2 :
ギコ踏んじゃった:
■電子ピアノの購入■
購入先は、大きく分けて以下のようなルートが考えられる。
1.ピアノの先生またはピアノ教室の紹介
2.楽器店
3.家電量販店
4.通信販売
一般には、1.から4.に行くに従い購入金額が安くなる、と同時にサービスが悪くなる。
しかしサービスと言っても、電子ピアノの場合には本物のピアノと違って調律や調整の必要がない。
故障の際に修理をお願いすることはあるが、それはどこで購入しても結局はメーカーから直接人が来る。
サービスが良い店舗で購入すれば、
故障の際のメーカー側とのやり取りも店側がしてくれる可能性はあるが、
具体的な故障内容の説明や修理日の日程調整等の連絡は、
はっきり言って自分でやった方が正確で早い。
こう考えると、楽器であるとは必ずしも断言しにくいデジタル電化製品である電子ピアノの購入に際して、
サービスとして顧客が店舗側に求めるものは、配送・設置・組み立てが主であり、
場合によってはそれに加えて、初期不良の際の返品・交換が含まれることになる。
しかしこの「初期不良の際の返品・交換」は、確率として起こりにくいとは言え、
通信販売の場合には大変苦労する事になる。
組み立てや設置の作業を、自分で行うのは勧めない。理由は「軽い物品ではない」からだ。
組立・設置の際に、慣れていない上に重量があるので、
せっかくの電子ピアノを傷物にしたり壊したりする可能性がある。当然その場合の保証はない。
どこで購入するにしても、「配送・組立・設置」の三点セットを含めた販売価格で交渉する事が望ましい。
ピアノ教室に通う予定の人は、そのピアノ教室や先生に電子ピアノ選定のアドバイスを請うのも一つの方法だ。
しかしその場合、思わぬ「やぶへび」になる可能性もある事は認識しておいても良いかもしれない。
ピアノ教室や先生に、購入に際してアドバイスをもらい購入店を紹介してもらった上で、
「やっぱ値段が高いから自分で通販で買います。」という結論にするのは、はっきり言って最悪の事態と言える。
3 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:40:45 ID:lg5moCk/
初〜中級者向けへの「標準的」購入アドバイスは以下。
■購入アドバイス・簡易版■
同時発音数:多い方が良いが、各社定義が違い数字の単純比較は不可。64音以上で無問題。
音質:本人の好みの問題。気分の良い音を選びたい。だからこそ重要だし自分で選ぶしかない。
スピーカーでもヘッドフォンでも、高音部と低音部に音質差・コスト差が出やすい。
例えば「猫踏んじゃった」でも良いので、高音部と低音部で弾き比べてみる事を強く勧める。
スピーカー:スピーカーからの音は、内蔵音源と言うよりも、アンプとスピーカーのコスト・質で決まる。
高価な電子ピアノにはスピーカーが多く取り付けられており、そのために臨場感がある。
カワイの高級機種には、本物ピアノと同じく「響板」が取り付けられており、そこから音が出る。
ヘッドフォン:重要。ヘッドフォン使用がメインとなる場合、自前持参か店頭で借りるかして試弾すべし。
ヘッドフォンは、電気店での売値1萬円前後以上の物がお勧め。音質激改善の可能性あり。
それなりのヘッドフォンの場合、内蔵音源の質そのままと解釈可。付属や純正は全く勧めない。
オープンタイプは周囲の音も聞ける。ストレートコード3m程度が良し。カールコード不可・邪魔。
サンプリング・音源:本物のピアノは、弱く弾くと丸い音、強く弾くと歪んだような力んだ音が出る。
強弱の問題ではなく音質が変わる。これを再現している機種が表現力があると言える。推奨。
椅子:身長170cm程度以上の場合、付属や市販の高低自在椅子でも高すぎる場合が多い。
椅子の高さはピアノ上達に関してとても重要。ピアノの先生に相談すべし。椅子の高さは重要。
鍵盤タッチ:極論としては、グランドピアノ鍵盤をそのまま使ったヤマハのDGPシリーズが一番良い。
低音・高音でウェイトが調整してある機種がお勧め。打鍵衝撃の大きい鍵盤は避けるべき。
鍵盤が「重い」とか「軽い」とかあるが、適当に軽すぎない物であれば良いかと思う。
「軽い電子ピアノで練習してたから本物ピアノが重くて弾けない」という話をする人がいますが、
それは実はただ単に、その人が3,4,5の指をナイガシロにして自己流で練習していたからでしょう。
■つづく■
4 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:41:28 ID:lg5moCk/
■つづき■購入アドバイス・簡易版■
エスケープ:本物ピアノは、音が出る直前で鍵盤に独特のクリック感がある。(スタインウェイは硬いクリック)
でもそのクリック感も本物ピアノでも各社違うし、一方で普通に弾いている時には気が付かない。
それを再現する電子ピアノもあるが、ハンマーエスケープメントのメカを採用しているわけではなく、
ただ単に「クリック感」を何らかの方法で模倣しているだけである。特に気にする必要なし。
連打性:ショパンのワルツ1番等で限界が判る。が、中級までの人は気にする必要なし。
何故なら、連打性能が要求される曲は全く多くは無いから。連打性能は二の次。
音色数:気にする必要なし。おそらく「ピアノ」を99.9%使うことになる。
ハープシーコードやパイプオルガンがあると楽しめるが、殆どの機種にすでについている。
ペダル:ダンパーペダル一本だけで良し。要ハーフ対応。がしかし子供初級1年目はペダル必要無し。
木製鍵盤・ザラザラ鍵盤:機能に違いは無い。本物高級ピアノは象牙・黒檀でザラザラ、滑り止め。
打鍵音:電子ピアノでヘッドフォン使用と言えど、打鍵音は自宅の建物全体に響いて、ものすごい。
ピアノ音がせずに、カタカタ音だけなので、他者のイライラ感は本物ピアノよりも募りやすいかも。
そのために問題が発生する可能性がある。集合住宅での夜間練習はあきらめた方が良い。
ポータブルタイプ:本格派でもどちらでも良い。設置場所のスペース依存。でも案外大した差はない。
ペダルが固定ではないが特に問題なし。逆に子供用に、ペダルの下に台を付けるという裏技も。
ピアノとしての使用が前提の場合、鍵盤高さの問題から純正専用スタンドは必須。+1萬円。
録音再生機能:無くて問題なし。録音装置は、他に別売で安値で選択肢は沢山ある。
がしかし、ボタン一つでの録音再生は便利。録音して聴くと下手さが明確。よって上達の助け。
メトロノーム機能:本物メトロノームの方が使い易い。しかし密閉ヘッドフォンでは内蔵を使うしかない。
パソコン接続DTM:パソコンでのソフト音源が主流の昨今、電子ピアノ内蔵音源に拘る必要は無い。
一方でMIDI端子はたいてい付いているので、MIDIキーボードとして充分に普通に使える。
レッスン機能(片手再生):先生がいない日の補助。独学の補助ではない。でも結局は使わず?。
内蔵曲:こだわる必要無し。好みでCDを買った方が手軽だし、演奏者も上手?。
5 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:42:21 ID:lg5moCk/
■鍵盤種類■
本物のピアノには、グランドでもアップライトでも、ハンマーエスケープメント機構がある。
この機構の存在とハンマーの重さに関連して、鍵盤が戻る時の力は、鍵盤を押し込む時よりも小さい。
電子ピアノの場合は、このハンマーエスケープメント機構を備えていないので、
鍵盤の往路・復路ともに、静的な力は同じである。(ヤマハのDGPおよびDUPシリーズは本物と同じ)
(普通に弾く程度の速さでは、ハンマーの運動量の関係で、押す時と戻る時で違って感じるかもしれない)
また、本物のピアノでは、ハンマーエスケープメント機構の存在の影響で、鍵盤をゆっくり押下したときに
クリック感がある。電子ピアノでは、ローランドの一部の機種が、このクリック感を模倣する機構を備える。
どの電子ピアノメーカーも、
「鍵盤を押すと、電子ピアノ内部でハンマーが押し上げられる」というメカを持つ。その意味で全て同じだ。
(ヤマハのDGPおよびDUPシリーズは本物と同じ鍵盤および内部機構を持つ。)
以下、各メーカー各鍵盤のおおまかな説明
ヤマハ NW鍵盤 詳細は不明だが、下記GH3鍵盤の材料を木製にした物の可能性がある。
ヤマハ GH3鍵盤 下記GH鍵盤を基本としてセンサーを増やし連打性を向上させた鍵盤。
センサーが一つ増えて3つとなった以外には、基本的にGH鍵盤と同じと思われる。
連打性が向上するとは言え、鍵盤の物理的な動作が改善されているわけではない。
ヤマハ GH鍵盤 ヤマハ電子ピアノの基本的中心的な鍵盤。
電子ピアノとしては、ヤマハであれば、このGH鍵盤以上(GH,GH3,NW)を勧めたい。
ヤマハ GHS鍵盤 ヤマハ電子ピアノの廉価版鍵盤。十万円未満程度の製品に採用。
お勧めとは言いきれない。鍵盤の長さ(後述)が短い。
カワイ AWAグランドプロU鍵盤 木製鍵盤。ピアノ経験者・中上級者に人気が高いようである。
カワイ AHAW-E鍵盤 カワイの廉価版鍵盤。廉価版とは言え、不満の声は聞かない。
価格帯は、上は十万円台後半の製品にまで搭載。そのため他社の廉価鍵盤との比較は酷?
ローランド PHA鍵盤 ローランドの標準鍵盤。価格帯としては十万円台後半から。
ハンマーエスケープメントによる鍵盤のクリック感を再現しているモデルもあるが、機種による。
ローランド PHAα鍵盤 ローランドの廉価版鍵盤。詳細不明。
KORG RH3鍵盤 最上位機種から廉価機種にまで搭載されている。コルグ唯一の鍵盤。
最廉価モデルは販売価格5万円程度で、最上位機種と同じ鍵盤であることから、注目される。
casio スケーリングハンマーアクション鍵盤 詳細不明。打鍵音が大きいとの不満が聞かれる。
ピアノまたはメゾピアノ程度で弾いたときに、鍵盤内部でハンマーが跳ねるのが指で感じられる。
鍵盤を離して鍵盤が戻りきる時、内部でハンマーが跳ねるためか、鍵盤が小さく逆跳ねする。
他社製品でもハンマー跳ねが感じられる鍵盤はあるが、カシオのこの鍵盤が著しい。
ハンマー跳ねによる鍵盤の反動・逆跳ねは、打鍵音の大きさと関係がある可能性がある。
ハンマーの動きによる勢いを吸収する構造(スポンジやフェルト等)が不十分の可能性がある。
内部のハンマーが硬い物にぶつかるようなこの衝撃は、指の関節に負担がかかる心配がある。
電子ピアノ(ピアノの代替品)としての使用に対しては、お勧めではない。
販売店店頭にて、五社中唯一「鍵盤展示モデル」が展示されていないため、詳細は不明。
鍵盤の「横ズレ」が、各メーカー中一番大きい。(初心者は気づきにくいかもしれない。)
他メーカーも「木製」と謳っている鍵盤以外はプラスチックなのだが、
何故かカシオの鍵盤で「プラスチック感」が顕著。(初心者は気づきにくいかもしれない。)
販売価格が5万円程度以下の安価な製品が主なので、他社製品との比較は難しい。
電子ピアノとしては、お勧めではない。
6 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:43:04 ID:lg5moCk/
■鍵盤重さ・鍵盤タッチ■
鍵盤を押す時の重さ(力)は、おそらく各メーカーとも本物ピアノを測定して設計していると思われるため、
各メーカー間、各機種間の違いを、それほど気にする必要はないと思われる。(測定したことはないが。)
だがしかし、鍵盤を押す強さ(速さ)に対して、出力される音量の相関が、各社違うと思われる。
(この「鍵盤速さ」と「出力音量・音質」の関係に、「タッチカーブ」等の単語を使うメーカーもある。)
強く(速く)鍵盤を押しても、出力音量が小さいと、人間は「鍵盤が重い」と錯覚する。
機種によっては、鍵盤タッチの重さ感を変えられる機能があるが、
これは物理的な鍵盤の重量を変えているのではなく、
その鍵盤を押す強さ(速さ)と出力音量の関係を変化させているだけである。
どのみち、この部分に関しては、電子ピアノ内部の演算回路部分の話である。内部ソフトウェアの話である。
しかし、この内部演算・ソフトウェア部分も、
実際には、人間が感じる(人間が錯覚する)「鍵盤のタッチ感」に影響してくる。
一方で、それぞれのメーカーそれぞれの価格帯の鍵盤で、物理的な物質・材料・部品としての違いは、
1.ハンマーウェイトの調整。本物のピアノは、高音では鍵盤が軽く、低音で重い。
2.鍵盤の表面材質や鍵盤本体材質の違い。
3.鍵盤の長さ(後述)。長い方がいい。
4.鍵盤メカ・ハンマー部分の、衝撃吸収。(指関節等への負担。打鍵音の大小。)
5.工業製品としての鍵盤や内部メカ・本体フレーム等のしっかり度。
という部分で違いが現れる。
上記1.に関しては、各メーカーとも、宣伝材料としてカタログに掲載されている事が多い。
当然、本物のピアノと同じになるように、ハンマーウェイトが調整されている鍵盤がより良い。
上記2.に関しても、高級機種では「木製鍵盤」「アイボリーフィール」等と表示されている。
表示されていないものに関しては、実際に展示品を弾いてみて、手触り感を確認するしかない。
一方で、どの製品にしても、購入に際しては自分で弾いて触って確認する事が望まれる。
上記3.に関しては、カタログにはない。 カシオを除いて、
各メーカーが「鍵盤展示モデル」を販売店にて展示しているので、それで確認することは出来る。
また、実際に電子ピアノを弾いてみればおおまかには判別できる。
上記4.に関しては、実際に弾いて確認するしかない。衝撃の大きい物は勧めない。
これは、あまり注目されていないが、ピアノを練習する上で重要視されるべきと考える。
上記5.に関しても、実際に製品に触れてみる以外には判らない。
長期使用による故障等は、クチコミに頼るしかないのが実情。
これから言える事は、
「ハンマーウェイト調整の鍵盤で、触り心地の良い、鍵盤が長くて、
鍵盤衝撃や打鍵音が少なく、立て付けが良く長期使用に耐える物」が望まれる。
付足として、
「鍵盤のタッチ感」は、出力音量の演算を含む上述の項目全てが絡み合った結果として感じられる。
そのため、「鍵盤タッチ」という漠然とした単語によって、「良い」「悪い」と評論するのは、意味が無い。
逆に、「鍵盤タッチ」という単語によって良し悪しを論じている書き込みは、信用する必要が全く無い。
それらの無意味な評論は、価格コムのクチコミ情報に多く見られる。
7 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:43:49 ID:lg5moCk/
■鍵盤の長さ(鍵盤手前の端から鍵盤の動作支点までの距離)■
鍵盤の長さが一部で話題になっているようだ。
鍵盤の長さは、長い方が良い。
演奏者が指で触れる、または目で見える部分の鍵盤の長さ・大きさは全て共通であるが、
鍵盤の動きの支点(固定軸または回転軸)の位置は、電子ピアノ内部の奥の方にある。
鍵盤手前の端から、この支点までの距離は、各社で違う。
初級者からレベルが上がって黒鍵を使うようになると、
手や指の位置から必然的に白鍵の奥(黒鍵と黒鍵の間・隙間)を使って弾くようになってくる。
仮に鍵盤の長さが短い場合、白鍵の奥で弾こうとしても、鍵盤支点がすぐ近くにあるために、
その場所(白鍵の奥)では鍵盤を十分に深くまで押し込めない。
それによって、リズムや音の強弱のコントロール性が悪くなる可能性がある。
また、実際問題として、弾きにくい。
そのため、初級者と言えども、短い鍵盤の機種は勧められない。
(白鍵のハ長調のみを使う曲だけなら良いかも知れないが、
それだけでピアノを辞めようと決心している人が多いとは思えない。)
各社おおまかな鍵盤の長さは、以下の通り。
(スケールで測定したわけではないので、誤差は1cm程度)
(鍵盤展示モデルが、各社旧製品を展示したものである可能性は残る。要注意。)
ヤマハ グランドピアノの鍵盤模型(ヤマハ直営店展示による) 約25cm
ヤマハ アップライトピアノの鍵盤模型(ヤマハ直営店展示による) 約22cm
(上記グランドピアノ・アップライトピアノは、実際には各メーカー各機種に依存すると思われる)
ヤマハ GH3鍵盤(GH鍵盤も長さは同じと思われる) 約21cm
ヤマハ GHS鍵盤 情報なしだが、かなり短い。電子ピアノとしての使用には疑問が残る。
カワイ AWAグランドプロU鍵盤 約19cm 木製なのだが、特に長いわけではない。
カワイ AHA-4?鍵盤 約21cm ペルラの人気はこの長さと関係?
ローランド PHA鍵盤 約21cm
ローランド PHAα鍵盤 情報無し
コルグ RH3鍵盤 約21cm 売値約5万のSP-250もこの鍵盤である。
カシオ 情報無しだが、かなり短い。電子ピアノとしての使用には疑問が残る。
スレPart44の>71氏および>95氏によれば、17.3cm。
各社中唯一、「鍵盤展示モデル」をメーカー側が提供していない。残念なメーカーである。
鍵盤の長さは、長い方が良い。短すぎるものは勧めない。
各社主力機種の鍵盤は、大まかに20cm前後の長さを持っているようだ。一方で、
カシオ製品群全てと、ヤマハの廉価製品のGHS鍵盤群は避けるのが無難であると言える。
8 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:44:34 ID:lg5moCk/
■音質・0.■
音質については、次の二つ(三つ)に分離して考慮する必要がある。
1.内部の音源の質
2-1.内蔵アンプおよび内蔵スピーカーにより出力された音質
2-2.音声ライン出力端子またはヘッドフォンによる音質
通常は、上記1.と2-1.の組み合わせ、または1.と2-2.の組み合わせで聴く事になる。
演奏者または聴衆が耳にする音は、この組み合わせにより決まる。
一般には、より質の悪い方の性能が現れることになる。
そのため、家電量販店や楽器店での試し弾き・試聴に於いて、
内蔵スピーカーの音質のみで、その電子ピアノの音の良し悪しを論ずるのは、いささか強引に過ぎる。
また、上述の通りの理由で、電子ピアノの音質を語るときには、
「内蔵スピーカーでの音質」なのか「ヘッドフォン(可能であればその機種名)での音質」なのか、
明記される事が望まれる。
9 :
ギコ踏んじゃった:2009/06/22(月) 18:45:17 ID:lg5moCk/
■音質・1.音源■
内部音源そのものの音質は、各メーカー各機種それぞれかと思われる。
昨今ポータブル音楽プレーヤーが市民権を得ているが、そこで誰もが判るように、
音声を圧縮すると音質は悪くなる。一方で製造コストは安くなる。
廉価な電子ピアノでは、極度に圧縮した音源を使っている可能性がある。
少ない音源データから、DSP(デジタルサウンドプロセッサ・サラウンドプロセッサ。音声演算回路)等により、
多くの音(音程)を人工的に作り出している可能性がある。
本物ピアノは、弱く弾けば優しく丸い音、強く弾けば激しく力強い音が出る。
音量の問題ではなく音質が変わる。この音質の変化が、音量の変化以上に音の表現力を広げている。
電子ピアノでも、この音質変化を再現している機種はある。
カタログ上でそれを明確に謳っているのは、ヤマハとコルグとカシオである。
ヤマハ 3(4)段階の「3(4)レベルAWMダイナミックステレオサンプリング」。廉価機種には非搭載。
コルグ 2段階または4段階に分けてサンプリングしたPCM音源(つまり音源が圧縮されていない、生?)。
カシオ 3段階サンプリング「トリプルエレメント方式」。
カワイとローランドは、この点に関してカタログに記載されていない。
ピアノの音には色々な音(含むノイズ)が混ざっている。弦の共鳴等は言わずもがな、
鍵盤のメカ構造やペダルメカの出す音は本来無くても良いはずの「ノイズ」の類だが、
それらをも再現しようとする機種もある。
■音質・2.スピーカー出力・ヘッドフォン出力■
廉価な電子ピアノでは、コストを考慮して、内蔵のアンプやスピーカーに廉価な物が使われている。
その場合、内部音源の質が良くても悪くても、違いが分からない場合がある。
電子ピアノ使用者が、常に内蔵アンプと内蔵スピーカーを利用して出力(演奏・練習)する場合には、
違いが分からなければ気にする必要もないが、
電子ピアノ使用者の多くは、ヘッドフォン使用での環境も併用していると思われる。
ヘッドフォンは、少ないコストで良好な音質の物を手に入れる事が出来る。(スピーカーとの比較)
また、ヘッドフォン用の内蔵アンプも、出力電力が小さいために、
廉価な物でも歪みが少なく良好な音質を保つ事が出来る。(あくまでスピーカー用アンプとの比較)
そのため、販売価格1万円程度のヘッドフォンでも、内蔵スピーカーからの出力音質に比して、
良好な音質の出力を得る事が出来る事がある。
この場合、内部の音源の音質をより忠実に再現していると解釈してよい。
ステージでの使用や、ヘッドフォン使用を考慮している場合には、
ヘッドフォン(家電量販店での販売価格1万円前後程度以上の物がお勧め)を使用して、
試弾・試聴・比較をする事を強く勧める。
廉価な電子ピアノでも、ヘッドフォンに予算を割くことで、音質の上で良好な結果を得られる事がある。
■ピアノ椅子■
今からピアノを始める人、または初級者は、
「ピアノの椅子の高さなんて適当でもあまり影響はない」と思っている人が、多いのかもしれない。
しかし、ピアノの椅子の高さは重要。
ピアノを長く続けることになった場合、何年か後になって、その重要性に気づく事になる。
それは「頑張っても上達しない」という結果になるかもしれない、という事だ。
大変に残念だが、行き詰まる可能性がある。
脱力が出来ないかもしれない。早いパッセージをこなせないかもしれない。
その時になって、イスの高さを合わせ、そしてクセを直そうにも、それには長い時間と苦痛を伴う。
そのため、最初からキッチリすることをお勧めする。
ピアノの先生にレッスン中に問い合わせれば1分で済む話だ。
そしてその高さを覚えて(または測定して)、
電子ピアノまたは椅子を購入するときに高さを選択すればよい。
しかし、「高低自在椅子が付属」だとしても、成人の場合には高さが高すぎる場合が多々ある。
この点は非常に要注意である。
(ピアノ学習年齢が低い事から、子供または女性を対象に椅子を設計していると思われる。)
椅子の高さは、「体を楽にして手を前に出したときに、ヒジの高さが黒鍵に触る程度」という人がいた。
「二の腕を水平にし、手の甲を水平にし、指の力を抜いてダラッとさせた時、指が白鍵に触れる程度」
という人もいた。どちらにしてもだいたい同じ程度の高さになるかと思われる。
だがしかし、これをそのまま信用せず、詳細についてはピアノの先生に指導していただく事を強く強く勧める。
廉価な電子ピアノに付属している椅子には、高さ固定の物もある。
椅子が付属していても、最初から「椅子は買い換える」と認識しておいた方が、問題がないかもしれない。
「せっかく付属なのだから」という考えは、後になってそれ以上の代償を払わされることになる可能性がある。
(勿論、たまたま高さが合う場合にはこの限りではない。)
親子またはその他家族で共有する場合、椅子の高さを「毎日頻繁」に変える事になる。
そのため、親子またはその他家族で共有する場合、
ワンタッチで高さが変更できるものが便利かと思う。
(トムソン椅子とかNo.5とかと呼ばれているタイプの椅子等)
ネジ式の物では高さ変更が面倒になり、
結果として高さが合わない状態で練習し続けることになりかねない。
(複数台の椅子を準備する場合にはこの限りではない。)
長時間の演奏の場合、オシリ(というか体全身)が汗をかいて、オシリが濡れる事がある。
(人による。演奏の内容による。演奏・練習時間による。季節・室温による。)
その場合、本革製の椅子が効果を発揮するかもしれない。ただし、高価。
【ペダル】
三本ペダルの一番右がダンパー。一番良く使うペダル。
さすがに初心者は使わないだろうけど、初級の頃から少しずつ使い始める。
ヘタクソがダンパーペダルを使いまくる事があるが、
いわゆる風呂場音響で、本人には気分良く聞こえてるんだろうなぁ。
周囲の人は、そいつを張り倒したいと感じるだろうが。
次に使うのは一番左のペダル。ソフトペダルまたはウナコルダペダルまたはシフトペダル。
グランドピアノの場合は音がまろやかになり、そして気持ち音量が小さくなるかも。
アップライトの場合には、技術的には音が小さくなるはずだが、あまり感じられない。
中級以降程度で使い始めるけど、
ダンパーペダルとは違い、演奏者の好みに非常に大きく依存する。
ほとんど使わないという人もいれば、多用する人もいる。(多用はあまり勧められない)
初級者は、おそらく使わない。
真中はソステヌートペダル。プロでもほとんど使わない。
こんな事から考えると、初心者騙しの5万程度の電子ピアノ・キーボードに、
ペダルが三本付いているという事の方がメチャクチャだ。
更にはペダルがプラスチックの製品って、いったい何がどうなっているんだ?
鍵盤ゴトゴトパコパコ、ペダルが三本でプラスチック・・・・・
初心者をバカにするにもほどがある。
コルグのSP-250にペダルが一本というのは、全くもって妥当でユーザーの視点に立った仕様と言える。
鍵盤もマトモだし、予算5万では最高の選択ではなかろうか。