【東日本】〓SoftBank 新スパボ一括購入専用スレ 5

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16非通知さん
 大体が、文学少年であったぼくが、ただ、身体の大きいために選ばれて、ボオト生活、約一箇年、
「昨日も、今日も、ただ水の上に、陽が暮(く)れて行った」と日記に書く、気の弱いぼくが、それも一人だけの、
新人(フレッシュマン)として、逞(たくま)しい先輩達に伍(ご)し、鍛(きた)えられていたのですから、
ぼくにとっては肉体的の苦痛も、ですが、それよりも、精神的なへばりのほうが我慢できなかった。
 ぼくは、ボオトのことばかりでなく、日常生活でも、することが一々無態(ぶざま)だというので、
先輩達にずいぶん叱られた。叱られた上に馬鹿にされていました。ぼくみたいに、弱気な人間には、
ひとから侮辱(ぶじょく)されて抵抗(ていこう)の手段がないと諦(あきら)め切る時ほど、悲しい事はありません。
なにをいっても、大坂(ダイハン)は怒(おこ)らない、と先輩達は感心していましたが、怒ったら、
ボオトを止(や)めるよりほかに手段がない。
また、そうしてボオトを止めるのは、ぼくのひそかに傲慢(ごうまん)な痩意地(やせいじ)にとって、自殺にもひとしかった。
 それで、背広を失くした苦痛に、加えて、こうした先輩達の罵声が、どんなに辛辣(しんらつ)であろうかと、
思っただけでもたまりません。蔭口(かげぐち)や皮肉をとばす、整調森さんの意地悪さ、
面とむかって「ぶちまわすぞ」と威(おど)かす五番松山さんの凄(すさ)まじさ、そうした予感が、堪(た)えがたいまでに、ちらつきます。
またそうした先輩達の笞(むち)から、いつも庇(かば)ってくれるコオチャアやO・B達に対しても、
ぼくの過失はなお済まない気がします。