コジェーブ

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79ナナーシー
フクヤマさらにはヘーゲルの歴史観に特徴的なのは
「終わり」を設定するところで、さらに、
その「終わり」は「目的」に置き換えられる。
そして、この「終わり=目的」から歴史を振り返るならば、
すべて事象はその目的めがけて必然的に流れ込んで
きたかのように見える。
たとえば、多くの戦争を経てきたおかげで今日の平和がある、
ゆえに戦争は必要(悪)だった、というわけである。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉があるが、
結果的に勝利した側へ、負けた側をすべて包摂させてしまう。
これが「理性の狡知」であり、それはまた、
弁証法の悪しき(間違った)活用形態である。