客:203レスが疑問点を並べてるわけだけど、それを読んでて、これはハイデガーを語るレベル
では到底ないって思える。そもそも『有と時』からして読んだことのある人なのかという疑問を
感じたな。それから現象学的に云々とあったけど、現象学とハイデガーの関係なぞ簡単な話で、
現象学の格率である〈事象そのものへ〉を研究の格率にしたのが紛れもないハイデガーなんで。
こここそが肝心なところだよ。まさに事実性の重視というね。
主:そもそもハイデガー読んでも解らなかったって人が集っている場所ってのが当りかもしれな
いけどね。大量でなくても『有と時』『ヒューマニズムに関する書簡』辺りを読んでればハイデガー
の思想を理解するのは難しくないけどね。多分それさえ解らなかったわけだ。
客:そこで2ch.にやって来た。こんないい加減な場所で教えてもらおう等考えない方がいいと
思うけどな。解らなかった、なら解る迄苦労してでも読むだけだろ。一つだけ書いておくと、ハイ
デガー思想では技術的支配の運命というのが認識の根幹にある。その技術的支配の惑星的運命と
いう場所からすれば資本主義圏も社会主義圏も大差ない。また色んな反体制勢力も大差ない。
いずれも主客共に対象とし、立てていく技術的支配の一部である。またこの問題でフーコーの研究
ともクロスしていくことになる。
主:人間をも物をも対象的に立てていく。人間を理性によって健康‐不健康、正常‐異常、健全‐不法
、等に分割し、矯正する支配と同調が全面的になる。そういった流れを有の忘却であり尊厳の喪失
とみた。その究極で喪失し切った人間の変容が起こる。それは有の立ち去りから起因し、不可解さ
やあり得ないもの、驚愕を帯びる。これが有の立ち去りから起因することも把握されないまま歴
史は過ぎるであろう。
客:そう。これが何の実証も前提もなく書かれるのが『哲学への寄与』であり、謎めいてるとこ
ろでもある。だけどリアリティーだけは凄い。そこが驚異的だよ。