【存在】ハイデガー【有】

このエントリーをはてなブックマークに追加
289考える名無しさん
客:歴史喪失というのが現代人の特徴で、大学教師みたいな人間も例外ではない。ハイデガーの
研究は大学外も巻き込んで盛んにやられてる訳だけど、そこでハイデガーの問題意識がどこまで
詰められるかは知の党派である大学関係者には限度があるんじゃないか?党派の特徴として、
かつて『有と時』でハイデガー自身も〈自己への見えなさ〉とした〈自己点〉をあげてもいい。
主:そういうこととまた別に問題の指摘をしたいんだけど。ハイデガー研究会ってところが最近
出した本に『科学と技術への問』という本がある。そこで「芸術と学問」っていう論文があるんだが、
そこに読んでて「?」という箇所がある。論者は「ハイデガーの芸術規定は古代ギリシャ以来の芸術
本質を決定的に否定するものである。」としている。ハイデガーの芸術論といえば、『芸術作品の
根源』が有名だけど、あれはよく読めば決して狭量な理論ではない。芸術とは真理の作品化である
、という芸術規定にせよ、拡がりも深みも備えたもので、この論者の言っているようなことはどこ
にもない。