【東日本】〓SoftBank 新スパボ一括購入専用スレ 6

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243非通知さん
 やつと遠い夕闇の中に、村外れの工事場が見えた時、良平は一思ひに泣きたくなつた。
しかしその時もべそはかいたが、とうとう泣かずに駈け続けた。
 彼の村へはひつて見ると、もう両側の家々には、電燈の光がさし合つてゐた。
良平はその電燈の光に頭から汗の湯気の立つのが、彼自身にもはつきりわかつた。
井戸端に水を汲んでゐる女衆や、畑から帰つて来る男衆は、良平が喘(あへ)ぎ喘ぎ走るのを見ては、
「おいどうしたね?」などと声をかけた。
が、彼は無言の儘、雑貨屋だの床屋だの、明るい家の前を走り過ぎた。