの方がファイルサイズが小さい場合があるので
その辺は臨機応変ですので気にしないでください。
ネタSSのつもりはなかったんですが
不快な思いをされた方、すみませんでした(´;ω;`)ぶわっ
DEATH NOTEに書いてくれてありがとう^^↑
傍観してただけだけど、ムカついてたんで。
誰が誰とかはどうでもいいけど
Lが好きだから○○できない
とかいう言い分って
○○してるやつはL好きじゃない
っていう風にもとれるから使わない方がいいと思うんだよな〜
いつも思うことだけど。
無意識にやってるのか、意識的にやってるのか知らんけどさ。
>>682 面白かったよ。ありがとう、なんか和んだ。
くれぐれもLに2ch語で話しかけないようになwww
こんな流れの時にせっかく投下してくれたのに…
中の人を、詮索したり、安易に特定するのは禁止しないか?
荒れる元だし本人にも失礼だ。
690ってなんか操作してる気ガス
そうでない人もいますよ。
確かにネタっぽいもなにもネタ以外の何者でもないじゃないか
だから面白がられてんじゃん
せっかくほめてやったのにノートに名前書かれるとはね┐('〜`;)┌
>>701 ろくにレスつけてもらえなかった職人か?ww乙wwwww
彡リ・∀・八 マターリ エローリ マターリ
SS投下してみたくても、やはり自分には文章を書く能力がないから
職人さんたちにはそれなりに感謝してるわけで
まだ決めつけたりしているえに、まだ生きてる!!
湧いてくんナ
なぜ705はこんなに上から目線なのか
不愉快極まりないよ
どうせ職人叩きしてるのもコイツだろ
もう来るなよ お前には合わないスレなんだよ
色々な話があるし、浮気や鬼畜、ネタっぽいのもあるけど
職人さんは好きなように投下していいと思うよ
勿論テンプレの許容範囲ならね 職人あってのスレだと思うし
気に入らない話はスルーすればいいだけの話し
>>1にもあるように批判は本当厳禁にして欲しい…
こんなに荒れて職人さんが減らないことを祈る…
妄想の中の恋人
誰もいないようなので今のうちに全部投下します
かなりバカげたSSですので苦手な方はスルーお願いします。
>>681 私はLとレムがいるメインルームまで戻った
「竜崎さん…」
「…どうしました?こんな遅くに。」
Lタン…こんな時間にケーキ食べてる…
口のとこにクリームがついてるよLタン(*´Д`*)ハァハァ
「あ…ちょっと話が…。」
「何ですか?どうぞこちらへ」
Lの前に座ると、テーブルの横に立って(?)いたレムと目が合った。
怖いよレム…そんな目で見ないでよ…。
「ケーキ食べますか?」
「えっ?あ、いいです。こんな時間だし…」
ケーキはいらないけど、そのエロい口の周りについたクリームを舐めたいよLタン
(*´Д`*)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア
「そうですか。で、話というのは?」
「…話…実は…その…」
しまった。何て切り出していいのか分からない…。
Lを目の前にすると緊張して頭が真っ白になってしまう…
考えてきた意味ないじゃんか…
「私がいると話しずらいなら席を外してもいいぞ」
「え?あ…。レムにも聞いて欲しいんです。
えっと…うまく言えないと思うんですけど、今から話す事はすべて本当の事です。
信じられないかもしれないけど最後まで聞いてください。」
>>714 私は、この世界で起きていることが本の中での出来事だということを話した。
自分がDEATHNOTEの読者で、この事件の最後がどうなるのか知っていることも。
Lとレムは黙って聞いているけど、かなり驚いてるんだろうなぁ…。
表情で分かる。
「信じられないですよね…?でもホントなんです…。」
「…死神が存在していたくらいですから、ある程度の事は信じられます。
が、私達が…物語の中の登場人物…ですか…。」
「…女、聞くが…それならばお前はなぜここにいる?
お前の世界では本の中に入るなどということが簡単にできるのか?」
「いえ…実は……
私のところへ死神が来ました。その死神に頼んでここに来ました。」
「死…神…」
「頼んで此処に来たというのなら何か目的があるのだろう?何をしに来たのだ」
「……それは……。このままだと…死んでしまうんです!夜神月も弥ミサも。夜神総一郎さんもです。
この3人が死ぬのはまだずっと先の事ですけど…今大事なのは一週間後…11月5日。
一週間後、竜崎さんとワタリさん、レムが死にます。
そして…二人を殺すのは…レムなんです。
これさえ阻止できれば、きっと他の3人も死ぬ事はないと思いますし…とにかく…
犠牲者が増えないように早くキラを…夜神月を逮捕して欲しいんです。」
「…!」
「…!」
私は続けて話した。
弥ミサとレムしか知らないような事や、レム・リューク・夜神月とのノート交換。
13日ルールが実はリュークの手によって後から付け足した偽のルールだということ。
夜神月がこれから計画している策。
そしてレムはすでに夜神月の策略にはまっていて、
弥ミサを助けるため11月5日に自分のノートに竜崎とワタリの名前を書き、
レム自身が砂になってしまう事など…
自分でも話がうまく繋がってない気がしたけど、とにかく全部話した。
>>715 ttp://www4.uploader.jp/user/lawliet/images/lawliet_uljp00135.gif 『この女…なぜノートを交換した事やリュークの事を知っている…?
本当にこの世界の人間ではないということか…?だとすれば
ミサが死んでしまうという話も嘘ではなさそうだ…
しかし夜神月…恐ろしい男だ。まさか死神をも殺す事まで頭において行動していたとは…』
「…レムさん、彼女の言っている事は本当なんですか?」
「………」
「レム、隠さないで言ってください。今なら弥ミサを救えます。
明日になって弥ミサが開放されノートを掘り出してしまったら
リュークと目の取引をしてまた寿命が減ってしまいます。
レムは弥ミサの幸せを第一に考えているんですよね?だったら…」
「もしもお前の言う事が本当で夜神月がキラならば、
逮捕されてしまえばミサは幸せになれない。」
あ…そっか…私馬鹿だ…orz
夜神月が逮捕されたらきっと一生刑務所だろうし、弥ミサとは会えなくなるんだ…
そこまで考えてなかったよ…Lを助ける事しか頭になかったから…。
ttp://www4.uploader.jp/user/lawliet/images/lawliet_uljp00136.gif 「……夜神月は間違いなくキラです。彼女の言うことが本当であれば
早くキラを逮捕しないと大変なことになります。
レムさん、取引しましょう。知っている事をすべて話し、夜神月…キラを逮捕できれば
弥ミサと夜神月が一緒に居られるように私が何とかします。
…とは言っても一般社会に出すわけにはいきませんが。」
「…いいだろう。ミサのためだ…この女の言っている事は本当だよ。
ノートに書かれた13日のルールは実際のノートのルールではない 偽のルール。
夜神月がまさかここまで計算していたとは思わなかった…ミサも私も利用されていただけだったとはね…」
Lタン…さすがだよ…世界を動かせる探偵っぽいよ…惚れ直した。
「…分かりました。ですが、証拠がありません。レムさんの今の発言だけでは
証拠として不十分です…11月5日までに偽のルールを試し、立証するには時間も足りません。」
「証拠ならあります!明日弥ミサが解放されてから、尾行してください。
弥ミサは11月4日に山の中に埋めてあるデスノートを掘り出しに行くはずです。
場所はレムも知っていると思いますけど…
埋められたノートと一緒に、夜神月が弥ミサに宛てた手紙が入っています。それがあれば
証拠になると思います!」
「こちらが先に掘り出してしまうと、あなたが他の世界から来ている事も話さないといけなくなります。
そうすればまた混乱を招いてしまうかも知れません…11月4日まで待ちましょう。」
>>716 10月30日から11月4日までの5日間、私は落ち着いていられなかった。
よく、未来の人間が過去へ行くと歴史に狂いが生じてしまう…なんていう話を思い出し、
私が本の中に来た事で同じ事が起こるんじゃないかと不安だった。
そんな事になってしまえばすべて台無しになってしまう。
でも私のそんな心配をよそに、13巻に書いてあった通りに話は流れ、
翌日10月30日 弥ミサがこの本部から去り、Lは極秘で弥ミサの尾行を開始させ、
11月4日 弥ミサがノートを掘り出し、記憶と所有権を手にした瞬間に逮捕された。
その報告が本部に届いた後、レムの暴露と弥ミサへの手紙をもとに
夜神月も逮捕された――――――
捜査本部はかなりのパニックに陥っていた。特に夜神総一郎の落胆ぶりは見ているだけで辛かった。
普通に話しが進んでいけば夜神総一郎はこの世を離れる事にはなるけれど、
自分の息子がキラだとは知らずに生涯を閉じる…ある意味幸せな『死』だった。
それがこれから先『自分の息子がキラだった』という錘をかかえて生きていかなければならない。
どちらが幸せなんだろうと、胸が痛くなった。
そうそう、夜神月が逮捕された時、リュークは自分のノートに夜神月の名前を書きたがっていたけど
なんとかレムとLにいいくるめてもらい、『夜神月が死ぬ時はリュークがノートに名前を書く』
という掟は 夜神月が寿命をまっとうできるような形で納得してもらった。
リュークは全然納得していなかったようで、こっそり夜神月の名前を書いてしまいそうだけど
弥ミサのためにもレムがちゃんとリュークを監視してくれるだろう。
こうして、キラ事件は幕を閉じた
私がこの本の中に…Lと一緒にいられるのもあと1日………
>>717 「終わりましたね」
「…はい」
原作のこのセリフ、まさかLと私が言える事になるなんて思ってなかった。
私はLに呼び出され、ワタリが用意してくれたと思われるおいしい紅茶でもてなされた。
「あなたの話を聞いた時は驚きました……あらためてお礼を言わせてください。
あなたは私の命の恩人…という事になりますね。」
「お礼なんてそんな…私はただ…」
「何かお礼がしたいのですが…私に出来る事があれば何でも言ってください」
……な……何でも………?
Lタンが何でもしてくれる…………?
………………………………セ……セ…………セクロ………
言えないwwwwwwwwwwwwwwwwそんな事絶対言えないwwwwwwwwww
いや、でもwww最後の記念にwwwwwwwwwwwwwwwwww
ダメ、絶対!!!wwwwwwww言えないwwwwwwwww
「どうしたんですか?顔が真っ赤ですよ」
「え!?あ…、ここ これは…その…だって…Lタ……Lがそんな事急に言い出すから…」
「?私はただ何かお礼がしたいと言っただけですが…」
しまったwwwww墓穴を掘ったww
そんな蔑むような目で見ないでLタン、いや、もっと見てください。
「じゃ…じゃあ……触りたい……Lに触れてもいいですか…?」
「………かまいませんが…変わった人ですね」
私絶対変人と思われてるんだろうなぁ…
だってデスノの世界に入ってから一度もLに触れてないんだもん。これくらいはいいよね?
向かいのソファに座っているLに近寄って恐る恐る髪に触れる。
あ…やばい…幸せすぎる……今本気であの死神に感謝した。
なんかもうすべてがどうでもよくなってきた…ドキドキが止まらないよLタン…
*'``・* 。
| `*。
,。∩ * もうどうにでもな〜れ
+ (´・ω・`) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
☆ ∪~ 。*゚
`・+。*・ ゚
>>718 「…こんな事でいいんですか?」
「………………………………キス…………したい……」
言った…言ってしまった……勢いにまかせて言ってしまった…
ガチャン!
Lが飲んでたコーヒーカップが手に持っていたソーサーにぶつかる。
ttp://www4.uploader.jp/user/lawliet/images/lawliet_uljp00137.gif 「……それは…本気で言ってるんですか…?」
ものすごい微妙な顔で私を見上げてるLタンカワユス
そりゃ驚くよね…自分でもびっくりだよ…リアル世界じゃ絶対こんな事言わないもん。
Lはカップをテーブルに置き、ゆっくり立ち上がった。
わ…近くで見るとやっぱ背高い…
「……こういうのは苦手です…が…」
Lの手が私の肩にかかる。
やばいwww心臓がwwwwwwえ?え?まさかホントにしてくれるの?
「…目…閉じてください…私緊張してます」
「やだ…。一秒でも長くLを見たいから」
「……好きになりますよ?」
嘘つき。私の事なんて絶対好きになんてならないクセに。
あ…Lタンの顔が近づいてくる…伏目勝ちな顔が色っぽい……
触れた―――――――――
私はゆっくり目を閉じた。
Lタンの唇………このまま時が止まってしまえばいいのに。
少女漫画の読みすぎかな…私。
今思うと、キスもいいけど蹴り入れてもらうってのも捨てがたかったかもしれない…w
ただ重なり合っただけのキスってなんだか新鮮。
5秒…6秒…7…8………あ…離れないで……もう少し…
>>719 「………昨日食べた…」
「…え…?」
「………昨日食べたマシュマロみたいです…」
ttp://www4.uploader.jp/user/lawliet/images/lawliet_uljp00138.gif …ぷっwせっかくいいふいんき(←なぜかry)なのに
お菓子に例えるなんてLタンらしいwwやっぱ大好きだ。
「…あなたがいた世界の事、教えてください。…今後の捜査の参考にさせてもらいます。」
「ぷっ…、きっと参考にはならないと思うけど」
残った時間、私はLと色んな話をした。
あ、でも2ちゃんで毎晩Lを肴にハァハァしてる事はもちろん秘密w
これだけは言ってはいけない気がするよw
Lタン、今回の出来事はきっと私の妄想でしかないけれど
これからも色々な事件を解決してね。
私はもうLの推理や活躍を見ることはできないけど、ずっと応援してる。
・
・
・
・
・
・
>>720 「………ん………」
頭が重い…ここは…?…あ…自分の部屋だ…。
帰って来たんだ私…。
時計を見ると、2時間くらいしか経っていない……夢?
でもしっかり記憶が残ってる…。
部屋をキョロキョロ確認してみる。…死神にもらった小瓶もなくなってる…
パソコンを起動させて日付を確認する。
やっぱり2時間くらいしか経ってないみたい…。夢だったのかな…
てことは死神との取引も…?
パソコンの前に座る。ん?何かポケットに入ってる…
「…これ………」
小さな袋に入ったマシュマロ…いつの間に…
こんなの見たことないや…もしかしてLが…?
弥ミサの携帯を盗んだくらいだからありえるかもw
やっぱり夢じゃなかったの…かな…?そういう事にしておこう!
さて、いつものスレッドを覗いてみるか。
とは言っても2時間前だけど。あーまた100件以上新着レスが…
とりあえず流れを読まずに…っと。
------------------------------------------------------------------------
902 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 19:32:56 0
ただいま戻りますた
------------------------------------------------------------------------
終わり
乙!!!!!11
凄い面白かったですネ申!!
>>721 以上です。
読んでくださった方ありがとうございました。
スレ荒らしてしまってごめんなさい
まとめさいとの管理人様もいつもお疲れ様です
>>721乙
覗いて良かった…:.` ;:.・∵ ゚ д:.`
GJ!!面白いしちょいと胸キュンだし最高だwwwww
Lが生きているのが本当に嬉しいよ・・・物語の中だけだって嬉しいよ!
うわー、まとめ方がすごく上手だなあ。
面白かったよ!楽しませてくれてthx!
乙 面白かった。
又書いて下さい
すげぇ!今までにないタイプの物語だね。
また書いて欲しい!
>>721 GJGJwwwwwwwwwwwwwww
物語の中に入り込んだ気分です(´Д`*)ありがとう
今までずっと過疎ってたのに
投下直後にこんなに湧いてくるなんて凄いですねー
このスレに張り付いてる皆さん暇なんですねぇ〜www
(´v`)ニヤニヤ
↑一番の暇人で寂しがり屋さんが涌いてきた・・・!
暇人だけど寂しがりじゃないよんw
難民の方は過疎ってますよ〜
あ、こちらの皆さんはLが好きだからネタ化は許せないんでしたっけーwwww
自演だとでもいいたいのか
なんせ黄金週間
職人さん乙です
私もLが眼前に現れたら
Lぅwwwwwwwっうぇwwww
確実にテンパるw
これからの主人公とLの絡みが気になる
L助かっちゃうのかな?
全部読んだ!!!
乙です!!!
携帯だから訳分かんないレスになっちゃったw
逝ってくるwww
けど職人さん方、まじGJです!
>>732 なら過疎ってる難民でALでも何でもやって
盛り上げればいいんじゃないですか〜
うおー、超面白かった。私も本の中に入りてー!!
>>720 コラ含めて乙乙
>あ、でも2ちゃんで毎晩Lを肴にハァハァしてる事はもちろん秘密w
>これだけは言ってはいけない気がするよw
これ言ったら確実に蹴られるなwwwww
ネタネタいってる人がいるけど、でも作中のLはネタ化して
ないね。笑えて、ちょっと切なくて良かった!
(自分はネタ嫌いではないが。)
>>723 乙です!とっても面白かったです!
コラの加工も上手で凄いですよ(*´Д`)
また気が向いたら次回作をお願いします・・・!
>>723 乙!楽しかった。
L住人の夢だよね(*´Д`*)
>>723 乙でした! コラもSSも両方とも楽しく読ませて貰いました
Lが助かって本当に嬉しい
それにしても主人公のモノローグが面白いw
また次回作書くことがあったら投下楽しみにしてます
すごいすごい
こんなに人いたんですね〜
普段スルーされてる職人さんは可哀想に、
よほど面白くないと思われてるんですねぇ
12レスですか
素晴らしい
1レスとか2レスしかもらえない職人さんは引退したほうがいいですよ^^
ホントだw 凄い人いるよね
こんなにレス付いたの初めてなんじゃない?w
他の職人さん、投下し辛いかも知れないが頑張って欲しいよ
>>723 乙ですた 面白かったし何かリアリティがあった
コラ付きってのも新鮮だったよ
>>723 乙です!
とにかく、もう面白かったの一言です!!GJ!!
>>723 素晴らしいです!!!!!!!
今までの中で一番おもしろかったw
楽しみにしているので次回作を早く投下してください!
はいまた連続で3レス増えました
これで15ですね〜
>>750 巛ミヾヾ \
/ ミ ヽ
f, ミ }
┏v'┳_━━━ r、 |
yバノ゙’' ̄ ''' } }゙ }
‘ーj`' : // /
L_ヽ i V /
(" ` ! _/
\ _,. -‐ '  ̄ !_
/|~ /  ̄ \
ヒッシ・ダナー [Hissy Danner]
(1901〜1997 イギリス)
ID:yz/+WkM2O
自分の程度の低さを晒して恥ずかしくないの?
暇人だけど必死じゃないよんw
暇人だから恥ずかしくもないよん(´∀`)
だってほらレスの数って作品の素晴らしさを
反映したものじゃないですか
レスがつかないのによくだらだら投下できるなぁって…ねえ?
程度の低さを晒して恥ずかしくないのって職人さんに言ってあげた方がいいと思います^^
て書いたら必ずじゃあお前が素晴らしい作品かけって決まりきったツッコミがはいるでしょうね〜
程度が低いというのは
>>723様みたいな素晴らしい方と比べてですよ、ええ。
>>754 どうした何か辛いことでもあったのか?w
これだけ人数がいるってことがわかったんですよ?
なのに普段無視しているってことは
皆さんレスをつける価値もないって判断してるってことですよねぇ?
面白くない、程度が低いっていってる訳ですよねぇ?
職人さん、ずうずうしくてはっきりいわないとわからないみたいですから、
私が指摘してみましたよ
GWで暇人なのでw
辛いことは特にないですねーあー暇なのが辛いことかな?w
トリップ系はどうしてもなんかこう読んでて気恥ずかしくなるw
好みの話じゃなければスルーして下さいって注意書きがあるから、
嗜好に合わない話はみんなスルーしてんでない?
みんながみんな、同じ嗜好って訳じゃないし、好き嫌いがあるのは当たり前
だからレスが少ないから〜ってのは関係ない
スルーして下さいって書いてあるのにも拘らず批判する方がタチ悪い
そうそう
好き嫌いがありますよね
レスないってことは嫌われてるってことでしょう
レスつかないのは面白くないからじゃないの?
普通そう考えない?
妄想の〜のレス具合から見るとそうとしか思えない。
とくに職人さんからしたらレスからしかそういうの判断出来ないし、
よけいにそう思うんじゃない?
職人さん減りそうでイヤだな〜。
ALコラ出てきた時もそれがすごいウケて、純愛コラなくなっちゃったんだよね。
同じような事になりそうで心配だ。
面白くないからレスつかないんだから、別にその職人が減っても誰も困らないんじゃ?
スルーすればいい話だからもちろんいても困らないけどさ
そうなるとほとんどのSSになるわけだが…
皆さんがしてきた行為がそういうことなのに、
いまさらなんで善人顔してフォローに走るんでしょうね〜
不思議ですね
各自好きに思いたいように思っていればいいだけの話
わざわざ不思議だのそう思いませんかだのドウイ求める理由がわからんw
作品気に入ってても書き込みしない派の人間だっていると思うぞ
まとめサイト直の人もかなりいるはずだ(管理人さんいつも乙ですよ)
>>765 別に同意なんて求めてませんねー
>作品気に入ってても書き込みしない派の人間だっていると思うぞ
>まとめサイト直の人もかなりいるはずだ
その通りですね
でもそれはどの作品に対してもそうなわけだからレス数の差が作品に対する評価だということには何の変わりもありませんねー
それともフォローしてきている人はすべて普段レスつけない主義の人間だから
別に善人面ではないと言い張るつもりですかね?www
すごく続きが気になっている作品がありますが、以前感想とか
書いたら「自演乙」とか言われて軽くトラウマ。
だからあんまりレスつけられなくなってしまった・・・。
早く続きが読みたいのに・・・小説の投下を毎日楽しみにしているのに
一人の困ったチャンのせいでまたこんな感じになってしまって残念。
>>767 こういう時はでてくる癖に…
別にレスつければいいんじゃないですか?
ま、書き込みしない派なんてどうせ数人、
レス数がそう変わるとは思えませんけどねー
困ったちゃんでしょうけど
目を逸らしている事実を指摘しているだけですよ?^^
暇つぶしにねw
黄金週間早く終わればいいのに
かわいそうなヒトだ・・・。リアルでも誰からも相手にされていなくて
暇そうだし^^こんな風に性格悪く育てた親って最悪(かわいそうでもある
けど)
また来たのか。朝早くからご苦労様。
スレ違い乙。
ここ元々は妄想スレで、別に作品コンテストじゃないから。
好き・嫌い、レスある・ないで優劣を競ってるわけじゃないのに、
白黒でしか判断できないなんて子供っぽくて可哀想になってくる…。
それで目をそらしている事実を指摘してるだけとか
言ってるし、勘違いなんだよな。
妄想〜面白かったし、他のSSの続きも待ってるよ。
粘着さんはそろそろスルーしようよ
結構重い内容のSSが多い中妄想のは軽い感じのSSだったから
レスつけやすかったのもあるし職人さんは気にする事ないと思う
この流れじゃ他の職人さんも投下しづらいだろうし
このスレも480K超えてるからそろそろ書き込みもできなくなる
次スレ立ててきます
規制でしたスマソw
↓次スレお願いします
では私が…
性格悪かろうが子供っぽかろうが事実ですからね^^
yz/+WkM2Oの言ってるのは事実じゃなくて、
「どうでもいい事」。
それをわざわざ偉そうに書き込んでるのが痛いんだよ…
スレ立てようとしたけど自分も規制だったので
>>777お願いします (ID:yz/+WkM2O以外の人で)
反応しちゃってゴメ
>>777 乙ですd
職人さんは新スレの方に投下して、こっちは適当に雑談で埋めませんか??
どうでもいいことですかね〜
投下した作品がどう評価されてるかって
どうでもよくないと思いますけどね
じゃあ感想一切禁止にでもしたらどうです?
自分で職人をスルーしておきながら
職人さんたち気にしないで投下してくださいとか
続き待ってますとか
どんだけ自分勝手なんだよって感じですねホント
痛い痛いwwwwwww
/l :::://ノl.:::::ヽ::::ヘ::::::ヽヽ:.\ヽ:::..ヾ \:::..ー _:::::::- /
,ソ'/.l ::::/,:::::i.:::::ヽ:\:::ヽ:::::ヘ.',:::::::\ヽ::\,ヽ、::::::::::::ー /
/ / ,::l.i,:::l:::::::ヘ.:::ヽ\::.ヽ,\::::ll:::ヽ..::::..ヽ::ヽ,' i.\::::::::ヽ/ このスレは
'゛ l /::::.',',l::ll::::::::l\\ヽ:::::::::ヽ::.|.:::::、:::::ヽ:::::::l::l::..ヽ:::::::、l
/::::,::::ハソ;i!:::::::i'|__ヾ、ヽヾ、:::::\|、_;;_y,::::,、:::::l::|ヽ::::::::::::|
/ンl::::::::lヘ' ;::|.'Y'l::::ヽ、\::::.ミヾ\,ハ::::::::)ヽ:::::|:::.i::::::::::| おはようからおやすみまで
// |::i::::::l:::::\! l!, 'ー'゜゛ ヽ:::ヌ゛ 'ヽ ゛''" ノ; ll:::::::.l:::<
/ l:l:::::lハ::::::::ヽ ゛ー ' ゛ ー ` '' ~ .l'i::::::::::::::::| あなたを見つめる
_ .ー'/ ̄l ll:::l l', '::::入\ / |l::::::::::::::|
/, N ハ::l'l ゛l',::::lヽ、 , l:!,!::::.l ヽl Lの提供でお送りしました
/ l l ',l ', 、 ',::lヽ ヽ ー lソ |:lヘ |ll
. | ヽ ', ヽ. 'il', `、. ヽ ._____,.ノ // li l
',. | il \ / ./ ! ::入
、 'i l l:::ヽ /'' l| //ヽ
\ ヽ | _,, --、 l 'i::ヽ,ヽ、 _ , ''' ,r'~ ̄゛' ー <_/l ヽ_____
_ヽ -ー'"~、 ヽ, \ lヽヾ, .l  ̄ / /~ ̄ ~ '' ー- ...,,__
 ̄ \ i、 ゛' 、 \ル............ / /  ̄ ー
ヽ ヽ ヽ ゛ ̄ "
携帯から必死になって「痛い痛いwwwwwww」
なんてパコパコ打っているID:yz/+WkM2Oを想像すると
笑えるね^^
なんかスルーではなく、いじくりたくなってきたw
黄金週間のあれなんだから放っておけばいいのに
いいよー
かもーん
かもーんだってwキモっ!
遊んでやりたいけどこれから楽しいお出かけなんだ^^
君とちがって予定があるんでねー。
ちなみに
>>786とか
>>789みたいないじられ方しても
ぷ( ´ー`)
って失笑しちゃうだけなんでw
もっと理論的にいじってねー
近年稀にみるかまってちゃんだな
>>789さんってこの後書き込む他の人も馬鹿にしてますよね〜
GWに予定がないんだって
酷い人ですねー
反論されると嬉しいらしい
>>792 このスレが終わるまでならいじってあげるから
どうして欲しいか言ってみなよ
嬉しいですよ^^
でもぜんぜん反論になってないんでイマイチですね
NGにした
あぼーんばかりでワロスwww
投下氏はもう誰も投下しないんだろうね・・・
普段全然レスがつかないのは
レスをつける価値もないって判断してるってことですよねぇ?
面白くない、程度が低いっていってる訳ですよねぇ?
なのになんで荒れると職人が減ったら困るとか続き待ってますとか
急に言い出すのかってことですよ私が聞きたいのはそ れ だ け
NGにされようがスルーされようがくだらないいじられ方されようが
どーでもいいんです
答えられないってことが面白いんですからwww
かまってちゃんに聞きたいけど、目的は何なの?
もしかしてしてスレ分岐前にいてしつこくSS攻撃してた人?
目的ですか〜
暇だと矛盾していることにつっこみたくなるからですね
せっかくだから釣られてみるか。レスがない=価値がないと。
貴方のレスにはレス沢山ついてるけどすっごい価値があるんだね!
うらやましいよwwwww
ありがとうございます^^
>>800 800ゲットオメ。ふーん。
どう考えてもスレ潰したいとしか思えないけど、違うんだ?
潰れても別にいいですけど
潰れなくても別にいーです
>>789さんにGW中に予定ないって馬鹿にされますよ^^
こちらこそ答えてくれてありがとう。
自他ともに認めるかまってちゃんだね!
そうですね^^
>>804 横山ノック亡くなったんだぞっっっっうぇえwそろそろ自重汁!
へーそうなんだ
ニュースみてくる
かまってちゃんはLが好きなの?どーでもいいけど住人全員がレスつけなきゃならない義務ある?
かまってちゃんはLが好きなの?どーでもいいけど住人全員がレスつけなきゃならない義務ある?
相手してるヤシもうぜーよ
>>809=810
日本語理解できてます?
そんな義務あるわけないじゃないですか
>>1読みました?
苦手な話題はスルーってありますね
だからこそ面白くない作品にはレスつかないのにw
ノックてもう75だったんだ
vipに全レススレでも立てればいいじゃん
義務だなんて言ってないよ
聞いただけ。
1読んでるんだ…
読んだ上でこれとは驚き。
どうでもいいけど次スレには絶対この話題持ち込まないでください
次スレでもID:yz/+WkM2Oは粘着してくるだろうけど
住人の皆様にはスルーしてほしい
yz/+WkM2Oは、ひたすら
>だからこそ面白くない作品にはレスつかないのにw
ということをあげつらって主張したいわけだ。
自分の解釈を人に押し付けないで欲しい。
>投下した作品がどう評価されてるかって
どうでもよくないと思いますけどね
>じゃあ感想一切禁止にでもしたらどうです?
評価つけるのと、感想とは意味違うだろ。文がおかしいぞ。
評価っていうのは上からつけられるもので
このスレではそんなことは、どうでもいいってこと。
お母さんに国語辞典買ってもらえ。
リアルでも、イイとか悪いとか自分の
評価にこだわってるのかね。窮屈。
はぁ
じゃあ読んでもなんの感想もわかないような作品ってことでいいですよ別に
評価だろうが感想だろうがただ一言乙!だろうが
レスをつけるという行為はプラスで
レスがつかないという事象はマイナスなわけですよ
批判レスは違うだろとか小学生みたいなこと言わないでくださいよ?w
何のために
>>724-744のようなレスつけるんですか?
面白かった、次も書いて欲しい、という気持ちを職人さんに伝えるためですよね
普段はそういう気持ちがわかない作品がだらだら投下されてる状態なわけですよ
ID:yz/+WkM2Oは、
「普段SSが投下されても、2、3レスほどしか
感想レスがつかないのに今回はすぐに多数レスがついた
→ということは感想レスが少ないのは普段から過疎ってるからではなく
単に面白くないから皆感想レスをつけないんだ
→なのになんでちょっと荒れたりすると皆ことさらに
「職人さんが来てくれなくなる」とか言い出すんだろう
普段ほとんど感想レスつけていない癖に」
って事を言いたいのか?
さーっと見た結果だけど
そっか。
だんだんあなたが誰かわかってきた。
全て上から見てプラスかマイナスか…悲しすぎ。
あんまり魂つめるなよ?
>>821 本当はどんな解釈だったんだ?
どうでもいいけど「魂つめる」って2ch語?
根つめるの間違いではなく?
だからそれをいちいち、意地悪く言うのに
何の意味があるのか、ってこと。
だらだら投下っていうけどさ、どこがだらだらなのか、
だらだらっていうほど、投下ないじゃん。
もし仮にだらだら投下されているとしても
それはyz/+WkM2Oの主観であって、
だれもが、そう感じているわけではない。
即レスつけられる程、暇じゃないときもあるし。
あ、yz/+WkM2Oはいつも暇だからそんなこと考えられないんだろうな。
書く方の気持ち、全然頭にないんだねー。
まあ、レス数でも数えててください。
>>822 根詰めるだったけど、精魂つめるを略しただけ。
なんだ…どんな反論くるかと思って楽しみにしてたのに(・ω・)
意地悪いって感じるのはきっと図星だからですよw
すぐレスつけられなくても後からつければいいじゃないですか
ちゃんとそうしてた人もいましたねー
読んでレスつけないなんて
書くほうの気持ち考えてないのはどっちもどっちですね
いーですよ
もーレス数だけ数えてますね
今北。
感想レスってけっこう難しいから
乙出来ないこともある。
ただここは職人さんが好きに投下出来るスレ。
ID:yz/+WkM2Oはスレを良くしようとか考えてるわけじゃないし、
自分の好みじゃない作品を排除したいだけなら1読め。
暇で絡んでるなら、この機会に言っとく。
ここは難民じゃないから。出て行け。
1読んだ上でここまで粘着してるのは
図星っていうより、悪意があると思われても仕方がない。
いや難民でこんなことやられても困るだろw
要するにID:yz/+WkM2Oは
・職人に乙も出来ないくせに荒れてる時だけ出てくるな
・職人がそんなに大事ならちゃんと乙レスつけろって言いたいんでそ。
最初からそう言えばいいのにどうして
職人を叩いているとも取られない風な回りくどい言い方をするのか。
でもここ数日のレス見てみると初めはただの荒らしだね。
勝手に決め付けレスつけてみたりしているし。
ID:yz/+WkM2Oと愉快な仲間たち
>>828 ごめん板のルールの話だった、難民。出て行けはナシっていうやつ。
向こうも好きだよ。
すごすぎ。先生みたいな奴だなあ…。
もう疲れ(ry
普通にLの話で雑談しようよ〜
皆様、おかしな粘着さんの撃退本当におつかれさまでした!
さてさて、休み明けにLのツインキーホルダーが届く予定なので
楽しみにしています^^レゴっぽくてかわいい!
どこで買えるんだ?
ネットのおもちゃ屋さんで買えました〜
小畑父ってL好きなんだよね?
だったらLだけの画集とか出さないかなw
想像しただけで鼻血が出そうだけどwwww
それはあんまり出なさそうな気がするけど、
せめてデスノだけの画集とか出して欲しいよね
すいません、ちょうど画集の話題が出てたので質問いいですか?
「blanc et noir」って、Lの絵はどのくらい載ってますか?
スレチっぽくて悪いんですが、もし良ければ誰か教えて下さい。
>>839 L単体の絵は7巻の表紙と髪の毛がちょっと茶色っぽいやつだけだったかな
後はコミクスの表紙とか月と一緒に載ってるやつとかだったと思う
でもあのサイズでLが拝めたのは良かった
個人的にはBBの扉と13巻の表紙の入った画集を早く発売して欲しい
もちろんデスノだけの画集で
同じこと思ってる人いたんだ!
なんでデスノだけの画集ださないかなあ?
集英社にとっても利益になると思うし、ファンも喜ぶ。
いいと思うけどな〜
諭吉2枚くらいならだすよ。
金持ちだなw
自分は描き下ろしの内容とL絵の枚数によっては諭吉5でも出すかもw
寿命残り半分でもry
小畑先生がブランエノワの月の半裸折り込みイラストのLバージョン描いてくれたら…たなら…ハァハァハァハァハァハァハァ
いくらだってだせるよ!(AA略
寿命なら幾らでも出せるが金は無いという悲しさ
集A社がだすなら
そんな常識外れな値段にはならないから心配するな。
L実物大付き限定版とかでない限り。
L実物大付き限定版・・・
(*´Д`*)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ