吉本隆明 1924-2012 その2

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44考える名無しさん
“三馬鹿”については、蓮実って人は敬愛する淀川長治にさんざん“いやな人”
などと半ばは本気でからかわれていたり、自己にたいする相対化は、他の柄谷や
浅田などよりもできてたんじゃ、て思います。あと、花田清輝にたいしても、
柄谷や浅田ほどの評価は蓮実にはなく、「書くことは花田にとって何かに奉仕
する手段だった」と致命的な特色を柄谷・浅田と違い抑えている。「何かに
奉仕する手段」というのは吉本の読み方と同じと思える。

 吉本の<幻想>はフーコーとの対談で fantasme とされたようで、後に
吉本はマルクスへの各国の翻訳を参照して illusion としている。マルクス
から<幻想>はとっているので。しかしマルクスのいう幻想は吉本でいう
共同幻想の場合で言ってるので、個人幻想や対幻想には当てはまらない。そ
のことは吉本自身が『吉本隆明が語る戦後55年E』で指摘している。