クリプキの名指しの理論

このエントリーをはてなブックマークに追加
2417
>>19
クリプキの「固定指示」は様相的文脈での名前のはたらきをもとに特徴づけられて
いたので、カプランの「直接指示」とは少し違っているのでは?
名と対象の間に意義が本質的には関与しない、という意味での「直接指示」からは
「固定指示」が導かれるかもしれませんが、その逆は必ずしも成立しないと思います。

たとえば、クリプキが"事実上の"固定指示子として挙げている「最小の素数」の場合、
明らかに指示対象を決定するための規則が明示されているので、「直接指示」の例には
該当しないと思います。
とはいえ、私はカプランをまともに読んだことがないので、勘違いして「直接指示」の
射程を過小に見積もっているのかもしれませんが……。