1 :
考える名無しさん :
2001/06/01(金) 20:04 ってドウよ?
2 :
考える名無しさん :2001/06/01(金) 20:16
何故哲学板で聞く?
3 :
考える名無しさん :2001/06/01(金) 21:39
Law,Legislation and Libertyなどを読む限りでは ハイエクは社会哲学者だと言えますね。 でも「どうよ?」という形ではなく「ここの部分についてこう思うが どうよ?」という言い方でないとレスしにくいです。
4 :
考える名無しさん :2001/06/01(金) 22:06
1です。 スマソ 哲学版で聞くのは政治思想版や社会学版などでは知らない人が多いとおもったからです。 ハイエク初心者なんでどんなかんじかなと。 著書が膨大なんでどれからテをつけたらいいいかなやんでるわけで。 Road to serfdomなんてどうよ?
>>4 私も学生で当然初心者ですので気にしないでください。
隷属への道はガイドブックとしていいと思います。でも最初これを
読んだときは単なる市場主義者かと思ってしまいました。
計画経済の短所などが書かれていますがハイエクが市場を擁護する
一番の根拠となる「知識」についてはほとんど述べられていなかったように思います。
ですからこれを読んだ後、方法論についての「科学による反革命」(でもこれは絶版)
それから春秋社から出ている全集をを熟読すればいいのでは?
蛇足ですがあとはまだ邦訳が出ていない
Studies in Philosophy・・・(書くの面倒になったので省略)などがあります。
6 :
考える名無しさん :2001/06/01(金) 23:15
ハイエクは私も注目している人の一人です。 手始めに「隷従への道」はいかが?
7 :
考える名無しさん :2001/06/02(土) 02:38
隷従の道には政治学的なアプローチはないの?
8 :
考える名無しさん :2001/06/02(土) 02:52
古典派のリバイバルといっちまえばそれまでだが、、、
>>1 社会学板で振ってもそれなりにレスはあると
思いますよ。
10 :
考える名無しさん :2001/06/03(日) 06:52
ハイエク思想の哲学的な重要性を述べるならば、 主観主義、知識の非完全性・可謬性にもとづいた「反合理主義」的哲学を称揚したということです。 「反合理主義」といっても非合理なオカルティックな態度ではないです。 理性は、理性のみによっては根拠づけられず、 人間の個人的な知識が全貌を把握できないような歴史や慣習に基づく諸状況に依存していると考える態度のこと。 彼の哲学はデビッド・ヒュームとウィーン学団主観主義的哲学にその起源を持っていて、 ポパーやマイケル・ポランニー、ヴィットゲンシュタイン(親戚筋)などとの交流も有名です。
11 :
10 :2001/06/03(日) 07:04
ちなみに、彼の思想は単なる古典的自由主義のリバイバルではありません。 まあそう考える解釈も多数存在するのは事実ですが。 また、経済学的には「市場主義」を賞賛しているように一般的には思われるでしょうし、確かにそうなのですが、 ただ完全情報、合理的個人の合理的選択といった想定といった新古典主義経済学的市場観には反対してます。 その行きつき先は、合理的な(実際にそうではないにもかかわらず)支配者が社会をコントロールする社会主義、 もしくはファシズムへと陥ると彼は主張するのです。 初学者の方には『隷従への道』がよろしいのではないでしょうか。 その後、社会哲学・政治哲学のエッセンスをてっとりばやく知りたいと思うのであれば、 邦訳の論文集『市場・知識・』がおすすめです。 3さんのあげられたStudies in Philosophy・・・などから重要な論文がピックアップされてます。 あと二次文献でオススメは中公新書の、間宮陽介『ケインズとハイエク』です。 手軽に読めますし最初に読むにはこれがいいんじゃないですかね。
12 :
10 :2001/06/03(日) 07:12
>11 すいません、『市場・知識・』じゃなくて『市場・知識・自由』ですね。
13 :
考える名無しさん :2001/06/03(日) 11:15
>>11 間宮先生の「ケインズとハイエク」は分かりやすいけど決して軽くない
ので良い本だと思います。
哲学板なので大きな声では言えませんが本読み何人かでやりたいですな。
10さんもいることだし。
14 :
マイケル・オークショット :2001/06/03(日) 13:13
わし>>ハイエク
15 :
ジャコバイト :2001/06/03(日) 13:22
>14 オークショットとハイエクの関係ってどうなんですか? それと、ハイエクがヒュームに関して述べているので、「市場・知識・自由」以外でいい本があったら教えて下さい!
荒らす人には教えません
18 :
名無しさん@1周年 :2001/06/03(日) 16:52
ハイエクに影響を与えたヒュームの著作ってなんですかね? Political Discourse?
19 :
10 :2001/06/03(日) 22:09
>18 ハイエクがヒュームを引用しているのは主に『人間本性論』、それも特に第3篇「道徳について」からですね。 他には『道徳理論の研究』からもありますが、だいたいは道徳理論についての言及が多く、 面白いことにPolitical Discourseからの引用はほとんどなかったように思います。 (もしかしたらまったくなかったかも) ヒュームは道徳もしくは社会秩序の成立に関して、社会契約論的な「設計主義的(ハイエクの用語)」説明を排して、 「コンベンション(慣習)」の自生的な進化という説明を採用しており、このことがハイエクがヒュームを重視する理由です。 まあヒュームの意図が「自生的な進化」というところまであったかどうかは実は重要な問題なのですが。 そのことはPolitical Discourseへの言及がないこととも恐らく関連しているのですが、それはまだ着想の段階なので今はちょっと勘弁してください。 >14 『自由の条件』、『法・立法・自由』でもいっぱい言及されてます。 ヒューム個人に論点をしぼって書いているわけではないですが。 『科学による反革命』はどうだったかな? 今手元に著作がないのでまた調べて見ます。 おもしろいのは『感覚秩序』ではまったくないです。 『人間本生論』と同じく主観主義的認識論を展開してるにもかかわらず。
20 :
10 :2001/06/03(日) 22:16
>14 ついでなのでオークショットとの関係についても述べておきますね。 両者とも独特の知識論という点では共通点を持ちますが、オークショットはあくまで保守主義者、 一方、ハイエクは自らを保守主義とは区別された自由主義者であると述べています。 このことが2人の関係に影を落としていて、オークショットはハイエクを余り好いてはいなかったようです。 彼から見ればハイエクは未だ「設計主義的」、「合理主義的」態度を強く保持していたように映ったのでしょう。 詳しくは渡辺幹雄『ハイエクと現代自由主義』春秋社の第三賞を読んでみてください。
21 :
名無しさん@1周年 :2001/06/03(日) 23:21
「法、立法、自由」 ってヴォリュームありすぎません? やる気うせる…
22 :
10 :2001/06/04(月) 22:15
>21 まあそういわずに(笑) 三部構成で、それぞれ一応独立しているので、気に入ったところからゆっくり読めばいいかと。 まあ最初から読んだほうが理解しやすいのは当然ですけど、ハイエクの文体自体は明晰な部類にはいると思います。 晦渋さはあんまりないですし、比較的読みやすいんじゃないでしょうか。 ちなみに第一部は秩序論、第二部は正義論、第三部は制度論という風になってます。
23 :
21 :2001/06/05(火) 03:37
まあ、わたしも時間があったら、完読したいですけどね。 ところで10さんのおすすめは、そのうちのどれですか?
24 :
考える名無しさん :2001/06/07(木) 12:51
講談社の新書の、確か『自由はどこまで可能か』っていう、これも確か、 森村っていう人の本は、手軽に読めて面白い。 リバタリア二ズムの本で、ハイエクが取り上げられている。 評価しつつも、批判的に。 とりあえず、市場主義者でもM.フリードマンら、シカゴ系の人たちとは 違うということです。 ハイエクは、市場を強く擁護するが、伝統(自生的秩序だっけ?)も擁護 するから、日本の保守派にも支持されるのだね、きっと。
25 :
ジャコバイト :2001/06/07(木) 19:19
>19、20 ありがとうございます! 勉強になります! しっかし、ヒュームの『人間本性論』のコンヴェンションにハイエクは依拠してるわけで、政治論集のは無視してるわけですよね? ヒュームには、『政治論集』の中で、「完全な共和国についての設計案」という、一首のユートピア(っていっても大分現実っぽい)を書いてますが、こういうのは設計主義的主知主義と抵触しないのでしょうか? これについて、ハイエクが何かコメントしてますか? また、考える名無しさんはどう思われますか?
26 :
考える名無しさん :2001/06/08(金) 01:56
感覚秩序age
27 :
考える名無しさん :2001/06/08(金) 06:58
>>25 どこに書いてあるのですか<政治論集
ハイエクって反革命でしたね。
ハイエクなら明治維新をどう捕らえたでしょうか?
28 :
考える名無しさん :2001/06/09(土) 10:08
ハイエクって
29 :
MtFTG・CD :2001/06/09(土) 10:56
妨害行為が止まった(一時休止?)ようですので、細かい経緯をレポートしておきます。 アタシがこのところ熱心に取り組んでいた「ゲイ・スタディーズ」スレッドですが。 たまたまスレの様子を観に来たところ、何者かが大量の空投降をしていたところでした。 アタシはその時点では事態を正確に掴んでいなかったため、直ちに、レス削除依頼をの提出作業に取り掛かりました。 削除依頼を出し終わった時点で、観てみたらすでに「ゲイ・スタディー」のスレは使用不能状態にされていたのです。 同じ手口で使用不能にされたのは「永井均スレッド」だそうです。 さらに、アタシが、「ゲイスタディーズ」への問題行為を指摘した「雑談・質問」スレが同じ手口で使用不能にされました 続いて、この卑劣な妨害行為が話題になっていた「哲学板自治(討議)スレッド」も今、同じ手口で使用不能にされました。 一連の妨害行為は、同じ手口であり、明らかに愉快犯ではなく、確信犯の仕業、としか思えません。
30 :
ジャコバイト :2001/06/12(火) 19:51
>27 25への返答としては、私の頭が悪いのか、よくわかりません。
31 :
考える名無しさん :2001/06/13(水) 14:17
>>25 レス遅れてごめんなさい。ちょっとごたごたがあったので。
政治論集は読んでいないので分かりませんが
「経済理論家または政治哲学者の主要な任務は、今日政治上では不可能であることが
政治上で可能になるように、世論に影響を与えることにあるべきであり、それゆえ、
私の提案が現在においては実行不可能であるという反対意見は、私がこれらの
提案を発展させるのに全く妨げにならない」と貨幣発行についての論文で言っています
のでありうべき政治・社会のモデルを提出することには問題ないと思われます。
「法と立法と自由」もあるべき社会のモデルを書いたものです。
32 :
ジャコバイト :2001/06/13(水) 16:20
>31 ありがとうございます! なるほど!
33 :
名無しさん@ハイオク満タン :2001/06/13(水) 22:10
ハイエクの哲学上の主著は『感覚秩序』でよいんですか?
34 :
考える名無しさん :2001/06/14(木) 00:38
こんちは、でハイエクの本安く売ってる古本や教えてください。ところですれっど、使用不能にするなんて可能だったんですか、、ひえー。
35 :
考える名無しさん :2001/06/14(木) 01:01
36 :
10 :2001/06/14(木) 11:45
返答が遅くなりましたが。
>>23 個人的に好きなのは第ニ部です。
第一部で「全く自然のもの」でも「全く人工のものでも」ない秩序の形成を説明したあと、
独善的な政府当局の恣意的で人工的な社会コントロールを批判する論述は痛快です。
もちろんそういう個人的な感想と、研究者として彼の議論を批判的に検討する姿勢とは別ですが。
>>24 リバタリア二ズムは最近一般にも紹介されるようになってきましたね。
森村さんそして24さんがいうように、ハイエク思想とリバタリア二ズムは区別されるべきでしょう。
少なくともその検討は十分になされていないと思います。
保守主義、リバタリア二ズム、そしてハイエクも含めた他の自由主義者との差異を認識せずに、
それら全部を同一のものとして「反動的」と見る乱暴な見解がなんと多い(かった)ことか!!
ハイエク自身も「自分はリバタリアンではない」と明言してますし。
原理的なリバタリアンからはハイエクは「社会民主主義的」とまで非難されていた覚えがあります。
逆にハイエクから見れば、彼らの議論は人工的で「設計主義的」なユートピア的なものに思えるのではと思います。
>>25 「理想共和国についての一案」ですね。
岩波文庫から邦訳が出てます(人性論も改訳を出してほしい・・・)
設計主義的主知主義と抵触しないのか?というご質問にかんしては、31さんのお答えに僕も同意です。
『法・立法・自由』の第三部でかなりハイエク自身もユートピア的ビジョンを示していますが、
ヴィジョンを示すこと自体は設計主義的ではないですね。
ですが、19でも書いたようにハイエクとヒュームの差が全くないとは言えません。
ヒュームは自由主義者であると同時にマキャベリ的な「徳」を駆使する共和主義者でもあったわけですが、
共和主義という観点はハイエクにはないですね。
ハイエクから見ればそれは設計主義なのではと思います(ここはまだ自分の中で詰めてないのですが)。
そこのところが単に時代的な差ではなく、ヒュームとハイエクの本質的な差ではないかというのが今の時点での僕の仮説です。
ジャコバイトさんは、お名前から判断するにイギリス思想史もしくは哲学の方でしょうか?
僕の指導教官はジャコバイトの話とか歴史的な側面からの考察が大好きで、
かなりマニアックな歴史の話をされるのでついていけないことがありますね(笑)
ちょっとそのことを思い出しました(笑)。
>>27 明治維新についてはどうでしょうね。
う〜ん。別に人間が主体的に歴史に関わるかどうかを否定しているわけではないですしね。
無為自然とはまた別の思想なので。
ハイエクってやっぱり近代人ですから、明治維新によって達成された近代化の多くは評価するんじゃないでしょうか。
フランス革命には否定的ですが、あれはまさしく理性の名のもとにさまざまな暗黒の統治が行われたわけで、
その理性主義に対する批判ですね。(バークとかトクヴィルもそうだと思います)
>>33 35さんがおっしゃるように「感覚秩序」は心理学の本です。
その心理学の根底となっている哲学的立場を論じることは興味深い問題だと思いますが。
えっとハイエクは純粋哲学、形而上学にたいする著作を残しているわけではなくて、
あくまでも「社会」哲学もしくは「道徳」哲学家ですね。
ちなみにその点では自分はカント主義者だとハイエクは述べています。
それで『自由の条件』、『法・立法・自由』なんかは社会哲学の本といって差し支えないと思います。
Studies in Philosophy・・・とかNew studies in Philosophy・・・、なんかには、
そういった社会哲学のコンパクトな論文、「複雑現象の理論」とか「設計主義の錯誤」が収められています。
>>34 アマゾンとかじゃなくてですよね。
僕も教えてほしいです。
37 :
ジャコバイト :2001/06/14(木) 12:28
>36 ヒュームがマキャヴェリ的な徳を駆使する論者、というのはどの辺りか、興味があるので教えて下さい。 徳の契機はなく、人間本性に基づいた情念、って感じがするんですが。
38 :
考える名無しさん :2001/06/14(木) 16:07
「感覚秩序」読了した人います? 途中なんですが難しすぎ・・
40 :
考える名無しさん :2001/06/15(金) 14:31
>38 それって原題なんですか?
41 :
考える名無しさん :2001/06/15(金) 23:43
38ぢゃないけど The Sensory Order だっけ…
>>41 そうです。いま2章なんですがマジで難しい・・
>>42 え?あなた2章まで逝ったの…なんて人だ!(藁
ところで、「The Fatal Conceit」なんてのは邦訳
されてないよね。読んでみたいんだけど、英語の能力が…