214 :
主客:
主:以前ハイデガー有論と吉本幻想論の関係について話したけど、改めて考えると、幻想というの
はハイデガーでいう「有る」それ自体だったと言えるんじゃ、と思うんだけど。
客:「有る」それ自体、となると、じゃあ吉本における有の領域とは何か、という問いが出てくる。
主:吉本に於いてはそれが一連の原理的著作に該当してた。「有る」の考察はやっぱり問いとして
吉本にずっとあった、と考えられるんじゃ、と思わざるをえない。以前ここに書いたことの補足と
して言っておきたいね。
客:あの『資本論』にしても、社会的領域での「有る」の解剖だとも取れる。マルクスの方法を継承し
たところでもあるね。