【東日本】〓SoftBank 新スパボ一括購入専用スレ 4

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845非通知さん
この光景をのぞき見ようとして、庭のすみの梨《なし》の木のかげに隠れていたものもある。その中に吉左衛門が忰《せがれ》の半蔵もいる。
当時十八歳の半蔵は、目を据えて、役人のすることや、腰繩につながれた村の人たちのさまを見ている。
それに吉左衛門は気がついて、
「さあ、行った、行った――ここはお前たちなぞの立ってるところじゃない。」
 としかった。
 六十一人もの村民が宿役人へ預けられることになったのも、その時だ。その中の十人は金兵衛が預かった。
馬籠《まごめ》の宿役人や組頭《くみがしら》としてこれが見ていられるものでもない。
福島の役人たちが湯舟沢村の方へ引き揚げて行った後で、「お叱り」のものの赦免せられるようにと、
不幸な村民のために一同お日待《ひまち》をつとめた。その時のお札は一枚ずつ村じゅうへ配当した。