★非論理的な人を論理的に説得できるか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
11552
<論点の整理>
1.1さんの問いかけた最初の論点
「日常的な意味での論理性」として
@何かを主張するならば、明確に述べる。
Aその主張を支える根拠を十分に述べる。
という事ができない【無意識的論点ずらし】の人に対して、
「論理的な」説得は可能か?

2.論点のずれ1
1さんの例に言われる「非論理的な」人は果たして本当に論理的でないと
言えるのか?
むしろ、論理的だと言っている人の方が非論理的なのではないか?

3.論点のずれ2
論理的か非論理的かではなく、双方の前提あるいは立場の違いではないか?
つまり、説得が可能かどうかは前提を共有できるか否かの問題ではないのか?

4.論点のずれ3
非論理的でも正しい、あるいは論理的でも誤っている場合があるのではないか?
(殴り合いの方が話し合いによる説得より正しい場合)

5.論点のずれ4
論理学的な論理的・非論理的と実際の日常生活で言われる非論理的な人の議論
との混同

6.論点のずれ5
論理的な説得なのか、何でもいいから説得すれば良いのか。

と言うことで、既に論点が十分に拡散しています。
今回は私の主張は控えて、参考資料を提示しておきます。

「論理学においては説得力のある議論と論理的に妥当である議論は区別されるが、
情動説の理解に基づいた道徳においてはこの区別ができず、すぐれた道徳判断とは
相手の態度に影響を与える判断であり、悪い道徳判断とは相手の態度に影響を
与えることができない判断であることになる。これでは道徳はプロパガンダや宣伝
と変わることがなく、合理的議論の可能性はまったく閉ざされてしまう。
(なかにはこの帰結を受けいれる人もいる)」
http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/~kodama/ethics/wordbook/emotivism.html