クリプキの名指しの理論

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>>38
>指示対象をもたないような「いびつな」名は、
>そうでない「健全な」名のふりをして機能します。
>大事なのは健全な名の働きです。
指示の理論を構築するときの戦略としては、それでいいと思います。
しかし、ある程度理論がまとまってきたら、「いびつな」名について、
当該理論が適用可能かどうかについて、検討する必要があるでしょう。

なお、私は固有名については直接指示説を支持します。
「いびつな」名のうち、虚構名については、「健全な」名と同様に説明できると考えます。
すなわち、虚構名も端的に対象の名前であり、対象は何らかの意味で存在する、と考える
わけです。
ただし「何らかの意味」の分析は虚構理論に任せることになります。
正真正銘の虚名辞、たとえば「ヴァルカン」などについては直接指示説は適用できません。
虚名辞は「確定記述の省略表現」とみなすのが適当だと思います。