指導力がまったくない小野寺KDDI。本当の合併効果はいつ現れる?
六月といえば、株主総会シーズンだ。
今年は日経平均も7000円台をつけるなど、投資環境が厳しい中で
機関投資家やファンドは企業の動きにいつも以上に目を光らせている。
その中でKDDIの経営方針について疑問があると、あるファンドを統括
するマネージャーは次のように明らかにした。
1.KDDIはグループとしての合併効果が薄い。
過去KDDとDDIは競合関係にあったが、その関係を抜け出せずいまだに撤退
すべき事業を撤退しないで、新たにテレビ事業などに参入するなどと本末
転倒な構想が相次いでいる。純減の続くツーカーやメール、コンテンツの
定額によりAUを圧迫するDDIポケットはすぐに売却すべきだ。国際通話の
減少に伴うサービスの根本的な再検討を行うなどして、攻めの経営より先
に不良資産圧縮を急げ。
動画コンテンツの立ち上げがドコモに遅れた結果、第三世代では相当な痛
手となっている。
2.グループ内での利益相反は効率を悪くする。
ツーカーの利用者は僅少であるのにもかかわらず、広告宣伝費や販売管理費
で負担が増している。さらに客単価が低いために採算ラインを満たすのは費
用対効果の面でほぼ不可能だ。すぐに撤退してAUと統合することが望ましい。
また、DDIポケットはNTTドコモの定額通信サービス導入により純減に陥り、
その傾向は今後も続くであろう。外資系を含めアプローチを開始し売却する
などの早急な処理が必要である。AUに統合することで固定費削減や客単価の
増加が図れる。
3.根本的な指導力のなさ
KDDIグループがどの方向に向かっていくのか、明確なビジョンがない。ない
上に畑違いの放送事業に乗り出そうとしている。これはとても危険だ。本業
について真摯な議論がされていないことが予想できる。小野寺氏の指導力に
大きな疑問がある。大株主の京セラ、トヨタについてもスタンスがはっきり
せず大きな不安につながっている。