吉本隆明 1924-2012

このエントリーをはてなブックマークに追加
50考える名無しさん
情況からの発言 10
客:レス49さんの問いかけから思わぬ展開になった。君の吉本への読み違いも分かった。君から
そこで、吉本と君の麻原解釈の違いも浮き彫りになってきた。そこでそこをもうちょっと展開し
ようじゃないか。吉本の見解では、麻原の造悪というのは、あくまでもその教義から、ということ
がその特徴になる。で、実は麻原の無意識、個体幻想というところも、一応触れてはいる。それは
『超「20世紀論」上』の214-215頁でインタビュアーの田近伸和に答える形で語られている。母親と
の関係の失敗、否定を刷り込まれたこととの関連性もインタビュアーが尋ねている。

田近 それにしても、麻原の尊大な振る舞いは、人格を疑わせるのに十分なところがあります。麻
原を見て、「育ちが悪い」と思われることはないですか?母親が自分の子供を育てるにあたって、
胎児のときを含む一歳未満までの時期に悪い育て方をすると、それが子供の無意識の形成に悪い
影響を与え、子供の情緒障害など精神の異常が生じる恐れがあるということを、“酒鬼薔薇事件”
などを論じられたときにも指摘されていましたが?
吉本 そう思ったりすることは、あります。麻原を見て、「お前、人相が悪いぜ」って思ったりしまし
た。「この野郎!」と思うところは、たくさんありますよ。でも、宗教というのは、この手の性格的
欠陥については、自分を克服するということが修行のうちに入るわけで、その点は麻原も、ある
程度はやってきているんだろうなとは思います。それでも、ときとして、“地肌がむき出しになる”
ところが、麻原にはあるんだろうと思います。本当は、宗教的高さと、人格的高さとが一致しない
といけないんですけどね。