吉本隆明 1924-2012

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154主客
主:尾崎豊が自分で「反核ソング」と名付けていた歌があるでしょ。あれは秀作だよね。
客:あれは反核ソングと思いきや歌詞みると“勝つ為に争う人々の渦の中で俺は震えている。
反戦反核といってもこんな俺が何ができるというのか。抱いてくれ。愛してる。”尾崎はこれが自
分なりに突き詰めた反戦反核ソングのつもりだったというが歌われる表現の鋭利さがスローガン
を食い破りとんでもない秀作になっちゃった。でも反戦反核ソングなのか(笑)
主:その辺で吉本の資質である単独者性とやっぱり重なるところはあったと思うよ。吉本の場合は
あらゆるスローガンには反対するし馴染めない。尾崎もかつて反核コンサートで7mの照明から
飛び降りて複雑骨折したことあったが、観客をみてて異和感をもったのがダイビングの動機らし
いから。どこか頽落というか、スローガンに溶け喪った個人を見たんじゃないか。その異和感が
拒絶となったんだと思う。
客:政治ってものに最初は期待したんだろうけど実際来てみるとやっぱり何か違うと感じたん
じゃないか。あれもあの時点で無意識の自殺を試みたとも言えるからねえ。政治の頽落に敏感て
ところも吉本的だよ。