【東日本】〓SoftBank 新スパボ一括購入専用スレ 6

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239非通知さん
 良平は少時(しばらく)無我夢中に線路の側を走り続けた。
その内に懐(ふところ)の菓子包みが、邪魔になる事に気がついたから、それを路側へ抛(はふ)り出す次手(ついで)に、
板草履(いたざうり)も其処へ脱ぎ捨ててしまつた。
すると薄い足袋の裏へぢかに小石が食ひこんだが、足だけは遥かに軽くなつた。
彼は左に海を感じながら、急な坂路を駈け登つた。時々涙がこみ上げて来ると、自然に顔が歪(ゆが)んで来る。
――それは無理に我慢しても、鼻だけは絶えずくうくう鳴つた。