(・∀・)サァ!! 福原愛ちゃん応援スレ part5

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369■解説・「卓球における”回転”の意味について」■
オリンピック板に非常に丁寧な一般向け解説があったので、転載しておきます。

Q:
昨晩はどうしてスマッシュのミス連発だったのですか?
愛ちゃんの感覚がずれてたのか。
それとも、相手のカットで思ったとおりに打てなかったのか。
そこがよくわからないんですが。


A:
他の球技では、基本的にボールの「回転」と言うのは、ボールの球道を変化させるためのものですが、
卓球においての「回転」の最大の役割は、他の競技とは大きく違います。
卓球において「回転」は、「相手の返球を直接狂わせる」ために繰り出されるものです。

卓球は、きわめて摩擦力の強い特殊ゴム製の用具を使用するため、
相手のボールの回転に、自分の返球の飛び出していく方向が大きく影響されます。

ピンポン球やあるいはエンピツなどを指で弾いてバックスピンさせて、
自分の手元に戻ってくる遊びをしたことのある人ならすぐにイメージできると思います。
ツルツルの机の上でも起こるあの現象が、高摩擦のラケットの上では、
インパクトの瞬間、より極端に起こっているのです。

卓球のボールは最大で秒間170回転ほどしますが、それが高摩擦ゴムの面に接触したらどうなるか、
イメージしてみてください。
先入観ゼロの素人の方が、キムのカットを素直に打球したとしたら、
返球はおそらくネットを越えるどころか、殆ど垂直に落ちて地面を直撃するでしょう。
370名無しさん@お腹いっぱい。:04/08/19 14:40 ID:/bqB/rmG
4年後の北京まで愛ちゃんの(・∀・)サァ!!
は聞けないのですか?
371■解説つづき・「カットに対する返球について」■:04/08/19 14:40 ID:U9fbeaXe
カットに対する返球の手段は、”ものっすごく大雑把に言って”、2種類あります。
自分の打球が狂わせられる大きさを見極めて、その分のラケット角度を補正して返す方法
(昨日の放送中で言う「ツッツキ」はこの系統の技術です。ラケットは大きく上を向いていたでしょう?)と、
相手ボールの回転を上回る、同方向の回転を自分からかけて行くことで影響に打ち勝つ方法です。

相手の打ってきたカットの回転の方向(後進回転)は、自分の打ったドライブ(前進回転)と同方向です。
また、ドライブはトップスピンがかかっているため球道がループを描くので、
多少、相手ボールの回転量の見極めを誤っても、安定した返球が可能です。
ですから、ドライブを使う攻撃型とカット型の対戦は、ドライブ対カットの展開がメインになります。

男子の一流カットマンの全力カットを返球できるほどの強力なドライブをかける為には、
7〜10kgの鉄アレイをスイングするのと同等の力が必要と言われています。
そのスイングのエネルギーを、スピードではなくて殆どスピンに傾けるため、
カットに対して粘っているときのドライブは、見かけ上は大したスピードボールにはなりません。
素人の方が、「遊びで打ってる球のほうが速いんじゃないの?」と言う感想を持つのも致し方ないところです。
ttp://www.timo-boll.de/downloads/video/DingSong1.mpg を見ていただければ分かりますが、
一流が本気で切ったカットは、唸りながら力を込めて打ち返さなければ持ち上げることのできないほど、
猛烈な威力のあるボールなのです。
372■解説つづき・「福原の”ミス”について」■:04/08/19 14:41 ID:U9fbeaXe
で、なぜ福原にミスが多かったのかと言う本題です。
カットの回転に影響されて返球の方向が変わってしまう、と言う話は理解いただけたと思いますが、
たとえば、一見カット回転がかかっているようで、実は大してかかっていないボールを、
かかっていると誤判断して打球してしまったらどうなるか。
当然、ボールは甘く浮き上がるか、オーバーミスをしてしまいます。

カット型の選手は、ただ単調に回転をかけたカットで粘っているわけではありません。
一球一球の球質、回転量を変えて、相手の返球を狂わせようとします。
ブツ切りのカットから、かけたフリをして全くかかっていないカットまで、
回転量の変化の幅を最大限に利用して、ミスを誘います。
一流の選手ほど、回転の変化幅、そのカモフラージュは巧妙です。

この辺の駆け引きは、素人が遠目から一見しても、まるで分かりません。
強烈なスピードボールで抜き去ったと言うのなら見た目に分かりやすいのですが、
目に見えにくい回転量の変化で得点したと言っても、相手のミスによる消極的得点にしか見えず、
どちらかと言うとミスをした相手の方の調子がおかしい、と一般の人には見えることでしょう。

カット型にとって、回転量の変化は、相手から得点するための積極的技術です。
攻撃型の選手の、スマッシュやスピードドライブと言った決め球と、
主要な得点武器と言う点では意味合いが同じです。
福原がキムのカットに対して、ネットミスやオーバーミスをして失ったポイントは、
攻撃型を相手にスマッシュやドライブを決められた失点と、そういう意味では同等のものなのです。
ですから、単純に自分のみの落ち度に帰する”ミス”で自滅したと言うよりは、
相手の”得点力”が勝っていたと言うべきなのだと思います。