【vodafone】ボーダフォン(2003〜06)は何だったのか
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非通知さん:
「ツーカー問題」について
日産のツーカー株売却、本命シナリオ別にあった――「日本テレコムに9社一括売却」。
経営再建中の日産自動車が傘下のツーカー九社の保有株をDDIと日本テレコムに売却し、
携帯電話事業から全面撤退することを決めた。新電電の全国一貫サービス提供を妨げて
いた「資本のねじれ」は解消する。市場から退出する日産の権益を事業パートナーが
それぞれ引き受けるのは、自然な流れのようにみえる。その陰では、最後まで本命視され
ながら、ついに実現しなかった「幻の再編シナリオ」があった。
「日本の移動通信業界にとって最善の選択」――。ツーカー株売却を発表した二日の記者会見で、
日産の天明昭雄・上席常務は“本音”をぐっとのみ込んだ。
日産はツーカーセルラー東京、同東海、ツーカーホン関西の東名阪三社と、その他地域のデジタル
ツーカー六社に、各二〇―三〇%台を出資。ツーカーセルラー二社はDDI、デジタルツーカー六社
は日本テレコムが日産と並ぶ筆頭株主である。日産の撤退を受け、DDIが東名阪三社、日本テレ
コムはその他地域六社の株式を買い取る。
この売却交渉が日産が当初期限とする三月中にまとまっていれば、天明氏の言葉は額面通り
受け取ってよかった。だが、実際の決着はその四カ月後にずれ込んだ。実はその間、日産が
「最善の選択」と信じ、実現に向けて奔走したのは、九社を日本テレコムへ一括売却する案だった。
「我々もツーカーセルラー株を手放したい」。当初は日産からの株式取得に意欲的だったDDIが、
方針を百八十度転換したのは、期限切れ目前の三月後半である。株主間協定では、日産保有
株の優先買い取り権は、同じ筆頭株主のDDIにある。そのDDIが「買い手」から「売り手」へと
突如転身したことは、事態がいったん白紙に戻ることを意味した。
ただ、「ツーカー株をただ手放すのではなく、その手放し方が問題」(幹部)としていた日産にとって、
DDIの変節は「渡りに船」の側面もあった。