転入より転出が上回る大誤算
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/57/02.html ソフトバンクモバイルが打ち出した「格安」な料金は、世の中の話題をさらった。
そのため予想以上に申し込みが殺到し、同社の変更システムが停止し、乗り換えができなくなったとニュースも流れた。
ところが、この発表されたニュース、そもそも根本が間違っていたのである。
実は同社のシステムが停止したのは、他社からソフトバンクモバイルへの乗り換えが殺到したからではない。
本当はソフトバンクモバイルから他社への転出が殺到したのである。
発表によると、11月7日までの15日間で、ソフトバンクモバイルへの転入は6万7500件。
逆に転出した数はそれより多く9万8500件だった。これは孫さんにとっては大きな誤算だっただろう。
ちなみに現在の各社の契約件数は、以下の表の通りである。
ガリバー・NTTドコモが5200万件。
昨今、元気のよさが目立つKDDI(au)も、契約件数でいえば2600万と、NTTドコモにダブルスコアをつけられている。
そしてソフトバンクモバイルは1500万である。
料金体系については、相変わらず各社様々なプランを提供していて、誰も分からないほど複雑な状態になっている。
今回のソフトバンクモバイルの発表を見てわたしが思うのは「孫さんは軽率なことをやってしまったなあ」ということだ。
2880円のプランのような価格破壊は、まさにみんなが孫さんに期待していたことではあろう。
携帯電話料金を高いと感じていた人たちにとっては、待ち望んでいたプランだ。
その結果、ブロードバンドのときのように、いずれは携帯電話料金が下がるという効果も出てくるだろう。
しかし、孫さんにはいくつか計算間違いがあったことは確実だ。
孫さんは自分で3000通りのシミュレーションをやったと言っているが、わたしの知っている孫さんはそういうことをするような周到な人ではない。
たぶん計算なんかしていないと思う。
その計算間違いがあったから、今回のシステム停止が起こったのだ。