【存在】ハイデガー【有】

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256考える名無しさん
客:251が簡単に済ましてる程吉本とハイデガーの関係は簡単ではない。先ず幻想という吉本の
タームだが、あれが〈有る〉という領域をそのものとして指している、つまり還元したり歴史性を
解読したりしない段階での〈有る〉を指していることは解る。それを幻想と名付けたことで歴史の
地層としての歴史の問題に関わるのが吉本のいわゆる幻想論だ。そういうことは吉本は自覚でき
ておらず、当然語られていない。それを真に受けるから本当の関係が問われなくなるのさ。
主:あと、『心的現象論』は即物的だということだけど、即物的というよりも具体的と言い換えた方
がいい。ハイデガーの場合、〈有る〉の成立に歴史が関わるところまで、その意味をハイデガーなり
に思索し続けている。ただ如何せん哲学から外に出ることはなかった。自分ではマルクス主義との
対話の可能性を示唆はしたが、やはり具体的には為されなかった。ただ、後期の集-立の概念には
現代文明の性格はよく描かれているけど。それに対し吉本の場合には彼が理科系の人間というこ
ともあるのか幻想と歴史の関係が哲学から出ることで為されている。そこが吉本の特徴だよ。ただ
問題意識自体は相当近い。
客:自己表出は内臓だと言ったことも有論の一種として読めるし有と歴史という問題で読める
ところがある。色んなクロスロードがあるのは解るよ。