【東日本】〓SoftBank 新スパボ一括購入専用スレ 6

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247非通知さん
 良平は二十六の年、妻子と一しよに東京へ出て来た。
今では或雑誌社の二階に、校正の朱筆を握つてゐる。
が、彼はどうかすると、全然何の理由もないのに、その時の彼を思ひ出す事がある。
全然何の理由もないのに?
――塵労(ぢんらう)に疲れた彼の前には今でもやはりその時のやうに、薄暗い藪や坂のある路が、細々と一すぢ断続してゐる。……

(おわり)