東浩紀スレッド Part2

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701考える名無しさん
ユリイカ3月号のエヴァ解説なんかの感想だけど
まず、オリジナルがシミュラークルをあらかじめシミュレートしていること。
つぎに、誰もが感情移入できる雛型=データベースを提供したこと。
これらはポストモダン的な作品としての特徴であると、たしかに言えると思う。
しかし過去の彼のエヴァ評論では、前者について「一部のファンたちの欲望を
嘲笑した明確なジャンル批判だった」と指摘し、後者についてはTV版後半で
逆に「(登場人物に感情移入することでしか作品を鑑賞できない)アニメファン
とのコミュニケーションを切断する」ためにズタズタにされたとして、まさにその
否定的な身振りこそを高く評価している。また、感情移入はキャラを飛び越え
「庵野秀明」への同時代的共感へも接続され、それが成功の鍵だったともしている。
つまり、いくら『デ・ジ・キャラット』を賛美するわけでも、否定するわけでも
ないと言ったところで、既に彼はエヴァ評論を通じてポストモダン的なオタク文化と
オタクの癒着を、一度徹底的に否定しているわけだよね。
だから、彼が『デ・ジ・キャラット』を「キャラ萌えが蔓延する現在の市場への強烈
な悪意と皮肉に満ちたメタ・キャラ萌え的な企画」だと感じるのは、他ならぬ彼自身
がそういう強烈な悪意を持っているからではないのか、と読めてしまうのよ。
もしくは、本心では「でじこなんてくだらない」と思ってるのかもしれない。