【東日本】〓SoftBank 新スパボ一括購入専用スレ 4

このエントリーをはてなブックマークに追加
843非通知さん
目証《めあかし》の弥平《やへい》はもう長いこと村に滞在して、幕府時代の卑《ひく》い「おかっぴき」の役目をつとめていた。
弥平の案内で、福島の役所からの役人を迎えた日のことは、一生忘れられない出来事の一つとして、まだ吉左衛門の記憶には新しくてある。
その吟味は本陣の家の門内で行なわれた。のみならず、そんなにたくさんな怪我人《けがにん》を出したことも、村の歴史としてかつて聞かなかったことだ。
前庭の上段には、福島から来た役人の年寄、用人、書役《かきやく》などが居並んで、そのわきには足軽が四人も控えた。
それから村じゅうのものが呼び出された。その科《とが》によって腰繩《こしなわ》手錠で宿役人の中へ預けられることになった。
もっとも、老年で七十歳以上のものは手錠を免ぜられ、すでに死亡したものは「お叱《しか》り」というだけにとどめて特別な憐憫《れんびん》を加えられた。