吉本隆明 1924-2012

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30考える名無しさん
情況からの発言 3
客:上のレスにも書かれてるけど、全集や著作集に収録されると、まず大抵はそれまでの単行本と
かは新しく刷られなくなることが多いんじゃないかね。戦後文学の大物だった埴谷雄高は90年代
に既に亡くなって、その後講談社から全19巻の全集が出たんだけど、その後、未来社から出てた
著作集はそれまで刷ったものだけであとは絶版化したと思うし。これは花田清輝だと、生前、やは
り未来社から著作集を出してて、没後に講談社から全集を出したんだが、講談社版全17巻の全集
の方が早く品切れ絶版になり、未来社の全6巻著作集の方が売れ残って新刊として棚に置いてあ
ったような記憶がある。ただ花田の未来社の著作集ってのは吉本との論争文も入ってないし、ま
、解題もなく、評論の雑誌発表年月日も分からない、「著作集」とか銘打ってはいるものの、当然あ
るべき解題もない、読者にとって甚だ読んでて不満の残るものだったと思う。全集版は流石に解
題はちゃんとしてた。ただ、花田の全集にしても、吉本と同席し、その後、二人の論争でも引用され
ている座談会がどういうわけか収録されていない。それからやはり論争した埴谷と同席した座談
会があるのに収録されていない。これは埴谷の全集には花田と同席してる座談会が1篇収録され
ており、資料としての価値はある。花田の全集の収録対談は60年代以降の武井昭夫とのものが多
く、花田の論敵との対決が外されて、むかし図書館でみてがっかりした覚えがある。重要な座談会
が一切外されているんだから。編集者の考えを疑うよ。
主:花田の全集は評論はよく集めてあるが、座談会関係が駄目だね。論争家花田の個性がよく出て
る、座談会はあのキャラクターを知る絶好の素材だけど。外したのは実に勿体ない。
客:吉本の全集を編集する人間にはその辺、論争相手と同席してる座談会を収録から外すような、
センスのないことはしないでほしいねえ。