NTTドコモは、PHS(簡易型携帯電話)データ通信事業を強化する。
パソコンなどに専用カードを差し込み、インターネットなどのデータ通信をPHS網で行えるサービス。
昨年4月に開始した、定額制データ通信サービスの加入者を、来年度内に現行の2倍増となる60万人に引き上げ、
同じサービスで先行するDDIポケットを追撃する。一方、市場が縮小しているPHS音声通話サービスは、
今後音声専用端末の新機種販売を行わない方向で検討する。
PHSデータ通信サービス市場は個人、法人向けともに拡大しており、柔軟な料金体系やサービスメニューで市場を開拓する。
定額制データ通信サービスは、専用カードを差し込める端末があれば、屋内外どこでも使い放題でインターネットなどのデータ通信ができる。
ドコモは、PHS音声通話による料金収入がじりじり減る中で「データ通信系は加入者が増え、収益性も高い」
(業界関係者)ことからデータ通信系に人材や開発投資を集中する。
今後はテレビや媒体などの広告では音声系PHSは宣伝を手控え、データ通信系の宣伝広告費を手厚くする。
また、商品ラインアップは、データ通信用カード型端末を主軸にする一方、携帯電話型端末は通話専用ではなく
データ通信機能も搭載した新機種の投入を模索する。料金体系は月額4880円で、DDIポケットの同5800円に比べて割安な設定だが、
今後は長期契約者向けに買い得感の出る方法を検討するなど、DDIポケットの切り崩しを狙う。
ドコモのPHS定額制データ通信サービス「アットフリード」は、現在までに約30万人の加入があり、
全PHS加入者約160万人のうち約2割が利用。一方、最大手のDDIポケットの「エアーエッジ」は、
ドコモより2年先行したことが奏功し、加入者数は100万人に届く勢いで業績回復の原動力となった。
http://www.business-i.jp/news/soft/art-20040316215134-PYAFEHTAUZ.nwc