功利主義ってなに?

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無し
おしえて!
2:2000/12/11(月) 04:01
川本隆史さんの本からのアマルティア・センの孫引き−ちょっとアレンジ−。
1行為や制度の価値を結果から判断する帰結主義
−カントに代表されるような義務論に対置される−。

2帰結のよしあしを関係者の主観的快=効用の増加関数で判断する効用主義

3各人の関数は総和可能であり、最大限に総和するのが正しいとする総和主義

これら三因子からなるのが功利主義。
3考える名無しさん:2000/12/11(月) 04:11
関数とか言ってるよ、
数学用語が移植されると胡散臭く聞こえるのは私だけ?
集合・コンパクト・有界・連続・極限・・・・
4名無し:2000/12/11(月) 04:12
>2
センの「自由と経済開発」今日読んだけど、わかんないよぉ。
結果から判断するって言うけど、その結果って言うのは、主観的効用の増大
の総和によって制度の善悪しを判断するっていうこと?
それとね、あらかじめ予想可能な最大の効用数値なるものが達成されなかっ
た場合、制度を改変するということなのかな?もしそうだとすれば、制度だけが原因なの?
所与の制度のもとでの予想可能な最大な効用量が、じっさいに所与の制度のもとで実行したら
達成されなかったっていうことになるのは、制度が悪いんじゃなくて、最大値効用の予測計算が
間違えたという人間のミステイクに原因があるんじゃないですか?
よくワカンナイので、簡単にかいつまんで教えて!
5:2000/12/11(月) 04:25
>3さん
私が言っているのではなく、川本さん、
ていうかノーベル経済学賞受賞者(笑 センが言ってるんですよ。
この手で使われる関数と言う用語は経済学用語−もともとは数学かもしれませんが−という言葉では?

>4さん
私は「合理的な愚か者」しか読んでいない−しかも三年位前に一度きり−
のでたいしたことないのですが。

>結果から判断するって言うけど、その結果って言うのは、主観的効用の増大
の総和によって制度の善悪しを判断するっていうこと?

規則功利主義の場合はそうだと思います。

その後の文の趣旨がよくわかりません。
なんか、どっちも可能性はあると思いますけど。
63:2000/12/11(月) 04:29
>5
なるほど異次元フランス哲学者とは違うのだな
7名無し:2000/12/11(月) 04:31
>5
「行為功利主義はカント的義務論、ルール功利主義は設計主義的合理論」
こういう図式でいい?
今、功利主義こだわってやってるんだけど、いまいちわかんないんだよね。
功利主義批判の論文は分かりやすいんだけど、功利主義者の議論そのものが
雲をつかむようなものばかりだし、いろいろタイプがあってね。
でも、教えてくれてありがとう!
8:2000/12/11(月) 04:33
あ、ソーカル系の話ですか。
なんか、みんな過敏になりすぎてるのかも。

ところで、ロールズの正義論におけるゲーム理論の使いかたって、
正義論版「知の欺瞞」な気がしないでもないですけど、どうでしょう。
私自身はゲーム理論まったくわからないのですが。
9:2000/12/11(月) 04:40
>名無しさん(1=4=7?)
「行為功利主義はカント的義務論、ルール功利主義は設計主義的合理論」

うーん、義務論なのかな。
行為の善悪−これは効用を多くするか少なくするかの違いですが−
がどこで判断されるかの違い、と見るのが正統派だと思います。
行為功利主義なら各人の行為、ルール(規則)功利主義なら
制度や法ということかな。ルールのほうで考えれば、
われわれは朝飯にパンを食うのとご飯を食うのとどっちが
功利主義的に正しいか悩まなくていいですね(笑。
10名無しさん@1周年:2000/12/11(月) 04:45
>9
1=4=7=9ですよ
具体的レベルの話になると功利主義の話しは頓挫するね。
ロールズ読んでるの?「公正としての正義」を半分読みかけ。
「正義論」はまだまだ。いろいろ読まなきゃならない本たく
さんあって。
現代の功利主義者ってR.M.Hare以外でだれか知ってます??
11考える名無しさん:2000/12/11(月) 04:45
ロールズの正議論というのを知らん。
ゲームの理論は適当な点数の損得に換算できるゲームでは
均衡点があればそこに達するというものだ、たぶん。
12考える名無しさん:2000/12/11(月) 04:48
最大多数の最大幸福。
1人を犠牲にしても100人の利益を優先する、等々。
13:2000/12/11(月) 04:53
>10さん
ロールズはちょこちょこ、と。「正義論」は読んでないです。川本さんが出すとされる翻訳待ちです。
本当は読むべきなんだろうけど。概説書と「公正としての正義」を軽く読んで
そんな印象を覚えただけです。

>現代の功利主義者ってR.M.Hare以外でだれか知ってます??
ヘアは結構有名みたいですが、ほかには有賀誠他編「ポスト・リベラリズム」(ナカニシヤ出版)
と言う本を読んでいたら、ハーサニー(ロールズ批判者でもありますね)、J・ライリー、
R・E・グッディンといった名前が挙がってますね。ハーサニー以外はこの本で初めて知った。

14名無しさん@1周年:2000/12/11(月) 04:54
>12
なんだけど、「一人を一人として数える」という公準もあるよね。
犠牲という概念が、富める者から貧しき者への移転という意味と、
貧しき者の富める者の繁栄に対する促進およびそれによる更なる
貧しき者の富の向上というフィードバックという意味の二つが含ま
れているようだね。ロールズの格差原理は、後者に相当するようですね.
15名無しさん@1周年:2000/12/11(月) 04:55
>13
ハーサニ、ライリー、グッディンは、翻訳でてるのかな?
16:2000/12/11(月) 04:57
基本的には私、政治思想板の人間なのですが、
思想板ではこんな話ほとんどできないからなあ(嘆
本当はあっちでしたいのだけど。
17名無しさん@1周年:2000/12/11(月) 04:57
>16
俺も、基本的には政治哲学専攻のものです^^
18:2000/12/11(月) 05:00
「ポスト・リベラリズム」の参考文献見た限りでは、
まだ三人とも翻訳出てないみたいですね。
19名無しさん@1周年:2000/12/11(月) 05:01
>18
そっかぁ、じゃあまだ読めないなぁ.原典やってる暇ないし。
猫さんは何研究してるんですか?
20:2000/12/11(月) 05:02
うーん、ある意味では、17さんのように、政治哲学やっている人が
政治思想板に寄り付かない−のかどうかはわかりませんが−という現状は悲しいなあ。
私は法哲学専攻です。
21考える名無しさん:2000/12/11(月) 05:03
コヴァの飼い方。
22政治哲学:2000/12/11(月) 05:04
スレたてたのも、ここで猫さんと話してるのも同じ人物だよ.
名前一貫しておくね.
23政治哲学:2000/12/11(月) 05:05
>20
じゃ、ハートとかドゥウォーキンとかよんでます?
24政治哲学:2000/12/11(月) 05:06
>20
21は違う人ですよ.
25:2000/12/11(月) 05:07
>政治哲学さん
なんかまったりチャットっぽく(笑
読んでますよ、ハート、ドゥオーキン。ラズもマコーミックも。
個人的には、ハートの内的視点、外的視点の区別は、20世紀法哲学
最大の発見だと持っています。
26政治哲学:2000/12/11(月) 05:08
>20
見てるのは好きなんだけど、なんか議論のレベルが下がっていくような
<政治思想版に限らず
27:2000/12/11(月) 05:09
21は政治思想板には、こんなタイトルのスレがある、ということですね。うーん。
ちなみにコヴァは小林よしのり信者の別称みたいです。
28政治哲学:2000/12/11(月) 05:10
>25
ハート、ドゥウォーキンも読まなくちゃ…
自分はハイエク・ポパーを研究してます。
29政治哲学:2000/12/11(月) 05:11
>27
小林よしのりも、みんなすきだね。あんま興味ないけど.
30政治哲学:2000/12/11(月) 05:13
>25
まったりはだめ?喧嘩っぽいのは好きじゃないので…
31:2000/12/11(月) 05:13
そういえば、この板とか、社会学板とかで、「政治学」というコテハン
の人がいるみたいですね。あの人もハイエク・ポパーとかいっているような。
今ちょうど「開かれた社会とその敵」読んでます。

私自身は、シュミットが一応研究対象かな。
32:2000/12/11(月) 05:15
>政治哲学さん
いや、まったり歓迎ですよ(笑
思想板の人は喧嘩好き多いし。
33政治哲学:2000/12/11(月) 05:16
>31
そうなんだ。オープンソサイエティ読んでるんだね。
難しくないでしょ?
政治学=政治哲学・・・俺です(笑)
34政治哲学:2000/12/11(月) 05:17
カール・シュミット読んだことないです.
ハイエク読んでると注には出てくるけど・・
35政治哲学:2000/12/11(月) 05:18
ハイエク.ポパーは、読みやすいからね^^
36政治哲学:2000/12/11(月) 05:19
じゃ、ドイツ語おできになるんだね!
37:2000/12/11(月) 05:21
>政治学=政治哲学・・・俺です(笑)

ちょっとカマかけてみました(笑。
社会学板のポパースレの続きお願いしますよ。
個人的には興味深いので。

オープンソサエティは結構読みやすそうですね。
ただ、あの膨大な注がなんとも。でも確か「現代思想の冒険者たち」
に入っている『ポパー』ではあの注が重要と書いてあったから読みとばせないなあ。
38大阪から柄谷行人:2000/12/11(月) 05:23
マルクスも読んでーな。
http://www.nam21.org
39:2000/12/11(月) 05:23
>36
いや、やらなきゃやらなきゃと思っているのですが(泣
たとえば、シュミットの論敵の一人のケルゼンの本を読んでいるのですが
なんと英訳。本当に、我ながらよくないと思っているのですが。
40政治哲学:2000/12/11(月) 05:24
注おおいよね。
歴史主義の問題だったけな?
俺もあんま整理ついていないんだよ。
どう思う?結局マルクス・プラトン主義批判なんだけど、
マルクス読んだことないしね.
41政治哲学:2000/12/11(月) 05:25
ケルゼンかぁ。ハートもケルゼンについては論じているようだね.
42:2000/12/11(月) 05:25
>38さん
『倫理21』は面白かったです。
なんかNAMに対してはどういう態度とっていいかわからないですね。
43政治哲学:2000/12/11(月) 05:29
自然主義的歴史主義批判は分かる.でもハイエクが注で歴史相対主義を拒否している.
ハイエクはしかし歴史主義だと思う.伝統・制度・文化の進化論を唱えたけど、あくま
で解釈学の立場をとってるから、文化的相対主義者だと思う.
とすると、ポパーの歴史相対主義批判にハイエクが賛成するという論理構造がいまいち
よく見えてこないんだぁ.
44:2000/12/11(月) 05:29
>41
ジョセフ・ラズというハートの弟子は、
ホッブズ−ジョン・オースティン−ケルゼン−ハート
という形で法実証主義の伝統、系譜を並べていますね。
多分これが王道だと思います。
厳密にいえば、純粋法学と分析法学をいっしょに並べるのも違和感あるのですが。
45政治哲学:2000/12/11(月) 05:31
だから疑問だらけ。毎日何やってるんだろうと悔しい気持ちね.
46政治哲学:2000/12/11(月) 05:32
>44
なるほど。といっても、法哲学は素人なので、なんとなくしか・・
47:2000/12/11(月) 05:34
私はハイエクは「隷従への道」程度しか読んでいないし、ポパーも
講演集読んだくらいなのでなんともいえないですが。これから書くのは結構厨房レスだと思いますが。

うーん、ハイエクをポパーの言うような意味での歴史−法則信仰−主義
と捉えるのはどうなのでしょうか。ハイエクにとっても真理は発見できないものなのでは。
48政治哲学:2000/12/11(月) 05:40
ハイエクは真理やエッセンシャリズムをポパーと同じく否定する.
しかし「説明の原則」=「理論」は存在するのだと.理論は、社会科学において
は解釈学の視点を取る.その点、方法論に関する自然科学と社会科学を同一に並
べたポパーとは違う.ハイエクは自然科学と社会科学とは違うのだといった.
歴史相対主義が法則を唱えているというのはちょっと違うと思う.むしろ相対主
義者は徹底的に相対化することによって法則というものを否定していると思う.
49政治哲学:2000/12/11(月) 05:42
まあ、そんな感じかな.あんましこの整理のしかたにも自信ないんだけどね.
50政治哲学:2000/12/11(月) 05:43
功利主義の話しからずいぶんそれちゃったね!
51政治哲学:2000/12/11(月) 05:48
>47
またきます!きょうはありがとう!!
52:2000/12/11(月) 05:50
うーん、難しいですねえ。文章は平易なのに、ポパー。

>ハイエクは真理やエッセンシャリズムをポパーと同じく否定する.
しかし「説明の原則」=「理論」は存在するのだと.

結局、ウェバーの神々の闘争下における、方法二元論みたいなものなのかな。
少し違う気もするけど。
隷従への道なんかを読むと、真理の否定というより、共産主義下の言論、学問の禁止が
真理から遠ざける、というようにも書いてあったし、かなりポパーの議論に対して近似的だな、
と思いましたが。とりあえず二人とも真理は在る−それが人間が認識できるかはともかく−
と考えているのでは。もちろん、計画主義的な真理は否定するのでしょうが。

> その点、方法論に関する自然科学と社会科学を同一に並べたポパーとは違う

これは反証主義一本槍と言うことですよね。

結構的外れなことかいてるかもしれません。すみません。
歴史的相対主義、というのもよくわからないもので。
53:2000/12/11(月) 05:51
>51
ではでは。楽しかったです。
私もそろそろオープンソサエティの続き読みます。
54政治哲学:2000/12/12(火) 03:38
>53
昨日はどうもでした。
行為功利主義と規則功利主義の違いが分かりました。
行為功利主義は、関連するすべての情報を収集できるという前提のもと、
可能な結果を個人が比較して、最大な効用を達成するような選択肢を
とることによってその行為は正当化される。したがって、(社会的)ル
ールが必要なくなる。
一方規則功利主義は客観的な社会善の存在を仮定し、それを達成するように
制度を設計的に修正・形成していくのだと。
いずれにせよ、権利とか自由とかいった概念を余り重視しないのが功利主義。
55考える名無しさん:2000/12/12(火) 04:39
サバイバルロッタリーはどう?
56:2000/12/12(火) 23:40
>政治哲学さん
どうもです。
>行為功利主義は、関連するすべての情報を収集できるという前提のもと、
可能な結果を個人が比較して、最大な効用を達成するような選択肢を
とることによってその行為は正当化される。したがって、(社会的)ル
ールが必要なくなる。
一方規則功利主義は客観的な社会善の存在を仮定し、それを達成するように
制度を設計的に修正・形成していくのだと。

なんか少し違和感もありますが−社会的善の存在とか−大体そんなものだと思います。
行為功利主義が個人に、すべての見通しが利くエリートたれといっているとするならば、
規則功利主義がエリートにすべてを任せろ、という感じですかね。
もう少しいうと規則、行為いずれにせよ、何らかのかなり実体的かつ各人に共通な善が前提
とせざるを得ない−効用の個人間比較が可能−と思います。

で、功利主義と権利自由の関係ですが、一般論としてはそのとおりだと思います。
たとえば、すでに名前の出ているハートの『権利・功利・自由』という本の中で
J・Sミルの自由の概念とと功利主義が矛盾するうんぬんと書いてありました。
あと、読んでて楽しい功利主義関係の文献で清水幾太郎『倫理学ノート』があります。
57政治哲学:2000/12/17(日) 04:59
>猫さん
お久しぶりです。お答えありがとうございました。
H.L.A.Hartの著書を読んだことはないのでなんともいえませんが
彼は功利主義を肯定してますか、それとも、否定していますか。
どのような視点から功利主義をとらえてますか。
それと社会的善はどのようら計測されるんでしょうか?
幸福・福利・公益・社会的効用は結局所得による変換(欲望充足)を経て
のみ意味のある概念なのですが、さて財の全てのリストをあげどのよう
に欲望のウェイトをつけるのでしょうか。仮にウェイトづけが可能だとして
はたしてそのウェイトが一定でかつ諸個人において同一だと仮定することによって
何がしかの弊害というものは法哲学のなかでどのように議論されてるんでしょうか?
お教え下さい。
58考える名無しさん:2000/12/17(日) 07:27
>個人的には、ハートの内的視点、外的視点の区別は、20世紀法哲学最大の発見だと持っています。

個人的にはていうか一般的な評価だと思うが?
いまさらケルゼンもねえだろうし。
59
>58さん
そうですね。マコーミックもラズも二つの区別を更に精緻化するという方向だし。
一応、日本の法(哲)学に大きな影響を与えたケルゼンおよび
−今はいないだろうけど−ケルゼニアンに対する敬意の表れと思っていただければ。

>政治哲学さん
もう少し待ってくださいね。ちと読み直してみます。