ピ ア ノ の 情 景  その1

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36ギコ踏んじゃった
ある曲をFMラジオで聞いた、その曲は素晴らしく美しい曲で、何度も何度も繰
り返し聴いていた。当時俺はギターを弾いていたが、その曲はピアノ曲でギ
ターでは弾けない。それでも耳コピでメロディーラインだけでも弾いていた。
カセットで録音した曲では物足りなくなり、レコードを買った。レコードにはピア
ノ楽譜が付録でついていたが、楽譜には興味がなかった。
ギターの練習用にと、知り合いに 持ち運びのできるキーボードを借りた事が
あった。ギターの伴奏用にでも出来るものなら、自分で買ってもいい、そのた
めに試弾用にと知り合いから借りた。自動でリズムを打ってくれるし、伴奏の
コードも自動で演奏してくれる。そして録音してくれる。しばらく試しに弾いて
いるうち、俺が好きだったピアノ曲を弾きたくなった。そのキーボードはピアノ
の音源があった。ギターを弾いていたから、楽譜は読めた。ギターでメロ
ディーしか弾けなかった曲がピアノの音で簡単に弾く事が出来た。感動した。
それから俺はピアノを買って、練習を始めた。
夢中で練習をした、時間の経つのを忘れて練習をした。ギターの練習は、指
先が痛くなるから長い時間 練習は出来ない。だからギターの練習時間は限ら
れていた。それに 弦を巧く押さえないと、音が出なかったり、出てもきれいな
音が出ない。ギターは簡単な楽器だが、簡単過ぎて、表現が単調だ、音も沢
山一度に出せない、いろんな制約がギターにはある。ピアノを始めてから、ピ
アノの素晴らしさを実感した。

37ギコ踏んじゃった:2008/04/08(火) 06:21:59 ID:Hr6ENW9U
ピアノを始めた当初は、巧く弾けない。それでも飽きなかった、毎日何時間で
も飽きずに練習をした。今思い出したが、最初の頃の数週間は練習ではな
かった、何でもかんでも音さえ出せばそれで凄く楽しかった。嬉しかった。
ピアノの音が聴けるだけで感動した覚えがある。
一音だけでも弾ければそれだけで感動した。自分の好きな曲が弾けるだけで
嬉しかった。1小節でも弾けるようになれば凄く満足していた、たた1小節だけ
なのに、それでも満足だった。誰に聞かせるのわけでもないのに、自分で満足
だった。今のように早くマスターできるわけではなかったが、それでも次から次
へとれパートリーを増やしていった。近所の喫茶店でピアノを弾くと、全く知ら
ない人から拍手された、嬉しかった。俺のピアノの巧さが認められた瞬間だっ
た。俺が喫茶店へ行くと、喫茶店のオーナーがピアノを弾いてくれと、毎回 云
うようになった。毎週のように俺は演奏する為でかけた。人に聴かせるのだか
らと言うので、今まで以上に練習に熱が入った。日曜日の昼は客は入らない
のに、俺が演奏するようになって、家族連れが来るようになり、日曜の喫茶店
は客で一杯になった。