吉本隆明 1924-2012

このエントリーをはてなブックマークに追加
158主客
客:朝日新聞ってのは吉本の反・反核運動などに出てくる有名な論争相手なわけだ。中には吉本
シンパ編集者もいて『老いの超え方』とか出したと思うが。全体的には反吉本の人間もかなりいる
はずだよ。吉本がオウム事件で大衆の暴走を批判した、と追悼文でも書かれているわけで、大衆を
肯定ばかりはせず対立することも多かった。それは今度の原発騒ぎでも同じことだ。尤も吉本が
批判的だったのは市民化して知的上昇し、運動化した大衆に過ぎないわけだけど。
主:姜とか、とにかく朝日新聞は吉本にケチつけられる人間なら歓迎してるんだよ。姜にこだわっ
てるわけでは更々ない。そこが重要なんだよ。党派的であるということだ。池田勇一や姜などの
思想は実はどうでもいい。個人の思想的プロセスはどうでもいいってところが左翼党派の特徴で
、朝日新聞はまさにそれさ。市民運動とか左翼が喜ぶなら文句はないってことなんだよ。姜は夏目
漱石を読み込んでるし、文学的な接点は吉本とあるはずだ。吉本の漱石研究を読んでる可能性もあ
る。
客:朝日新聞にかかるとそういうことは全部抜きになるわけだ。党派ってのはそうだ。いつでも
スローガンが全てだ。実は吉本のシンパも中にはいるわけだけどね。そういう人が本を作ってい
たんだろうが。
主:『小説TRIPPER』など党派性がよく分かる文芸雑誌だからね。
客:党派の作る文芸雑誌なんか誰も読まないわな。物好き以外は。