大澤 真幸

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12考える名無しさん
人が机を能動的に触っているつもりでも、
時として机に触られていると感じるときがある。
この机からの能動性をカントは物自体の効果としたが、
他者とはこの物自体と同じ在り方をしている。
しかし、物自体は直接現前しないよう、他者の他者性を
直接現前しない。
他者の他者性は自己の能動性を極小化したときに現れるが、しかし
その時、他者を捉えようとする自己の能動性は極小化しているので、
積極的には捉えられず、逆に能動性を発揮すると、逃れてしまう。
つまり、他者の他者性は「逃れゆく」という消極性においてしか、
積極的に能動的に捉え得ない。