時間とは?

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50時間論者
最後にもう一点。
ラッセルの「5分前創造説」が代表的なものだが、
過去の存在はいかなる意味でも認識不可能である。
故に独我論ならぬ独「今」論的思考が生じる。
過去とは記憶の想起であり、未来とは予期や期待であるといった。
しかしこの着想は不可解である。ここで述べられているのは、
「あからじめ過去とは何かを知っている人々の、
 過去の存在への懐疑」に過ぎない。
想像してみて欲しいのだが、過去という概念を全く持たない人物に
記憶のみを与えて、彼はそこから過去を発見するだろうか?
単なる幻想と記憶との差異を彼はいかにして発見するのか?
認識論的な不可知論と、存在論的な実在性の否定を
安直に結びつけるのは誤りである。