WILLCOMを真面目に批判するスレ 18

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312非通知さん
8/28(木) 朝日新聞朝刊けいざい 一話

PHS 孤軍奮闘
ウィルコム データ通信を強化

「ケータイ」にはまねできない「ピッチ」の技は――。
NTTドコモなど携帯各社の攻勢に苦戦するPHS事業者ウィルコムが「差別化」で活路を開こうとしています。
データ通信を強化し、PHSならではの特徴を生かしたサービスも立ち上げます。
勝機は見えてきたのでしょうか。(木村和規)

PC・携帯の融合PR

7月11日.米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」の発売に世界中が沸くなか、
国内ではもう1機種、次世代をにらんだ携帯端末が発売された。ウィルコムの「D4」だ。
液晶画面はiPhoneよりひと回り大きく、入力にはスライド式キーボードを使う。
PHSで通話やインター ネット接統ができ、テレビ放送「ワンセグ」にも対応。
基本ソフト(OS)にはマイクロソフトのウィンドウズ・ビスタを搭載した。
いわぱパソコンと携帯端末の融合型だ。
新規契約の実質負担額は約9万円。9月4日には搭載ソフトの変更で約6万円に値下げしたタイプを発売する。
D4で狙うのは、家ではディスプレーにつないでパソコンとして使い、
外出時には持ち歩いて携帯電話やノートパソコン代わりに使うという新しいスタイル。
ウィルコムの喜久川政樹社長は「これ1台あれぱ、必要な通信がすべてカバーできるサービスを提供したい」。
まずは10万台の販売が目標だ。売れ行きは「順調」(同社広報)という。
ウィルコムの今年7月の契約者数は約461万件で、携帯・PHS市場のシェアは
約4.2%。携帯電話第3位のソフトバンクモバイルの4分の一しかない。
ただ、ガリバーのドコモとは逆に「守るべきもの」が少ない分、新市場の開拓にかける意欲は強い。
携帯電話は自動車電話から発展したが、PHSは固定電話の子機から発達した技術。
電波の届く地域が半径数百bの「マイクロセル」と呼ばれる遠さな基地局を大量に設置する。
NTTドコモのFOMA基地局が全国で焼く6万局なのに対し、ウィルコムの基地局は約16万局。
多数の利用者が一斉に通信しても中継する基地局が分散するため、「渋滞」による通信速度の低下が
起きにくい長所がある。
313非通知さん:2008/08/28(木) 22:29:02 ID:5rMwq6250
さらに09年から始める次世代PHSサービス「ウィルコムコア」では、最大速度が毎秒数十メガビットになり、
無線LANに近い速度が出せる。最大通信速度では携帯電話の方がPHSに比べて圧倒的に速いが、
一つの基地局に通信が集中するため、実行速度は低下しやすい、安定した速度の良さはPHSの強みだ。
PHSは停電時はで医療機器への悪影響がない。ウィルコムは医療現場向けの端末の開発に力を入れている。
次世代PHSの基地局にセンサーやカメラをつけて、環境・防犯ビジネスに使うことも検討中だ。
喜久川社長は「音声通信で始まり、定額のデータ通信、定額の音声通信と立ち上げてきた。
もう一度、データ通信で新しい市場を築きたい。それは携帯電話にはできない独自の市場だ」と決意を固める。

新規市場の開拓に挑む

ウィルコムの歩みは、停滞と復活の繰り返しだった。
PHS事業は、ウィルコムの前身DD・ポケットとNTTパーソナル(現NTTドコモ)など3社が95年から始めた。
携帯電話に比べて小さい端末と料金の安さで高校生や
大学生の支持を集め、 「ピッチ」の愛称で親しまれた。
しかし、携帯電話が技術革新で小型化、低価格化するにつれ、ピッチ離れは加速した。
三社合計のPHS契約者数のピークは97年9月の706万人。05年5月には445万人まで落ち込んだ。
DDIポケットは、契約減に歯止めをかけようと01年からデータ通信カード「エアエッジ」を使った
定額サービスを開始した。当時、データ通信の定額制は「無線」では初めてだった。
米投資ファンドのカーライルが出資して筆頭株主となり、ウィルコムに社名変更した05年からは音声通話にも
定額制を導入。いったんは300万人を割った契約者数も400万人台まで回復した。その間ライバル2社は
PHSサービスから撤退した。
業績は持ち直しつつある。08年3月期の売り上げは前年同期比2.8%増の2546億円。前期の約9億円の当期赤字から
黒字転換も果たした。
携帯市場が成熟するなか、市場の開拓に成功し、成長軌道に乗ることができるのか。
筆頭株主のカーライルは株式上場を目指した長期保有を前提にしている。ただ、米国のサブプライム問題の影響が
世界中に広がるなか、「いつまでも持ち続けるわけにはいかない」(業界関係者)との見方もある。
314非通知さん:2008/08/28(木) 22:30:44 ID:5rMwq6250
調査会社BCNの田中繁広アナリストは「国内で伸びる可能性があるのはパソコンに近い情報端末の市場。
携帯電話が代替しているが、もっと本格的な機能を持ち運びたいという潜在需要がある。ウィルコムがどこまで
開拓できるか注目したい」と分析する。

視点
「地道に種」芽は出るか

移動体通信は転機を迎えている。急速に普及した携帯電話も、端末の「進化」が極限に達して市場が飽和状態だ。
今後、どう成長モデルを描けばいいのか。各社は頭を悩ませる。
「D4」発売はウィルコムにとって一つの挑戦だ。現段階では通信速度も速くなく、バッテリーの持続時間が短いなど
課題もある。ただ、「ウィルコムコア」の開始など将来をにらみ、新市場の創出を狙った。
「いまは地道に種をまく我慢の時期だ」(喜久川社長)。独自路線が実り、劣勢を跳ね返せるか。難しい挑戦が続く。