吉本隆明 1924-2012

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69考える名無しさん

それって、大衆は消滅した、ていう話
を裏切っているわけよ。自己における大衆がね。ことほどいい加減な、また簡単な話なわけだ。仮
に現代人としての引きこもりとかを例にしても、家から一歩も出ずに生活してる人間が、どこか
から生活資金を援助されたり、或いは調達されたりしているのは自明で、でなきゃ生きていけない
のだから。また、何も食わずにいるわけはなく、食事もしている。どこかから資金が来てたり、どこ
かに貯まってたりして可能な生活だよ。ただ、それを意識せずにひとまず済んでいる、というだけ
のことでね。宮台は理知的だし、話も理路整然としてるし、こういう人間を例にとると余計分かり
易いんだが、大衆の原像などもうない、と理路整然と喋っている当人が15/24時間は大衆である。
それを忘れちゃいかんだろうと思うね。ただ、生活水準が上がった。選択の幅が広がった
。文盲がいなくなった。道路工事のおじさんでも若手芸人の話で笑えるようになった。と
かね。メディアの浸透による効果もある。しかし、そういう変化をもって、大衆はいなく
なった。大衆の原像は無効、というのは実相を外してるし、また思想の有効性をも外してる
議論だと思うね。