WILLCOM EDGE 総合 192

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893非通知さん
参謀ドノを四畳半の小さな座敷に通し、私が自ずから茶を淹れていると、
奥の間から妹の喜美子が出てきて参謀ドノに挨拶した。喜美子は小さな頃から病弱で、
今も床に伏せつておる事が多い。せつかく美人なのにもつたいない、と思うこともある。
「喜美子さん、今日はタマゴを持つて来た。ウチの基地で整備の連中が育てたやつなんだ。」
参謀ドノの手土産は、その喜美子への栄養補給といふわけだ。生きて内地に戻れたりと言えど、
仕事が無い私には、下心あつての付け届けとは言え、大変に有り難かつた。

喜美子が下がり、二人きりとなつた部屋で、私たちはにちゃんねるを読みふけつた。

と、参謀ドノの動きが止まる。「オイ、中島中尉、筆だ、万年筆だ。」と
数ヶ月前フネに乗つて居た頃と同じやうに騒ぐから、
袂に入れてあつた万年筆とハガキを貸して差し上げた。
と、参謀ドノは見る間に次のやうな文面をしたためた。
曰わく、
「>30
捷一号失敗セリトハ如何ナリヤ。
潮騒キボンヌ。」